JP3746626B2 - 試料ホルダ - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、大気に曝されると変質する試料を保持する試料ホルダに関する。
本発明の試料ホルダは、試料面に蒸着等の加工を施した試料を、電子顕微鏡の試料ステージ等に大気に曝すことなく搬送する際に使用される。
【0002】
【従来の技術】
試料ホルダとしては、従来下記の技術(J01)が知られている。
(J01)(図5、図6に示す技術)
図5は従来の試料ホルダが装着された透過型電子顕微鏡の縦断面図である。図6は従来の試料ホルダの拡大説明図である。
図5において、透過型電子顕微鏡01は、内部を真空に保持された鏡筒02を有し、鏡筒02上端に電子銃03が設けられている。鏡筒02下端部には、観察窓04および、実線で示す観察位置と二点鎖線で示す退避位置との間で移動可能な蛍光板05が設けられている。また、前記蛍光板05の下方には電子顕微鏡画像を撮影するためのフィルムFを撮影位置に配置するための装置が配置されている。
前記電子銃03の下方には電子線集束用の集束レンズ07が配置され、前記蛍光板05の上方には拡大結像用の結像レンズ08が配置されている。そして、前記集束レンズ07および結像レンズ08の間にはゴニオステージGs、ゴニオメータGm、および試料ホルダHが設けられている。
図6において、前記試料ホルダHは、中間部分に設けられたホルダ筒011と、前記ホルダ筒011の後端に設けられた取手012と、前記ホルダ筒011の先端に設けられた板状の試料取付部013とを有している。前記ホルダ筒011には、前記透過型電子顕微鏡01のゴニオメータGmに装着された際、前記透過型電子顕微鏡01内を気密に保持するためのOリング014,014が装着されている。
前記試料取付部013には、試料収容孔013aおよび前記試料取付部013を上下方向に貫通するビーム通過孔013bが形成されており、前記試料収容孔013aには試料Sが保持されている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
(前記(J01)の問題点)
前記従来技術(J01)では、前記大気中でない場所で加工(蒸着等)した試料Sを試料ホルダHで保持して前記透過型電子顕微鏡等の観察位置まで搬送する間、前記試料Sは大気に曝されてしまう。したがって、大気に曝されると変質してしまうような試料Sの移動を行う場合には前記従来の試料ホルダHは使用できないという問題がある。
【0004】
本発明は前述の事情に鑑み、下記(O01)の記載内容を課題とする。
(O01)試料を大気に曝すことのない試料ホルダの提供。
【0005】
【課題を解決するための手段】
次に、前記課題を解決した本発明を説明するが、本発明の説明において本発明の構成要素の後に付記したカッコ内の符号は、本発明の構成要素に対応する後述の実施例の構成要素の符号である。なお、本発明を後述の実施例の構成要素の符号と対応させて説明する理由は、本発明の理解を容易にするためであり、本発明の範囲を実施例に限定するためではない。
【0006】
(第1発明)
前記課題を解決するために、本出願の第1発明の試料ホルダは、試料を気密に保持した状態で大気中でない場所から大気中に搬送可能、または、試料を気密に保持した状態で大気中から真空中に搬送可能な試料ホルダであって、下記の要件を備えたことを特徴とする。
(A01)内側にホルダ軸通過孔(2a)が形成された前後に延びるホルダ筒(2)と、前記ホルダ筒(2)の後端部に設けられて内側に前記ホルダ軸通過孔(2a)と連通する気密室(A)が形成され且つ前記ホルダ軸通過孔(2a)と同軸のホルダ軸貫通孔(3d)が後端部に設けられた気密室形成部材(3)とを有するホルダ軸支持ケース(1)、
