JP3746539B2 - 石鹸の製造方法 - Google Patents

石鹸の製造方法 Download PDF

Info

Publication number
JP3746539B2
JP3746539B2 JP12439295A JP12439295A JP3746539B2 JP 3746539 B2 JP3746539 B2 JP 3746539B2 JP 12439295 A JP12439295 A JP 12439295A JP 12439295 A JP12439295 A JP 12439295A JP 3746539 B2 JP3746539 B2 JP 3746539B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
soap composition
grinding
soap
cooling
supply port
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Lifetime
Application number
JP12439295A
Other languages
English (en)
Other versions
JPH08295900A (ja
Inventor
武 長谷川
博宣 大谷
良哲 箕嶋
繁明 藤並
賢一郎 川元
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Kao Corp
Original Assignee
Kao Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Kao Corp filed Critical Kao Corp
Priority to JP12439295A priority Critical patent/JP3746539B2/ja
Publication of JPH08295900A publication Critical patent/JPH08295900A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP3746539B2 publication Critical patent/JP3746539B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Lifetime legal-status Critical Current

Links

Images

Landscapes

  • Detergent Compositions (AREA)

Description

【0001】
【産業上の利用分野】
本発明は、石鹸組成物に含まれる微粒のすりつぶし工程を有する石鹸の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、固形石鹸の製造方法として、例えば、ニートソープを乾燥した後にプロッダーによってペレット状に押出し、この乾燥生地に顔料や香料などを混ぜたものを混練してから押出し成型する方法が知られている。しかし、このような方法で成型された石鹸では、その表面に硬い小さな微粒が現れ、それが手などに触れたときにざらついた感触を与える場合があった。これは、石鹸組成物中に含まれた微粒が成型前に充分すりつぶされていないためである。
【0003】
そこで、ニートソープを乾燥した直後に、図12に示すローラー型混練装置101を用いて混練することが行なわれている。その混練装置101は、カバー103に内蔵された3本のローラー106と、そのローラー106間の混練部102への石鹸組成物供給口104と、その供給口104から横方向に離れた位置に配置された石鹸組成物排出口105と、各ローラー106を図中矢印で示すように隣接するもの同志を互いに逆方向に回転駆動する手段とを備え、それらローラー106は供給口104から排出口105に向かう方向に直角な横方向に沿って互いに平行に配置されている。図中破線矢印で示すように、その供給口104からすりつぶし混練室102に供給された石鹸組成物は、各ローラー106間で圧縮力を受けつつ混練され、スクレーパー107により最下流のローラー106から掻き取られて排出口105から排出される。しかし、この従来のローラー型混練装置101を用いる方法では、ローラー106間での石鹸組成物とローラー106との接触面積が小さいためローラー106間においてすりつぶされる微粒が少なく、微粒のすりつぶしを充分に行なえないという問題がある。
【0004】
また、石鹸組成物に含まれる微粒をバレルに内蔵された断面凸レンズ状の回転パドルの間ですりつぶし可能なパドル型混練装置が提案されている(特開平1‐190800号公報)。しかし、このパドル型混練装置を用いる方法では、パドル間での石鹸組成物とパドルとの接触面積が小さいためパドル間においてすりつぶされる微粒が少なく、また、バレルとパドルとの間をすり抜ける石鹸組成物が多いため、やはり微粒のすりつぶしを充分に行なえないという問題がある。
