JP3752131B2 - 燃焼装置及び燃焼制御方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、燃焼排気の顕熱又は潜熱の回収で生じる凝縮水を無害化処理して排出する燃焼装置及び燃焼制御方法に関する。
【0002】
【従来技術】
従来、燃料ガスの燃焼によって得た燃焼排気から顕熱を回収する熱交換器と前記燃焼排気から潜熱を回収する熱交換器とを併設し、主として顕熱回収又は潜熱回収の機能分担によって高効率化を図った熱交換器が実用化されている。このような熱交換器では、潜熱回収型の熱交換器が燃焼排気の下流側に設置され、その熱交換によって凝縮水(ドレン)が発生し、この凝縮水に燃焼排気中の成分が溶け込むと、硝酸等の強酸性液体を生じさせる。このような液体を自然廃棄させると環境汚染を引き起こす危険性があり、それを回避するため、中和器を設けて中和等の無害化処理が不可欠である。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、無害化処理、即ち、凝縮水の中和処理は、排気通路の一部を凝縮水の回収トレイとし、回収された凝縮水を排気通路から管路を用いて中和器に導くという形態である。中和器には凝縮水の中和により中和生成物が堆積したり、回収トレイから燃焼排気中の煤や埃が凝縮水とともに入ったりする。また、排気通路は排気口を通して外気に開放されており、排気口から種子や埃が凝縮水とともに中和器側に侵入することも予想される。このため、中和器やその排水管を閉塞し、ドレンの排水機能を低下させるおそれがある。
【0004】
中和器側の排水機能が低下すると、中和器から凝縮水が溢れ出し、未処理の凝縮水を廃棄してしまうおそれがある。また、外部からのごみ等の侵入を阻止するために排気通路をU字構造としている場合には、中和器から溢れ出た凝縮水が排気通路に溜まって排気通路を塞ぎ、排気通路の排気機能を低下させるおそれがある。排気機能の悪化は不完全燃焼を引き起こす等、燃焼機能を低下させる原因になる。
【0005】
そこで、本発明は、凝縮水の無害化処理機能及び燃焼機能の低下を防止し、安全性を高めた燃焼装置及び燃焼制御方法を提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本発明の燃焼装置及び燃焼制御方法は、燃焼手段(バーナ6)、熱交換手段(熱交換器24)、凝縮水の中和手段(中和器60)及び検出手段(熱電対76、COセンサ78、風圧センサ80又は風速センサ81)を備えて、燃焼排気(EG)から顕熱又は潜熱を回収して被加熱流体(給水W、温水Wh)を加熱し、熱交換によって発生した凝縮水(D)を中和剤(62)を用いて中和するとともに、排気通路の排気機能の低下又は給気機能の低下を検出し、排気機能低下又は給気機能低下の告知や燃焼停止を行い、安全性を高めている。
【0007】
請求項1に係る本発明の燃焼装置は、燃料を燃焼させる燃焼手段(バーナ6)と、この燃焼手段で発生した燃焼排気から顕熱又は潜熱を回収し、被加熱流体を加熱する熱交換手段(熱交換器24)と、この熱交換手段の熱交換で発生した凝縮水(D)を中和剤(62)を用いて中和する中和手段(中和器60)と、前記燃焼排気を外気に流す排気機能を備えるとともに、前記凝縮水を回収して前記中和手段に導く回収トレイ(56)を備え、前記中和手段の機能低下によって前記回収トレイに溜まる前記凝縮水の水位により前記排気機能を変化させる排気通路(8)と、この排気通路の前記排気機能の低下を検出する検出手段(熱電対76、COセンサ78、風圧センサ80又は風速センサ81)とを備えたことを特徴とする。
【0008】
即ち、燃料の燃焼により燃焼排気が生じ、熱交換手段はこの燃焼排気から顕熱又は潜熱を被加熱流体に回収させ、この熱回収によって凝縮水が発生する。この凝縮水は中和手段に導かれ、中和剤によって中和され、無害化処理される。この凝縮水の中和処理において、排水機能が低下すると、中和手段から未処理の凝縮水が溢れて廃棄され、不都合である。そこで、中和手段の排水機能を間接的又は直接的に検出すれば、未処理の凝縮水の廃棄を防止し、安全性を高めることができる。
