JP3033125B2 - オイルセパレータ - Google Patents

オイルセパレータ

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JP3033125B2
JP3033125B2 JP02117508A JP11750890A JP3033125B2 JP 3033125 B2 JP3033125 B2 JP 3033125B2 JP 02117508 A JP02117508 A JP 02117508A JP 11750890 A JP11750890 A JP 11750890A JP 3033125 B2 JP3033125 B2 JP 3033125B2
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健一 藤原
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Description

【発明の詳細な説明】 [産業上の利用分野] この発明は、例えば自動車に搭載されたエアコン装置
あるいは冷凍装置等に使用され、ガス状の冷媒中からオ
イルを分離するオイルセパレータに関する。
[従来の技術] 冷凍サイクルにおいては、冷媒を圧縮機によって圧縮
した後この圧縮冷媒を凝縮器に供給して冷却液化し、さ
らに膨脹弁を介して蒸発器に供給してこの蒸発器の部分
で熱交換する。そして、この蒸発器部分を通過した冷媒
を圧縮機に帰還させる。
この様な従来の冷凍サイクルでは、圧縮機の潤滑のた
めに冷媒中に潤滑オイルを混入させており、圧縮機から
吐出される冷媒中には、潤滑オイルが混入されている。
しかし、この冷媒中に含まれる潤滑オイルは、凝縮およ
び蒸発等の性質が冷媒とは大きく異なるものであり、し
たがってこの潤滑オイルが冷凍サイクル中の凝縮器ある
いは蒸発器の部分に供給されると、凝縮器および蒸発器
の熱交換性能が損なわれ、冷凍サイクルの性能をも悪化
させる。
このため、圧縮機の出口部分と凝縮器の入り口部分と
の間に、圧縮機から吐出された冷媒中に含まれる潤滑オ
イルを分離抽出するオイルセパレータを配置し、このオ
イルセパレータで分離された潤滑オイルを、圧縮機の吸
入口側に戻すようにすることが提案されている。
このようなオイルセパレータとしては、遠心分離式の
ものが多く提案されており、例えば実開昭55−102913号
公報、実開昭55−104785号公報、実開昭56−88071号公
報、および実開昭64−1721号公報に開示されているもの
が知られていた。
ところで、近年カーエアコンにおいては可変容量圧縮
機が採用されるようになってきており、また冷媒として
フロンが規制されるようになってきている状況から、新
しい冷媒が採用される傾向にある。このため、圧縮機へ
のオイル戻りが悪化するようになり、オイルセパレータ
の必要性が高まっている。
ところが、前記公報等に開示されたような従来のオイ
ルセパレータでは、オイルセパレータを別体に設けてい
るため、冷凍サイクルとしての構成が複雑化する問題点
があった。
[発明が解決しようとする課題] この発明は上記のような従来技術の問題点に鑑み、冷
凍サイクルとしての構成を複雑化することなく、圧縮機
からサイクル中に吐出される潤滑油を減少させることが
できるオイルセパレータを提供することを目的とするも
のである。
[課題を解決するための手段] この発明に係るオイルセパレータは、圧縮機と凝縮器
と膨脹器と蒸発器とを直列に接続した冷凍サイクルに設
けられ、前記圧縮機から吐出された冷媒とオイルとの混
合流体から前記オイルを分離し、このオイルを前記圧縮
機に戻すオイルセパレータにおいて、円筒状の空間の一
端寄りの周壁から、この周壁の接線に沿って導入される
入口通路を形成して、この入口通路から圧縮機からの吐
出混合流体を導入し、前記円筒空間の軸線部分にその一
端の側壁部分から延び、他端の側壁に向けて開口する出
力通路を備え、前記円筒空間の前記他端の側壁の周囲に
オイル導出口が形成されるようにしたオイル分離室、お
