JP3747495B2 - ステアリング支持装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本願発明は、ステアリング支持装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
車両の正突(即ち、車体前部からの衝突)時には、車体前部に位置するエンジンルーム部分がクラッシャブルゾーンとなり、この部分が潰れ変形を生じることで衝突による衝撃力を適度に吸収してドライバーを保護するようになっているが、この衝突による衝撃力が過大である場合には、エンジンルーム部分の潰れ変形量が大きくなりエンジンそのものも車体後方側へ押しやられることにもなる。
【0003】
この場合、エンジンルーム後部と車室前部の間には、ステアリングシャフトが、車室側に位置し且つステアリングホィールの取付部となる一端側からエンジンルーム側に位置する他端側に向けて下降傾斜状態で配置されている。また、このステアリングシャフトは、その軸方向中間部位が、車室前部において車幅方向に横設配置されたパイプ製の支持メンバーにより該支持メンバーの下方位置において支持されている。このため、衝突による車体後方側への衝撃力がステアリングシャフトの他端側に作用すると、該ステアリングシャフトを介して上記支持メンバーに捩り作用が働き、該支持メンバーの捩れ変形により該ステアリングシャフトは該支持メンバーを中心に回動変位しその一端側が上方へ立ち上がるように変位する(以下、かかるステアリングシャフトの変位を「立ち上がり」という)。かかるステアリングシャフトの立ち上がりは、衝突の反動によりステアリングホィール側へ飛び出す作用を受けるドライバーにとっては好ましくないものである。従って、ドライバー保護の観点からは、かかる衝突時におけるステアリングシャフトの立ち上がりを可及的に抑制することが望まれる。
【0004】
かかる要請に応えるものとして、従来より、ステアリングシャフトを車体側の支持メンバーに支持するための支持部材に切欠等の脆弱部を設け、該ステアリングシャフトへの過大な荷重の入力時には該脆弱部において支持部材を変形あるいは破断させて該ステアリングシャフトの立ち上がり現象を抑制するようにしたものが提案されている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
ところが、かかる方法は、ステアリングシャフトと支持メンバーとを上記支持部材により固定的に連結する通常のステアリング支持構造の場合には有効であるが、例えば特開平1−223066号公報に開示される如きチルト機構を備えたステアリング支持構造の場合にはその効果は比較的少ない。即ち、チルト機構を備えたステアリング支持構造においては、その機能上、ステアリングシャフトは支持メンバーに対して上下方向に揺動可能なる如く支持されているため、例え支持部材に脆弱部を設けてもこれが破断等する以前にステアリングシャフトが揺動してこれが立ち上がり傾向となるためである。このため、特にチルト機構を備えたステアリング支持装置においては、ステアリングシャフトの一端の立ち上がりをより確実に防止し得る技術の開発が望まれているところである。
【0006】
そこで本願発明は、車両の衝突時におけるステアリングシャフトの立ち上がりを簡単な構造により効果的に防止し得るようにしたステアリング支持装置を提案せんとしてなされたものである。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本願発明ではかかる課題を解決するための具体的手段として次のような構成を採用している。
【0008】
