JP3751858B2 - キャリングケース - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、キャリングケースに係わり、特に、屋外で使用される精密機器の持ち運びに好適に用いられるキャリングケースに関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、キャリングケースとして、図3ないし図6に示す構造のものが知られている。
このキャリングケース100は、トランク型の構造を有し、図6に示すように、上部に開口部101aが形成された箱形の本体101と、下部に開口部102aが形成された蓋体102とからなり、この蓋体102は、前記本体101にヒンジ103を介して開閉可能に取り付けられ、このヒンジ103が固定されている辺の対辺にフック状の鍵104が固定されていて、この鍵104によって、前記蓋体102が閉じ位置に保持されるようになっている。
【0003】
そして、前記キャリングケース100に精密機器105を収納して持ち運び、適宜の場所において使用するために、図6に示すように、前記精密機器105が本体101の内部底面上に収納されるとともに、前記本体101の開口部101aに、この開口部101aを覆うようにして化粧板106が固定され、さらに、この化粧板106に、前記精密機器105の操作部材、たとえば、表示装置や各種スイッチ類が固定された構成となっている。
【0004】
前記化粧板106の固定は、本体101の4つの内側面に固定されたL金具107に、ネジ等の締結部材を用いて固定することによって行われている。
また、前記化粧板106の操作面には、必要に応じて、図示しない、アンテナや電源線等が装着される。
そして、使用に際して、自動車やヘリコプター等に搭載して移動し、必要に応じて外部への持ち出して蓋体102を空け、たとえば、無線装置として使用するものである。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、前述したキャリングケース100は、屋外に持ち出して使用することがあり、したがって、雨の中を持ち運ばれるケースが充分考えられる。
そして、このようなキャリングケース100にあっては、本体101と蓋体102との突合わせ部108から水が入り込み、前記本体101内部の精密機器105を壊すおそれがある。
一方、前記突合わせ部108は、凹凸嵌合部となされることによって、水が入り難くはなっているが、防水機能が必ずしも十分ではない。
また、本体101の内部に収納されている無線機やプリント基板等の精密機器105は、前述したように、本体101の底部等に直接固定されており、前記本体101と前記蓋体102との突合わせ部108から浸入した水が、前記精密機器105に直接影響をおよぼすこととなる。
【0006】
本発明は、このような従来の問題点に鑑みてなされたもので、防水機能が強化されたキャリングケースを提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本発明の請求項1に記載のキャリングケースは、前述した目的を達成するために、箱形の本体と、この本体に形成された開口部に開閉可能に装着された蓋体と、前記本体内に配設されて、物品が収納される開口部を備えた内箱とを備え、前記本体の開口縁部と前記内箱の開口縁部との間に、これらの隙間を覆うとともに、前記内箱を前記本体に固定する環状の支持部材が設けられ、この支持部材に、前記内箱の開口部を覆う化粧板が設けられ、この化粧板が、前記本体と前記蓋体との突き合わせ部よりも、前記蓋体側にずれて位置させられていることを特徴とする。
本発明の請求項2に記載のキャリングケースは、請求項1に記載の前記支持部材が、前記本体の内壁面に固定される固着部と、この固着部から離間して設けられ、前記化粧板が取り付けられる支持部と、これらの固着部と支持部とを連結する連結部とによって構成され、前記連結部が、前記本体と蓋体との突き合わせ部に対向させられているとともに、前記本体の内側へ行くにしたがい、この本体の内壁面より離間するように傾斜させられていることを特徴とする。
本発明の請求項3に記載のキャリングケースは、請求項2に記載の前記支持部材の、前記本体の内壁面から最も離間した位置に、貫通孔が形成されていることを特徴とする。
本発明の請求項4に記載のキャリングケースは、請求項1ないし請求項3の何れかに記載の前記蓋体の内部には、この蓋体が閉じ位置に位置させられた状態において前記化粧板を覆う箱形のシールド部材が設けられていることを特徴とする。
