JP3750187B2 - 液体充填バルブ - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、容器内に液体を充填する液体充填バルブに関するものである。
【0002】
【従来の技術】
液体充填バルブは、一般に、内部に充填液通路が形成され、下端には注液口を有するパイプ状のノズルと、このノズル内に昇降可能に挿通されて下端部に弁体が設けられた操作ロッドと、この操作ロッドを昇降させるエアシリンダ等の昇降手段とを備えており、前記操作ロッドを昇降させることにより、その下端の弁体を、充填液通路の下端部に形成したテーパ状の弁座に着座させ、または離座させて、充填液通路を開閉するようになっている。
【0003】
前記従来の液体充填バルブでは、充填の開始時および終了時、すなわち、弁体が弁座から離れた直後、または、弁座にシートする直前に、充填液通路が急激に絞られた状態になるため、充填される液体の流速が上がって、液はねを起こすという問題があった。特に、ノズルの先端を容器内に挿入せずに上方から充填を行なう、いわゆる口上充填の場合には、飛び散った液体が容器の外面や周囲を汚染してしまうという問題があった。
【0004】
また、前記液体充填バルブは、操作ロッドが上方のエアシリンダに連結されて昇降するようになっているので、前記充填液通路内には、パイプ状ノズルの側壁に連結された横方向の給液管を介して充填液が導入されるようになっている。中央に操作ロッドが挿通されて鉛直方向に配置されているノズル内に、横方向から液体を導入すると、この液体は充填液通路内を渦を巻きながら流下し、下端部の注液口から容器内に充填される。このように液体が渦を巻きながら注液口から流出すると周辺に飛び散ってしまうという問題があった。
【0005】
前記のように注液口から流出する液体が飛び散るおそれのある液体充填バルブでは、ノズルの先端を容器の口部よりも上方に位置させたまま充填を行なう口上充填は不可能である。また、充填される液体が、果肉が混入したフルーツジュース等のように、大きな粒子を含む場合には、注液口付近に金網等を取付けると目詰りを起こすため、金網等を用いることにより液はねを防止することも不可能であった。
【0006】
そこで、前記のように充填液通路内で液体が渦を巻いたり、液バルブの開閉時に流速が急上昇することを防止するようにした液体充填バルブが提案されている(特開平4−253689号公報、特開平6−127596号、特公平7−112879号等)。
【0007】
前記第1の公報(特開平4−253689号)に記載された充填バルブは、軸方向に中空であり、内面の上方が円筒形で、下方の直径が下方吐出口又は出力流口40まで徐々に減少する本体2と、本体2内に収容され、吐出口40用の閉止部材6が下方に設けられたシャフト5と、シャフト5を、吐出口40が完全に開く位置と閉じる位置との間で移動させるモータ装置11とを備えている。さらに、本体2内の乱流現象を減ずるために、上方および下方に充分長くて鋭利なヒレ8を設けてある。
【0008】
また、第2の公報(特開平6−127596号)には、ノズル本体1の内部に、空気圧シリンダ等でその長さ方向に制御される操作ロッド2が内蔵され、この操作ロッド2の下端部に、ノズル本体1の下部の充填口1bを塞ぐ閉鎖弁3が固定された従来と同様の液体充填ノズルに、さらに、ノズル本体1の内部に固定されたリング状の絞り弁座5と、操作ロッド2に摺動自在にはめられた、前記絞り弁座5に着座できるリング状の絞り弁6と、この絞り弁6を前記絞り弁座5に向かって押圧するリターンスプリング7とを備えた液体充填ノズルが記載されている。
【0009】
さらに、第3の公報(特公平7−112879号)には、管状躯体1と、この管状躯体1内部のキャリブレーション部材から成り、環状躯体1の内壁が、上部から順に、円筒形の第1部分3、円錐形状部4、円筒形状部5および円錐部6から成り、キャリブレーション部材は、その下端部から順に、管状躯体1の前記円錐部6に対面している底部円錐部10と、その上流側の円錐部11と、結合棒12により接続され、前記管状躯体1の円錐部4に圧接される閉鎖弁部材13とを備えた液体充填バルブが記載されている。この液体充填バルブの構成では、前記結合棒12が、円筒部55内で摺動する中心位置決め用のフィン15を有している。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】
