JP3748831B2 - 逆流防止装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、水道管から浴槽などへ給水を行う給湯機などの給水装置に備わる逆流防止装置に関する。さらに詳細には、逆流防止装置に備わる逆止弁が故障した場合でも、水道管へ雑水が逆流することを防止することができる逆流防止装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来から、浴槽などへの給水を行うための給湯機などの給水装置には、日本水道協会の基準により、浴槽などから水道管への雑水の逆流を防止するための逆流防止装置を設ける必要がある。そして、現在、逆流防止装置としては、図6に示すような、2つの逆止弁101,101を備えるダブル逆止弁方式の逆流防止装置100が主流となっている。この逆流防止装置100は、給水を行う給水電磁弁102と、給水量を計測する流量センサ103と、逆流を防止するための2つの逆止弁101,101とから構成されている。
【0003】
そして、給水を行う場合には、給水電磁弁102がONされる。これにより、給水電磁弁102が開き、逆流防止装置100内に水道管から水が流れ込む。このとき、流量センサ103により給水量が計測される。そして、逆流装置100内に流れ込んだ水の圧力により、2つの逆止弁101,101が順次開く。かくして、水道管からの水が浴槽などに供給される。
【0004】
ここで、例えば、断水などにより水道管が負圧になった場合などに、浴槽などから水道管への雑水の逆流が発生するおそれがある。このような場合、このダブル逆止弁方式の逆流防止装置100では、装置内に設けられた2つの逆止弁101,101の働きにより、浴槽などから水道管への雑水の逆流が防止されるようになっている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記したダブル逆止弁方式の逆流防止装置100では、逆止弁101のみで浴槽などから水道管への雑水の逆流を防止するようになっているので、逆止弁101が故障したとき、水道管内が負圧になった場合など装置上流(IN)側の圧力が装置下流(OUT)側の圧力よりも低くなった場合に、浴槽などから水道管へ雑水が逆流するという問題があった。この問題を解決するために給水電磁弁と逆止弁の間を大気開放するという対策があるが、この対策では大気を吸い込み装置下流(OUT)側の水位が変動してしまうという問題があった。
【0006】
そこで、本発明は上記した問題点を解決するためになされたものであり、逆止弁が故障した場合でも、装置下流側から装置上流側への逆流を防止することができるとともに、装置下流側の水位を保つことができる逆流防止装置を提供することを課題とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】
上記問題点を解決するためになされた本発明に係る逆流防止装置は、水道管からの水を供給するための給水電磁弁と、水道管への逆流を防止するための逆止弁とを備える逆流防止装置において、給水電磁弁の出力ポートと逆止弁の入力ポートとを連通させる弁室と、弁室に連通する大気開放された排水路と、弁室内に配設された弁体と、弁体が当接または離間する第1弁座および第2弁座と、弁体を第1弁座に当接させる方向に付勢する付勢バネとを備える排水電磁弁を有し、排水電磁弁がONされると、弁体が第1弁座から離間して第2弁座に当接し、給水電磁弁の出力ポートと逆止弁の入力ポートとが連通し、排水電磁弁がOFFされると、弁体が第2弁座から離間して第1弁座に当接し、給水電磁弁の出力ポートと排水路とが連通することを特徴するものである。
【0008】
この逆流防止装置では、給水時には給水電磁弁、排水電磁弁がともにONされている。このため、排水電磁弁では、弁体が第1弁座から離間して第2弁座に当接するので、給水電磁弁の出力ポートと逆止弁の入力ポートとが連通している。これにより、水道管からの水が装置下流側へ供給される。
【0009】
