JP3752118B2 - 成形性に優れた高炭素鋼板 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、自動車用オートマチックトランスミッションに組み込まれるドライブプレート用、自動車のシートに組み込まれるリクライナー部品のギヤー等に用いられる鋼板に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
高炭素鋼板は通常、打ち抜く、曲げ、絞り加工により、所定の寸法に成形後、焼き入れ、焼戻しの熱処理が施され、製品に供される。また、複数の部品を溶接等で接合して製作されていた部品をねじ転造加工、あるいはファインブランキングの半抜きで精密な加工が行われる方法が広まっている。例えば、オートマチックトランスミッションに組み込まれるドライブプレートは、エンジン始動時にセルモータギアーと噛み合い、エンジンを始動させる。このドライブプレートは、S45C等のSC材を切削加工し、焼き入れ焼戻し熱処理されたギヤー部を普通鋼等で製造されたプレートに溶接、焼きばめ等で接合して製造されてきた。しかし、自動車の軽量化、工程省略によるコスト低減等から、プレートとギヤー部を一体成形することが検討されている。
【0003】
一体成形法の1つに鋼板をプレス加工後、ギヤー部を転造加工する方法がある。この方法に使用される鋼板は、プレス加工後、ギヤー転造成形性等の加工性と共にギヤー部を高周波焼き入れされるため、優れた焼き入れ性が要求される。即ち、焼き入れ性の優れた高炭素鋼あるいは高合金鋼はプレス加工性時にネッキング、割れ等は生じ易い。一方、低炭素鋼は、プレス成形性は良好であるが、ギヤー部の高周波焼き入れしても必要硬さが得られない。
【0004】
また、上記以外の部品として、自動車のリクライナーシートの角度変更、シートを固定する役割を有するギヤー部品がある。このギヤー部品は、従来S45C、あるいは、S20Cが用いられて、半抜きにより、ギヤー部を成形し、S45Cは直接に焼き入れ、焼戻し、S20Cは浸炭焼き入れ、焼戻しにより、所定の強度を確保している。しかし、自動車の軽量化、リクライナーのスムースな変動等の要求から、ギヤーの小モジュール化、即ち、ギヤーの歯のピッチを小さくすることが進められている。このため、従来のS45Cでは成形時に割れ等が生じ易く、歯のピッチが小さい部品の成形ができなく、成形ができても工具寿命が短く、成形コストが高くなる問題がある。低炭素のS20Cは、浸炭焼き入れを行う必要があると同時に、未浸炭部の強度が不足するという問題点がある。
【0005】
加工性、焼き入れ性を改善する方法として、特開平8−3687号公報、特開平10−259447号公報が開示されている。特開平8−3687号公報は球状化焼鈍された炭化物の粒径と量を調整している。この方法はドライブプレートのギヤー部を成形するときに要求される転造成形性については何ら開示はない。また、この方法で製造された鋼板はプレス成形性もギヤー部の転造成形性、あるいはファインブランキングで微細なギヤーの成形には成形性が不十分である。
【0006】
特開平10−259447号公報は、ドライブプレート用に適した鋼板が、焼き入れ性は10<30C+5Mn+6Cr+300Bを、加工性は5>10C+Mn+150Sを満足する成分に調整することで得られるとしている。しかし、この技術は転造加工性の厳しい場合、冷延後に焼鈍を必要とし、Cr添加が必須のため炭化物球状化に必要な焼鈍時間を長くとる必要があるため、製造コストが高いという問題点もある。このため、より転造加工性の優れた鋼板を安価に提供することが望まれている。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
従来技術で問題であった厳しい転造加工でも、厳しいファインブランキング加工でも成形可能で、かつ安価な高炭素鋼板を提供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】
