JP3745628B2 - 溶接部の検査方法及び超音波探傷装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、溶接部の検査方法及び超音波探傷装置に係り、詳しくは超音波探傷装置にて溶接部の溶け込み深さを測定することによって溶接部の溶接品質を検査するための検査方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
一般に、溶接部の溶接品質(例えば溶接部の内在欠陥の有無)を検査する方法として、溶接部の断面にて検査する方法がよく知られている。
【0003】
一例として、図7はトルクコンバータ(T/C)のフロントカバーの溶接部の断面にて検査する方法を示す説明図である。詳述すると、トルクコンバータ(T/C)のフロントカバー10は、図5及び図6に示すように、フロントカバー本体11と、該フロントカバー本体11に溶接で固着された複数(図5においては6つ)のセットブロック12とを備えている。
【0004】
前記フロントカバー本体11は、冠状に形成され、中心部に設けられた円柱部13と、その円柱部13の基端(図6において下端)から径方向に延びる円盤状の鍔部14と、該鍔部14の外周側から軸方向(図6において下方)へ折り曲げる折り曲げ部15を有している。
【0005】
前記鍔部14は、その外周側部分の外面(図6及び図7において上面)14aに凹部14bを設け(図7にのみ示す)、その外周側部分の内面(図6及び図7において下面)14cが径方向に平行して平らに形成している。
【0006】
前記セットブロック12は、断面四角形の板状に形成され、図7に示すように、その下面12aの中央に凸部12bを設け、該凸部12bの中心に該セットブロック12を貫通するネジ孔12cを設けている。
【0007】
そして、セットブロック12は、その凸部12bが前記フロントカバー本体11に設けられた凹部14b内に内在するように設置した状態でフロントカバー本体11の円周方向に配置された両面側から溶接にてフロントカバー本体11に固着されている。
【0008】
このとき、図7に示すように、セットブロック12は、フロントカバー本体11を溶け込んだ(食い込んだ)溶接部20を介して母材としてのフロントカバー本体11と一体に溶着されている。その溶接は溶接機で行われているが、個体差があるため溶接品質にバラツキを生じる。そのため、溶接部20におけるフロントカバー本体11を溶け込んだ深さが溶接品質の指標として検査を受けている。つまり、従来では、溶接部20におけるフロントカバー本体11を溶け込んだ深さを図ることによってフロントカバー本体11に溶着したセットブロック12の溶接品質を検査していた。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、従来では、このような溶接部品の溶接品質検査にあたって、拡大鏡または顕微鏡が用いられる。上記のフロントカバー10の場合において、一体に溶着されたフロントカバー本体11およびセットブロック12を、図5におけるL−L線から切断し、図7に示す断面を研磨・腐食して溶接部20の溶け込み深さを測定していた。この従来の検査方法は、破壊検査であるため、検査工数が多く検査時間が長い(1回検査に4時間かかる)とともに、抜取検査しかできなかった。これは、部品(フロントカバー10)のコスト低減(検査工数と検査部品の廃却との低減)および部品全数の品質保証を図る上の問題点となった。
【0010】
従って、本発明の目的は、部品コストの低減および部品全数の品質保証を図ることができる溶接部の検査方法及び超音波探傷装置を提供することにある。
【0011】
【課題を解決するための手段】
上記問題点を解決するために、請求項1に記載の発明は、母材の板厚方向一表面に部材を溶着させてなるワークである被検査部品に対してその溶接部の溶け込みを検査する方法であって、前記部材を溶着した一表面と反対する母材の板厚方向他表面に超音波からなる入射ビームを送信し、該入射ビームからの反射ビームを受信し、該反射ビームをデータ分析して、前記溶接部が前記母材における板厚方向の内部に溶け込んでいる溶け込み深さを測定するとともに、前記部材と前記母材との境界部での溶け込みの有無を確認することによって前記溶接部の溶接品質の良否を判定するようにしたことを要旨とする。
【0012】
請求項2に記載の発明は、フロントカバー本体の鍔部の板厚方向一表面に複数のセットブロックを溶着させてなるワークであるフロントカバーに対してその溶接部の溶け込みを検査する方法であって、前記セットブロックを溶着した一表面と反対するフロントカバー本体の板厚方向他表面に超音波からなる入射ビームを送信し、該入射ビームからの反射ビームを受信し、該反射ビームをデータ分析して、前記溶接部が前記フロントカバー本体における板厚方向の内部に溶け込んでいる溶け込み深さを測定するとともに、前記セットブロックと前記フロントカバー本体との境界部での溶け込みの有無を確認することによって、前記溶接部の溶接品質の良否を判定することを要旨とする。
