JP3747202B2 - 建築用パネル - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、建物の床材、屋根材、壁材等として使用される建築用パネルに関するものである。
【0002】
【従来の技術及びその課題】
従来、建物の床パネルとして、ALC(軽量発泡コンクリート)パネルが使用されているが、このALCパネルは、靱性に乏しく、曲げに弱いため、支持スパンが比較的短く制限され、またパネル全体がコンクリートで形成されているため、梁材との強固な接合方法がなく、補強用の床面ブレースが必要となって、設備配管と干渉することになる。またALCパネルは、施工にあたって梁上に乗せ掛け方式となるから、パネル厚さ分有効階高が小さくなる。
【0003】
本発明は、上記のような問題点に鑑み、十分な曲げ強度と面剛性を有し、重量衝撃音に対する遮音性能に優れた床パネル、特に床パネルとしての使用に好適であり、また梁材に対する取付けを簡単且つ強固に行える建築用パネルを提供することを目的とする。
【0004】
【課題を解決するための手段】
請求項1に係る発明は、一対のパネル形成用金属製板材2,3を接合することによって袋状のパネル本体5を形成し、このパネル本体5の内部に無機系充填材6を充填してなる建築用パネルにおいて、両パネル形成用金属製板材2,3の一方の板材2は他方の板材3よりも所要長さ長く形成されて、両板材2,3の接合時に一方の板材2の長手方向両端が他方の板材3の長手方向両端位置から夫々突出し、パネル本体5の長手方向両端部には夫々、一端部4aが他端部4bよりも長く突出する断面略コ字状の端板形成用金属製板材4が、一方のパネル形成用金属製板材2の突出端部2c内面に前記一端部4a側が重合するように接合されると共に前記他端部4b側が他方のパネル形成用金属製板材3の端部内面に重合するように接合され、一方のパネル形成用金属製板材2の突出端部2cと、これに重合される端板形成用金属製板材4の端部4aとによって、一方のパネル形成用金属製板材2の板面に沿って面一状に延びる板片状のパネル取付部片9が形成されてなることを特徴とする。
【0005】
請求項2は、請求項1に記載の建築用パネルにおいて、無機系充填材6は、セメント系気泡ミルク、コンクリート、石膏のうちの何れかからなることを特徴とする。
【0006】
請求項3は、請求項1又は2に記載の建築用パネルにおいて、各パネル形成用金属製板材2,3の外面に凹陥部7,8を板材長手方向所要間隔おきに複数形成し、両板材2,3の接合時に互いに対向する凹陥部7,8の底部7a,8aを突き合わせ接合してなることを特徴とする。
【0007】
請求項4は、請求項3に記載の建築用パネルにおいて、少なくとも一方のパネル形成用金属製板材3の外面に凹溝部19を板材長手方向に形成し、この凹溝部19の底面19aに凹陥部20を凹溝部長手方向所要間隔おきに複数形成し、この凹溝側凹陥部20の底部20aと、これに対向するように他方の板材側2に形成した凹陥部18の底部18aとを突き合わせ接合してなることを特徴としている。
【0008】
請求項5は、請求項1又は2に記載の建築用パネルにおいて、両方のパネル形成用金属製板材2,3間に板材長手方向に延びる金属製骨材21を介在させて両板材2,3の夫々内面に固着してなることを特徴とする。
【0009】
請求項6は、請求項5に記載の建築用パネルにおいて、前記金属製骨材21,21aには、その長手方向適当間隔に貫通孔22または凹部ないし凸部22aを設けてなることを特徴とする。
【0010】
請求項7は、請求項1〜6の何れかに記載の建築用パネルにおいて、前記一対のパネル形成用金属製板材2,3は、夫々長手方向両側端部に形成した接合部片2a,2a、3a,3aを互いにはぜ継ぎすることによって接合されてなることを特徴とする。
【0011】
請求項8は、請求項7に記載の建築用パネルにおいて、前記はぜ継ぎPは渦巻状をなしていることを特徴とする。
【0012】
