JP3750514B2 - 駆動伝達機構、及びそれを備えた画像形成装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、駆動伝達機構において、動力を出力する駆動出力ギアの損傷を未然に防止し、寿命を延ばすための技術に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来から、駆動ギアを被駆動部材と同心させて配置して軸方向に移動可能に支持し、押動部材を介して該駆動ギアの側面を押動させることで該駆動ギアと被駆動部材との係合又は係合解除を行わせる構成は公知となっている。
【0003】
例えば、電子写真方式の画像形成装置において、感光体ドラムとこれに作用するプロセス手段とを一体的にカートリッジにまとめ、このカートリッジを画像形成装置に着脱可能とするものがある。この構成はメンテナンス性に優れており、トナーが残り少なくなった場合や感光体ドラム部分が故障したような場合でも新しいカートリッジに交換することで再び正常に使えるようになるので、ユーザ自身によるメンテナンスを可能とし、修理サービス専門の担当者を呼んだりする必要がない点で有利である。
この構成の具体例として、装置本体側にプロセスカートリッジを駆動するための駆動出力ギアが支持される一方、プロセスカートリッジにおいては、該駆動出力ギアを向く側の側面に被駆動部材である駆動入力軸が突出される構成がある。この構成においては、両者の軸線は互いに一致させて配置され、該駆動出力ギアにカップリングが形成されて、軸方向にスライド自在とされて前記カップリングを介して前記駆動入力軸に対して係脱自在とされ、この部分において駆動部分の連結/連結解除が行われる。
【0004】
この駆動出力ギアの軸方向のスライドは、押動カムが該駆動出力ギアの側面を押動することにより行われ、該押動カムには、例えば、画像形成装置のトップカバーの開閉状態が、適宜の連係機構を介して入力されるようになっている。
従って、メンテナンスのため画像形成装置のトップカバーを開いたときは、それに応じて押動カムが駆動出力ギアを押動してスライドさせて前記駆動入力軸に対する係合を解除させる一方、トップカバーを閉めたときは該押動が解除されて、駆動出力ギアは駆動入力軸に対し係合されることになる。
この構成によれば、メンテナンス時にはプロセスカートリッジに対する駆動部分の連結状態を解除して、該プロセスカートリッジを取り外せるようにする一方で、通常の使用時はセットしたプロセスカートリッジに対して前記駆動部分を連結して、感光体ドラムを駆動することができる。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、上述のような構成では、駆動出力ギアの側面に押動部材が直接当接するため、駆動出力ギアの損耗が問題になる。
特に、押動部材が駆動出力ギアに接触し押動する箇所が、ギア側面周縁の歯の部分に近い場合は、接触押動を繰り返すことにより駆動出力ギアの歯が欠損したり、歯面にキズや窪みが生じたりして、駆動がスムーズに伝達されなくなり、回転ムラによる画像の歪み等が発生して記録画質の品質が低下するおそれがある。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本発明の解決しようとする課題は以上の如くであり、次にこの課題を解決するための手段を説明する。
【0007】
即ち、請求項1においては、第1の駆動力を受け入れる被駆動部材と、第2の駆動力を受け入れる駆動入力ギアと、前記被駆動部材と同心して配置されて、軸方向に移動することで該被駆動部材に対し係脱自在に構成された駆動出力ギアと、前記駆動出力ギアを前記被駆動部材に対し係合する方向へ付勢する付勢バネと、遊星ギアを支持し、該遊星ギアが前記駆動入力ギアと噛合若しくは噛合解除する方向へ揺動するスイングアームと、前記スイングアームを前記遊星ギアと前記駆動入力ギアとの噛合が解除される方向へ回動させた場合、カム作用によって前記駆動出力ギアを押動する方向へ回動し、該駆動出力ギアを前記付勢バネの付勢力に抗して軸方向に移動させて該駆動出力ギアと前記被駆動部材との係合を解除し、前記スイングアームを前記遊星ギアと前記駆動入力ギアとの噛合が解除される方向へ回動させる力を解除した場合、前記付勢バネによる付勢で前記駆動出力ギアが前記被駆動部材と係合する際、カム作用によって前記駆動出力ギアへの押動が解除される方向に回動し、前記スイングアームを前記遊星ギアと前記駆動入力ギアとが噛合する方向へ回動させる押動部材と、を備えた駆動伝達機構であって、前記駆動出力ギアの側面の前記押動部材が接触する部分に補強リブを設けたものである。請求項2においては、前記補強リブは円周方向に沿って形成されているものである。
【0008】
請求項3においては、画像形成装置に設けられる駆動伝達機構であって、前記被駆動部材を備えたカートリッジは画像形成装置本体に着脱自在な構成で、前記駆動出力ギアは画像形成装置本体に設けられ、前記駆動出力ギアを軸方向に移動させることでカップリングを介して前記被駆動部材との係脱を行わせるようにしたものである。
請求項4においては、請求項1から請求項3のうち何れか一項に記載の駆動伝達機構を備えた画像形成装置としたものである。