本願発明では、車室前部においてその一端を車室側に向け且つ該一端側から他端側に向けて下降傾斜状態に配置されるステアリングシャフトの下面側に固定された第1ブラケット部材と、上記ステアリングシャフトの上方側に配置された支持メンバーに上記第1ブラケット部材をその下方から抱持して固定すると共に、該第1ブラケット部材を介して上記ステアリングシャフトを上記支持メンバーに対して上下方向に揺動可能に支持する第2ブラケット部材とを備え、上記第1ブラケット部材と第2ブラケット部材とは、上記ステアリングシャフトの下方側位置に設けた固定手段により固定可能とされるとともに、解除手段により該固定手段による固定状態が解除可能とされ、上記第1ブラケット部材と第2ブラケット部材のうちの少なくともいずれか一方側であって上記固定手段配置位置よりも下方側寄り部位に設けられ、上記ステアリングシャフトがその他端側に作用する外力を受けて上記一端側が上方へ立ち上げられる如く動作する場合に該第1ブラケット部材が第2ブラケット部材に対して所定量相対移動した時に該第1のブラケット部材と第2のブラケット部材のいずれか他方側に当接することで該相対移動を規制して該ステアリングシャフトの立ち上がり動作を規制するストッパー部材をさらに備えており、上記支持メンバーが、上下方向に延設され且つその下端部が車体フロア側に固定された連結部材の上端部により支持される一方、該連結部材の下端部は、車体前後方向に所定間隔をもって設けられた複数の固定部において固定されるとともに、該複数の固定部のうち、車体前後方向の最後端に位置する固定部以外の固定部には、該連結部材の上端部にこれを車体後方側へ移動させる方向に所定以上の荷重が作用した時にその固定状態を解除し得る固定解除手段が設けられていることを特徴としている。
【0009】
【発明の効果】
本願発明ではかかる構成とすることにより次のような効果が得られる。
【0010】
(1) 本願発明にかかるステアリング支持装置によれば、ステアリングシャフトに設けられた第1ブラケット部材と該第1ブラケット部材を介して上記ステアリングシャフトを支持メンバーに対して上下方向に揺動可能に支持する第2ブラケットとの間にストッパー部材を設けることで、上記ステアリングシャフトがその他端側に作用する外力を受けてその一端側が上方へ立ち上げられる場合、該ストッパー部材によりその立ち上がり動作が規制される。従って、この第1の発明のステアリング支持装置によれば、上記ステアリングシャフトの立ち上がりが、上記ストッパー部材による規制作用と上記支持メンバーの捩り剛性による規制作用の二段階の規制作用によって効果的且つ確実に防止されるものである。
【0011】
(2) 本願発明にかかるステアリング支持装置によれば、ステアリングシャフトの下面側に固定された第1ブラケット部材と、該第1ブラケット部材をその下方から抱持して上記ステアリングシャフトの上方側に配置された支持メンバーに固定する第2ブラケット部材とを、上記ステアリングシャフトの下方側位置に設けた固定手段により固定可能とするとともに解除手段により該固定手段による固定状態を解除可能としたチルト機構を備えた所謂チルト式ステアリング支持装置において、上記第1ブラケット部材と第2ブラケット部材のうちの少なくともいずれか一方側に、該第1ブラケット部材が第2ブラケット部材に対して所定量相対移動した時に該第1のブラケット部材と第2のブラケット部材のいずれか他方側に当接することで該相対移動を規制するストッパー部材を設けているので、上記ステアリングシャフトが衝突荷重を受けて立ち上がり方向へ変位するとき上記第1ブラケッと第2ブラケット部材とが所定量相対移動した時点において上記ストッパー部材が作動し、該第1ブラケット部材の移動が規制され上記ステアリングシャフトの立ち上がりが阻止される。即ち、ストッパー部材が第1ブラケット部材あるいは第2ブラケット部材に当接することによるステアリングシャフトの立ち上がり抑制作用と上記第2ブラケット部材を介して荷重が伝達される上記支持メンバーの捩り剛性によるステアリングシャフトの立ち上がり抑制作用とにより、チルト機構を備えたステアリング支持装置でありながらステアリングシャフトの立ち上がりがより効果的に且つ確実に防止されるものである。
【0012】
