JP3752132B2 - ワークの位置決め装置 - Google Patents
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Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、所定に位置決めした状態でワークを切出すことのできるワークの位置決め装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
例えば、鋳造工程或いは鍛造工程で形成されたワークを、次の旋削工程等の加工工程へ移送する場合、ワーク搬送路にてワークを個別に分離切出し、所定に位置決めした後、受け渡す必要がある。
【0003】
例えば特開平11−822号公報には、ワーク搬送路の上下流に、一対のシャッタを配設し、この両シャッタを交互に開閉させて、連続的に送られてくるワークを、1個ずつ分離して、次の割出し位置へ搬送し、ここで、ワークを所定に位置決めした状態で、次工程へ受け渡す技術が開示されている。
【0004】
この場合、ワークが、例えば、自動車のブレーキ部品を構成するディスクロータである場合、このディスクロータは、同車種においてもエンジンの排気量や出力に応じて、その外形が複数種類存在し、それらを同じ搬送路で搬送して、旋削等の機械加工を行う場合、ディスクロータを一旦停止させて位置決めした後、分離切出して、工作機械の主軸チャック方向へ搬送する。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、上述した従来技術では、ワークを分離する際の工程、及びワークを位置決めする工程では、ワークの外形を基準として位置決めを行っているため、ディスクロータのように、複数の種類の外形が存在する場合には、搬送されるワーク外形に合わせて、ワークストッパを逐次交換しなければならず、ワークストッパ交換のための段取が必要となり、工数が嵩んでしまう不都合がある。
【0006】
本発明は、上記事情に鑑み、外形の異なるワークを所定に切出して工作機械へ搬送する際に、ワークを位置決めするワークストッパをワークの外径に応じて逐次交換する必要がなく、ワークストッパ交換のための段取り工数を削減することの可能なワークの位置決め装置を提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するため本発明による第1のワークの位置決め装置は、内側形状が共通で外形の異なる複数種類のワークを搬送するワーク搬送路に、該ワークを位置決めするワークストッパを配設したワークの位置決め装置において、上記ワークストッパに、ワーク進行方向に沿って揺動自在なストッパ本体と、上記ストッパ本体のワーク進行方向前位に設けられていると共に上記ワークが非接触状態のときは上記ワーク搬送路から突出しているワークガイドと、上記ストッパ本体のワーク進行方向後部に設けられ上記ワークガイドが上記ワーク搬送路から突出しているときは該ワーク搬送路と同一面か没入されている一方上記ワークガイドがワーク搬送路に没入されたときは相対的に上記ワーク搬送路から突出して上記ワークの内側の進行方向後位を掛止する位置決め用ストッパ部とを備えることを特徴とする。
【0008】
このような構成では、ストッパ本体の前部に設けられているワークガイドがワークに接触して押し下げられると、相対的に後部に設けられている位置決め用ストッパ部がワーク搬送路から突出し、ワークの内側を掛止して位置決めする。
【0009】
この場合、好ましくは、1)上記位置決め用ストッパ部は上記ワークの内側のワーク進行方向後位を掛止し、又上記ワークガイドと上記位置決め用ストッパ部との間に、上記ワークガイドが上記ワークに接触して押し下げられたとき上記ワーク搬送路から突出して上記内側のワーク進行方向前位を掛止するアンチバック用ストッパ部を設けたことを特徴とする。
【0010】
2)上記ワークストッパを上記ワーク搬送路のワーク進行方向前後に少なくとも一対併設し、後側ワークストッパを昇降自在に支持し、上記ワークが上記後側ワークストッパを通過した後、該後側ワークストッパを上昇させることを特徴とする。
【0011】
【発明の実施の形態】
以下、図面に基づいて本発明の一実施の形態を説明する。ここで、図1は自動搬送旋削盤の全体構成図、図2は上流側ローラコンベアの要部平面図、図3はワーク切出し部でのワーク搬送装置の動作を状態別に示す説明図、図4は搬送爪の要部拡大図、図5はポカヨケ駒の配置状態を示す説明図、図6〜図8はワークストッパの状態別の説明図である。尚、図3においては、図面左半分を前側ワーク切出し部、右半分を後側ワーク切出し部におけるワーク搬送装置の動作を状態別に示す。
【0012】
図1の符号1は工作機械の一例である旋削盤で、この旋削盤1の主軸台2の上方に、下端に複数の刃物台3を垂設する加工ユニット4が昇降自在に対設されている。主軸台2には一対の主軸チャック5,6が、所定間隔を開けて、図の左右方向に配設されている。
【0013】
各主軸チャック5,6にはサイズの異なる複数種類のワークが把持される。本実施の形態ではワークの一例として外形の異なる2種類のディスクロータ7,8を示す。このディスクロータ7,8は、鋳造、或いは鍛造品であり、ディスクロータ7がディスクロータ8よりも小さな外径に形成されている。以下の説明では、ディスクロータ7を小ディスクロータ、ディスクロータ8を大ディスクロータと称する。
【0014】
この両ディスクロータ7,8の中心に筒状部7a,8aが形成され、この各筒状部7a,8aの内側面7b,8bが共通の寸法で形成されていると共に、開口端部に同一寸法の段部7c,8cが形成されている。尚、この筒状部7a,8aは、図示しない車両の駆動系に設けられているホイールハブに装着される。
【0015】