請求項5においては、前記画像形成装置は、前記装置を覆う開閉自在なカバーと、該カバーに対しその一端を係脱自在に構成したレバーと、その一端が前記レバーの他端に枢結され、その中途部が前記画像形成装置本体側に枢支されたカムと、を備え、前記カバーが閉じられているときには前記スイングアームは前記付勢バネの作用により、前記遊星ギアと前記駆動入力ギアとを噛合させる方向に回動していて、前記カバーの開放動作に伴い、前記レバーを介して前記カムの他端を前記スイングアーム側に回動させ、該カムの他端で該スイングアームを押動して、該スイングアームを前記付勢バネの作用に抗して回動させることで、前記遊星ギアと前記駆動入力ギアとの噛合を解除し、前記カバーの閉止動作に伴い、前記レバーを介して前記カムの他端を反スイングアーム側に回動させ、該カムの他端による該スイングアームの押動が解除されて、前記付勢バネの作用により該スイングアームを回動させることで、前記遊星ギアと前記駆動入力ギアとが噛合するように構成したものである。
【0009】
【発明の実施の形態】
次に、発明の実施の形態を説明する。
図1は本発明の一実施例に係るコピー・ファクシミリ複合機の全体的な構成を示した斜視図である。
図2は紙詰まり除去のために読取部の手前を引き上げ回動させる様子を示した斜視図、図3はトップカバーを回動して開いた様子を示した斜視図、図4はカートリッジを取り外す様子を示した斜視図、図5は詰まった用紙を引き抜いて除去する様子を示した斜視図である。
【0010】
〔全体構成〕
図1には本発明の一実施例に係るコピー・ファクシミリ複合機が示され、この複合機は、画像形成装置2の上方に読取部3を配置して構成されている。
【0011】
読取部3は、読取載置台6内に設けられた読取装置を走査させて静止原稿等を読み取るフラットベッドタイプのスキャナとして用いられるとともに、該読取装置を位置固定させて、原稿押さえカバー7の一端に付設した自動原稿搬送装置(ADF)により原稿を給送しながら読み取りを行うシートフィードタイプのスキャナとして用いることもできるように構成されている。
【0012】
画像形成装置2の下方には給紙装置1が配置され、該給紙装置1を構成する複数の給紙カセット10・10にはそれぞれサイズが異なる記録用紙が堆積貯溜されて、必要とされる用紙サイズに応じて該給紙カセットのうち一つから用紙を繰り出して画像形成装置2へ給紙できるように構成している。
【0013】
画像形成装置2は通例の電子写真式複写機におけるそれと同様のものであり、前記給紙装置1から繰り出される用紙を搬送させる用紙搬送路が形成され、該用紙搬送路の中途に搬送ローラや感光体ドラム・転写器や定着器を配置させている。
感光体ドラムは帯電手段により一様に帯電され、その後前記読取部3により読み取られた画像情報(あるいは、相手側ファクシミリから受信した画像情報)に応じて選択的に露光が行われ、静電潜像が形成される。この静電潜像に対して現像手段によってトナー像が形成され、転写器にてトナー像が用紙に転写され記録される。
転写機を通過した用紙は定着器に送られ、該定着器によってトナーが熱溶着され、画像が固定されて、画像形成の過程が終了する。その後は用紙は画像形成装置2上面に送られ、排出トレイ5へ排出されて堆積される。
【0014】
この画像形成装置2を構成する装置群のうち感光体ドラムとこれに作用するプロセス手段(即ち、帯電手段や露光手段、現像手段等)は、一体的にプロセスカートリッジ(以下「カートリッジ」)としてまとめられ、このカートリッジは画像形成装置から着脱可能に構成されて、メンテナンスの便宜を図っている。
例えば、図2から図5までに、前記画像形成装置2の用紙搬送路において紙詰まりが発生した際の用紙の除去手順が示され、これに即して説明すれば、前記読取載置台6には取っ手6aが図2に示すように設けられており、これを引きながら該読取載置台6の手前側を持ち上げて上方回動させることで、画像形成装置2のトップカバー8が現われる。該トップカバー8は奥側にある支点を介して回動開閉可能に構成してあり、図3の如く該トップカバー8を開くことで画像形成装置2の内部にある前記カートリッジ9や定着器11等が露出される。このカートリッジ9の上面に形成してある把持部9aを掴んで図4の如く引き上げることによりカートリッジ9を取り外して用紙搬送路が露出された状態とすることができ、該用紙搬送路にある詰まっていた用紙を図5のように引き抜くことで紙詰まりの状態が解消される。
【0015】
〔駆動ユニット〕
図5に示すように画像形成装置2の一側側部には駆動ユニット12が支持され、該駆動ユニット12による動力を前記カートリッジ9や定着器11等に伝達して駆動するようにしている。以下、この駆動ユニット12について説明する。
図6は駆動ユニットの全体側面図である。
【0016】
駆動ユニット12の全体構成が図6に示され、この駆動ユニット12は板金で構成されるフレームとしての枠体13を有し、該枠体13の一側面には駆動源たるモータ14が片持ち状に付設されるとともに、該枠体13には該モータ14の動力を伝達させるための多数の歯車列が支持されている。
枠体13の上部には二つの駆動出力部、即ち定着器駆動出力部15とカートリッジ駆動出力部16が配置され、二つの出力部15・16には前記歯車列を介して前記モータ14の駆動力が常時伝達されている。
【0017】
〔定着器駆動出力部〕
前記定着器駆動出力部15について説明する。図7は駆動ユニットのうち定着器駆動出力部の構成を示した平面断面図である。
【0018】
この定着器駆動出力部15の上には、定着器11に対する駆動力を受け入れるための定着器駆動入力ギア17が配設され、該定着器駆動入力ギア17に対し駆動力を断接できるように定着器駆動出力部15が構成される。
具体的には、前記枠体13に支持され、前記モータ14と歯車列を介して連動連結された太陽歯車18と、該太陽歯車18の軸心と同一の軸心を中心として上下揺動自在となるよう前記枠体13に枢支させたスイングアーム(第二の枠体)19と、該スイングアーム19に支持され前記太陽歯車18に対して常時噛合されている、駆動ギアたる遊星歯車20とによりなる。
