JP5573135B2 - 充填バルブ - Google Patents
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Description
しかし、このような多孔板やメッシュを用いた充填バルブを、パルプ質等の固形成分を含む果汁飲料の充填に適用すると、パルプ質等の固形成分が多孔板の孔やメッシュの網目に滞留し、目詰まりしてしまう。
この充填バルブは、液体の流れ方向に沿って延びる複数の整流羽根が、液体の流れ方向と直交する流路断面で見て放射状に配置された構成で、充填液の流れを整流羽根に沿った流れとするものである。
また、閉弁時の液だれを防止するために、流量制御弁部とは別に吐出口を開閉する副弁体部を設け、流量制御弁部が閉弁した時に、流量制御弁部に同期させて副弁体部を吐出口の口縁内周に密接させ、吐出口を閉塞するようになっていた。
前記ノズル内の吐出口近傍に、軸方向に吐出口を開閉する方向に移動可能の副弁体部が設けられ、副弁体部は流量調整弁部の弁体部と丸軸状の連結ロッドを介して一体的に連結され、前記流量調整弁部が閉じた際に、前記副弁体部は吐出口の内周口縁に当接せずに所定のクリアランスを介して近接した位置に停止する構成で、
前記ノズル内周は、前記流量調整弁部下の小径穴部の下端から下方に向かって徐々に拡径する方向に傾斜する第2テーパ穴部と、第2テーパ穴部の下端から下方に向かって直線的に円筒状に延びる拡径部と、該拡径部の下端から下方に向かって徐々に縮径する方向に傾斜する先端傾斜部と、を備えた構成で、
前記整流部は、前記拡径部の内周を外径、連結ロッドの外周を内径とする円環状の流路拡大部と、流量調整弁部の流路から流路拡大部に向けて徐々に断面積が増大する流路断面漸増部と、流路拡大部の下端から副弁体部に向かう傾斜部に沿って徐々に断面が減少する流路断面漸減部とを備え、
前記流路拡大部は、前記流量調整弁部の小径穴部内周と連結ロッド外周間の流路断面積よりも2.5倍以上の流路断面積を有し、
前記副弁体部と吐出口の内周口縁との所定のクリアランスが0.5mm乃至3.5mmであり、
前記充填液はパルプ質等の固形成分を含む液体であることを特徴とする。
また、他の発明は、上下に延びるノズル内に、導入口から導入される充填液の流量を調整する流量調整弁部と、該流量調整弁部によって流量が調整された充填液の流れを整流する整流部が設けられ、前記整流部にて整流された充填液がノズル下端に開口する吐出口から吐出される充填バルブにおいて、
前記整流部は、前記ノズルの中心軸線方向に延びる空間であり、
前記ノズル内周は前記流量調整弁部の小径穴部の下端から下方に向かって徐々に拡径する方向に傾斜する第2テーパ穴部と、第2テーパ穴部の下端から下方に向かって直線的に円筒状に延びる拡径部と、該拡径部の下端から下方に向かって徐々に縮径する方向に傾斜する先端傾斜部と、を備えた構成で、
前記ノズル内には前記流量調整用弁部から前記ノズルの拡径部の中途位置まで挿入され
る丸軸状の自由ロッド部を有し、
前記整流部は、自由ロッド部の前記拡径部に挿入されるロッド挿入部分外周と拡径部内周との間の第1流路拡大部と、
前記自由ロッド部のロッド先端から吐出口までの拡径部と先端傾斜部で囲まれる第2流路拡大部の2段階に流路断面積が拡大され、
前記第1及び第2流路拡大部は、共に、流量調整弁部の小径穴部と自由ロッド部との間の流路断面積よりも2.5倍以上の流路断面積を有し、
前記充填液はパルプ質等の固形成分を含む液体であることを特徴とする。
1.前記流量調整弁部にて流路が閉じた状態で吐出口は弁体に遮られることなく開いており、吐出口開口径はφ15mm以下に設定されていること、が好ましい。
とすれば、流量調整弁部から噴出する充填液の液流は、ロッドに沿った液流に案内される。
図1及び図2は、本発明の実施の形態1に係る充填バルブを示している。この充填バブル1は、容器の口部の上方から充填液を吐出し、容器に非接触の状態で容器内に充填液を充填するものである。
