JP3333029B2 - 自己診断機能付きガス燃焼機器 - Google Patents

自己診断機能付きガス燃焼機器

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JP3333029B2
JP3333029B2 JP34082293A JP34082293A JP3333029B2 JP 3333029 B2 JP3333029 B2 JP 3333029B2 JP 34082293 A JP34082293 A JP 34082293A JP 34082293 A JP34082293 A JP 34082293A JP 3333029 B2 JP3333029 B2 JP 3333029B2
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信義 横山
友久 石黒
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パロマ工業株式会社
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、ガス給湯器,ガス風呂
釜などのガス燃焼機器に関し、さらに詳しくは、これら
のガス燃焼機器の器具寿命を出湯温度や燃焼ガスインプ
ット量等の使用負荷を考慮して判断し、寿命が近づいて
きたときにこれを事前に使用者に知らせ注意を喚起する
ことができる、いわゆる自己診断機能付きガス燃焼機器
に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来、この種のガス燃焼機器、たとえば
ガス給湯器などでは、給湯栓を開くと水流スイッチがO
Nして送風ファンの回転が始まり、次いで各種ガス弁が
開いてガスバーナにガスが供給され、イグナイタにより
その点火が行なわれ、燃焼ガスの熱により熱交換器に配
管された給水管を流れる水が加熱され、出湯水が得られ
る。そして通常の運転状態では出湯温度と設定温度との
比較によりガスバーナのガス量を連続的に制御(フィー
ドバック制御)し、一方、給湯栓を閉じると水流スイッ
チがOFFとなり、各種ガス弁が閉じて送風ファンが停
止するようにしたものが知られている。そしてこのよう
なガス給湯器などでは、ガスの点火,燃焼および消火の
繰り返しによりガス燃焼系統,排ガス系統などに寿命が
くることになる。
【0003】そこでこのようなガス燃焼機器の寿命を、
累積運転回数あるいは累積運転時間により予知するよう
にしたものが従来より知られている。それによれば、た
とえば、(i)累積運転回数(N)がある寿命警報回数
(Ns)になると警報を出し、それよりも回数の多い寿
命回数(Nt)に達すると器具を停止(ストップ)させ
るとか、あるいは、(ii)累積運転時間(T)がある寿
命警報時間(Ts)になると警報を出し、それよりも時
間の長い寿命時間(Tw)に達すると器具を停止(スト
ップ)させるようにし、(i)と(ii)のいずれかの状
態(条件)に先に到達したときに器具の寿命がきたと判
断するものである。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、ガス燃
焼機器の寿命に及ぼす影響因子としては、いろいろなも
のが挙げられる。たとえば、実際には使用負荷(ガス燃
焼能力,設定温度等)に応じて熱交換器を通る伝熱管や
集熱フィン,あるいはガスバーナと熱交換器とを囲むよ
うに設けられるケーシング等にいわゆる「低温腐食」と
称される現象が生じたりあるいは「高温酸化」という問
題が生じたりする。
【0005】「低温腐食」とは、燃焼ガスに含まれる水
素分が燃焼してH2O となり、熱交換器部材やケーシン
グ表面がその燃焼ガスの露点温度よりも低い場合にその
熱交換器部材やケーシング表面にドレンとして付着し、
そのドレンに未燃分や燃焼生成物が溶け込み、これら部
材に金属腐食を起こす現象をいい、これら部材への金属
酸化物の付着により熱効率を低下させたり、あるいは熱
交換器を通る給水管やケーシングに腐食孔が生じ水が漏
れ出たり、燃焼ガスがケーシングより室内へ漏出する等
