JP3747533B2 - カム式圧縮機 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、高圧ガス冷媒の油分離機構を内蔵したカム式圧縮機に関し、特に油溜め室に貯留した潤滑油の還油路の簡略化に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来のカム式圧縮機、例えば、車両用空調装置に供される斜板式圧縮機では、可動部分に供される潤滑油は、圧縮機内において冷媒ガス中にミスト状に混在している。従って、圧縮機から吐出される冷媒ガスとともに混在油粒がそのまま冷凍回路に吐出循環されると、潤滑油の初期封入量が増加する、また、冷媒回路の長さや冷媒回路中に潤滑油の停滞し易い箇所があるかどうかにより初期封入量が変化する、更には、このミスト状潤滑油が蒸発器の内壁に付着して熱交換の効率を低下させるなどの問題を発生させる。
このため、従来では、圧縮機から凝縮器に至る高圧管路中に油分離器を別設して、分離された潤滑油を還油配管を介して圧縮機内へ戻すように構成したものが実用されているが、機器、配管の増設に伴う総合的な冷媒回路構成の輻湊化に加えて、小径、かつ長尺状に形成された還油配管に目詰まりなどの事故も生じ易いと言う問題があった。このため、近時、圧縮機に直接油分離器を内蔵させた構成のものが提案されている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
さて、上述した油分離器内蔵型の斜板式圧縮機では、機内の高圧領域で分離された分離油を回収する油溜め室と、該分離油を還給する低圧領域(例えば斜板室)とが還油孔によって連通せしめられているが、適正な還油量保持の点や、機械停止後の貯留油枯渇時、該還油孔を経由して生じる高圧冷媒ガスの逆流抑制といった点を考慮して浮子弁など各種の絞り手段が配設されているが、還油路の通路断面積が小さいだけに作動不良を生じやすいといった問題があった。また、これら絞り手段は還油のためにわざわざ設ける必要があり、コスト増の要因となっていた。
本発明は、このような観点からなされたものであって、油分離器内蔵型の斜板式圧縮機等のカム式圧縮機において、油分離器で分離され油溜め室に貯留した潤滑油の還油路を簡略化することを目的とする。
【0004】
【課題を解決するための手段】
上記の目的を達成するために、請求項1記載の発明は、ピストンを収容する複数のシリンダボアを互いに平行に形成したシリンダブロックの端面に、吸入室、吐出室を有するリヤハウジングを接合し、リヤハウジングに形成されたネジ孔に締結ボルトを螺合することにより、シリンダブロックとリヤハウジングとを締結したカム式圧縮機において、油分離室と油分離室で分離された潤滑油を貯留する油溜め室とを備え、前記ネジ孔を油溜め室に連通させて、油溜め室内の潤滑油をネジ孔を介して前記シリンダブロック内に形成されたクランク室に還流させたことを特徴とする。
【0005】
また、請求項2記載の発明は、前記リヤハウジングの側壁外側に前記油分離室を連設し、該油分離室と前記吐出室との間に、吐出室内の圧縮ガスを油分離室に導入する導入孔を設けるとともに、前記油分離室内の上部には前記圧縮ガスに含まれる潤滑油を分離する油分離器を配設し、前記油分離室の下部には前記油分離器により分離された潤滑油を貯留する油溜め室を形成し、また、前記油分離室の側壁には前記油分離器により潤滑油が分離された圧縮ガスを外部冷媒回路に吐出するための吐出口を設けたことを特徴とする。
【0006】
また、請求項3記載の発明は、前記油分離室の周壁を前記リヤハウジングと一体的に形成し、該油分離室の側壁を該リヤハウジングとは別体に構成したことを特徴とする。
【0007】
また、請求項4記載の発明は、前記油溜め室内に貯留した潤滑油を、前記ネジ孔及び前記締結ボルトの周囲を介して前記クランク室に還流させたことを特徴とする。
【0008】
従って、圧縮機が運転されると、シリンダボアから吐出室に吐出された圧縮ガスが分離室に導入され、油分離器により十分油分離された後、分離室から外部冷媒回路に吐出される。そして、この油溜め室に貯留された潤滑油は、この油溜め室から潤滑油として潤滑必要部分に供給される。
このため、外部冷媒配管への潤滑油の放出を十分に防止でき、潤滑油が冷媒回路に放出された場合の前記問題点、即ち、潤滑油の初期封入量の増加や変動が防止され、また、熱交換器の能力低下の要因となる熱交換器内壁への潤滑油の付着が防止される。
【0009】