【0005】
また、互いに平行な横方向に並列する2本の軸を上下複数段に設け、各軸にダブルヘリカルギアを取り付け、各段における一方の軸のダブルヘリカルギアと他方の軸のダブルヘリカルギアとを噛み合わせ、各段における2本の軸を互いに逆方向に回転駆動し、石鹸組成物を上方から下方へ流動させることで互いに噛み合うダブルヘリカルギアの歯の間で石鹸組成物に含まれる微粒をすりつぶし可能ないわゆるギアコンパウンダーが混練装置として従来から用いられている。しかし、このギアコンパウンダーを用いる方法では、粘度の高い石鹸組成物はヘリカルギアの歯面に付着し、石鹸組成物の上方から下方への流動が阻害されるため、単位時間当たりに処理できる石鹸組成物の量は極端に少なく、実質的に石鹸の製造に用いることは不可能であった。
【0006】
そこで、石鹸組成物をバレル内のすりつぶし混練室に供給口から供給し、その供給口から横方向に離れて配置された排出口から排出するまでの間に、その供給口から排出口に向かう方向に沿ってすりつぶし混練室に配置された互いに平行な2本の軸を互いに逆方向に回転駆動し、各軸の外周に設けた送りヘリカルギアにより石鹸組成物に供給口から排出口への推進力を付与し、互いに噛み合わされる一方の軸の各ヘリカルギアの歯と他方の軸の各ヘリカルギアの歯との間で石鹸組成物に含まれた微粒をすりつぶす工程を有する石鹸の製造方法が提案されている(特開平4‐72400号公報)。この従来の方法によれば、すりつぶし混練室において互いに噛み合わされるヘリカルギアの歯の間で石鹸組成物に含まれる微粒を充分にすりつぶし、また、石鹸組成物に排出口へ向かう推進力を付与することで生産効率を低下させることなく混練を行なうことができる。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、その従来の方法においては、互いに噛み合わされるヘリカルギアの回転により石鹸組成物に大きな剪断エネルギーが付与されるため、石鹸組成物の温度が発熱により大幅に上昇する。その温度上昇に伴い石鹸組成物は粘度が低下するため、微粒のすりつぶし効果が低下する。また、石鹸組成物に含まれる香料等は温度上昇に敏感に反応するため品質が低下する。また、すりつぶし工程の次工程において石鹸組成物を型打ちして所望形状に成形する場合、石鹸組成物の温度が高いと粘度が低下して形状保持ができないため所望形状に成形できなくなる。さらに、石鹸組成物の温度が高くなるにつれて粘度低下により、より大きなすりつぶし効果を付与できなくなる。これを防止するため、その互いに噛み合わされるヘリカルギアの回転数を低くすると、生産性が低下し、さらにすりつぶし効果も低下するという問題があった。
【0008】
本発明は、上記課題を解決することのできる石鹸の製造方法を提供することを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】
本発明は、石鹸組成物をバレル内のすりつぶし混練室に供給口から供給し、その供給口から横方向に離れて配置された排出口から排出するまでの間に、その供給口から排出口に向かう方向に沿ってすりつぶし混練室に配置された互いに平行な2本の軸を互いに逆方向に回転駆動し、各軸の外周に設けた送りヘリカルギアにより石鹸組成物に供給口から排出口への推進力を付与し、互いに噛み合わされる一方の軸の各ヘリカルギアの歯と他方の軸の各ヘリカルギアの歯との間で石鹸組成物に含まれた微粒をすりつぶす工程を有する石鹸の製造方法において、そのすりつぶし工程の途中に、石鹸組成物を前記互いに噛み合わされるヘリカルギアの配置されていない冷却領域で流動させる冷却工程を介在させ、その冷却領域をスリーブの滑らかな外周面とバレルの内周面との間の空間により構成し、その冷却領域の下流において石鹸組成物の排出口への流動を抑制することを特徴とする。
【0010】
のスリーブの外周に周方向に沿って形成した環状突出部により石鹸組成物の排出口への流動を冷却領域の下流側端部において抑制するのが好ましい。
【0011】
なお、本発明方法で処理される石鹸組成物としては、例えば、炭素数8〜24のアルキル基またはアルケニル基を有する植物油脂、動物油脂もしくはこれらの混合物、またはこれらの油脂から得られるエステルまたは脂肪酸とアルカリ剤(アルカリ金属水酸化物)との反応で得られる脂肪酸アルカリ金属石鹸を単独あるいは2種以上混合したものなどを挙げることができる。植物油脂としては、パーム核、パームステアリン、ヤシ油、オリーブ油、ヒマシ油、ゴマ油、綿実油、大豆油、キリ油、落花生油、ナタネ油など、動物油脂としては、牛脂、豚脂、鯨脂などが使用される。また、必要に応じて、キレート剤、保湿剤、抗酸化剤、顔料、香料、殺菌剤、過脂肪剤などの添加物を配合してもよい。さらに、脂肪酸アルカリ金属石鹸の水分量は、中和や酸化反応後に、必要に応じて乾燥を行うことにより、5〜30重量%程度に調整するのが好ましいが、さらに好ましい水分量として、10〜16重量%に調整するのがよい。
