JP3725403B2 - オールケーシング工法による場所打ち鋼管コンクリート杭の施工法 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、ケーシング内の掘削土量やコンクリート量を必要最小限度にすることにより、コストの低減と省資源化を図ることができるオールケーシング工法による場所打ち鋼管コンクリート杭の施工法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来のオールケーシング工法による場所打ち鋼管コンクリート杭の施工法として、図5に示すような同時建込み工法がある。
この工法は、図5(a)に示すように、地面にケーシング10を圧入した後、ケーシング10内を掘削し、次いで、図5(b)に示すように掘削したケーシング10の内部に鉄筋かご5とリブ付鋼管1を挿入した後、図5(c)に示すように、ケーシング10を上方に移動させながらトレミ管6からコンクリートCを打設し、図5(d)に示すように最終高さまでコンクリートCを打設した後、トレミ管5とケーシング10を引き抜くようにする。
【0003】
また、他の施工法として、図6に示すような打設後圧入工法がある。
この工法は、図6(a)に示すように、地面にケーシング10を圧入した後、ケーシング10内を掘削し、次いで、図6(b)に示すように掘削したケーシング10の内部に鉄筋かご5を挿入した後、図6(c)に示すように、ケーシング10を上方に移動させながらトレミ管6からコンクリートCを打設する。
そして、図6(d)に示すように、最終高さまでコンクリートCを打設した後、空堀部分にケーシング10を残した状態でトレミ管5を引き抜き、図6(e)に示すように、リブ付鋼管1をコンクリートCに圧入した後、ケーシング10を引き抜くようにする。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、前者の同時打込み工法では、ケーシングの内面とリブ付鋼管の外面との間にある程度の隙間がないと、施工上の曲がりや傾斜、粗骨材の詰まり等が生じ、ケーシングを引き抜くときにリブ付鋼管も上がってしまう共上がり現象が生じる。
したがって、ケーシングとリブ付鋼管との間には少なくとも50〜100mmの隙間が必要であり、また、ケーシングの厚さが55mmあるため、ケーシングの外径はリブ付鋼管よりも200〜300mmと必要以上に大きくなり、これにより、ケーシング内の掘削土量やコンクリート量が多くなって、非常に不経済になるという問題があった。
【0005】
また、後者の打設後圧入工法は、評定では、ケーシングの内径はリブ付鋼管より100mm以上大きいとしているが、実際にはケーシングの厚さが55mmあるため、ケーシングの外径はリブ付鋼管より200mm以上大きくする必要があり、前者と同様に、ケーシング内の掘削土量やコンクリート量が多くなって、非常に不経済になるという問題があった。
さらに、コンクリートには砂利や砕石等の粗骨材が含有されているため、鋼管を打設したコンクリート中に圧入することは非常に困難であり、作業ミスが多いことから、現状ではこの方法は採用されていない。
【0006】
本発明は、上記従来の場所打ち鋼管コンクリート杭の施工法が有する問題点に鑑み、ケーシング内の掘削土量やコンクリート量を必要最小限度にすることにより、コストの低減と省資源化を図ることができるオールケーシング工法による場所打ち鋼管コンクリート杭の施工法を提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するため、本発明のオールケーシング工法による場所打ち鋼管コンクリート杭の施工法は、オールケーシング工法により場所打ち鋼管コンクリート杭を施工するに際し、場所打ち鋼管コンクリート杭を構成する鋼管より大きい径の外側ケーシングを、鋼管設置位置の下端より所要深い位置まで設置するとともに、外側ケーシング内部を少なくとも鋼管設置位置の下端まで掘削し、その後、鋼管とほぼ同径の内側ケーシングを圧入して、内側ケーシング内部を掘削し、掘削した内側ケーシング内部に鉄筋かごを挿入した後、コンクリートを打設し、打設したコンクリートの上面が外側ケーシングの掘削部の底部以上の位置になった時点で内側ケーシングを引き抜き、鋼管を設置位置に配設した後、最終高さまでコンクリートを打設するとともに、外側ケーシングを引き抜くことを特徴とする。