又、旋削盤1には水平方向へ延出する搬送ビーム10が配設されており、この搬送ビーム10の上手側と下手側とに、ワーク搬送路の一例である上流側ローラコンベア11と下流側ローラコンベア12とが配設されている。この両ローラコンベア11,12は、上手から下手方向へ所定角度下方へ傾斜されており、各ローラコンベア11,12に載置されるディスクロータ7,8は上流側から下流側へ、自重により滑動しながら移動する。尚、各ローラコンベア11,12の幅方向両側には、ディスクロータ7,8の脱落を防止するラフガイド13が配設されている。
【0016】
又、図2、図3に示すように、上流側ローラコンベア11の中途に、ワーク進行方向に前後してワーク切出し部14,15が、主軸チャック5,6と同じ間隔を開けて配設されている。このワーク切出し部14,15に対応する上流側ローラコンベア11の部位は間断されており、その間断された部位のほぼ中央に、前側ワークストッパ16と後側ワークストッパ17とが配設されている。
【0017】
又、図2、図3の符号9はワーク搬送装置で、このワーク搬送装置9の搬送装置本体18が、搬送ビーム10に沿って水平方向へ往復移動される。この搬送装置本体18の移動方向に直行する方向の両側には昇降装置19が固設されており、この各昇降装置19に爪保持部20が支持されている。図2に示すように、各爪保持部20に、対向一対の前側搬送爪21と後側搬送爪22とが支持されている。この各爪保持部20に支持されている搬送爪21,22は、ワーク切出し部14,15と同一の間隔に設定されている。
【0018】
互いに対向する搬送爪21,22は対称に動作し、ワーク搬送方向へ移動する往路では水平な搬送状態となり、ワークを受け取りに行く復路では上方へ傾倒された待避状態となる。
【0019】
尚、図示しないが、搬送ビーム10には、もう一組のワーク搬送装置が連設されている。このワーク搬送装置は、旋削盤1の主軸チャック5,6に載置されている加工済みのディスクロータ7,8を、上述したワーク搬送装置9に同期して下流側ローラコンベア12の方向へ搬送するためのものである。従って、上流側ローラコンベア11に載置されているディスクロータ7,8を旋削盤1の方向へ搬送する際には、それに同期して、主軸チャック5,6に載置されている加工済みのディスクロータが下流側ローラコンベア12の方向へ搬出される。
【0020】
各搬送爪21,22の先部には、各ディスクロータ7,8の外縁を掛止する爪部23a,23bが形成されている。図4に示すように、各爪部23a,23bは段状に形成されており、下段爪部23aが小ディスクロータ7の外縁を掛止し、上段爪部23bが大ディスクロータ8の外縁を掛止する。尚、図2(a)は、各搬送爪21,22が上方へ傾倒する待機状態を示し、同図(b)は、水平に傾倒された搬送準備状態或いは搬送状態を示す。
【0021】
又、各ワーク切出し部14,15の入り口側で、上流側ローラコンベア11の幅方向両側に、ディスクロータ7,8を上流側ローラコンベア11の中央へ導く、ポカヨケ駒29a,29bが取り外し自在に設けられている。
【0022】
本実施の形態では、搬送するディスクロータ7,8に応じて、小ロータ用ポカヨケ駒29aと大ロータ用ポカヨケ駒29bとの2種類が用意されている。すなわち、例えば、図2に示すように、上流側ローラコンベア11に対して小ディスクロータ7と大ディスクロータ8とが交互に搬送される場合、前側ワーク切出し部14側に小ロータ用ポカヨケ駒29aを装着し、又、後側ワーク切出し部15側に大ロータ用ポカヨケ駒29bを装着する。又同一サイズのディスクロータ7或いは8を搬送する場合は、両ワーク切出し部14,15の入口側に対応するポカヨケ駒29a、29を装着する。
【0023】
図5に示すように、ワーク切出し部14,15の入口側に小ロータ用ポカヨケ駒29aを装着した場合、搬送路幅が小ディスクロータ7の外径よりもやや広い程度の幅Wsに規制される。又、大ロータ用ポカヨケ駒29bを装着した場合は、搬送路幅が大ディスクロータ8の外径よりもやや広い程度の幅WDに規制される。
【0024】
又、両ワークストッパ16,17のストッパ本体24は平板を略逆三角形に形成したもので、その下部の支持部24aが後側ストッパベース26、前側ストッパベース25に各々垂立されているブラケット25a,26aに対し、ワーク進行方向に沿って揺動自在に支持されている。
【0025】
前側ストッパベース25は基台(図示せず)に固定されており、一方後側ストッパベース26はストッパ昇降装置27に連設されて、昇降自在に支持されている。尚、後側ワーク切出し部15にディスクロータが在席していないときは、ストッパ昇降装置27は下降動作し、前側ワークストッパ16を上流側ローラコンベア11から没入させた位置で待機している。
【0026】
又、図6に示すように、各ストッパ本体24のワーク進行方向先端にローラ式ワークガイド28が固設され、一方、ワーク進行方向後端に位置決め用ストッパ部24bが形成され、更にローラ式ワークガイド28と位置決め用ストッパ部24bとの間の上部にアンチバック用ストッパ部24cが突出形成されている。
【0027】
図6に示すように、ストッパ本体24の重心は位置決め用ストッパ部24b側にあり、従って位置決め用ストッパ部24b側底面が、ストッパベース25,26に垂立されているストッパブラケット25b,26bの上端に当接されて、定位置で停止している。
【0028】
前側ワークストッパ16のストッパ本体24が、前側ストッパベース25に対して定位置で停止されている状態では、ローラ式ワークガイド28の上部が上流側ローラコンベア11のワーク搬送面LRから突出されていると共に、各位置決め用ストッパ部24b,24cが上流側ローラコンベア11のワーク搬送面LRと同一面か、それよりもやや没入された位置に配設されている。
【0029】
尚、後側ワークストッパ17は、前側ワークストッパ16と同一構成であるため、ストッパ昇降装置27により、通常の切出し位置にセットされた状態では、後側ワークストッパ17の各構成部位が、ワーク搬送面LRに対して前側ワークストッパ16と同一の位置関係になる。