特に、上記の様に構成された請求項1記載のカム式圧縮機においては、油溜め室に貯留された潤滑油をシリンダボアとリヤハウジングとを締結するネジ孔を介してクランク室に還流させる如くしたので、還油路に必要な絞り手段が、ネジ孔と取り付けボルトの周囲との間に形成される隙間によって形成されることになる。また、この絞り通路は、その断面が円環状をなす円筒型通路となるので、仮にゴミがこの絞りの一部に詰まったとしても、円筒状通路の一断面における円環状部の一部が塞がれるだけであるので、還油路として大きな支障が生じない。また、絞り手段を冷媒配管中に設けないので、冷媒配管の輻湊化が避けられる。また、絞り手段を別途設ける必要がないのでコスト低減が図れる。
【0010】
また、請求項2記載のカム式圧縮機においては、油分離室がリヤハウジングの側壁の外側に連設されるので、この油分離室に設置される油分離器は、スペース的制約が緩和されて油分離効率の高いものを選択することが可能となる。また、分離された潤滑油を貯留する油溜め室は、分離室の下部に設けられるので、スペースの有効利用が図られる。
また、上記の如く油分離器が圧縮機内に内蔵されるので、従来の高圧冷媒回路中に油分離器を設けたもののように、冷媒回路に機器や冷媒配管を追加する必要も生じない。
【0011】
また、請求項3記載のカム式圧縮機においては、前記油分離室の本体部分が前記リヤハウジングと一体的に形成されているので、分離室の形成が簡易化される。
【0012】
また、請求項4記載のカム式圧縮機においては、ネジ孔とクランク室との間の還油路が、締結ボルトの周囲、即ち、締結ボルトの周囲に必然的に形成される空間や間隙を介して連通されるため、還油路がより一層簡略化される。
【0013】
【発明の実施の形態】
以下、この発明をカム式圧縮機の一種である両頭斜板式圧縮機に具体化した実施の形態を図1〜3に基づいて詳細に説明する。
図1に示すように、前後に対設されたシリンダブロック11の両端部には、ガスケット34、吸入弁形成板33、バルブプレート13、吐出弁形成板35、リテーナプレート兼用のガスケット36を介し、フロントハウジング12及びリヤハウジング14が接合されている。尚、リヤハウジング14の側壁14bの外側には後述するように油分離室50が一体的に形成され連設されている。そして、複数の締結ボルト15がリヤハウジング14のネジ孔16に螺合されることにより、これら部品がシリンダブロック11の両端面に締結固定されている。
【0014】
前記シリンダブロック11及びフロントハウジング12の中央には、一対のラジアルベアリング18を介して駆動シャフト17が回転可能に支持され、該駆動シャフト17の前端外周とフロントハウジング12との間には、リップシール19が介装されている。そして、この駆動シャフト17は、図示しない車両エンジン等の外部駆動源に連結されて、その外部駆動源により回転駆動される。
【0015】
シリンダボア11には、複数のシリンダボア20が前記駆動シャフト17と平行に延びるように、各シリンダブロック11の両端部間に同一円周上で所定間隔おきに貫通形成され、該シリンダボア20内には、両頭型のピストン21が往復動可能に嵌挿支持されている。そして、シリンダブロック11とバルブプレート13との間において、各シリンダボア20内には圧縮室22が形成される。
【0016】
前記両シリンダブロック11の中間内部には、クランク室23が区画形成され、該クランク室23内において駆動シャフト17に対し斜板24が嵌合固定されている。また、該斜板24の外周部の複数個所において、斜板24の前後面が一対の半球状のシュー25を介してピストン21の中間部に係留され、駆動シャフト17が回転されるとき、該斜板24を介してピストン21が往復動される。また該斜板24の両端面と各シリンダブロック11の内端面との間には、一対のスラストベアリング26が介装され、該スラストベアリング26を介して、斜板24が両シリンダブロック11間に挟着保持されている。
【0017】
前記両ハウジング12、14内の外周部及び内周部には、隔壁12a、14aにより吸入室27及び吐出室28がそれぞれ環状に区画形成されている。該吸入室27は、シリンダブロック11、ガスケット34、吸入弁形成板33、バルブプレート13、リテーナプレート兼用のガスケット36に形成された吸入通路11aを介してクランク室23に連通され、クランク室23は、図示しない吸入口を介して外部冷媒回路に接続される。
【0018】