【0008】
この場所打ち鋼管コンクリート杭の施工法では、鋼管より大きい径の外側ケーシングを、概ね鋼管設置位置にのみ設置し、その他の部分では、鋼管とほぼ同径の細い内側ケーシングを使用することから、ケーシング内の掘削土量や打設するコンクリート量を大幅に低減し、コストの節減と省資源化を図ることができる。
【0009】
この場合において、外側ケーシングの掘削部の底部を越えて打設したコンクリート中に、鋼管の下端部を押し込んで設置位置に配設するようにすることができる。
【0010】
これにより、鋼管を安定して配設することができる。
【0011】
【発明の実施の形態】
以下、本発明のオールケーシング工法による場所打ち鋼管コンクリート杭の施工法の実施の形態を図面に基づいて説明する。
【0012】
図1〜図4に、本発明のオールケーシング工法による場所打ち鋼管コンクリート杭の施工法の一実施例を示す。
本実施例の場所打ち鋼管コンクリート杭の施工法は、例えば、図3(b)に示すように、場所打ち鋼管コンクリート杭を構成するリブ付鋼管1の外径より100mm以上、好ましくは、200〜300mm大きい外径の外側ケーシング2を使用する。
【0013】
すなわち、本実施例の施工法は、図1(a)〜図1(b)に示すように、この外側ケーシング2を、鋼管設置位置1aの下端より50cm以上深い位置まで設置するとともに、外側ケーシング2の内部を、鋼管設置位置1aの下端より深い位置まで地面を掘削する。
この場合、外側ケーシング2は、パワージャッキ等を用いて、地面に直接圧入したり、外側ケーシング2内を掘削しながら圧入するようにする。
【0014】
次いで、図2(a)に示すように、場所打ち鋼管コンクリート杭を構成するリブ付鋼管1とほぼ同径の内側ケーシング3をパワージャッキ4等によって地面に圧入し、内側ケーシング3の内部を掘削する。
【0015】
そして、図2(b)に示すように、この掘削した内側ケーシング3の内部に鉄筋かご5を挿入した後、図3(a)に示すように、鉄筋かご5の内部にトレミ管6を挿入し、内側ケーシング3を上方に引き抜きながら内側ケーシング3の掘削部7にコンクリートCを打設する。
【0016】
次いで、図3(a)〜図3(b)に示すように、打設したコンクリートCの上面が外側ケーシング2の掘削部8の底部9以上の位置(鋼管設置位置1aの下端を越える場合を含む。)になった時点で、内側ケーシング3を地中から引き抜くことにより抜き去り、リブ付鋼管1を設置位置に配設する。
【0017】
この場合、場所打ち鋼管コンクリート杭を構成するリブ付鋼管1は、外側ケーシング2の掘削部8に、単に配設するようにすることも可能であるが、外側ケーシング2の掘削部8の底部9を越えて打設したコンクリートC中に、リブ付鋼管1の下端部を押し込んで設置位置に配設するようにすることが望ましい。
これにより、リブ付鋼管1を安定して配設することができる。
【0018】
そして、図4(a)〜図4(b)に示すように、最終高さまでコンクリートCを打設しながら、あるいは、最終高さまでコンクリートCを打設した後、外側ケーシング2を引き抜くようにする。
【0019】
なお、リブ付鋼管1は、外側ケーシング2内でのセンタリングをするスペーサSを有し、さらに、外側ケーシング2、鉄筋かご5、クレーン(図示省略)等を介して設置位置に吊り下げられる。
【0020】
この場合、最終高さまでコンクリートCを打設する際に、リブ付鋼管1内にトレミ管6によりコンクリートCを打設するようにし、リブ付鋼管1の上端から溢出したコンクリートCを、リブ付鋼管1の外側に収容するようにする。
これにより、打設したコンクリートのうち、上部のスライムを含む不良なコンクリートをリブ付鋼管1の外側に押し出し、収容するようにすることができ、良質のコンクリートをリブ付鋼管1の内部に充填することができる。
【0021】