(A02)前端部に設けられた試料保持部(9b)と後端部に設けられた操作部(9a)とを有し、中間部が円筒状外側面を有するホルダ軸(9)であって、前記中間部が前記ホルダ軸貫通孔(3d)を貫通し、前記操作部(9a)が前記気密室(A)の外部に配置されるとともに、前記ホルダ筒(2)の中心軸線であるホルダ軸線(L)に沿って前記試料保持部(9b)が試料(S)の観察時に前記ホルダ筒(2)の前端から突出する前端位置と前記試料保持部(9b)が前記気密室(A)内に配置される後端位置との間で移動可能な前記ホルダ軸(9)、
(A03)前記ホルダ軸貫通孔(3d)内に気密に且つ回転可能に支持されて前記ホルダ軸貫通孔(3d)と同軸のホルダ軸支持孔(7d)が形成された回転部材(7)であって、前記ホルダ軸(9)中間部を前記ホルダ軸支持孔(7d)により気密でスライド可能且つ回転可能に支持し、前記ホルダ軸(9)の試料保持部(9b)が前記後端位置に移動したときに前記ホルダ軸(9)と一体的に回転可能な前記回転部材(7)、
(A04)前記回転部材(7)と連動して、前記ホルダ軸線(L)上に移動し前記ホルダ軸通過孔(2a)内と前記気密室(A)内とを気密に遮断する遮断位置と、前記ホルダ軸線(L)上から前記試料保持部(9b)の移動に障害とならない退避位置との間で回動する開閉弁(14)、
(A05)前記気密室(A)内への流体の流入または排出を行うための流体流入排出用配管(18)が連結される配管連結部材(17)。
【0007】
(第1発明の作用)
前述の特徴を備えた第1発明の試料ホルダは、試料を気密に保持した状態で大気中でない場所から大気中に搬送可能、または、試料を気密に保持した状態で大気中から真空中に搬送可能であり、ホルダ軸支持ケース(1)の気密室形成部材(3)のホルダ軸貫通孔(3d)には回転部材(7)が気密に且つ回転可能に支持される。前記回転部材(7)のホルダ軸支持孔(7d)により前記ホルダ軸(9)の中間部がホルダ筒(2)の中心軸線であるホルダ軸線(L)に沿ってスライド可能且つ回転可能に支持される。配管連結部材(17)には前記気密室形成部材(3)の気密室(A)内への流体の流入または排出を行うための流体流入排出用配管(18)が連結される。
【0008】
大気中でない場所で加工した試料(S)を、大気に曝されない状態で前記ホルダ軸(9)の試料保持部(9b)に試料(S)を保持した後、前記ホルダ軸(9)の操作部(9a)を操作して試料保持部(9b)を後端位置に移動させ、前記試料保持部(9b)を気密室(A)内に配置する。この状態で、前記ホルダ軸(9)を回転させると、前記回転部材(7)が前記ホルダ軸(9)と一体的に回転する。前記回転部材(7)が回転すると、前記回転部材(7)と連動する開閉弁(14)が遮断位置に回動して、前記ホルダ筒(2)のホルダ軸通過孔(2a)内と前記気密室(A)内とを気密に遮断する。前記流体流入排出用配管(18)から前記気密室(A)内の流体を排出して前記気密室(A)内を真空にする。この状態で試料ホルダ(H)を大気中で移動しても前記試料(S)は大気に曝されず変質しない。
また、たとえば、前記流体流入排出用配管(18)から前記気密室(A)内へ試料(S)に変質等の影響を与えない流体を流入させて前記試料(S)を気密室(A)内に密封し且つ前記流体を満たした状態で第1発明の試料ホルダ(H)を大気中で移動しても前記試料(S)は大気に曝されず変質しない。
【0009】
前記試料ホルダ(H)を大気中で移動させて、たとえば、電子顕微鏡の試料ステージ等に装着した後、前記ホルダ軸(9)を回転させて、前記回転部材(7)を回転させ、前記開閉弁(14)を退避位置に回動させる。前記試料保持部(9b)を前端位置に移動させて前記ホルダ筒(2)の前端から前記試料保持部(9b)を突出させると、前記試料(S)は顕微分析作業を行う位置に配置される。
【0010】
(第2発明)
前記課題を解決するために、本出願の第2発明の試料ホルダは、試料を気密に保持した状態で大気中でない場所から大気中に搬送可能、または、試料を気密に保持した状態で大気中から真空中に搬送可能な試料ホルダであって、下記の要件を備えたことを特徴とする、
