JP3745119B2 - パワーステアリング装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、電動モータにより駆動されるポンプの発生油圧によりステアリング機構に操舵補助力を与えるパワーステアリング装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来から、ステアリング機構に結合されたパワーシリンダにオイルポンプからの作動油を供給することによって、ステアリングホイールの操作を補助するパワーステアリング装置が用いられている。オイルポンプは、電動モータによって駆動され、その回転数に応じた操舵補助力がパワーシリンダから発生される。ステアリングが切り込まれていない状態では操舵補助力を要しないから、ステアリングが舵角中点近傍にある直進操舵状態においては、電動モータを停止させ、一定値以上の舵角変化が検出されたことに応答して電動モータを起動するようにして、いわゆるストップ・アンド・ゴー制御が行われている。
【0003】
また、車速が大きいほど操舵補助の必要性が少なくなることから、高速走行時には大きな舵角変化が検出されたことに応答してモータを起動し、低速走行時および停止時にはわずかな舵角変化に応答してモータを起動するように、いわゆる車速感応制御が行われる場合もある。これにより、とくに、低速走行時におけるキャッチアップ(引っかかり感)が低減される。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
上記の構成では、車速情報を用いることによって車両の停止状態を識別できるから、とくに良好な応答性が必要とされる据え切りの際には、電動モータを速やかに起動させることができる。しかし、車速情報を用いているため、たとえば、車輪速センサからの信号の取り込みや、その信号の処理のための回路が必要であり、構成が複雑になるという難点がある。
【0005】
また、たとえば、危険を回避するために急ブレーキをかけた場合には、操舵輪である前輪の車軸に大きな荷重がかかるから、高速走行時であっても操舵補助が必要である。ところが、急ブレーキをかけたときに、もしも車両が比較的高速に走行していると、上述の車速感応制御のために、電動モータの起動が遅れ、操舵補助の応答が遅れる場合がある。これにより、十分な操舵補助力が得られず、緊急回避のための急操舵に支障を来すおそれがある。
【0006】
そこで、この発明の目的は、操舵補助の応答性を向上したパワーステアリング装置を提供することである。
【0007】
この発明の具体的な目的は、ブレーキ操作情報を利用することによって、良好な応答性で操舵補助を行うことができるパワーステアリング装置を提供することである。
【0008】
また、この発明の他の具体的な目的は、アンチロックブレーキシステムからの信号を利用することによって、制動時における操舵補助の良好な応答性を実現したパワーステアリング装置を提供することである。
【0009】
この発明のさらに他の具体的な目的は、路面状態が悪い場合に速やかに操舵補助力を発生させることができるパワーステアリング装置を提供することである。
【0010】
【課題を解決するための手段および発明の効果】
上記の目的を達成するための請求項1記載の発明は、ブレーキを有する車両に搭載されて用いられ、電動モータにより駆動されるポンプの発生油圧によって操舵補助力を発生させるパワーステアリング装置であって、車両のブレーキの操作の有無を検出するブレーキ操作検出手段(12)と、このブレーキ操作検出手段がブレーキの操作を検出しない場合に、第1の起動条件(起動条件1)を選択し、上記ブレーキ操作検出手段がブレーキの操作を検出した場合に、上記第1の起動条件よりも起動感度が高くなるように設定された第2の起動条件(起動条件2)を選択する起動条件選択手段(S2,S3,S4)と、この起動条件選択手段によって選択された起動条件が満たされたことに応答して電動モータを起動するモータ起動制御手段(S5,S6)とを含むことを特徴とするパワーステアリング装置である。
【0011】
なお、括弧内は、後述の実施形態における対応構成要素等を表す。以下、この項において同じである。
【0012】
上記の構成によれば、ブレーキが操作された場合には、起動感度が高い起動条件が選択されるので、ブレーキ操作時には、速やかに電動モータを起動させることができる。これにより、急制動時や据え切り時には、良好な応答性で操舵補助力を発生させることができる。
【0013】
なお、請求項1の発明においては、車速情報を用いないことが好ましい。これにより、車速の検出に関連する構成を省くことができるので、全体の構成を簡素化することができる。しかも、車速情報がなくとも、据え切り時には、電動モータを良好な応答性で起動させることができるので、操舵フィーリングが悪化することもない。
【0014】