上記、従来技術の課題について、鋭意研究した結果、炭化物分率を一定以下にし、かつフェライト粒径を特定の範囲に制御することにより転造成形性、ファインブランキング性が共に良好となることを知見した。本発明はこの知見に基づき完成した。
【0009】
本発明の要旨は、質量%で、C:0.15〜0.45%、Si:0.25%以下、Mn:0.3〜1.2%、P:0.02%以下、S:0.02%以下、Al:0.01〜0.1%、N:0.008%以下を含有し、必要に応じてTi:0.01〜0.06%、B:0.0005〜0.005%のうち1種以上を含有し、残部が不可避的不純物とFeの組成をもち、パーライト+セメンタイト分率が10%以下、かつフェライト粒の平均粒径が10〜20μmの組成を有し、転造成形性、ファインブランキング性に優れた高炭素鋼板である。そして、この鋼板は、自動車部品の一種であるドライブプレート用あるいはリクライナーギヤー用として適している。
【0010】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の構成要件について説明する。
【0011】
本発明は、0.15%以上の炭素鋼において、炭化物の占める面積率を10%以下に制御することが1つの特徴である。ここでの炭化物はセメンタイトおよびパーライト組織を併せたものをいう。炭化物の占める面積率が10%を超えると、ドライブプレートのギヤー部の転造成形時に割れが生じたり、割れが発生しなく成形ができたとしても、微小なミクロクラックが発生し、耐久性が劣る。また、厳しいファインブランキング加工時もクラックが発生したり、工具寿命が短くなるためである。一方、下限の面積率は特に規定する必要はないが、本発明は焼き入れ性も必要なため、炭化物の面積率が少ないと焼き入れ時の硬さが低くなるため、5%以上が好ましい。
【0012】
本発明では、炭化物面積率の制御をC量と炭化物の形態を変えること、即ち、熱延後の冷却時に生じるパーライト変態発熱を抑える冷却条件とAc温度以下でできるだけ高い温度で焼鈍することにより、ラメラー状の炭化物をできるだけ少なくし、球状セメンタイトのサイズを大きくする方法で実施することができる。
【0013】
次に、本発明の他の特徴は、フェライト粒径を10〜20μmに制御することにある。フェライト粒径が10μm未満になると炭化物の面積率を10%以下に制御しても、ドライブプレートのギヤー転造成形時に割れが生じ成形できないか、できたとしてもクラックが生じる。また、加工度の厳しいファインブランク加工でもクラックが生じる。一方、20μmを超える大きなフェライト粒の鋼板は、ギヤー転造成形性は問題とならないが、焼き入れ性が不足したり、ドライブプレートの耐久性が劣るため、ファインブランキング時の工具寿命が短くなる、また、熱処理後の寸法変化が大きくなる。
【0014】
この粒径は走査型電子顕微鏡によって観察したフェライト粒をJISの方法で粒度番号を測定し、フェライト粒を球とした場合の平均粒径を採用した。フェライト粒径は、熱延板を焼鈍して提供する場合、鋼成分と熱延条件の組み合わせで制御し、そして、熱延板を冷延、焼鈍して提供する場合は、鋼成分と熱延条件に加えて冷延率と焼鈍温度・時間を変えることにより制御する。
【0015】
熱延条件の制御は主に熱延後の冷却時のフェライト変態温度域の冷却速度を変化させることで行うことができ、フェライト変態域の冷却速度が速いとフェライト粒径は細粒となり、遅いと粒径が大きくなる。
【0016】
冷延、焼鈍後のフェライト粒径は鋼組成、熱延板の組織、冷延率、焼鈍条件により変化し、C、Mn量が少ないとフェライト粒径が大きくなり、熱延組織が粗いとフェライト粒径が大きくなり、冷延率が15%以上の場合、冷延率が高いとフェライト粒径が細粒となる。鋼組成、熱延条件、焼鈍条件、冷延条件を制御することにより、フェライト粒径が10〜20μmの範囲の鋼板が製造できる。
【0017】
次に本発明の他の特徴である鋼組成について説明する。
【0018】
