JP3752654B2 - 場所打ち鉄筋コンクリート杭の施工方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、ビル等の建築物を建設するにあたり、現場において鉄筋コンクリート杭を地盤に打ち込む施工方法に係るもので、特に、泥土を混入させた余盛りコンクリートを容易かつ速やかに除去する改良技術に関する。
【0002】
【従来の技術】
いわゆる鉄筋コンクリートの場所打ち杭は、穿孔した杭孔にベントナイト溶液を注入してから、その杭孔に鉄筋を挿入して配し、次いで杭孔にコンクリートを流し込んで打設している。この施工方法では、打設コンクリートの特に杭頭部分に泥土が混入する傾向があるので、予めコンクリートを余分に打ち増ししてその余盛りコンクリート中に泥土を混入させていた。その余盛りコンクリートは、根切り工事の際に、ブレーカー等によるはつり作業で除去し、これによって正規の杭頭の上面であるコンクリート天端を得ていた。余盛りコンクリートの高さは、例えば杭の直径が1000mm、深さ(杭長)30m程度である場合、500〜800mm程度である。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
余盛りコンクリートのはつり作業は、粉塵や騒音の発生による周辺環境への悪影響を及ぼす。また、はつり作業自体が手間とコストのかかるものであり、コンクリート屑の処分にも苦慮する場合があった。さらに、はつり作業によってはコンクリート天端のレベルを平坦かつ正確に仕上げることが難しく、杭に接合する柱鉄筋の施工精度を向上させにくいといった問題もあった。
【0004】
したがって本発明は、泥土を混入させた余盛りコンクリートの除去作業を、周辺環境への悪影響を及ぼすことなく容易かつ速やかに、さらには低コストで行うことができる場所打ち鉄筋コンクリート杭の施工方法を提供することを目的としている。
【0005】
【課題を解決するための手段】
本発明は上記目的を達成するためになされたものであり、コンクリート天端に対応させた杭頭型枠が接合された鉄筋を杭孔に配するとともに、杭孔の、少なくとも、コンクリート天端から該コンクリート天端の上に打ち増しする余盛りコンクリートの高さまでに相当する部分の内壁面を管体で支持し、さらに、管体の周囲に、余盛りコンクリートのレベルよりも深いピットを穿設し、この状態から、杭孔に、余盛りコンクリートの高さまでコンクリートを打設し、次いで、管体を杭孔から抜き出すとともに、杭頭型枠よりも上方に打設された余盛りコンクリートをピットに導き、これによって杭頭型枠内のコンクリート上面をコンクリート天端として確保することを特徴としている。
【0006】
本発明によれば、杭孔にコンクリートを打設した時点で、そのコンクリートは管体内において余盛りの高さまで打設される。この余盛りコンクリート中に泥土が混入し、これにより下部のコンクリートは泥土が混入していない健全な状態となる。コンクリートを打設した後、コンクリートが硬化せず流動状態を保っている間に、管体を杭孔から抜き出す。すると、杭頭型枠よりも上方で管体に確保されていた余盛りコンクリートが杭頭型枠の周囲に流出する。これを杭頭型枠の周囲のピットに導く。ピット内の余盛りコンクリートは、ポンプ等で排除すればよい。杭頭型枠内の打設コンクリートが杭頭を構成し、その上面であるコンクリート天端は、鏝押さえ作業により平坦とすることができる。鏝押さえ作業は、余盛りコンクリートを排除したピットの底部で行うことができる。
【0007】
本発明によれば、泥土を混入させた余盛りコンクリートを、該余盛りコンクリートが硬化する前に除去するものであり、従来のようにはつり作業により除去する必要がない。このため、余盛りコンクリートの除去作業を、周辺環境への悪影響を及ぼすことなく容易かつ速やかに、さらには低コストで行うことができる。
【0008】
【発明の実施の形態】
以下、図面を参照して本発明の一実施形態を説明する。
図1(a)は、断面円形の杭孔1に円筒状の鉄筋籠10を同軸的に配し、余盛りコンクリート2aを含めたコンクリート2を打設した状態を示している。地盤Gに穿孔した杭孔1の深さは30mであり、杭孔1の上部に、円筒状のケーシング(管体)20が、地盤面G1から適宜な高さ突出する状態に挿入されている。ケーシング20の内径は、実質的な杭孔1の直径R(この場合1000mm)よりも、例えば200mm程度大きく、このケーシング20により杭孔1の上部の内壁面が支持されている。鉄筋籠10は、周方向に等間隔をおいて互いに平行に配された複数の主筋11に、軸方向に等間隔をおいて配された図示せぬ複数の帯筋が結束されたものである。
【0009】
鉄筋籠10の上端部となる一端部の周囲には、円筒状の杭頭型枠30が配されている。この杭頭型枠30は、例えば厚さ1〜2mm程度の鉄板を円筒状に曲げ加工し、重ねた端部どうしを溶接して成形されたもので、複数のスペーサ31を介して鉄筋籠10と同軸的になるよう主筋11に溶接されている。杭頭型枠30の直径は、杭孔1の実質的な直径と同一とされており、したがって、杭頭型枠30は杭孔1と同軸に配される。また、杭頭型枠30の軸方向長さは、この場合600mm以上とされる。
【0010】
ケーシング20の周囲には、地盤Gが掘削されてピット40が穿設されている。このピット40は、図示例ではケーシング20の周囲の一部に穿設されているが、ケーシング20の全周にわたって穿設されていてもよい。
【0011】
図1(a)の状態に施工する手順は、まず、地盤Gを掘削して杭孔1を穿孔し、杭孔1の上部にケーシング20を挿入する。次に、杭孔1内に鉄筋籠10を配し、ケーシング20の周囲にピット40を穿設する。これらの作業の順序は任意であり、また、同時であってもよい。