のトラブルを生じさせる。
【0006】また「高温酸化」とは、ガスバーナの燃焼
ガス温度が高いために熱交換器部材やケーシングが異常
な高温度にさらされると、これら部材が金属酸化や温度
ムラによる熱応力腐食を起こす現象をいい、これら部材
の早期劣化が生じたり、あるいはこれら部材の酸化表面
の腐食が進行してやはり熱交換器を通る給水管の腐食孔
からの水の漏出や燃焼ガスのケーシング壁の腐食孔から
の燃焼ガスの漏出等のトラブルが生じる。
【0007】たとえば、「低温腐食」は、図4に燃焼ガ
スインプット量と低温腐食係数との関係を示したが、一
般にこの種のガス給湯器では出湯温度(又は設定温度)
が約42℃の近辺より低い温度のときに起こり易く、そ
の温度域では横軸に燃焼ガスインプット量を採り、縦軸
に低温腐食係数を採ると、必ずしも燃焼ガスインプット
量の最大時や最小時に最も起こり易いのではなく、その
途中当たりで最も低温腐食が起こり易いことが判ってい
る。
【0008】また、「高温酸化」は、図5に燃焼ガスイ
ンプット量と高温酸化係数との関係を示したが、一般に
この種のガス給湯器では出湯温度(又は設定温度)が約
42℃の近辺より高い温度のときに起こり易く、その温
度域では横軸に燃焼ガスインプット量を採り、縦軸に高
温酸化係数を採ると、燃焼ガスインプット量が最小量か
ら最大量に向かって増すにつれて高温酸化係数は高くな
り、その度合も増していくことが判っている。
【0009】そしてこれらの「低温腐食」や「高温酸
化」などの諸現象は、いずれもこのガス燃焼機器の寿命
に影響を与えるものであるが、これらの影響を全く考慮
せずに従来のように、運転時間をガス燃焼能力や設定温
度等の使用負荷に関係なく累積したり、運転回数を単純
にカウントして機器寿命がきたと判断するのでは、実際
には寿命的に未だ余裕があるにもかかわらず、寿命が近
づいたと判断されるおそれもあり、それを廃品にするの
ではその経済的損失は大きい。
【0010】本発明は、このような問題点を解決するた
めになされたものであり、その目的とするところは、ガ
ス給湯器などのガス燃焼機器の運転寿命をより正確に判
断することのできる自己診断機能付きガス燃焼機器を提
供することにある。具体的には、低温腐食や高温酸化等
の諸現象による器具寿命への影響度を運転時間に考慮す
ることによりその器具寿命を正確に判断せんとするもの
である。これによりガス燃焼機器の経済的使用価値を高
め、また機器使用上の安全性をも担保せんとするもので
ある。
【0011】
【課題を解決するための手段】この目的を達成するため
に本発明の自己診断機能付きガス燃焼機器は、ガス点火
による1回での運転時間を検知するタイマ手段と、出湯
温度又は設定温度の信号に基づき使用負荷が低温腐食条
件にあるか高温酸化条件にあるかを判別する使用負荷条
件判別手段と、前記使用負荷条件判別手段により低温腐
食条件にあると判別されたときその低温腐食条件のもと
での重み付けにより前記タイマ手段により検知される運
転時間を補正決定する低温腐食条件下運転時間決定手段
と、前記使用負荷条件判別手段により高温酸化条件にあ
ると判別されたときその高温酸化条件のもとでの重み付
けにより前記タイマ手段により検知される運転時間を補
正決定する高温酸化条件下運転時間決定手段と、前記低
温腐食条件下運転時間決定手段により補正決定された運
転時間および前記高温酸化条件下運転時間決定手段によ
り補正決定された運転時間をそれぞれ考慮して機器本体
の寿命が判断されるように構成したことを要旨とするも
のである。
【0012】その場合に前記低温腐食条件下運転時間決
定手段により補正決定される運転時間の重み付けは燃焼
ガスインプット量を考慮するものとし、 ここにTnc:補正後の運転時間、 Tn:補正前の実運転時間、 Ipl:低温腐食が最も発生し易い燃焼ガスインプット
量、 Ip:実燃焼ガスインプット量、 K1,K2:係数とすると、 その低温腐食の最も発生する燃焼ガスインプット量より
も少ない燃焼ガスインプット量時(Ipl≧Ip)に