ノズル10は、上下方向に直線状に延びる筒状体で、上端に導入口3が開口し、下端に吐出口5が開口している。
流量調整弁部30は、ノズル10の内周の中途部を絞った小径穴部11と、小径穴部11に上方から挿入される弁体部31と、弁体部31を駆動する駆動部20と、を備えている。
弁体部31は、段付き円柱形状で、大径穴部12に挿入される弁体大径部32と、弁体大径部32から段差部34を介して下方に延びて小径穴部11に挿入される弁体小径部33と、を備えている。弁体大径部32は、大径穴部12より小径で、かつ小径穴部11より大径となっており、弁体大径部32外周と大径穴部12内周面との間が環状の流路となっている。また、弁体小径部33は、小径穴部11より小径で、弁体小径部33と小径穴部11との間が狭い環状の流路となっている。段差部34は、下方に向かって徐々に小径となるように傾斜するテーパ形状となっており、段差部34の弁体小径部33側の付け根
に位置するテーパ状の弁頭部分34aが第1テ―パ穴部13の小径穴部11との角に位置する弁座部分13aに密接して閉弁するようになっている。
また、駆動プランジャ部21の内部には、上流側と下流側を連通する連通路25が設けられている。連通路25の上端は駆動プランジャ部21の上端に開口し、連通路25の下端は分岐して駆動プランジャ部21の下端傾斜部21bに開口し、弁体部31周囲の環状流路に連通している。
吐出口5は、この先端傾斜部16の先端に開口するもので、容器に向かって内周縁部が凸形状となっており、吐出口5周辺部がもっとも低くなる鋭角形状となっている。そのため、液滴が吐出口5周辺に集まる。
連結ロッド35は、弁体小径部32よりも小径の断面円形の丸軸で、ノズル10の中心軸線Nに沿って延びている。
副弁体部50は、流量調整弁部30が閉じた際に、吐出口5の内周口縁の弁座対応部51に当接せずに所定のクリアランスgを介して近接した位置に停止する構成となっている。このクリアランスgが開いた状態で、充填液の表面張力で吐出口5と副弁体部50とのクリアランスgからの液体の流出が阻止される。このクリアランスgは、0.5mm〜5mm程度とすることが好適である。
また、流量調整弁部30の小径穴部11中の断面積Sbは、小径穴部11(直径;tb)流路部分で、流路拡大部41(直径;ta)の断面積を流量調整弁部30の小径穴部11中の断面積Sbより大きくし、より好ましくは流路断面積Saを断面積Sbの2.5倍以上としたものである。Saは、内径taの管内断面積から、連結ロッド35がある場合はその分の断面積を差し引いた流路断面積である。また、Sbは、内径tbの管内断面積である。
また、この整流部50の流路拡大部41の直管部分の長さLを、流路拡大部41の内径taと同等長さ以上としておくことが好適である。
充填する際には、外部マグネット24を上昇させ、内部マグネット23を上方に向けて磁気吸引し、駆動プランジャ部21を上方に駆動することにより、これと一体の弁体部31及び副弁体部50を上方に移動させる。
これにより、流量調整弁部30において弁体小径部33の小径穴部11への挿入量が減少し、副弁体部50も吐出口5の口縁の弁座対応部51とのクリアランスが大きくなり、流量調整弁部30で調整された流量の充填液が吐出口5から吐出される。
この流量調整弁部30の微小クリアランスから、整流部40に流入した液流は、乱流状態で流入したとしても、断面積漸増部42から流路拡大部41に至る間に流速が低下し、乱流成分が十分小さくなった状態で流路拡大部41を通過する。流路拡大部41では円筒状に整流されて流れ、流路断面漸減部43にて副弁体部50の周囲を通過して吐出口5から円筒状の液柱として吐出される。
開弁時には、副弁体部50の周囲の流路断面積が、少なくとも吐出口5の流路断面積より大きくなる位置へストロークさせることで、液中の乱れを防止することができる。