(B01)内側にホルダ軸通過孔(2a)が形成された前後に延びるホルダ筒(2)と、前記ホルダ筒(2)の後端部に設けられて内側に前記ホルダ軸通過孔(2a)と連通する気密室(A)が形成され且つ前記ホルダ軸通過孔(2a)と同軸のホルダ軸支持孔(3d′)が後端部に設けられた気密室形成部材(3)とを有するホルダ軸支持ケース(1)、
(B02)前端部に設けられた試料保持部(9b)と後端部に設けられた操作部(9a)とを有し、中間部が円筒状外側面を有するホルダ軸(9)であって、前記中間部が前記ホルダ軸支持孔(3d′)により気密でスライド可能に支持され、前記操作部(9a)が前記気密室(A)の外部に配置されるとともに、前記ホルダ筒(2)の中心軸線であるホルダ軸線(L)に沿って前記試料保持部(9b)が試料(S)の観察時に前記ホルダ筒(2)の前端から突出する前端位置と前記試料保持部(9b)が前記気密室(A)内に配置される後端位置との間で移動可能な前記ホルダ軸(9)、
(B03)前記気密室(A)内への流体の流入を行うための流体流入用配管(18′)が連結される配管連結部材(17)。
【0011】
(第2発明の作用)
前述の特徴を備えた第2発明の試料ホルダは、試料を気密に保持した状態で大気中でない場所から大気中に搬送可能、または、試料を気密に保持した状態で大気中から真空中に搬送可能であり、ホルダ軸支持ケース(1)の気密室形成部材(3)のホルダ軸支持孔(3d′)により前記ホルダ軸(9)の中間部が気密でホルダ筒(2)の中心軸線であるホルダ軸線(L)に沿ってスライド可能に支持される。配管連結部材(17)には前記気密室形成部材(3)の気密室(A)内への流体の流入を行うための流体流入用配管(18′)が連結される。
前記流体流入用配管(18′)から前記気密室(A)内へ流体を流入させ続けて前記ホルダ支持ケースの気密室(A)内およびホルダ軸(9)のホルダ軸通過孔(2a)内を流体で満たされている状態にする。
【0012】
大気中でない場所で加工された試料(S)を、大気に曝されない状態でホルダ軸(9)の試料保持部(9b)に固定し、前記ホルダ軸(9)の操作部(9a)を操作して試料保持部(9b)を後端位置に移動させて、前記試料保持部(9b)を流体で満たされている気密室(A)内に配置する。この状態で、第2発明の試料ホルダ(H)を大気中で移動しても前記試料(S)は大気に曝されず変質しない。
【0013】
【発明の実施の形態】
【実施例】
次に図面を参照しながら、本発明の実施の形態の具体例である実施例を説明するが、本発明は以下の実施例に限定されるものではない。
なお、以後の説明の理解を容易にするために、図面において、前後方向をX軸方向、左右方向をY軸方向、上下方向をZ軸方向とし、矢印X,−X,Y,−Y,Z,−Zで示す方向または示す側をそれぞれ、前方、後方、右方、左方、上方、下方、または、前側、後側、右側、左側、上側、下側とする。
また、図中、「○」の中に「・」が記載されたものは紙面の裏から表に向かう矢印を意味し、「○」の中に「×」が記載されたものは紙面の表から裏に向かう矢印を意味するものとする。
【0014】
(実施例1)
図1は本発明の実施例1の試料ホルダの縦断面図で、前記試料ホルダのホルダ筒から試料を保持する試料保持部が突出した状態を示す図である。図2は前記試料ホルダの縦断面図で、前記試料保持部が前記試料ホルダの気密室内に配置された状態を示す図である。図3は前記試料ホルダの要部拡大図である。
図1において、試料ホルダHのホルダ軸支持ケース1は、ホルダ筒2と前記ホルダ筒2の後端部(−X端部)に気密に連結された気密室形成部材3とを有している。
前記ホルダ筒2の内側には、ホルダ軸通過孔2aが形成されている。
前記ホルダ筒2の外周で前端部(X端部)には2個のOリング収容溝2b,2bが形成されており、前記2個のOリング収容溝2bの間には、排気孔2c,2cが形成されている。前記ホルダ筒2の前端には前記ホルダ軸通過孔2aの内径よりも小さな内径を有する試料保持部突出口2dが形成されている。前記Oリング収容溝2b,2bにはOリング4,4が収容されている。