請求項2記載の発明は、アンチロックブレーキシステム(100)を有する車両に搭載されて用いられ、電動モータにより駆動されるポンプの発生油圧によって操舵補助力を発生させるパワーステアリング装置であって、アンチロックブレーキシステムが作動中か否かを検出するABS作動検出手段(30,S15)と、このABS作動検出手段によって、アンチロックブレーキシステムが作動中であることが検出されたことに応答して上記電動モータを起動するモータ起動制御手段(S15,S16)とを含むことを特徴とするパワーステアリング装置である。
【0015】
この構成によれば、アンチロックブレーキシステムが作動すると、電動モータが起動されるので、急制動時には、速やかに操舵補助力を発生させることができる。これにより、緊急回避のための操舵を良好に行える。
請求項3記載の発明は、電動モータにより駆動されるポンプの発生油圧によって操舵補助力を発生させるパワーステアリング装置であって、車両の鉛直方向の加速度を検出する鉛直加速度検出手段(G)と、この鉛直加速度検出手段により検出された車両の鉛直方向の加速度が予め定めた基準値を超える場合に、上記電動モータを起動するモータ起動制御手段(S25,S23)とを含むことを特徴とするパワーステアリング装置である。
【0016】
なお、上記基準値は、路面からの逆入力を打ち消すためのステアリング操作が必要となる場合の最小の鉛直加速度値に設定されることが好ましい。さらに、上記鉛直加速度検出手段は、路面からの逆入力を反映するように上記加速度を検出するものであることが好ましい。
【0017】
請求項3記載の発明によれば、路面からの逆入力が生じる状況下において、電動モータを起動させることができる。これにより、路面からの逆入力を打ち消すための操舵が容易になり、良好な操舵フィーリングが得られる。
【0018】
なお、請求項2および請求項3の発明は、個々に請求項1の発明と組み合わせられてもよく、また、両方が請求項1の発明と組み合わせられてもよい。また、請求項2の発明と請求項3の発明とが組み合わせられてもよい。
【0019】
【発明の実施の形態】
以下では、本発明の実施の形態を、添付図面を参照して詳細に説明する。
【0020】
図1は、この発明の一実施形態に係るパワーステアリング装置の基本的な構成を示す概念図である。このパワーステアリング装置は、車両のステアリング機構1に関連して設けられ、このステアリング機構1に操舵補助力を与えるためのものである。
【0021】
ステアリング機構1は、ドライバによって操作されるステアリングホイール2と、このステアリングホイール2に連結されたステアリング軸3と、ステアリング軸3の先端部に設けられたピニオンギア4と、このピニオンギア4に噛合するラックギア部5aを有し、車両の左右方向に延びたラック軸5とを有している。ラック軸5の両端にはタイロッド6がそれぞれ結合されており、このタイロッド6は、それぞれ、操舵輪としての前左右輪FL,FRを支持するナックルアーム7に結合されている。ナックルアーム7は、キングピン8まわりに回動自在に設けられている。
【0022】
この構成により、ステアリングホイール2が操作されてステアリング軸3が回転されると、この回転がピニオンギア4およびラック軸5によって車両の左右方向に沿う直線運動に変換される。この直線運動は、ナックルアーム7のキングピン8まわりの回動に変換され、これによって、前左右輪FL,FRの転舵が達成される。
【0023】
ステアリング軸3の途中部には、ステアリングホイール2に加えられた操舵トルクの方向および大きさに応じてねじれを生じるトーションバー9と、このトーションバー9のねじれの方向および大きさに応じて開度が変化する油圧制御弁23とが介装されている。この油圧制御弁23は、ステアリング機構1に操舵補助力を与えるパワーシリンダ20に接続されている。パワーシリンダ20は、ラック軸5に一体的に設けられたピストン21と、このピストン21によって区画された一対のシリンダ室20a,20bとを有しており、シリンダ室20a,20bは、それぞれ、オイル供給/帰還路22a,22bを介して、油圧制御弁23に接続されている。
【0024】
油圧制御弁23は、さらに、リザーバタンク25およびオイルポンプ26を通るオイル循環路24の途中部に介装されている。オイルポンプ26は、モータ27によって駆動され、リザーバタンク25に貯留されている作動油をくみ出して油圧制御弁23に供給する。余剰分の作動油は、油圧制御弁23からオイル循環路24を介してリザーバタンク25に帰還される。
【0025】
油圧制御弁23は、トーションバー9に一方方向のねじれが加わった場合には、オイル供給/帰還路22a,22bのうちの一方を介してパワーシリンダ20のシリンダ室20a,20bのうちの一方に作動油を供給する。また、トーションバー9に他方方向のねじれが加えられた場合には、オイル供給/帰還路22a,22bのうちの他方を介してシリンダ室20a,20bのうちの他方に作動油を供給する。トーションバー9にねじれがほとんど加わっていない場合には、油圧制御弁23は、いわば平衡状態となり、作動油はパワーシリンダ20に供給されることなく、オイル循環路24を循環する。