【0030】
図8に示すように、各ストッパ本体24の先端に設けられているローラ式ワークガイド28が、ディスクロータ7,8の底面側へ導かれて下方へ押し下げられると、相対的に、後端の位置決め用ストッパ部24b及び中間に形成されているアンチバック用ストッパ部24cが、上流側ローラコンベア11のワーク搬送面LRから突出される。このとき、各位置決め用ストッパ部24b,24cが、ディスクロータ7,8の内側面7b,8b、段部7c,8cとほぼ平行に対峙されるように設定されていると共に、この両位置決め用ストッパ部24b,24c間の距離Lsが、ディスクロータ7,8の内側面7bと段部7cとの最遠部間の距離LDよりもやや短く設定されている(図8参照)。
【0031】
尚、アンチバック用ストッパ部24cの突出量は僅かであり、ディスクロータ7,8の底面がアンチバック用ストッパ部24c上を通過する際に、このアンチバック用ストッパ部24cに衝突して、大きく飛び跳ねたりすることはない。
【0032】
又、図6〜図8に示すように、前側ワーク切出し部14には、前側ワークストッパ16にディスクロータが通過したか否かを検出する近接スイッチ30が配設されており、この近接スイッチ30からの信号により、前側ワーク切出し部14にディスクロータ7或いは8が通過したことが確認された場合、ストッパ昇降装置27を上昇させて、後側ワークストッパ17を、通常の切出し位置にセットする。
【0033】
次に、上記構成による本実施の形態の作用について説明する。
旋削盤1で小ディスクロータ7と大ディスクロータ8とを同時に旋削加工する場合、上流側ローラコンベア11に設けられている前側ワーク切出し部14の入り口の幅方向両側に、一対の小ロータ用ポカヨケ駒29aを装着し、又、後側ワーク切出し部15の入り口の幅方向両側に一対の大ロータ用ポカヨケ駒29bを取付ける。
【0034】
すると、図5に示すように、前側ワーク切出し部14の入り口の搬送路幅Wsが小ロータ用ポカヨケ駒29aにより、小ディスクロータ7の外径よりもやや広く設定され、又、後側ワーク切出し部15の入り口の搬送路幅WDが大ディスクロータ8の外径よりもやや広く設定される。尚、このとき、後側ワークストッパ17はストッパ昇降装置27の後退動作により、上流側ローラコンベア11よりも下方に没入された位置で待機した状態にある。
【0035】
上流側ローラコンベア11には、小ディスクロータ7と大ディスクロータ8とが、図示しないシャッタ等のゲート機構により、交互に一定間隔を開けて送られてくる。
【0036】
そして、小ディスクロータ7が後側ワーク切出し部15を通過して、前側ワーク切出し部14の入り口に差し掛かると、この入り口に設けられている一対の小ロータ用ポカヨケ駒29aにより、小ディスクロータ7が上流側ローラコンベア11の幅方向中央に導かれた後、前側ワーク切出し部14に臨まされる。
【0037】
そして、図6に示すように、小ディスクロータ7の先端が、前側ワークストッパ16の先端部に設けられているローラ式ワークガイド28に接触し、このローラ式ワークガイド28を小ディスクロータ7の底面側へ押し下げる。
【0038】
すると、ローラ式ワークガイド28を先端に有するストッパ本体24が、支持部24aを中心に、図の反時計回り方向へ回転し、ローラ式ワークガイド28は小ディスクロータ7の底面に潜り込み、この底面を相対移動する。
【0039】
ローラ式ワークガイド28が小ディスクロータ7の底面に潜り込むと、相対的にストッパ本体24の後端に形成されている位置決め用ストッパ部24bがワーク搬送面LRから大きく突出され、又、中間に形成されているアンチバック用ストッパ部24cがワーク搬送面LRから僅かに突出される。
【0040】
その後、小ディスクロータ7が更に移動すると、内側面7bの進行方向後位にストッパ本体24の位置決め用ストッパ部24bが当接して、小ディスクロータ7を停止させて位置決めする。同時に、アンチバック用ストッパ部24cが段部7cの進行方向最前位の近傍に対設して、小ディスクロータ7の移動を停止させる際の跳ね返りを防止する。跳ね返りを防止することにより、前側ワーク切出し部14では、高精度の位置決めが行われる。
【0041】
ここで、前側ワーク切出し部14に配設されている近接スイッチ30が、小ディスクロータ7の通過を検出すると、後側ワーク切出し部15に設けられているストッパ昇降装置27が後側ストッパベース26を上昇させ、この後側ストッパベース26に支持されているストッパ本体24を、上流側ローラコンベア11の定位置にセットする(図6の一点鎖線の状態)。
【0042】
次いで、大ディスクロータ8が、後側ワーク切出し部15の入り口に差し掛かると、この大ディスクロータ8は、この入り口に配設されている一対の大ロータ用ポカヨケ駒29b間にガイドされて、上流側ローラコンベア11の幅方向中央に導かれながら、後側ワーク切出し部15に臨まされる。
【0043】
すると、図7に示すように、大ディスクロータ8の先端が、後側ワークストッパ17の先端部に設けられているローラ式ワークガイド28に接触し、このローラ式ワークガイド28を大ディスクロータ8の底面側へ押し下げる。
【0044】
その結果、このローラ式ワークガイド28を先端に有するストッパ本体24が、支持部24aを中心に、図の反時計回り方向へ回転し、ローラ式ワークガイド28が大ディスクロータ8の底面に潜り込み、この底面を相対移動する。
【0045】
ローラ式ワークガイド28が大ディスクロータ8の底面に潜り込むと、相対的にストッパ本体24の後端に形成されている位置決め用ストッパ部24bがワーク搬送面LRから大きく突出され、又、中間に形成されているアンチバック用ストッパ部24cがワーク搬送面LRから僅かに突出される。
【0046】
