JP3750652B2 - 高周波加熱装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、スチーム調理が可能な高周波加熱装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、この種の高周波加熱装置としては、図5に記載されているようなものがあり、オーブン1内の食品を誘電加熱と加熱雰囲気中の蒸気で加熱する構成とすることにより、オーブン1内の食品などの被加熱物を任意の温度の水蒸気雰囲気中にて加熱することができる。(例えば、特許文献1参照)。
【0003】
しかしながら、蒸気を発生させるための装置をオーブン外に新規に設置することが必要である、またその蒸気発生装置を制御するための制御装置も必要になりコスト高となるとともに装置全体が複雑になり故障も生じやすい。さらに蒸気発生装置・制御部をオーブン外に設置する必要があり高周波加熱装置全体の容積が大となり設置性・使い勝手の悪いものになる。
【0004】
また他の従来例として、図6に記載されているようなものがあり、加熱室6内の載置台7に食品と共に置かれた高周波吸収多孔体8に水を含ませ、高周波により食品と共に加熱することで蒸気を発生させている(例えば、特許文献2参照)。
【0005】
しかしながら、高周波吸収多孔体8を加熱室6内の載置台7の上に食品とともに置くため食品を置くスペースが小さくなる、また食品を置くスペースを確保するため高周波吸収多孔体8は小さいものに限られその結果蒸気発生量が少なくなる欠点を有していた。
【0006】
さらに他の従来例として、図7に記載されているようなものがあり、加熱室9の内部に配置された載置台10の周縁の内側の全周に亘る凹溝11を形成し、凹溝に水負荷を注入する。上方からマグネトロン12により発生したマイクロ波を加熱室に導入し水負荷及び食品に作用させ蒸気を発生しながら加熱調理するものである。(例えば、特許文献3参照)。
【0007】
しかしながら、上方からマイクロ波を照射するため載置台に置かれた食品にマイクロ波のエネルギーが大部分吸収され載置台周縁の凹溝11に注入された水の加熱が不十分で蒸気が発生されにくい欠点を有していた。そのため食品が乾燥しスチーム料理特有の潤いあるおいしさが得られにくい欠点が見られた。
【0008】
【特許文献1】
特開平9−4849号公報
【特許文献2】
特開平7−158858号公報
【特許文献3】
特開平6−249445号公報
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、前記従来の課題を解決するもので、安価でしかも構造の簡単な蒸気発生装置を考案し、スチーム調理特有の潤いあるおいしさが得られるスチーム機能付き高周波加熱装置を提供することを目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】
前記従来の課題を解決するために、本発明の加熱調理器は、食品を収納する加熱室と、加熱室の底部を形成し食品を載置する載置台と、高周波を発生させ高周波加熱を行う高周波発生手段を備え、前記載置台は水等の液体を蓄えられる凹部を有する構成である。
【0011】
また載置台の下部に高周波撹拌室を形成し、高周波撹拌室の底面のほぼ中央に形成された給電口から高周波発生手段により発生した高周波を給電する構成とした。
【0012】
また高周波を拡散させる回転導波管を給電口を中心として回転させる構成とした。
【0013】
また載置台の凹部は載置台のほぼ中央を中心とした円弧状の溝で構成した。
【0014】
また載置台は誘電率の低いセラミックスで構成した。
【0015】
【発明の実施の形態】
請求項1記載の発明は、食品を収納する加熱室と、加熱室の底部を形成し食品を載置する載置台と、高周波を発生させ高周波加熱を行う高周波発生手段を備え、前記載置台は水等の液体を蓄えられる凹部と、前記載置台の下部に高周波撹拌室を形成し、高周波撹拌室の底面のほぼ中央に形成された給電口から高周波発生手段により発生した高周波を給電する高周波加熱装置であって、前記凹部は前記載置台のほぼ中央を中心とした円弧状の溝で構成し、高周波を拡散させる回転導波管を前記給電口を中心として回転させ、前記回転導波管の電波放射口と前記凹部に蓄えられた水との距離を一定に保つことを特徴としている、この構成によると、転動作を行う回転導波管の電波放射口と凹部に蓄えられた水との距離を至近距離で一定に保つことができ、効率よく載置台の凹部に蓄えられた水を加熱できる。
【0016】
請求項記載の発明は請求項1記載の高周波加熱装置において、載置台を誘電率の低いセラミックで構成することにより、給電口より給電された高周波のエネルギーを載置台に吸収されにくくできる、その結果、載置台の凹部に蓄えられた水を効率よく加熱できる。
【0017】
【実施例】
以下本発明の実施例について、図面を参照しながら説明する。
【0018】
(実施例1)