よび前記オイル導出口から導出されたオイルの貯油室を
備える。そして、前記オイル分離室および貯油室が、前
記圧縮機と一体に設定されるようにする。
また第2の発明にあっては、前記貯油室の内壁との間
にオイル通路を形成すると共に、このオイル通路の一端
を前記貯油室に開口させ他端を圧縮機の低圧部に開口さ
せるリング部材を設定し、このリング部材も前記圧縮機
と一体とされるようにする。
そして、さらに第3の発明にあっては、前記貯油室の
オイルを前記圧縮機の吸入側に戻すオイル通路を形成さ
せるもので、前記オイル分離室のオイル導出口が貯油室
の最高油面より低い位置に設定され、オイル分離室と貯
油室との圧力差によってオイル導出口からオイルが導出
されて、貯油室の最高油面位置にされるようにしてい
る。
[作用] この様に構成されるオイルセパレータにあっては、圧
縮機に対して一体的に構成されるもので、圧縮機にオイ
ルセパーレータが内臓した構成とされるため、冷凍サイ
クルの構成を簡易化し、組立て等も簡単とされる。ま
た、圧縮機からの吐出直後にオイルを分離できるように
なり、配管等の構成も極力短くすることができる。また
出口通路の周囲の円筒空間の比較的狭い流路で強力な混
合流体の旋回流が発生され、これによってオイルを分離
し、この旋回流が減衰しない位置に出口通路が開口され
るため、分離されたオイルを円筒空間の周壁に付着させ
た状態で、冷媒を出口通路から吐出させることができ
る。
また第2の発明においてリング部材を設定することに
より、このリング部材の外周にキャピラリが形成され、
吸入側にオイルを戻すようにした。したがって、高低圧
差を小型の減圧機構で吸収できるようになり、圧縮機の
大型化を効果的に抑制できる。
さらに第3の発明においては、オイル導出口が貯油室
の最高油面より低い位置に設定され、オイル分離室と貯
油室との圧力差で、分離されたオイルがオイル導入口か
ら最高油面位置に導入される。したがって、オイル分離
室と貯油室とを水平方向に並べて配設することができ、
従来技術のレイアウト上の制約を受けることなく、小形
化が容易となる。
[発明の実施例] 以下、図面を参照してこの発明の一実施例を説明す
る。第1図の(A)はその断面構造を示しているもの
で、このオイルセパレータ11は、冷媒圧縮機12と一体的
に構成されている。
オイルセパレータ11は、冷媒ガスに混入されている潤
滑オイルを分離するオイル分離室13を備える。このオイ
ル分離室13は、内周壁が円筒状に形成されるもので、こ
の分離室13の内周壁に入口通路14が開口設定される。こ
の入口通路14には、圧縮機12から吐出された冷媒が導入
されるもので、この冷媒には圧縮機12において使用され
ている潤滑オイルが混入している。
ここで、入口通路14のオイル分離室13に対する開口部
は、分離室13の上方に位置し、且つ第1図の(B)に示
すように、分離室13の円弧状周壁の接線に沿って形成さ
れている。この入口通路14から吐出されたオイルと冷媒
ガスとの気液混合体は、オイル分離室13の内周壁に沿っ
て回転され、冷媒ガスによる気液混合体の旋回流が、分
離室13内に発生させられるようになる。
また、オイル分離室13の上面中央部分には、出口通路
15が設けられている。この出口通路15は、図示しない配
管を介して冷媒の凝縮器に接続されるもので、このパイ
プ15の開口部151は、分離室13の中心軸部で下方に向け
て設定されている。
オイル分離室13の下方には、出口通路15の開口部151
に、間隔をおいて対向設定されるように仕切り板16が設
置される。この仕切り板16は、オイル分離室13の底板部
を構成するようになる部材であり、第2図に取り出して
示すように金属製もしくは樹脂製の円盤によって構成さ
れ、その周辺部には複数の小さな開口171、172、…が形
成されている。そして、オイル分離室13の下方には、仕
切り板16によって区画されるようにして貯油室18が形成
され、この貯油室18にはフィルタ19が設けられる。そし
て、このフィルタ19を通過したオイルは、絞り通路20を
介して圧縮機12の吸入側に戻されるようにする。
