JP3748368B2 - 携帯通信端末の個人登録情報のバックアップサービス提供方法 - Google Patents

携帯通信端末の個人登録情報のバックアップサービス提供方法 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、携帯通信端末を紛失したり盗難にあった場合に、携帯通信端末に記憶されている個人登録情報の不正使用の防止、個人登録情報復元に必要な手間の低減を可能とするバックアップサービスの提供方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
近年インターネットへの接続機能を有する携帯電話や携帯電話に接続する端末等の携帯通信端末が普及し始めている。例えば、パケット送受信機能を用いてインターネット接続機能を実現しているiモードと呼ばれる携帯電話向けサービスは、開始1年近くで600万人もの利用者を獲得した。また、iモードの普及に伴い、初めて利用する情報処理装置が携帯電話であるという利用者が、多数存在するようになった。一方、携帯電話の利用者の増加に伴い、携帯電話の置き忘れや盗難などの事故も増加し始めている。
【0003】
情報処理能力を有する携帯電話は、従来のように電話番号やスケジュールを本体のメモリに記録しているのみならず、電子メールのアドレス、メールの文章そのもの、特定のWebページを示すURLなどを本体の記録手段に格納している。メールは私信に用いられる場合が多いため、個人のプライバシーにかかわるものも多いと推測される。また、登録されているURLを調べることにより、持ち主がどのようなコンテンツに興味があるかを知ることも可能である。
【0004】
このように、電子メールアドレス、電話番号、住所録、メール、URLなどの情報を調べることで、個人のプライバシーにかかわる情報の取得が可能となり、それゆえ利用者が携帯電話を紛失、あるいは盗難された場合には、他人への個人のプライバシーの漏洩、取得者による不正通話、有料コンテンツへのアクセス、などの懸念が生じる。また、携帯電話に登録するデータが以前と比較して増加したため、紛失あるいは盗難したために新たに携帯電話を取得した場合に、携帯電話に登録していた個人登録情報を、新たな端末に再入力することは、非常に困難な作業となった。
【0005】
現在、不正通話や、有料コンテンツへのアクセスは、利用者からのキャリアへの届け出により、キャリアが基地局側で特定端末からのアクセスを無効にすることで対処可能である。一方、携帯電話に記録されている個人登録情報へのアクセスを防ぐことと、日常の使いやすさとの両立は困難である。例えば、特開平8−314805号公報では、パスワード入力が失敗した場合には、サーバに携帯電話に記録されているデータを送信することで、個人データの保護の提案を行っているが、日常使用において、通話、メール、Webデータへのアクセス、スケジュール参照するために、利用者がパスワードを入力することは実現困難で、現実では使用されないことが予想される。
【0006】
また、個人登録情報の再入力の手間を削減するために、携帯電話とパソコンを接続して、携帯電話に記録されている個人登録情報を、パソコンに保存する方法も考案されている。利用者は、携帯電話とパソコンをRS−232Cケーブルなどで接続し、パソコン上のデータ管理用のアプリケーションを起動する。アプリケーションは、予め決められた命令を携帯電話に送信することで、携帯電話の記録手段のデータを取得する。
【0007】
この時、携帯電話のメモリの内容(バイナリデータそのもの)をそのまま保存すると、機種を変更した場合など、データの再利用は不可能となる。そのため、携帯電話の記録フォーマットの知識に基づき、内容を解析して、電話番号やスケジュールなどのデータにどのような種別のデータであるかを示す識別子を対応付けてパソコンに保存する。反対に、携帯電話にデータを戻す場合には、携帯電話の記録フォーマットの知識に基づき、バイナリデータを作成し、保存命令と共に携帯電話に送信する。あるいは、個々のデータ取得するためのプロトコルを決められている場合は、該プロトコルに従って、携帯電話からのデータの取得や携帯電話へのデータの保存は実現可能である。ただし、このような方法は、携帯電話のほかにパソコンを所持する必要があり、所持していない場合は、利用者にさらなる設備購入を要求することになる。パソコンと専用アプリケーションを所有していない場合は、新たな端末への個人登録情報の登録に多大な労力を必要としていた。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
このように従来では、携帯電話等の個人登録情報を記憶する携帯通信端末を紛失したり、盗難された場合、日常の使いやすさを確保しつつ、携帯通信端末に記憶されている個人登録情報のバックアップが容易に行えないという問題点があった。
【0009】
そこで、本発明は、携帯通信端末の日常の使いやすさを阻害せず、携帯通信端末の紛失、盗難時においても、携帯通信端末に記憶された個人登録情報のバックアップが容易に行えるバックアップサービス提供方法を提供することを目的とする。また、新規端末への同じ個人登録情報の登録が容易に行えるバックアップサービス提供方法を提供することを目的とする。特に、携帯通信端末が通信圏外にいる場合や、個人登録情報のデータ量が大きい場合、連続して通信することが困難な場合にも有効なバックアップサービスを提供することを目的とする。さらに、紛失・盗難された携帯通信端末に記憶された個人登録情報の不正使用を防止して、個人登録情報の保護を実現可能にしたバックアップサービスを提供することを目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】
本発明の携帯通信端末の個人登録情報のバックアップサービス提供方法は、前記携帯通信端末のユーザから前記個人登録情報のバックアップサービスの要請を受けたサービス提供元は、予め登録された前記ユーザの携帯通信端末に関する情報を基に該携帯通信端末に対し前記個人登録情報の送信を要求し、前記サービス提供元からの送信要求を受けた前記携帯通信端末は前記サービス提供元との間に通信路を確保して前記個人登録情報を送信し、前記サービス提供元は前記通信路を介して受信した前記個人登録情報を保存することを特徴とする。
【0011】
本発明によれば、携帯通信端末の日常の使いやすさを阻害せず、携帯通信端末の紛失、盗難時においても、携帯通信端末に記憶された個人登録情報のバックアップを容易に行える。
【0012】