【0013】
請求項3に記載の発明は、請求項1又は2に記載の溶接部の検査方法において、前記入射ビームを、前記他表面と垂直する方向に送信したことを要旨とする。請求項4に記載の発明は、請求項1乃至3のいずれか1に記載の溶接部の検査方法において、前記溶接部の溶け込み深さは、前記反射ビームからエコー抽出された反射エコーを画像処理して得た断面分布図(Bスコープ)、及び、前記反射ビームからエコー抽出され前記両表面間の距離を反映する反射エコーに基づいて測定するようにしたことを要旨とする。
【0014】
請求項5に記載の発明は、請求項1乃至4のいずれか1に記載の溶接部の検査方法において、前記溶接部の溶接品質の良否は、前記反射ビームからエコー抽出された反射エコーを画像処理して得た平面分布図(Cスコープ)に基づいて溶接部の脚長最小部を検出し、該溶接部の脚長最小部での溶け込み深さを予め定めた規定値と比較した結果にて判定するようにしたことを要旨とする。
【0015】
請求項6に記載の発明は、エコー抽出手段、溶け込み算出手段及び溶接部良否判定手段を有する超音波探傷コントローラと、ワークを載置するためのワーク載置台と、前記超音波探傷コントローラの指令を受けて超音波のビームを送受信するための探触子と、前記探触子を走査移動するための走査装置とを備え、前記ワークを、該ワークの母材に部材を溶着した一表面と反対する母材の他表面が前記探触子と対向するように、ワーク載置台に載置し、前記探触子により前記他表面に向かって超音波の入射ビームを送信するとともに、前記入射ビームからの反射ビームを受信し、前記超音波探傷コントローラにより前記反射ビームをデータ分析して、前記溶接部が前記母材における板厚方向の内部に溶け込んでいる溶け込み深さを測定するとともに、前記部材と前記母材との境界部での溶け込みの有無を確認することによって前記溶接部の溶接品質の良否を判定するようにしたことを要旨とする。
【0016】
(作用)
請求項1,2及び6に記載の発明の構成によれば、溶接部に対する溶接品質の検査は、非破壊検査の超音波探傷にて行われるので、従来の破壊検査に比べ、検査工数が少なくなり検査時間が短くなるとともに、部品全数の検査ができる。その結果、部品コスト低減(検査工数と検査部品の廃却との低減)および部品全数の品質保証を図ることができる。
【0017】
請求項3に記載の発明の構成によれば、請求項1及び2の発明の作用に加えて、入射ビームを、他表面と垂直する方向に送信した。従って、両表面間の距離、つまり、溶接部を有する部品の板厚を容易に測定することができる。その結果、部品板厚のバラツキによる測定誤差の発生を防止できる。
【0018】
請求項4に記載の発明の構成によれば、溶接部の溶け込み深さは、反射ビームからエコー抽出された反射エコーを画像処理して得た断面分布図(Bスコープ)、及び、反射ビームからエコー抽出され部品板厚を反映する反射エコーに基づいて測定するようにした。従って、溶接部の溶け込み深さを容易且つ精確に測定することができる。
【0019】
請求項5に記載の発明の構成によれば、溶接部の溶接品質の良否は、反射ビームからエコー抽出された反射エコーを画像処理して得た平面分布図(Cスコープ)に基づいて溶接部の脚長最小部を検出し、溶接部の脚長最小部での溶け込み深さを予め定めた規定値と比較した結果にて判定するようにした。従って、溶接部の溶接品質の良否は、簡単且つ正確に行うことができる。
【0020】
【発明の実施の形態】
以下、本発明をトルクコンバータ(T/C)のフロントカバーの検査方法及び検査装置に具体化した一実施形態を図面に従って説明する。なお、本実施形態のフロントカバーの構造は従来技術で説明したものと同じであるため、説明の便宜上、フロントカバーの構造について同じ符号を付し詳細な説明を省略し、検査方法および検査装置について詳しく説明する。
【0021】
本実施形態では、被検査部品としてのフロントカバー10の溶接部20の溶接品質を非破壊検査方法の一つとしての超音波探傷にて行っている。
図4は、本実施形態のフロントカバー10を超音波探傷で検査するための超音波探傷装置を示す。本実施形態の超音波探傷装置30は、検査装置部31と検査作業部32を備えている。
【0022】
前記検査装置部31には、超音波探傷コントローラ33と、該コントローラ33に接続された入力装置としてのキーボート(図示せず)、出力装置としてのディスプレー34およびプリンダー35などを設置している。超音波探傷コントローラ33は、エコー抽出手段、スコープ表示手段、溶け込み算出手段及び溶接部良否判定手段などを備えている。