は、 Tnc=Tn×{(1−K1)・Ip/Ipl+K1} の演算式により運転時間を補正演算し、その低温腐食の
最も発生する燃焼ガスインプット量よりも多い燃焼ガス
インプット量時(Ipl<Ip)には、 Tnc=Tn×{(1−K2)・Ip/Ipl+K2} の演算式により運転時間を補正演算するとよい。
【0013】また前記高温酸化条件下運転時間決定手段
により補正決定される運転時間の重み付けは燃焼ガスイ
ンプット量を考慮するものとし、 Tnc=Tn×(Ip/IpMAX2 ここにTnc:補正後の運転時間 Tn:補正前の実運転時間 IpMAX:この器具の最大燃焼ガスインプット量 Ip:実燃焼ガスインプット量 の演算式により運転時間を補正演算するとよい。
【0014】尚、運転回数の累積値と運転時間の累積値
のいずれかがさきに基準運転回数又は基準運転時間に到
達したときに器具本体の寿命と判断されるようにすれ
ば、寿命が近づいてきたことが一層正確に判断でき、ま
た、更に器具本体にはその寿命が判断されたときに使用
者に警告を発する警告手段を備えるようにすれば、使用
者が機器の寿命が近づいたことを不用意に見逃すことは
なくなる。
【0015】
【作用】上記の構成を有する本発明の自己診断機能付き
ガス燃焼機器によれば、ガスバーナの点火によりタイマ
手段が作動し、そのタイマ手段によりガス点火による1
回での運転時間が検知されるが、そのときに出湯温度又
は設定温度の信号に基づき使用負荷が低温腐食条件にあ
るか高温酸化条件にあるかが使用負荷条件判別手段によ
り判別され、低温腐食条件にあると判別されたときには
その低温腐食条件のもとでの重み付けにより前記タイマ
手段により検知される運転時間が低温腐食条件下運転時
間決定手段により補正決定され、一方高温酸化条件にあ
ると判別されたときにはその高温酸化条件のもとでの重
み付けにより前記タイマ手段により検知される運転時間
が高温酸化条件下運転時間決定手段により補正決定され
る。そして前記低温腐食条件下運転時間決定手段により
補正決定された運転時間および前記高温酸化条件下運転
時間決定手段により補正決定された運転時間を累計し、
トータルの運転時間によって機器本体の寿命が判断され
る。
【0016】その重み付けは、低温腐食条件下では、そ
の低温腐食の最も発生する燃焼ガスインプット量よりも
少ない燃焼ガスインプット量時(Ipl≧Ip)には、 Tnc=Tn×{(1−K1)・Ip/Ipl+K1} の演算式により運転時間を補正演算し、その低温腐食の
最も発生する燃焼ガスインプット量よりも多い燃焼ガス
インプット量時(Ipl<Ip)には、 Tnc=Tn×{(1−K2)・Ip/Ipl+K2} の演算式により運転時間を補正演算するようにすれば、
低温腐食現象による器具寿命への影響度を考慮した運転
時間が求められる。
【0017】また高温酸化条件下での重み付けは、 Tnc=Tn×(Ip/IpMAX2 ここにTnc:補正後の運転時間 Tn:補正前の実運転時間 IpMAX:この器具の最大燃焼ガスインプット量 Ip:実燃焼ガスインプット量 の演算式により運転時間を補正演算するようにすれば、
高温酸化現象による器具寿命への影響度を考慮した運転
時間が求められる。
【0018】
【実施例】以下に本発明を具体化した一実施例を図面を
参照して詳細に説明する。初めに本発明が適用されるガ
ス給湯器の全体構成を図1に示して説明する。このガス
給湯器10は、給水管12と給湯管14とが熱交換器1
6を介して接続され、給水管12には水流スイッチ18
が、また給湯管14には湯温サーミスタ22がそれぞれ
接続されている。給湯管の先端に給湯栓24が設けられ
ている。
【0019】一方、熱交換器16を加熱するガスバーナ
26には、ガス管28が接続され、このガス管28には
ガス元電磁弁30、メイン電磁弁32およびガス比例弁
34とが設けられると共に、ガスバーナ26には送風フ
ァン36も接続されている。そして、給水管12の水流
スイッチ18、給湯管14の湯温サーミスタ22、ガス
管28のガス元電磁弁30、メイン電磁弁32およびガ
ス比例弁34、並びに送風ファン36はそれぞれコント
ローラ38に接続されている。