(3) 本願発明にかかるステアリング支持装置によれば、上記(2)に記載の効果に加えて、上記ストッパー部材を、上記第1ブラケット部材又は上記第2ブラケット部材の上記固定手段配置位置よりも下方側寄り部位、即ち、該固定手段配置位置よりも上方側寄り部位に比してスペース的に余裕のある部位、に設けているので、該ストッパー部材を強固な構造とすることが比較的容易であり、それだけ該ストッパー部材によるステアリングシャフトの立ち上がりをより一層確実に阻止し得るものである。また、このストッパー部材の作動反力により上記第2ブラケット部材側には、上記固定手段配置位置よりも下方側においてしかも車体後方側へ向かう力が作用し、該反力によりステアリングシャフトが立ち上がり方向へ変位せしめられるということが防止される。
【0013】
(4) 本願発明にかかるステアリング支持装置によれば、上記(3)に記載の如くストッパー部材の作動反力により上記第2ブラケット部材側に上記固定手段配置位置よりも下方側においてしかも車体後方側へ向かう力が作用するような構成に加えて、上下方向に延設され且つその下端部が車体フロア側に固定された連結部材の上端部により支持メンバーを支持し、さらに該連結部材の下端部を、車体前後方向に所定間隔をもって設けられた複数の固定部において固定するとともに、該複数の固定部のうち、車体前後方向の最後端に位置する固定部以外の固定部に固定解除手段を設けた構成としている。
【0014】
従って、かかる構成によれば、ステアリングシャフトへの衝突荷重の入力により該ステアリングシャフトが立ち上がり方向へ変位しこれが上記ストッパー部材により規制された場合に該ストッパー部材の作動反力が車体後方側に向かって作用し、上記連結部材にはこれを車体後方側へ移動させる方向のモーメントが生じる。この場合、上記作動反力が所定以上になると、車体前後方向の最後端に位置する固定部以外の固定部においては固定解除手段が作動しその固定状態が解除されるため、該連結部材は最後端の固定部を中心に車体後方側へ回動変位するとともにこれに伴って上記支持メンバーが車体後方側へ変位することで、上記ステアリングシャフトの一端側は車体後方斜め下方へ押し下げられる状態となり、結果的に該ステアリングシャフトの立ち上がりがさらに確実に防止されるものである。
【0015】
【発明の実施の形態】
以下、本願発明のステアリング支持装置を好適な実施形態に基づいて具体的に説明する。
【0016】
図1には、本願発明にかかるステアリング支持装置の好適な実施形態を示しており、同図において符号1は車室前部とエンジンルームの後部との間に跨がって且つ車室側に位置する一端1a側からエンジンルーム側に位置する他端(図示省略)側に向かって下降傾斜状態で配置されたステアリングシャフト、符号2は所定径のパイプ体でなり車室前部に横設配置されてインストルメントパネル(図示省略)と共に上記ステアリングシャフト1を支持する支持メンバー、符号3は上記支持メンバー2の軸方向中間部位を車体床面側に設けたトンネル部17に連結支持するステー部材(特許請求の範囲中の「連結部材」に該当する)である。
【0017】
以下、上記支持メンバー2に対する上記ステアリングシャフト1の支持構造、及び上記ステー部材3による上記支持メンバー2の固定構造等について詳述する。
【0018】
ステアリングシャフト1の支持構造
上記ステアリングシャフト1の上記支持メンバー2に対する支持構造を図1〜図3を参照して説明すると、この実施形態のステアリング支持装置は所謂チルト機構付きステアリング支持装置であって、上記支持メンバー2に設けられた取付基台4と、上記ステアリングシャフト1の軸方向中間部位に固定された第1ブラケット5と、該第1ブラケット5を上記取付基台4側に支持せしめるための第2ブラケット6とを備えている。
【0019】
上記取付基台4は、上記支持メンバー2から車室側へ斜め下方に向けて延出する如く該支持メンバー2に固定されており、その下端には上記支持メンバー2の軸方向に沿って相互に逆方向へ延出するフランジ部4a,4aが設けられている。
【0020】