好ましくは、前記携帯通信端末は、前記個人登録情報の送信が中断した後に送信を再開する際に、中断時までの送信履歴に基づき未送信の個人登録情報を送信し、あるいは、前記サービス提供元は、前記個人登録情報の送信が中断した後に送信を再開する際に、中断時までの受信履歴に基づき前記携帯通信端末に未受信の個人登録情報を送信させることにより、特に、携帯通信端末が通信圏外にいる場合や、個人登録情報のデータ量が大きい場合、連続して通信することが困難な場合にも有効である。
【0013】
前記サービス提供元は、前記バックアップサービスを要請したユーザが前記バックアップサービス適用対象者であるとき、前記ユーザの携帯通信端末に対し前記個人登録情報の送信を要求することにより、バックアップサービスの有料化を実現できる。
【0014】
前記サービス提供元が前記携帯通信端末の全ての前記個人登録情報を保存したとき、該携帯通信端末から該個人登録情報を消去させることにより、個人登録情報の保護を実現できる。
【0015】
前記サービス提供元が前記携帯通信端末に対し前記個人登録情報の送信を要求する際、該携帯通信端末の機能を制限する(例えば、通話、インターネット接続のための発信操作を無効にする)ことにより、該携帯通信端末やその個人登録情報の不正使用を防止できる。
【0016】
前記ユーザから所定の要請を受けた前記サービス提供元は、予め登録された前記ユーザの携帯通信端末に関する情報を基に該携帯通信端末に対し所定の信号を送信し、この所定の信号を受信した前記携帯通信端末は、前記サービス提供元との間に通信路を確保し、前記サービス提供元から送信された前記個人登録情報を受信して保存することにより、携帯通信端末の日常の使いやすさを阻害せず、携帯通信端末の紛失、盗難時においても、携帯通信端末に記憶された個人登録情報のバックアップと、新規端末への同じ個人登録情報の登録が容易に行える。
【0017】
好ましくは、前記携帯通信端末は、前記個人登録情報の受信が中断した後に受信を再開する際に、中断時までの受信履歴に基づき未受信の個人登録情報の送信を前記サービス提供元に要求することにより、特に、携帯通信端末が通信圏外にいる場合や、個人登録情報のデータ量が大きい場合、連続して通信することが困難な場合にも有効である。
【0018】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施形態について図面を参照して説明する。
【0019】
図1は本実施形態に係るバックアップサービスを提供するためのシステムの全体の構成例を示したもので、バックアップサービスを提供するプロバイダ(ここでは、説明の簡単のために通信サービスを提供する事業者(キャリア)とする)により運営されるサーバ10と、複数(例えば、ここでは3つ)の基地局2a、2b、2c(以下、これらをまとめて基地局2と呼ぶ)が所定のネットワークを介して互いに通信可能なように接続され、各基地局2は、そのエリア内にある携帯電話等の携帯通信端末(以下、簡単に携帯端末と呼ぶ)1との間で通信を行うようになっている。
【0020】
なお、ここでは、各基地局2a、2b、2cの識別子を「BSa」「BSb」「BSc」とし、携帯端末1の端末識別子を「TE1」とする。
【0021】
図1において、サーバ10は、携帯端末1の個人登録情報を保存するバックアップディスク5、サービスの提供を受けるユーザに関する情報を管理するユーザデータベース6、バックアップ作業の履歴を記録する履歴データベース7、携帯端末1の位置情報を登録した位置情報データベース8、基地局2とデータの送受信を行う通信部4とから構成される。
【0022】
基地局2は、エリアと呼ばれる特定範囲内にある通信可能な状態の携帯端末1に、音声通話や各種データ通信サービスを実現する。基地局は2、携帯端末1との間は、決められたプロトコルを実施することで、エリアにどの携帯端末が属しているか定期的に検査し、キャリアのサーバ10に携帯端末1の存在を報告する。
【0023】
サーバ10のユーザデータベース6は、図3に示すように、各携帯端末1のユーザに関する情報として、ユーザの氏名、住所、生年月日等のユーザ識別情報と、携帯電話番号、携帯端末1の端末識別子、バックアップサービスへの加入の有無を示すフラグ情報等が対応つけられて記憶されている。
【0024】
バックアップサービスは有料であるとする。このサービスの提供を受けるためには、予めそのサービスへの加入をプロバイダに申告しておく必要がある。その際、料金の支払い等を行う。バックアップサービスに加入すると、ユーザデータベース7に、その旨を示すフラグ情報が格納されるようになっている。
【0025】
位置情報データベース8には、図4に示すように、基地局2から報告された位置情報(例えば、どの基地局2のエリア内に存在しているかを示す情報で、ここでは、簡単のために基地局2の識別子とする)を携帯電話番号、端末識別子等に対応付けて記憶されている。例えば、ユーザの氏名や生年月日などのユーザ識別情報をキーにして、当該ユーザに関する情報が検索可能なようになっている。
【0026】
携帯端末1への接続要求が生じた場合には、位置情報データベース8に記憶されている位置情報により、どの基地局2のエリアに該携帯端末1が存在するかを把握しているため、該携帯端末1と接続可能な基地局2を選択して、該携帯端末1と間の回線接続を行う。
【0027】
履歴データベース7は、バックアップサービスの提供に際し、その作業進行状況を履歴データとして記録するためのものである。例えば、各作業毎にトランザクション番号が発行されているので、図5(b)に示すように、ユーザ識別情報とトランザクション番号とを対応付けて記録するとともに、図5(a)に示すように、各トランザクション番号に対応付けて履歴データを記憶するようになっている。
【0028】
履歴データの記録時としては、例えば、(1)携帯端末1に接続を試みたが当該携帯端末1が電源がオフされている、あるいはエリア圏外にいるなどで接続できないとき、(2)バックアップ作業が完了したとき、(3)携帯端末1から個人登録情報が消去されたとき、(4)携帯端末1の通話機能、インターネット接続機能等の各種発信機能が無効化されたとき、(5)バックアップ作業が中断したとき、(6)バックアップした個人登録情報のリストアを行ったとき、(6)リストア作業が中断されたとき、等である。
【0029】
バックアップデータベース5は、図6に示すように、バックアップされた個人登録情報のファイルをそれら個人登録情報の管理情報のファイルとともに格納するものである。
【0030】
図2は、各ユーザが所持し、本実施形態に係るバックアップサービスの提供を受けることのできる携帯端末1の構成例を示したものである。
【0031】