また、フロントハウジング12側の吐出室28は、シリンダブロック11、ガスケット34、吸入弁形成板33、バルブプレート13、リテーナプレート兼用のガスケット36に形成された圧縮ガス連通路11dを介して、リヤハウジング14側の吐出室28に連通されている。この圧縮ガス連通路11dは、図2に仮想線で示されるように、シリンダボア20に挟まれたスペース部分に配設されている。
リヤハウジング14側の吐出室28は、リヤハウジング14と油分離室50との境界壁をなすリヤハウジング14の側壁14bに設けられた導入孔48を介して油分離室50に連通され、リヤハウジング14側の吐出室28内の圧縮ガスが油分離室50に導入されるように構成されている。
【0019】
前記両バルブプレート13は、金属板により形成され、各シリンダボア20に対応する部分には吸入ポート31及び吐出ポート32が形成されている。また、前記吸入弁形成板33及び吐出弁形成板35は金属板により形成され、吸入弁形成板33には、吸入ポート31と対向するように吸入弁33aが形成され、前記吐出弁形成板35には、吐出ポート32と対向するように吐出弁35aが形成されている。また、前記ガスケット34及びリテーナプレート兼用のガスケット36は、金属板(例えば鋼板)の両側面にゴムをコーティングして形成されており、リテーナプレート兼用のガスケット36にはリテーナ40が形成されている。
【0020】
次に、本発明の特徴的部分である油分離室50について説明する。
油分離室50は、図3及び図1に示すように、本体51と油分離室50の側壁としての蓋板52とよりなる。また、本体51の周壁である油分離室の周壁51aは、リヤハウジング14の周壁をそのまま延長した形態をなし、油分離室50の断面積とシリンダブロック11及びリヤハウジング14の断面積とは略同一に構成さている。
そして、油分離室50の本体51の内部は、垂直分離壁51bと水平分離壁51cとにより、吐出室28から圧縮ガスを導入する入口側室53と、油分離器55を収容し、該油分離器55から放出された圧縮ガスを受け入れ、この圧縮ガスを外部冷媒回路に吐出する出口側室54とに仕切られている。
【0021】
出口側室54内には、筒状体からなる遠心分離型油分離器が配設されている。該油分離器の筒状体は、水平分離壁51cの上面に入口部を密着させて溶接等により取り付けられている。そして、該油分離器55の入口孔に合わせて水平分離壁51cに連通孔56が設けられ、油分離器55の入口孔を入口側室53に連通させている。また、蓋板52には、油分離器55の開口端の側方部において、吐出口57が設けられ、この吐出口57を介して油分離室50が外部冷媒配管に接続されている。
【0022】
一方、入口側室53には前記導入孔48が開口されている。また、この入口側室53の側方周壁51aには、水平分離壁51cに連なる円弧状の突出壁51dが設けられ、この突出壁51dの蓋板52側端面には上端を出口側室54に開口し下方を後記する油溜め室58に開口する油溝60が刻設されている。また、入口側室53の下部、即ち、導入孔48の下方には金網、パンチングメタル(丸孔、スリットなどを明けた板)などの油の滴下を許容する仕切板59が本体51と蓋板52とにより挟持され。その下方部が前述の油溜め室58とされている。そして、この油溜め室58部分のリヤハウジング14の側壁14bには締結ボルト15のネジ孔16の先端が貫通されて開口しており、このネジ孔16を介してクランク室23が油溜め室58に連通している。
【0023】
そして、本体51における周壁51a、垂直分離壁51b、水平分離壁51c及び突出壁51dは、鋳造によりリヤハウジング14と一体的に形成されている。また、蓋板52は、Oリング52aを介し複数のボルトナット61により本体51の端面に取着自在に気密に取り付けられている。
【0024】
本実施の形態の両頭斜板式圧縮機は以上のように構成されており、駆動シャフト17の回転により斜板24を介して各ピストン21が各シリンダボア20内で往復動され、それによって、冷媒ガスの吸入、圧縮が行われる。
シリンダボア20内で圧縮された圧縮ガスはフロントハウジング12及びリヤハウジング14の各吐出室28に吐出される。フロントハウジング12側の吐出室28に吐出された圧縮ガスは、圧縮ガス連通路11dを介してリヤハウジング14側の吐出室28に集められる。そして、リヤハウジング側の吐出室28内に集められた圧縮ガスは、導入孔48を介して油分離室50内の入口側室53に導かれ、図3の実線矢印の如く、連通孔56の方に流れ、この連通孔56から旋回流となって油分離器55に導入される。
【0025】
