JP3749136B2 - 非腐食性フラックスろう付け用アルミニウム合金製ブレージングシート及びろう付け方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明はラジエータ及びヒータコア等の熱交換器用部材に好適な非腐食性フラックスろう付け用アルミニウム合金製ブレージングシートに関し、特に、ろう付け性を阻害することなく高強度化を図った非腐食性フラックスろう付け用アルミニウム合金製ブレージングシートに関する。
【0002】
【従来の技術】
ラジエータ用の板材を薄肉化する場合、強度を高める必要がある。しかし、ノコロック法によるろう付けにおいては、心材及びろう材に強度向上の効果が大きいMgが含有されていると、ろう付け性が低下するため、Mgの含有量が規制されている。このため、高強度化の障害となっている。
【0003】
そこで、強度及びろう付け性を共に向上させることを目的として、心材とろう材との間にMgの拡散を防止する拡散防止層を設けたブレージングシートが提案されている(特開平2−11291号公報及び特公平7−4662号公報)。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、近時、ラジエータ等に使用される材料のより一層の薄肉化及びこれに伴う高強度化の要請が高まっており、これらの公報に開示された従来のブレージングシートでは、十分な強度が得られないという問題点がある。
【0005】
本発明はかかる問題点に鑑みてなされたものであって、ろう付け性を維持しつつ強度をより一層向上させることができる非腐食性フラックスろう付け用アルミニウム合金製ブレージングシートを提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本発明に係る非腐食性フラックスろう付け用アルミニウム合金製ブレージングシートは、Mg:0.4乃至1.0質量%、Si:0.4乃至1.0質量%、Mn:0.3乃至1.0質量%及びCu:0.1乃至1.0質量%を含有し、残部がAl及び不純物である第1のアルミニウム合金層と、Si:0.3乃至1.3質量%、Cu:0.3乃至1.0質量%及びMn:0.3乃至1.5質量%を含有しMg含有量が0.2質量%以下に規制され残部がAl及び不純物であり厚さが50乃至100μmであり夫々前記第1のアルミニウム合金層の相異なる表面上に形成された第2及び第3のアルミニウム合金層と、前記第2のアルミニウム合金層の表面上に形成されAl−Si系合金、Al−Si系合金粉末又はSi粉末からなるろう材層と、を有することを特徴とする。
【0007】
本発明に係る他の非腐食性フラックスろう付け用アルミニウム合金製ブレージングシートは、Mg:0.8乃至1.5質量%、Zn:4.5乃至6.5質量%、Mn:0.3乃至1.0質量%及びCu:0.1乃至1.0質量%を含有し、残部がAl及び不純物である第1のアルミニウム合金層と、Si:0.3乃至1.3質量%、Cu:0.3乃至1.0質量%及びMn:0.3乃至1.5質量%を含有しMg含有量が0.2質量%以下に規制され残部がAl及び不純物であり厚さが50乃至100μmであり夫々前記第1のアルミニウム合金層の相異なる表面上に形成された第2及び第3のアルミニウム合金層と、前記第2のアルミニウム合金層の表面上に形成されAl−Si系合金、Al−Si系合金粉末又はSi粉末からなるろう材層と、を有することを特徴とする。
【0008】
本発明においては、第1乃至第3のアルミニウム合金層の組成並びに第2及び第3のアルミニウム合金層の厚さを適正な値に規定しているので、ろう付け性を維持しながら、強度がより一層向上する。
【0009】
なお、前記第1のアルミニウム合金層は、Cu:0.1乃至1.0質量%を含有することが好ましい。
【0010】
また、前記ろう材層は、Al−Si系合金からなるろう材を前記第2のアルミニウム合金層の表面上にクラッドすることにより、又はAl−Si系合金粉末若しくはSi粉末を前記第2のアルミニウム合金層の表面上に塗布することにより形成することができる。
【0011】
更に、本発明に係るろう付け方法は、前記請求項1又は2に記載の非腐食性フラックスろう付け用アルミニウム合金製ブレージングシートを使用して、ろう付け後の前記ろう材層と前記第2のアルミニウム合金層との界面及び前記第3のアルミニウム合金層の表面におけるMg濃度が0.2質量%以下となるようにろう付けすることを特徴とする。