【0015】
図1、図3において、前記気密室形成部材3の内側には気密室Aが設けられている。
また、前記気密室形成部材3の前端側の壁には、ホルダ筒嵌合孔3aが形成されており、ホルダ筒嵌合孔3aの前記気密室A側の縁には弁座3bが設けてある。前記ホルダ筒嵌合孔3aには、前記ホルダ筒2の後端部が嵌合して固定されており、前記ホルダ筒2のホルダ軸通過孔2aと前記気密室形成部材3の気密室Aとが連通する。
図1、図3において、前記気密室形成部材3の側面には流体流入排出用孔3cが形成されており、前記ホルダ筒2の中心軸線であるホルダ軸線Lに沿って前記気密室形成部材3の後端部には、ホルダ軸貫通孔3dが形成されている。
前記ホルダ軸貫通孔3dは、前側(X側)の前側大径孔3d1と後側(−X側)の後側小径孔3d2とを有している。
前記後側小径孔3d2の後端側(−X端側)には、Oリング収容孔3e(図3参照)が形成されている。図3において、前記Oリング収容孔3eにはOリング5が収容されており、前記Oリング5は前記気密室形成部材3の後端面に固定されているプレート6によって脱落しないように保持されている。前記プレート6の中心部にはホルダ軸貫通孔6aが形成されている。
【0016】
図1〜図3において、前記前側大径孔3d1には、回転部材7の円筒部7aの外周面が回転可能に支持されている。
前記円筒部7aの外周面にはOリング8が収容されるOリング収容溝が形成されている。前記円筒部7aの中間部にはフランジ部7bが形成されており、前記フランジ部7bは前記前側大径孔3d1の前端の開口部外周縁に当接して、前記回転部材7の後方(−X方)への移動を制限している。前記回転部材7の前端部にはかさ歯車7cが形成されている。
図1、図2において、前記回転部材7の内側には前記ホルダ軸線Lに沿って前記回転部材7の前端および後端を貫通するホルダ軸支持孔7dが形成されており、前記ホルダ軸支持孔7dの前端側(−X端側)には、ピン係止溝7e,7eが形成されている。
【0017】
図1、図2において、前記ホルダ軸支持孔7d、前記プレート6のホルダ軸貫通孔6aおよび前記気密室形成部材3のホルダ軸貫通孔3dには、ホルダ軸9が前記ホルダ軸線L上に沿って前記ホルダ筒2のホルダ軸通過孔2aおよび前記気密室A内をスライド且つ軸周りに回転可能に支持されている。
前記ホルダ軸9の中間部は円筒状外側面を有し、前記気密室Aの外部に配置される前記ホルダ軸9の後端部には操作部9aが装着されており、前記ホルダ軸通過孔2aおよび前記気密室A内を移動可能に配置される前端部には板状の試料保持部9bが形成されている。前記試料保持部9bの後方(−X方)にはOリング装着部9cが形成されている。図1において、前記試料保持部9bには、試料Sを保持する試料収容孔9b1およびビーム通過孔9b2が形成されている。また、前記Oリング装着部9cには、Oリング11が装着されている。前記Oリング装着部9cの後方(−X方)には弁回動用ピン12,12が設けられている。
【0018】
前記ホルダ軸9は、前記ホルダ軸線Lに沿ってスライド移動し、前記試料保持部9bが試料Sの観察時に前記ホルダ筒2の試料保持部突出口2dから突出する前端位置(図1参照)と前記試料保持部9bが前記気密室A内に配置される後端位置(図2参照)との間で移動するように構成されている。図2に示すように前記ホルダ軸9の後端位置では弁回動用ピン12,12が前記回転部材7のピン係止溝7eに係止されるようになっており、この状態で前記ホルダ軸9を前記ホルダ軸線L周りに回転させると前記回転部材7も回転するようになっている。また、前記前端位置では、前記ホルダ筒2の前端の試料保持部突出口2dが、前記ホルダ軸9のOリング11により気密に閉塞されるようになっている。