この油分離器55内において、圧縮ガスは旋回され、圧縮ガス中に含まれる質量の大きいミスト状の潤滑油は、遠心力により油分離器55の筒状体の内壁に飛散される。飛散された潤滑油は、油分離器55の内壁を流下して連通孔56から滴下し、仕切板59を通って油溜め室58に回収、貯留される。そして、入口側室53に通じる油溜め室58とクランク室23との差圧により、油溜め室58内の潤滑油がネジ孔16及び締結ボルト15の周囲(本実施の形態の場合は吸入通路11aが締結ボルト15の周囲となっている)を介してクランク室23に還流され、各部の潤滑に供される。
【0026】
一方、油分離器55を出た圧縮ガスは、出口側室54及び吐出口57を介して外部冷媒回路に吐出される。この際、圧縮ガスは、出口側室54の周壁51aの内面に衝突したり、出口側室54において若干の膨張作用を受けたりして、この圧縮ガス中に残存している潤滑油が更に分離される可能姓があるが、ここで分離された潤滑油は、出口側室54の内壁を伝って下方に滴下し、突出壁51dに設けられた油溝60を介して油溜め室58に回収される。
【0027】
このように、本実施の形態の両頭斜板式圧縮機は、油分離器55が圧縮機に内蔵されているので、従来の冷媒回路中に油分離器を設けたものと比較すると、冷媒回路には何らの機器や配管を設ける必要がないので、冷媒回路が簡素化され、斜板式圧縮機を応用する空調装置等の応用装置の所要スペースを削減し、また、コスト低減を可能ならしめる。
また、油分離器55を内蔵する油分離室50は、本体51が従来のリヤハウジング14と一体成形されているので、油分離器55を圧縮機内に内蔵する構成も繁雑なものとはならない。
【0028】
また、油分離室50は、リヤハウジング14をそのまま後方に延長した形状とされており、従来のものに比し、スペース的に余裕があるので、スペース的制約にさほど囚われることなく油分離効率の良い油分離器を内蔵させることができる。例えば、本実施の形態における油分離器の場合は筒状体の長さや径を十分なサイズとすることができる。
このように、両頭斜板式圧縮機内に分離効率の良い油分離器55が内蔵された場合には、従来の油分離器内蔵型圧縮機に比し、冷媒回路に排出される圧縮ガス中の潤滑油含有量が低減される。その結果、熱交換器の内壁に付着する潤滑油の量が低減され、熱交換器の性能が向上する。
【0029】
また、油分離室50内が、垂直分離壁51bと水平分離壁51cとにより、リヤハウジングの吐出室28から圧縮ガスを導入する入口側室53と、油分離器55を収納し、該油分離器55から放出された圧縮ガスを受け入れて、この圧縮ガスを外部冷媒回路へ吐出する出口側室54とに区画形成されているので、入口側室53の圧縮ガスのみが油分離器55に導入され、油分離器55から排出された圧縮ガスのみが油分離器58の入口側に還流されることなく前記吐出口57から吐出されることとなり、油分離効率がより一層向上する。
【0030】
また、本実施の形態では、油溜め室58がハウジング12、14やシリンダブロック11等を締結する締結ボルト15のネジ孔16を介して、詳しくはネジ孔16の内周面と締結ボルト15の外周面との間に形成される僅かな円筒状の間隙(断面が環状の間隙)を絞り通路として、クランク室23に還流されるので、別途還油路のための絞り手段を設ける必要が無く、還油路を設けるための工数、費用が削減される。
また、この円環状間隙の一部にゴミ詰まりが生じたとしても、絞り通路全体が閉塞されたり、大きな抵抗となることがない。
また、ネジ孔16からクランク室23に至る還油路は、締結ボルト15の周囲、即ち吸入通路11aとなるので、本実施の形態の場合は油溜め室58からクランク室23に至るまで別途の還油路を全く形成する必要がない。従って、還油路形成に要するコスト、工数が削除される。
【0031】
本発明は、次のように変更して具体化することもできる。
(1) 本発明は、両頭斜板式圧縮機に具体化されているが、片頭斜板式圧縮機やウエブカム圧縮機等のカム式圧縮機に具体化しても良い。
(2) 請求項1乃至4の発明のうち請求項1、2及び3の発明に関しては油分離室50をリヤハウジング14とは別体で構成し、これをボルトナット等の適宜の手段によりリヤハウジング14に連設してもよい。
【0032】
(3) また、油分離室50及び油溜め室58は、リヤハウジング14の外側に連設された場所になくても良く、シリンダブロック11の上部に設けられていても良い。この場合、還油路の絞りとして利用する締結ボルト15の螺合されているネジ孔16は、実施の形態の様に最下部のものを選ぶのではなく、油分離室に近く連絡通路を簡単に構成できるもの、例えば最上部のものを利用すれば良い。