【0012】
【発明の実施の形態】
本願発明者等が前記課題を解決すべく、鋭意実験研究を重ねた結果、図1に示すように、適切な組成の第1のアルミニウム合金層1の相異なる表面上に、夫々適切な組成の第2及び第3のアルミニウム合金層2、3を形成し、第2のアルミニウム合金層の表面上にSiを含有するろう材層4を形成することにより、ろう付け性を阻害することなく高強度化することができることを見出した。
【0013】
以下、本発明に係る非腐食性フラックスろう付け用アルミニウム合金製ブレージングシートについて、更に説明する。先ず、第1のアルミニウム合金層に含有される化学成分及び組成限定理由について説明する。
【0014】
第1のアルミニウム合金層は、Mg:0.4乃至1.0質量%、Si:0.4乃至1.0質量%及びMn:0.3乃至1.0質量%を含有するか、又はMg:0.8乃至1.5質量%、Zn:4.5乃至6.5質量%及びMn:0.3乃至1.0質量%を含有し、いずれの場合にも好ましくはCu:0.1乃至1.0質量%を含有している。
【0015】
Mg:0.4乃至1.0質量%又は0.8乃至1.5質量%
MgはSi又はZnと結合してMg2Si又はMgZn2を生成すると共に、ろう付け加熱によって第2及び第3のアルミニウム合金層中に拡散し、そこで第2及び第3のアルミニウム合金層に含有されているSiと結合してMg2Siを生成する。これらの結果、強度が向上する。
【0016】
第1のアルミニウム合金層にSiが含有される場合、Mg含有量が0.4質量%未満であると、強度の向上が不足する。一方、Mg含有量が1.0質量%を超えると、融点の低下に伴ってバーニングが発生する危険性がある。従って、第1のアルミニウム合金層にSiが含有される場合のMg含有量は0.4乃至1.0質量%とする。
【0017】
第1のアルミニウム合金層にZnが含有される場合、Mg含有量が0.8質量%未満であると、強度の向上が不足する。一方、Mg含有量が1.5質量%を超えると、融点の低下に伴ってバーニングが発生する危険性がある。従って、第1のアルミニウム合金層にZnが含有される場合のMg含有量は0.8乃至1.5質量%とする。
【0018】
Si:0.4乃至1.0質量%
SiはMgと結合してMg2Siを生成し、強度の向上に寄与する。Si含有量が0.4質量%未満であると、強度の向上が不足する。一方、Si含有量が1.0質量%を超えると、融点の低下に伴ってバーニングが発生する危険性がある。従って、第1のアルミニウム合金層のSi含有量は0.4乃至1.0質量%とする。
【0019】
Zn:4.5乃至6.5質量%
ZnはMgと結合してMgZn2を生成し、強度の向上に寄与する。Zn含有量が4.5質量%未満であると、強度の向上が不足する。一方、Zn含有量が6.5質量%を超えると、融点の低下に伴ってバーニングが発生する危険性がある。従って、第1のアルミニウム合金層のZn含有量は4.5乃至6.5質量%とする。
【0020】
Mn:0.3乃至1.0質量%
ブレージングシートでは、ろう付け後に結晶粒が粗大化し、これに伴って強度低下が低下することがあるが、Mnはこのような強度の低下を防止することができる。Mn含有量が0.3質量%未満であると、その効果が小さい。一方、Mn含有量が1.0質量%を超えると、Siとの間で金属間化合物を生成し、逆に強度を低下させる。従って、第1のアルミニウム合金層のMn含有量は0.3乃至1.0質量%とする。
【0021】
Cu:0.1乃至1.0質量%
Cuは強度の向上に寄与する。Cu含有量が0.1質量%未満であると、その効果は小さい。一方、Cu含有量が1.0質量%を超えると、融点の低下に伴ってバーニングが発生する危険性がある。従って、第1のアルミニウム合金層のCu含有量は0.1乃至1.0質量%であることが好ましい。
【0022】
次に、第2及び第3のアルミニウム合金層に含有される化学成分及び組成限定理由について説明する。第2及び第3のアルミニウム合金層は、第1のアルミニウム合金層の組成に拘わらず、Si:0.3乃至1.3質量%、Cu:0.3乃至1.0質量%及びMn:0.3乃至1.5質量%を含有し、且つMgの含有量が0.2質量%以下に規制されている。また、第2及び第3のアルミニウム合金層の厚さは50乃至100μmである。