その後、大ディスクロータ8が更に移動すると、内側面8bの進行方向後位にストッパ本体24の位置決め用ストッパ部24bが当接して、大ディスクロータ8を停止させて位置決めする。同時に、アンチバック用ストッパ部24cが段部8cの進行方向最前位の近傍に対設して、大ディスクロータ8の移動を停止させる際の跳ね返りを防止する。跳ね返りを防止することにより、後側ワーク切出し部15では、高精度の位置決めが行われる。
【0047】
その結果、図8に示すように、両ワーク切出し部14,15に、2つのディスクロータ7,8が、各ワークストッパ16,17により所定に位置決めされた状態で停止される。
【0048】
図2(a)、図3(a)に示すように、各ワーク切出し部14,15の幅方向両側には、一対の爪保持部20に支持されている対向一対の前側搬送爪21と後側搬送爪22とが待機しており、各ワーク切出し部14,15に停止されているディスクロータ7,8を搬送する際には、図2(b)、図3(b)に示すように水平な状態に傾倒されて搬送に備える。
【0049】
そして、この状態で、昇降装置19が動作し、爪保持部20を上昇させる。すると、図3(c)に示すように、爪保持部20に支持されている前側搬送爪21の下段爪部23aが小ディスクロータ7の縁部を掛止し、一方後側搬送爪22の上段爪部23bが大ディスクロータ8の縁部を掛止し、この両ディスクロータ7,8を上方へ水平状態を維持したまま持ち上げる。
【0050】
その後、この状態のまま搬送装置本体18が搬送ビーム10に沿って旋削盤1の方向へ水平移動し、旋削盤1の主軸チャック5,6上に達したとき、昇降装置19が下降動作し、ディスクロータ7,8を主軸チャック5,6に各々セットする。
【0051】
尚、今回のディスクロータ7,8が主軸チャック5,6にセットされる前に、この主軸チャック5,6にセットされていた加工済みのディスクロータは、上述したワーク搬送装置9と同期して一体動作するもう一組のワーク搬送装置(図示せず)により下流側ローラコンベア12へ搬出される。
【0052】
主軸チャック5,6にディスクロータ7,8がセットされると、このディスクロータ7,8が固定され、次いで、加工ユニット4が下降し、この加工ユニット4に垂設されている刃物台3にて、旋削が開始される。
【0053】
一方、主軸チャック5,6にディスクロータ7,8を所定にセットした後のワーク搬送装置9は、搬送爪21,22を上方へ傾倒させた待機状態となり、そのまま往路と逆の動作にて復路を移動し、図3(a)に示す待機位置に戻される。
【0054】
尚、上流側ローラコンベア11に同一サイズのディスクロータ7或いは8を連続して搬送する場合は、それに対応するポカヨケ駒29a或いは29bを、各ワーク切出し部14,15の入り口にセットする。
【0055】
このように、本実施の形態では、異なる外径のディスクロータ7,8を切出して旋削盤1等の工作機械へ搬送する場合に、形状の共通している内側を基準として位置決めするようにしたので、各ワーク切出し部14,15に配設されているワークストッパ16,17を、ディスクロータ7,8毎に交換する必要が無くなり、交換に要する段取り工数を廃止することができ、作業効率の向上を図ることができる。
【0056】
又、ワークストッパ16,17はディスクロータ7,8の押圧力を利用して揺動するようにしたので、構造を簡略化できる。更に、前側ストッパベース25は固設されているので、後側ストッパベース26のみを昇降させるだけで良くなり、システムを簡素化することができる。
【0057】
又、ストッパ本体24には、ディスクロータ7,8の跳ね返りを防止するアンチバック用ストッパ部24cが設けられているので、高い位置決め精度を得ることができる。
【0058】
尚、本発明は上述した実施の形態に限るものではなく、例えば、ワークは内側が共通形状を有しているもので有れば、ディスクロータ以外のものであっても良い。又、3種類以上の異なる外径を有しているワークの位置決めを行う場合は、対応する段差を搬送爪21,22に形成するだけで対処することができるため、取扱性がよい。
【0059】
【発明の効果】
以上、説明したように本発明によれば、外径の異なる複数種類のワークを所定に切出して工作機械へ搬送する際に、ワークを位置決めするワークストッパをワークの外径に応じて逐次交換する必要がなく、ワークストッパ交換のための段取り工数を削減することができ、作業効率の向上を図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】自動搬送旋削盤の全体構成図
【図2】上流側ローラコンベアの要部平面図
【図3】ワーク切出し部でのワーク搬送装置の動作を状態別に示す説明図
【図4】搬送爪の要部拡大図
【図5】ポカヨケ駒の配置状態を示す説明図
【図6】ディスクロータの搬送状態を示す説明図
【図7】ディスクロータが前側ワークストッパに位置決めされた状態の説明図
【図8】ディスクロータが前側ワークストッパと後側ワークストッパとに各々位置決めされた状態の説明図
【符号の説明】
7 小ディスクロータ(ワーク)
8 大ディスクロータ(ワーク)
11 上流側ローラコンベア(ワーク搬送路)
16 前側ワークストッパ(ワークストッパ)
17 後側ワークストッパ(ワークストッパ)
24 ストッパ本体
24b 位置決め用ストッパ部
24c アンチバック用ストッパ部
28 ローラ式ワークガイド
【発明の属する技術分野】
本発明は、所定に位置決めした状態でワークを切出すことのできるワークの位置決め装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
例えば、鋳造工程或いは鍛造工程で形成されたワークを、次の旋削工程等の加工工程へ移送する場合、ワーク搬送路にてワークを個別に分離切出し、所定に位置決めした後、受け渡す必要がある。
【0003】
例えば特開平11−822号公報には、ワーク搬送路の上下流に、一対のシャッタを配設し、この両シャッタを交互に開閉させて、連続的に送られてくるワークを、1個ずつ分離して、次の割出し位置へ搬送し、ここで、ワークを所定に位置決めした状態で、次工程へ受け渡す技術が開示されている。