携帯端末1は、例えば、バス200にCPU201、RAM202、ROM203、D/A変換部226、A/D変換部221、通信部223、液晶ディスプレイ等の表示部205,キー入力部206、選択指示部207、EEPROM(Electric Erasable and Programmable ROM)208等が接続され構成されている。
【0032】
音声通話に関する構成は、従来からある携帯電話と同様であり、例えば、通信部223は、基地局2との間で位置登録、発呼・着呼時の呼制御を行ってデータの送受信を行い、通信が終了した際には切断の呼制御、さらに、通信中にはハンドオーバ等を行う。個々の携帯端末229には、端末識別子が与えられており、通信部223に格納されている。
【0033】
通信部223は、基地局2から、接続要求を受信した場合には、スピーカ227から呼び出し音を出力したり、偏芯モータ228を駆動させ携帯端末の筐体を振動させることにより、携帯端末の所有者であるユーザの注意を喚起する。ユーザの接続了解指示の後、キャリアは2地点間の回線接続を行い、通信が開始される。
【0034】
通信時は、携帯端末1は、マイク220から入力された音声をA/D変換部221でアナログ信号からディジタル信号に変換し、CPU201の制御の下、デジタルデータの圧縮処理を行い、通信部223を通じて近接の基地局2に送信する。また、通信部223で受信された信号は、CPU201の制御の下、伸張処理等を施されて元の信号に戻され、D/A変換部226でデジタル信号からアナログ信号に変換され、スピーカ227から出力される。
【0035】
さらに、通話の他に、データ送受信を行う等のために、所定のプログラムの実行を行うCPU201、プログラムや辞書データを記憶するROM202、一時的な変数やデータを格納するRAM203、個人登録情報などを保存するEEPROM208、データの表示を行う表示部205、電話番号や数字や文字を入力するためのキー入力部206、メニューの選択等を行うための選択指示部207がある。
【0036】
個人登録情報は、当該携帯端末1の所持者であるユーザが個人的に使用する目的で登録した情報であり、電話番号、住所録、スケジュール、電子メールのアドレス、メールの文章そのもの、特定のWebページを示すURL、クレジット番号、特定サービス用のID、パスワードなどである。
【0037】
なお、携帯端末1は、通話機能とデータ通信機能とを有するものであるが、通話機能を持たないデータ通信機能のみの携帯端末1であっても、本実施形態に係るサービスの提供を受け得る。この場合、個人登録情報は、特定アプリケーションのデータ、ワープロの文章、表計算のデータ、静止画像、音楽データなども含まれるものとし、個人登録情報のバックアップ時、リストア時は、これらのデータを示す識別子もあわせてシステムと携帯端末1との間でデータの送受信が行われる。
【0038】
携帯端末1とサーバ10との間で個人登録情報の送受信をする際には、個人登録情報は、暗号化されていることが望ましい。この暗号化処理は、バックアップ時に携帯端末1が個人登録情報のパケットを作成する際にCPU201の制御のもと行う。サーバ10では、暗号化されたままの個人登録情報を保存してもよいし、例えば、携帯端末1とサーバ10との間の共通鍵(秘密鍵)を用いて復号していから保存するようにしてもよい。また、リストア時は、携帯端末1は、サーバ10から送信されてくる個人登録情報を受信すると、それを復号してから保存する。なお、個人登録情報の暗号化・復号化処理は本発明の要旨ではないので、説明は省略する。
【0039】
以下、図1に示した構成のシステムによるデータバックアップサービスの提供手順について説明する。
【0040】
(第1の実施形態)
ユーザが携帯端末1を紛失した、あるいは盗難された場合を想定して、データバックアップサービスを提供する際の、サーバ10と携帯端末1との間の処理手順を図7、図8に示すフローチャートを参照して説明する。
【0041】
携帯端末1を紛失あるいは盗難されたユーザは、その旨を当該サービスの提供元(プロバイダ)に連絡するとともに、当該サービスの提供を要請する。その要請方法としては、電話あるいはFAX、電子メール、Webページなどを用いた方法が考えられる。このとき、ユーザが直接プロバイダに要求する以外に、ユーザが代理店に届け、代理店のオペレータがWebページなどを通じて当該ユーザへの当該サービスの提供を要求する場合もありうる。
【0042】
このサービスの提供要請を受け付けると(ステップS1)、プロバイダは、サーバ10に対し、当該ユーザの識別情報等とともにサービス提供開始の指示入力を行う。例えば、電話やFAXにて要求を受け付けた場合は、オペレータがサーバ10にアクセスしサービス提供開始の指示入力を行う。電子メールやWebページにて要求を受け付けた場合は、その要求内容を解析して自動的にサーバ10にサービス提供開始の指示入力を行うこともできる。
【0043】
サーバ10は、サービス提供開始の指示を受けると、ユーザ識別情報をキーにして、ユーザデータベース6を検索して、当該ユーザの携帯端末1の端末識別子(例えば「TE1」)を取得する(ステップS2)。
【0044】
サーバ10は、この取得した端末識別子を基に、位置情報データベース8を検索して、当該携帯端末1がどの基地局のエリアに属しているか調べる。このデータベース8から位置情報が検索できたときは(接続可能なときは)、個人登録情報のバックアップ要求信号を当該基地局2に送信する(ステップS3、ステップS4)。
【0045】
この時、携帯端末1が電源が投入されており呼の待ち受け状態の場合は、どの基地局2に属しているか判定可能であるが、携帯端末1の電源が投入されていない場合や、エリア圏外に携帯端末が1が存在する場合には、バックアップ要求信号を送信することができない。このような場合は、ユーザ識別情報、日時、何度接続を試みたかなどの情報を合わせて、履歴データとして履歴データベース7に記録し(ステップS15)、接続できない旨をユーザあるいはオペレータに通知する(ステップS16)。
【0046】
バックアップ要求信号を受信した基地局は、バックアップ要求信号を当該端末識別子に該当する端末に送信する。あるいは、当該端末識別子を付与して、バックアップ要求信号を当該基地局2のエリア内にある全ての携帯端末にブロードキャストしてもよい。
【0047】
次に、携帯端末1の処理動作を示す図8のフローチャートも合わせて説明する。携帯端末1の通信部223が、基地局2からのバックアップ要求信号を検知する(ステップS20)と、CPU201に割り込み信号を送る。CPU201は割り込みにより、個人登録情報をサーバに送信するための予め定められたサブルーチンの処理を実行する。