図1は、本発明の実施例における高周波加熱装置の概略構成断面図である。
【0019】
金属製の外箱13の内部には食品14を高周波により加熱調理する加熱室15と、加熱室15の下部に設置されマグネトロン等の高周波発生装置16から放射された高周波を攪拌する高周波攪拌室17が設けられている。高周波攪拌室17の底面中央には、高周波発生装置16から放射された高周波を高周波攪拌室17に導入する給電口18、高周波発生装置16から給電口18まで高周波を導く導波管19が設置されている。電波攪拌室17には、給電口18を中心として回転する回転導波管20が設けられている。回転導波管20は図2に外観を示す。図2において20aは回転導波管20の上壁を形成する上板、20bは回転導波管20の側壁を形成する横板、20cは回転導波管20の後壁を形成する裏板、20dは高周波の横漏れをふさぐフランジである、20eは回転の軸となる回転軸である。横板20b・裏板20c・フランジ20dは高周波を遮断する働きがあり、給電口18から給電された高周波は、回転導波管20内に導かれ、図2に示すA方向に指向性を持って高密度に放射される。回転導波管20は、図1に示すようにモーター21に結合され、回転動作を行い高周波を加熱室15内にまんべんなく放射する。
【0020】
22は加熱室15の底部を構成し食品14を載置する載置台である。載置台22は誘電率の低いセラミックスで形成され高周波を透過させる、また誘電率が低いため、高周波エネルギーを吸収しにくく高周波は効率よく食品14に吸収される。載置台22には凹部23が形成され、水24が蓄えられる。凹部23はカバー25により覆われ、食品14をカバー25の上にも載置できる、またカバー25は、凹部に蓄えられた水が沸騰したときの飛散も防止している。凹部23は図3に示すように円弧状をしており、その半径は、ほぼ回転導波管20の回転半径と同じか若干大きく設定されている。 次に、以上のごとく構成された本発明装置の動作について説明する。高周波加熱装置(マグネトロン)16から放射された高周波は、導波管19を通して給電口18に導かれ、給電口18から回転導波管20に入る、回転導波管20は、高周波の拡散を防ぎ、指向性を持って高密度に高周波を放射するが、回転動作を行うので加熱室15のどの方向にも均等に放射を行い、均一な高周波分布を得ることができる。回転導波管20から放射された高周波は、まず載置台22の凹部23に蓄えられた水24に吸収され、水24を加熱し、沸騰により蒸気を発生させる(矢印で示す)。調理開始初期は、蓄えられた水の量が多いため、高周波の大部分は水24に吸収され、食品14を加熱する高周波エネルギーの割合は少ない、蒸発の継続により、水24の量は減少するが、減少に従って食品14に吸収される高周波エネルギー量は増加する。このように本発明では、調理開始初期は蒸気によるスチーム加熱の割合が高周波加熱の割合より多く、水24の減少に伴い高周波加熱の割合が多くなる。
【0021】
このような調理プロセスを行うことにより、次のメリットがある。調理初期に大量の蒸気が発生し加熱室15に充満するため加熱室15内が非常に高湿度の雰囲気となる。この状態で高周波調理を行うと、食品14からの水の蒸発量と食品14の中に入り込もうとする蒸気がバランスがとれた状態となり、食品14の内部の水分が移動しなくなる。これにより食品14を加熱しても、食品14の水分が蒸発して減少することが防止でき、食品14が乾燥状態になったり、固くなったり、パサパサになってしまうこともなく、潤いのある・おいしく・しっとりとした食品14の仕上がり状態が得られることになる。
【0022】
本発明の実施例の構成によると、加熱室15の1部である載置台22に凹部23を形成することで、直接水24を蓄えられ、その水24を高周波発生手段により加熱することで、蒸気を大量に発生させることができる。加熱室15外にタンクやヒータを設けることで蒸気を発生する構成に比べ、安価で構成がきわめて簡単な、スチーム機能付き高周波加熱装置を提供できる。また加熱室15外に蒸気発生装置を設けて装置全体が大型になって設置場所をとるというような不具合も解消でき、小型でコンパクトな装置を実現できる。さらに蒸気を発生するためのヒータも必要ないので、ヒータに使用される電力は不要であり省エネルギーである。
【0023】
また、載置台22の下部に高周波撹拌室17を形成し、高周波撹拌室17の底面のほぼ中央に形成された給電口18から、高周波発生手段16により発生した高周波を給電する構成としたため、給電口18と載置台22に形成された凹部23の距離は、給電口18と食品14の距離よりも短くできる、その結果、高周波発生手段16から給電された高周波は、大部分載置台22の凹部23に蓄えられた水24に吸収され、水24を効率よく加熱し蒸気を大量に発生できる。
【0024】