【0004】
この場合、ワークが、例えば、自動車のブレーキ部品を構成するディスクロータである場合、このディスクロータは、同車種においてもエンジンの排気量や出力に応じて、その外形が複数種類存在し、それらを同じ搬送路で搬送して、旋削等の機械加工を行う場合、ディスクロータを一旦停止させて位置決めした後、分離切出して、工作機械の主軸チャック方向へ搬送する。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、上述した従来技術では、ワークを分離する際の工程、及びワークを位置決めする工程では、ワークの外形を基準として位置決めを行っているため、ディスクロータのように、複数の種類の外形が存在する場合には、搬送されるワーク外形に合わせて、ワークストッパを逐次交換しなければならず、ワークストッパ交換のための段取が必要となり、工数が嵩んでしまう不都合がある。
【0006】
本発明は、上記事情に鑑み、外形の異なるワークを所定に切出して工作機械へ搬送する際に、ワークを位置決めするワークストッパをワークの外径に応じて逐次交換する必要がなく、ワークストッパ交換のための段取り工数を削減することの可能なワークの位置決め装置を提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するため本発明による第1のワークの位置決め装置は、内側形状が共通で外形の異なる複数種類のワークを搬送するワーク搬送路に、該ワークを位置決めするワークストッパを配設したワークの位置決め装置において、上記ワークストッパに、ワーク進行方向に沿って揺動自在なストッパ本体と、上記ストッパ本体のワーク進行方向前位に設けられていると共に上記ワークが非接触状態のときは上記ワーク搬送路から突出しているワークガイドと、上記ストッパ本体のワーク進行方向後部に設けられ上記ワークガイドが上記ワーク搬送路から突出しているときは該ワーク搬送路と同一面か没入されている一方上記ワークガイドがワーク搬送路に没入されたときは相対的に上記ワーク搬送路から突出して上記ワークの内側の進行方向後位を掛止する位置決め用ストッパ部とを備えることを特徴とする。
【0008】
このような構成では、ストッパ本体の前部に設けられているワークガイドがワークに接触して押し下げられると、相対的に後部に設けられている位置決め用ストッパ部がワーク搬送路から突出し、ワークの内側を掛止して位置決めする。
【0009】
この場合、好ましくは、1)上記位置決め用ストッパ部は上記ワークの内側のワーク進行方向後位を掛止し、又上記ワークガイドと上記位置決め用ストッパ部との間に、上記ワークガイドが上記ワークに接触して押し下げられたとき上記ワーク搬送路から突出して上記内側のワーク進行方向前位を掛止するアンチバック用ストッパ部を設けたことを特徴とする。
【0010】
2)上記ワークストッパを上記ワーク搬送路のワーク進行方向前後に少なくとも一対併設し、後側ワークストッパを昇降自在に支持し、上記ワークが上記後側ワークストッパを通過した後、該後側ワークストッパを上昇させることを特徴とする。
【0011】
【発明の実施の形態】
以下、図面に基づいて本発明の一実施の形態を説明する。ここで、図1は自動搬送旋削盤の全体構成図、図2は上流側ローラコンベアの要部平面図、図3はワーク切出し部でのワーク搬送装置の動作を状態別に示す説明図、図4は搬送爪の要部拡大図、図5はポカヨケ駒の配置状態を示す説明図、図6〜図8はワークストッパの状態別の説明図である。尚、図3においては、図面左半分を前側ワーク切出し部、右半分を後側ワーク切出し部におけるワーク搬送装置の動作を状態別に示す。
【0012】
図1の符号1は工作機械の一例である旋削盤で、この旋削盤1の主軸台2の上方に、下端に複数の刃物台3を垂設する加工ユニット4が昇降自在に対設されている。主軸台2には一対の主軸チャック5,6が、所定間隔を開けて、図の左右方向に配設されている。
【0013】
各主軸チャック5,6にはサイズの異なる複数種類のワークが把持される。本実施の形態ではワークの一例として外形の異なる2種類のディスクロータ7,8を示す。このディスクロータ7,8は、鋳造、或いは鍛造品であり、ディスクロータ7がディスクロータ8よりも小さな外径に形成されている。以下の説明では、ディスクロータ7を小ディスクロータ、ディスクロータ8を大ディスクロータと称する。
【0014】
この両ディスクロータ7,8の中心に筒状部7a,8aが形成され、この各筒状部7a,8aの内側面7b,8bが共通の寸法で形成されていると共に、開口端部に同一寸法の段部7c,8cが形成されている。尚、この筒状部7a,8aは、図示しない車両の駆動系に設けられているホイールハブに装着される。
【0015】
又、旋削盤1には水平方向へ延出する搬送ビーム10が配設されており、この搬送ビーム10の上手側と下手側とに、ワーク搬送路の一例である上流側ローラコンベア11と下流側ローラコンベア12とが配設されている。この両ローラコンベア11,12は、上手から下手方向へ所定角度下方へ傾斜されており、各ローラコンベア11,12に載置されるディスクロータ7,8は上流側から下流側へ、自重により滑動しながら移動する。尚、各ローラコンベア11,12の幅方向両側には、ディスクロータ7,8の脱落を防止するラフガイド13が配設されている。
【0016】
又、図2、図3に示すように、上流側ローラコンベア11の中途に、ワーク進行方向に前後してワーク切出し部14,15が、主軸チャック5,6と同じ間隔を開けて配設されている。このワーク切出し部14,15に対応する上流側ローラコンベア11の部位は間断されており、その間断された部位のほぼ中央に、前側ワークストッパ16と後側ワークストッパ17とが配設されている。
【0017】