前記第1の公報に記載された構成では、本体(ノズル)内に導入されて渦等の乱流を生じた液体を、直接ヒレに衝突させて整流させるようにしているが、渦を巻いて流下する液体をヒレに衝突させるだけでは充分に整流することができないという問題があった。
【0011】
前記第2の公報に記載された構成では、充填口1bが閉鎖弁3で閉じられる以前に、まず絞り弁6が絞り弁座5に近付くので、絞り弁座5と絞り弁6との間に断面積小さなすきまが形成され、液体が減圧室4内に勢いよく噴出するが、この状態では充填口1bがまだ開放状態にあるため、前記すきまからの噴出流は減圧室4内で勢いを減じられ、弱い液体流となって充填口1bから外部へ流出する。しかしながら、この構成では、横方向に配置された取入口からノズル本体1へ流入した液体が渦を巻いて流れても、これを整流することができないので、充填中に液がはねることを完全に防止することは不可能である。
【0012】
前記第3の公報に記載された構成では、閉鎖弁部材13が円錐形状部(弁座)4から離れた状態で、管状躯体1内に横方向から導入されてきた液体が渦を巻いている場合には、この液体が前記フィン15に衝突しても完全に整流することはできず、管状躯体1の底部オリフィス7から流出する液体が飛び散ることを抑制することは困難である。
【0013】
本発明は前記欠点を除くためになされたもので、充填中に、ノズル内を渦を巻いて流下する液体を完全に整流して渦をなくした後、注液口から流出させることにより、液が飛び散ることを防止することができる液体充填バルブを提供することを目的とするものである。さらに、開閉弁の閉鎖時に、流速が増大することを抑制して液はねが起こることを防止できる液体充填バルブを提供することを目的とするものである。
【0014】
【課題を解決するための手段】
本発明に係る液体充填バルブは、上端部の側壁に給液管が接続され、内部に充填液通路を有する筒状のノズルと、このノズル内に挿通され昇降手段によって昇降する操作ロッドと、この操作ロッドの下端に設けられた弁体および前記ノズルの下端部内面に形成された弁座からなる開閉弁とを備えた液体充填バルブにおいて、前記ノズルの内面上部に、一定の内径を有する円孔部と、この円孔部の下方に、充填液通路の断面積を次第に縮小する縮径部と、この縮径部の下方に、充填液通路の断面積を次第に拡大する、縮径部よりも長く緩やかな拡径部とを形成し、かつ、前記ノズル内面の拡径部と下方の開閉弁との間に、同一の内径を有する部分を形成するととともに、操作ロッドのこの同一内径部と対応する部分に、軸方向に延びる複数枚の整流羽根を設け、前記縮径部により第1次の整流を行い、その後、拡径部により流速を遅くして、整流羽根により第2次の整流を行うようにしたものである。
【0015】
また、第2の発明では、前記構成に加えて、操作ロッドの上部に第2の弁体をノズルに対して昇降可能に設け、前記開閉弁の閉じる前に、ノズル内面の最も縮径された部分を閉塞可能にしたものである。
【0016】
前記構成に係る液体充填バルブでは、充填時に操作ロッドが上昇して開閉弁を開くと、充填液通路内に給液管等を介して液体が流れ込み、この通路内を渦を巻いた状態で流下する。この液体は、ノズル上部の縮径部を通過する際に整流されて渦が減少する。しかし、通路面積が狭くなるため流速は増加してしまう。その後、前記液体は拡径部を通過することにより減速される。前記第1次の整流が行なわれ、流速も遅くなった液体は、操作ロッドの下部側に設けられている整流羽根の部分に流れ込み、これらの羽根に当って第2次の整流が行なわれる。このように2回の整流を行なうことにより、渦等の乱流がほぼなくなった状態で注液口から液体を放出して容器内に充填する。
【0017】
さらに、充填終了時に、操作ロッドが下降し、その下端の弁体が充填液通路の下端の弁座に接近して両者の間隙が絞られると、従来の充填バルブでは、流速が急激に上昇して注液口から流出する液体が飛び散ってしまうが、第2の発明に係る充填バルブでは、その時点ですでに上方の弁体が前記縮径部を閉塞しているので、流速が上がることがなく、液はねが発生するおそれがない。
【0018】
【発明の実施の形態】