上記第1ブラケット5は、特許請求の範囲中の「第1ブラケット部材」にそれぞれ該当するものであって、板材を略コ字状に屈曲形成しその屈曲方向の両端部をそれぞれ上記ステアリングシャフト1の軸方向中間部位の下面側に溶接固定することで該ステアリングシャフト1と一体化されている。この第1ブラケット5の左右一対の縦壁部5a,5aは後述する第2ブラケット6への支持部となるものであって、ここにはボルト穴31が設けられている。また、第1ブラケット5の上記一対の縦壁部5a,5aの間に位置する底壁部5bの適宜位置(この実施形態においては上記ステアリングシャフト1の一端1a寄りの端部としている)には、板材を略U字状に折曲してなるストッパー11が下方へ延出した状態で固定されている。尚、このストッパー11は、特許請求の範囲中の「ストッパー部材」にそれぞれ該当する。
【0021】
上記第2ブラケット6は、特許請求の範囲中の「第2ブラケット部材」にそれぞれ該当するものであって、板材を略U字状に折曲して構成されるものであって、所定間隔(上記第1ブラケット5の左右一対の縦壁部5a,5aの外面に密接してこれを抱持し得る間隔)をもって対向する左右一対の縦壁部6a,6aと、該一対の縦壁部6a,6aの上記ステアリングシャフト1の一端1a寄りの端部間に位置する底壁部6bと、上記一対の縦壁部6a,6aの上端からそれぞれ逆方向へ屈曲延出するフランジ部6c,6cとを備えている。また、この第2ブラケット6の上記各縦壁部6a,6aには上下方向に延びる円弧溝15,15が設けられている。
【0022】
ここで、上記ステアリングシャフト1の上記支持メンバー2への固定構造について説明すると、上記第2ブラケット6は、そのフランジ部6c,6cをそれぞれ上記取付基台4のフランジ部4a,4aに衝合させた状態で固定ボルト18,18,・・により該取付基台4側に固定されている。また、この第2ブラケット6の内側には、衝合ステアリングシャフト1と該ステアリングシャフト1に固定された上記第1ブラケット5とが配置され、該第1ブラケット5の両縦壁部5a,5aの外面は上記第2ブラケット6の両縦壁部6a,6aの内面に衝合せしめられている。そして、この第1ブラケット5の両縦壁部5a,5aに設けたボルト穴31,31と第2ブラケット6の両縦壁部6a,6aに設けた円弧溝15,15とを貫通して締着ボルト8(特許請求の範囲中の「固定手段」に該当する)が装着されるとともに、該締着ボルト8の端部には摩擦固定部材9を介してハンドル10を備えた回動アーム7が取り付けられている。
【0023】
そして、この締着ボルト8により第1ブラケット5と第2ブラケット6とを連結した状態においては、該第1ブラケット5側に設けた上記ストッパー11が、上記第2ブラケット6の底壁部6bよりステアリングシャフト1の他端寄りに位置し且つ該底壁部6bの端面に近接対向した状態で該底壁部6bよりも下方へ突出している。また、上記第1ブラケット5と第2ブラケット6とは、上記ハンドル10を操作して上記締着ボルト8により上記摩擦固定部材9を締め付けることで上記各縦壁部5a,5aと同6a,6a間にそれぞれ作用する摩擦力によりその固定状態が保持され、該ハンドル10を操作して上記締着ボルト8による上記摩擦固定部材9の締付力を解除することで固定状態が解除され、上記ステアリングシャフト1は上記締着ボルト8が上記円弧溝15,15に沿って上下方向に移動することで傾斜角が変更可能とされる(チルト作用の実現)。
【0024】
ステー部材3による支持メンバー2の固定構造
上記ステー部材3は、縦長の板材で構成され、その上端部3bにおいて上記支持メンバー2の軸方向中間部位を固定支持するとともに、その下端部3aにおいて上記トンネル部17側に固定される。そして、この実施形態のものにおいては、上記ステー部材3の下端部3aを車体前後方向に所定間隔をもって設けられた前後一対の固定部21,22においてそれぞれ固定ボルト19,19により固定するようにしているが、この場合、車体後方側に位置する一方の固定部21には通常の丸孔のボルト孔を設けてここに固定ボルト19を挿通して固定するが、車体前方側に位置する他方の固定部22は上記ステー部材3の下端側に開口する切欠溝23としここに固定ボルト19を挿通して固定するようにしている。尚、この実施形態のものにおいては、上記切欠溝23が特許請求の範囲中の「固定解除手段」に該当する。