又、図2、図3の符号9はワーク搬送装置で、このワーク搬送装置9の搬送装置本体18が、搬送ビーム10に沿って水平方向へ往復移動される。この搬送装置本体18の移動方向に直行する方向の両側には昇降装置19が固設されており、この各昇降装置19に爪保持部20が支持されている。図2に示すように、各爪保持部20に、対向一対の前側搬送爪21と後側搬送爪22とが支持されている。この各爪保持部20に支持されている搬送爪21,22は、ワーク切出し部14,15と同一の間隔に設定されている。
【0018】
互いに対向する搬送爪21,22は対称に動作し、ワーク搬送方向へ移動する往路では水平な搬送状態となり、ワークを受け取りに行く復路では上方へ傾倒された待避状態となる。
【0019】
尚、図示しないが、搬送ビーム10には、もう一組のワーク搬送装置が連設されている。このワーク搬送装置は、旋削盤1の主軸チャック5,6に載置されている加工済みのディスクロータ7,8を、上述したワーク搬送装置9に同期して下流側ローラコンベア12の方向へ搬送するためのものである。従って、上流側ローラコンベア11に載置されているディスクロータ7,8を旋削盤1の方向へ搬送する際には、それに同期して、主軸チャック5,6に載置されている加工済みのディスクロータが下流側ローラコンベア12の方向へ搬出される。
【0020】
各搬送爪21,22の先部には、各ディスクロータ7,8の外縁を掛止する爪部23a,23bが形成されている。図4に示すように、各爪部23a,23bは段状に形成されており、下段爪部23aが小ディスクロータ7の外縁を掛止し、上段爪部23bが大ディスクロータ8の外縁を掛止する。尚、図2(a)は、各搬送爪21,22が上方へ傾倒する待機状態を示し、同図(b)は、水平に傾倒された搬送準備状態或いは搬送状態を示す。
【0021】
又、各ワーク切出し部14,15の入り口側で、上流側ローラコンベア11の幅方向両側に、ディスクロータ7,8を上流側ローラコンベア11の中央へ導く、ポカヨケ駒29a,29bが取り外し自在に設けられている。
【0022】
本実施の形態では、搬送するディスクロータ7,8に応じて、小ロータ用ポカヨケ駒29aと大ロータ用ポカヨケ駒29bとの2種類が用意されている。すなわち、例えば、図2に示すように、上流側ローラコンベア11に対して小ディスクロータ7と大ディスクロータ8とが交互に搬送される場合、前側ワーク切出し部14側に小ロータ用ポカヨケ駒29aを装着し、又、後側ワーク切出し部15側に大ロータ用ポカヨケ駒29bを装着する。又同一サイズのディスクロータ7或いは8を搬送する場合は、両ワーク切出し部14,15の入口側に対応するポカヨケ駒29a、29を装着する。
【0023】
図5に示すように、ワーク切出し部14,15の入口側に小ロータ用ポカヨケ駒29aを装着した場合、搬送路幅が小ディスクロータ7の外径よりもやや広い程度の幅Wsに規制される。又、大ロータ用ポカヨケ駒29bを装着した場合は、搬送路幅が大ディスクロータ8の外径よりもやや広い程度の幅WDに規制される。
【0024】
又、両ワークストッパ16,17のストッパ本体24は平板を略逆三角形に形成したもので、その下部の支持部24aが後側ストッパベース26、前側ストッパベース25に各々垂立されているブラケット25a,26aに対し、ワーク進行方向に沿って揺動自在に支持されている。
【0025】
前側ストッパベース25は基台(図示せず)に固定されており、一方後側ストッパベース26はストッパ昇降装置27に連設されて、昇降自在に支持されている。尚、後側ワーク切出し部15にディスクロータが在席していないときは、ストッパ昇降装置27は下降動作し、前側ワークストッパ16を上流側ローラコンベア11から没入させた位置で待機している。
【0026】
又、図6に示すように、各ストッパ本体24のワーク進行方向先端にローラ式ワークガイド28が固設され、一方、ワーク進行方向後端に位置決め用ストッパ部24bが形成され、更にローラ式ワークガイド28と位置決め用ストッパ部24bとの間の上部にアンチバック用ストッパ部24cが突出形成されている。
【0027】
図6に示すように、ストッパ本体24の重心は位置決め用ストッパ部24b側にあり、従って位置決め用ストッパ部24b側底面が、ストッパベース25,26に垂立されているストッパブラケット25b,26bの上端に当接されて、定位置で停止している。
【0028】
前側ワークストッパ16のストッパ本体24が、前側ストッパベース25に対して定位置で停止されている状態では、ローラ式ワークガイド28の上部が上流側ローラコンベア11のワーク搬送面LRから突出されていると共に、各位置決め用ストッパ部24b,24cが上流側ローラコンベア11のワーク搬送面LRと同一面か、それよりもやや没入された位置に配設されている。
【0029】
尚、後側ワークストッパ17は、前側ワークストッパ16と同一構成であるため、ストッパ昇降装置27により、通常の切出し位置にセットされた状態では、後側ワークストッパ17の各構成部位が、ワーク搬送面LRに対して前側ワークストッパ16と同一の位置関係になる。
【0030】
図8に示すように、各ストッパ本体24の先端に設けられているローラ式ワークガイド28が、ディスクロータ7,8の底面側へ導かれて下方へ押し下げられると、相対的に、後端の位置決め用ストッパ部24b及び中間に形成されているアンチバック用ストッパ部24cが、上流側ローラコンベア11のワーク搬送面LRから突出される。このとき、各位置決め用ストッパ部24b,24cが、ディスクロータ7,8の内側面7b,8b、段部7c,8cとほぼ平行に対峙されるように設定されていると共に、この両位置決め用ストッパ部24b,24c間の距離Lsが、ディスクロータ7,8の内側面7bと段部7cとの最遠部間の距離LDよりもやや短く設定されている(図8参照)。
【0031】
尚、アンチバック用ストッパ部24cの突出量は僅かであり、ディスクロータ7,8の底面がアンチバック用ストッパ部24c上を通過する際に、このアンチバック用ストッパ部24cに衝突して、大きく飛び跳ねたりすることはない。