【0012】
【発明の作用および効果】
本発明によれば、すりつぶし混練室において互いに噛み合わされるヘリカルギアの歯の間で石鹸組成物に含まれる微粒を充分にすりつぶすことができる。
【0013】
そして、ヘリカルギアにより大きな剪断エネルギーを付与された石鹸組成物が発熱により温度上昇しても、そのヘリカルギアの配置されていない冷却領域において石鹸組成物を冷却することができる。これにより、生産性を向上し、且つ、石鹸組成物の温度を低下させ、冷却領域の下流において石鹸組成物の粘度を大きくして微粒のすりつぶし効果を向上することができる。また、香料等の温度上昇に敏感に反応する物質への悪影響をなくして石鹸の品質を向上できる。また、石鹸組成物の温度を低下させて粘度を大きくして形状保持ができ、次工程における型打ちに支障が生じるのを防止できる。さらに、石鹸組成物の温度を装置内で低下させることで、より少ないギアでより大きなすりつぶし効果を付与することができ、さらに装置をコンパクトにできる。
【0014】
また、そのスリーブの外周の環状突出部により石鹸組成物の流動を抑制することで、石鹸組成物の冷却領域における滞留時間を長くして冷却効果を大きくすることができる。
【0015】
【実施例】
以下、本発明の石鹸の製造方法の実施例を図面を参照して説明する。
【0016】
図1は、石鹸組成物に含まれた微粒のすりつぶしシステムであって、3台のすりつぶし混練装置1a、1b、1cを直列に配列することで構成され、中流のすりつぶし混練装置1bは、上下流のすりつぶし混練装置1a、1cとは異なる構成を備えている。
【0017】
図2〜図4は、上記すりつぶしシステムにおける上下流のすりつぶし混練装置1a、1cを示す。各すりつぶし混練装置1a、1cはバレル2を備え、そのバレル2の内部にすりつぶし混練室3が設けられている。そのバレル2の上部に、そのすりつぶし混練室3への石鹸組成物の供給口4が形成されている。その供給口4から横方向に離れた位置において、そのバレル2の下部に、そのすりつぶし混練室3からの石鹸組成物の排出口5が形成されている。その排出口5の開口面積は、バレル2に取り付けられた可動プレート5aにより変更可能とされている。
【0018】
そのバレル2は、両端が開口する本体2aと、この本体2aの両端にボルトによって着脱可能に取り付けられた軸受けプレート2b、2cとを有する。その軸受けプレート2b、2cに回転可能に支持された互いに平行な横方向に並列する2本の軸6、7が、すりつぶし混練室3に供給口4から排出口5に向かう方向に沿って略水平に配置されている。なお、各軸6、7は軸受けプレート2a、2cに軸受8とシール部材9とを介して支持される。両軸6、7の各一端はバレル2の外部に突出し、各突出端に駆動ギア10a、10b、11a、11bが取り付けられ、一方の軸6の突出端にカップリング12を介してモータ13の出力軸が接続される。そのモータ13により一方の軸6が回転駆動され、その一方の軸6の回転は駆動ギア10a、10b、11a、11bを介して他方の軸7に伝達される。これにより、両軸6、7は互いに逆方向に回転駆動される。
【0019】
そのバレル2の外周は冷却ジャケット14により覆われ、また、各軸6、7を貫通する冷却液通路(図示省略)が形成され、その冷却ジャケット14および冷却液通路において水等が冷却液として流動することで、すりつぶし混練室3に供給される石鹸組成物の冷却がなされる。
【0020】
各軸6、7の外周に、複数の送りヘリカルギア15a、15bと複数の戻しヘリカルギア16a、16bとが設けられている。一方の軸6の各送りヘリカルギア15aと他方の軸7の各送りヘリカルギア15bとが噛み合わされ、一方の軸6の各戻しヘリカルギア16aと他方の軸7の各戻しヘリカルギア16bとが噛み合わされる。各ヘリカルギア15a、15b、16a、16bの外周とバレル2の内周との間の隙間は僅かなものとされている。また、各ヘリカルギア15a、15b、16a、16bは、相隣接するもの同志の歯溝が互いに通じるものとされている。
【0021】
各送りヘリカルギア15a、15bの歯すじのねじれ方向は、前記モータ13による各軸6、7の回転と同行回転することで、石鹸組成物に供給口4から排出口5への推進力を付与するように設定されている。各戻しヘリカルギア16a、16bの歯すじのねじれ方向は、前記モータ13による各軸6、7の回転と同行回転することで、石鹸組成物に排出口5から供給口4への推進力を付与するように設定されている。
【0022】