【0012】
杭孔1内に鉄筋籠10を配するには、まず、杭孔1にベントナイト溶液を注入し、次いで、杭頭型枠30を上にした鉄筋籠10をクレーン等で吊り上げ、杭孔1内に吊り下ろす。次いで、杭孔1内(ケーシング20内)に1本の鉄棒50を真っ直ぐ吊り下ろし、地盤面G1からの深さを計りながら、その下端を、最終的な杭のコンクリート天端3の位置に定める。そして、鉄筋籠10を上下方向に調節し、杭頭型枠30の上端を鉄棒50の下端に一致させる。また、杭孔1への鉄筋籠10の同軸度も合わせる。
【0013】
この状態で、鉄筋籠10の主筋11の上端は地盤面G1と同等レベルか僅かに突出している。また、杭頭型枠30は、その上方に余盛りコンクリート2aが十分に打設される深さに位置している。ケーシング20の杭孔1への挿入部分は、少なくても杭頭型枠30の上端部分をカバーしていればよいが、図示例のように杭頭型枠30よりも十分に深く、さらには、杭孔1の底部に達する長さであってもよい。
【0014】
上記のように鉄筋籠10ならびに杭頭型枠30を杭孔1内に配したら、次に、杭孔1内にコンクリート2を打設する。打設するコンクリート量は、杭頭型枠30を越え、地盤面G1よりもやや下方まで達する量とする。打設コンクリート2における杭頭型枠30の上端レベルから上面までが、余盛りコンクリート2aである。この余盛りコンクリート2a中に、打設したコンクリート中に混入した泥土が浮上して集合させられる一方、杭頭型枠30内、およびこれより下部のコンクリートは泥土が混入していない健全な状態となる。
【0015】
コンクリート2(余盛りコンクリート2aを含む)を打設したら、速やかに、言い換えると、コンクリート2が硬化せず流動状態を保っている間に、ケーシング20を杭孔1から抜き出す。すると、杭頭型枠30よりも上方でケーシング20に確保されていた余盛りコンクリート2aが杭頭型枠30の周囲に流出するので、これを図1(b)に示すようにピット40に導き、一旦貯留させる。図1(b)の矢印Bは、余盛りコンクリート2aの流れを示している。
【0016】
なお、ケーシング20を抜き出した際に、コンクリート2にはケーシング20の厚さに見合った容量分の沈降が生じる。したがって、余盛りコンクリート2aの高さ(図1(a)のCで示す余盛り代)は、コンクリート2が沈降しても泥土が杭頭型枠30内のコンクリート2に混入しない高さとしておく。この場合の余盛り代Cは、500〜800mmが適当とされる。
【0017】
また、ピット40の容量は、貯留させた余盛りコンクリート2aが溢れて杭頭型枠30内のコンクリート2上に流入しないように余裕をもたせておく。ケーシング20内の余盛りコンクリート2aの一部をポンプ等で予め排出してもよく、その場合には、ピット40の容量を小さくすることができる。次いで、ピット40内の余盛りコンクリート2aをポンプ等で排除する。
【0018】
このようにして泥土が混入した余盛りコンクリート2aを除去することにより、杭頭型枠30内のコンクリートが杭頭を構成し、その上面がコンクリート天端3となる。この後、ピット40の底部に下りた作業員により、コンクリート天端3を鏝押さえ作業により平坦とする。この鏝押さえ作業は、僅かなコンクリート2の沈降に追従して複数回行う。
【0019】
本発明に係る上記一実施形態の施工方法によれば、泥土を混入させた余盛りコンクリート2aを、この余盛りコンクリート2aが硬化する前に除去するものである。したがって、硬化した余盛りコンクリート2aを除去するはつり作業を行う必要はない。このため、余盛りコンクリート2aの除去作業を、周辺環境への悪影響を及ぼすことなく容易かつ速やかに行うことができる。また、その除去作業にかかるコストは、はつり作業に比べるときわめて低く抑えられる。さらに、コンクリート天端3を鏝押さえ作業によって平坦に、かつ設計通りのレベルに正確に仕上げることができる。その結果、当該杭に接合する柱鉄筋の施工精度を大幅に向上させることができる。
【0020】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明によれば、泥土を混入させた余盛りコンクリートを硬化前に除去するものであり、従来のはつり作業を要さないことから、余盛りコンクリートの除去作業を、周辺環境への悪影響を及ぼすことなく容易かつ速やかに、さらには低コストで行うことができるといった効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の一実施形態に係る施工方法を(a),(b)の順に示す縦断面図である。
【符号の説明】
1…杭孔、2…コンクリート、2a…余盛りコンクリート、
3…コンクリート天端、10…鉄筋籠、20…ケーシング(管体)、
30…杭頭型枠、40…ピット、G…地盤。
Claims (1)
- コンクリート天端に対応させた杭頭型枠が接合された鉄筋を杭孔に配するとともに、
前記杭孔の、少なくとも、前記コンクリート天端から該コンクリート天端の上に打ち増しする余盛りコンクリートの高さまでに相当する部分の内壁面を管体で支持し、
さらに、前記管体の周囲に、前記余盛りコンクリートのレベルよりも深いピットを穿設し、
この状態から、前記杭孔に、前記余盛りコンクリートの高さまでコンクリートを打設し、
次いで、前記管体を杭孔から抜き出すとともに、前記杭頭型枠よりも上方に打設された前記余盛りコンクリートを前記ピットに導き、杭頭型枠内のコンクリート上面を前記コンクリート天端として確保すること
を特徴とする場所打ち鉄筋コンクリート杭の施工方法。
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