第3図は貯油室18に形成される絞り通路20の部分を拡
大して示しているもので、貯油室18の下部周辺部には、
リング21が嵌め込み設定され、このリング21にフィルタ
19が保持固定されている。このリング21の貯油室18の内
壁に接する外周面には、リング21の下端から上部へ向け
て螺旋状に切削された溝201が形成されている。そして
フィルタ19を通過したオイルは、リング21の下端から溝
201に入り、この溝201を通過する間に減圧され、通路20
2を介して圧縮機12の吸入側に導かれる。すなわち、溝2
01および通路202によって絞り通路20が構成される。
この様にリング21の外周に螺旋状の溝201を形成し、
これを減圧のための絞り通路として用いることにより、
吐出側の高圧と吸入側の低圧との圧力差を充分に吸収す
ることができ、しかもこの絞り通路を小型且つコンパク
トに構成することができる。
ここで、オイル分離室13と貯油室18とを区画する仕切
り板16は、分離室13内にオイルの混入している冷媒ガス
が入り口パイプ14から吐出され、この気液混合体が分離
室13内で旋回流を生じさせる状態で、この旋回流による
遠心力が減衰しない位置に設定される。すなわち、この
オイル分離室13内では、旋回する気液混合体による遠心
力によって、オイルとガス冷媒との分離が確実に行われ
るようにする。
第4図はこのように構成されるオイルセパレータ11を
使用した冷凍サイクルの構成を示すもので、圧縮機12か
らは、潤滑オイルを含む冷媒ガスが吐出され、この冷媒
ガスがオイルセパレータ11内に導入される。このオイル
セパレータ11においては、質量の大きいオイルが、分離
室13内の旋回流による遠心力によって、分離室13の内壁
に付着分離される。そして、内壁に付着したオイルは、
分離室13内おいて、第1図中の上方から下方へ向かう旋
回流の螺旋の流れにより、仕切り板16の方へ移動し、分
離室13の内周壁と仕切り板16との角部に集められる。
この分離されたオイルは、オイル分離室13と貯油室18
との差圧によって仕切り板16の開口171、172、…を通過
して貯油室18に導入され、フィルタ19および絞り通路20
を通過して、圧縮機12の吸入側に戻される。
オイルセパレータ11から出口通路15を通って吐出され
る冷媒ガスは、凝縮器22により凝縮液化され、レシーバ
23にて気液分離される。このレシーバ23からの液冷媒
は、膨脹弁24に供給されて膨脹し、低温冷媒として蒸発
器25に供給され、空気と熱交換する。そして、この蒸発
器25で熱交換しガス化した冷媒は、再び圧縮機12の吸入
側に帰還される。
このように冷凍サイクルにおいて使用される遠心分離
型のオイルセパレータ11にあっては、オイル分離室13内
の旋回流によって分離されたオイルが出口通路15に向か
う冷媒流によって乱され、サイクル内へ出てゆかないよ
うに、分離室13と貯油室18とを仕切り板16によって遮断
している。そして、この仕切り板16によって、冷媒ガス
からのオイルの分離能力の向上を図るようにする。
ここで、オイル分離室13の軸方向の長さを延長し、出
口通路15の下端開口部151と、この分離室13の底部とな
る仕切り板16との距離が長くなると、旋回流としての流
路面積が大幅に広くなる。したがって、仕切り板16に接
近した分離室13の下方における旋回流が減衰し、遠心力
が弱まる。このため、旋回流による遠心力によって一度
分離し、分離室13の壁面に付着したオイルが、再びこの
壁面から剥離してガス冷媒と混合し、出口通路15から流
出する。
このため、この実施例においてはオイル分離室13の底
面となる仕切り板16を、入口通路14から吐出された冷媒
ガスによる旋回流によって発生された遠心力が仕切り板
16の位置においても減衰しない位置に設置している。そ
して、オイル分離室13内における遠心力が入口通路14か
ら最も離れた仕切り板16の位置においても減衰されない
ように構成することによって、オイル分離室13の内周壁
に付着したオイルを確実にこの内周壁に付着させたまま
仕切り板16の開口へ導くことができ、より高いオイル分