【0023】
Si:0.3乃至1.3質量%
Siは第1のアルミニウム合金層から拡散してきたMgと結合してMgSi2を生成し、強度の向上に寄与する。Si含有量が0.3質量%未満であると、強度の向上が不足する。一方、Si含有量が1.3質量%を超えると、融点の低下に伴ってバーニングが発生する危険性がある。従って、第2及び第3のアルミニウム合金層のSi含有量は0.3乃至1.3質量%とする。
【0024】
Cu:0.3乃至1.0質量%
Cuは、前述のように強度の向上に寄与する。Cu含有量が0.3質量%未満であると、強度の向上が不足する。一方、Cu含有量が1.0質量%を超えると、融点の低下に伴ってバーニングが発生する危険性がある。従って、第2及び第3のアルミニウム合金層のCu含有量は0.3乃至1.0質量%とする。
【0025】
Mn:0.3乃至1.5質量%
Mnは強度の向上に寄与する。Mn含有量が0.3質量%未満であると、強度の向上が不足する。一方、Mn含有量が1.5質量%を超えると、粗大晶出物を生成して圧延加工性、プレス加工性及び耐食性を低下させる虞がある。従って、第2及び第3のアルミニウム合金層のMn含有量は0.3乃至1.5質量%とする。
【0026】
Mg:0.2質量%以下
Mgは強度の向上に寄与するが、ろう付け加熱時にブレージングシートの表面に存在していると、フラックスと反応してしまう。このため、ろう付け性が著しく低下し、特にMg含有量が0.2質量%を超えたときに顕著になる。従って、第2及び第3のアルミニウム合金層のMg含有量は0.2質量%以下に規制する。
【0027】
厚さ:50乃至100μm
第2及び第3のアルミニウム合金層の厚さが50μm未満であると、第1のアルミニウム合金層から第2及び第3のアルミニウム合金層中に拡散してきたMgが第2のアルミニウム合金層のろう材層との界面及び第3のアルミニウム合金層の表面に容易に到達してしまう。このため、フラックスの溶融温度(例えば560℃)において、前記界面及び表面におけるMg濃度が0.2質量%を超え、ろう付け性が低下する。一方、第2及び第3のアルミニウム合金層の厚さが100μmを超えると、強度の向上に大きく寄与する第1のアルミニウム合金層の相対的な厚さが小さくなるため、十分な強度が得られなくなる。従って、第2及び第3のアルミニウム合金層の厚さは50乃至100μmとする。
【0028】
なお、第2及び第3のアルミニウム合金層にCr、Zr及び/又はTiを添加してもよい。これらの元素の添加により、耐食性が向上する。但し、総添加量は0.3質量%以下であることが好ましい。
【0029】
また、第2及び第3のアルミニウム合金層にZn、In及び/又はSn等を添加してもよい。これらの元素の添加により、第2及び第3のアルミニウム合金層の腐食電位が低下するため、第1のアルミニウム合金層に対する犠牲防食層となる。この結果、耐食性が向上する。
【0030】
ろう付け層には、Siが含有されている。このようなろう付け層は、例えばAl−Si系合金からなるろう材を第2のアルミニウム合金層の表面上にクラッドする方法、又はAl−Si系合金粉末若しくはSi粉末を第2のアルミニウム合金層の表面上に塗布する方法により形成することができる。
【0031】
また、560℃の温度でのろう付け後のろう材層と第2のアルミニウム合金層との界面及び第3のアルミニウム合金層の表面におけるMg濃度は0.2質量%以下であることが好ましい。即ち、560℃の温度でのろう付けは、ろう付け後にろう材層と第2のアルミニウム合金層との界面及び第3のアルミニウム合金層の表面におけるMg濃度が0.2質量%以下となる条件の下で行うことが好ましい。ろう付け性を維持するためには、ろう付け後のろう材層と第2のアルミニウム合金層との界面及び第3のアルミニウム合金層の表面におけるMg濃度が低くなっていることが重要である。特に、非腐食性フラックスの溶融温度(例えば560℃)におけるMg濃度が低くなっていることが重要である。即ち、通常ろう付け加熱は600℃程度で行われるが、例えろう付け加熱後にMgが前記界面又は表面に到達していたとしても、フラックスの溶融温度においてMg濃度が低く、例えば0.2質量%以下となっていれば、フラックスとMgとの結合による化合物の生成量は極めて少なく、フラックスは適正に作用するため、ろう付け性が高く維持される。従って、前記界面及び表面におけるMg濃度は0.2質量%以下に規制することが好ましい。