本発明の請求項5に記載のキャリングケースは、請求項1ないし請求項4の何れかに記載の前記本体の底部に、水抜き口が形成されていることを特徴とする。本発明の請求項6に記載のキャリングケースは、請求項5に記載の前記水抜き口に、キャップが着脱可能に設けられていることを特徴とする。
【0008】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の一実施形態について、図1を参照して説明する。
図1において符号1で示す本実施形態に係わるキャリングケースは、箱形の本体2と、この本体2に形成された開口部2aに開閉可能に装着された蓋体3と、前記本体2内に配設されて、物品が収納される開口部4aを備えた内箱4とを備え、前記本体2の開口縁部と前記内箱4の開口縁部との間に、これらの隙間を覆うとともに、前記内箱4を前記本体2に固定する環状の支持部材5が設けられ、この支持部材5に、前記内箱4の開口部4aを覆う化粧板6が設けられ、この化粧板6が、前記本体2と前記蓋体3との突き合わせ部よりも、前記蓋体3側にずれて位置させられた概略構成となっている。
【0009】
ついで、これらの詳細について説明すれば、前記支持部材5は、その断面形状がZ字状に形成され、前記本体2の内壁面に固定される固着部5aと、この固着部5aから離間して設けられ、前記化粧板6が取り付けられる支持部5bと、これらの固着部5aと支持部5bとを連結する連結部5cとによって構成され、前記連結部5cが、前記本体2と蓋体3との突き合わせ部7に対向させられているとともに、前記本体2の内側へ行くにしたがい、この本体2の内壁面より離間するように傾斜させられている。
そして、この支持部材5は、環状に形成されて、前記固着部5aが、前記本体2の内周面の全周にわたって固定されることにより、前記本体2と内箱4との隙間が閉塞されている。
【0010】
また、前記支持部材5の、前記本体2の内壁面から最も離間した位置に、貫通孔8が形成されており、この貫通孔8を介して、前記蓋体3側と本体2側とが連通させられている。
【0011】
前記内箱4は、その開口縁部において、前記支持部材5の支持部5bに固着されているとともに、この支持部材5に取り付けられた状態において、前記本体2の内周面から所定距離離間させられた状態で保持されている。
そして、この内箱4の底部には、通信機器等の精密機器9が取り付けられている。
【0012】
前記本体2の底部には、水抜き口10が形成されており、この水抜き口10には、キャップ11が着脱可能に設けられている。
【0013】
また、前記蓋体3の内部には、この蓋体3が閉じ位置に位置させられた状態において前記化粧板6を覆う箱形のシールド部材12が設けられている。
このシールド部材12は、前記蓋体3の内面に、複数のスペーサ13を介して取り付けられることにより、前記蓋体3の内面との間に隙間が形成されている。
【0014】
また、図1において符号14は、前記本体2や蓋体3の角部表面を、その全長にわたって覆う補強金具であり、符号15は、前記蓋体3の表面中央に設けられたハンドルである。
【0015】
さらに、前記本体2と蓋体3とは、従来と同様に、ヒンジを介して開閉可能に連結され、また、鍵によって施錠可能となされている(これらについては、従来と同様のため、図示を省略する)。
【0016】
このように構成された本実施形態に係わるキャリングケース1は、雨中での持ち運び等により、水が前記本体2と蓋体3との突合わせ部7から内部へ浸入することがある。
しかしながら、前記キャリングケース1の内側において、前記突合わせ部7に、前記支持部材5の連結部5cが対向させられていることにより、前記突合わせ部7から内部へ浸入した水が、前記連結部5cによって、あるいは、前記本体2の内壁面によって、前記支持部材5の下方の固着部5aへ導かれる。
そして、前記固着部5aには、貫通孔8が形成されていることにより、この固着部5aへ導かれた水が、前記本体2と内箱4との隙間から、前記本体2の底部へ導かれる。
これによって、前記内箱4内に水が浸入することが防止され、この内箱4内に収納されている精密機器9に対する防水機能が確保される。
【0017】
一方、前記蓋体3の表面に付着する水が、この蓋体3の角部と補強金具14との隙間から、この蓋体3の内部へ浸入することが考えられる。
このように、蓋体3内に浸入した水は、この蓋体3内に設けられているシールド部材12によって、前記化粧板6の周辺部へ案内されて、前記支持部材5の固着部5a上へ落下させられ、この固着部5aに形成されている貫通孔8を介して前記本体2の底部へ導かれる。