この構成により、スイングアーム19が上方回動したときは遊星歯車20が前記定着器駆動入力ギア17に係合して動力を伝達し得る状態となる。スイングアーム19が下方へ回動したときは該係合が解除され、動力伝達が絶たれる。
【0019】
ここで、前記スイングアーム19の上下揺動をスムーズに行わせる構成について説明する。
即ち、本実施例の駆動ユニット12においては、枠体13の間に太陽歯車軸21を支架し、該太陽歯車軸21上に太陽歯車18を回転自在に配置している。
前記スイングアーム19は板金を図7に示すように平面視「コ」字状に(枠体状に)折り曲げて両端が同じ側を向くように構成され、該両端はそれぞれ回動基部19a・19aとされて前記太陽歯車軸21が貫通するようにして、前述のとおりスイングアーム19が該太陽歯車軸21を中心に揺動自在となるよう支持している。該回動基部19a・19aの外面はそれぞれ前記枠体13の内面に近接されている。
スイングアーム19の内側には前記太陽歯車軸21と平行に前記遊星歯車軸22が支架され、該遊星歯車軸22上に前記遊星歯車20が支持され回転自在とされている。スイングアーム19揺動時においても両歯車軸21・22の軸間距離は一定であり、両歯車18・20の噛合状態が常時維持されるように構成してある。
【0020】
以上のような構成において、前記スイングアーム19の回動基部19a・19aの外面上には複数の小さい突起23・23が形成され(図6・図7)、該突起23の先端が前記枠体13の内面に接触した状態で該スイングアーム19が回動するようになっている。
すなわち、このような突起23を形成しないとすると、枠体13・スイングアーム19ともに板金で形成されていることから、スイングアーム19を回動させようとした場合に、板金同士が擦れ合って異音を発生させたり、引っ掛かったりしてスムーズに動作しない場合が発生する。
この点、本実施例では、該突起23を介して枠体13・スイングアーム19を接触させているので、板金同士が面同士で擦れ合わないために異音の発生が抑制され、引っ掛かりが防止されて揺動動作の確実性に優れることになる。従って、板金のバリ取り等の二次加工を特に施す必要もなくなり、コストの削減に寄与することができる。
【0021】
なお、突起23はスイングアーム19に設ける場合に限らず、枠体13の内面側に突起を設けてその先端をスイングアーム19の外面に接触させる構成でも、同等の効果を奏させることができる。すなわち、枠体13とスイングアーム19とが相対する面の部分において、枠体13とスイングアーム19のいずれかに突起を形成するようにすれば、前述した異音発生防止や動作の円滑を図ることができるのである。
各々の突起23の形状についても限定するものではなく、枠体13とスイングアーム19とが相対する面において両者が接触する面積を小さくし得るものであれば構わない。従って、突状に形成されているもの(突状部)であれば十分である。ただし、スイングアーム19揺動の際の異音発生をより効果的に抑止し、動作の引っ掛かりを確実に防止させる観点からみれば、本実施例のように各々の突起23・23を丸みを持った形状に小さく形成し、一点で両者13・19が擦れ合うようにするのが望ましい。
本実施例では図6に示すように、それぞれの前記回動基部19a外面に形成される突起23の数は三つとされ、前記太陽歯車軸21を中心とする円周上に等間隔に形成されている。ただし、これについても限定するものではなく、例えば四つ以上突起を設ける構成としても差し支えない。
【0022】
〔カートリッジ駆動出力部〕
カートリッジ駆動出力部16について説明する。
図8は定着器駆動出力部を示した、図6におけるA−A断面矢視図、図9は定着器駆動出力部において、駆動出力ギアとカートリッジの駆動入力軸との間に軸線のズレがある場合を示した断面図、図10は図9の状態から駆動出力ギアの軸線が傾いてカートリッジの駆動入力軸に対し係合する様子を示した断面図である。
【0023】
図6に示すように、前記定着器駆動出力部15に隣り合う位置にて駆動出力ギア24が前記枠体13上部に支持され、該駆動出力ギア24には前記歯車列を介して前記モータ14からの動力が常時伝達されている。
該駆動出力ギア24の取付け位置については、図6・図8に示すように、前記カートリッジ9に対する駆動力を受け入れる被駆動部材としての駆動入力軸25と同心させて配置されている。該駆動入力軸25は図8に示すように、カートリッジ9内に収容される感光体ドラム39の回転軸心に配置され、一端をカートリッジ9の側面から突出させている。該駆動入力軸25の突出部分の周囲には、環状ガイド40がカートリッジ9の側面に付設されている。
前記駆動出力ギア24はその両側面から支軸24b・24cを突出させた軸一体型に形成されており、カートリッジ9から遠い側の支軸24bは筒状の第一の軸受41に、カートリッジ9に近い側の支軸24cは第二の軸受42に、それぞれ支持されている。該第二の軸受42は、枠体13のカートリッジ9側を向く外面に被装されるガイドカバー43に形設されており、該ガイドカバー43には前記環状ガイド40を入り込ませる斜状のガイド溝43aが一体形成され(図6・図8)、このガイド溝43aの終端(下端)に前記第二の軸受42が位置するようにしている。
この構成とすることにより、カートリッジ9の前記環状ガイド40をガイド溝43aに差し込み、該ガイド溝43aに沿って滑らせるようにすることで、前記カートリッジ9を正確な位置までガイドさせながらセットすることができ、また簡単に取り外すことができるようになっている。
【0024】