【0048】
このサブルーチンでは、予め決められたサーバ(ここでは、サーバ10)に対してパケット送信を行うために自身が存在するエリアの基地局2にコネクション確立要求を行う(ステップS21)。サーバ10とコネクションの確立に成功した場合は(ステップS22)、CPU201は、EEPROM208内に記憶されている1または複数の個人登録情報のファイルに関する情報(例えば、個人登録情報のファイルに関する情報である旨を示す識別子と、ファイルの個数、ファイル名、各ファイルの容量、ファイル作成時間、属性情報、個人登録情報のファイルを送信するためのパケットの数などで、以下、個人登録情報管理情報と呼ぶ)を作成し、さらに、この個人登録情報管理情報を送信するためのパケットを作成して、サーバ10に送信する(ステップS23)。個人登録情報管理情報が、パケットの予め定められたペイロードのデータ量より大きい場合には、複数のパケットに分割して送信する。ファイルの送信に使用するプロトコルは、FTP(File Transfer Protocol)やHTTP(Hypertext Transfer Protpcol)などの既存のプロトコルや、独自に定義したプロトコルでもよい。
【0049】
ステップS22で、コネクションの確立ができない場合には、一定時間ごとに基地局2にコネクション確立要求を試みる。なお、携帯端末1は、バックアップ要求信号を検知してからは、個人登録情報へのアクセスや、通話機能やインターネット接続機能等の各種発信操作を無効とし、その際、現在携帯端末1を所持している正当なユーザでないユーザに対し、所定の場所に所定の届出をするよう促すためのメッセージを表示部205に表示する。
【0050】
次に、個人登録情報の各ファイルデータを送信するために、EEPROM208内の個人登録情報ファイルに順番にアクセスし、各ファイルデータを決められた長さのデータに分割し、パケットを作成する(ステップS24)。パケットは、ファイルの識別子と、何番目のファイルであるか示すファイル番号、当該ファイルの大きさの情報、当該ファイルの何番目のパケットであるかを示すパケット番号を例えばペイロード中のパケットデータの先頭に付加して、サーバ10に送信する(ステップS25)。1つパケットを送信する毎にパケット番号を増加し、1つのファイルに関して全てのパケットを送信し終えるまで繰り替えす(ステップS26)。1つのファイルの送信が終了したなら(ステップS26、ステップS27)、パケット番号を初期化し(ステップS28)、ファイル番号を1つ増やして、ステップS24へ戻り、次のファイルにアクセスする。
【0051】
全てのファイルを送信し終わるまでこの作業を繰り返す(ステップS27)。全ファイル送信後、サーバ10から作業完了メッセージを受信すると(ステップS29)、確立したコネクションを切断する(ステップS30)。
【0052】
一方、サーバ10では、携帯端末1からのコネクション要求を受信すると(ステップS5)、個人登録情報受信待ちになり、個人登録情報管理情報を受信すると(ステップS6)、それを基に、バックアップディスク5に必要な容量のディスクスペースを確保する(ステップS7)。次に、個々の個人登録情報のファイルの受信待ちになり、ファイルが複数のパケットに分割されている場合は、各ファイルの全てのパケットの受信を確認し(ステップS8)、1つのファイルにマージして、1つの個人登録情報ファイルとして、そのファイル名や時刻情報などを付与してバックアップディスク5に保存する(ステップS9)。
【0053】
全てのファイルのバックアップ作業が終了した場合は(ステップS10)、携帯端末1にバックアップ作業完了メッセージを送信し(ステップS11)、携帯端末1が属する基地局2の位置情報を取得し(ステップS12)、保存したファイルの識別子と、サービス要求者の氏名等のユーザ識別情報、日時を合わせて、履歴データとして履歴データベース7に記録し(ステップS13)。バックアップ完了メッセージと携帯電話の位置情報をあわせて携帯端末1に通知する(ステップS14)。
【0054】
なお、携帯端末1は、個人登録情報管理情報を送信する際に、個人登録情報と見なせるファイルをそのファイルの拡張子やファイルの属性などを元に選別し、かつ、個々のファイルを送信する場合でも、個人ファイルに該当するファイルのみを送信することにより、バックアップに必要な時間を短縮することが可能となる。これにより、速やかな個人登録情報の保護と、バックアップに要する通信費を削減することが可能となる。
【0055】
また、携帯端末1が個人登録情報のバックアップ作業中に基地局2のエリア圏外などに移動したことにより、コネクションが切断された場合は、どのファイルのどのパケットまで送信完了したかの情報をEEPROM208に記録しておき、次に基地局2のエリア内に移動した場合は、サーバ10と再度コネクションを確立し、バックアップ作業を中断した状態から、未送信のファイル、パケットの送信を再開する。この時も、個人登録情報へのアクセスや、各種発信機能に関する所定の操作を無効とし、その際、現在携帯端末1を所持している正当なユーザでないユーザに対し、所定の場所に所定の届出をするよう促すためのメッセージを表示部205に表示する。
【0056】
以上説明したように、上記第1の実施形態によれば、携帯端末1のユーザから個人登録情報のバックアップサービスの要請を受けたプロバイダは、予め登録されたユーザの携帯端末1に関する情報を基に該携帯端末に対し個人登録情報の送信を要求し、この送信要求を受けた携帯端末1は、携帯端末1側主導でサーバ10との間に通信路を確保して個人登録情報を送信し、サーバ10はこの通信路を介して受信した個人登録情報を保存することにより、ユーザがその所持する携帯端末1を紛失・盗難した場合でも、サーバ10に個人登録情報を容易にバックアップしておくことができる。その際、例えば、バックアップ作業中に携帯端末1が通信エリア圏外に移動してしまい作業が中断した場合でも、中断するまでに送信した個人登録情報の送信履歴を(携帯端末1に)記録することにより、この送信履歴に基づきエリア内に戻り通信が可能になったら中断した状態からバックアップ作業の再開が容易に行える。また、携帯端末1側では、個人登録情報へのアクセスおよび各種発信機能に関する操作を無効とすることで、個人登録情報の保護を実現することが可能となる。
【0057】