そして、水道管が断水により負圧になった場合など装置上流側の圧力が装置下流側の圧力よりも低くなったとき、排水電磁弁はOFFされているので、排水電磁弁の弁体が第2弁座から離間して第1弁座に当接し、給水電磁弁の出力ポートと排水路とが連通する。このため、水道管には一端が大気開放された排水路から大気が吸い込まれる。したがって、たとえ逆止弁が故障したとしても、装置下流側から装置上流側への逆流が防止される。また、このとき、装置下流側は排水電磁弁により閉鎖されているので、水道管に大気が吸い込まれても、装置下流側の水位は変動しない。
【0010】
ここで、逆止弁が故障した場合、排水電磁弁の弁体には装置下流側の圧力(水頭圧)が加わり、不勢バネのバネ荷重が小さいと弁体が第1弁座から離間していまい、装置下流側から雑水が逆流してくる。しかしながら、逆流してきた雑水は、排水路から排水されるので、装置上流側へ逆流することはない。したがって、本発明に係る逆流防止装置においては、付勢バネは、排水電磁弁がOFFされたときに、排水路から逆止弁の入力ポートに大気が吸い込まれないように弁体を第1弁座に当接させるだけの付勢力があればよい。このように付勢力が小さいバネを使用することができるので、排水電磁弁を小さくすることができる。
【0011】
また、本発明に係る逆流防止装置においては、水道管から給水を行うときには、排水電磁弁がONされた後に給水電磁弁がONされ、水道管からの給水を停止するときには、給水電磁弁がOFFされた後に排水電磁弁がOFFされることが望ましい。
【0012】
給水電磁弁と排水電磁弁を同時にON,OFFさせると、ON,OFF時に排水路から水が流れ出てしまうが、このように給水電磁弁と排水電磁弁のON,OFFのタイミングをずらすことにより、排水路から流れ出る水をほとんど無くすことができる。また、給水電磁弁と排水電磁弁のONのタイミングをこのようにずらすことにより、排水電磁弁の弁体に圧力がかかっていない状態で、弁体を第1弁座から離間させることができるので、排水電磁弁を小さくすることができる。
【0013】
さらに、本発明に係る逆流防止装置においては、給水電磁弁と排水電磁弁との間に設けられ、給水量を計測する流量センサを備え、給水電磁弁がONされた後に流量センサが検出する給水量が所定量より少ない場合には、排水電磁弁がOFFされることが望ましい。こうすることにより、装置上流側が負圧になった場合には、必ず給水電磁弁の出力ポートと排水路とが連通して、水道管に排水路から大気が吸い込まれるので、水道管への雑水の逆流を防止することができるからである。
【0014】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の逆流防止装置を具体化した最も好適な実施の形態について図面に基づいて詳細に説明する。そこで、本実施の形態に係る逆流防止装置の概略構成を図1に示す。図1は、逆流防止装置10を示す断面図である。この逆流防止装置10は、給水電磁弁20と、流量センサ30と、排水電磁弁40と、逆止弁60とを備えており、OUT(装置下流)側からIN(装置上流)側への逆流を防止するものである。そして、IN側が図示しない水道管に接続され、OUT側が図示しない浴槽に接続されている。
【0015】
給水電磁弁20は、逆流防止装置10のIN側に接続される水道管からの水を装置内、さらにはOUT側に接続される浴槽へ供給するためのものである。この給水電磁弁20の上部は、ソレノイド部21により構成されている。このソレノイド部21は、磁気枠22、中空状のコイルボビン23aに銅線が巻かれたコイル23と、コイルボビン23aの中空の両端に嵌入され固定された磁性チューブ24と、磁性チューブ24の筒内に挿入された中空状のガイドスリーブ25と、ガイドスリーブ25の中空内に摺動可能に嵌合された可動鉄心26とで構成されている。
【0016】
そして、可動鉄心26の下端は、ダイヤフラム弁体27に連結されている。ダイヤフラム弁体27の下部外周には、ゴム製のダイヤフラム部27aが固設されている。このダイヤフラム弁体27は、可動鉄心26の上端部に設けられた付勢バネ33により、弁座28に当接される方向に常に付勢されるようになっている。したがって、ソレノイド部21に通電していないときには、図1に示すように、ダイヤフラム弁体27は、弁座28に当接している。また、ダイヤフラム弁体27には、連通路31が穿設されている。連通路31は、入水ポート38とダイヤフラム室29とを連通している。
【0017】