該駆動出力ギア24の支軸24c端部には、カートリッジ9の前記駆動入力軸25に対し係脱自在なカップリング部24aが形成されている。前記第一の軸受41・第二の軸受42は、双方ともスベリ軸受に構成され、前記駆動出力ギア24の支軸24b・24cの摺動回転のみならずスラスト方向のスライド移動を可能とし、このスラスト方向への移動により前記カートリッジ9の駆動入力軸25と前記カップリング部24aとの係脱が行われるように構成している。
【0025】
ここで、前記駆動出力ギア24の支持構成について説明する。
即ち、駆動出力ギア24は前述のとおり、前記カートリッジ9側の駆動入力軸25と同一軸線上に配置されるのであるが、組付け誤差等により両部材24・25の軸線がズレて取り付けられる可能性があり、この場合、軸のズレた両部材24・25がそのまま係合されると前記カップリング部24aがこじられて損傷して回転を伝達できなくなったり、両部材24・25が無理に連結されることで前記駆動入力軸25の端部に強いラジアル方向の力が作用してその回転軸線が傾いたりズレたりして、感光体ドラム39の偏心回転の原因となり記録画像の品質が低下するおそれがあったのである。
この点、本実施例では、前記第二の軸受42の軸孔を若干大きく構成して、支持される支軸24cとの間に少量のクリアランスを確保し、その軸線の少量の傾きを許容しながら、二つの軸受41・42で駆動出力ギア24を支持させているのである。言い換えれば、前記第二の軸受42は支軸24cを緩やかに支持するのみであって厳密な位置決めは行わせない代わりに、前記駆動出力ギア24は、駆動入力軸25に係合させるときに前記カップリング部24aと前記第一の軸受41によってその位置決めを行うように構成しているのである。
【0026】
これにより、例えば図9に示すように、駆動出力ギア24が駆動入力軸25に対し軸線が距離sだけズレて取り付けられている場合でも、係合時には該駆動出力ギア24の軸心が第二の軸受42の前記クリアランスcにより許容される範囲内で図10に示す如く傾いて、上記軸心のズレsは吸収される。従って、駆動入力軸25に無理に力を作用させることなく駆動出力ギア24を連結させることができ、カップリング部24aの損傷や感光体ドラム39の心ズレを防止できることとなる。
【0027】
〔両出力部の連係構成〕
次に、定着器駆動出力部15とカートリッジ駆動出力部16の連係構成について説明する。
即ち、前記定着器駆動出力部15の前記スイングアーム19と、カートリッジ駆動出力部16の駆動出力ギア24とは、以下に説明するカム機構によって連係され、定着器駆動出力部15が定着器駆動入力ギア17に対する連結を解除しているときは、カートリッジ駆動出力部16がカートリッジ9の駆動入力軸25との連結を解除するように構成されているのである。
図11は駆動出力ギアの側面を押して駆動出力ギアを軸方向へ移動させるカム機構の構成を示した断面図、図12は同じく斜視図、図13は図12の状態からスイングアームが下方へ回動し、押動カムが駆動出力ギアの側面を押す様子を示した斜視図である。
【0028】
このカム機構27を説明する。
図6・図11・図12に示すように、前記スイングアーム19の遊端側にはピン37が突設され、該スイングアーム19の遊端側に近接させて、押動部材としての板状の押動カム26がその下端を枢支されて立設され、該押動カム26の一側の側縁部が前記駆動出力ギア24の一側側面に近接されている。図11・図12に示すように該回動カム26には斜状の細長いカム溝26aが欠設され、前記ピン37の先端は該カム溝26a内に挿入されている。一方、前記駆動出力ギア24の他側側面と枠体13との間には付勢バネ38が縮めた状態で介装され(図11)、該付勢バネ38は、駆動出力ギア24を前記駆動入力軸25に対し係合する方向へ、付勢力を常時加えている。
図12に示すように、前記駆動出力ギア24の押動カム26に近い側の側面においては、補強リブ24dが円周方向に沿って環状に形成されている。該補強リブ24dの頭部は前記押動カム26の側縁に対向させてある。
従って、図12に示す状態から前記スイングアーム19が下方へ回動した場合は、図13に示すように前記ピン37が前記カム溝26a内を下方へ移動し、該カム溝26aのカム作用によって押動カム26が倒れ、その側縁部が前記補強リブ24dに接触して前記駆動出力ギア24を押動する。該駆動出力ギア24は前記付勢バネ38の付勢力に抗して軸方向に移動し、前記駆動入力軸25との連結状態が解除される。
以上のカム機構の構成により、定着器駆動入力ギア17と前記遊星歯車20との連結を解除すべくスイングアーム19を下方回動させた場合は、それとともに駆動出力ギア24と前記駆動入力軸25との連結が解除されるのである。
【0029】
なお、前記スイングアーム19を下方へ回動する力が解除された場合は、付勢バネ38は前記駆動出力ギア24の側面を押してカップリング部24aを突出させて前記駆動入力軸25と連結させる。その際、該駆動出力ギア24は前記補強リブ24dを介して前記押動カム26を押動して起立させるので、前記カム溝26aのカム作用によってピン37に対し上向きの力が加わって、スイングアーム19は上方回動される。
即ち、前記付勢バネ38は、スイングアーム19の下方への回動を戻す戻しバネとしての役割をも果たすのである。従って、後述するカム機構27においてカム30がスイングアーム19の押動面を下方へ押動していない場合には、スイングアーム19は上方へ回動し、支持される遊星歯車20は前記定着器駆動入力ギア17と係合することとなる。
【0030】
ここで前述のとおり、駆動出力ギア24には補強リブ24dが円周方向に沿って環状に形成されており、押動カム26が倒れて駆動出力ギア24を押動させるときには、押動カム26は該補強リブ24dに接触して押動するようにしている。