以下、図面に示す実施例により本発明を説明する。図1は第1の実施例に係る液体充填バルブの縦断面図であり、この液体充填バルブは、筒状のノズル2と、この筒状ノズル2内に挿通された操作ロッド4とを備えており、この操作ロッド4は、上端が図示しないエアシリンダに連結されて昇降する。筒状のノズル2の内部は充填液の通路6になっており、その上端部の側壁に接続された給液管8を介して、充填液タンク(図示せず)から送られた充填液がこの充填液通路6内を流下する。
【0019】
筒状ノズル2の下端部内面、すなわち充填液通路6の最も下部には、下方に向けて次第に小径になるテーパ面10が形成されている。一方、操作ロッド4の下端部には、円錐状部12が形成されており、これら充填液通路6の下部に形成された弁座としてのテーパ面10と、操作ロッド4の下端面に形成された弁体としての円錐状部12とにより開閉弁14が構成されている。
【0020】
筒状のノズル2の内面には、その最も上部に、一定の内径を有する円孔部2aが形成され、この円孔部2aの下方に、下側へ向かって次第に内径が小さくなる縮径部2bが設けられている。この縮径部2bの下方に、上下の長さが短かい小径孔2cが形成され、さらに、この小径孔2cに続いて、下方に向けて次第に内径が拡大する拡径部2dが形成されている。前記縮径部2bは、急激に内径が変化しており、その上下方向の長さが短かく、これに対し、拡径部2dは、緩やかに内径が変化しており、上下方向の長さが、前記縮径部2bよりも長くなっている。そして、拡径部2dの下方に連続して、上下方向の長さが長い一定の内径の円孔部2eが形成されている。さらに、前記開閉弁14の弁座を構成するテーパ面10が、この長い円孔部2eの下方に接続されている。このテーパ面10の下端の開口部が、容器(図示せず)内に充填される液体が流出する注液口2fになっている。この長い円孔部2eと、前記上方の短かい円孔部2aとは同一の内径を有している。なお、これら両円孔部2a,2eは必ずしも同一の内径を有する必要はなく、異なるものであっても良い。
【0021】
一方、筒状のノズル2内に挿通された操作ロッド4は、その上端部4aが、筒状ノズル2の上端に固定された環状のガイド部材16内に液密を保持して摺動自在に嵌合している。この操作ロッド4の上端摺動部4aの周囲には、ベローズ18が装着されており、摺動部で発生する汚染物質が充填液通路6内に侵入することを防止している。前記摺動部4aの下方に連続して、一定の外径を有する円柱部4bが形成されている。この円柱部4bは、前記ノズル2の内面に形成されている小径孔2cの内径よりも僅かに小さい外径を有しており、円柱部4bが小径孔2c内に嵌合すると、両者2c,4b間に僅かなクリアランスが形成されるようになっている。これら操作ロッド4の上部に設けられた第2の弁体としての円柱部4bと、ノズル2内面の上部に設けられている小径孔2cとによってプレシール部20が構成されている。
【0022】
操作ロッド4の円柱部(第2の弁体)4bの下方には、細い軸部4cおよび下方に向かって次第に外径が拡大する円錐部4dが形成され、さらに、この円錐部4dの下方には、一定の外径を有し、上下方向に長く延びた円柱部4eが形成されている。この長い円柱部4eの下端に前記開閉弁14の弁体12が設けられている。上下方向に長い円柱部4eの外面には、操作ロッド4の軸線と平行に複数枚の整流羽根22が取付けられている。これら整流羽根22は、操作ロッド4の軸線方向(上下方向)に充分な長さを有しており、その外側端部が、筒状ノズル2の長い円孔部2eの内面に沿って摺動し、操作ロッド4の昇降を案内する。なお、整流羽根22の枚数は、適宜選択することができるが、2枚では、間隔が空きすぎて充分な整流効果を得られず、また、多すぎる場合には、充填液通路6内の液体の流通を阻害することになるので、3枚あるいは4枚程度が好ましい。
【0023】
前記操作ロッド4の下端に設けられた弁体12とノズル2内面の下端に設けられた弁座10とから成る開閉弁14と、操作ロッド4の上部に設けられた円柱部4bとノズル2内面の上部に形成された小径孔2cとから成るプレシール部20との作動位置の関係について説明すると、前記操作ロッド4の弁体12が、図1に示すように、ノズル2の下端内面に形成されている弁座10に着座しているときには、操作ロッド44の上部に形成されている円柱部4bが、ノズル2内面の小径孔2cの内部に嵌合している。従って、操作ロッド4が下降する際には、弁体12が弁座10に着座する前に、プレシール部20の円柱部4bが小径孔2c内に嵌入を開始して、充填液の流下をほぼ停止させる。