これによって、前記内箱4内に収納されている精密機器9に対する防水機能が確保される。
【0018】
また、前記本体2の底部へ落下させられた水は、その底部に設けられているキャップ11を取り外して、前記水抜き口10を開放することにより、この水抜き口10を介して外部へ排出することができる。
【0019】
図2は、本発明の他の実施形態を示すもので、符号20で示す本実施形態に係わるキャリングケースは、前記ハンドル15を、本体2の側部に設けたものである。
【0020】
このような構成とした場合、キャリングケース20が、前記本体2と蓋体3の突合わせ部7が鉛直方向に沿うようにして置かれる。
この状態に置いて、前記突合わせ部7から浸入した水は、その自重によって本体2内に落下させられるが、前記突合わせ部7には、前記支持部材5の連結部5cが対向させられているとともに、この連結部5cが傾斜させられていることにより、前記水が、前記連結部5cによって固着部5aへ向けて導かれた後に、前記貫通孔8を介して本体2と内箱4との隙間に落下させられる。
したがって、前記内箱4内に収納されている精密機器9に対する防水機能が確保される。
【0021】
なお、前記実施形態において示した各構成部材の諸形状や寸法等は一例であって、設計要求等に基づき種々変更可能である。
【0022】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明に係わるキャリングケースにあっては、その内部に浸入した水を、キャリングケース内に収納されている機器を避けるように案内して、前記水が前記機器に付着することを防止することができ、この機器に対する防水機能を確実に確保することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態を示す縦断面図である。
【図2】本発明の他の実施形態を示す縦断面図である。
【図3】一従来例を示す側面図である。
【図4】一従来例を示す背面図である。
【図5】一従来例を示す平面図である。
【図6】一従来例を示す縦断面図である。
【符号の説明】
1 キャリングケース
2 本体
2a 開口部
3 蓋体
4 内箱
4a 開口部
5 支持部材
5a 固着部
5b 支持部
5c 連結部
6 化粧板
7 突合わせ部
8 貫通孔
9 精密機器
10 水抜き口
11 キャップ
12 シールド部材
13 スペーサ
14 補強金具
15 ハンドル
20 キャリングケース
100 キャリングケース
101 本体
101a 開口部
102 蓋体
102a 開口部
103 ヒンジ
104 鍵
105 精密機器
106 化粧板
107 L金具
108 突合わせ部
Claims (6)
- 箱形の本体と、この本体に形成された開口部に開閉可能に装着された蓋体と、前記本体内に配設されて、物品が収納される開口部を備えた内箱とを備え、前記本体の開口縁部と前記内箱の開口縁部との間に、これらの隙間を覆うとともに、前記内箱を前記本体に固定する環状の支持部材が設けられ、この支持部材に、前記内箱の開口部を覆う化粧板が設けられ、この化粧板が、前記本体と前記蓋体との突き合わせ部よりも、前記蓋体側にずれて位置させられていることを特徴とするキャリングケース。
- 前記支持部材が、前記本体の内壁面に固定される固着部と、この固着部から離間して設けられ、前記化粧板が取り付けられる支持部と、これらの固着部と支持部とを連結する連結部とによって構成され、前記連結部が、前記本体と蓋体との突き合わせ部に対向させられているとともに、前記本体の内側へ行くにしたがい、この本体の内壁面より離間するように傾斜させられていることを特徴とする請求項1に記載のキャリングケース。
- 前記支持部材の、前記本体の内壁面から最も離間した位置に、貫通孔が形成されていることを特徴とする請求項2に記載のキャリングケース。
- 前記蓋体の内部には、この蓋体が閉じ位置に位置させられた状態において前記化粧板を覆う箱形のシールド部材が設けられていることを特徴とする請求項1ないし請求項3の何れかに記載のキャリングケース。
- 前記本体の底部に、水抜き口が形成されていることを特徴とする請求項1ないし請求項4の何れかに記載のキャリングケース。
- 前記水抜き口に、キャップが着脱可能に設けられていることを特徴とする請求項5に記載のキャリングケース。
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