即ち、このような補強リブ24dを仮に設けないで、押動カム26が駆動出力ギア24の側面に直接接触して押動するような構成では、押動させるときに該駆動出力ギア24を傷つけて損傷させるおそれがあり、特に本実施例のように、押動カム26が接触する箇所が駆動出力ギア24の歯面に近い部分である場合は、該歯面に傷や窪みがついてしまい、他のギアとの良好な噛合いが得られなくなって駆動伝達が円滑に行われなくなるおそれが強い。
このような観点から、本実施例においては、駆動出力ギア24の押動カム26を接触させる部分に補強リブ24dを設けることで、駆動出力ギア24(特に、その歯面)に前述のような傷や窪みが付けられることを防止して、回転ムラによる画像の歪み等に起因する記録画質の品質の低下を防止している。
【0031】
また、この補強リブ24dは円周方向に沿って形成されているので、押動カム26が倒れるときに駆動出力ギア24がいかなる回転位相にあっても、必ず押動カム26は前記補強リブ24dに当接し、該補強リブ24dを介して駆動出力ギア24を押動することが確保される。従って、駆動出力ギア24に傷や窪みが付くことが確実に防止されるのである。
補強リブ24dの形状については、本実施例においては図11に示すように断面台形状としているが、その構成に限らず、例えば円弧状等としても構わない。
【0032】
〔トップカバーの開閉に応じて駆動伝達/伝達解除を行わせる構成〕
次に、前記トップカバー8と前記定着器駆動出力部15のスイングアーム19とを連結するカム機構27を説明する。
即ち、該スイングアーム19とトップカバー8とを以下に説明するカム機構27を介して連係することにより、トップカバー8が閉められているときは前記スイングアーム19を上方へ回動して、定着器駆動入力ギア17に対する定着器駆動出力部15の連結、及び、カートリッジ9の駆動入力軸25に対するカートリッジ駆動出力部16の連結を行わせて、定着器11及びカートリッジ9の駆動を行わせるのである。
一方では、紙詰まり除去等、画像形成装置2内部のアクセスのためにトップカバー8を上方回動して開いた場合は、前記スイングアーム19を下方へ回動して、定着器駆動入力ギア17に対する定着器駆動出力部15の連結を解除させて定着器11のローラの回転をフリーとし、かつ、カートリッジ9の駆動入力軸25に対するカートリッジ駆動出力部16の連結を解除させて該カートリッジ9を取り外せるようにして、詰まった用紙の除去が容易に行えるようにしているのである。
図14はトップカバーとスイングアームとを連係させるカム機構を示した側面図である。
【0033】
図14に示されるこのカム機構27は、支点44を介し回動開閉可能に設けられた前記トップカバー8と、前記駆動ユニット12とに、その上下を挟まれた位置に配置される。該カム機構27は、該トップカバー8に設けられた凸状体たるピン28と、該ピン28に係合し得るフック部29aを上端に有するレバー29と、該レバー29の下端に一端を枢結されるカム30とによりなる。
前記ピン28は図14に示すように、トップカバー8の天井面(画像形成装置2内部を向く面)にブラケット8aを一体形成して垂下し、該ブラケット8aの下端に一体形成する形で設けられている。該ピン28は、トップカバー8を閉めた状態では前記レバー29のフック部29aの内部に位置し、トップカバー8の上方回動に伴ってフック部29aを介してレバー29を上方に引き上げることができるように構成している。
レバー29の上端は、その装置手前側を鉤状に構成して前記フック部29aとして、前記ピン28を介してトップカバー8に対し係脱自在としてある。レバー29の装置奥側においては上方に開口させる開口部29eとしている。
【0034】
レバー29は上下方向に配置され、その長手方向中途部においては長孔29bを欠設してあり、画像形成装置2本体に設けた支持ピン33を該長孔に挿通することにより該レバー29を支持している。該レバー29はこの長孔29bに案内されながら、上下方向の移動、及び一定範囲での傾動ができるようになっている。
なお、長孔29bの下方側においては幅広の該遊び部分29cを設けて、後述するようにレバー29が上方へ移動したときには前記支持ピン33が遊び部分29cに入り込むことにより、該レバー29がその下端部(カム30との枢結部分)を略中心に回動できるようにしている。
【0035】
レバー29と画像形成装置2本体との間には二つの付勢バネ31・32が介装されて、第一の付勢バネ31はレバー29を装置手前側へ、第二の付勢バネ32はレバー29を略下方向へ、それぞれ張引する付勢力を与えている。
画像形成装置2本体にはストッパ34が設けられ、前記第一の付勢バネ31の付勢力を受ける該レバー29が該ストッパ34にその側縁を当接させることで、レバー29が装置手前方向へこれ以上傾動することを規制している。
なお、レバー29の前記ストッパ34に当接させる側縁には凹部29dが設けられ、該レバー29が上方へ移動したときは該凹部29dに前記ストッパ34を入り込ませるようにしてレバー29が傾動できるようになっている。
【0036】
レバー29上端の前記フック部29aには、該レバー29の長手方向に対して傾斜した底部35が設けられており、トップカバー8を閉めるときは前記ピン28が該底部35に当接して、滑りながらレバー29を前記第一の付勢バネ31の張引に抗する方向に押動できるように構成してある。
【0037】
また、前記駆動ユニット12のスイングアーム19の直上方近傍においてカム30がシーソーの如くその中途部を画像形成装置2本体に枢支されて、該カム30の一端は前記レバー29の下端に枢結されている。前記スイングアーム19には平板状の押動面19bが形成されており(図7)、図12・図13に示すように、該押動面19bに前記カム30の他端が接触し下方へ押動したり、該押動を解除したりできるように構成している。