各ヘリカルギア15a、15b、16a、16b個々により石鹸組成物に付与される推進力は相等しく、送りヘリカルギア15a、15bの総数は戻しヘリカルギア16a、16bの総数よりも多くされ、これにより、各送りヘリカルギア15a、15bによる全推進力は各戻しヘリカルギア16a、16bによる全推進力よりも大きくされている。なお、送りヘリカルギア15a、15bの総数と戻しヘリカルギア16a、16bの総数とを等しくし、送りヘリカルギア15a、15bの歯すじのねじれ角と戻しヘリカルギア16a、16bの歯すじのねじれ角とを相異なるものとしたり、あるいは、送りヘリカルギア15a、15bの軸方向寸法を戻しヘリカルギア16a、16bの軸方向寸法よりも大きくすることで、各送りヘリカルギア15a、15bによる全推進力を各戻しヘリカルギア16a、16bによる全推進力より大きくしてもよい。
【0023】
その互いに噛み合わされる各ヘリカルギア15a、15b、16a、16bは、前記供給口4から排出口5との間の全域に亘ってすりつぶし混練室3に配置されている。各ヘリカルギア15a、15b、16a、16bは、各軸6、7に抜き差し可能に嵌め合わされ、各軸6、7に対してキー23を介して同行回転可能とされ、各軸6、7に形成された段差22と各軸6、7に抜き差し可能に嵌め合わされたシャフト24とで挟まれることで位置決めされている。なお、各シャフト24は各軸6、7の一端にボルトによって着脱可能に取り付けられるプレート25により抜け止めされている。
【0024】
図5、図6は、すりつぶしシステムにおける中流のすりつぶし混練装置1bを示す。上記の上下流のすりつぶし混練装置1a、1cとの相違は、互いに噛み合わされる各ヘリカルギア15a、15b、16a、16bが、排出口5よりも供給口4側におけるすりつぶし混練室3の下流領域において配置されていない点にある。これにより、そのすりつぶし混練室3の下流領域が冷却領域20とされている。その冷却領域20は、各軸6、7の外周に取り付けられる複数の円筒形スリーブ21の滑らかな外周面とバレル2の内周面との間の空間により構成されている。各スリーブ21は各ヘリカルギア15a、15b、16a、16bと共に、各軸6、7に抜き差し可能に嵌め合わされ、各軸6、7に対してキー23を介して同行回転可能とされ、各軸6、7に形成された段差22と各軸6、7に抜き差し可能に嵌め合わされたシャフト24とで挟まれることで位置決めされている。また、各シャフト24は、各軸6、7の一端にボルトによって着脱可能に取り付けられるプレート25により抜け止めされているので、各スリーブ21は各軸6、7に対して着脱可能とされている。そのすりつぶし混練室3において最も下流に位置するスリーブ21の下流側端部の外周に、石鹸組成物の供給口4から排出口5への流動を抑制可能な周方向に沿う環状突出部26が、一体的に形成されている。他は上記の上下流のすりつぶし混練装置1a、1cと同様で、同一部分は同一符号で示す。
【0025】
上記すりつぶしシステムにより石鹸を製造するに際し、石鹸組成物は先ず上流のすりつぶし混練装置1aに供給口4から供給されることで、混練されると共に石鹸組成物に含まれる微粒がすりつぶされて排出口5から排出される。次いで、石鹸組成物は中流のすりつぶし混練装置1bに供給口4から供給されることで、混練されると共に石鹸組成物に含まれる微粒がすりつぶされて排出口5から排出され、その間に冷却領域20を流動することで冷却される。次いで、石鹸組成物は下流のすりつぶし混練装置1cに供給口4から供給されることで、混練されると共に石鹸組成物に含まれる微粒がすりつぶされて排出口5から排出される。
【0026】
各すりつぶし混練装置1a、1b、1cにおいて、供給口4からすりつぶし混練室3に供給された石鹸組成物は、各ヘリカルギア15a、15b、16a、16bの歯と歯の間の歯溝に入り込み、各軸6、7の回転により、その歯溝および各ヘリカルギア15a、15b、16a、16bの外周とバレル2の内周との間の隙間において流動して混練される。その石鹸組成物に各送りヘリカルギア15a、15bにより付与される推進力は、各戻しヘリカルギア16a、16bにより付与される推進力よりも大きいので、石鹸組成物は流動が阻止されることなく効率良く混練される。また、その互いに噛み合わされるヘリカルギア15a、15b、16a、16bの歯の間で、石鹸組成物に含まれる微粒を充分にすりつぶすことができる。さらに、その送りヘリカルギア15a、15bと戻しヘリカルギア16a、16bとの境界近傍において、排出口5へ向かう推進力を付与された石鹸組成物と供給口4へ向かう推進力を付与された石鹸組成物とが互いに混じり合うため、混練の均一化を図ることができる。
【0027】