なお、上記実施形態では、盗難、紛失時に携帯端末1の個人登録情報をバックアップしているが、この場合に限らず、定期的に個人登録情報をサーバ10にバックアップすることも可能である。この場合、個人登録情報を送信する場合には、前回バックアップした状況との差分を検出し、その差分データからパケットを作成して送信することで、速やかな個人登録情報の保護と、バックアップに要する通信費のさらなる削減が可能となる。携帯端末1を紛失した場合には、永久にエリア圏外に存在しつづける可能性もありえなくないので、定期的に個人登録情報をバックアップすることは、実際に携帯端末1を紛失・盗難した場合を考えると有用な方法である。
【0058】
また、バックアップ作業が中断した後にバックアップ作業を再開したときは、上記したような中断した状態から作業を再開する場合に限らず、最初からバックアップ作業をやり直すようにしてもよい。
【0059】
(第2の実施形態)
以下、第2の実施形態について、第1の実施形態と異なる部分についてのみ説明する。図9に示すように、サーバ10は、サービスの提供要求を受け付けると(ステップS1)、その要求とともに得られた、ユーザの氏名、生年月日、住所等のユーザ識別情報を基に、ユーザデータベース6を検索して、当該ユーザがバックアップサービスに加入している者か否かを判定する(ステップS101、ステップS102)。例えば、ユーザデータべース6には、図3に示すように、サービス加入の有無を示すフラグが格納されているので、このフラグが「1」である者は、バックアップサービスの加入者である。加入者に対しては、図7のステップS2以降の処理を続行するが、加入者でない者、すなわち、フラグが「0」の者に対しては、当該サービス要求者に対し、当該バックアップサービスは有料サービスである旨、サービスの提供に際し、料金の支払いが別途必要である旨、それでもサービスの提供をうけるか否かの確認を行う(ステップS103)。この時あらかじめ決められた料金を合わせて提示する。当該ユーザから同意が得られた場合、あるいは、料金支払いが確認された場合には(ステップ3S104)、図7のステップS2以降の処理を続行する。同意が得られない場合は、作業を終了する。
【0060】
このとき、バックアップサービスの利用に際し、ユーザから集金する方法としては、携帯端末1の通話料金に課金する方法や、クレジット番号を携帯端末1に入力してもらう方法、あるいは、代理店などにユーザが現金で支払ってもらう方法が考えられる。
【0061】
(第3の実施形態)
以下、第3の実施形態について、図10に示すフローチャートを参照して、第1の実施形態と異なる部分についてのみ説明する。なお、図10では、3つのステップを実行しているが、実行する順番はこれに限定するものではなく、任意の順番であってもよい。あるいは、どれか1つのステップのみ実行してもよい。
【0062】
サーバ10は、図7のステップS11において、バックアップ作業を完了し、作業完了メッセージを携帯端末1に送信した後、当該携帯電話1に格納されている個人登録情報を消去するための個人登録情報消去命令を当該携帯端末1へ送信し(ステップS201)、さらに、通話機能やインターネット接続機能等の各種発信機能の無効化命令を送信し(ステップS202)、現在携帯端末1を所持する正当でないユーザに対し所定の場所に所定の届出をするよう促すためのメッセージの表示命令を送信し(ステップS203)、図7のステップS12へ進む。
【0063】
携帯端末1は、個人登録情報消去命令を受信すると、EEPROM208に記録している個人登録情報を削除する。あるいは、軽いセキュリティで十分な場合は、ファイル属性にアクセス禁止フラグを設定し、別途サーバ10から送信されるその解除信号を受信するまで、該当するファイルへのアクセスを禁止する方法でも、同様の効果が得られる。
【0064】
携帯端末1は、通話機能やインターネット接続機能の無効化命令を受信すると、当該機能を無効にするためのフラグを例えば通信部223にセットし、(携帯端末1を取得した正当でないユーザが)発信のための所定の操作を行う度に、そのフラグを参照して、当該操作を無効にする。
【0065】
携帯端末1は、所定の場所に所定の届出をするよう促すためのメッセージの表示命令を受信すると、その後、携帯端末1の電源が投入されると、あるいは所定の操作を行うと当該メッセージを表示部205に提示するようになっている。
【0066】
なお、通話機能やインターネット接続機能の無効化命令の送信(ステップS202)、現在携帯端末1を所持する正当でないユーザに対し所定の場所に所定の届出をするよう促すためのメッセージの表示命令の送信(ステップS203)は、上記以外にも図7のステップS5以降のいずれかの段階で実行してもよい。また、携帯端末1が図8のステップS20でバックアップ要求信号を検知したことにより、上記した通話機能やインターネット接続機能の無効化、現在携帯端末1を所持する正当でないユーザに対し所定の場所に所定の届出をするよう促すためのメッセージの表示を実行するようにしてもよい。
【0067】
(第4の実施形態)
以下、第4の実施形態について、図11に示すフローチャートを参照して、第1の実施形態と異なる部分についてのみ説明する。なお、図11では、3つのステップを実行しているが、実行する順番はこれに限定するものではなく、任意の順番であってもよい。あるいは、どれか1つのステップのみ実行してもよい。
【0068】
携帯端末1は、図8のステップS27で全ての個人登録情報のファイル送信後、サーバ10からの作業完了メッセージの受信を待ち、メッセージ受信後(ステップS29)、個人登録情報消去命令を受信したら、EEPROM208に記録している個人登録情報を削除する。携帯端末1は、個人登録情報の削除終了後、個人登録情報消去完了メッセージをサーバ10に送信し、サーバ10は当該完了メッセージを受信すると(ステップ211)、個人登録情報の削除が完了した旨の履歴データを履歴データベース7に記録する(図7のステップS13)。
【0069】
同様に、携帯端末1は、サーバ10から通話機能やインターネット接続機能等の各種発信機能の無効化命令を受信すると、当該機能を無効にするためのフラグを例えば通信部223にセットし、無効化完了メッセージをサーバ10に送信し、サーバ10は当該完了メッセージを受信すると(ステップ212)、通話機能やインターネット接続機能の無効化が完了した旨の履歴データを履歴データベース7に記録する(図7のステップS13)。
【0070】
同様に、携帯端末1は、携帯端末1は、サーバ10から所定の場所に所定の届出をするよう促すためのメッセージの表示命令を受信すると、その後、携帯端末1の電源が投入されると(あるいは所定の操作が行われると)当該メッセージを表示部205に提示するためのフラグをセットし、表示完了メッセージをサーバ10に送信する。サーバ10は当該完了メッセージを受信すると(ステップ213)、メッセージの表示が行われる旨の履歴データを履歴データベース7に記録する(図7のステップS13)。