【0009】
例えば、中和手段の排水機能の低下により、凝縮水の水位が上昇し、排気通路側に凝縮水が溢れて、排気機能を低下させると、燃焼排気量が減少し、燃焼手段は燃焼空気量が不足して不完全燃焼に陥る。そこで、空気量の減少状態から中和手段の排水機能を間接的に検出し、その検出結果から中和手段の中和剤の交換や中和手段の交換を促し、不完全燃焼時には燃焼停止をさせることにより、安全性を高めることができる。
【0010】
請求項2に係る本発明の燃焼装置は、前記検出手段を前記燃焼手段に設置されている給気手段(給気ファン18)の給気機能の低下検出に共用させたことを特徴とする。即ち、給気手段への煤や埃の堆積、断線等によって給気機能が徐々に低下し、又は遮断された場合には検出手段にそれを表す出力が得られるので、その出力に応じた告知や燃焼停止を行うことができ、安全性を高めることができる。
【0011】
また、請求項3に係る本発明の燃焼装置は、前記検出手段に前記燃焼手段の火炎温度を検出する温度センサ(熱電対76)を用いたことを特徴とする。即ち、中和手段の排水機能が低下し、中和手段へ凝縮水が流れない場合には、その凝縮水が排気通路に溜まり、その水位によって排気通路を塞ぐ。これにより、燃焼空気量が不足すると、燃焼火炎長が後退するために燃焼火炎の外炎部と内炎部との境にある高温部が下降し、その位置に予め設定した温度センサに接近する。この燃焼火炎の高温部の下降に伴う温度上昇を温度センサで検出すれば、その検出温度から中和手段側の異常や排水機能の低下を監視できる。即ち、その検出温度が基準温度に到達したとき、中和剤の交換や補充、中和手段の交換を促し、又は燃焼停止を行うことができる。
【0012】
請求項4に係る本発明の燃焼装置は、前記検出手段に前記燃焼排気中のCO又はCO濃度を検出するCOセンサ(78)を用いたことを特徴とする。即ち、中和手段の排水機能が低下し、中和手段へ凝縮水が流れない場合には、その凝縮水が排気通路に溜まり、その水位によって排気通路の排気機能が低下する。燃焼空気量が不足すると、燃焼排気中のCOガス量が上昇する。このCO又はCO濃度をCOセンサで検出すれば、その検出出力のレベルから中和手段側の異常や排水機能の低下を監視できる。即ち、その検出出力が所定レベルに到達したとき、中和剤の交換や補充、中和手段の交換を促し、又は燃焼停止を行うことができる。
【0013】
請求項5に係る本発明の燃焼装置は、前記検出手段に前記燃焼排気の風圧を検出する風圧センサ(80)を用いたことを特徴とする。即ち、中和手段の排水機能が低下し、中和手段へ凝縮水が流れない場合には、その凝縮水が排気通路に溜まり、その水位によって排気通路の排気機能が低下する。そこで、燃焼排気の風圧を風圧センサで検出すれば、その検出出力のレベルから中和手段側の異常や排水機能の低下を監視できる。即ち、その検出出力が所定レベルに到達したとき、中和剤の交換や補充、中和手段の交換を促し、又は燃焼停止を行うことができる。
【0014】
請求項6に係る本発明の燃焼装置は、前記検出手段に前記燃焼排気の風速を検出する風速センサ(81)を用いたことを特徴とする。即ち、中和手段側の機能低下によって、凝縮水が排気通路に溜まり、その水位によって排気通路の排気機能が低下した場合、燃焼排気の風速を風速センサで検出すれば、その検出出力のレベルから中和手段側の異常や排水機能の低下を監視することができる。
【0015】