図1〜図3において、前記気密室A内の回転部材7のかさ歯車7cは、弁連結かさ歯車13と噛合っている。前記弁連結かさ歯車13には、開閉弁14が連結されている。
前記開閉弁14には、Oリング装着溝14aが形成されており、前記Oリング装着溝14aにはOリング16が装着されている。
【0019】
前記開閉弁14は、前記弁連結かさ歯車13とともに回動して、前記ホルダ軸線L上に移動し前記ホルダ軸通過孔2a内と前記気密室A内とを気密に遮断する遮断位置(図2参照)と、前記ホルダ軸線L上から前記試料保持部9bの移動に障害とならない退避位置(図1、図3参照)との間で回動するように構成されている。前記遮断位置では、前記開閉弁14のOリング16が前記気密室形成部材3の弁座3bに密着して前記気密室A内を気密に保持するようになっている。
【0020】
図1〜図3において、前記気密室形成部材3の流体流入排出用孔3cには、配管連結部材17が取付けてある。前記配管連結部材17には、前記気密室A内への前記試料Sに変質等の悪影響を与えないガスの流入または排出を行うための流体流入排出用配管18のホルダ連結部材19が着脱可能に連結されており、前記ホルダ連結部材19を前記配管連結部材17に着脱することにより、前記気密室Aと流体流入排出用配管18との接続、切断が可能となる。なお、前記ホルダ連結部材19および配管連結部材17には、弁(図示せず)が内蔵されており、弁開閉操作部材19a,17aにより前記弁を開閉することにより前記流体流入排出用配管18および気密室Aの開閉を行うことができる。
【0021】
(実施例1の作用)
図1の状態、すなわちホルダ軸9が前端位置へ移動している状態で、前記試料Sが試料保持部9bに保持されていない試料ホルダHの流体流入排出用管18から前記試料Sに変質等の悪影響を与えないガスを気密室A内に流入させると、前記気密室A内およびホルダ軸通過孔2a内の空気は、ホルダ筒2の排気孔2c,2cから押しだされ、前記気密室A内およびホルダ軸通過孔2a内は前記ガスで置換される。
【0022】
この状態の試料ホルダHを前記ガスで満たされた容器内に入れ、前記流体流入排出用管18からの前記ガスの供給を止める。前記試料保持部9bへ大気中でない場所で加工された試料Sを保持し、前記ホルダ軸9の操作部9aを操作して、前記試料保持部9bを後端位置(図2参照)へ移動させて前記試料保持部9bを前記気密室A内へ引き込む。
前記試料保持部9bが前記気密室A内へ達すると、前記試料保持部9bの後方の弁回動用ピン12,12が前記回転部材7のピン係止溝7e,7eに係止される。このとき、前記操作部9aをホルダ軸9の軸周りに回転させると、前記回転部材7と前記回転部材7のかさ歯車7cと噛合った弁連結かさ歯車13とが回転し、前記弁連結かさ歯車13に連結された開閉弁14も回動して遮断位置(図2参照)へ移動する。
このとき、図2に示すように前記開閉弁14のOリング16が気密室形成部材3の弁座3bに押し付けられて、前記気密室Aは気密に封じられる。この状態で前記試料ホルダHを前記ガスで満たされた容器から引き出して大気中を移動させても、前記気密室A内は前記ガスで満たされており、前記試料Sが大気と接触して変質することがない。
【0023】
次に前記流体流入排出用管18を通じて前記気密室A内を真空に排気し、前記配管連結部材17の内蔵弁を閉じてから、前記流体流入排出用配管18のホルダ連結部材19を切り離すと、前記試料ホルダHは、前記流体流入排出用配管18の長さに制約を受けず、どこへでも持ち運ぶことができる。
【0024】
前記試料ホルダHを図示しない電子顕微鏡まで運び、装着する。前記電子顕微鏡内を真空にするために行われる予備排気の段階で前記試料ホルダHのホルダ軸通過孔2a内が排気されて真空になる。前記ホルダ軸通過孔2a内が真空になった後、前記ホルダ軸9の操作部9aを操作して、前記開閉弁14を退避位置(図1参照)へ回動させる。さらに、前記試料保持部9bを前端位置(図1参照)に移動させて、前記試料保持部9bをホルダ筒2の前端の試料保持部突出口2dから突出させる。前記試料保持部9bの試料Sが電子顕微鏡内の所定の観察位置に到達すると前記試料Sの観察が可能となる。