Cは、ギヤー部の焼き入れ後の硬さを確保するために0.15%以上必要である。一方、C量が0.45%を超えると焼き入れ硬さは充分に確保されるが、転造成形性、ファインブランキング性が劣化する。
【0019】
Siは、鋼板を硬質化させる元素で成形性を劣化させ、また熱延時にスケール疵が発生し易くなり、表面品質および歩留まり低下を招く。これらの理由から0.25%以下とする必要がある。好ましい範囲は同様の理由から0.08%以下である。
【0020】
Mnは、焼き入れ性に有用な元素であり、同時に不可避的に混入し、熱間脆化の原因となるSをMnSとして固定するためにも必要である。このため、0.3%以上の添加が必要である。一方、添加量が多くなると、連続鋳造時に偏析し、Mnの高密度域の炭化物密度が高くなり、プレス加工性、転造成形性を悪くする。このため、1.2%以下にする必要がある。好ましい範囲は同様の理由から0.5〜0.8%である。
【0021】
Pは、不可避的に混入する元素であるが、Mnと同様に連続鋳造時に偏析しやすく、炭化物の分布を不均一にし、鋼板の加工性を損なう。このため、0.02%以下に抑える必要がある。好ましい範囲は同様の理由から0.015%以下である。
【0022】
Sは、不可避的に混入する元素で、Mnと結合し、MnSの介在物となり、クラック等の原因となり、加工性を劣化する。このため、Sは0.02%以下にする必要がある。好ましい範囲は同様の理由から0.008%以下である。下限は特に特定する必要はないが、Sを0.001%以下まで低めるには製鋼コストが高くなるので、本発明では主に0.003〜0.008%の範囲が好ましい。
【0023】
Alは、溶鋼の脱酸剤として使用される元素であると共に、NをAlNとして固定し、焼き入れ時のγ粒の微細化に役立ち、靭性を高める。このような作用には0.01%以上の添加が必要である。一方、添加量が0.1%を超えると表面性状を劣化させるので、上限を0.1%に特定したが、上限を0.08%とすることが好ましい。
【0024】
Nは不可避的に混入する元素であるが、Al、Ti等と結合し窒化物となり、焼き入れ時のγ粒微細化作用がある。しかし、含有量が増えると加工性が劣化するため、0.008%以下にする必要がある。
【0025】
Tiは、Nと結合してTiNとなり、焼き入れ時のγ粒の微細化に有効であると共に、Bと複合添加すると焼き入れ性向上に寄与するBの比率を高め、焼き入れ性を高める。このため、0.01%以上を添加することが好ましい。一方、添加量が多くなると鋼板を硬質化し、加工性を劣化させるため、0.06%以下の添加が好ましい。
【0026】
Bは、焼き入れ時に粒界に偏析し、粒界エネルギーを低めることで、微量添加でも焼き入れ性を高める元素であることが良く知られている。特に焼き入れ性を必要とする場合は、Tiと複合添加する。焼き入れ性に有効な添加量は0.0005〜0.005%であるが、0.001〜0.004%とすることが好ましい。
【0027】
【実施例】
以下に、本発明の実施例を説明する。
【0028】
表1に示す組成の鋼を転炉で溶製し、連続鋳造でスラブを造り、熱間圧延により、板厚2.5mmおよび3.8mmの熱延コイルを製造した。このコイルを酸洗後、2.5mm厚のコイルはそのまま焼鈍し、3.8mm厚のコイルは2.5mm厚まで冷間圧延した後に焼鈍した。各々の焼鈍コイルから直径300mmのブランクを打ち抜き、プレスでドライブプレート形状の皿型を造り、これを転造加工し、歯幅8mm、歯丈6mmのギヤーを持つドライブプレートを造った。
【0029】
同時に熱延コイルのフェライト粒径と炭化物面積率を走査型電子顕微鏡で測定した。フェライト粒径は鋼板の長手方向断面の任意の1mm2の結晶粒の数を基に円相当直径を求め、これを平均粒径とした。炭化物の面積率は、やはり鋼板の長手方向断面の任意の1mm2の領域を対象として点算法で求めた。点算法とは、金属便覧(社団法人、日本金属学会偏)改定5版に記載されているように、グリッドの交点を使用して、組織を定量化する方法である。
【0030】