【0026】
パワーシリンダ20のいずれかのシリンダ室に作動油が供給されると、ピストン21が車幅方向に沿って移動する。これにより、ラック軸5に操舵補助力が作用することになる。
【0027】
操舵補助力の大きさは、オイルポンプ26を作動させる電動モータ27への印加電圧を制御することによって調整される。モータ27は、電子制御ユニット30によって制御されるようになっている。この電子制御ユニット30は、ステアリングホイール2の舵角を検出する舵角センサ11の出力信号と、車両のブレーキの作動状態を検出するブレーキセンサ12(ブレーキ操作検出手段)の出力信号と、トーションバー9に加えられたトルクの方向および大きさを検出するトルクセンサ13の出力信号とに基づいて、モータ27への印加電圧を定める。これによって、舵角および操舵トルクに応じた操舵補助力がステアリング機構1に与えられることになる。
【0028】
ブレーキセンサ12は、ブレーキペダルが踏み込まれた場合に、ブレーキ作動信号を出力する。このブレーキセンサ12は、たとえば、ブレーキペダルの操作に連動して導通状態となるスイッチからの出力信号を用いるものであってもよい。
【0029】
電子制御ユニット30は、CPU31、CPU31のワークエリアなどを提供するRAM32、およびCPU31の動作プログラムなどを記憶したROM33と、これらを相互接続するバス34とを有している。
【0030】
CPU31は、ROM33に記憶された動作プログラムに従って動作し、舵角および操舵トルクに対応した適切な操舵補助力がステアリング機構1に与えられるようにモータ27への印加電圧を制御する。
【0031】
電子制御ユニット30は、次の起動条件1または起動条件2のいずれかに基づいて、モータ27を起動する。
【0032】
起動条件1:舵角変化が第1しきい値(たとえば、9度)以上
起動条件2:舵角変化が第2しきい値(たとえば、3度)以上
ただし、第1しきい値>第2しきい値 である。
【0033】
起動条件1は、舵角変化が比較的大きな第1しきい値(たとえば、9度)に達したときに、モータ27を起動させる条件である。この起動条件1は、車速が10km/h以上の場合に適切な条件である。
【0034】
起動条件2は、舵角変化が比較的小さな第2しきい値(たとえば、3度)に達したときにモータ27を起動させる条件である。この起動条件2は、車速が10km/h未満の場合や急制動時において適切な条件であり、ブレーキが作動された際に適用される。この起動条件2は、わずかな舵角変化でモータ27が起動されるようになっているので、起動条件1よりも起動感度が高い条件であると言える。
【0035】
図2は、電動モータ27の起動に関連する電子制御ユニット30による処理を説明するためのフローチャートである。まず、舵角センサ11からの舵角データが読み込まれる(ステップS1)。そして、ブレーキセンサ12が、ブレーキ作動信号を出力しているかどうかが判断される(ステップS2)。
【0036】
ブレーキセンサ12がブレーキ作動信号を出力していない場合には、起動条件1が選択され(ステップS3)、ブレーキ作動信号が出力されている場合には、起動条件2が選択される(ステップS4)。
【0037】
こうして選択された起動条件が満たされたか否かが判断され(ステップS5)、選択された起動条件が満たされると、モータ27が起動される(ステップS6)。
【0038】
モータ27が起動された後には、一定の条件(たとえば、舵角がステアリングホイール2の遊び角の範囲内である状態が一定時間継続するなどの条件)が満たされれば、モータ27が停止されることになる。そして、モータ27が停止された後には、ステップS1からの処理が行われる。
【0039】
このように、この実施形態によれば、ブレーキが操作された場合には、わずかな舵角変化でモータ27が起動され、ブレーキが操作されていない場合には比較的大きな舵角変化が生じた時点でモータ27が起動される。したがって、急ブレーキ操作が行われた場合には、わずかな舵角変化で速やかにモータ27を起動させることができるので、良好な応答性で操舵補助力が発生される。これにより、緊急回避時の操舵を良好に行える。また、車両を停止させた状態で操舵を行う据え切りの際には、ブレーキペダルが踏み込まれているのが一般的であるから、据え切りの際にも、良好な応答性で操舵補助が行われることになる。これにより、良好な操舵フィーリングが得られる。
【0040】