【0023】
前記検査作業部32には、ワークWを固定・位置決めするためのワーク載置台36を有する検査用水槽37と、超音波探傷装置30の探触子(プローブ)38を固定・走査させるための走査装置39と、前記ワーク載置台36及び走査装置39を駆動する駆動装置(図示せず)などを設けている。ワーク載置台36はワークWを平面上における2次元で位置決め可能にしている。また、走査装置39は、探触子38を3次元で走査可能にしている。前記探触子38と前記駆動装置は、前記コントローラ33に接続している(図示せず)。
【0024】
本実施形態では、ワーク載置台36を水平回動することによってワークWを所定角度で回動して位置決めできるようにしている。走査装置39を作動することによって、探触子38をワークWに対して2次元で走査可能にしているとともに、探触子38をワークWの検査面と垂直な方向に移動(図4において上下動)可能にしている。言い換えれば、ワーク載置台36の回動によって該ワーク載置台36に固定されたワークWの検査部を位置決めできる。また、探触子38をワークWの検査面と垂直な方向に移動させることによって探触子38とワークWの検査面との間の距離、いわゆる水距離を調整できる。
【0025】
そして、検査時において、前記ワーク載置台36にワークWとしてのフロントカバー10を軸中心が該ワーク載置台36の回転中心と一致するように固定させ、検査用水槽37内に所定量の水を注入する。本実施形態では、前記フロントカバー本体11の鍔部14の外周側部分における内面(図1及び図2において上面)14cが探触子38と対向する上向きとなるようにフロントカバー10をワーク載置台36に固定している。
【0026】
次に、フロントカバー10の溶接部20を検査する検査方法について説明する。
まず、ワーク載置台36を回動させるとともに、走査装置39を移動させることによって、探触子38とワーク検査部としての前記溶接部20との相対位置を決める。そして、図1に示すように、探触子38が1つの溶接部20の上方であって、しかも前記内面14cと所定距離H(例えば、10〜15mm)を離間した位置に来るように検査スタート位置(図3(a)(b)で示す位置S)を決めている。
【0027】
次に、図3(a)(b)に示すように、探触子38を所定操作範囲P内で走査させる。つまり、探触子38を所定走査ピッチ(例えば、0.2mm×0.2mm)矢印X方向に往復移動しながら矢印Y方向に進むように2次元で所定走査ピッチにて走査させる。このとき、探触子38の発信部から所定周波数M(例えば、50MHz)の超音波入射ビームK1を垂直方向(図1及び図2で示す矢印Z方向)に沿って前記内面14cに向かって発射させる。そして、鍔部14及びセットブロック12における溶接部20での超音波入射ビームK1に対する反射ビームK2,K3は探触子38の受信部により受信し前記超音波探傷コントローラ33に入力するようになっている。
【0028】
そして、前記超音波探傷コントローラ33は、探触子38の受信部から受信した反射ビームに基づいてエコー抽出手段にてフロントカバー本体11の上下面(前記内外面14c,14a)の反射エコーと溶接部20における溶け込みの反射エコーを抽出し、スコープ表示手段にて前記反射エコーをBスコープ(断面分布図)画像に処理しディスプレー34で表示させる。さらに、超音波探傷コントローラ33は、前記Bスコープ画像の表示により溶接部20を有するフロントカバー本体11の板厚に基づいて前記溶け込み算出手段にて溶接部20の溶け込み深さを算出する。最後に、更なる画像の処理により得たCスコープ(平面分布図)画像をディスプレー34で表示させる。
【0029】
図3(a)(b)は、検査されたフロントカバー10における溶接部20の溶け込みを反映するCスコープ画像を示す説明図である。図3(a)(b)において、ハッチング部分が母材のフロントカバー本体11における両溶接部20の溶け込みを示している。超音波探傷コントローラ33は、このCスコープ画像に基づいて脚長最小部Nを検出し、この脚長最小部での溶接部20の溶け込み深さを確認する。さらに、超音波探傷コントローラ33は、このCスコープ画像に基づいて前記セットブロック12のボスセンター(輪郭)位置(図3(a)(b)に1点鎖線で示す)を検出し、セットブロック12とフロントカバー本体11との境界部(ルート部)での溶け込みを確認する。
【0030】