【0032】
【実施例】
以下、本発明の実施例について、その特許請求の範囲から外れる比較例と比較して具体的に説明する。
【0033】
先ず、下記表1及び表2に示す化学組成を有する第1乃至第3のアルミニウム合金層を組み合わせて心材を形成し、これらにJIS 4045に規定されているろう材(皮材)をクラッドして下記表3及び表4に示すアルミニウム合金製ブレージングシートを作製した。なお、各ブレージングシートの総板厚は1.4mmとした。
【0034】
【表1】
【0035】
【表2】
【0036】
【表3】
【0037】
【表4】
【0038】
次いで、ろう付け後の強度及びろう付け性の評価を行った。図2はろう付け性の評価方法を示す図であって、(a)は上面図、(b)は(a)中のA−A線に沿った断面図である。
【0039】
ろう付け後の強度の評価では、先ず、各アルミニウム合金製ブレージングシートを酸素濃度が200ppm以下の雰囲気中で600℃の温度で5分間加熱し、その後7日間室温に放置した。その後、引張試験を行うことにより、引張強度を測定した。
【0040】
ろう付け性の評価では、図2に示すように、ブレージングシートから厚さが1.4mm、幅が20mm、長さが60mmの試験材11を切り出し、その上に、厚さが1.0mm、幅が15mm、長さが55mmの被接合材12を載置した。このとき、試験材11と被接合材12との間に直径が2mmのステンレス棒13を介在させた。また、一のブレージングシートに対し、試験材11のろう材層を上側にした場合の間隙充填長さ及び第3のアルミニウム合金層を上側にした場合の間隙充填長さの測定を行った。ここで、間隙充填長さとは、ステンレス棒13の介在により試験材11と被接合材12との間に形成された間隙が充填された長さを示す。被接合材12としては、ろう材層を上側にする場合には、JIS 3000系アルミニウム合金板を使用し、第3のアルミニウム合金層を上側にする場合には、JIS 3000系アルミニウム合金製の心材にJIS 4045に規定する皮材を、皮材の厚さが全板厚に対して10%となるようにクラッドしたブレージングシートを使用した。
【0041】
これらの評価の結果を下記表5乃至表7に示す。なお、ろう付け後の強度の評価では、引張強度が250N/mm2以上のものを◎、引張強度が200N/mm2以上250N/mm2未満のものを○、引張強度が150N/mm2以上200N/mm2未満のものを△、引張強度が150N/mm2未満のものを×と判定した。また、ろう付け性の評価では、間隙充填長さが32mm以上のものを○、間隙充填長さが32mm未満のものを×と判定した。
【0042】
【表5】
【0043】
【表6】
【0044】
【表7】
【0045】
表5乃至表7に示すように、実施例No.1乃至No.23においては、適当な組成の第1のアルミニウム合金層の両面に、夫々適切な組成及び厚さの第2及び第3のアルミニウム合金層が形成されているので、高い強度(200N/mm2以上)及び良好なろう付け性が得られた。
【0046】
一方、比較例No.24及びNo.33においては、第2及び第3のアルミニウム合金層のSi含有量が本発明範囲の下限未満であるので、ろう付け後の強度が低かった。
【0047】
比較例No.25及びNo.34においては、第2及び第3のアルミニウム合金層のCu含有量が本発明範囲の下限未満であるので、ろう付け後の強度が低かった。
【0048】
比較例No.26及びNo.35においては、第2及び第3のアルミニウム合金層のMn含有量が本発明範囲の下限未満であるので、ろう付け後の強度が低かった。
【0049】
比較例No.27及びNo.36においては、第2及び第3のアルミニウム合金層のMg含有量が本発明範囲の上限を超えているので、ろう付け性が低下した。
【0050】
比較例No.28においては、第1のアルミニウム合金層のSi含有量が本発明範囲(請求項1)の下限未満であるので、ろう付け後の強度が低かった。
【0051】
比較例No.29においては、第1のアルミニウム合金層のMn含有量が本発明範囲(請求項1)の下限未満であるので、ろう付け後の強度が低かった。
【0052】
比較例No.30においては、第1のアルミニウム合金層のMg含有量が本発明範囲(請求項1)の下限未満であるので、ろう付け後の強度が低かった。