離性能が得られるようになる。
第5図は出口通路15の下端開口部151と仕切り板16と
の距離Lと、分離室13内に発生する旋回流の速度の2乗
の値(遠心力は速度の2乗に比例する)との関係を示し
ている。この第5図の特性から、距離Lの値が50mmとな
る付近から急速に遠心力が減衰してゆくことが理解でき
る。
また第5図には一点鎖線でオイルセパレータ入口と出
口との間の圧力損失と距離Lとの関係が示されている。
この特性から距離Lの値が5mm以下となると圧損が急激
に上昇することがわかる。この様な圧損の増加は、冷媒
流量の減少を招き、冷凍サイクルとしての性能低下を招
くようになり、したがって距離Lは5mm以上に設定され
るべきである。
第6図は上記距離Lとオイルセパレータの分離能力と
の関係を示す。この第6図における分離能力は、オイル
セパレータで分離されずに冷凍サイクルへ流出するオイ
ル量をG1、オイルセパレータで分離されるオイル量をG
2、オイルセパレータへの総流入オイル量をG1+G2とし
たときの“G2/(G1+G2)”を百分率で示したものであ
る。
ここで、冷凍サイクルの性能を悪化させることなく、
しかも圧縮機を充分に潤滑するための分離能力として、
約98%程度の分離能力が望まれる。このことから、距離
Lは第6図に示されるように50mm以下であることが望ま
しい。
この様な第5図および第6図で示した特性から、距離
Lは5〜50mmとすることが望ましいことが理解されよ
う。
以上説明した実施例によると、圧縮機にオイルセパレ
ータを内蔵しているため、冷凍サイクルの構成、組立て
が簡単となる。また、圧縮機からの吐出直後にオイルを
分離できるので、オイルセパレータを設置するための配
管長さを極力短くすることができるとする効果が発揮さ
れる。
さらに、出口通路15の周囲の比較的狭い流路において
強力な旋回流を生じさせてオイルを分離し、この旋回流
が減衰しない位置に仕切り板16を設置すると共に、この
仕切り板16の近傍に出口通路15を開口させている。した
がって、オイル分離室13の内部全体に強力な旋回流が維
持され、分離されたオイルを分離室13の内周壁に付着さ
せたまま、冷媒ガスを出口通路15から吐出させることが
できる。
さらに出口通路15を仕切り板16の近傍において、仕切
り板16に向けて開口させることにより、オイル分離室13
の内部において、入口通路14の近傍から仕切り板16の方
向へ向かう旋回流を生じさせることができ、分離された
オイルを確実に仕切り板16の周囲に設けられた開口へ押
しやることができると共に、旋回流の向かう方向とは逆
の方向へ冷媒ガスが流れて行くため、冷媒ガスからオイ
ルを確実に分離することができる。
また、上記のような強力な旋回流が得られるため、オ
イル分離室13の軸(旋回流の回転軸)を垂直方向から傾
けても、充分なオイル分離性能を得ることができる。
さらに、圧縮機の吐出ハウジング部にオイルセパレー
タと貯油室とを内蔵させ、この貯油室から圧縮機の吸入
側へオイルを戻すにあたり、貯油室18内のリング21によ
って絞り通路20を形成するようにしたため、高圧側と低
圧側との圧力差を吸収する絞り通路を小型に構成するこ
とができる。
第7図および第8図は第2の実施例を示すもので、こ
の実施例にあっては圧縮機と組み合わせた場合に、より
小形化して構成することができ、車両への搭載性が改善
されるようにしている。
この実施例にあっては、オイル分離室13の軸線が水平
の状態に設定されている。そして、圧縮機から垂直に形
成した入口通路141から、圧縮機からの吐出冷媒が供給
される。また、貯油室18はオイル分離室13とは独立して
形成され、軸線を垂直状態に設定される。そして、貯油
室18の上面とオイル分離室13の上部分とが一致するよう
に両者が形成され、そしてオイル分離室13の壁面131を
仕切り板16とし、その上方に1個の開口17が形成され、
オイル分離室13で分離され、旋回流による遠心力で壁面
に付着したオイルが、この1個の開口17を介して貯油室
18に供給される。
オイル分離室13には、出口通路15が形成された部材が
