JP4302861B2 - 場所打ちコンクリート杭の構築方法 - Google Patents
場所打ちコンクリート杭の構築方法 Download PDFInfo
- Publication number
- JP4302861B2 JP4302861B2 JP2000241119A JP2000241119A JP4302861B2 JP 4302861 B2 JP4302861 B2 JP 4302861B2 JP 2000241119 A JP2000241119 A JP 2000241119A JP 2000241119 A JP2000241119 A JP 2000241119A JP 4302861 B2 JP4302861 B2 JP 4302861B2
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- concrete
- cast
- hole
- aggregate
- pile
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Expired - Fee Related
Links
Images
Landscapes
- Piles And Underground Anchors (AREA)
Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、場所打ちコンクリート杭の構築方法に関し、さらに詳細には、再生骨材または高炉スラグ砕石などの軽量な骨材を含むコンクリートにより場所打ちコンクリート杭を構築する方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
既存コンクリート構造物の解体時に生じるコンクリート廃棄物を粒状に砕いて再生骨材を生成し、この再生骨材をコンクリートの骨材として利用することが知られており、同様に、高炉スラグ砕石などの廃棄物もコンクリートの骨材として利用されている。そして、かかる再生骨材又は高炉スラグ砕石を含むコンクリートを、場所打ちコンクリート杭の構築に使用することが検討されている。
ここで、場所打ちコンクリート杭の従来工法としては、例えば、掘削機械により地盤を掘削して孔を形成しながら、この孔内にベントナイト液などの安定液を充填して孔壁の崩壊を防止し、孔の掘削が終了したら孔内に鉄筋を建て込み、その後に、トレミー管を通じて孔の下端から上方に向けてコンクリートを打設することにより場所打ちコンクリート杭を構築する方法がある。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、前記場所打ちコンクリート杭の従来工法に、再生骨材又は高炉スラグ砕石を含むコンクリートを使用する場合、コンクリートの充填性に問題が生じる可能性がある。
【0004】
すなわち、普通コンクリートの比重は2.3程度であるのに対し、前記再生骨材又は高炉スラグ砕石を含むコンクリートの比重は2.2程度であり、普通コンクリートよりも比重が若干小さいため泥水中では流動性が低下する。このように流動性の低いコンクリートをトレミー管により孔内に打設する場合、特に、孔の上端部で打設圧力が弱くなるため、孔壁に沿って配置された鉄筋の外側にはコンクリートが充填されず、ここが空洞になったり、あるいはスライムが詰まって充填不良を起こす可能性が増大する。
【0005】
かかる充填不良が杭の上端部で発生した場合には、コンクリートを健全な部分まで斫り込んで、新たなコンクリートを打設する必要が生じるため、手間が掛かり工程が煩雑になるという欠点がある。また充填不良が地表から修復困難な杭の中間部や下端部に生じた場合には、杭の支持力低下を起こす恐れがある。
【0006】
本発明は、上記従来技術の問題点を解決せんとしたものであり、その課題は、普通骨材よりも軽量な骨材、すなわち、再生骨材又は高炉スラグ砕石などの産業廃棄物よりなる軽量な骨材を含むコンクリートにより、良好な充填性を確保しつつ場所打ちコンクリート杭を構築する方法を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本発明では、再生骨材または高炉スラグ砕石などの軽量な骨材を含むコンクリートにより場所打ちコンクリート杭を構築する方法であって、地盤を掘削して孔を形成し、該孔内に安定液を充填して鉄筋を建て込み、前記孔の下端にトレミー管を通じて普通コンクリートを打設した後に、前記トレミー管を引き上げながら軽量な骨材を含むコンクリートを前記普通コンクリートの上に打ち継いで、前記孔の上端には普通コンクリートを打設することを特徴とする場所打ちコンクリート杭の構築方法が提供される。
【0008】
本発明の場所打ちコンクリート杭の構築方法において、再生骨材または高炉スラグ砕石などの軽量な骨材とは、例えば、JIS A5011−1高炉スラグ骨材の規定において、高炉スラグ粗骨材として定められた絶乾比重が2.2以上のものをいう。
なお、本明細書中において普通骨材とは絶乾比重が粗骨材で2.5トン/m3程度以上のものをいい、普通コンクリートとはかかる普通骨材を骨材として使用したものであって単位重量が2.3トン/m3程度以上のものである。
【0009】
【実施例】
以下、添付図面に基づいて実施例を説明するが、本発明はこれに限定されるものではない。
図1(1)〜(5)は本発明にかかる場所打ちコンクリート杭の構築方法の一実施例を示す簡略断面図である。
本発明では、最初に、べノト工法、アースドリル工法またはリバースサーキュレーション工法などの掘削工法により、地盤を掘削して孔11を形成する。ここで、例えば、アースドリル工法により孔を形成する場合には、ベントナイト液などの安定液17を充填して孔壁の崩壊を防止しつつ掘削を行ない、孔を形成した後に、孔の上端部にケーシング12を環装すると、図1(1)のような孔11が形成される。
【0010】