【発明の実施の形態】
図1は本発明に係る建築用パネルの一実施形態である床用パネル1を示す一部断面斜視図であり、図2の(A)はパネル本体の分解状態での断面図、(B)は床用パネル1をその長手方向と直交する方向に沿って断面した断面図、(C)は同床用パネル1をその長手方向に沿って断面した断面図である。この床用パネル1は、上下一対のパネル形成用金属製板材2,3と、前後一対の端板形成用金属製板材4,4とを互いに接合することによって袋状のパネル本体5を形成し、このパネル本体5の内部に無機系充填材6を充填してなるものである。
【0013】
図2の(A)に示すように、上下各パネル形成用金属製板材2,3は、横断面が略コ字状に形成されていて、夫々長手方向両側端部には、はぜ継ぎ用に折曲形成された接合部片2a,2a、3a,3aを有する。そして、上側パネル形成用金属製板材2の上面(外面)に断面円形の凹陥部7が、また下側パネル形成用金属製板材,3の下面に同様な断面円形の凹陥部8が、夫々絞り加工によって板材長手方向所要間隔おきに複数形成されていて、両パネル形成用金属製板材2,3の接合時に、同図の(B)及び(C)に示すように互いに対向する凹陥部7,8の底部7a,8aが図示のように突き合わせ接合される。
【0014】
図2の(C)から分かるように、両パネル形成用金属製板材2,3のうち上側の板材2は下側の板材3よりも所要長さ長く形成されて、両板材2,3の接合時に上側板材2の両端が下側板材3の両端位置から夫々突出し、しかして両板材2,3の両端開口部に夫々例えば図示のような断面略Z字状の端板形成用金属製板材4,4が、上側板材2の突出端部2c下面に重合するように接合されると共に下側板材3の端部上面に重合するように接合され、それによって袋状のパネル本体5が形成される。この際、上側板材2の突出端部2cと、これに重合される端板形成用金属製板材4の端部4aとにより、パネル本体5上面に沿ってそれと面一状に延びる板片状のパネル取付部片9が形成される。このパネル取付部片9にはボルト、ビス又は釘を挿通する孔10が穿設される。尚、端板形成用金属製板材4は、図5の(B)に示すように断面略L字状に形成してもよい。
【0015】
また図1に示すように、パネル形成用金属製板材2,3の上下面には夫々板材長手方向中央部の両側対向位置に必要に応じて凹段部11が凹設され、各凹段部11にはねじ孔12が形成される。この凹段部11は、図4に示すように、複数枚の床用パネル1の側端面相互を突き合わせて隣合う床用パネル1相互を連結する際に、連結片13を隣合う両床用パネル1,1の凹段部11,11に嵌合させてビス14で固定するためのものである。
【0016】
パネル本体5を形成するにあたって上下のパネル形成用金属製板材2,3を接合するには、図2の(A)及び(B)に示すように、夫々はぜ継ぎ用に折曲形成された上側板材2の接合部片2aと下側板材3の接合部片3aとを互いに係合させてその接合部片2a,3a相互を押しつぶすようかしめるようにする所謂はぜ継ぎPによって接合している。このように上下パネル形成用金属製板材2,3を接合部片2a,3a相互のはぜ継ぎによって接合するようにすれば、両板材2,3の接合が容易且つ迅速にしかも的確に行え、パネルの量産に好適である。このはぜ継ぎPは図1に矢印方向に示すように、前記接合部片2a,3aを渦巻状に重層して接合させるようにしてもよい。この場合には接合力と共に水密性を向上させることができる。尚、上下パネル形成用金属製板材2,3の接合方法は、この実施形態に示すようなはぜ継ぎP以外に、溶接、嵌合、かしめ、リベット結合等を採用することができる。また、上側パネル形成用金属製板材2に形成された凹陥部7の底部7aと、下側パネル形成用金属製板材3に形成された凹陥部8の底部8aとの突き合わせ接合、及び上下パネル形成用金属製板材2,3に対する端板形成用金属製板材4の接合は、この実施形態では溶接によって行っているが、溶接以外に、かしめ、リベット結合等によって行ってもよい。
【0017】