【0038】
以上のような構成において、実際にトップカバー8の開閉動作に応じてスイングアーム19がどのように連動されるかを説明する。
図15は図14の状態からトップカバーが引き上げられて開かれ、ピンがレバーを介してカムを回動してスイングアームを下方へ押動する様子を示した側面図、図16はレバーが傾動して凹部が位置決めピンに係合して、スイングアームが下方に押動された状態でロックされ、かつ、ピンがフック部から外れた様子を示した側面図である。
一方、図17は開状態のトップカバーが引き下げられ、ピンがレバーのフック部底部に当接する様子を示した側面図、図18はピンがレバーのフック部底部を押動し、レバーが傾動する様子を示した側面図、図19はレバーの凹部と位置決めピンとの係合が解除され、レバーが引き下げられてスイングアームの下方押動が解除される様子を示した図である。
図20はトップカバーの状態と駆動連結状態の関係を表で示した図である。
【0039】
まず、トップカバー8を開く場合の動作について説明する。
図14に示す状態はトップカバー8が閉められている状態であり、前記ピン28は前記レバー29のフック部29a内にあり、レバー29は第二の付勢バネ32により下方に張引されて前記長孔29b及び支持ピン33によって規定される下端位置にある。また、レバー29は第一の付勢バネ31により装置手前側へ張引され、その側縁部を前記ストッパ34に当接させて静止されている。カム30はレバー29枢結側が下方に引き下げられているので、他側は引き上げられており、スイングアーム19の前記押動面19bとは接触されていない。前記付勢バネ38(図11)により前述のとおり上方付勢されるスイングアーム19は、上方へ回動して、支持する遊星歯車20を前記定着器駆動入力ギア17に対して係合させ、前記モータ14からの動力を定着器11に伝達可能としている。また、前記スイングアーム19に前記押動カム26等を介して連動される駆動出力ギア24は、カートリッジ9の駆動入力軸25に係合される、図12に示す状態となっている。
【0040】
この状態からトップカバー8を図14の鎖線に示す如く上方へ回動し引き上げていくと、ピン28がレバー29のフック部29aへ当接する。更にトップカバー8を上方へ引き上げると、図15に示すように、ピン28がレバー29のフック部29aを引き上げ、レバー29は長孔29b及び支持ピン33に案内されながら上方へ移動する。該レバー29の下端により一端を引き上げられる前記カム30は、その他端を降下させて、スイングアーム19の押動面19bに接触して押動し、スイングアーム19を下方へ回動させる。従って、スイングアーム19に支持される遊星歯車20は下方へ移動して、前記定着器駆動入力ギア17に対する係合を解除され、また、該スイングアーム19に押動カム26等を介して連動される駆動出力ギア24は、カートリッジ9の駆動入力軸25に対する係合を解除させる、図13の状態へ移行する。
【0041】
そして、一定量だけレバー29が引き上げられると、該レバー29に形設された凹部29dも上方に移動して前記ストッパ34の高さまで至り、また、それと同時に、前記支持ピン33が長孔29b下端の前記遊び部分29cに入り込むので、レバー29はその上部を装置手前側へ傾動させることができる状態になる。図15には傾動を始める直前の状態が示され、この直後に、前記第一の付勢バネ31の張引により、レバー29はその下端部(カム30との枢結部分)を略中心に装置手前側へ傾動し、ストッパ34を凹部29dに入り込ませた図16に示す状態となるのである。
【0042】
レバー29の傾動が完了し、ストッパ34と凹部29dとが係合された図16に示す状態は、レバー29の上下移動ができないロックされた状態であり、従ってカム30はスイングアーム19を下方へ押動した状態に維持されることになる。
一方、レバー29が傾動することで、該レバー29上端のフック部29aはトップカバー8のピン28に対する係合を解除し、該ピン28には前記開口部29eが位置することになる。従って、ピン28をフック部29a内部から脱出させることができるので、トップカバー8をその限度まで上方回動させることができる。この構成により、大きくトップカバー8を開くことができ、画像形成装置2内部に対するアクセスが容易となり、メンテナンス性が向上されている。
【0043】
次に、トップカバー8を逆に閉める場合の動作について説明する。
図17に示されるのはトップカバー8が開かれた状態であり、この状態からトップカバー8を引き下げ閉めていくと、ピン28は前記レバー29上端の開口部29eからフック部29aの内部に入り、鎖線に示す如く斜状の前記底部35に当接する。この底部35は、トップカバー8の開閉動作に伴うピン28の軌跡に対し傾斜させて設けてあるので、ピン28はその下降に伴って底部35に対し摺動しながら、図18に示す如く該底部35を装置奥側に向かって押動する。これによりレバー29は前記第一の付勢バネ31の張引に抗しながら、その下端を略中心に上部が装置奥側へ移動するように傾動する。
このレバー29の傾動に伴って、側縁に形設した前記凹部29dは前記ストッパ34に対する係合を解除する。図18には該係合の解除が完了する直前の状態が示され、この直後、前記第二の付勢バネ32により下方へ張引されるレバー29は、前記長孔29b及び支持ピン33に案内されながら下方へ移動し、最終的には該支持ピン33が長孔29b上端に当接した図19の状態で静止する。
【0044】