請求項7に係る本発明の燃焼制御方法は、燃焼手段(バーナ6)によって燃料(燃料ガスG)を燃焼させ、前記燃焼手段から排気通路に流れる燃焼排気(EG)から顕熱又は潜熱を回収して被加熱流体(給水W、温水Wh)を加熱し、熱交換によって発生した凝縮水(D)を中和手段(中和器60、中和剤62)を用いて中和し、前記中和手段の機能低下が前記凝縮水の水位を上昇させ、この水位上昇が前記排気通路の排気機能を低下させて、前記燃焼手段の燃焼火炎温度、前記燃焼排気中のCO又はCO濃度、前記燃焼排気の風圧等の検出出力が前記中和手段側の異常による排気機能の低下を表すレベルに到達し、そのレベルを所定時間継続したとき、前記排気機能の低下の告知(表示器98、音声発生器100、警報器102)又は前記燃焼手段の燃焼停止(燃料元弁14、ファンモータ104、点火器20)を行うことを特徴とする。即ち、この燃焼制御方法では、燃料の燃焼、熱交換によって発生した凝縮水の中和を行うとともに、排水機能の低下を検出し、その機能低下が所定時間継続したとき、排水機能の低下を告知し、又は燃焼を停止させる。したがって、告知によって中和剤の交換や補充、中和手段の交換を促し、又は燃焼停止を行って、予期しない失火状態を防止し、安全性を高めることができる。
【0016】
請求項8に係る本発明の燃焼制御方法は、請求項7記載の燃焼制御方法において、前記燃焼火炎温度、前記燃焼排気中のCO又はCO濃度、前記燃焼排気の風圧の検出出力が、前記燃焼手段に設置されている給気手段の給気機能の低下を表すレベルに到達し、そのレベルが所定時間継続したとき、前記給気機能の低下の告知又は前記燃焼手段の燃焼停止を行うことを特徴とする。即ち、給気手段の機能低下は、不完全燃焼を招来するが、その場合、燃焼火炎の温度、COの発生又はその濃度、燃焼排気の風圧又は風速等に現れる。そこで、これらの検出出力が給気機能の低下を表すレベルに到達し、そのレベルが所定時間継続したとき、それを告知し、又は燃焼停止とすることにより、安全性を高めることができる。
【0017】
【発明の実施の形態】
図1には、本発明の燃焼装置の実施の形態である給湯装置が示されている。筐体2には燃料ガスGを燃焼させる燃焼室4が設けられ、この燃焼室4に設置されたバーナ6の燃焼によって発生した燃焼排気EGはU字形構造を成す排気通路8を通して流れ、筐体2の側面に形成されている排気口10から外気に放出される。燃焼室4の内部に設置されたバーナ6には、その下方から管路12を通して燃料ガスGが供給されており、その供給又は供給停止は燃料元弁14によって切り換えられ、燃料ガスGの供給量は燃料比例弁16によって調整される。この燃料ガスGの燃焼に必要な空気は、燃焼室4の下方に設置された給気ファン18から供給される。また、バーナ6の近傍には燃料ガスGに着火する着火手段としての点火器20が設置されている。
【0018】
燃焼室4の上部には燃焼排気EGから主として顕熱を回収する第1の熱交換器22が設置され、排気通路8側には熱交換器22を通過させた燃焼排気EGから主として潜熱を回収する第2の熱交換器24が設置されている。熱交換器22では銅又は銅合金からなる受熱管26を燃焼室4に配置し、受熱管26の周囲には吸熱フィン28が形成されている。また、熱交換器24では潜熱回収時に発生する強酸性の凝縮水Dによる腐食を防止するため、チタン又はチタン合金からなる耐酸性金属で形成され、圧力損失を防止するために複数本、この実施形態ではフレキシブルパイプからなる3本の受熱管32、34、36を屈曲配置したものである。熱交換器22、24は、管路38を介して直列に接続されている。そして、熱交換器24には管路40を通して給水Wが供給され、熱交換器24の熱交換によって得られる温水Whは管路38を通して熱交換器22に流れ、その熱交換によって得られた高温水HWは管路42を通して給湯される。管路38と管路42との間にはバイパス管路44が設けられ、管路42側の高温水HWに温水Whを合流させている。管路40には温度センサ46、管路42には温度センサ48、50、管路38には給水量センサ52が設置されており、温度センサ46によって給水温度、温度センサ48によって熱交換器22の出口側の温度、温度センサ50によって出湯温度が検出され、また、給水量センサ52により給水量が検出される。
【0019】