また、弁座28に連通して入水ポート38が形成されている。そして、弁座28の中央に形成された出力ポート32は、排水電磁弁40の入力ポート51に連通している。この出力ポート32の途中に、流量センサ30が設けられている。この流量センサ30は、出力ポート32を流れる水の量、すなわち給水量を計測するものである。
【0018】
排水電磁弁40は、逆流防止装置10のOUT側から逆流した水を排出するとともに、給水電磁弁20により逆流防止装置10内に供給された水を、逆流防止装置10のOUT側に接続される浴槽へ供給するためのものである。この排水電磁弁40の右部は、給水電磁弁20と同様にソレノイド部41により構成されている。このソレノイド部41は、磁気枠42、中空状のコイルボビン43aに銅線が巻かれたコイル43と、コイルボビン43aの中空の両端に嵌入され固定された磁性チューブ44と、磁性チューブ44の筒内に挿入された中空状のガイドスリーブ45と、ガイドスリーブ45の中空内に摺動可能に嵌合された可動鉄心46とで構成されている。そして、可動鉄心46の左端は、円盤形状の弁体47に連結されている。弁体47の左側外周と右側外周には、それぞれゴム製の弁シート47aと47bとが固設されている。
【0019】
一方、排水電磁弁40の左部には、出力ポート32と連通する入力ポート51と、逆止弁60の入力ポート66と連通する出力ポート52とが形成されている。そして、これら入力ポート51と出力ポート52とは、ともに弁室49に連通している。また、弁室49と出力ポート52との連通部分には第1弁座54が形成されている。さらに、弁室49には、一端が大気開放された排水路53が連通し、弁室49と排水路53との連通部分に第2弁座55が形成されている。これらの第1弁座54と第2弁座55とは互いに対向するように形成されている。そして、上記した弁体47は、弁室49内に配設され、可動鉄心46の右端部に設けられた付勢バネ48により、第1弁座54に当接される方向に常に付勢されるようになっている。したがって、ソレノイド部41へ通電されていないときは、給水電磁弁20の出力ポート32と排水路53とが連通している。
【0020】
ここで、付勢バネ48の付勢力は、排水電磁弁40のソレノイド部41への通電が行われていないときに、排水路53から出力ポート52に大気が吸い込まれないように弁体47の弁シート47aを第1弁座54に当接させられるように設定されている。
【0021】
逆止弁60は、OUT側からの雑水の逆流を防止するためのものである。この逆止弁60は、ケーシングに形成された弁座65と、弁座65に当接または離間する弁体61と、弁体61を弁座65に当接させる方向に付勢する付勢バネ69とから構成されている。そして、弁体61の弁座65に対する当接部にはゴム製の弁シート62が固設されている。また、弁体61には、自身の弁座65に対する移動を案内するために、入力ポート66に沿って摺動可能な複数の中央リブ63と、ケーシングに対する弁体61の移動を案内するためにケーシングに沿って摺動可能な複数の外周リブ64とが形成されている。
【0022】
そして、逆止弁60は、入力ポート66から弁体61に水圧が作用したとき、スプリング69の付勢力に抗して弁体61を弁座65から引き離し、水の通過をを許容するようになっている。一方、出力ポート67から水圧が作用したときには、スプリング4の付勢力及び水圧に基づいて弁体61を弁座65に押し付けて出力ポート67からの逆流を防止するようになっている。これにより、出水ポート67からの雑水の逆流が逆止弁60により防止されるようになっている。
【0023】
次に、上記のような構成を有する逆流防止装置10の動作について説明する。まず、逆流防止装置10の非給水状態について図1を参照しつつ説明する。このとき、給水電磁弁20のソレノイド部21には通電されておらず、可動鉄心26は、付勢バネ33により下方向に付勢されており、ダイヤフラム弁体27が弁座28に当接している。また、排水電磁弁40のソレノイド部41にも通電されておらず、可動鉄心46は、付勢バネ48により左方向に付勢されており、弁体47が第1弁座54に当接している。このため、入力ポート51と排水路53とが連通する一方、出力ポート52は閉鎖されている。
【0024】