上記のようにして袋状に形成されるパネル本体5の内部に無機系充填材6が充填されるわけであるが、この無機系充填材6として、この実施形態では液状のセメント系気泡ミルクが使用される。この気泡ミルクをパネル本体5の内部に充填するには、端板形成用金属製板材4に適当な大きさの注入口(図示省略)を開口形成しておいて、この注入口より液状の気泡ミルクを注入する。こうして袋状のパネル本体5内に充填された気泡ミルクが一定時間の経過に伴い発泡固化して、床用パネル1が出来上がる。
【0018】
上記のように構成される床用パネル1にあっては、パネル本体5を形成する上側パネル形成用金属製板材2と下側パネル形成用金属製板材3とは、これら板材2,3の中間部において底部7a,8aどうしが突き合わせ接合された複数の凹陥部7,8を介して互いに接合されているから、上記のように袋状パネル本体5の内部に無機系充填材6としてのセメント系気泡ミルクを充填した時これら上下板材2,3の膨れが防止され、パネル全体が一定厚さの床用パネル1を形成できる。
【0019】
また、上下パネル形成用金属製板材2,3がこれら板材2,3の中間部において複数の凹陥部7,8を介して一体的に接合されるから、パネル本体5の強度が増大して頑強な構造となり、更にまた上下パネル形成用金属製板材2,3に夫々凹陥部7,8が形成されることにより、その凹陥部7,8内が空洞となるから、パネル性能を劣化させることなく軽量化を図ることができる。
【0020】
この床用パネル1の製作にあたっては、パネル形成用金属製板材2,3として板厚0.8〜1.0mm程度の鉄板(黒皮、メッキ鋼板、カラー鋼板等)が使用され、また端板形成用金属製板材4として板厚2.3〜3.2mmの鉄板(黒皮、メッキ鋼板、カラー鋼板等)が使用され、しかして例えばパネル1の長さ約2000mm(各パネル取付部片9の長さ約50mmを加えると約2100mm)、横幅約500mm、パネル全体厚さ約100mmのパネル本体5が形成される。尚、凹陥部7は上下各パネル形成用金属製板材2,3の長手方向に例えば200〜300mmのピッチで図示のように1列状に形成される。
【0021】
上記のように形成された床用パネル1の使用形態について図3〜図5によって説明すると、複数の床用パネル1を並列させて互いに隣接した状態で、各床用パネル1のパネル本体5の端部にあるパネル取付部片9を例えばH形鋼からなる梁材15上に乗せ掛け、各パネル取付部片9の孔10から梁材15の孔(図示省略)にボルト16を挿通してナットで固定し、また隣合う両床用パネル1,1の凹段部11,11に連結片13を嵌合させ、ビス14で固定すればよい。
【0022】
この場合、図5の(A)から分かるように、パネル本体5の端部に一端部を溶接した略Z状の端板4の他端部を重合溶接して補強形成された板片状のパネル取付部片9を梁材15上に乗せ掛けるようにするから、建物の階高に殆ど影響を与えることがない。即ち、床用パネル1の厚さが約100mmであるのに対し、パネル取付部片9はパネル本体5の上面と面一に形成されていて厚さが約4mm程度であるからである。
【0023】
図5の(B)は、端板形成用金属製板材4として、一端部4aが他端部4bよりも長く突出する断面略コ字状の板材4を使用した床用パネル1を示している。即ち、この断面略コ字状板材4は突出長さの長い端部4a側を上にした状態で、この略コ字状板材4の上端部4aは上側板材2の突出端部2c内面に重合するようにビス等で接合してパネル取付部片9を形成し、下端部4bは下側板材3内面に重合するようにビス23等で取り付ける。また、この図5の(B)に示すように木材からなる梁材15の場合には、床用パネル1のパネル取付部片9をこの梁材15の上に乗せて釘又はビス24により固定する。
【0024】