そして、排気通路8は燃焼排気EGを熱交換器24に通過させるために隔壁54が設けられてU字形構造を成し、その底面部はロート状の傾斜面を以て凝縮水Dを回収する回収トレイ56を構成している。この回収トレイ56に回収された凝縮水Dは、管路58を通じて中和手段である中和器60に導かれる。中和器60は閉塞された容器であって、その内部には中和剤62が充填されているとともに、その中和剤62を前後に分割する分離壁64が設けられて2つの室66、68が形成されている。分離壁64の下方には凝縮水Dを流す通過口70が設けられている。また、中和器60の上部側壁には、排水管路72が取り付けられている。即ち、中和器60に導かれた凝縮水Dは、室66の中和剤62で中和された後、室68に流れ込み、室68側から排水管路72を通して外部に放出される。排水管路72の入口部には凝縮水Dのみを通過させるフィルタ74が設けられ、中和剤62の流出防止が図られている。
【0020】
中和器60の機能低下を検出する検出手段として、燃焼火炎Fの温度を検出する温度センサである熱電対76が設置されている。この熱電対76は、燃焼火炎Fの温度を表す出力を発生し、その出力レベルは検出温度に比例する。また、中和器60の機能低下を間接的に検出する検出手段として、排気通路8を流れる燃焼排気EG中のCO又はCO濃度を検出するCOセンサ78、燃焼排気EGの風圧を検出する風圧センサ80、その風速を検出する風速センサ81が設置されている。
【0021】
そして、この給湯装置の制御装置には、燃料制御及び給湯制御を行う制御系統に加え、図2に示すように、排水機能検出部82が設置されており、この排水機能検出部82には、熱電対76、COセンサ78、風圧センサ80、風速センサ81が備えられている。この実施形態では、排水機能の低下を検出する手段として、説明の都合上、熱電対76、COセンサ78、風圧センサ80、風速センサ81を記載したが、これら全てを設置する必要はなく、何れか1又は2以上を選択して設置すればよい。
【0022】
これら熱電対76、COセンサ78、風圧センサ80又は風速センサ81の検出出力は、制御手段である制御部84の入出力装置(I/O)86に加えられている。制御部84は、コンピュータで構成されており、演算、制御を司るCPU88、演算データを一時格納するRAM90、制御プログラム、制御データを格納したROM92、時間計数を行うタイマ94等を備え、これらはデータバス96等で連係されている。そして、入出力装置86には、排水機能の低下や燃焼停止等を文字や記号で表示する表示手段として表示器98、排水機能の低下や燃焼停止等を音声によって告知する告知手段として音声発生器100、燃焼停止等の異常状態を警報によって告知する告知手段としての警報器102の他、燃料元弁14、給気ファン18のファンモータ104、点火器20等が接続されている。燃焼停止又は燃焼禁止のとき、燃料元弁14は燃料ガスGの供給を停止し、ファンモータ104は回転を停止し、点火器20は着火動作を停止する。
【0023】
次に、この燃焼装置の燃焼制御について説明すると、管路40を通じて給水Wを供給すると、その給水Wは熱交換器24から熱交換器22に流れる。燃料ガスGは管路12を通じてバーナ6に供給されて点火器20によって着火され、火炎Fとともに燃焼排気EGが形成される。この燃焼排気EGは、燃焼室4から排気通路8を通して排気口10から外気に放出される。熱交換器24では燃焼排気EGから主として潜熱、熱交換器22では燃焼排気EGから主として顕熱が回収され、管路38には温水Wh、管路42から高温水HWが発生する。この高温水HWの温度は、燃料比例弁16の開度制御による燃焼量から給水W又は温水Whに加えられる熱量によって調整される。
【0024】
そして、潜熱の回収による熱交換で熱交換器24側に発生した凝縮水Dは、回収トレイ56に回収されて中和器60に導かれ、中和処理、即ち、無害化処理の後、管路72を通じて排水される。
【0025】