【0020】このように構成されたガス給湯器10は、
次のように作動する。給湯栓24を開くと給水管12に
水が流れ水流スイッチ18がONし、コントローラ38
への通信により送風ファン36が回転を開始する。そし
てプリパージの後ガス元電磁弁30およびメイン電磁弁
32が開いてガス比例弁34が緩点火動作状態となり、
ガスバーナ26にガスが供給され、それと同時にイグナ
イタ(図示せず)が連続的にスパークしてガスバーナ2
6に緩点火が行なわれる。緩点火動作終了後には比例制
御が開始され、湯温サーミスタ22で検出した湯温と設
定した湯温とに差があると、コントローラ38でそれを
判断し、ガス比例弁34へ信号を送り、ガス量を連続的
に変化させて熱交換器16の出口温度を一定に保ち、ガ
ス比例弁34によるガス量の変化に応じてコントローラ
38から送風ファン36のファンモータへ信号が送ら
れ、ガス量と空気量の関係が一定に保たれるようになっ
ている。一方給湯栓24を閉じると水流スイッチ18が
OFFとなり、ガス元電磁弁30,メイン電磁弁32お
よびガス比例弁34がOFFとなってい消化し、ポスト
パージ動作に入り、ポストパージ動作のタイムアップに
よりファンが停止されるものである。
【0021】かくして本発明では、上述のガス給湯器1
0のコントローラ38に、ガスバーナ26が点火されて
から消火(運転停止)されるまでの時間をカウントする
タイマ機能と、そのカウントされた運転時間を累計して
トータルの運転時間を算出する演算機能とを備える。そ
してこのコントローラ38のコンピュータには、ドレイ
ンの出易い、いわゆる低温腐食の起こり易い燃焼ガスイ
ンプット量(Ipl)が予め記憶されている。
【0022】そして湯温サーミスタ22からの検知信号
により出湯温度(T)が42℃以下(T≦42℃)であ
ると判断されたときには、低温腐食条件下にあるのもと
判断され、その場合には燃焼ガスインプット量が、図4
に示したIpMIN 〜Iplの間では次の数1−(1)式
により運転時間が補正演算され、また燃焼ガスインプッ
ト量が図4に示したIpl〜IpMAX の間では数1−
(2)式により運転時間が補正演算されるものである。
【0023】
【数1】
【0024】一方出湯温度(T)が42℃を越えている
(T>42℃)と判断されたときには、高温酸化条件下
にあるものと判断され、その場合には次の数2に示した
演算式により1回の運転時間が補正演算されるものであ
る。
【0025】
【数2】
【0026】ここに低温腐食が生じるか、高温酸化が生
じるかの「基準温度」を42℃に設定したのは、ガスバ
ーナ26の燃焼ガスに含まれる水素分が燃焼してH2
となり、熱交換器を通る伝熱管や集熱フィン、あるいは
ガスバーナ26と熱交換器16を囲むケーシングの内壁
面がその燃焼ガスの露点温度よりも低い場合にその熱交
換器部材やケーシング表面にドレンとして付着する、い
わゆる結露現象が生じはじめるのが一般的にこの42℃
の近辺であると言われていることに基づくものである。
その熱交換器部材やケーシング表面に付着したドレンに
未燃分や燃焼生成物が溶け込み、これらの部材に金属腐
食が生じることになる。
【0027】そして前記した数1の演算式は、「低温腐
食」が生じる場合の機器寿命への影響度を運転時間の補
正によって修正するものであるが、これは記述のグラフ
(図4)において説明したように、燃焼ガスインプット
量によって変化するものであるからその実体に沿うよう
に低温腐食が最も発生する燃焼ガスインプット量(Ip
l)の時の低温腐食係数を「1」とし、その燃焼ガスイ
ンプット量(Ipl)よりも低い燃焼ガスインプット量
(IpMIN 〜Ipl)の時の運転時間(Tn)は数1に
おける(1)式により補正演算し、燃焼ガスインプット
量(Ipl)よりも高い燃焼ガスインプット量(Ipl
〜IpMAX) の時の運転時間(Tn)は数1における
(2)式により補正演算し、求めるようにしたものであ
る。
【0028】一方、前記した数2の演算式は、「高温酸
化」が生じる場合の機器寿命への影響度を運転時間の補
正によって修正するものであるが、これもやはり記述の