そして、中流のすりつぶし混練装置1bにおいて、各ヘリカルギア15a、15b、16a、16bにより大きな剪断エネルギーを付与されて発熱により温度上昇した石鹸組成物を、冷却領域20における冷却工程により冷却することができる。上記実施例では、スリーブ21との摩擦により石鹸組成物がスリーブ21の回転に伴い周方向に流動することで、冷却ジャケット14および冷却液通路による冷却効果を大きくすることができる。これにより、生産性を向上し、且つ、石鹸組成物の温度を低下させることでき、ヘリカルギア15a、15b、16a、16bによる混練によって温度上昇して粘度が低下した石鹸組成物の粘度を大きくし、下流のすりつぶし混練装置1cにおけるヘリカルギア15a、15b、16a、16bによる微粒のすりつぶし効果を向上したり、香料のように温度上昇に敏感に反応する物質への悪影響をなくして石鹸組成物の品質を向上できる。また、石鹸組成物の温度を低下させて粘度を大きくすることで、次工程における型打ちに支障が生じるのを防止できる。さらに、石鹸組成物の温度を装置内で低下させることで、より少ないギアでより大きなすりつぶし効果を付与することができ、さらに装置をコンパクトにできる。また、スリーブ21の外周に環状突出部26を形成し、石鹸組成物の供給口4から排出口5への流動を抑制することで、石鹸組成物の冷却領域20における滞留時間を長くして冷却効果を大きくすることができる。また、そのスリーブ21を各軸6、7の外周に着脱可能に取り付けることで、スリーブ21の交換により環状突出部26の突出寸法、形状、位置を変更し、石鹸組成物の冷却領域20における滞留時間を任意に変化させ、冷却能力を制御することが可能になる。さらに、そのスリーブ21の交換により、スリーブ21の外周面とバレル2の内周面との間の隙間寸法tを変更し、石鹸組成物の冷却領域20における滞留時間を任意に変化させ、冷却能力を制御することが可能になる。
【0028】
次に、上記実施例の3台のすりつぶし混練装置1a、1b、1cにより構成されるすりつぶしシステムと、その中流のすりつぶし混練装置1bを上下流のすりつぶし混練装置1a、1cと同一構成のすりつぶし混練に置換した冷却領域20のない比較例のすりつぶしシステムとを用い、以下の表1に示す石鹸組成物の混練と、その石鹸組成物に含まれる微粒のすりつぶしを行なった。なお、各すりつぶし混練装置のヘリカルギアのモジュール、ねじれ角、外径および幅は、それぞれ6、15°、106mm及び35mmに設定した。また、各システムによる混練およびすりつぶし処理回数は1回とした。
【0029】
【表1】
Figure 0003746539
【0030】
上記混練およびすりつぶしの後、直径80mm×長さ400mmのスクリューと直径110mm×長さ440mmのスクリューの2本を有する真空2段プロッダーで石鹸組成物を押し出して、型打機で縦72mm、横52mm、厚さ35mmの石鹸を成形した。その実施例システムおよび比較例システムにより成形した石鹸それぞれについて、手洗いによる感触、ひび割れ、及び速泡性に関するテストを行った。
【0031】
手洗いテストは、各システムにより得られた試料を用いて25±1℃の水道水で手洗いし、そのときの泡立ち、溶けむら、ざらつき等を、予め標準として設定した石鹸で手洗いしたときの感触と比較した。そして、その結果を以下の3段階にランク分けした。
ランク0 … 全体の感触が特に良好
ランク1 … 全体の感触が良好
ランク2 … 全体の感触が普通
ランク3 … 全体の感触が不良
【0032】
ひび割れテストは、各試料の端に長さが約5cmの釘を刺し、それを直径約0.3mmの針金で吊るし、25℃の水中に3時間浸した後、水中から取り出して吊るしたまま室温で24時間放置した。その後、各試料のひび割れ状態を目視で観察して、そのひび割れの程度を次の基準に従って判定した。
ランク1 … ひび割れなしまたは僅かにひび割れがある。
ランク2 … ひび割れがある。
ランク3 … 全体にひび割れがある。
【0033】
速泡性テストは、石鹸の位置を固定するためのホルダーと、このホルダーに固定された各石鹸試料の表面に対して平行に向き合った状態で上下動するスポンジとを有し、このスポンジが上下動の下端に位置するときに容器内に入れられた水の中に浸されるように構成されたテスト装置を用いて、スポンジが1分間に22ストロークするようにその上下動の速度を設定して、容器内の水面が泡で覆われたときのストローク数を速泡性の値として測定した。
【0034】
上記各テストを、石鹸組成物の供給量25kg/hr、駆動ギアの回転数を200rpmの条件下で行なった結果を以下の表2に示し、石鹸組成物の供給量300kg/hr、駆動ギアの回転数を300rpmの条件下で行なった結果を以下の表3に示す。
【0035】
【表2】
Figure 0003746539
【0036】
【表3】
Figure 0003746539
【0037】
上記各表から、本発明方法の実施例によれば比較例に比べ、何れのテストにおいても同等もしくは良好な結果を得られることを確認できる。また、石鹸組成物の供給量と駆動ギアの回転数を増大して生産性を向上した場合、本発明方法の実施例によれば手洗いテストとひび割れテストの結果は変動せず、速泡性テストも1ストロークの変動に過ぎない。これに対し、比較例によれば生産性を向上すると何れのテスト結果においても悪化度合いが大きくなっている。これにより、本発明方法によれば石鹸組成物の品質を低下させることなく生産性を向上させ得ることを確認できる。