また、バーナ6の燃焼には燃料ガスGの号数に応じた適量の燃焼空気が給気ファン18の回転制御によってバーナ6に供給されるが、給気ファン18のフィルタ詰まりや排気通路8の排気機能の低下によって必要な空気量が減少した場合には、ファンモータ104の回転数を増加させて不足空気量を補充するが、その補充によっても度々空気量の減少が検出されたときには、燃料比例弁16の開度調整によって燃料ガスGの供給量を抑制し(号数ダウン)、最適燃焼を持続させる燃焼制御が行われる。
【0026】
ところで、凝縮水Dの中和処理において、凝縮水Dには燃焼排気EG中の成分や熱交換器24、隔壁54、回収トレイ56等の形成金属の溶解による不純物が混入し、又は外部からの塵等の混入も予想される。また、中和器60ではその中和処理で化合等による不純物が析出する場合がある。このような不純物が中和器60に滞留し、フィルタ74を閉塞すると、凝縮水Dの排水が妨げられる等、正常な排水機能を維持することができない。このような異常状態が発生すると、中和器60から凝縮水Dが溢れ、回収トレイ56の水位を上昇させ、その水位上昇が排気通路8の有効断面を狭め、燃焼排気EGの排気機能を低下させる。その水位が隔壁54の下端レベルSLに到達すると、排気通路8は凝縮水Dで閉塞され、燃焼排気EGの排出を遮断することになる。このような不測の事態が発生すると、バーナ6への空気量が不足し、不完全燃焼を生じさせ、失火を起こすことになる。
【0027】
そこで、中和器60の排水機能の低下や給気ファン18の給気機能の低下による空気量不足と熱電対76の出力との関係について見ると、図3のA、Bに示すように、熱電対76の出力変化が生ずる。特性Aは、中和器60側の排水機能の異常による排気異常に基づく出力変化、特性Bは、給気ファン18側の給気機能の低下に基づく出力変化を示している。即ち、空気量の不足が継続すると、バーナ6における燃焼火炎長が後退し、その燃焼火炎の外炎部と内炎部との境にある高温部が予め位置設定した温度センサとしての熱電対76に接近し、その燃焼時間tの経過とともに、熱電対76の出力電圧のレベルが特性Aのように二次関数的に上昇するのに対し、特性Bのように給気ファン18側のフィルタに塵が蓄積する等により極めて緩やかに上昇する。
【0028】
そこで、熱電対76の出力に対し、図3に示すように、特性Bの給気異常に対応した判定レベルV1 と、特性Aの排水機能の低下に対応した判定レベルV2 (>V1 )を設定する。熱電対76の出力が判定レベルV1 に到達すると、判定レベルV1 未満に熱電対76の出力を移行(回復)させるために、給気ファン18の回転数を増加させて給気量を補充する。この場合、排水機能が低下すると、例えば3〜5分程度の時間tnで排気通路8の水位上昇に伴う不完全燃焼の危険判定レベルV2 に到達する。即ち、判定レベルV1 に到達したとき、ファンモータ104の回転数を増加させて判定レベルV1 未満への回復が図られるが、排水機能の低下により給気量の回復が成されず、継続して熱電対76の出力が上昇する。そして、判定レベルV2 の到達によって排気機能の低下を認識でき、給気機能の低下か排気機能の低下を判別することができる。
【0029】
そして、熱電対76の出力が判定レベルV1 を越えたとき、給気ファン18側の異常、即ち、給気機能の低下を表す異常状態に突入したことを表し、速やかにファンモータ104の回転数が増加されて判定レベルV1 未満に回復させる。この操作をn回繰り返しても判定レベルV1 を越えることがあれば号数ダウンによる燃焼量の規制が行われ、再び判定レベルV1 を越えたときには、表示器98、音声発生器100、警報器102による警報等の告知や、燃料元弁14の閉止、ファンモータ104の起動禁止、点火器20の着火禁止等によって燃焼停止を行えば、不完全燃焼による不測の事態を回避でき、安全性を高めることができる。このようなセンサ出力と排水機能の低下の判定は、COセンサ78や風圧センサ80又は風速センサ81においても同様に行うことができる。
【0030】