【0025】
車両の衝突時におけるステアリングシャフト1の立ち上がり防止作用
ここで、上述の如き構成をもつこの実施形態のステアリング支持装置における上記ステアリングシャフト1の立ち上がり防止作用について説明する。
【0026】
車両がその前部側において衝突しその衝突荷重が上記ステアリングシャフト1の他端側に作用した場合、該ステアリングシャフト1はこれが傾斜配置されているため、上記締着ボルト8を中心として反時計回りに回動する作用を受ける(図1において符号1′で示す鎖線図示部分参照)。この場合、この衝突荷重を受けてステアリングシャフト1が所定以上回動変位すると、このステアリングシャフト1と一体的に回動する上記ストッパー11が上記ステー部材3側に固定されている上記第2ブラケット6の底壁部6bに当接し、この両者の当接により該ステアリングシャフト1のそれ以上の回動変位、即ち、該ステアリングシャフト1がそれ以上に立ち上がるのが規制されることになる。従って、上記ステアリングシャフト1がステー部材3に対して上下方向に揺動可能に支持されているチルト機構付きステアリング支持装置でありながら上記ステアリングシャフト1の立ち上がりを可及的に防止し得るものである。
【0027】
ところで、衝突荷重が比較的小さい場合には、上述のように上記ストッパー11の規制作用のみによってステアリングシャフト1の立ち上がりが抑制されるが、この衝突荷重がさらに大きくなった場合には、上記ステー部材3の傾動変位により上記ステアリングシャフト1の立ち上がりがさらに抑制されるものである。即ち、上記ステアリングシャフト1の立ち上がり方向への回動変位により上記ストッパー11が第2ブラケット6の底壁部6bに当接し所定の規制作用がなされる場合、この当接部位が上記ステアリングシャフト1の回動支点となる上記締着ボルト8よりも下方側に位置し且つ該ストッパー11が車体後方側へ変位する方向において上記規制作用がなされる構成であることから、このストッパー11による規制作用に伴い上記第2ブラケット6の底壁部6bにはこれを車体後方側へ押圧する力が作用する。
【0028】
この第2ブラケット6側に作用する力を受けて、該第2ブラケット6を支持する上記ステー部材3の上端部3bにも車体後方側への力が作用し、該ステー部材3はその下端部3a回りに車体後方側へのモーメントを受ける。この場合、このステー部材3の上端部3bに作用する車体後方側への力が所定以下である間は、該ステー部材3のトンネル部17側への固定状態が維持されるため上記ステアリングシャフト1は上記支持メンバー2の捩り剛性によりその立ち上がりが抑制される。
【0029】
これに対して、この力が所定以上になると、上記ステー部材3に作用するモーメントが過大となり、このモーメントを偶力として支持していた上記前後一対の固定部21,22のうち、車体前方側の固定部22においてはこれが切欠溝23とされていることからその固定ボルト19が切欠溝23から離脱し該固定ボルト19による固定状態が解除され、上記ステー部材3は車体後方側の固定部21の固定ボルト19を中心として車体後方側へ回動変位することになる。このステー部材3の車体後方側への回動変位に伴って上記支持メンバー2が車体後方側へ変位することでこれと一体的に連結された上記ステアリングシャフト1も同様に回動変位し、その一端1a側が降下方向に移動する。即ち、ステアリングシャフト1はその立ち上がりが抑制されるに止まらず逆に立ち下がり方向へ変位することになる。
【0030】