【0024】
以上の構成に係る液体充填バルブの作動について説明する。図示しない充填液タンクから、筒状のノズル2の上端部に接続されている給液管8を介して、容器(図示せず)内に充填される液体が充填液通路6内に供給されている。エアシリンダの作動によって操作ロッド4が上昇すると、先ず、操作ロッド4の下端に形成された弁体12がノズル2の下端内面の弁座10から離れて開閉弁14が開放する。開閉弁14が開放して充填が開始する時点では、上方のプレシール弁20の円柱部4bと小径孔2cとがまだ重なりあっているので、このプレシール弁20と開閉弁14との間に残留していた液体が注液口2fから流出して充填が行なわれるが、給液管8から送られてくる充填液の液圧がノズル2の先端にかからないので、充填液が急激に流出することがなく、充填液が周囲に飛び散ることはない。
【0025】
操作ロッド4が上昇を続けると、次に、操作ロッド4の上部に設けられた円柱部4bがノズル2の上部内面の小径孔2cから上方へ抜け出して、プレシール部20が開放する。すると、給液管8からこのプレシール部20の上方まで送られていた充填液が、このプレシール部20を通って充填液通路6の下方へ流れ落ち、ノズル2の下端の開閉弁14を通過して容器内に充填される。このように充填される液体が充填液通路6内を流れると、ノズル2の横方向に接続された給液管8からノズル2内の充填液通路6に流れ込んだ液体が回転して渦を巻いた状態になる。渦を巻いて充填液通路6内を流下する液体は、前記プレシール部20の上方の縮径部2bに流れ込む。この縮径部2bは、急激に流路面積が縮小されているので、渦を巻きながら流れ込んだ液体が整流されるとともに、流速を増して通過し小径孔2c内に流入する。ノズル2内面のこの小径孔2cの下方には、徐々に通路面積を拡大する拡径部2dが設けられており、前記縮径部2bで流速を増した液体は、この拡径部2dを流れる間に逆に減速される。
【0026】
前記縮径部2bおよび拡径部2dで第1次の整流を行ない、その後、流速が減速された充填液は、ノズル2の内面の長い円孔部2e内に流入する。この円孔部2e内の操作ロッド4の外面には、複数枚の整流羽根22が設けられており、第1次整流後の充填液は、これらの整流羽根22に当ることにより、第2次の整流が行なわれる。このように2回の整流が行なわれた充填液は、渦が完全になくなりスムーズな流れとなって注液口2fから流出し容器内に充填されるので、液はねの発生を防止することができる。
【0027】
また、充填終了時には、エアシリンダの作動によって操作ロッド4を下降させる。操作ロッド4の下降によって、その下端の弁体12がノズル2下端の弁座10に接近して注液口2fへの流路を次第に絞るが、その前に、操作ロッド4の上部の円柱部4bがノズル2内面の小径孔2cに嵌入し始めるので、開閉弁14が絞られて流速が増大してしまうことがなく、充填終了時の液はねが防止される。その後、操作ロッド4がさらに下降し、弁体12が弁座10に着座して開閉弁14が閉じる際には、操作ロッド4の円柱部4bがノズル2の小径孔2cの内部まで嵌入している。
【0028】
以上のように、ノズル2と操作ロッド4の下方に設けられた開閉弁14が開放して充填が開始する時 および開閉弁14が閉鎖して充填が終了する時には、ノズル2および操作ロッド4の上部に設けられているプレシール部20が重なりあっているので、注液口2fから流出する充填液が液はねを起こすことを防止することができる。また、充填中には、充填液通路6内を渦を巻いて流下する充填液を、縮径部2bによって第1次整流を行ない、次に拡径部2dによって流速を低下させた後に整流羽根22による第2次整流を行なうことにより、完全に渦をなくした後にノズル2先端の注液口2fから放出するので、液が飛び散ることがなく、確実に容器内に充填することができる。このように充填時に液はねを完全に防止することができるので、ノズル2の先端を容器内に挿入せずに充填を行なうことが可能であり、充填バルブの昇降機構またはびん台の昇降機構等の複雑な機構を設けなくとも良く、充填装置の大幅なコストダウンが可能である。また、昇降機構等の駆動部を省略できるので、無菌充填用の充填装置に等に適用するのにも適している。