また、ファンモータ104の回転数増加によって給気量が補充されても熱電対76の出力が判定レベルV2 以下に移行しない場合には、給気側の問題ではなく、中和器60側の異常、即ち、排気機能の低下を表す異常状態に突入したことを表し、その告知、即ち、表示器98や音声発生器100による表示、また、所定時間tdだけその異常状態が継続したことを以て、表示器98、音声発生器100、警報器102による警報等の告知や、燃料元弁14の閉止、ファンモータ104の起動禁止、点火器20の着火禁止等によって燃焼停止を行えば、不完全燃焼による不測の事態を回避でき、安全性を高めることができる。このようなセンサ出力と排水機能の低下の判定は、COセンサ78や風圧センサ80又は風速センサ81においても同様に行うことができる。
【0031】
そこで、中和器60側の排水機能低下による燃焼制限動作を図4に示すフローチャートを参照して説明すると、ステップS1では、熱電対76の出力が判定レベルV2 を越えたか否かを判定する。判定レベルV2 を越えたとき、ステップS2に移行してその時間を計測する。即ち、タイマ94を起動し、ステップS3では、所定時間tdが経過したか否かを判定する。所定時間tdが経過していないときにはステップS1に戻り、再び、熱電対76の出力が判定レベルV2 を越えているか否かを判定する。出力が判定レベルV2 を越えていなければ、ステップS4に移行してタイマ94の時間計測をクリアし、初期値に復帰させる。
【0032】
出力が判定レベルV2 を越えた時間が所定時間tdを経過したとき、中和器60の機能が低下し、即ち、排気通路8が凝縮水Dで閉塞された異常状態であると判断し、ステップS5に移行し、その異常状態を告知する。例えば、表示器98にその異常状態を文字や記号又は図形等によって視覚的に表示し、同時に音声発生器100から異常状態を音声によって告知し、ブザー等の警報器102を以てその異常状態の発生を警告する。即ち、中和器60の交換や故障修理を促す。
【0033】
そして、ステップS6では、燃焼停止を行う。この燃焼停止は、燃料元弁14の閉止、ファンモータ104の停止、再点火を防止するため点火器20の点火禁止を行う。
【0034】
また、中和器60の機能低下に基づく警告や告知では、表示器98や音声発生器100を用いて、例えば、「中和器の閉塞のため緊急停止しました。サービスに連絡して中和器を交換して下さい。」等の告知表示や、表示器98に中和器交換を認識させるコードを表示させてもよい。
【0035】
なお、実施形態では、中和器60の機能低下や機能停止を間接的に検出したが、本発明は、回収トレイ56に水位センサを設置してその水位レベルを監視し、又は、中和器60の中和機能の変化を電気的に検出する等、その機能低下や異常事態を各種のセンサ等を用いて間接的又は直接的に監視することを包含するものである。
【0036】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明によれば、次の効果が得られる。
a 中和手段の排水機能を直接的又は間接的に検出し、その検出に基づいて中和手段の中和剤や中和器の交換を行えるので、未処理の凝縮水の廃棄を防止し、安全性を高めることができる。
b 空気量の減少状態から中和手段の排水機能を間接的に検出するので、その検出により中和手段の中和剤の交換や中和器の交換を促すことができる。
c 燃焼空気量の不足を原因とする燃焼火炎長の後退により、燃焼火炎の外炎部と内炎部との境にある高温部を温度センサで検出できるので、その検出温度から中和手段側の異常や排水機能の低下を監視できる。
d 凝縮水が排気通路に溜まり、その水位によって排気通路の排気機能が低下して燃焼空気量が不足すると、燃焼排気中のCOガス量が上昇するので、その検出出力のレベルから中和手段側の異常や排水機能の低下を監視できる。
e 凝縮水が排気通路に溜まり、その水位によって排気通路の排気機能が低下するので、燃焼排気の風圧を風圧センサで検出すれば、その検出出力から中和手段側の異常や排水機能の低下を監視できる。