続いて、通常運転時、つまり給水時における逆流防止装置10の動作について、図2を参照しつつ説明する。給水開始時には、まず、排水電磁弁40のソレノイド部41への通電が開始される。そうすると、可動鉄心46が磁性チューブ44に吸引される。この吸引力は、付勢バネ48の付勢力よりも大きいので、弁体47の弁シート47aが第1弁座54から離間し、弁シート47bが第2弁座55に当接する。これにより、排水電磁弁40の入力ポート51と出力ポート52とが連通し、排水路53が閉鎖される。
【0025】
そして、排水電磁弁40のソレノイド部41への通電開始から若干遅れて、給水電磁弁20のソレノイド部21への通電が開始される。そうすると、可動鉄心26が磁性チューブ24に吸引される。この吸引力は、付勢バネ33の付勢力よりも大きいので、ダイヤフラム弁体27が弁座28から離間する。これにより、入水ポート38と出力ポート32とが連通し、逆流防止装置10内に水が流入する。
【0026】
このように給水電磁弁20のソレノイド部21への通電開始タイミングを、排水電磁弁40のソレノイド部41への通電開始タイミングよりも若干遅くすることにより、弁体47に水圧がかかっていない状態で、弁体47を第1弁座54から離間させて、第2弁座55に当接させることができる。これにより、可動鉄心46を吸引する力を小さくすることができるので、ソレノイド部41を小さくすることができる。また、給水開始時に浴槽へ供給する水が排水路53から排出されない。
【0027】
このとき、排水電磁弁40の入力ポート51と出力ポート52とが連通しているので、逆流防止装置10内に流入した水は、流量センサ30を通過し、排水電磁弁40の入力ポート51、弁室49、および出力ポート52を経て、逆止弁60へと流れ込む。このため、逆止弁60の入力ポート66から弁体61に水圧が作用する。この水圧により、弁体61がスプリング69の付勢力に抗して弁座65から離間する。その結果、逆止弁60へ流れ込んだ水は、逆止弁60を通過して出力ポート67を経て出水ポート68から浴槽へと供給される。そして、逆流防止装置10は、給水中は図2に示す状態になっており、流量センサ30により給水量が計測されている。
【0028】
そして、この流量センサ30が所定値以下の流量しか検出しない場合には、電磁排水弁40のソレノイド部41への通電が停止される。これにより、水道管が負圧になった場合には、必ず給水電磁弁20の出力ポート32と排水路53とが連通して、水道管に排水路53から大気が吸い込まれるので、水道管への逆流が防止される。なお、水を浴槽へ供給しているときは、水道管内の圧力の方が浴槽に蓄えられる水の水圧より高いので、浴槽内の水が水道管に逆流することはない。
【0029】
その後、給水を止めると、逆流防止装置10は、次に述べるようにして再び図1に示す状態に戻る。まず、給水電磁弁20のソレノイド部21への通電が停止される。その結果、磁性チューブ24の可動鉄心26に対する吸引力が消滅する。そのため、可動鉄心26は、付勢バネ33の付勢力により下方へ付勢されて、ダイヤフラム弁体27が弁座28に当接する。これにより、入水ポート38が閉鎖され、逆流防止装置10内への水の流入が止まる。
【0030】
また、給水電磁弁20のソレノイド部21への通電が停止された若干後に、排水電磁弁40のソレノイド部41への通電も停止される。その結果、磁性チューブ44の可動鉄心46に対する吸引力が消滅する。そのため、可動鉄心46は、付勢バネ48の付勢力よりにより左方へ付勢され、弁体47の弁シート47bが第2弁座55から離間し、弁シート47aが第1弁座54に当接する。これにより、出力ポート52が閉鎖され、入力ポート51と排水路53とが連通する。
【0031】
このように給水電磁弁20のソレノイド部21への通電の停止タイミングを、排水電磁弁40のソレノイド部41への通電の停止タイミングよりも若干早めることにより、給水電磁弁20の出力ポート32内および排水電磁弁40の入力ポート51内に水が残留し難くすることができる。
【0032】
次に、断水により逆流防止装置10のIN側が負圧になった場合における逆流防止装置10の動作について説明する。なお、図3は、IN側が負圧になった場合における逆流防止装置10の状態を示す図である。
【0033】