【0071】
なお、サーバ10は完了メッセージの受信(ステップS212、ステップS213)を上記以外にも図7のステップS5以降のいずれかの段階で実行する場合もある。
【0072】
(第5の実施形態)
以下、第5の実施形態について、図12に示すフローチャートを参照して、第1の実施形態と異なる部分についてのみ説明する。
【0073】
第1の実施形態において、サーバ10は、図7のステップS3で、バックアップ要求信号を送信するために、目的とする携帯端末1と接続可能かどうか判定して、接続できない場合は、ステップS15へ進み、履歴データを保存してから一旦バックアップ作業を中断する(ステップS16)。サーバ10は、一定時間毎に履歴データベース7から、接続できなかった携帯端末1の検索を行い(ステップS301)、そのような携帯端末1が存在する場合には(ステップS302)、位置情報データベース8から当該携帯端末1の位置情報を検索して再度接続を試みる(ステップS303)。位置情報データベース8に当該携帯端末1の位置情報が登録されていて、その位置情報に基づく基地局2を介して接続が成功した場合には、図7のステップS4へ進み、それ以降の処理を続行する。接続できない場合は、今回行った接続の試みを含め今までに接続を試みた回数が予め定められた規定回数を越えているか否かの判定を行い(ステップS304)、規定回数以内なら、図7のステップS15へ戻る。規定回数を超えた場合には、バックアップが不成功であった旨をオペレータやバックアップサービスの要求を行ったユーザに通知する(ステップS305)。
【0074】
(第6の実施形態)
以下、第6の実施形態について、図13に示すフローチャートを参照して、第1の実施形態と異なる部分についてのみ説明する。
【0075】
ここでは、第1の実施形態では、携帯端末1が通信エリア圏外に移動した場合の対処方法の一例を示したが、サーバ側での実現形態について説明する。
【0076】
第1の実施形態と同様に、携帯端末1が個人登録情報のファイルの送信中に通信エリア圏外に移動した場合には、サーバ10は基地局2からのコネクション切断のメッセージを受信する(ステップS401)。サーバ10は、当該ユーザの識別情報や当該携帯端末1の端末識別子、時刻、受信済みのファイル名、ファイル番号、パケット番号等とともに、バックアップ作業途中である旨の履歴データを、履歴データベース7に記録する(ステップS402)。
【0077】
サーバ10は、一定時間毎の履歴データベース7から、バックアップ作業の中断された携帯端末1の検索を行い(ステップS403)、そのような携帯端末が存在する場合には(ステップS404)、位置情報データベース8を検索し、位置情報データベース8に当該携帯端末1の位置情報が登録されていたら、その位置情報に基づく基地局2を介して当該携帯端末1に対して接続を試みる(ステップS405、ステップS407)。当該携帯端末1と接続できたときは、履歴データとして記録されている受信済みのファイル番号、パケット番号等を携帯端末1へ通知するなどして、未受信のパケット、ファイルのみの送信を要求し、中断した状態からバックアップ作業を再開する(ステップS408)。
【0078】
接続できない場合は、今回行った接続の試みを含め今までに接続を試みた回数が予め定められた規定回数を越えているか否かの判定を行い(ステップS409)、規定回数以内なら、ステップS402へ戻る。規定回数を超えた場合には、バックアップが不成功であった旨をオペレータやバックアップサービスの要求を行ったユーザに通知する(ステップS410)。
【0079】
このように、サーバ10と携帯端末1との間でバックアップ作業中に携帯端末1が通信エリア圏外に移動してしまい作業が中断した場合でも、サーバ10が中断するまでに受信した個人登録情報の受信履歴を記録することにより、この受信履歴に基づきエリア内に戻り通信が可能になったら中断した状態からバックアップ作業の再開が容易に行える。
【0080】
(第7の実施形態)
以下、第7の実施形態について、図14、図15に示すフローチャートを参照して、第1の実施形態と異なる部分についてのみ説明する。
【0081】
第7の実施形態では、紛失あるいは盗難された携帯電話1が無事、当該携帯端末1の正当な持ち主であるユーザの手元に戻ってきた場合、あるいは、例えば、当該ユーザが紛失あるいは盗難された携帯端末がなかなか戻ってこないので、新たに携帯端末1を購入した場合を想定して、既にバックアップされた個人登録情報を当該ユーザの携帯端末1へ格納し直す(リストアする)場合のサーバ10および携帯端末1の処理動作について説明する。図14はサーバ10の処理動作、図15は携帯端末の処理動作を示したものである。
【0082】
プロバイダは、バックアップされた個人登録情報のリストア要求を電話、FAX、電子メール、Webページなどを通じて受け付ける。このとき、ユーザが直接、当該プロバイダに要求する以外に、ユーザが代理店に届け、代理店のオペレータがWebページなどを通じて電子的にリストア要求を行う場合もありうる。
【0083】
このリストア要求を受け付けると(ステップS501)、プロバイダは、サーバ10に対し、当該ユーザの識別情報等とともにリストア開始の指示入力を行う。例えば、電話やFAXにて要求を受け付けた場合は、オペレータがサーバ10にアクセスしリストア開始の指示入力を行う。電子メールやWebページにて要求を受け付けた場合は、その要求内容を解析して自動的にサーバ10にリストア開始の指示入力を行うこともできる。
【0084】
サーバ10は、リストア開始の指示を受けると、ユーザ識別情報をキーにして、ユーザデータベース6或いは履歴データベース7を検索して、当該ユーザの携帯端末1の端末識別子(例えば「TE1」)を取得する(ステップS502)。
【0085】
サーバ10は、当該端末識別子をキーにして、位置情報データベース8を検索して、当該端末がどの基地局のエリアに属しているか調べて、位置情報が登録されていれば、個人登録情報のリストア要求信号を当該端末識別情報とともに当該基地局2に送信する(ステップS503、ステップS504)。この時、当該携帯端末1の電源がオンされており、呼の待ちうけ状態の場合は、どの基地局2に属しているか判定可能であるが、携帯端末1の電源がオフされているときや、通信エリア圏外に携帯端末1が存在する場合には、リストア要求信号を送信することができない。このような場合は、ユーザ識別情報、リストア要求を行った日時、接続を試みた回数などの情報を履歴データとして履歴データベース7に記録し(ステップS513)、接続できない旨をユーザあるいはオペレータに通知する(ステップS514)。