パネル本体5の内部には無機系充填材6としてセメント系気泡ミルクを充填したが、このセメント系気泡ミルク以外に、コンクリートや石膏等を注入充填することができる。このセメント系気泡ミルク、コンクリート、石膏等の無機系充填材6は、十分な圧縮強度を有すると共に断熱性、耐火性、制振性等を有し、更に重量衝撃音に対する優れた遮音性能を有する。また、上記無機系充填材6は耐火性に優れているからパネル1の不燃材として機能する。
【0025】
図6は本発明の床用パネル1に係る他の実施形態によるパネル本体5を示し、このパネル本体5は、同図の(A)に示すように、例えば上側のパネル形成用金属製板材2の上面には比較的浅い凹陥部18を板材長手方向所要間隔おきに複数形成し、下側のパネル形成用金属製板材3の下面には凹溝部19を板材長手方向に形成し、この凹溝部19の底面19aに上記凹陥部18と同様な凹陥部20を凹溝部19の長手方向所要間隔おきに上記凹陥部18と夫々対応する位置に複数形成し、この凹溝側凹陥部20の底部20aと、上側のパネル形成用金属製板材2に形成した上記凹陥部18の底部18aとを、同図の(B)に示すように突き合わせ接合して、パネル本体5を形成したものである。
【0026】
このように構成されるパネル本体5によれば、一方側のパネル形成用金属製板材3に凹溝部19を形成することによって、各凹陥部18,20の深さを浅くできるので、各凹陥部18,20の絞り加工が容易となる。尚、凹溝部は、両方のパネル形成用金属製板材2,3に夫々形成し、それらの凹溝部の底面に夫々凹陥部を形成するようにしてもよい。
【0027】
図7は更に他の実施形態によるパネル本体5を示し、このパネル本体5は、前記凹陥部7,8,18,20や凹溝部19を形成する代わりに、上下両パネル形成用金属製板材2,3間に板材長手方向に延びる断面略Z字状の鉄板からなる金属製骨材21を介在させて両パネル形成用金属製板材2,3の夫々内面に固着したものであり、鉄板製金属製骨材21には連通用開口部22が所要間隔おきに貫設されている。この連通用開口部22は、パネル本体5の内部に無機系充填材6としてのセメント系気泡ミルク、生コンクリート、石膏等がパネル本体5の1箇所から注入充填された場合に、それらをパネル本体5の内部全体に行き渡らせてパネル剛性の向上を図るようにするためのものである。尚、図7に矢印方向に示すように、略コ字状の鉄板製金属製骨材21aを上下両金属製板材2,3に溶接あるいはカシメ乃至ビス止めして、該骨材21aには貫通孔22を設けるのではなく、該骨材21aの長手方向に沿ってその一面側と他面側に交互に凸出するか又は凹入するような凹凸部(エンボス部)22aを所要間隔おきに設けるようにしてもよく、そうすることによって該骨材21aと充填材6との付着性を良好にすると共に骨材21a自体の強度を増大させることができる。
【0028】
上記金属製骨材21も、前記凹陥部7,8,18,20や凹溝部19と同様に、パネル形成用金属製板材2,3の中間部で両板材2,3がこの金属製骨材21を介して互いに接合されるから、前記のように袋状パネル本体5内部に無機系充填材6を充填した時に上下板材2,3の膨れが防止され、パネル全体が一定厚さの床用パネル1を形成でき、また上下板材2,3がこの金属製骨材21を介して一体的に接合されるから、パネル本体5の強度が増大して頑強な構造となる。
【0029】
上述した実施形態の床用パネル1によれば、上下一対のパネル形成用金属製板材2,3によってパネル本体5が形成されるから、パネル全体がコンクリートからなる従来のALCパネルに比べて優れた強度を有し、特に曲げに強くなって、支持スパンを十分長くとることができる。また、このようなパネル本体5を有するから、従来のような補強用床面ブレース等の設備を省略することができる。
【0030】
また、各パネル形成用金属製板材2,3に形成される凹陥部7,8,18,20や凹溝部19、あるいは金属性骨材21,21aの大きさ、数によってパネル重量をコントロールすることができる。更に、パネル形成用金属製板材2,3の厚さ(鉄板の厚さ)、パネル厚さを適宜に選定したり、無機系充填材6を適宜に選定することによって、必要な性能を有するパネルを所望に製作することができる。