前記試料ホルダHの取り出しは装着と逆の手順で実施する。
なお、前記試料ホルダHを前記電子顕微鏡へ運ぶ前に前記気密室A内の前記ガスを真空排気する代わりに、前記気密室A内に前記ガスを封入したままで前記試料ホルダHを前記電子顕微鏡へ運び、前記電子顕微鏡内で真空排気、観察することも可能である。
【0025】
(実施例2)
図4は本発明の実施例2の試料ホルダの縦断面図である。
なお、この実施例2の説明において、前記実施例1の構成要素に対応する構成要素には同一の符号を付して、その詳細な説明を省略する。
この実施例2は、下記の点で前記実施例1と相違しているが、他の点では前記実施例1と同様に構成されている。
図4において、この実施例2の試料ホルダHでは、前記実施例1の前記気密室A内の回転部材7、弁連結かさ歯車13、開閉弁14およびホルダ軸9の弁回動用ピン12,12が省略されている。また、実施例2の試料ホルダHのホルダ軸9は、気密室形成部材3のホルダ軸支持孔3d′により前記ホルダ軸線Lに沿ってスライド可能に支持されており、前記ホルダ軸9のスライド移動にともなって、前記ホルダ軸9の試料保持部9bが前記試料Sの観察時に前記ホルダ筒2の前端から突出する前端位置(図4の実線)と前記試料保持部9bが前記気密室A内に配置される後端位置(図4の2点鎖線)との間で移動するようになっている。
【0026】
また、前記配管連結部材17に連結されている流体流入用配管18′は、前記試料ホルダHを、前記試料保持部9bに試料Sを保持する作業を行う場所から前記電子顕微鏡への装着位置まで持ち運び可能な長さに構成されている。
【0027】
(実施例2の作用)
図4において、前記ガスを前記流体流入用配管18′から供給し続け、前記気密室A内を常に前記ガスで満たした状態にする。この試料ホルダHを前記ガスで満たされた容器内に入れ、前記試料保持部9bへ試料Sを保持し、前記ホルダ軸9を後端位置(図4の2点鎖線参照)へ移動させて前記試料保持部9bを前記気密室A内へ引き込む。
前記試料ホルダHを前記ガスで満たされた容器内から大気中へ持ち出す。前記試料Sは前記ガスで満たされた気密室A内に配置されているので、前記試料Sが大気と接触して変質することがない。
【0028】
前記試料ホルダHを電子顕微鏡に装着し、前記気密室A内への前記ガスの供給を停止するとともに、前記電子顕微鏡内の排気を行って、前記電子顕微鏡内および前記試料ホルダH内を真空にする。前記電子顕微鏡内および前記試料ホルダH内が真空になった後、前記ホルダ軸9の試料保持部9bを前端位置に移動させて、前記試料保持部9bをホルダ筒2の前端の試料保持部突出口2dから突出させる。前記試料保持部9bの試料Sが電子顕微鏡の所定の観察位置に到達すると前記試料Sの観察が可能となる。
【0029】
(変更例)
以上、本発明の実施例を詳述したが、本発明は、前記実施例に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載された本発明を逸脱することなく、種々の設計変更を行うことが可能である。本発明の変更実施例を下記に例示する。
(H01)前記ホルダ筒2のホルダ軸通過孔2aおよび気密室A内の空気と置換するガスの代わりに前記試料Sに変質等の悪影響を与えない液体を用いることも可能である。
(H02)前記回転部材7のかさ歯車7cおよび弁連結かさ歯車13以外の他の回転伝達部材を使用して前記開閉弁14を回動させることも可能である。
【0030】
【発明の効果】
前述の本発明の試料ホルダは、下記の効果を奏することができる。
(E01)試料を大気に曝さずに扱うことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 図1は本発明の実施例1の試料ホルダの縦断面図で、前記試料ホルダのホルダ筒から試料を保持する試料保持部が突出した状態を示す図である。