カム30は下降するレバー29によってその一端が引き下げられるので、他端は引き上げられ、スイングアーム19の下方への押動を解除させる。従って、スイングアーム19は前記戻しバネ38の作用により上方へ引き上げられ、支持する遊星歯車20は定着器駆動入力ギア17に噛合され、また、スイングアーム19に押動カム26を介して連係される駆動出力ギア24は、カートリッジ9の駆動入力軸25に対して係合される。
【0045】
以上にトップカバー8の開動作・閉動作それぞれに応じたカム機構27の動作を説明したが、結局図20の表に示すように、トップカバー8を開いた状態では定着器駆動入力ギア17と遊星歯車20との噛合を解除させて定着器11を構成するローラの回転をフリーとして、メンテナンス時の詰まった紙の除去を容易とする一方、トップカバー8を閉じた状態では両者17・20の噛合を行わせて定着器11を駆動させるようにしているのである。
また、トップカバー8を開いた状態ではカートリッジ9の駆動入力軸25と駆動出力ギア24との連結を解除させて、カートリッジ9を取外し可能としてメンテナンス性を向上させる一方、トップカバー8を閉じた状態では両者25・24を連結させてカートリッジ9内の感光体ドラム39等を駆動させるようにしているのである。
【0046】
また、上述するようにカム機構27を構成することにより、トップカバー8のピン28に対して力が作用するのは、トップカバー8の開動作にあっては図14の鎖線に示す状態から図15の状態までであり、閉動作にあっては図17の鎖線に示す状態から図18の状態に至るまでであり、それ以外ではピン28に対して力が作用しないようになっている。
即ち、トップカバー8が開かれた状態及び閉じられた状態においてはピン28に力は全く加わっておらず、力が加わるのは、トップカバー8の開閉動作の過程の一部においてのみである。従って、ピン28について必要な強度は、従来に比べて弱いもので足りることになる。
本実施例では該ピン28は、プラスチック製のトップカバー8に一体形成されたものとしており、特にその強度を向上させる補強構成をとらないものとして、これにより製造コストを低減させている。
【0047】
〔駆動ユニットの画像形成装置への取付構成〕
最後に、前記駆動ユニット12の、画像形成装置2に対する取付構成について説明する。
図21は駆動ユニットの画像形成装置への組付方法を示した斜視図、図22は駆動ユニットのモータが本体フレームの通孔に受けられている状態を示した斜視図である。
【0048】
即ち、駆動ユニット12は前述のとおり、(ブラケットとしての)前記枠体13に前記モータ14を取り付けた構成としており、モータ14は一般に重量物であって、駆動ユニット12全体の重量のうち大半を占めるのが通例である。
また、本実施例では駆動ユニット12は図21に示すように、重量物であるモータ14を枠体13に片持ち支持させつつ取り付けた構成としており、重心が偏っておりバランスが悪いために、直立させた状態とするのが容易でない。一方、駆動ユニット12は直立させた状態で画像形成装置2側部の本体フレーム45に取り付ける必要があり、このままでは画像形成装置2への組付け作業のときに困難を伴う。
【0049】
このような事情から、本実施例では、板金で構成された画像形成装置2の本体フレーム45にモータ14装着のための方形の通孔46を設けて、該通孔46の周辺(具体的には、両側辺と底辺)には、モータ14の側面又は底面に沿わせるための板状物のガイド47・47・・・を装置内方へ突出させて設けてある。
以上の構成で、駆動ユニット12の画像形成装置2への組付けのときは、まず図21のようにモータ14を本体フレーム45外側から通孔46に挿通させて、図22のようにモータ14を底側の前記ガイド47上に載置して、該モータ14自体の重量を本体フレーム45に受けさせるようにする。これにより、前記駆動ユニット12を直立させた状態に容易に保持することができる。
本実施例では、この図22の状態からモータ14を前記ガイド47に沿って滑らせるようにして駆動ユニット12の枠体13を該本体フレーム45に対し取り付けるようにしており、図略のネジによって両者13・45を固定するようにしている。このような容易な組付け方法を採用できるので、組立工数は削減されることとなる。
【0050】
なお、前記ガイド47は、前記本体フレーム45の通孔46を打ち抜くときに該ガイド部分を残して打ち抜き、後に該ガイド部分を画像形成装置2内方へ向けて折り曲げて構成してある。これにより、装置外側に突出する部分を少なくして装置のコンパクト化に寄与するほか、ガイド47が折り曲げられる方向と組付け時にモータ14を挿通する方向が一致しているので、モータ14をスムーズにガイド47に沿って挿通することができる。
また、前記通孔46は方形に構成してあり、前記ガイド47は平板状に構成して、略直方体であるモータ14のケーシングの形状に沿わせている。
【0051】
【発明の効果】
本発明は、以上のように構成したので、以下に示すような効果を奏する。
【0052】
押動部材が補強リブに当接して駆動出力ギアを押動させるように構成しているから、該駆動出力ギアの損傷・損耗が防止される。特に駆動出力ギア側面の歯部近くを押動させるような場合でも、歯面にキズや窪みがついてしまうようなことが防止され、駆動出力ギアの長寿命化をもたらす。さらに、駆動出力ギアが感光体ドラムの駆動入力軸に係合するものでは、記録画質の品質低下を防止できる。
【0053】
また、補強リブは円周方向に沿って形成されているので、駆動出力ギアがいかなる回転位相にあっても、押動部材が駆動出力ギアに当接する箇所には必ず補強リブが位置することとなる。従って、常に補強リブを介して駆動出力ギアを押動することが確保されるので、駆動出力ギアにキズや窪みが付くことがより確実に防止される。