【0031】
以上、床用パネル1の実施形態について説明したが、本発明の建築用パネルは、屋根材、壁材等にも適用されるものである。
【0032】
【発明の効果】
請求項1に係る発明の建築用パネルによれば、一対のパネル形成用金属製板材を接合することによって袋状のパネル本体を形成し、このパネル本体の内部に無機系充填材を充填したものであって、一対のパネル形成用金属製板材によってパネル本体が形成されるから、パネル全体がコンクリートからなる従来のALCパネルに比べて遙かに優れた機械的強度を有し、特に曲げに対する十分な強度と、面剛性を有するから、特に床パネルとしての使用に好適となり、支持スパンを極力長くとることができると共に、補強用床面ブレース等の余分な設備を省略できる。
【0033】
また本発明によれば、床用パネルの使用形態において、複数の床用パネルを並列させて互いに隣接した状態で、各床用パネルのパネル本体の端部にあるパネル取付部片を梁材に乗せ掛け、各パネル取付部片と梁材とをボルト・ナットで固定すればよい。
【0034】
請求項2に記載のように、無機系充填材として、セメント系気泡ミルク、コンクリート、石膏のうちの何れかを使用することにより、断熱性、耐火性及び制振性を有すると共に、特に重量衝撃音に対する優れた遮音性能を有する建築用パネルを形成できる。また、上記のような無機系充填材は建築用パネルの不燃材として機能する。
【0035】
請求項3に記載のように、各パネル形成用金属製板材の外面に凹陥部を板材長手方向所要間隔おきに複数形成し、両板材の接合時に互いに対向する凹陥部の底部を突き合わせ接合することによって、袋状パネル本体の内部に無機系充填材を充填した時これら両板材の膨れが防止され、パネル全体が一定厚さの床用パネルを形成することができる。両パネル形成用金属製板材がこれら板材の中間部において複数の凹陥部を介して一体的に接合されるから、パネル本体の強度が増大して頑強な構造となり、更にまた両パネル形成用金属製板材に夫々凹陥部が形成されることにより、その凹陥部内が空洞となるから、パネル性能を劣化させることなく軽量化を図ることができる。
【0036】
請求項4に記載のように、少なくとも一方のパネル形成用金属製板材の外面に凹溝部を板材長手方向に形成し、この凹溝部の底面に凹陥部を凹溝部長手方向所要間隔おきに複数形成し、この凹溝側凹陥部の底部と、これに対向するように他方の板材側に形成した凹陥部の底部とを突き合わせ接合することによって、各凹陥部の深さを浅くできるから、各凹陥部の絞り加工が容易となる。
【0037】
請求項5に記載のように、両方のパネル形成用金属製板材間に板材長手方向に延びる金属製骨材を介在させて両板材の夫々内面に固着することによって、袋状パネル本体内部に無機系充填材を充填した時に両板材の膨れが防止され、パネル全体が一定厚さの建築用パネルを形成でき、また両板材がこの金属製骨材を介して一体的に接合されるから、パネル本体の強度が増大して頑強な構造となる。
【0038】
請求項6に記載のように、前記金属性骨材にはその長手方向適当間隔に貫通孔を設けることによって、パネル本体内に充填される無機系充填材と金属性骨材との係合性ないし一体化を増進しパネル本体の剛性を向上させることができ、また貫通孔に代えて凹凸部(エンボス部)を設けることによって、充填材と金属性骨材との付着性を良好にし、且つ補強リブとして該骨材自体の強度を増大させ、結果的にパネル本体の強度を向上させることができる。
【0039】
請求項7に記載のように、一対のパネル形成用金属製板材を、夫々長手方向両側端部に形成した接合部片を互いにはぜ継ぎすることにより接合して袋状のパネル本体を形成する場合には、両板材の接合を容易且つ迅速にしかも的確に行うことができ、パネルの量産に好適である。
【0040】