【0038】
図7は本発明の第1変形例に関するものである。上記実施例との相違は、上記実施例のすりつぶしシステムの中流のすりつぶし混練装置1bを、図12で示した従来例のローラー型混練装置101に置換した点にある。他は上記実施例と同様で同一部分は同一符号で示す。この第1変形例によれば、そのローラー型混練装置101のバレル103の内部の混練室102が、互いに噛み合わされるヘリカルギアが配置されていない冷却領域20′とされる。
【0039】
さらに、第2変形例として、冷却効果を高めるために、その第1変形例のローラー型混練装置101に代えて、図8の(1)に示すような冷却装置(例えば、(株)奈良機械製作所製、パドルクーラー)51を用いてもよい。その冷却装置51は、ハウジング52と、このハウジング52に内蔵された左右2本の回転シャフト53と、各シャフト53に設けられた複数の図8の(2)に示すような掻き上げ部54とを備え、そのハウジング52は冷却ジャケットにより覆われ、そのハウジング52は、一端の供給口52aから他端の排出口52bに向かうに従い下方に向かうように傾斜して配置される。そのハウジング52に上流のすりつぶし混練装置1aから供給口52aを介し供給される石鹸組成物は、回転シャフト53の回転によって掻き上げ部54により掻き上げられつつ、重力により排出口52bに向かい流動し、その流動の間に冷却され、排出口52bから下流のすりつぶし混練装置1cに供給される。
【0040】
図9は本発明の第3変形例に関するものである。上記実施例との相違は、上記実施例のすりつぶしシステムの中流のすりつぶし混練装置1bにおいて、すりつぶし混練室3における中流域と下流領域とが冷却領域20a、20bとされている点にある。他は上記実施例と同様で同一部分は同一符号で示す。
【0041】
図10は本発明の第4変形例に関するものである。上記実施例との相違は、上記実施例のすりつぶしシステムの中流のすりつぶし混練装置1bにおいて、すりつぶし混練室3における中流域においてのみ冷却領域20cを設け、また、スリーブ21の軸方向間中央に環状突出部26′を形成した点にある。他は上記実施例と同様で同一部分は同一符号で示す。
【0042】
図11は本発明の第5変形例に関するものである。上記実施例との相違は、上記実施例のすりつぶしシステムの中流のすりつぶし混練装置1bにおいて、すりつぶし混練室3における上流域においてのみ冷却領域20dを設け、また、スリーブ21に環状突出部を形成せず、さらに、最も下流に位置するスリーブ21の下流側端部の外周に、下流に向かうに従い径外方向に向かうテーパ面30を形成し、各ヘリカルギア15a、15b、16a、16bの歯底径を各スリーブ21の外径よりも大きくすると共にテーパ面30の最大外径に等しくした点にある。他は上記実施例と同様で同一部分は同一符号で示す。そのテーパ面30により、石鹸組成物の冷却領域20dから各ヘリカルギア15a、15b、16a、16bの間への流動の円滑化が図られている。
【0043】
なお、本発明は上記実施例や変形例に限定されるものではない。例えば、冷却領域をすりつぶし混練室3における上流域と中流域とに設けたり、上流域と下流域とに設けたり、3つ以上の冷却領域を設けるようにしてもよい。また、すりつぶしシステムの上流や下流のすりつぶし混練装置に冷却領域を設けてもよい。また、すりつぶしシステムを構成するすりつぶし混練装置の台数は特に限定されず、2台以下でもよいし4台以上であってもよい。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例のすりつぶしシステムの構成説明図
【図2】本発明の実施例のすりつぶしシステムの上下流のすりつぶし混練装置の平断面図
【図3】図2のIII‐III線に沿う断面図
【図4】図3のIV‐IV線に沿う断面図
【図5】本発明の実施例のすりつぶしシステムの中流のすりつぶし混練装置の平断面図
【図6】図5のVI‐VI線に沿う断面図
【図7】本発明の第1変形例のすりつぶしシステムの構成説明図
【図8】本発明の第2変形例の冷却装置の(1)は構成説明図、(2)は要部の斜視図
【図9】本発明の第3変形例のすりつぶし混練装置の縦断面図
【図10】本発明の第4変形例のすりつぶし混練装置の平断面図
【図11】本発明の第5変形例のすりつぶし混練装置の縦断面図
【図12】従来例の混練装置の構成説明図
【符号の説明】
1 すりつぶし混練装置
2 バレル
3 すりつぶし混練室
4 供給口
5 排出口
6、7 軸
13 モータ
15a、15b 送りヘリカルギア
16a、16b 戻しヘリカルギア
20、20a、20b、20c、20d、20e 冷却領域
21 スリーブ
26、26′ 環状突出部