さらに、押動部材と駆動出力ギアとの係合と、画像形成装置のトップカバーの開閉動作を連動させたので、スムーズにカートリッジの着脱ができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例に係るコピー・ファクシミリ複合機の全体的な構成を示した斜視図。
【図2】紙詰まり除去のために読取部の手前を引き上げ回動させる様子を示した斜視図。
【図3】トップカバーを回動して開いた様子を示した斜視図。
【図4】カートリッジを取り外す様子を示した斜視図。
【図5】詰まった用紙を引き抜いて除去する様子を示した斜視図。
【図6】駆動ユニットの全体側面図。
【図7】駆動ユニットのうち定着器駆動出力部の構成を示した平面断面図。
【図8】定着器駆動出力部を示した、図6におけるA−A断面矢視図。
【図9】定着器駆動出力部において、駆動出力ギアとカートリッジの駆動入力軸との間に軸線のズレがある場合を示した断面図。
【図10】図9の状態から駆動出力ギアの軸線が傾いてカートリッジの駆動入力軸に対し係合する様子を示した断面図。
【図11】駆動出力ギアの側面を押して駆動出力ギアを軸方向へ移動させるカム機構の構成を示した断面図。
【図12】同じく斜視図。
【図13】図12の状態からスイングアームが下方へ回動し、押動カムが駆動出力ギアの側面を押す様子を示した斜視図。
【図14】トップカバーとスイングアームとを連係させるカム機構を示した側面図。
【図15】図14の状態からトップカバーが引き上げられて開かれ、ピンがレバーを介してカムを回動してスイングアームを下方へ押動する様子を示した側面図。
【図16】レバーが傾動して凹部が位置決めピンに係合して、スイングアームが下方に押動された状態でロックされ、かつ、ピンがフック部から外れた様子を示した側面図。
【図17】開状態のトップカバーが引き下げられ、ピンがレバーのフック部底部に当接する様子を示した側面図。
【図18】ピンがレバーのフック部底部を押動し、レバーが傾動する様子を示した側面図。
【図19】レバーの凹部と位置決めピンとの係合が解除され、レバーが引き下げられてスイングアームの下方押動が解除される様子を示した図。
【図20】トップカバーの状態と駆動連結状態の関係を表で示した図。
【図21】駆動ユニットの画像形成装置への組付方法を示した斜視図。
【図22】駆動ユニットのモータが本体フレームの通孔に受けられている状態を示した斜視図。
【符号の説明】
24 駆動出力ギア
24d 補強リブ
25 駆動入力軸(被駆動部材)
26 押動カム(押動部材)
Claims (5)
- 第1の駆動力を受け入れる被駆動部材と、
第2の駆動力を受け入れる駆動入力ギアと、
前記被駆動部材と同心して配置されて、軸方向に移動することで該被駆動部材に対し係脱自在に構成された駆動出力ギアと、
前記駆動出力ギアを前記被駆動部材に対し係合する方向へ付勢する付勢バネと、
遊星ギアを支持し、該遊星ギアが前記駆動入力ギアと噛合若しくは噛合解除する方向へ揺動するスイングアームと、
前記スイングアームを前記遊星ギアと前記駆動入力ギアとの噛合が解除される方向へ回動させた場合、カム作用によって前記駆動出力ギアを押動する方向へ回動し、該駆動出力ギアを前記付勢バネの付勢力に抗して軸方向に移動させて該駆動出力ギアと前記被駆動部材との係合を解除し、前記スイングアームを前記遊星ギアと前記駆動入力ギアとの噛合が解除される方向へ回動させる力を解除した場合、前記付勢バネによる付勢で前記駆動出力ギアが前記被駆動部材と係合する際、カム作用によって前記駆動出力ギアへの押動が解除される方向に回動し、前記スイングアームを前記遊星ギアと前記駆動入力ギアとが噛合する方向へ回動させる押動部材と、
を備えた駆動伝達機構であって、
前記駆動出力ギアの側面の前記押動部材が接触する部分に補強リブを設けたことを特徴とする、駆動伝達機構。 - 前記補強リブは円周方向に沿って形成されていることを特徴とする、請求項1に記載の駆動伝達機構。
- 画像形成装置に設けられる駆動伝達機構であって、前記被駆動部材を備えたカートリッジは画像形成装置本体に着脱自在な構成で、前記駆動出力ギアは画像形成装置本体に設けられ、前記駆動出力ギアを軸方向に移動させることでカップリングを介して前記被駆動部材との係脱を行わせるようにしたことを特徴とする、請求項1又は請求項2に記載の駆動伝達機構。
- 請求項1から請求項3のうち何れか一項に記載の駆動伝達機構を備えた画像形成装置。
- 前記画像形成装置は、
前記装置を覆う開閉自在なカバーと、
該カバーに対しその一端を係脱自在に構成したレバーと、
その一端が前記レバーの他端に枢結され、その中途部が前記画像形成装置本体側に枢支されたカムと、
を備え、
前記カバーが閉じられているときには前記スイングアームは前記付勢バネの作用により、前記遊星ギアと前記駆動入力ギアとを噛合させる方向に回動していて、
前記カバーの開放動作に伴い、前記レバーを介して前記カムの他端を前記スイングアーム側に回動させ、該カムの他端で該スイングアームを押動して、該スイングアームを前記付勢バネの作用に抗して回動させることで、前記遊星ギアと前記駆動入力ギアとの噛合を解除し、
前記カバーの閉止動作に伴い、前記レバーを介して前記カムの他端を反スイングアーム側に回動させ、該カムの他端による該スイングアームの押動が解除されて、前記付勢バネの作用により該スイングアームを回動させることで、前記遊星ギアと前記駆動入力ギアとが噛合するように構成したことを特徴とする、請求項4に記載の駆動伝達機構を備えた画像形成装置。
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