請求項8に記載のように、前記はぜ継ぎを渦巻状に重層して形成することによって、パネル本体を形成する一対の前記金属性板材の接合力を増大させるのみならず、その接合部分の水密性を良好にし、パネル本体内に充填される前記充填材が接合部分から漏出するのを防止して、パネル本体を正確に製作することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明に係る建築用パネルの一実施形態である床用パネルを示す一部断面斜視図である。
【図2】 (A)はパネル本体の分解状態での断面図、(B)は床用パネルをその長手方向と直交する方向に沿って断面した断面図、(C)は同床用パネルをその長手方向に沿って断面した断面図である。
【図3】 床用パネルの使用形態を示す正面図である。
【図4】 同使用形態を示す平面図である。
【図5】 (A)は図3の一部拡大正面図であり、(B)は他の実施形態を示す(A)と同様な正面図である。
【図6】 (A)は他の実施形態によるパネル本体の分解斜視図、(B)はパネル本体の組立状態斜視図である。
【図7】 更に他の実施形態によるパネル本体の組立状態斜視図である。
【符号の説明】
1 床用パネル(建築用パネル)
2,3 パネル形成用金属製板材
2a,3a パネル形成用金属製板材の接合部片
P はぜ継ぎ部分
4 端板形成用金属製板材
5 パネル本体
6 無機系充填材
7,8 凹陥部
7a,8a 凹陥部の底部
9 パネル取付部片
18,20 凹陥部
19 凹溝部
21 金属性骨材
21a 金属性骨材
22 貫通孔
22a 凹凸部
Claims (8)
- 一対のパネル形成用金属製板材2,3を接合することによって袋状のパネル本体5を形成し、このパネル本体5の内部に無機系充填材6を充填してなる建築用パネルにおいて、両パネル形成用金属製板材2,3の一方の板材2は他方の板材3よりも所要長さ長く形成されて、両板材2,3の接合時に一方の板材2の長手方向両端が他方の板材3の長手方向両端位置から夫々突出し、パネル本体5の長手方向両端部には夫々、一端部4aが他端部4bよりも長く突出する断面略コ字状の端板形成用金属製板材4が、一方のパネル形成用金属製板材2の突出端部2c内面に前記一端部4a側が重合するように接合されると共に前記他端部4b側が他方のパネル形成用金属製板材3の端部内面に重合するように接合され、一方のパネル形成用金属製板材2の突出端部2cと、これに重合される端板形成用金属製板材4の端部4aとによって、一方のパネル形成用金属製板材2の板面に沿って面一状に延びる板片状のパネル取付部片9が形成されてなる建築用パネル。
- 無機系充填材6は、セメント系気泡ミルク、コンクリート、石膏のうちの何れかからなる請求項1に記載の建築用パネル。
- 各パネル形成用金属製板材2,3の外面に凹陥部7,8を板材長手方向所要間隔おきに複数形成し、両板材2,3の接合時に互いに対向する凹陥部7,8の底部7a,8aを突き合わせ接合してなる請求項1又は2に記載の建築用パネル。
- 少なくとも一方のパネル形成用金属製板材3の外面に凹溝部19を板材長手方向に形成し、この凹溝部19の底面19aに凹陥部20を凹溝部長手方向所要間隔おきに複数形成し、この凹溝側凹陥部20の底部20aと、これに対向するように他方の板材2側に形成した凹陥部18の底部18aとを突き合わせ接合してなる請求項3に記載の建築用パネル。
- 両方のパネル形成用金属製板材2,3間に板材長手方向に延びる金属製骨材21を介在させて両板材2,3の夫々内面に固着してなる請求項1又は2に記載の建築用パネル。
- 前記金属製骨材21,21aには、その長手方向適当間隔に貫通孔22または凹部ないし凸部22aを設けてなる請求項5に記載の建築用パネル。
- 前記一対のパネル形成用金属製板材2p3は、夫々長手方向両側端部に形成した接合部片2a,2a、3a,3aを互いにはぜ継ぎすることによって接合されてなる請求項1〜6の何れかに記載の建築用パネル。
- 前記はぜ継ぎPは渦巻状をなしている請求項7に記載の建築用パネル。
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