その一方で、ブレーキペダルが操作されていない状態では、比較的大きな舵角変化を条件にしてモータ27が起動されるから、高速直進走行中などのように操舵補助が不要な場合には、モータ27を停止状態とすることができる。これにより、エネルギー消費量を低減できる。
【0041】
このようにして、車速情報を用いることなく良好な応答性で操舵補助を行うことができ、しかも、省エネルギー性を併せて達成できる。したがって、車速情報の取得等に関連する構成を省くことができるので、構成の簡素化を図ることができる。
【0042】
図3は、この発明の第2の実施形態に係るパワーステアリング装置の電気的構成を示すブロック図である。この図3において、上述の図1に対応する各部には、図1の場合と同一の参照符号を付して示す。
【0043】
この実施形態では、車両の速度を検出する車速センサ110の出力信号が、電子制御ユニット30に入力されている。そして、さらに、アンチロックブレーキシステム(ABS)100から、ライン101を介して、ABS作動信号が電子制御ユニット30に入力されている。アンチロックブレーキシステム100は、とくに急制動時において、各車輪のブレーキ油圧を制御することによって車輪がロック状態となることを防ぎ、これにより、制動距離を最小化するブレーキングを実現する装置である。このような制御をアンチロックブレーキ制御という。ABS作動信号は、アンチロックブレーキシステム100が上述のようなアンチロックブレーキ制御を実行しているときに出力される信号である。
【0044】
図4は、この第2の実施形態における電子制御ユニット30の動作(とくに電動モータ27の起動に関連する制御動作)を説明するためのフローチャートである。まず、舵角センサ11からの舵角データが読み込まれる(ステップS11)。
【0045】
そして、舵角変化が所定の起動しきい値(たとえば、9度)以上かどうかが判断され(ステップS12)、舵角変化が起動しきい値以上であれば、モータ27が起動される(ステップS16)。
【0046】
一方、舵角変化が起動しきい値に達しない場合には、ブレーキセンサ12からブレーキ作動信号が与えられているかどうかが判断される(ステップS13)。ブレーキ作動信号が与えられていない場合には、ステップS11に戻る。
【0047】
ブレーキセンサ12がブレーキ作動信号を出力している場合には、さらに、車速センサ110の出力信号に基づき、車速が所定値(たとえば、10km/h)以下であるか、または、車両が急減速中(たとえば、車両の減速度が一定値(たとえば、2m/s2)以上)であるかの、いずれかの条件が満足されるかどうかが判断される(ステップS14)。そして、いずれかの条件が満足されれば、モータ27が起動される(ステップS16)。こうして、急ブレーキ操作時(急減速時)および据え切り時(車速が小さい場合)には、速やかにモータ27が起動されることになるので、良好な応答性で操舵補助力が発生される。
【0048】
一方、上記ステップS14においていずれの条件も満足されない場合には、ABS作動信号が入力されているかどうかが判断される(ステップS15)。ABS作動信号が入力されていなければ、ステップS1に戻る。また、ABS作動信号が入力されていれば、モータ27を起動する。これにより、アンチロックブレーキ制御が行われているときには、速やかにモータ27が起動されるから、良好な応答性で操舵補助を行える。
【0049】
滑りやすい路面を走行している場合には、急ブレーキ操作を行っても、車速が減少しない場合がある。このような場合には、ステップS14の条件は否定されるけれども、アンチロックブレーキシステム100の作動により、モータ27を速やかに起動できる。
【0050】
なお、この実施形態を変形して、ABS作動信号が出力されているかどうかの判断をステップS14の判断(低速または急減速)の前、または、ステップS13の判断(ブレーキ操作)の前に行うようにしてもよい。
【0051】
図5は、この発明の第3の実施形態に係るパワーステアリング装置の電気的構成を示すブロック図である。この実施形態では、電子制御ユニット30には、鉛直加速度検出部Gの出力信号が入力されている。この鉛直加速度検出部Gは、ベルジャン路(石畳道などのように路面からステアリング機構への逆入力が生じる道路)走行時などに生じる車両への鉛直方向の加速度を検出するためのものである。この鉛直加速度検出部Gは、たとえば、アクティブサスペンションの制御情報や、アンチロックブレーキシステムの制御情報を利用して、計算により車両の鉛直加速度を求めるものであってもよい。
【0052】
図6は、モータ27の起動に関連する電子制御ユニット30の制御動作を説明するためのフローチャートである。まず、舵角センサ11からの舵角データが読み込まれる(ステップS21)。そして、舵角変化が所定の起動しきい値(たとえば、9度)以上かどうかが判断され(ステップS22)、舵角変化が起動しきい値以上であれば、モータ27が起動される(ステップS23)。
【0053】