そして、超音波探傷コントローラ33は、溶接部良否判定手段にて脚長最小部Nでの溶接部20の溶け込み深さを規定値と比較するとともに、前記ルート部での溶け込みの有無を確認することによって溶接部20の良否を判定する。本実施形態では、超音波探傷コントローラ33は、図3(a)に示すように、前記ルート部での溶け込みがあると確認し、しかも溶接部20の脚長最小部Nでの溶け込み深さが規定値以上であると判断した場合、溶接部20の溶接品質が合格であると判定する。一方、超音波探傷コントローラ33は、図3(b)に示すように、前記ルート部での溶け込みが一部分において無いと確認し、溶接部20の脚長最小部Nでの溶け込み深さが規定値未満(図3(b)に示す場合は0)であると判断した場合、溶接部20の溶接品質が不合格であると判定する。
【0031】
なお、超音波の強さに係わる前記所定距離Hおよび所定周波数Mは、スコープ画像にて表示される溶け込みの画像と相関関係が有り、その相関関係から溶け込みの深さを推測できるようになっている。そして、本実施形態では、前記溶接部20の溶け込み深さの規定値は、フロントカバー10に対して前記所定距離Hおよび所定周波数Mなどのパラメータに基づいて決められ、予め超音波探傷コントローラ33に記憶している。
【0032】
以上詳述したように、本実施形態によれば、以下に示す効果が得られるようになる。
(1)本実施形態では、セットブロック12を溶着したフロントカバー本体11の鍔部14の外面14aと反対する内面14cに対して、探触子38により超音波からなる入射ビームK1を送信し、フロントカバー本体11の板厚方向両表面14a,14c及び溶接部20からの反射ビームK2,K3を受信する。そして、超音波探傷コントローラ33により反射ビームK2,K3をデータ分析して、溶接部20の溶け込みの有無を推定するとともに溶接部20の溶け込み深さを測定することによって、溶接部20の溶接品質の良否を判定するようにした。
【0033】
従って、フロントカバー10の溶接部20に対する溶接品質の検査は、非破壊検査の超音波探傷にて行われるので、従来の破壊検査に比べ、検査工数が少なくなり検査時間が短くなる(1回検査に10分間しか必要しない)とともに、部品全数の検査ができる。その結果、フロントカバー10のコスト低減(検査工数と検査部品の廃却との低減)および部品全数の品質保証を図ることができる。
【0034】
また、入射ビームK1を平らに形成された内面14cに送信するため、入射ビームK1の入射拡散による計測不能を防止できる。
(2)本実施形態では、入射ビームK1を、フロントカバー本体11の鍔部14の内面14cと垂直する方向に送信した。従って、溶接部20を有するフロントカバー本体11の板厚、つまり、前記鍔部14の外面14aと内面14c間の距離を容易に測定することができる。その結果、板厚のバラツキによる測定誤差の発生を防止できる。
【0035】
(3)本実施形態では、溶接部20の溶け込み深さは、前記反射ビームK2,K3からエコー抽出された反射エコーを画像処理して得た断面分布図(Bスコープ)、及び、前記反射ビームK3からエコー抽出され前記フロントカバー本体11の板厚を反映する反射エコーに基づいて測定するようにした。従って、溶接部20の溶け込み深さを容易且つ精確に測定することができる。
【0036】
(4)本実施形態では、溶接部20の溶接品質の良否は、前記反射ビームK2,K3からエコー抽出された反射エコーを画像処理して得た平面分布図(Cスコープ)に基づいて溶接部20の脚長最小部Nを検出し、溶接部20の脚長最小部Nでの溶け込み深さを予め定めた規定値と比較した結果にて判定するようにした。従って、溶接部20の溶接品質の良否は、簡単且つ正確に行うことができる。
【0037】
なお、本発明の実施の形態は上記実施形態に限定されるものではなく、次のように変更してもよい。
・ワーク載置台36を図4に矢印Z方向に上下移動可能に設けてもよい。
【0038】
・超音波入射ビームK1の所定周波数Mを50MHz以外の周波数にて実施してもよい。
・水距離である所定距離Hを、10〜15mm以外の距離に設定して実施してもよい。
【0039】
・上記実施形態では、本発明をトルクコンバータ(T/C)のフロントカバーのに具体化して実施したが、本発明をトルクコンバータ(T/C)のフロントカバー以外の部品の検査方法及び検査装置に具体化して実施してもよい。
【0040】
【発明の効果】
以上詳述したように、請求項1〜6に記載の発明によれば、部品コストの低減および部品全数の品質保証を図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る溶接部の検査方法を説明する説明図。
【図2】図1における要部拡大図。
【図3】本実施形態のCスコープによる溶接部の品質判定を説明する説明図。
【図4】本実施形態の超音波探傷装置の正面図。
【図5】本発明に係るトルクコンバータ(T/C)のフロントカバーの平面図。
【図6】フロントカバーの要部断面図。