次に、孔11の下端部に溜まったスライム(図示せず)を除去した後、図1(2)に示すように、孔11内に鉄筋かご14を吊り降ろして設置し、トレミー管13を孔11の下端まで延ばす。そして、図1(3)に示すように、このトレミー管13を通して単位重量が2.3トン/m3以上の普通コンクリート15aを1バッチに相当する量、例えば、生コンクリート供給車両一台分だけ打設する。このとき、コンクリートは普通コンクリートを使用し、しかもトレミー管13の上端から孔の下端までの高低差による圧力が作用するため、普通コンクリートは鉄筋かご14の外側まで充分に廻り込んで充填される。また、この打設初期における普通コンクリート15aにより、例えば、直径1.5m程度の場所打ちコンクリート杭では下端部2〜3m程度が形成される。
【0011】
1バッチ分の普通コンクリートを打設した後、トレミー管13の下端1m程度を普通コンクリート15aの内部に留めた状態で、再生骨材または高炉スラグ砕石などの軽量な骨材を含む単位重量2.2トン/m3程度のコンクリート15bの打設を開始し、同様に下端1m程度をコンクリート中に留めた状態でトレミー管13を徐々に引き上げながら打設工程を続ける。これにより、普通コンクリート15aの表面の一部が軽量なコンクリート15bに押し上げられて、トレミー管13とともに上昇する。このとき、コンクリートは普通コンクリートに比べて若干比重が小さいコンクリート(再生骨材または高炉スラグ砕石などの軽量な骨材を含むコンクリート)が使用されるものの、トレミー管13の上端から打設位置までの高低差による圧力が作用するため、軽量なコンクリートは鉄筋かご14の外側まで充分に廻り込んで充填される。
【0012】
軽量なコンクリート15bの打設を継続し、構築予定のコンクリート杭の上端5m程度を残す高さまでコンクリートが上昇してきたら、軽量なコンクリート15bの打設を停止する。そして、ケーシング12を上方に引き上げながら、軽量なコンクリートから普通コンクリート15aに代えてコンクリート打設を行なう。このとき、トレミー管13の上端から打設位置までの距離が小さくなり高低差による圧力は低下するものの、コンクリートは普通コンクリートが使用されるため、普通コンクリートは鉄筋かご14の外側まで廻り込むことができて、場所打ちコンクリート杭の上端部における充填不良は防止される。
なお、図1(5)において、場所打ちコンクリート杭15の上を土砂16により埋め戻した状態を示したが、場所打ちコンクリート杭15は孔の上端まで形成しても良い。
【0013】
【発明の効果】
本発明の場所打ちコンクリート杭の構築方法では、鉄筋かごの外周までコンクリートが廻り込み易い杭の中間部に、高炉スラグ砕石などの軽量な骨材を含む軽量なコンクリートを使用する一方で、軽量なコンクリートでは充填不良が生じ易い杭の上端部に普通コンクリートを使用しているので、杭の外周に空洞部ができることを防止することができるとともに、普通骨材よりも軽量な骨材、例えば、再生骨材又は高炉スラグ砕石などの産業廃棄物を大量に、しかも有効に再利用することが可能になった。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明にかかる場所打ちコンクリート杭の構築方法の一実施例を示す簡略断面図である。
【符号の説明】
11 孔
13 トレミー管
14 鉄筋かご
15a 普通コンクリート
15b 軽量な骨材を含むコンクリート
17 安定液
Claims (1)
- 再生骨材または高炉スラグ砕石などの軽量な骨材を含むコンクリートにより場所打ちコンクリート杭を構築する方法であって、
地盤を掘削して孔を形成し、該孔内に安定液を充填して鉄筋を建て込み、前記孔の下端にトレミー管を通じて普通コンクリートを打設した後に、前記トレミー管を引き上げながら軽量な骨材を含むコンクリートを前記普通コンクリートの上に打ち継いで、前記孔の上端には普通コンクリートを打設することを特徴とする場所打ちコンクリート杭の構築方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2000241119A JP4302861B2 (ja) | 2000-08-09 | 2000-08-09 | 場所打ちコンクリート杭の構築方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2000241119A JP4302861B2 (ja) | 2000-08-09 | 2000-08-09 | 場所打ちコンクリート杭の構築方法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2002054137A JP2002054137A (ja) | 2002-02-20 |
JP4302861B2 true JP4302861B2 (ja) | 2009-07-29 |
Family
ID=18732357
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2000241119A Expired - Fee Related JP4302861B2 (ja) | 2000-08-09 | 2000-08-09 | 場所打ちコンクリート杭の構築方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP4302861B2 (ja) |
Families Citing this family (6)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP5095719B2 (ja) * | 2009-12-28 | 2012-12-12 | 大豊建設株式会社 | 場所打ち杭築造方法 |
CN101831904A (zh) * | 2010-05-06 | 2010-09-15 | 南京工业大学 | 一种透水型混凝土桩 |
CN103015407A (zh) * | 2012-12-01 | 2013-04-03 | 李尚喜 | 连山石上高层楼基础姊妹孔爆破法建设与施工 |
JP6361889B2 (ja) * | 2016-02-08 | 2018-07-25 | Jfeスチール株式会社 | 人工浅場又は干潟 |
JP7503518B2 (ja) | 2021-04-20 | 2024-06-20 | 大成建設株式会社 | 場所打ちコンクリート杭の施工方法 |
CN114718056B (zh) * | 2022-03-30 | 2024-07-26 | 上海悠远建筑工程有限公司 | 超流态固化土灌注桩及其生产方法 |