一方、舵角変化が起動しきい値に達しない場合には、鉛直加速度検出部Gからの鉛直加速度情報が取り込まれる(ステップS24)。そして、この鉛直加速度が、予め定めた基準値(たとえば、20m/s2)を超えているかどうかが判断される。もしも、鉛直加速度が上記基準値を超えている場合には(ステップS25)、路面からの逆入力が大きいものと判断して、モータ27を起動させる(ステップS23)。一方、鉛直加速度が上記基準値以下の場合には(ステップS25)、路面からの逆入力は小さいものと判断して、モータ27の起動は行わない。
【0054】
このようにこの実施形態によれば、路面からの逆入力が大きい状況では、舵角変化が小さい場合であってもモータ27が起動される。これにより、速やかに操舵補助を行うことができる。
【0055】
たとえば、ベルジャン路を走行中において、路面からの逆入力があると、運転者は、その逆入力をうち消すべくステアリングホイールを保持する。この場合、大きな舵角変化は生じないから、舵角変化のみに基づいてモータ27を起動することとしていては、操舵補助力を発生させることができない。そして、路面からの逆入力によってステアリングを取られた状況に至ると、モータ27が起動されて操舵補助力が発生する。このとき、運転者は、ステアリングが突然軽くなった、という印象を受ける。したがって、操舵フィーリングが悪い。
この第3の実施形態においては、鉛直加速度が基準値を上回ると速やかに操舵補助が行われるから、上記の問題がなく、したがって、路面からの逆入力に起因する操舵フィーリングの悪化を防止できる。
【0056】
以上、この発明の3つの実施形態について説明したが、この発明は、上記以外の形態でも実施することができる。たとえば、モータ27を起動する際の条件は、舵角変化以外にも、操舵速度や操舵トルクに基づいて設定することもできる。
【0057】
その他、特許請求の範囲に記載された事項の範囲で種々の設計変更を施すことが可能である。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の第1の実施形態に係るパワーステアリング装置の基本的な構成を示す概念図である。
【図2】第1の実施形態における電動モータの起動に関連する処理を説明するためのフローチャートである。
【図3】この発明の第2の実施形態に係るパワーステアリング装置の電気的構成を示すブロック図である。
【図4】第2の実施形態における電動モータの起動に関連する処理を説明するためのフローチャートである。
【図5】この発明の第3の実施形態に係るパワーステアリング装置の電気的構成を示すブロック図である。
【図6】第3の実施形態における電動モータの起動に関連する処理を説明するためのフローチャートである。
【符号の説明】
1 ステアリング機構
11 舵角センサ
12 ブレーキセンサ
20 パワーシリンダ
26 オイルポンプ
27 電動モータ
30 電子制御ユニット
110 車速センサ
100 アンチロックブレーキシステム
G 鉛直加速度検出部

Claims (3)

  1. ブレーキを有する車両に搭載されて用いられ、電動モータにより駆動されるポンプの発生油圧によって操舵補助力を発生させるパワーステアリング装置であって、
    車両のブレーキの操作の有無を検出するブレーキ操作検出手段と、
    このブレーキ操作検出手段がブレーキの操作を検出しない場合に、第1の起動条件を選択し、上記ブレーキ操作検出手段がブレーキの操作を検出した場合に、上記第1の起動条件よりも起動感度が高くなるように設定された第2の起動条件を選択する起動条件選択手段と、
    この起動条件選択手段によって選択された起動条件が満たされたことに応答して電動モータを起動するモータ起動制御手段とを含むことを特徴とするパワーステアリング装置。
  2. アンチロックブレーキシステムを有する車両に搭載されて用いられ、電動モータにより駆動されるポンプの発生油圧によって操舵補助力を発生させるパワーステアリング装置であって、
    アンチロックブレーキシステムが作動中か否かを検出するABS作動検出手段と、
    このABS作動検出手段によって、アンチロックブレーキシステムが作動中であることが検出されたことに応答して上記電動モータを起動するモータ起動制御手段とを含むことを特徴とするパワーステアリング装置。
  3. 電動モータにより駆動されるポンプの発生油圧によって操舵補助力を発生させるパワーステアリング装置であって、
    車両の鉛直方向の加速度を検出する鉛直加速度検出手段と、
    この鉛直加速度検出手段により検出された車両の鉛直方向の加速度が予め定めた基準値を超える場合に、上記電動モータを起動するモータ起動制御手段とを含むことを特徴とするパワーステアリング装置。
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