このように、本発明によれば、吹きこぼれ等が生じることなく、容器に充填することができる。充填液がパルプ質や粉体等の固形物を含む液体であっても、特に、整流板等を用いる必要がないので、目詰まり等の問題もない。
このバルブ閉時に、副弁体部50は吐出口5の口縁の副弁座対応部51との間に僅かなクリアランス(g)で停止し、副弁体部50が弁座対応部51に衝突することはなく、液の飛び散りが防止される。
このときのクリアランス(g)は、3.5mm以下にしておけば、その表面張力によって液だれを確実に防止する効果がある。
表1は、上述のSaとSbとの比を変更した場合の充填試験の結果を示している。
充填液としては固形成分を含む果汁飲料(グレープフルーツジュース)であり、この果汁飲料を、500mlボトル(満中内容積525ml,ヘッドスペース25ml)に、約3.2秒かけて一定流量で充填したときの、泡立ちの傾向を調べた。
泡のボトル天面からの入れ目線位置から計測し、
体積によって以下の評価をした。
◎:10ml以下、○:15ml以下、
△:20ml以下、□:25ml以下、
×:25ml超(吹きこぼれ)
この表1の結果から、少なくとも流路拡大部の断面積をSbより大きくすれば吹きこぼれを防ぐことができ、SaがSbの2.5倍以上であれば、泡立ちを、15ml以下に抑えることができ、実用上申し分ない効果があった。さらに好ましくは、SaがSbの3.
8倍以上あると、泡立ちを10ml以下に抑えることができ、より好ましい結果となった。
次に、表2には、上述の副弁体部50と吐出口5の内周口縁とのクリアランスgと、液はね、液だれの関係の試験結果を示している。
試験方法は、次の通りである。
φ30の穴をあけた紙を準備する(事前に重量測定しておく)。
充填バルブ1の吐出口5から15mm離れたところに紙を配置する。
充填バルブ1にて、φ30穴を通して、水を吐出流速160ml/秒にて流下させる。
流量調整弁部30の弁体部31を閉じた後、紙を回収し、飛沫の有無を確認する。
飛沫のある紙は、重量を測定し、試験前後の重量増加にて飛沫量を算出する。
表2に示す結果から、副弁体部50のクリアランスgは、0.5mm以上であれば、液はねは小さく、3.5mm以下であれば、液だれが生じない。したがって、副弁体部50のクリアランスが、0.5mm以上でかつ3.5mm以下であれば、液はねが小さくしかも液だれが生じない、最適範囲と考えられる。
以下の説明では、主として実施の形態1と異なる点についてのみ説明するものとし、同一の構成部分については同一の符号を付して説明を省略するものとする。
この実施の形態2に係る充填バルブは、吐出口5を開閉するための副弁体部が無い構成で、流量調整弁部30の弁体部31から整流部40の流路拡大部41の中途位置まで延びる自由ロッド部36を有する構成である。
すなわち、流量調整弁部30にて流路が閉じた状態で吐出口5は開いており、吐出口5
は表面張力で液体の流出が阻止可能な大きさに設定されている。
この吐出口5の開口径の大きさは、水については、直径がφ15mm以下であれば、落下しないことが経験的に認められている。よって、本発明の目的とするパルプ質等の固形成分を含む果汁飲料のように粘稠性の高い液体についても吐出口開口径がφ15mm以下(吐出性の都合、好ましくはφ5mm以上)とする。
この実施例では、第1、第2流路拡大部41A、41Bの断面積は、共に、流量調整弁部30の小径穴部11中の断面積より大きく、好ましくは41A、41Bの流路断面積が共に流量調整弁部30の小径穴部11中の断面積の2.5倍以上に設定されている。
このように、本実施の形態2の充填バルブによっても、流量調整弁部30で乱れた液流れが、断面漸増部42を通じて流速が十分低下し、円筒状の第1、第2流路拡大部41A,41Bで整流することができ、吐出口5から吐出される充填液の液柱を、可及的に乱れを小さくした状態として充填することができる。
3 導入口
5 吐出口
10 ノズル
11 小径穴部、12 大径穴部、13 第1テーパ穴部、