Claims (2)

  1. 石鹸組成物をバレル内のすりつぶし混練室に供給口から供給し、その供給口から横方向に離れて配置された排出口から排出するまでの間に、その供給口から排出口に向かう方向に沿ってすりつぶし混練室に配置された互いに平行な2本の軸を互いに逆方向に回転駆動し、各軸の外周に設けた送りヘリカルギアにより石鹸組成物に供給口から排出口への推進力を付与し、互いに噛み合わされる一方の軸の各ヘリカルギアの歯と他方の軸の各ヘリカルギアの歯との間で石鹸組成物に含まれた微粒をすりつぶす工程を有する石鹸の製造方法において、そのすりつぶし工程の途中に、石鹸組成物を前記互いに噛み合わされるヘリカルギアの配置されていない冷却領域で流動させる冷却工程を介在させ、その冷却領域をスリーブの滑らかな外周面とバレルの内周面との間の空間により構成し、その冷却領域の下流において石鹸組成物の排出口への流動を抑制することを特徴とする石鹸の製造方法。
  2. のスリーブの外周に周方向に沿って形成した環状突出部により石鹸組成物の排出口への流動を冷却領域の下流側端部において抑制する請求項1に記載の石鹸の製造方法。
JP12439295A 1995-04-24 1995-04-24 石鹸の製造方法 Expired - Lifetime JP3746539B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP12439295A JP3746539B2 (ja) 1995-04-24 1995-04-24 石鹸の製造方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP12439295A JP3746539B2 (ja) 1995-04-24 1995-04-24 石鹸の製造方法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPH08295900A JPH08295900A (ja) 1996-11-12
JP3746539B2 true JP3746539B2 (ja) 2006-02-15