-
2000
- 2000-08-09 JP JP2000241119A patent/JP4302861B2/ja not_active Expired - Fee Related
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JP2002054137A (ja) | 2002-02-20 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
JP7266228B2 (ja) | 超長尺・小口径ボアホールパイル工法 | |
JP2007126846A (ja) | 補強籠および現場打ちコンクリ−ト杭の施工法並びに現場打ちコンクリ−ト杭 | |
JP4302861B2 (ja) | 場所打ちコンクリート杭の構築方法 | |
CN111877329A (zh) | 一种桩中桩断桩接桩施工方法 | |
JP2014088687A (ja) | 杭体造成方法 | |
JP3725403B2 (ja) | オールケーシング工法による場所打ち鋼管コンクリート杭の施工法 | |
JP4502444B2 (ja) | 場所打ちコンクリート杭の構築工法における杭頭処理工法および場所打ちコンクリート杭の杭頭処理用型枠 | |
JP2008095502A (ja) | 杭穴掘削方法及び基礎杭の施工方法 | |
JP4154487B2 (ja) | 基礎杭の構築方法、基礎杭 | |
JP4611108B2 (ja) | 杭と柱の一体化施工方法 | |
JP2008144529A (ja) | 場所打ちコンクリート杭の杭頭処理具 | |
JP2007224657A (ja) | 場所打ちコンクリート杭施工方法 | |
JP2005282063A (ja) | 複合現場造成杭及びその築造方法、並びに複合現場造成杭造成用装置 | |
JP2002021069A (ja) | 場所打ち鋼管コンクリート杭工法における鋼管の設置方法 | |
CN107574825A (zh) | 基坑支护方法及倾斜桩 | |
JPH0280710A (ja) | 場所打コンクリート杭の造成工法 | |
JP3827309B2 (ja) | 埋め込み杭工法用補助装置及び埋め込み杭工法 | |
CN115030144B (zh) | 一种超大直径钻孔灌注桩的施工方法 | |
KR101077242B1 (ko) | 흙막이 벽체와 철골 기둥을 이용한 지하 구조물 시공 방법 | |
CN110219666A (zh) | 隧道施工方法及黄土隧道 | |
JP2996113B2 (ja) | 立坑の構築方法 | |
JP3815258B2 (ja) | 構真柱の建て込み方法 | |
JP4479099B2 (ja) | 建築物の基礎の施工方法 | |
KR102408334B1 (ko) | 기존 지하구조물의 기초를 가설기초로 활용한 지하구조물 구축방법 | |
CN107630456A (zh) | 基坑支护方法及倾斜桩 |
Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A621 | Written request for application examination |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621 Effective date: 20070608 |
|
A977 | Report on retrieval |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007 Effective date: 20090324 |
|
TRDD | Decision of grant or rejection written | ||
A01 | Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01 Effective date: 20090331 |
|
A01 | Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01 |
|
A61 | First payment of annual fees (during grant procedure) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61 Effective date: 20090423 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120501 Year of fee payment: 3 |
|
R150 | Certificate of patent or registration of utility model |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20150501 Year of fee payment: 6 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20150501 Year of fee payment: 6 |
|
S531 | Written request for registration of change of domicile |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313531 |
|
S533 | Written request for registration of change of name |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313533 |
|
R350 | Written notification of registration of transfer |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350 |
|
LAPS | Cancellation because of no payment of annual fees |