f 凝縮水が排気通路に溜まり、その水位によって排気通路の排気機能が低下するので、燃焼排気の風速を風速センサで検出すれば、その検出出力から中和手段側の異常や排水機能の低下を監視できる。
g 排水機能の低下が所定時間継続したとき、排水機能の低下を告知し、又は燃焼を停止させるので、その告知によって中和剤の交換や補充、中和器の交換を促し、又は燃焼停止を行って、予期しない失火状態を防止し、安全性を高めることができる。
h 給気機能の低下が所定時間継続したとき、その機能の低下を告知し、又は燃焼を停止させるので、その告知によって給気ファン等の補修を促し、又は燃焼停止を行って、予期しない失火状態を防止し、安全性を高めることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の燃焼装置及び燃焼制御方法の実施形態を示す構成図である。
【図2】制御装置の実施形態を示すブロック図である。
【図3】排水機能又は給気機能の低下に対応する熱電対の出力電圧の推移を示すグラフである。
【図4】本発明の燃焼制御を示すフローチャートである。
【符号の説明】
6 バーナ(燃焼手段)
8 排気通路
14 燃料元弁
18 給気ファン(給気手段)
20 点火器
24 熱交換器(熱交換手段)
60 中和器(中和手段)
62 中和剤
76 熱電対(検出手段)
78 COセンサ(検出手段)
80 風圧センサ(検出手段)
81 風速センサ(検出手段)
98 表示器
100 音声発生器
102 警報器
104 ファンモータ
D 凝縮水
F 燃焼火炎
EG 燃焼排気
W 給水(被加熱流体)
Wh 温水(被加熱流体)
Claims (8)
- 燃料を燃焼させる燃焼手段と、
この燃焼手段で発生した燃焼排気から顕熱又は潜熱を回収し、被加熱流体を加熱する熱交換手段と、
この熱交換手段の熱交換で発生した凝縮水を中和剤を用いて中和する中和手段と、
前記燃焼排気を外気に流す排気機能を備えるとともに、前記凝縮水を回収して前記中和手段に導く回収トレイを備え、前記中和手段の機能低下によって前記回収トレイに溜まる前記凝縮水の水位により前記排気機能を変化させる排気通路と、
この排気通路の前記排気機能の低下を検出する検出手段と、
を備えたことを特徴とする燃焼装置。 - 前記検出手段を前記燃焼手段に設置されている給気手段の給気機能の低下検出に共用させたことを特徴とする請求項1記載の燃焼装置。
- 前記検出手段に前記燃焼手段の火炎温度を検出する温度センサを用いたことを特徴とする請求項1記載の燃焼装置。
- 前記検出手段に前記燃焼排気中のCO又はCO濃度を検出するCOセンサを用いたことを特徴とする請求項1記載の燃焼装置。
- 前記検出手段に前記燃焼排気の風圧を検出する風圧センサを用いたことを特徴とする請求項1記載の燃焼装置。
- 前記検出手段に前記燃焼排気の風速を検出する風速センサを用いたことを特徴とする請求項1記載の燃焼装置。
- 燃焼手段によって燃料を燃焼させ、前記燃焼手段から排気通路に流れる燃焼排気から顕熱又は潜熱を回収して被加熱流体を加熱し、熱交換によって発生した凝縮水を中和手段を用いて中和し、前記中和手段の機能低下が前記凝縮水の水位を上昇させ、この水位上昇が前記排気通路の排気機能を低下させて、前記燃焼手段の燃焼火炎温度、前記燃焼排気中のCO又はCO濃度、前記燃焼排気の風圧の検出出力が、前記中和手段側の異常による排気機能の低下を表すレベルに到達し、そのレベルを所定時間継続したとき、前記排気機能の低下の告知又は前記燃焼手段の燃焼停止を行うことを特徴とする燃焼制御方法。
- 請求項7記載の燃焼制御方法において、
前記燃焼火炎温度、前記燃焼排気中のCO又はCO濃度、前記燃焼排気の風圧の検出出力が、前記燃焼手段に設置されている給気手段の給気機能の低下を表すレベルに到達し、そのレベルが所定時間継続したとき、前記給気機能の低下の告知又は前記燃焼手段の燃焼停止を行うことを特徴とする燃焼制御方法。
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