【図2】 図2は前記試料ホルダの縦断面図で、前記試料保持部が前記試料ホルダの気密室内に配置された状態を示す図である。
【図3】 図3は前記試料ホルダの要部拡大図である。
【図4】 図4は本発明の実施例2の試料ホルダの縦断面図である。
【図5】 図5は従来の試料ホルダが装着された透過型電子顕微鏡の縦断面図である。
【図6】 図6は従来の試料ホルダの拡大説明図である。
【符号の説明】
A…気密室、H…試料ホルダ、L…ホルダ軸線、S…試料、
1…ホルダ軸支持ケース、2…ホルダ筒、2a…ホルダ軸通過孔、3…気密室形成部材、3d…ホルダ軸貫通孔、3d′…ホルダ軸支持孔、9…ホルダ軸、9a…操作部、9b…試料保持部、7…回転部材、7d…ホルダ軸支持孔、14…開閉弁、17…配管連結部材、18…流体流入排出用配管、18′…流体流入用配管。

Claims (2)

  1. 試料を気密に保持した状態で大気中でない場所から大気中に搬送可能、または、試料を気密に保持した状態で大気中から真空中に搬送可能な試料ホルダであって、下記の要件を備えた試料ホルダ、
    (A01)内側にホルダ軸通過孔が形成された前後に延びるホルダ筒と、前記ホルダ筒の後端部に設けられて内側に前記ホルダ軸通過孔と連通する気密室が形成され且つ前記ホルダ軸通過孔と同軸のホルダ軸貫通孔が後端部に設けられた気密室形成部材とを有するホルダ軸支持ケース、
    (A02)前端部に設けられた試料保持部と後端部に設けられた操作部とを有し、中間部が円筒状外側面を有するホルダ軸であって、前記中間部が前記ホルダ軸貫通孔を貫通し、前記操作部が前記気密室の外部に配置されるとともに、前記ホルダ筒の中心軸線であるホルダ軸線に沿って前記試料保持部が試料の観察時に前記ホルダ筒の前端から突出する前端位置と前記試料保持部が前記気密室内に配置される後端位置との間で移動可能な前記ホルダ軸、
    (A03)前記ホルダ軸貫通孔内に気密に且つ回転可能に支持されて前記ホルダ軸貫通孔と同軸のホルダ軸支持孔が形成された回転部材であって、前記ホルダ軸中間部を前記ホルダ軸支持孔によりスライド可能且つ回転可能に支持し、前記ホルダ軸の試料保持部が前記後端位置に移動したときに前記ホルダ軸と一体的に回転可能な前記回転部材、
    (A04)前記回転部材と連動して、前記ホルダ軸線上に移動し前記ホルダ軸通過孔内と前記気密室内とを気密に遮断する遮断位置と、前記ホルダ軸線上から前記試料保持部の移動に障害とならない退避位置との間で回動する開閉弁、
    (A05)前記気密室内への流体の流入または排出を行うための流体流入排出用配管が連結される配管連結部材。
  2. 試料を気密に保持した状態で大気中でない場所から大気中に搬送可能、または、試料を気密に保持した状態で大気中から真空中に搬送可能な試料ホルダであって、下記の要件を備えた試料ホルダ、
    (B01)内側にホルダ軸通過孔が形成された前後に延びるホルダ筒と、前記ホルダ筒の後端部に設けられて内側に前記ホルダ軸通過孔と連通する気密室が形成され且つ前記ホルダ軸通過孔と同軸のホルダ軸支持孔が後端部に設けられた気密室形成部材とを有するホルダ軸支持ケース、
    (B02)前端部に設けられた試料保持部と後端部に設けられた操作部とを有し、中間部が円筒状外側面を有するホルダ軸であって、前記中間部が前記ホルダ軸支持孔により気密でスライド可能に支持され、前記操作部が前記気密室の外部に配置されるとともに、前記ホルダ筒の中心軸線であるホルダ軸線に沿って前記試料保持部が試料の観察時に前記ホルダ筒の前端から突出する前端位置と前記試料保持部が前記気密室内に配置される後端位置との間で移動可能な前記ホルダ軸、
    (B03)前記気密室内への流体の流入を行うための流体流入用配管が連結される配管連結部材。
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