Family

ID=14884295

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP12439295A Expired - Lifetime JP3746539B2 (ja) 1995-04-24 1995-04-24 石鹸の製造方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP3746539B2 (ja)

Families Citing this family (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN104928094B (zh) * 2015-06-08 2017-11-17 洛阳理工学院 一种家用手工皂制作机

Also Published As

Publication number Publication date
JPH08295900A (ja) 1996-11-12

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US5156794A (en) Pulverizing/kneading apparatus and method for manufacturing soap using the pulverizing/kneading apparatus
KR100341422B1 (ko) 액체 또는 현탁액 혼합용 믹서 및 그 혼합방법
US2048286A (en) Apparatus for treating plastic materials
CN111013474A (zh) 一种能够均匀混合的化妆品生产用配制设备
JP3746539B2 (ja) 石鹸の製造方法
EP0178131A2 (en) Preparation of detergent formulations
JPH07133500A (ja) 高粘度物の処理装置および石鹸の製造方法
US3408299A (en) Process for preparing soap bars
CN215138713U (zh) 一种用于纳米乳液的搅拌乳化机
EP0745120B1 (en) Process for the manufacture of soap bars and apparatus therefor
CN216458274U (zh) 一种usp低温改性沥青生产用混合装置
US20220204893A1 (en) Apparatus, process, and extrusion screw for producing syndet soaps
White Development of internal-mixer technology for the rubber industry
JP2541266B2 (ja) 石鹸の製造法
CN208097876U (zh) 一种化工生产用搅拌机
EP0675948B1 (en) Improvements relating to a process for the manufacture of soap bars
CN208356600U (zh) 一种双电机搅拌制脂釜
JPH078995B2 (ja) 石鹸の製造方法
CN216856710U (zh) 一种化工生产用反应釜
JPH05171196A (ja) 石鹸の連続製造方法及び装置
CN214872931U (zh) 一种挤压机
CN220878412U (zh) 一种高速均质乳化生产反应釜
CN220126025U (zh) 药材生产用原料混合装置
CN117138677B (zh) 一种污水处理用混合加药装置
CN210544444U (zh) 一种高效乳化设备

Legal Events

Date Code Title Description
A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20041012

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20041207

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20051115

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20051124

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20081202

Year of fee payment: 3

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20091202

Year of fee payment: 4

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20091202

Year of fee payment: 4

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20101202

Year of fee payment: 5

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20101202

Year of fee payment: 5

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20111202

Year of fee payment: 6

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20111202

Year of fee payment: 6

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20121202

Year of fee payment: 7

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20121202

Year of fee payment: 7

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20131202

Year of fee payment: 8

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

EXPY Cancellation because of completion of term