成形されたドライブプレートの外観に、割れ、クラックの有無の目視観察と、変形の大きな部分を切り出し、断面を光学顕微鏡でミクロクラックの有無を調査した。外観調査および断面の光学顕微鏡観察でミクロクラックが無いものを○、外観検査ではクラックが観察されないが、光学顕微鏡観察でミクロクラックが観察されたものを△、外観観察でクラックが観察されたものを×、所定の寸法まで成形する前に割れたものを××とし、転造成形性を評価した。
【0031】
また、転造成形されたドライブプレートを高周波加熱で900℃に加熱後、注水で冷却し、歯先と歯元のビッカース硬さを測定し、焼き入れ性を評価した。焼き入れされたドライブプレートをオートマチックトランスミッションに組み込み、耐久試験を行い、割れが生じたり、変形したものを×、割れ、変形等が無いものを○とし、耐久性を評価した。なお、転造成形で所定の寸法に成形できなかったものは焼き入れ、耐久試験を行わなかった。
【0032】
【表1】
Figure 0003752118
【0033】
転造成形性、焼き入れ性、耐久性の評点を表2に示した。
【0034】
熱延板を焼鈍したA1、B1、C1、D1、E1および熱延板を冷延し、焼鈍したA2、B2、C2、D2、E2の本発明範囲の実施例はいずれも転造成形性、焼き入れ性が優れ、しかも耐久試験でも良好な成績である。
【0035】
一方、成分的に本発明範囲内であるが、熱延後の冷却速度を速めて製造した、フェライト粒径が本発明範囲外のA3、C3、パーライト変態発熱を抑えず、熱延後冷却して製造した、炭化物分率が本発明範囲外のB3は、転造成形性が劣り、耐久試験でクラックが大きくなり、割れが生じ、ドライブプレート用鋼板に適さない。
【0036】
成分的にCが本発明外のF、Siが本発明外のG、PおよびSが本発明外のHの各比較例は、いずれも転造成形時に割れが生じ、やはり、ドライブプレート用鋼板に適さない。
【0037】
成分的に本発明範囲内で、炭化物分率も本発明範囲内であるが、フェライト粒径が大きすぎるC4は、転造成形性、焼き入れ性は共に良好であったが、耐久試験でクラックが生じると共に、プレートが変形しており、やはり自動車にとって重要な部品であるドライブプレートに適用できない。
【0038】
このように、本発明は鋼組成と組織を共に特定することにより、その効果を発揮できるもので、そのいずれかが本発明範囲から外れると、転造成形時に割れ、クラックが生じ、一体成形でドライブプレートが成形できないことが分かる。
【0039】
【表2】
Figure 0003752118
【0040】
表3に示す組成の鋼を転炉で溶製し、連続鋳造でスラブを造り、熱間圧延により、板厚7.0mmおよび5.0mmの熱延コイルを製造した。このコイルを酸洗後、5.0mmのコイルはそのまま焼鈍し、7.0mmのコイルは5.0mm、4.5mm厚まで冷間圧延した後に焼鈍した。各々の焼鈍コイルを内歯式のシートリクライナーのモジュール:0.4のアームポールをファインブランキングで作成した。同時に各コイルのフェライト粒径と炭化物面積率を走査型電子顕微鏡で測定した。成形されたアームポールの外観に割れ、クラックの有無を目視観察と、加工度の最も大きな歯先部の断面を光学顕微鏡で観察し、外観観察および断面の光学顕微鏡観察でミクロクラックが無いものを○、外観観察ではクラックが観察されないが、光学顕微鏡観察でミクロクラックが観察されたものを△、外観観察でクラックが観察されたものを×で評価した。また、同一工具で連続して成形し、良好な成形が可能な個数を調査した。これらの加工品を860℃×50minの加熱の焼き入れ、400℃×50minの焼戻し処理を行い、熱処理前後の寸法変化と硬さを測定した。寸法変化は10個の熱処理前後の寸法の差の平均値で評価した。硬さはHRC表面固さを測定した。なお、ファインブランキングでクラックが生じたものは、焼き入れ、焼戻し処理を行わなかった。得られた成形性、工具寿命、硬さ、寸法変化を表4に示した。
【0041】
【表3】
Figure 0003752118
【0042】
【表4】
Figure 0003752118