【0086】
基地局2は、リストア要求信号を受信した場合には、リストア要求信号をそれに付された端末識別番号に該当する携帯端末1に送信する。あるいは、端末識別子を付与して、リストア要求信号を当該基地局2のエリア内にいる全ての携帯端末にブロードキャストしても同様の効果を得られる。
【0087】
以下、図15に示す携帯端末の処理動作と合わせて説明する。図15において、携帯端末1の通信部223が、基地局2からの個人登録情報のリストア要求信号を検知すると(ステップS601)、CPU201に割り込み信号を送る。CPU201は割り込みにより、個人登録情報をリストアするための予め定められたサブルーチンの処理を実行する。
【0088】
このサブルーチンでは、予め定められたサーバ(ここでは、サーバ10)からパケット受信を行うために自身が存在するエリアの基地局2にコネクションの確立要求を行う(ステップS602)。サーバ10とコネクションの確立が成功した場合は、図14に示すように、サーバ10は、バックアップディスク5から当該ユーザの個人登録情報管理情報のファイルを読み出し送信してくるので(ステップS506)、携帯端末1はそれを受信する(図15のステップS604)。なお、図15において、コネクションの確立ができない場合には、一定時間ごとに基地局2にコネクション確立要求を試みる(ステップS603、ステップS602)。
【0089】
一方、図14において、サーバ10は、バックアップディスク5から当該ユーザの個人登録情報のファイルを順次読出し、必要に応じて分割しながらパケットを作成して送信する(ステップS507)。パケットは、ファイルの識別子と、何番目のファイルであるか示すファイル番号、当該ファイルの大きさの情報、当該ファイルの何番目のパケットであるかを示すパケット番号を例えば、ペイロード中のパケットデータの先頭に付加して、携帯端末1に送信する。各々のファイルについて必要数のパケットを送信し(ステップS508)、全てのファイルを送信するまで繰り返す(ステップS509)。
【0090】
携帯端末1は、個人登録情報管理情報に基づき、個々のファイルの受信を行う。ファイルが複数のパケットに分割されている場合は、全てのパケットの受信を確認し(ステップS605、ステップS606)、1つのファイルにマージしてEEPROM208に受信したファイルを保存する(ステップS607)。
【0091】
携帯端末1は、個人登録情報管理情報を参照して、全てのファイルを受信したことを確認すると(ステップS608)、サーバ10にリストア作業完了メッセージを送信し(ステップS609)、コネクションを切断し(ステップS610)、リストア作業完了メッセージを表示部205に表示する(ステップS611)。
【0092】
一方、サーバ10は、全ファイルの送信が完了したなら、携帯端末1からのリストア作業完了メッセージの受信待ちになり、当該メッセージを受信したら(ステップS510)、リストアを完了した旨の履歴データを履歴データベース7に保存し(ステップS511)、オペレータに作業完了メッセージを通知する(ステップS512)。
【0093】
なお、サーバ10が携帯端末1に個人登録情報のパケットを送信中に(リストア作業中に)当該携帯端末1が得通信エリア圏外に移動するなどして、コネクションが切断された場合は、携帯端末1は、どのファイルのどのパケットまで受信完了したかの情報をEEPROM208に記録しておき、次に基地局のエリア内に移動した場合は、図15のステップS602に進み、サーバ10と再度コネクションを確立し、受信済みのファイル番号、パケット番号等をサーバ10に通知するなどしてリストア作業を中断した状況から再開する。
【0094】
その後、第3および第4の実施形態で説明したように、通話機能やインターネット接続機能が無効にされている場合は、それらが有効になるように所定のフラグを設定しなおす。
【0095】
以上により、ユーザが携帯端末1を取り戻した場合、あるいは新規に携帯端末1を購入した場合に、携帯端末1側が主導で通信路を確保してサーバ10にバックアップしてある個人登録情報を当該携帯端末1に格納し直すことが容易に行える。その際、例えば、リストア作業中に携帯端末1が通信エリア圏外に移動してしまい作業が中断した場合でも、中断するまでに受信した個人登録情報の受信履歴を(携帯端末1に)記録することにより、この受信履歴に基づきエリア内に戻り通信が可能になったら中断した状態からリストア作業の再開が容易に行える。
【0096】
なお、リストア作業が中断した後にリストア作業を再開したときは、上記したような中断した状態から作業を再開する場合に限らず、最初からリストア作業ををやり直すようにしてもよい。
【0097】
また、本発明は、上記第1〜第7の実施形態に限定されるものではなく、実施段階ではその要旨を逸脱しない範囲で種々に変形することが可能である。さらに、上記各実施形態には種々の段階の発明は含まれており、開示される複数の構成用件における適宜な組み合わせにより、種々の発明が抽出され得る。例えば、実施形態に示される全構成要件から幾つかの構成要件が削除されても、発明が解決しようとする課題の欄で述べた課題(の少なくとも1つ)が解決でき、発明の効果の欄で述べられている効果(のなくとも1つ)が得られる場合には、この構成要件が削除された構成が発明として抽出され得る。
【0098】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明によれば、携帯通信端末の日常の使いやすさを阻害せず、携帯通信端末の紛失、盗難時においても、携帯通信端末に記憶された個人登録情報のバックアップと、新規端末への同じ個人登録情報の登録が容易に行える。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施形態に係るバックアップサービスを提供するためのシステムの全体構成を示した図。
【図2】携帯通信端末の構成例を示した図。
【図3】ユーザデータべースのデータ格納例を示した図。
【図4】位置情報データベースのデータ格納例を示した図。
【図5】履歴データベースのデータ格納例を示した図。
【図6】バックアップディスクのデータ格納例を示した図。
【図7】本発明の第1の実施形態に係るバックアップサービス時のサーバの処理動作を説明するためのフローチャート。
【図8】バックアップサービス提供時の携帯通信端末の処理動作を説明するためのフローチャート。
【図9】本発明の第2の実施形態に係るサーバの処理動作であって、バックアップサービスを要請したユーザがバックアップサービス適用対象者であるか否かを判定する場合の処理動作を説明するためのフローチャート。