14 第2テーパ穴部、15 拡径部、16 先端傾斜部
20 駆動部
21 駆動プランジャ部、21a 傾斜部、21b 下端傾斜部
22 摺動リング、23 内部マグネット、24 外部マグネット、25 連通路
30 流量調整弁部
31 弁体部、32 弁体大径部、33 弁体小径部、
34 段差部、35 連結ロッド
36 自由ロッド部
40 整流部
41 流路拡大部、42 流路断面漸増部、43 流路断面漸減部
50 副弁体部
51 弁座対応部、52 本体部、53 先端突出部、54 傾斜部
N 中心軸線
Sa 流路断面積
Sb 断面積
g クリアランス
10A ハウジング
10B シリンダ
10C 先端カバー部
Claims (3)
- 上下に延びるノズル内に、導入口から導入される充填液の流量を調整する流量調整弁部と、該流量調整弁部によって流量が調整された充填液の流れを整流する整流部が設けられ、前記整流部にて整流された充填液がノズル下端に開口する吐出口から吐出される充填バルブにおいて、
前記ノズル内の吐出口近傍に、軸方向に吐出口を開閉する方向に移動可能の副弁体部が設けられ、副弁体部は流量調整弁部の弁体部と丸軸状の連結ロッドを介して一体的に連結され、前記流量調整弁部が閉じた際に、前記副弁体部は吐出口の内周口縁に当接せずに所定のクリアランスを介して近接した位置に停止する構成で、
前記ノズル内周は、前記流量調整弁部下の小径穴部の下端から下方に向かって徐々に拡径する方向に傾斜する第2テーパ穴部と、第2テーパ穴部の下端から下方に向かって直線的に円筒状に延びる拡径部と、該拡径部の下端から下方に向かって徐々に縮径する方向に傾斜する先端傾斜部と、を備えた構成で、
前記整流部は、前記拡径部の内周を外径、連結ロッドの外周を内径とする円環状の流路拡大部と、流量調整弁部の流路から流路拡大部に向けて徐々に断面積が増大する流路断面漸増部と、流路拡大部の下端から副弁体部に向かう傾斜部に沿って徐々に断面が減少する流路断面漸減部とを備え、
前記流路拡大部は、前記流量調整弁部の小径穴部内周と連結ロッド外周間の流路断面積よりも2.5倍以上の流路断面積を有し、
前記副弁体部と吐出口の内周口縁との所定のクリアランスが0.5mm乃至3.5mmであり、
前記充填液はパルプ質等の固形成分を含む液体であることを特徴とする充填バルブ。 - 上下に延びるノズル内に、導入口から導入される充填液の流量を調整する流量調整弁部と、該流量調整弁部によって流量が調整された充填液の流れを整流する整流部が設けられ、前記整流部にて整流された充填液がノズル下端に開口する吐出口から吐出される充填バルブにおいて、
前記整流部は、前記ノズルの中心軸線方向に延びる空間であり、
前記ノズル内周は前記流量調整弁部の小径穴部の下端から下方に向かって徐々に拡径する方向に傾斜する第2テーパ穴部と、第2テーパ穴部の下端から下方に向かって直線的に円筒状に延びる拡径部と、該拡径部の下端から下方に向かって徐々に縮径する方向に傾斜する先端傾斜部と、を備えた構成で、
前記ノズル内には前記流量調整用弁部から前記ノズルの拡径部の中途位置まで挿入される丸軸状の自由ロッド部を有し、
前記整流部は、自由ロッド部の前記拡径部に挿入されるロッド挿入部分外周と拡径部内周との間の第1流路拡大部と、
前記自由ロッド部のロッド先端から吐出口までの拡径部と先端傾斜部で囲まれる第2流路拡大部の2段階に流路断面積が拡大され、
前記第1及び第2流路拡大部は、共に、流量調整弁部の小径穴部と自由ロッド部との間の流路断面積よりも2.5倍以上の流路断面積を有し、
前記充填液はパルプ質等の固形成分を含む液体であることを特徴とする充填バルブ。 - 前記流量調整弁部にて流路が閉じた状態で吐出口は弁体に遮られることなく開いており、吐出口開口径はφ15mm以下に設定されていることを特徴とする請求項2に記載の充填バルブ。
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