ねじ込まれ、固定されている。さらに貯油室18には、外
周に螺旋状の溝を形成したリング21が圧入され、このリ
ング21の下端にはフィルタ19が張設されている。そし
て、貯油室18のオイルはフィルタ19を通って、リング21
の下端から螺旋状の溝に入り、圧縮機12のオイルの吸入
口127へ吸入される。
このオイルセパレータ11は第9図および第10図に示す
ようにして圧縮機12の上部に組付け設定される。ここで
使用される圧縮機12は斜板型のもので、この圧縮機12の
サービスバルブ取り付け部(吐出ハウジング)にオイル
セパレータ11が内蔵される構成とされる。
圧縮機12はエンジン(図示せず)によって回転される
軸121を備え、この軸121によって斜板室122内に設定さ
れる斜板123が回転される。この斜板123は軸121の回転
に伴って、その外周部が往復運動されるもので、この斜
板123にはピストン124が連結される。ここで、この圧縮
機12にあっては、例えば5個のシリンダ125を備え、こ
のシリンダ125内にそれぞれピストン124が設定され、軸
121の回転に伴ってそれぞれ冷媒圧縮動作が実行され
る。そして、圧縮された冷媒は吐出室126に送り込ま
れ、この吐出室126の圧縮冷媒が、オイルセパレータ11
の入口通路14に供給されるようになる。ここで、吐出室
126と貯油室18とは、底板51によって区画されている。
127は吸入通路であり、この吸入通路127には貯油室18
から絞り通路20を経た分離オイルが通路128を介して供
給される。
すなわち、圧縮機12のシリンダ125で圧縮され吐出室1
26に送り込まれたガス冷媒は、吐出通路129を介してオ
イルセパレータ11の入口通路14に導かれ、オイル分離室
13に入る。この分離室13でオイルとガスとが遠心分離さ
れ、ガス冷媒は出口通路15を介して凝縮器に送られ、オ
イルは開口17を介して貯油室18に入り、フィルタ19およ
び絞り通路20を介して吸入通路127に帰還される。
この帰還オイルは蒸発器からのガス冷媒と吸入通路12
7で混合され、圧縮機12の斜板室122に送り込まれて、再
び圧縮されるようになる。
この様にして使用されるオイルセパレータ11におい
て、オイルを遠心分離するオイル分離室13は、軸線を水
平状態にして設定しても、オイル分離室13内における旋
回流が強力であるため、重力に打ち勝ってオイルは分離
室13の内周壁に付着し、壁面16の方へ集中する。このた
め、分離室13の軸線を重力方向に対していかように設定
しても、オイルの分離性能は特に変化しない。したがっ
て、自動車搭載用のカーエアコンの冷媒圧縮機に組み合
わせ使用されるオイルセパレータ11としての機能は充分
に発揮される。また、オイル分離室13から貯油室18に連
通する開口17は、オイル分離室13内における旋回流が強
力であるため、図で示されるように上方に1個形成する
だけで、充分なオイルを確実に貯油室18へ導入すること
ができる。
すなわち、オイルセパレータ11をこの様に構成するこ
とによって、貯油室18における最高油面(オイルを最大
に貯油した状態での油面位置)より下に、オイル分離室
13からのオイル抽出用の開口を設けても、オイル分離室
13と貯油室18との圧力差によって、オイルを確実に貯油
室18に導入することができ、従来のレイアウトにとらわ
れることがない。そして、特にこの実施例では圧縮機を
含む機構部分の高さ寸法は充分に小さくすることがで
き、限られたスペースの自動車のエンジンルーム内に容
易に収納できるようになる。
この第2の実施例ではオイル分離室13と貯油室18との
高さを一致させる構造としたが、第11図に示す第3の実
施例のようにオイル分離室13よりも低い位置に貯油室18
を設定することもできる。この実施例にあっては、仕切
り板となる壁面16の周囲に、第2図で示したように多数
の開口171、172、…を形成する構造としている。尚、こ
れらの開口は例えば下側に1個の開口を形成するのみで
も、その機能は充分に発揮される。
第12図はベーンタイプの圧縮機52にオイルセパレータ
11を搭載した第4の実施例を示すもので、この圧縮機52