【0032】
又、図6〜図8に示すように、前側ワーク切出し部14には、前側ワークストッパ16にディスクロータが通過したか否かを検出する近接スイッチ30が配設されており、この近接スイッチ30からの信号により、前側ワーク切出し部14にディスクロータ7或いは8が通過したことが確認された場合、ストッパ昇降装置27を上昇させて、後側ワークストッパ17を、通常の切出し位置にセットする。
【0033】
次に、上記構成による本実施の形態の作用について説明する。
旋削盤1で小ディスクロータ7と大ディスクロータ8とを同時に旋削加工する場合、上流側ローラコンベア11に設けられている前側ワーク切出し部14の入り口の幅方向両側に、一対の小ロータ用ポカヨケ駒29aを装着し、又、後側ワーク切出し部15の入り口の幅方向両側に一対の大ロータ用ポカヨケ駒29bを取付ける。
【0034】
すると、図5に示すように、前側ワーク切出し部14の入り口の搬送路幅Wsが小ロータ用ポカヨケ駒29aにより、小ディスクロータ7の外径よりもやや広く設定され、又、後側ワーク切出し部15の入り口の搬送路幅WDが大ディスクロータ8の外径よりもやや広く設定される。尚、このとき、後側ワークストッパ17はストッパ昇降装置27の後退動作により、上流側ローラコンベア11よりも下方に没入された位置で待機した状態にある。
【0035】
上流側ローラコンベア11には、小ディスクロータ7と大ディスクロータ8とが、図示しないシャッタ等のゲート機構により、交互に一定間隔を開けて送られてくる。
【0036】
そして、小ディスクロータ7が後側ワーク切出し部15を通過して、前側ワーク切出し部14の入り口に差し掛かると、この入り口に設けられている一対の小ロータ用ポカヨケ駒29aにより、小ディスクロータ7が上流側ローラコンベア11の幅方向中央に導かれた後、前側ワーク切出し部14に臨まされる。
【0037】
そして、図6に示すように、小ディスクロータ7の先端が、前側ワークストッパ16の先端部に設けられているローラ式ワークガイド28に接触し、このローラ式ワークガイド28を小ディスクロータ7の底面側へ押し下げる。
【0038】
すると、ローラ式ワークガイド28を先端に有するストッパ本体24が、支持部24aを中心に、図の反時計回り方向へ回転し、ローラ式ワークガイド28は小ディスクロータ7の底面に潜り込み、この底面を相対移動する。
【0039】
ローラ式ワークガイド28が小ディスクロータ7の底面に潜り込むと、相対的にストッパ本体24の後端に形成されている位置決め用ストッパ部24bがワーク搬送面LRから大きく突出され、又、中間に形成されているアンチバック用ストッパ部24cがワーク搬送面LRから僅かに突出される。
【0040】
その後、小ディスクロータ7が更に移動すると、内側面7bの進行方向後位にストッパ本体24の位置決め用ストッパ部24bが当接して、小ディスクロータ7を停止させて位置決めする。同時に、アンチバック用ストッパ部24cが段部7cの進行方向最前位の近傍に対設して、小ディスクロータ7の移動を停止させる際の跳ね返りを防止する。跳ね返りを防止することにより、前側ワーク切出し部14では、高精度の位置決めが行われる。
【0041】
ここで、前側ワーク切出し部14に配設されている近接スイッチ30が、小ディスクロータ7の通過を検出すると、後側ワーク切出し部15に設けられているストッパ昇降装置27が後側ストッパベース26を上昇させ、この後側ストッパベース26に支持されているストッパ本体24を、上流側ローラコンベア11の定位置にセットする(図6の一点鎖線の状態)。
【0042】
次いで、大ディスクロータ8が、後側ワーク切出し部15の入り口に差し掛かると、この大ディスクロータ8は、この入り口に配設されている一対の大ロータ用ポカヨケ駒29b間にガイドされて、上流側ローラコンベア11の幅方向中央に導かれながら、後側ワーク切出し部15に臨まされる。
【0043】
すると、図7に示すように、大ディスクロータ8の先端が、後側ワークストッパ17の先端部に設けられているローラ式ワークガイド28に接触し、このローラ式ワークガイド28を大ディスクロータ8の底面側へ押し下げる。
【0044】
その結果、このローラ式ワークガイド28を先端に有するストッパ本体24が、支持部24aを中心に、図の反時計回り方向へ回転し、ローラ式ワークガイド28が大ディスクロータ8の底面に潜り込み、この底面を相対移動する。
【0045】
ローラ式ワークガイド28が大ディスクロータ8の底面に潜り込むと、相対的にストッパ本体24の後端に形成されている位置決め用ストッパ部24bがワーク搬送面LRから大きく突出され、又、中間に形成されているアンチバック用ストッパ部24cがワーク搬送面LRから僅かに突出される。
【0046】
その後、大ディスクロータ8が更に移動すると、内側面8bの進行方向後位にストッパ本体24の位置決め用ストッパ部24bが当接して、大ディスクロータ8を停止させて位置決めする。同時に、アンチバック用ストッパ部24cが段部8cの進行方向最前位の近傍に対設して、大ディスクロータ8の移動を停止させる際の跳ね返りを防止する。跳ね返りを防止することにより、後側ワーク切出し部15では、高精度の位置決めが行われる。
【0047】
その結果、図8に示すように、両ワーク切出し部14,15に、2つのディスクロータ7,8が、各ワークストッパ16,17により所定に位置決めされた状態で停止される。
【0048】
図2(a)、図3(a)に示すように、各ワーク切出し部14,15の幅方向両側には、一対の爪保持部20に支持されている対向一対の前側搬送爪21と後側搬送爪22とが待機しており、各ワーク切出し部14,15に停止されているディスクロータ7,8を搬送する際には、図2(b)、図3(b)に示すように水平な状態に傾倒されて搬送に備える。
【0049】