以上の如く、この実施形態のステアリング支持装置においては、これがチルト機構付きステアリング支持装置であるにもかかわらず、上記ストッパー11の規制作用と上記ステー部材3の回動作用とによって上記ステアリングシャフト1の立ち上がりが確実に防止されるものであり、車両の衝突時におけるドライバーの保護性能が格段に向上するものである。
【0031】
その他
上記の実施形態においては、上記ステアリングシャフト1の立ち上がり時に相対回動する上記第1ブラケット5と第2ブラケット6のうち、ステアリングシャフト1側に固定された第1ブラケット5に上記ストッパー11を設けて所定の規制作用を行わせるようにしているが、本願発明はかかる構成に限定されるものではなく、例えば上記ストッパー11を上記第2ブラケット6側に設けてこれを上記第1ブラケット5に当接させるように構成することも可能である。
【0032】
また、この実施形態においては、上記ステー部材3の車体前方側の固定部22に切欠溝23を設けることで該ステー部材3に所定以上のモーメント力がかかった時に該固定部22における固定状態を解除し得る「固定解除手段」としているが、本願発明における「固定解除手段」はかかる構成に限定されるものでなく、要するに過大なモーメント力の負荷時において固定状態を解除して上記ステー部材3の回動を許容し得る構成であればよく、例えば上記切欠溝23に代えてこれを長穴にしたり、また上記固定ボルト19をシャーピン構造とする等、種々の形態を採用することができるものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本願発明のステアリング支持装置の好適な実施形態を示す側面図である。
【図2】 図1のII部拡大図である。
【図3】 図2のIII-III矢視図である。
【符号の説明】
1はステアリングシャフト、2は支持メンバー、3はステー部材、4は取付基台、5は第1ブラケット、6は第2ブラケット、7は回動アーム、8は締着ボルト、9は摩擦固定部材、10はハンドル、11はストッパー、11aはストッパーのストッパー面、15は円弧溝、17はトンネル部、18及び19は固定ボルト、21及び22は固定部、23は切欠溝である。
Claims (1)
- 車室前部においてその一端を車室側に向け且つ該一端側から他端側に向けて下降傾斜状態に配置されるステアリングシャフトの下面側に固定された第1ブラケット部材と、
上記ステアリングシャフトの上方側に配置された支持メンバーに上記第1ブラケット部材をその下方から抱持して固定すると共に、該第1ブラケット部材を介して上記ステアリングシャフトを上記支持メンバーに対して上下方向に揺動可能に支持する第2ブラケット部材とを備え、
上記第1ブラケット部材と第2ブラケット部材とは、上記ステアリングシャフトの下方側位置に設けた固定手段により固定可能とされるとともに、解除手段により該固定手段による固定状態が解除可能とされ、
上記第1ブラケット部材と第2ブラケット部材のうちの少なくともいずれか一方側であって上記固定手段配置位置よりも下方側寄り部位に設けられ、上記ステアリングシャフトがその他端側に作用する外力を受けて上記一端側が上方へ立ち上げられる如く動作する場合に該第1ブラケット部材が第2ブラケット部材に対して所定量相対移動した時に該第1のブラケット部材と第2のブラケット部材のいずれか他方側に当接することで該相対移動を規制して該ステアリングシャフトの立ち上がり動作を規制するストッパー部材をさらに備えており、
上記支持メンバーが、上下方向に延設され且つその下端部が車体フロア側に固定された連結部材の上端部により支持される一方、
該連結部材の下端部は、車体前後方向に所定間隔をもって設けられた複数の固定部において固定されるとともに、
該複数の固定部のうち、車体前後方向の最後端に位置する固定部以外の固定部には、該連結部材の上端部にこれを車体後方側へ移動させる方向に所定以上の荷重が作用した時にその固定状態を解除し得る固定解除手段が設けられていることを特徴とするステアリング支持装置。
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