にあってはリアハウジング521内が吐出室522とされる。
そして、オイルセパレータ11を構成するオイル分離室13
および貯油室18は、このリアハウジング521内に形成さ
れるもので、この両者は仕切り板16によって分離さる。
すなわち、オイル分離室13、仕切り板16、さらに貯油
室18を、圧縮機52のリアハウジング521内に形成するこ
とにより、圧縮機12にオイルセパレータ11を一体的に組
み合わせた構造としても、全体的に高さを高くすること
なく、コンパクトに構成可能となる。
ここで、これまでの実施例で示したオイルセパレータ
の機能について実験的に考察する。第13図は出口通路15
と仕切り板16との距離Lと、この圧縮機を用いた冷凍サ
イクル中のオイル循環割合Φ(%)との関係を示してい
るもので、距離Lが大きくなると、オイルの冷凍サイク
ルへの循環量が増大する。尚このオイル循環割合Φは、
サイクル中を循環するオイル量をG1とし、冷媒量をG2と
したときに“G1/(G1+G2)×100"で表される。
第14図は第13図のデータを得るためのオイルセパレー
タの構成を示すもので、オイル分離室13の内径をD、出
口通路15の内径をd、この出口通路15の外周と分離室13
の内壁との距離をδ、出口通路15の長さをlとし、これ
らの値をそれぞれD=20mm、d=12mm、δ=4mm、l=2
0mmとしている。また、圧縮機の回転数は1000(rpm)と
し、圧縮圧力は高/低圧力が15/2(Kg/cm2)として第13
図で示す特性を得た。
オイルセパレータ11において、出口通路15の先端と仕
切り板16との距離Lは、第5図および第6図で説明した
ように、5〜50mmに設定することによって、オイルは効
率的に遠心分離される。この様にすれば、仕切り板16の
付近において、オイルは出口通路15の周囲で旋回流れを
しており、仕切り板16に形成した開口から貯油室18に抽
出される。
ここで、第2図で示した実施例では仕切り板16の周囲
に複数の開口171、172、…を形成している。また第7図
で示した実施例では上方に1個の開口17を形成してい
る。これらのオイル分離室13と貯油室18とを区画する仕
切り板16に形成される開口について考察してみると、こ
の開口17、171、172、…等の大きさは、例えば直径2〜
3mm程度が適性であり、またその数および位置は、任意
に設計条件に対応して決定できる。
第15図は、開口の数および位置に関連した実験の結果
を示すもので、丸印は仕切り板16の外周部に直径2mmの
開口を8個形成した場合、三角印は直径2mmの開口を上
方に1個形成した場合、さらに四角印は直径2mmの開口
を下方に1個形成した場合であり、圧縮機の回転数Ncと
冷凍サイクルのオイル循環割合Φ(%)との関係を示し
ている。
この実験から明らかとされるように、仕切り板16に形
成する開口の数、さらにその形成位置を上方にした場
合、さらに下方にした場合等で、オイルの循環量は殆ど
変わらない。したがって、圧縮機との組み合わせ構造、
オイル分離室と貯油室との位置関係等に対応して、仕切
り板に形成する開口は、任意性をもって設計できる。
第16図はオイル分離室13への入口通路14の開口面積を
A1、出口通路15の開口面積をA2としたときの比率A1/A2
に対するオイル循環割合Φを示すグラフである。これか
ら理解されるように、入口通路14の開口面積A1を小さく
することにより循環割合Φを低下させることが可能であ
る。特に各実施例で示されたようにオイルセパレータを
圧縮機に内臓する場合には、圧縮機から吐出される混合
流体中におけるオイルの粒子が小さいため、このオイル
を分離するために強力な旋回流を生じさせる必要があ
る。この強力な旋回流を得る上で、入口通路14の径を小
さくすることが有効であることが、この第16図で示した
特性から推測できる。
[発明の効果] 以上のようにこの発明に係るオイルセパレータにあっ
ては、例えば自動車のエンジンルームのような限られた
容積部分にも容易に収納できるように圧縮機と一体的に
構成して小形化できる。また、オイル分離室と貯油室と