グラフ(図5)において説明したように燃焼ガスインプ
ット量によって変化するものであるから、その実体に沿
うように高温酸化が最も起こる燃焼ガスインプット量
(IpMAX )の高温酸化係数を「1」とし、数2におけ
る演算式により運転時間(Tn)を補正演算により求め
るものである。
【0029】この数2の演算式において、運転時間の補
正演算係数として(Ip/IpMAX2を用いたのは、器
具寿命への影響度が実際の燃焼ガスインプット量(I
p)と最大燃焼ガスインプット量(IpMAX) との比の
ほぼ2乗で近似していると思われるからである。次に図
2に示した制御フローチャートに従って、この実施例に
示したガス給湯器10の作動状態を説明する。
【0030】初めに給湯栓24を開いて水流スイッチ1
8がONし、ガスバーナ26の緩点火による点火動作ま
で進む(ステップ1,以下単に「S1」と表記する。)
と、コントローラ38に内蔵されるタイマが作動し(S
2)、しかる後湯温サーミスタ22からの検知信号によ
り出湯温度が42℃以上であるか否かが判断される(S
3)。このS3において出湯温度が42℃以下であると
判断されたとき(S3,「YES」)、これは「低温腐
食」が起こる条件であると判断されたものであり、次に
ガス比例弁34の比例弁電流制御回路(図示せず)にお
ける比例弁電流値から現在の燃焼ガスインプット量(I
p)が把握され、その現在の燃焼ガスインプット量(I
p)と低温腐食が最も発生する燃焼ガスインプット量
(Ipl)との比較において低温腐食が最も発生する燃
焼ガスインプット量(Ipl)が現在の燃焼ガスインプ
ット量(Ip)より高いか否かが判断される(S4)。
【0031】そしてこのS4において低温腐食が最も発
生する燃焼ガスインプット量(Ipl)の方が現在の燃
焼ガスインプット量(Ip)よりも高い(Ipl≧I
p)と判断されたときには、前述の数1−(1)式の演
算式により運転時間が補正演算される(S5)。一方こ
のS4において低温腐食が最も発生する燃焼ガスインプ
ット量(Ipl)の方が現在の燃焼ガスインプット量
(Ip)よりも低い(Ipl<Ip)と判断されたとき
(S4,「NO」)には、前述の数1−(2)式の演算
式により運転時間が補正演算される(S6)。
【0032】一方、前述の湯温サーミスタ22からの検
知信号により出湯温度が42℃以上であると判断された
とき(S3,「NO」)、これは「高温酸化」が起こる
条件であると判断されたものであり、この場合にはガス
比例弁34の比例弁電流値から把握される現在の燃焼ガ
スインプット量(Ip)から数2の演算式により運転時
間が補正演算される。そして前述のS5により算出され
た運転時間と、S6により算出された運転時間、および
S7において算出された運転時間は累計され、トータル
の累積運転時間(TR )が求められる(S8)。
【0033】そしてこのS8において求められたトータ
ルの累積運転時間(TR )は、コントローラ38におい
てメンテナンスの必要なメンテ累積時間(Tk1) と常
に比較監視されており、この累計運転時間(TR )がメ
ンテ累積時間(Tk1 )に到達した(TR =Tk1 )と
判断されれば(S9,「YES」)、メンテナンスが必
要である旨の警報が発せられる(S10)。
【0034】またS10においてメンテナンス警報が発
生した後は、コントローラ38においてメンテナンスが
完了したか否かが判断され(S11)、メンテナンスが
完了すればリセットする(S12)ことによりもう一度
スタートへ戻る。そしてこの運転動作の繰り返しによ
り、器具の熱交換器部材等をそれ程損傷させずに継続的
に使用でき、器具寿命の延長も図れることになる。
【0035】一方前述のS10およびS11において、
メンテナンス警報が発せられているにも拘らずメンテナ
ンスが行なわれずに継続的に運転が行なわれ、トータル
の累積運転時間(TR )が寿命時間(Tk2)に到達し
た(TR =Tk2)と判断されれば(S13,「YE
S」)、ガス元電磁弁30,メイン電磁弁32,ガス比
例弁34は閉じられ、また送風ファン36も停止して器