【0033】
(4) 油分離室50における入口側室53と出口側室54との分離壁は、垂直分離壁51b及び水平分離壁51cに変えて、水平分離壁のみ、或いは円弧状分離壁のみなど適宜の形状として構成することができる。
(5) 油分離室50において、出口側室54を広くしたり、油分離器55を他の構造のものとすることができる。例えば、水平分離壁のみにより油分離室50の上半分を出口側室として、その内部に本実施の形態のものより長い筒体を持った遠心分離型油分離器を水平に或いは斜めに配置することができる。
(6) 油分離室50の出口側室54に溜まった潤滑油を油溜め室58に回収する油溝60に変え、突出壁51dを廃止して、水平分離壁51cと周壁51aとの接合部に通孔を設けても良い。
【0034】
【発明の効果】
本発明は以上のように構成されているため、次のような効果を奏する。
請求項1記載の発明によれば、締結ボルトの螺合されたネジ孔が、油溜め室に貯留された潤滑油をクランク室に戻す還油路における絞り手段として作用するので、絞り手段を別途設ける必要がなくコスト低減できる。また、この絞り手段は断面円環状の円筒状通路となるので、ゴミ詰まりしにくい。
【0035】
請求項2記載の発明によれば、カム式圧縮機に内蔵する油分離器のスペース的制約が緩和され、効率の良い油分離器を設置することが容易となる。
また、このようにして効率の良い油分離器が内蔵された場合には、冷媒回路を複雑にすることなく、圧縮ガスとともに冷媒回路に排出される潤滑油が低減され、熱交換性能が改善される。また、カム式圧縮機を応用する装置の所要スペース及びコストが低減される。
また、その配置上油溜め室とネジ孔との連通を容易に行うことができる。
【0036】
請求項3記載の発明によれば、油分離室の形成が簡易化される。
請求項4記載の発明によれば、ネジ孔からクランク室への還油路が締結ボルトの周囲を利用して還油路が形成されるので、還油路がより一層簡略化され、また、より一層コスト低減される。
【図面の簡単な説明】
【図1】 実施の形態の両頭斜板式圧縮機の全体構成を示す断面図。
【図2】 図1におけるA−A断面図。
【図3】 図1におけるB−B断面図。
【符号の説明】
11…シリンダブロック、11d…圧縮ガス連通路、12…フロントハウジング、14…リヤハウジング、14b…リヤハウジングの側壁、15…締結ボルト、16…ネジ孔、20…シリンダボア、21…ピストン、23…クランク室、27…吸入室、28…吐出室、48…導通孔、50…油分離室、51…本体、51a…周壁、52…油分離室の側壁としての蓋板、53…入口側室、54…出口側室、55…油分離器、56…連通孔、57…吐出口、58…油溜め室、59…仕切板、60…油溝。

Claims (4)

  1. ピストンを収容する複数のシリンダボアを互いに平行に形成したシリンダブロックの端面に、吸入室、吐出室を有するリヤハウジングを接合し、リヤハウジングに形成されたネジ孔に締結ボルトを螺合することにより、シリンダブロックとリヤハウジングとを締結したカム式圧縮機において、油分離室と油分離室で分離された潤滑油を貯留する油溜め室とを備え、前記ネジ孔を油溜め室に連通させて、油溜め室内の潤滑油をネジ孔を介して前記シリンダブロック内に形成されたクランク室に還流させたことを特徴とするカム式圧縮機。
  2. 前記リヤハウジングの側壁外側に前記油分離室を連設し、該油分離室と前記吐出室との間に、吐出室内の圧縮ガスを油分離室に導入する導入孔を設けるとともに、前記油分離室内の上部には前記圧縮ガスに含まれる潤滑油を分離する油分離器を配設し、前記油分離室の下部には前記油分離器により分離された潤滑油を貯留する油溜め室を形成し、また、前記油分離室の側壁には前記油分離器により潤滑油が分離された圧縮ガスを外部冷媒回路に吐出するための吐出口を設けたことを特徴とする請求項1記載のカム式圧縮機。
  3. 前記油分離室の周壁を前記リヤハウジングと一体的に形成し、該油分離室の側壁を該リヤハウジングとは別体に構成したことを特徴とする請求項2記載のカム式圧縮機。
  4. 前記油溜め室内に貯留した潤滑油を、前記ネジ孔及び前記締結ボルトの周囲を介して前記クランク室に還流させたことを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載のカム式圧縮機。
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