【0053】
比較例No.37においては、第1のアルミニウム合金層のMg含有量が本発明範囲(請求項2)の下限未満であるので、ろう付け後の強度が低かった。
【0054】
比較例No.38においては、第1のアルミニウム合金層のZn含有量が本発明範囲(請求項2)の下限未満であるので、ろう付け後の強度が低かった。
【0055】
比較例No.31及びNo.39においては、第2及び第3のアルミニウム合金層の厚さが本発明範囲の下限未満であるので、十分なろう付け性が得られなかった。一方、比較例No.32及びNo.40においては、第2及び第3のアルミニウム合金層の厚さが本発明範囲の上限を超えているので、ろう付け後の強度が低かった。
【0056】
また、実施例No.3のブレージングシートを560℃に加熱し、その加熱時間を調整することにより、ろう材層と第2のアルミニウム合金層との界面及び第3のアルミニウム合金層の表面におけるMg濃度を変化させ、前述の方法によりろう付け性の評価を行ったところ、下記表8に示す結果が得られた。
【0057】
【表8】
【0058】
上記表8に示すように、ろう材層と第2のアルミニウム合金層との界面及び第3のアルミニウム合金層の表面におけるMg濃度が0.2質量%以下となる時間だけ加熱した場合には長い間隙充填長さ、即ち良好なろう付け性が得られたが、界面及び表面におけるMg濃度が0.2質量%を超える条件で加熱した場合にはろう付け性が低下した。
【0059】
【発明の効果】
以上詳述したように、本発明によれば、第1乃至第3のアルミニウム合金層の組成並びに第2及び第3のアルミニウム合金層の厚さを適正な値に規定しているので、ろう付け性の低下を防止しながら強度を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例に係るブレージングシートを示す断面図である。
【図2】はろう付け性の評価方法を示す図であって、(a)は上面図、(b)は(a)中のA−A線に沿った断面図である。
【符号の説明】
1;第1のアルミニウム合金層
2;第2のアルミニウム合金層
3;第3のアルミニウム合金層
4;ろう材層
11;試験材
12;被接合材
13;ステンレス棒
Claims (3)
- Mg:0.4乃至1.0質量%、Si:0.4乃至1.0質量%、Mn:0.3乃至1.0質量%及びCu:0.1乃至1.0質量%を含有し、残部がAl及び不純物である第1のアルミニウム合金層と、Si:0.3乃至1.3質量%、Cu:0.3乃至1.0質量%及びMn:0.3乃至1.5質量%を含有しMg含有量が0.2質量%以下に規制され残部がAl及び不純物であり厚さが50乃至100μmであり夫々前記第1のアルミニウム合金層の相異なる表面上に形成された第2及び第3のアルミニウム合金層と、前記第2のアルミニウム合金層の表面上に形成されAl−Si系合金、Al−Si系合金粉末又はSi粉末からなるろう材層と、を有することを特徴とする非腐食性フラックスろう付け用アルミニウム合金製ブレージングシート。
- Mg:0.8乃至1.5質量%、Zn:4.5乃至6.5質量%、Mn:0.3乃至1.0質量%及びCu:0.1乃至1.0質量%を含有し、残部がAl及び不純物である第1のアルミニウム合金層と、Si:0.3乃至1.3質量%、Cu:0.3乃至1.0質量%及びMn:0.3乃至1.5質量%を含有しMg含有量が0.2質量%以下に規制され残部がAl及び不純物であり厚さが50乃至100μmであり夫々前記第1のアルミニウム合金層の相異なる表面上に形成された第2及び第3のアルミニウム合金層と、前記第2のアルミニウム合金層の表面上に形成されAl−Si系合金、Al−Si系合金粉末又はSi粉末からなるろう材層と、を有することを特徴とする非腐食性フラックスろう付け用アルミニウム合金製ブレージングシート。
- 前記請求項1又は2に記載の非腐食性フラックスろう付け用アルミニウム合金製ブレージングシートを使用して、ろう付け後の前記ろう材層と前記第2のアルミニウム合金層との界面及び前記第3のアルミニウム合金層の表面におけるMg濃度が0.2質量%以下となるようにろう付けすることを特徴とするろう付け方法。
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