【0029】
図2は、第2の実施例に係る液体充填バルブの要部を示す縦断面図である。この実施例は、プレシール部120の構成が前記第1実施例と異なる点を除き、ノズル2の構成および操作ロッド4のその他の部分の構成は前記実施例と同一であるので、同一の部分には同一の符号を付してその説明を省略する。この実施例では、操作ロッド4のプレシール部120を構成する部分に、細い軸状部4fと、係合段部4gとが形成されており、この細い軸状部4fの外周に環状体122が嵌合している。この環状体122の内周面122aと操作ロッド4の軸状部4fとの間にはクリアランスが形成されており、環状体122は軸状部4fに対して自由に昇降することができる。環状体122の外周の下面側には、ノズル2の内面に形成されている縮径部2bの傾斜とほぼ一致する傾斜のシート面122bが形成されており、図2に示すように、環状体122が下降しているときにはシート面122bが縮径部2bに密着して、縮径部2bの上方側と下方側との間の充填液通路6を閉塞し、上昇した時には、この充填液通路6を開放する。これら環状体122のシート面122bとノズル2の内面の縮径部2bとによって本実施例のプレシール部122が形成されている。
【0030】
前記環状体122と、ベローズ18の下端が取付けられている操作ロッド4の大径部4hは、互いに反発する磁石から成っており、操作ロッド4が下降して係合段部4gが環状体122の下面から離れているときには、環状体122は磁石の反発力により前記縮径部2bに押し付けられている。また、操作ロッド4が上昇して、係合段部4gが環状体122の下面に係合したときには、操作ロッド4の上昇につれて、係合段部4gがこの環状体122を引き上げるようになっている。
【0031】
次に、第2の実施例に係る液体充填バルブの作動について説明する。図2に示す状態では、図示してないが、下方の開閉弁14は閉じている。この状態からエアシリンダにより操作ロッド4が上昇すると、係合段部4gが上方やや離れた位置にある環状体122に当接する前に、下方の開閉弁14が開き始める。この開閉弁14の開放した時点では、プレシール部120は閉じているため、プレシール部120と下方の開閉弁14との間の充填液通路6内に残留していた充填液が注液口2fから流出を始め容器内に充填される。開閉弁14の開度が小さい間は給液管8から送られてくる液体の圧力がかからないため、緩やかに充填が行なわれる。
【0032】
さらに、操作ロッド4が上昇すると、係合段部4gが環状体122の下面に当接し、両磁石の反発力に抗して環状体122を上昇させる。操作ロッド4の上昇によって環状体122が縮径部2bから引き上げられた時点では、下方の開閉弁14が大きく開放しており、充填液通路6内を大流量が流れて容器内への充填が行なわれる。給液管8から充填液通路6内に供給された液体は回転し渦を巻いて流下するが、前記実施例と同様に、ノズル2の内面の縮径部2bを流れることにより第1次の整流が行なわれる。この縮径部2bを通過する際に液体の流れが加速されるが、その後、拡径部2dを流れることにより減速される。第1次の整流および減速が行なわれた後、液体は、操作ロッド4の外面に取付けられている整流羽根22に当って第2次の整流が行なわれる。2回の整流によって完全に渦がなくなった液体が、注液口2fから流出し周囲に飛び散ることなくことなく容器内に充填される。
【0033】
充填の終了時には、操作ロッド4を下降させると、当初は、環状体122は磁石の反発力によって操作ロッド4の係合段部4g上に押し付けられたまま一体的に下降する。下方の開閉弁14の弁体12が弁座10に接近して注液口2fが絞られる時点では、環状体122のシート面122bがノズル2の内面の縮径部2bに当接してプレシール部120が閉じられる。従って、上方からの液体の供給がなくなるので、下方の開閉弁14が絞られても、充填液の流速が速くなることがなく、液はねを起こさずに容器内への充填が行なわれる。さらに下降を続ける操作ロッド4によって開閉弁14が完全に閉じられると、係合段部4gは図2に示す位置まで下降して環状体122から所定距離離れた位置に停止する。この第2実施例でも、前記第1実施例と同様に、充填時に液はねを起こすことがないので、口上充填が可能であり、充填バルブの昇降機構等を省略することができる。従って、大幅なコストダウンが可能であり、また、無菌充填用の充填装置への適用にも適している。