断水により入水ポート38が負圧になると、ダイヤフラム室29も負圧になる。連通路31により、ダイヤフラム室29は入水ポート38に連通しているからである。このため、給水電磁弁20のダイヤフラム弁28が上方に持ち上げられ、弁座28から離間してしまう。しかしながら、水道管と一端が大気開放された排水路53とが連通しているので、負圧になった水道管内に排水路53から大気が吸い込まれる。また、排水電磁弁40の出力ポート52が閉鎖されている。これらにより、たとえ逆止弁60が故障したとしても、浴槽から水道管への雑水の逆流が確実に防止される。
【0034】
さらに、逆止弁60と排水電磁弁40がともに故障した場合における逆流防止装置10の動作について図4を参照しつつ説明する。なお、図4は、逆止弁60と排水電磁弁40がともに故障した場合における逆流防止装置10の状態を示す図である。この場合、逆止弁60まで雑水が逆流してくると、雑水は逆止弁60を通過して排水電磁弁40の出力ポート52へと逆流する。
【0035】
ここで、付勢バネ48の付勢力が浴槽の水頭圧よりも大きい場合には、弁体47が第1弁座54から離間しないので、雑水の逆流はここで終わる。すなわち、雑水は水道管へ逆流することはない。
【0036】
しかしながら、本実施の形態では、付勢力の小さい付勢バネ48を使用しているため、雑水が逆止弁60を通過して排水電磁弁40の出力ポート52へと逆流したときに、弁体47が第1弁座54から離間してしまう可能性がある。ところが、弁体47が第1弁座54から離間したとしても、逆流してきた雑水は、入力ポート51へ逆流せずに排水路53から排水される。したがって、雑水が水道管へ逆流することはない。このように本実施の形態に係る逆流防止装置10では、逆止弁60および排水電磁弁40が故障した場合であっても、浴槽から水道管への雑水の逆流が確実に防止される。
【0037】
以上、詳細に説明したように実施の形態に係る逆流防止装置10によれば、給水電磁弁20の出力ポート32と逆止弁60の入力ポート66とを連通させる弁室49と、弁室49に連通する大気開放された排水路53と、弁室49内に配設された弁体47と、その弁体47が当接または離間する第1弁座54および第2弁座55と、弁体47を第1弁座54に当接させる方向に付勢する付勢バネ48とを備える排水電磁弁40を設け、排水電磁弁40のソレノイド部41に通電されているときは、弁体47が第1弁座54から離間して第2弁座55に当接し、給水電磁弁20の出力ポート32と逆止弁60の入力ポート66とが連通し、排水電磁弁40のソレノイド部41に通電されていないときは、弁体47が第2弁座55から離間して第1弁座54に当接し、給水電磁弁20の出力ポート32と排水路53とが連通する。
【0038】
このため、水道管が断水により負圧になった場合など装置上流側の圧力が装置下流側の圧力よりも低くなったとき、排水電磁弁40のソレノイド部41には通電されていないので、排水電磁弁40の弁体47が第2弁座55から離間して第1弁座54に当接し、給水電磁弁20の出力ポート32と排水路53とが連通する。これにより、水道管には排水路53から大気が吸い込まれる。したがって、たとえ逆止弁60が故障したとしても、OUT(装置下流)側からIN(装置上流)側への逆流が防止される。また、このとき、OUT側は排水電磁弁40により閉鎖されているので、水道管に大気が吸い込まれても、OUT側の水位は変動しない。
【0039】
また、本発明に係る逆流防止装置10では、水道管から給水を行うときには、排水電磁弁40のソレノイド部41に通電された後に給水電磁弁20のソレノイド部21に通電される。また、水道管からの給水を停止するときには、給水電磁弁20のソレノイド部21への通電が停止された後に排水電磁弁40のソレノイド部41への通電が停止される。
【0040】
このため、給水時開始時に排水路53から流れ出る水をほとんど無くすことができるとともに、給水停止時に給水電磁弁20の出力ポート32内および排水電磁弁40の入力ポート51内に残留する水を減らすことができる。
【0041】
なお、上記した実施の形態は単なる例示にすぎず、本発明を何ら限定するものではなく、その要旨を逸脱しない範囲内で種々の改良、変形が可能であることはもちろんである。例えば、上記した実施の形態では、逆止弁60を1つだけ設けているが、図5に示すように、従来の逆流防止装置と同様に、逆止弁60を2つ設けてもよい。
【0042】
【発明の効果】