の圧力差で、オイルが貯油室の最高油面位置へ導入する
こともできるので、分離室と貯油室とを水平に並べて配
置することも可能となり、全体の体格の小形化に大きな
効果を発揮し、車載用のカーエアコンに効果的に適用で
き、カーエアコンの能率向上等に大きな効果を発揮す
る。特に潤滑オイルの分離性能が確実に向上できるもの
で、カーエアコンの機能をより効果的に安定化すること
ができる。
【図面の簡単な説明】
第1図の(A)はこの発明の一実施例に係るオイルセパ
ーレータを説明する断面構成図、第1図の(B)は上記
セパレータの入口通路部の構成説明する図、第2図は上
記セパレータに使用される仕切り板を取り出して示す
図、第3図は同じく絞り通路部分を説明する断面図、第
4図は上記オイルセパレータを使用した冷凍サイクルを
示す図、第5図および第6図はそれぞれ出口通路の開口
部と仕切り板との距離Lと旋回流速度との関係、および
オイル分離能力との関係を説明する図、第7図はこの発
明による第2の実施例のオイルセパレータの平面構成
図、第8図は第7図のA−A線に対応する断面図、第9
図はこの実施例で示したオイルセパレータを圧縮機と組
み合わせた状態を示した部分断面図、第10図は第9図の
A−A線断面図、第11図は第3の実施例を説明する断面
構成図、第12図は圧縮機と組み合わせた第4の実施例を
示す断面図、第13図は距離Lとオイル循環割合Φとの関
係を示す特性曲線図、第14図は上記実験を行ったサンプ
ルの構成を説明する模式構成図、第15図は圧縮機回転数
とオイル循環量との関係を開口の数との対応で示したグ
ラフ、第16図は入口通路と出口通路との比率とオイル循
環割合Φとの関係を示すグラフである。 11……オイルセパレータ、12……圧縮機、13……オイル
分離室、14……入口通路、15……出口通路、16……仕切
り板、171、172、……開口、18……貯油室、19……フィ
ルタ、20……絞り通路、リング……21。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 ▲榊▼原 久介 愛知県刈谷市昭和町1丁目1番地 日本 電装株式会社内 (56)参考文献 実開 昭54−103660(JP,U) 実開 昭56−88071(JP,U) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) F25B 43/02

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】圧縮機と凝縮器と膨脹器と蒸発器とを順に
    接続した冷凍サイクルに設けられ、前記圧縮機から吐出
    される冷媒とオイルとの混合流体から前記オイルを分離
    し、このオイルを前記圧縮機へ戻すオイルセパレータに
    おいて、 円筒状の空間を備え、前記圧縮機から吐出される混合流
    体を前記円筒空間の一端寄りの周壁から、この周壁の接
    線方向に沿って導入する入口通路が設けられると共に、
    前記円筒空間の前記一端の側壁から前記円筒空間の軸線
    に沿って設定され、この円筒空間の他端の側壁へ向けて
    開口する出口通路が設けられ、さらに前記円筒空間の他
    端の側壁の周囲にオイル導出口が形成されたオイル分離
    室と、 前記オイル導出口から導出されるオイルを貯える貯油室
    と、 この貯油室の内壁に挿入され、この内壁との間にオイル
    通路を形成すると共にこのオイル通路の一端を前記貯油
    室に開口させ、他端を前記圧縮機の低圧部に開口させる
    リング部材とを備え、 前記オイル分離室と前記貯油室と前記リング部材とが前
    記圧縮機と一体に設けられることを特徴とするオイルセ
    パレータ。
  2. 【請求項2】前記オイル通路が螺旋状に形成され、前記
    貯油室の底面近傍から上方にむけて進行することを特徴
    とする請求項1記載のオイルセパレータ。
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