【0034】
【発明の効果】
以上述べたように本発明によれば、上端部の側壁に給液管が接続され、内部に充填液通路を有する筒状のノズルと、このノズル内に挿通され昇降手段によって昇降する操作ロッドと、この操作ロッドの下端に設けられた弁体および前記ノズルの下端部内面に形成された弁座からなる開閉弁とを備えた液体充填バルブにおいて、前記ノズルの内面上部に、一定の内径を有する円孔部と、この円孔部の下方に、充填液通路の断面積を次第に縮小する縮径部と、この縮径部の下方に、充填液通路の断面積を次第に拡大する、縮径部よりも長く緩やかな拡径部とを形成し、かつ、前記ノズル内面の拡径部と下方の開閉弁との間に、同一の内径を有する部分を形成するととともに、操作ロッドのこの同一内径部と対応する部分に、軸方向に延びる複数枚の整流羽根を設けたことにより、ノズル内に供給された液体が、渦を巻く等の乱流状態で充填液通路を流れる際に、先ず、ノズル内面の縮径部で第1次の整流を行い、その後、流速を遅くして整流羽根の部分に送り込んで第2次の整流を行なうことにより、渦を完全になくして注液口から容器内に充填するようにしたので、ノズルから流出する際の液はねを防止することが出来る。従って、ノズル先端を容器口の上方に位置させて充填を行なう、いわゆる口上充填が可能になるので、充填バルブの昇降装置を省略することができ、充填装置の大幅なコストダウンが可能である。
【0035】
また、第2の発明では、前記構成に加えて、操作ロッドの上部に第2の弁体をノズルに対して昇降可能に設け、前記開閉弁の閉じる前に、ノズル内面の最も縮径された部分を閉塞可能にしたことにより、開閉弁の閉鎖時または開放時に、弁体が弁座に接近して通路を絞る際に、第2の弁体によって充填液通路の上部をシールするので、ノズルから流出する液体の流速が速くなることがなく、充填時の液はねを防止することができる。特に、第2の発明では、開閉弁が全開で充填している間は、2回の整流により渦を完全になくしてから注液口から放出するので液はねが防止でき、また、充填の開始時と終了時には、開閉弁が絞られる前に、第2の弁体によって充填液通路の上部を閉塞することにより、吐出される液体の流速が速くならないようにして、液はねを防止することができる。従って、充填の開始から終了に至る間、充填される液体の液はねを完全に防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例に係る液体充填ノズルの縦断面図である。
【図2】本発明の第2の実施例に係る液体充填ノズルの要部の縦断面図である。
【符号の説明】
2 ノズル
2b 縮径部
2d 拡径部
2e 一定内径部
4 操作ロッド
4b 第2の弁体(円柱部)
6 充填液通路
10 弁座
12 弁体
14 開閉弁
22 整流羽根
Claims (2)
- 上端部の側壁に給液管が接続され、内部に充填液通路を有する筒状のノズルと、このノズル内に挿通され昇降手段によって昇降する操作ロッドと、この操作ロッドの下端に設けられた弁体および前記ノズルの下端部内面に形成された弁座からなる開閉弁とを備えた液体充填バルブにおいて、
前記ノズルの内面上部に、一定の内径を有する円孔部と、この円孔部の下方に、充填液通路の断面積を次第に縮小する縮径部と、この縮径部の下方に、充填液通路の断面積を次第に拡大する、縮径部よりも長く緩やかな拡径部とを形成し、かつ、前記ノズル内面の拡径部と下方の開閉弁との間に、同一の内径を有する部分を形成するととともに、操作ロッドのこの同一内径部と対応する部分に、軸方向に延びる複数枚の整流羽根を設け、前記縮径部により第1次の整流を行い、その後、拡径部により流速を遅くして、整流羽根により第2次の整流を行うことを特徴とする液体充填バルブ。 - 前記操作ロッドの上部に第2の弁体をノズルに対して昇降可能に設け、前記開閉弁の閉じる前に、ノズル内面の最も縮径された部分を閉塞可能にしたことを特徴とする請求項1に記載の液体充填バルブ。
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