以上説明した通り本発明に係る逆流防止装置によれば、給水電磁弁の出力ポートと逆止弁の入力ポートとを連通させる弁室と、弁室に連通する大気開放された排水路と、弁室内に配設された弁体と、弁体が当接または離間する第1弁座および第2弁座と、弁体を第1弁座に当接させる方向に付勢する付勢バネとを備える排水電磁弁を有し、排水電磁弁がONされると、弁体が第1弁座から離間して第2弁座に当接し、給水電磁弁の出力ポートと逆止弁の入力ポートとが連通し、排水電磁弁がOFFされると、弁体が第2弁座から離間して第1弁座に当接し、給水電磁弁の出力ポートと排水路とが連通する。そして、水道管が断水により負圧になった場合など装置上流側の圧力が装置下流側の圧力よりも低くなったとき、排水電磁弁はOFFされているので、排水電磁弁の弁体が第2弁座から離間して第1弁座に当接し、給水電磁弁の出力ポートと排水路とが連通する。このため、水道管には一端が大気開放された排水路から大気が吸い込まれる。したがって、たとえ逆止弁が故障したとしても、装置下流側から装置上流側への逆流が防止される。また、このとき、装置下流側は排水電磁弁により閉鎖されているので、水道管に大気が吸い込まれても、装置下流側の水位は変動しない。
【図面の簡単な説明】
【図1】 実施の形態に係る逆流防止装置の概略構成を示す断面図である。
【図2】 給水時における逆流防止装置の状態を示す図である。
【図3】 IN側が負圧になった場合における逆流防止装置の状態を示す図である。
【図4】 逆止弁と排水電磁弁がともに故障した場合における逆流防止装置の状態を示す図である。
【図5】 逆止弁を2つ設けた逆流防止装置の断面図である。
【図6】 従来の逆流防止装置の概略構成を示す断面図である。
【符号の説明】
10 逆流防止装置
20 給水電磁弁
32 出力ポート(電磁給水弁)
38 入水ポート
40 排水電磁弁
41 ソレノイド部
47 弁体
48 付勢バネ
49 弁室
51 入力ポート(電磁排水弁)
52 出力ポート(電磁排水弁)
53 排水路
54 第1弁座
55 第2弁座
60 逆止弁
66 入力ポート(逆止弁)
68 出水ポート
Claims (4)
- 水道管からの水を供給するための給水電磁弁と、水道管への逆流を防止するための逆止弁とを備える逆流防止装置において、
前記給水電磁弁の出力ポートと前記逆止弁の入力ポートとを連通させる弁室と、前記弁室に連通する大気開放された排水路と、前記弁室内に配設された弁体と、前記弁体が当接または離間する第1弁座および第2弁座と、前記弁体を前記第1弁座に当接させる方向に付勢する付勢バネとを備える排水電磁弁を有し、
前記排水電磁弁がONされると、前記弁体が前記第1弁座から離間して前記第2弁座に当接し、前記給水電磁弁の出力ポートと前記逆止弁の入力ポートとが連通し、
前記排水電磁弁がOFFされると、前記弁体が前記第2弁座から離間して前記第1弁座に当接し、前記給水電磁弁の出力ポートと前記排水路とが連通することを特徴する逆流防止装置。 - 請求項1に記載する逆流防止装置において、
前記付勢バネは、前記排水電磁弁がOFFされたときに、前記排水路から前記逆止弁の入力ポートに大気が吸い込まれないように前記弁体を前記第1弁座に当接させるだけの付勢力を有することを特徴する逆流防止装置。 - 請求項1または請求項2に記載する逆流防止装置において、
水道管から給水を行うときには、前記排水電磁弁がONされた後に前記給水電磁弁がONされ、
水道管からの給水を停止するときには、前記給水電磁弁がOFFされた後に前記排水電磁弁がOFFされることを特徴する逆流防止装置。 - 請求項1から請求項3に記載するいずれか1つの逆流防止装置において、
前記給水電磁弁と前記排水電磁弁との間に設けられ、給水量を計測する流量センサを備え、
前記給水電磁弁がONされた後に前記流量センサが検出する給水量が所定量より少ない場合には、前記排水電磁弁がOFFされることを特徴する逆流防止装置。
Priority Applications (1)
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---|---|---|---|
JP2002106365A JP3748831B2 (ja) | 2002-04-09 | 2002-04-09 | 逆流防止装置 |
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