このように、本実施例の場所打ち鋼管コンクリート杭の施工法では、リブ付鋼管1より大きい径の外側ケーシング2を、概ね鋼管設置位置1aにのみ設置し、その他の部分では、リブ付鋼管1とほぼ同径の細い内側ケーシング3を使用することができることから、内側ケーシング3内の掘削土量や打設するコンクリート量を必要最小限度に低減し、コストの節減と省資源化を図ることができる。
【0022】
本発明の実施例による施工法による掘削量と、従来の同時建込み工法による掘削量の比較を表1に示す。
なお、表1の従来の工法では、外側ケーシング2の内径をリブ付鋼管の外径より200mm大きいものとした。
【0023】
【表1】
Figure 0003725403
【0024】
表1からも明らかなように、例えば、リブ付鋼管の設計径1000〜1500mm、掘削長30m、杭長28m、リブ付鋼管長を設計径の5倍とした場合、本発明の実施例の施工法による掘削量及び打設されるコンクリート量は、従来の施工法と比較し、約2割減少させることができる。
【0025】
以上、本発明のオールケーシング工法による場所打ち鋼管コンクリート杭の施工法について、その実施例に基づいて説明したが、本発明は上記実施例に記載した構成に限定されるものではなく、その趣旨を逸脱しない範囲において適宜その構成を変更することができるものである。
【0026】
【発明の効果】
本発明のオールケーシング工法による場所打ち鋼管コンクリート杭の施工法によれば、鋼管より大きい径の外側ケーシングを、概ね鋼管設置位置にのみ設置し、その他の部分では、鋼管とほぼ同径の細い内側ケーシングを使用することから、ケーシング内の掘削土量や打設するコンクリート量を大幅に低減し、コストの節減と省資源化を図ることができる。
【0027】
また、外側ケーシングの掘削部の底部を越えて打設したコンクリート中に、鋼管の下端部を押し込んで設置位置に配設するようにすることにより、鋼管を安定して配設することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のオールケーシング工法による場所打ち鋼管コンクリート杭の施工法の一実施例を示し、(a)は第1工程図、(b)は第2工程図である。
【図2】同(a)は第3工程図、(b)は第4工程図である。
【図3】同(a)は第5工程図、(b)は第6工程図である。
【図4】同(a)は第7工程図、(b)は施工完了時の断面図である。
【図5】従来の同時建込み工法による場所打ち鋼管コンクリート杭の施工法を示し、(a)は第1工程図、(b)は第2工程図、(c)は第3工程図、(d)は施工完了時の断面図である。
【図6】従来の打設後圧入工法による場所打ち鋼管コンクリート杭の施工法を示し、(a)は第1工程図、(b)は第2工程図、(c)は第3工程図、(d)は第4工程図、(e)は施工完了時の断面図である。
【符号の説明】
1 リブ付鋼管
1a 鋼管設置位置
2 外側ケーシング
3 内側ケーシング
4 パワージャッキ
5 鉄筋かご
6 トレミ管
7 内側ケーシングの掘削部
8 外側ケーシングの掘削部
9 外側ケーシング掘削部の底部
C コンクリート

Claims (2)

  1. オールケーシング工法により場所打ち鋼管コンクリート杭を施工するに際し、場所打ち鋼管コンクリート杭を構成する鋼管より大きい径の外側ケーシングを、鋼管設置位置の下端より所要深い位置まで設置するとともに、外側ケーシング内部を少なくとも鋼管設置位置の下端まで掘削し、その後、鋼管とほぼ同径の内側ケーシングを圧入して、内側ケーシング内部を掘削し、掘削した内側ケーシング内部に鉄筋かごを挿入した後、コンクリートを打設し、打設したコンクリートの上面が外側ケーシングの掘削部の底部以上の位置になった時点で内側ケーシングを引き抜き、鋼管を設置位置に配設した後、最終高さまでコンクリートを打設するとともに、外側ケーシングを引き抜くことを特徴とするオールケーシング工法による場所打ち鋼管コンクリート杭の施工法。
  2. 外側ケーシングの掘削部の底部を越えて打設したコンクリート中に、鋼管の下端部を押し込んで設置位置に配設することを特徴とする請求項1記載のオールケーシング工法による場所打ち鋼管コンクリート杭の施工法。
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