そして、この状態で、昇降装置19が動作し、爪保持部20を上昇させる。すると、図3(c)に示すように、爪保持部20に支持されている前側搬送爪21の下段爪部23aが小ディスクロータ7の縁部を掛止し、一方後側搬送爪22の上段爪部23bが大ディスクロータ8の縁部を掛止し、この両ディスクロータ7,8を上方へ水平状態を維持したまま持ち上げる。
【0050】
その後、この状態のまま搬送装置本体18が搬送ビーム10に沿って旋削盤1の方向へ水平移動し、旋削盤1の主軸チャック5,6上に達したとき、昇降装置19が下降動作し、ディスクロータ7,8を主軸チャック5,6に各々セットする。
【0051】
尚、今回のディスクロータ7,8が主軸チャック5,6にセットされる前に、この主軸チャック5,6にセットされていた加工済みのディスクロータは、上述したワーク搬送装置9と同期して一体動作するもう一組のワーク搬送装置(図示せず)により下流側ローラコンベア12へ搬出される。
【0052】
主軸チャック5,6にディスクロータ7,8がセットされると、このディスクロータ7,8が固定され、次いで、加工ユニット4が下降し、この加工ユニット4に垂設されている刃物台3にて、旋削が開始される。
【0053】
一方、主軸チャック5,6にディスクロータ7,8を所定にセットした後のワーク搬送装置9は、搬送爪21,22を上方へ傾倒させた待機状態となり、そのまま往路と逆の動作にて復路を移動し、図3(a)に示す待機位置に戻される。
【0054】
尚、上流側ローラコンベア11に同一サイズのディスクロータ7或いは8を連続して搬送する場合は、それに対応するポカヨケ駒29a或いは29bを、各ワーク切出し部14,15の入り口にセットする。
【0055】
このように、本実施の形態では、異なる外径のディスクロータ7,8を切出して旋削盤1等の工作機械へ搬送する場合に、形状の共通している内側を基準として位置決めするようにしたので、各ワーク切出し部14,15に配設されているワークストッパ16,17を、ディスクロータ7,8毎に交換する必要が無くなり、交換に要する段取り工数を廃止することができ、作業効率の向上を図ることができる。
【0056】
又、ワークストッパ16,17はディスクロータ7,8の押圧力を利用して揺動するようにしたので、構造を簡略化できる。更に、前側ストッパベース25は固設されているので、後側ストッパベース26のみを昇降させるだけで良くなり、システムを簡素化することができる。
【0057】
又、ストッパ本体24には、ディスクロータ7,8の跳ね返りを防止するアンチバック用ストッパ部24cが設けられているので、高い位置決め精度を得ることができる。
【0058】
尚、本発明は上述した実施の形態に限るものではなく、例えば、ワークは内側が共通形状を有しているもので有れば、ディスクロータ以外のものであっても良い。又、3種類以上の異なる外径を有しているワークの位置決めを行う場合は、対応する段差を搬送爪21,22に形成するだけで対処することができるため、取扱性がよい。
【0059】
【発明の効果】
以上、説明したように本発明によれば、外径の異なる複数種類のワークを所定に切出して工作機械へ搬送する際に、ワークを位置決めするワークストッパをワークの外径に応じて逐次交換する必要がなく、ワークストッパ交換のための段取り工数を削減することができ、作業効率の向上を図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】自動搬送旋削盤の全体構成図
【図2】上流側ローラコンベアの要部平面図
【図3】ワーク切出し部でのワーク搬送装置の動作を状態別に示す説明図
【図4】搬送爪の要部拡大図
【図5】ポカヨケ駒の配置状態を示す説明図
【図6】ディスクロータの搬送状態を示す説明図
【図7】ディスクロータが前側ワークストッパに位置決めされた状態の説明図
【図8】ディスクロータが前側ワークストッパと後側ワークストッパとに各々位置決めされた状態の説明図
【符号の説明】
7 小ディスクロータ(ワーク)
8 大ディスクロータ(ワーク)
11 上流側ローラコンベア(ワーク搬送路)
16 前側ワークストッパ(ワークストッパ)
17 後側ワークストッパ(ワークストッパ)
24 ストッパ本体
24b 位置決め用ストッパ部
24c アンチバック用ストッパ部
28 ローラ式ワークガイド
Claims (3)
- 内側形状が共通で外形の異なる複数種類のワークを搬送するワーク搬送路に、該ワークを位置決めするワークストッパを配設したワークの位置決め装置において、
上記ワークストッパに、
ワーク進行方向に沿って揺動自在なストッパ本体と、
上記ストッパ本体のワーク進行方向前位に設けられていると共に上記ワークが非接触状態のときは上記ワーク搬送路から突出しているワークガイドと、
上記ストッパ本体のワーク進行方向後部に設けられ上記ワークガイドが上記ワーク搬送路から突出しているときは該ワーク搬送路と同一面か没入されている一方、上記ワークガイドがワーク搬送路に没入されたときは相対的に上記ワーク搬送路から突出して上記ワークの内側の進行方向後位を掛止する位置決め用ストッパ部とを備えることを特徴とするワークの位置決め装置。 - 上記位置決め用ストッパ部は上記ワークの内側のワーク進行方向後位を掛止し、
又上記ワークガイドと上記位置決め用ストッパ部との間に、上記ワークガイドが上記ワークに接触して押し下げられたとき上記ワーク搬送路から突出して上記内側のワーク進行方向前位を掛止するアンチバック用ストッパ部を設けたことを特徴とする請求項1記載のワークの位置決め装置。 - 上記ワークストッパを上記ワーク搬送路のワーク進行方向前後に少なくとも一対併設し、
後側ワークストッパを昇降自在に支持し、
上記ワークが上記後側ワークストッパを通過した後、該後側ワークストッパを上昇させることを特徴とする請求項1或いは2記載のワークの位置決め装置。
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