【図10】本発明の第3の実施形態に係るサーバの処理動作であって、個人登録情報の消去と携帯通信端末の機能を制限する場合の処理動作を説明するためのフローチャート。
【図11】本発明の第4の実施形態に係るサーバの処理動作であって、個人登録情報の消去と携帯通信端末の機能を制限する場合に、携帯通信端末からの応答受信処理動作を説明するためのフローチャート。
【図12】本発明の第5の実施形態に係るサーバの処理動作であって、携帯通信端末に個人登録情報の送信要求を行うまでの処理動作を説明するためのフローチャート。
【図13】本発明の第6の実施形態に係るサーバの処理動作であって、バックアップ作業中に個人登録情報の送信が中断し、その後にバックアップ作業を再開する際の処理動作を説明するためのフローチャート。
【図14】本発明の第7の実施形態に係るサーバの処理動作であって、バックアップした個人登録情報を携帯通信端末にリストアする際の処理動作を説明するためのフローチャート。
【図15】本発明の第7の実施形態に係る携帯通信端末の処理動作であって、バックアップした個人登録情報を携帯通信端末にリストアする際の処理動作を説明するためのフローチャート。
【符号の説明】
1…携帯通信端末
2…基地局
4…通信部
5…バックアップディスク
6…ユーザデータベース
7…履歴データベース
8…位置情報データベース
10…サーバ
200…バス
201…CPU
202…RAM
205…表示部
206…キー入力部
207…選択指示部
208…EEPROM
220…マイク
221…A/D変換部
223…通信部
226…D/A変換部
227…スピーカ
228…偏芯モータ

Claims (4)

  1. 各携帯通信端末の属するエリアを示す位置情報を記憶する位置情報データベース、及び各携帯通信端末内のメモリに記憶されている個人登録情報をバックアップするための記憶手段を備えたサーバ装置を用いて、携帯通信端末が紛失あるいは盗難された場合に、当該携帯通信端末のメモリから個人登録情報を消去させるとともに、そのバックアップを行う携帯通信端末の個人登録情報のバックアップサービス提供方法であって、
    前記サーバ装置が、各ユーザのユーザ識別情報が登録されたユーザデータベースに、当該ユーザが当該バックアップサービスに加入しているか否かを示す情報を登録するステップと、
    紛失あるいは盗難された携帯通信端末以外の通信手段を介して、前記サーバ装置が、当該ユーザのユーザ識別情報と、当該ユーザ所有の当該携帯通信端末に格納されている個人登録情報のバックアップサービスの要請を受け付けるステップと、
    前記要請を受けて、前記サーバ装置が当該ユーザ識別情報をキーにして前記ユーザデータベースを検索し、当該要請を行ったユーザが前記バックアップサービスの加入者か否かを判定するステップと、
    前記要請を行ったユーザが前記バックアップサービスの加入者である場合に、前記サーバ装置が前記バックアップサービスを実行するステップと、
    前記要請を行ったユーザが前記バックアップサービスの加入者でない場合に、前記サーバ装置が、前記通信手段を介して前記加入者ではない当該ユーザに、当該バックアップサービスは有料であること及び当該バックアップサービスの料金を提示して、当該バックアップサービスの提供を受けるか否かを問い合わせた後、前記通信手段を介して前記加入者ではない当該ユーザから当該バックアップサービスの提供を受ける旨の情報を受けたときに、前記バックアップサービスを実行するステップと、
    を有し、
    前記バックアップサービスは、
    前記サーバ装置が、前記位置情報データベースから当該バックアップサービスの要請元のユーザ所有の携帯通信端末の位置情報を検索する第1のステップと、
    前記サーバ装置が、検索された位置情報を基に前記携帯通信端末の存在するエリアを判定して、当該携帯通信端末へ前記個人登録情報の送信を要求する第2のステップと、
    送信要求を受けた前記携帯通信端末が、当該携帯通信端末からの発信ができないように通信機能を制限する第3のステップと、
    送信要求を受信した前記携帯通信端末が、前記サーバ装置との間に確立された通信路を用いて、当該携帯通信端末内のメモリに格納されている前記個人登録情報を当該サーバ装置へ送信する第4のステップと、
    前記サーバ装置が前記携帯通信端末の全ての前記個人登録情報を前記記憶手段に保存したとき、当該携帯通信端末内メモリに格納されている前記個人登録情報の消去命令を当該携帯通信端末へ送信する第5のステップと、
    前記消去命令を受信した前記携帯通信端末が、当該携帯通信端末内のメモリに格納されている前記個人登録情報を消去する第6のステップと、
    前記バックアップサービスの要請元のユーザから前記個人登録情報のリストア要求を受けて、前記サーバ装置が、当該個人登録情報をリストアすべき当該ユーザの新たな携帯通信端末の位置情報を前記位置情報データベースから検索する第7のステップと、
    前記サーバ装置が、検索された位置情報を基に、リストアすべき前記ユーザの新たな携帯通信端末が存在するエリアを判定して、当該新たな携帯通信端末へ前記個人登録情報のリストア要求信号を送信する第8のステップと、
    前記リストア要求信号を受信した前記新たな携帯通信端末が、前記サーバ装置との間に確立された通信路を用いて当該サーバ装置から送信される前記個人登録情報を受信して、所定のメモリに格納する第9のステップと、
    を有することを特徴とするバックアップサービス提供方法。
  2. 前記第4のステップは、
    前記携帯通信端末から前記サーバ装置への個人登録情報の送信が中断した後に送信を再開する際に、当該携帯通信端末が中断時までの送信履歴に基づき未送信の個人登録情報を送信することを特徴とする請求項1記載のバックアップサービス提供方法。
  3. 前記第4のステップは、
    前記携帯通信端末から前記サーバ装置への個人登録情報の送信が中断した後に送信を再開する際に、前記サーバ装置が、中断時までの受信履歴に基づき当該携帯通信端末に未受信の個人登録情報を送信させることを特徴とする請求項1記載のバックアップサービス提供方法。
  4. 前記第4のステップは、
    前記新たな携帯通信端末が、前記サーバ装置から送信される前記個人登録情報の受信が中断した後に受信を再開する際に、中断時までの受信履歴に基づき未受信の個人登録情報の送信を前記サーバ装置に要求することを特徴とする請求項1記載のバックアップサービス提供方法。
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