【図7】従来の破壊検査を説明するための断面図。
【符号の説明】
N…脚長最小部、W…ワーク、K1…入射ビーム、K2,K3…反射ビーム、10…被検査部品としてのフロントカバー、11…母材としてのフロントカバー本体、12…部材としてのセットブロック、14…フロントカバー本体11の鍔部、14a…フロントカバー本体11の板厚方向一表面としての外面、14c…フロントカバー本体11の板厚方向他表面としての内面、20…溶接部、33…超音波探傷コントローラ、36…ワーク載置台、38…探触子、39…走査装置。
Claims (6)
- 母材(11)の板厚方向一表面(14a)に部材(12)を溶着させてなるワーク(W)である被検査部品(10)に対してその溶接部(20)の溶け込みを検査する方法であって、
前記部材(12)を溶着した一表面(14a)と反対する母材(11)の板厚方向他表面(14c)に超音波からなる入射ビーム(K1)を送信し、該入射ビーム(K1)からの反射ビーム(K2,K3)を受信し、該反射ビーム(K2,K3)をデータ分析して、前記溶接部(20)が前記母材(11)における板厚方向の内部に溶け込んでいる溶け込み深さを測定するとともに、前記部材(12)と前記母材(11)との境界部での溶け込みの有無を確認することによって前記溶接部(20)の溶接品質の良否を判定するようにしたことを特徴とする溶接部の検査方法。 - フロントカバー本体(11)の鍔部(14)の板厚方向一表面(14a)に複数のセットブロック(12)を溶着させてなるワーク(W)であるフロントカバー(10)に対してその溶接部(20)の溶け込みを検査する方法であって、
前記セットブロック(12)を溶着した一表面(14a)と反対するフロントカバー本体(11)の板厚方向他表面(14c)に超音波からなる入射ビーム(K1)を送信し、該入射ビーム(K1)からの反射ビーム(K2,K3)を受信し、該反射ビーム(K2,K3)をデータ分析して、前記溶接部(20)が前記フロントカバー本体(11)における板厚方向の内部に溶け込んでいる溶け込み深さを測定するとともに、前記セットブロック(12)と前記フロントカバー本体(11)との境界部での溶け込みの有無を確認することによって、前記溶接部(20)の溶接品質の良否を判定することを特徴とする溶接部の検査方法。 - 請求項1又は2に記載の溶接部の検査方法において、
前記入射ビーム(K1)を、前記他表面(14c)と垂直する方向に送信したことを特徴とする溶接部の検査方法。 - 請求項1乃至3のいずれか1に記載の溶接部の検査方法において、
前記溶接部(20)の溶け込み深さは、前記反射ビーム(K2,K3)からエコー抽出された反射エコーを画像処理して得た断面分布図(Bスコープ)、及び、前記反射ビーム(K3)からエコー抽出され前記両表面(14a,14c)間の距離を反映する反射エコーに基づいて測定するようにしたことを特徴とする溶接部の検査方法。 - 請求項1乃至4のいずれか1に記載の溶接部の検査方法において、
前記溶接部(20)の溶接品質の良否は、前記反射ビーム(K2,K3)からエコー抽出された反射エコーを画像処理して得た平面分布図(Cスコープ)に基づいて溶接部(20)の脚長最小部(N)を検出し、該溶接部(20)の脚長最小部(N)での溶け込み深さを予め定めた規定値と比較した結果にて判定するようにしたことを特徴とする溶接部の検査方法。 - エコー抽出手段、溶け込み算出手段及び溶接部良否判定手段を有する超音波探傷コントローラ(33)と、
ワーク(W,10)を載置するためのワーク載置台(36)と、
前記超音波探傷コントローラ(33)の指令を受けて超音波のビーム(K1,K2,K3)を送受信するための探触子(38)と、
前記探触子(38)を走査移動するための走査装置(39)と
を備え、
前記ワーク(W,10)を、該ワーク(W,10)の母材(11)に部材(12)を溶着した一表面(14a)と反対する母材(11)の他表面(14c)が前記探触子(38)と対向するように、ワーク載置台(36)に載置し、前記探触子(38)により前記他表面(14c)に向かって超音波の入射ビーム(K1)を送信するとともに、前記入射ビーム(K1)からの反射ビーム(K2,K3)を受信し、前記超音波探傷コントローラ(33)により前記反射ビーム(K2,K3)をデータ分析して、前記溶接部(20)が前記母材(11)における板厚方向の内部に溶け込んでいる溶け込み深さを測定するとともに、前記部材(12)と前記母材(11)との境界部での溶け込みの有無を確認することによって前記溶接部(20)の溶接品質の良否を判定するようにしたことを特徴とする超音波探傷装置。
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