具の運転は停止(ストップ)される(S14)。
【0036】図3は、本発明の別の実施例にかかる制御
フローチャートを示している。この制御フローチャート
において前述の図2に示したフローチャートと同一の作
動手順については同一のステップ番号を付してその詳細
な説明は割愛するが、この図3に示したフローチャート
においては、前述の図2に示したフローチャートにおい
てメンテナンスの回数をカウントする機能を備えてい
る。すなわちこの器具が新品同様の初めて運転される段
階でのメンテナンス回数を示すカウント値(n)を
「1」とおき(S20)、前述の図2に示したフローチ
ャートのS10においてメンテナンス警告が発せられ、
S11においてメンテナンスを完了し、メンテナンスが
完了した旨のリセットを押したとき(S12)に、前述
のメンテナンス回数を示すカウント値「n」が1つイン
クリメントされる(S22)。
【0037】そしてそのインクリメントされたカウント
値「n」が予めこのコントローラ38のコンピュータに
記憶されているメンテナンス限度回数(No)に到達し
たか否かが判断され(S23)、未だメンテナンス限度
回数(No)には到達していないと判断されれば(S2
3,「NO」)スタートに戻る。したがってメンテナン
ス限度回数(No)に到達していない限りメンテナンス
を繰り返すことによって継続的に使用でき、メンテナン
スさえきちんとやっておれば器具の寿命延長が図られる
ことになる。
【0038】以上実施例に基づいて本発明を説明した
が、本発明は上記実施例に何ら限定されるものではな
く、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で種々の設定変更が
可能であることは言うまでもないことである。たとえば
上記実施例では、湯温サーミスタ22からの信号に基づ
いて低温腐食条件か高温酸化条件かを判断しているが、
出湯温度に変えて設定温度によって判断するようにして
もよい。通常ガス給湯器などでは、設定温度と出湯温度
とはほとんど近似していると思われるからである。
【0039】また上記実施例では、運転時間の累積によ
ってのみ器具寿命を判断することを中心に説明している
が、勿論これに把われるものではなく、従来のように運
転時間と運転回数の両方をチェックし、いずれかが先に
寿命運転時間あるいは寿命運転回数に到達すれば器具寿
命が近づいたと判断するようにしてもよいことは言うま
でもない。
【0040】
【発明の効果】以上説明したことから明らかなように、
本発明に係るガス燃焼機器によれば、ガス給湯器などの
ガス燃焼機器の寿命がガス燃焼能力や設定温度等の使用
負荷に応じて発生する低温腐食あるいは高温酸化等の諸
現象によって影響を受けることに鑑み、これを機器寿命
の目安とする累積運転時間に重み付けにより考慮し寿命
判定を行なうようにしたものである。したがって機器寿
命の到来を正確に予見しようとするものであるから、機
器寿命がきていないのに寿命がきたと警報器がなって廃
棄されたり、寿命がきたとの判断により機器が停止(ス
トップ)して作動しなくなったりするということはな
く、ガス燃焼機器としての経済的使用価値は高められる
ものである。また、機器寿命がきたことがより正確に察
知されることにより機器使用上の安全性も担保されるも
のである。したがって本発明をガス給湯器などのガス燃
焼機器に適用することは、産業上きわめて有益なことで
ある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明が適用されるガス燃焼機器(ガス給湯
器)の概略構成図である。
【図2】図1に示したガス給湯器においてガス運転時間
の累積手法を実現するための制御フローチャートであ
る。
【図3】本発明の他の実施例にかかる制御フローチャー
トである。
【図4】このガス給湯器における熱交換器部材などが低
温腐食を起こす現象を燃焼ガスインプット量との関係で
説明した図である。
【図5】このガス給湯器における熱交換器部材などが高
温酸化食を起こす現象を燃焼ガスインプット量との関係
で説明した図である。
【符号の説明】