【0043】
熱延板を酸洗し、焼鈍したA5、B5、C5、D5、E5、および熱延板を冷延し、焼鈍したA6、B6、C6、D6、E6の本発明範囲の実施例はいずれも、ファインブランキング成形性、工具寿命が良好で、熱処理後の硬さも必要レベルを確保しており、熱処理による寸法変化が小さく、リクライナーのギヤー部品とし良好な特性を有していることが分かる。
【0044】
一方、成分的には本発明範囲であるが、熱延後の冷却速度を速めて製造することでフェライト粒径が本発明範囲より小さいA7、C7は、ファインブランキングで製品が成形できたが、工具寿命が大幅に短く、リクライナー用ギヤー部品用鋼板として適していない。
【0045】
一方、フェライト粒径が本発明範囲より大きいC8は成形性、熱処理後の硬さは良好であるが、工具寿命が短く、熱処理前後の寸法変化が大きく、やはりリクライナーのギヤー部品用鋼板に適していない。
【0046】
また、成分的に本発明範囲内であるが、熱延後の冷却速度を遅くして製造し、焼鈍後の炭化物面積が本発明範囲より多いB7は、ファインブランキング時にクラックが発生し、ファインブランキング性が劣る。
【0047】
F2はC量が、G2はSi量が、H2はP量が本発明範囲外の比較例であるが、いずれもファインブランキング性が劣る。特に、G2、H2はフェライト粒径、炭化物面積率共に本発明範囲内であるが、ファインブランキング性が劣る。
【0048】
本発明は鋼成分、フェライト粒径、炭化物面積率が共に、特定範囲内で優れたファインブランキング性を発揮することが分かる。
【0049】
【発明の効果】
本発明は、鋼組成を適切に調整し、フェライト粒径と炭化物分率を特定範囲に制御することにより、はじめて成形性の良好な高炭素鋼板を提供できる。とりわけ、リクライナー用のギヤー用部品、一体成形型によるドライブプレートの成形が可能となる。また、熱延板を直接焼鈍しても、優れた成形性を有するので、熱延板を焼鈍−冷延後に焼鈍する工程、冷延−焼鈍する工程に対し、省工程で鋼板の製造が可能で工業的に有用な発明である。

Claims (4)

  1. 質量%で、
    C:0.15〜0.45%、
    Si:0.25%以下、
    Mn:0.3〜1.2%、
    P:0.02%以下、
    S:0.02%以下、
    Al:0.01〜0.1%、
    N:0.008%以下
    を含有し、
    残部が不可避的不純物とFeの組成をもち、パーライト+セメンタイト分率が10%以下、かつフェライト粒の平均粒径が10〜20μmの成形性に優れた高炭素鋼板。
  2. 質量%で、
    C:0.15〜0.45%、
    Si:0.25%以下、
    Mn:0.3〜1.2%、
    P:0.02%以下、
    S:0.02%以下、
    Al:0.01〜0.08%、
    N:0.008%以下
    を含有し、
    残部が不可避的不純物とFeの組成をもち、パーライト+セメンタイト分率が10%以下、かつフェライト粒の平均粒径が10〜20μmの転造成形性に優れたドライブプレート用高炭素鋼板。
  3. 質量%で、
    C:0.15〜0.45%、
    Si:0.25%以下、
    Mn:0.3〜1.2%、
    P:0.02%以下、
    S:0.02%以下、
    Al:0.01〜0.1%、
    N:0.008%以下
    を含有し、
    残部が不可避的不純物とFeの組成をもち、パーライト+セメンタイト分率が10%以下、かつフェライト粒の平均粒径が10〜20μmのファインブランキング性に優れたリクライナギヤー用高炭素鋼板。
  4. 鋼成分として、質量%で更に、
    Ti:0.01〜0.06%、
    B:0.0005〜0.005%
    のうち1種以上を含有することを特徴とする請求項1〜3のいずれか1つに記載の高炭素鋼板。
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