また、高周波の拡散を防ぎ、指向性を持って高密度に高周波を放射する回転導波管20を給電口18を中心として回転させる構成としたため、給電口18から給電された高周波は回転導波管20で載置台22に形成された凹部23近くまで高密度で導かれ、効率よく凹部23に蓄えられた水24を加熱できる。また回転することにより高周波を加熱室15内にまんべんなく放射できむらのない電波調理性能を得ることができる。
【0025】
また、載置台22に形成する凹部23を、載置台22のほぼ中央を中心とした円弧状の溝で構成したため、回転動作を行う回転導波管20の電波放射口と、凹部23に蓄えられた水24との距離を、至近距離で一定に保つことができ、効率よく載置台22の凹部23に蓄えられた水24を加熱できる。
【0026】
さらに、載置台22を誘電率の低いセラミックで構成することにより、給電口18より給電された高周波のエネルギーを、載置台22に吸収されにくくできる、その結果、載置台22の凹部23に蓄えられた水24を効率よく加熱できる。
【0027】
(実施例2)
図4に、第2実施例の高周波加熱装置の概略構成断面図を示す。図4において、26は耐熱ガラスで形成された器で、食品14にかぶせるように設置されている。器26を食品14にかぶせることにより、載置台22の凹部23から発生した蒸気は、より高密度に閉じこめられ、食品14により多くの水分を供給し、潤いを与える。シュウマイ・豚まん等のより多くの水分が必要な食品のあたために適する。
【0028】
【発明の効果】
以上のように、請求項1〜に記載の発明によれば、次の効果が得られる。
【0029】
加熱室の1部である載置台に凹部を形成することで、直接水を蓄えられ、その水を高周波発生手段により加熱することにより、蒸気を大量に発生させることができる。加熱室外にタンクやヒータを設け蒸気を発生する構成に比べ、安価で構成がきわめて簡単なスチーム機能付き高周波加熱装置を提供できる。また加熱室外に蒸気発生装置を設けて装置全体が大型になって設置場所をとるというような不具合も解消でき、小型でコンパクトな装置を実現できる。さらに蒸気を発生するためのヒータも必要ないのでヒータに使用される電力は不要であり省エネルギーである。
【0030】
また、載置台の下部に高周波撹拌室を形成し、高周波撹拌室の底面のほぼ中央に形成された給電口から、高周波発生手段により発生した高周波を給電する構成としたため、給電口と載置台に形成された凹部の距離は、給電口と食品の距離よりも短くできる、その結果、高周波発生手段から給電された高周波は、大部分載置台の凹部に蓄えられた水に吸収され、水を効率よく加熱し蒸気を大量に発生できる。
【0031】
また、高周波の拡散を防ぎ、指向性を持って高密度に高周波を放射する回転導波管を給電口を中心として回転させる構成としたため、給電口から給電された高周波は、回転導波管で載置台に形成された凹部近くまで高密度で導かれ、効率よく凹部に蓄えられた水を加熱できる。また回転することにより高周波を加熱室にまんべんなく放射でき、むらのない電波調理性能を得ることができる。
【0032】
また、載置台に形成する凹部を載置台のほぼ中央を中心とした円弧状の溝で構成したため、回転動作を行う回転導波管の電波放射口と、凹部に蓄えられた水との距離を至近距離で一定に保つことができ、効率よく載置台の凹部に蓄えられた水を加熱できる。
【0033】
さらに、載置台を誘電率の低いセラミックで構成することにより、給電口より給電された高周波のエネルギーを載置台に吸収されにくくできる、その結果、載置台の凹部に蓄えられた水を効率よく加熱できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の実施例1の高周波加熱装置の概略構成断面図
【図2】 本発明の実施例1の回転導波管の外観図
【図3】 本発明の実施例1の載置台の外観図
【図4】 本発明の実施例2の高周波加熱装置の概略構成断面図
【図5】 従来の高周波加熱装置の原理断面図
【図6】 他の従来の高周波加熱装置の概略構成図
【図7】 他の従来の高周波加熱装置の概略構成側面断面図
【符号の説明】
15 加熱室
16 高周波発生手段
17 高周波攪拌室
18 給電口
20 回転導波管
22 載置台
23 凹部

Claims (2)

  1. 食品を収納する加熱室と、加熱室の底部を形成し食品を載置する載置台と、高周波を発生させ高周波加熱を行う高周波発生手段を備え、前記載置台は水等の液体を蓄えられる凹部と、前記載置台の下部に高周波撹拌室を形成し、高周波撹拌室の底面のほぼ中央に形成された給電口から高周波発生手段により発生した高周波を給電する高周波加熱装置であって、前記凹部は前記載置台のほぼ中央を中心とした円弧状の溝で構成し、高周波を拡散させる回転導波管を前記給電口を中心として回転させ、前記回転導波管の電波放射口と前記凹部に蓄えられた水との距離を一定に保つことを特徴とした高周波加熱装置。
  2. 載置台は誘電率の低いセラミックスで構成してなる請求項1記載の高周波加熱装置。
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