10 ガス給湯器 16 熱交換器 22 湯温サーミスタ 26 ガスバーナ 38 コントローラ
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 平4−62318(JP,A) 特開 平5−179609(JP,A) 特開 平5−99438(JP,A) 特開 平4−327757(JP,A) 特開 平7−71820(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) F23N 5/20 103 F23N 5/14 370 F23N 5/26 101

Claims (5)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ガス点火による1回での運転時間を検知
    するタイマ手段と、出湯温度又は設定温度の信号に基づ
    き使用負荷が低温腐食条件にあるか高温酸化条件にある
    かを判別する使用負荷条件判別手段と、前記使用負荷条
    件判別手段により低温腐食条件にあると判別されたとき
    その低温腐食条件のもとでの重み付けにより前記タイマ
    手段により検知される運転時間を補正決定する低温腐食
    条件下運転時間決定手段と、前記使用負荷条件判別手段
    により高温酸化条件にあると判別されたときその高温酸
    化条件のもとでの重み付けにより前記タイマ手段により
    検知される運転時間を補正決定する高温酸化条件下運転
    時間決定手段と、前記低温腐食条件下運転時間決定手段
    により補正決定された運転時間および前記高温酸化条件
    下運転時間決定手段により補正決定された運転時間をそ
    れぞれ考慮して機器本体の寿命が判断されるように構成
    したことを特徴とする自己診断機能付きガス燃焼機器。
  2. 【請求項2】 前記低温腐食条件下運転時間決定手段に
    より補正決定される運転時間の重み付けは燃焼ガスイン
    プット量を考慮するものとし、 ここにTnc:補正後の運転時間、 Tn:補正前の実運転時間、 Ipl:低温腐食が最も発生する燃焼ガスインプット
    量、 Ip:実燃焼ガスインプット量、 K1,K2:係数とすると、 その低温腐食の最も発生する燃焼ガスインプット量より
    も少ない燃焼ガスインプット量時(Ipl≧Ip)に
    は、 Tnc=Tn×{(1−K1)・Ip/Ipl+K1} の演算式により運転時間を補正演算し、その低温腐食の
    最も発生する燃焼ガスインプット量よりも多い燃焼ガス
    インプット量時(Ipl<Ip)には、 Tnc=Tn×{(1−K2)・Ip/Ipl+K2} の演算式により運転時間を補正演算するものであること
    を特徴とする請求項1に記載の自己診断機能付きガス燃
    焼機器。
  3. 【請求項3】 前記高温酸化条件下運転時間決定手段に
    より補正決定される運転時間の重み付けは燃焼ガスイン
    プット量を考慮するものとし、 Tnc=Tn×(Ip/IpMAX2 ここにTnc:補正後の運転時間 Tn:補正前の実運転時間 IpMAX:この器具の最大燃焼ガスインプット量 Ip:実燃焼ガスインプット量 の演算式により運転時間を補正演算するものであること
    を特徴とする請求項1に記載の自己診断機能付きガス燃
    焼機器。
  4. 【請求項4】 運転時間の累積値と運転回数の累積値の
    いずれかがさきに基準運転時間又は基準運転回数に到達
    したときに器具本体の寿命と判断されるようにしたこと
    を特徴とする請求項1ないし3に記載の自己診断機能付
    きガス燃焼機器。
  5. 【請求項5】 請求項1又は4に記載される自己診断機
    能付きガス燃焼機器において、更に器具本体にはその寿
    命が判断されたときに使用者に警告を発する警告手段を
    備えてなることを特徴とする自己診断機能付きガス燃焼
    機器。
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