JP3745102B2 - 吸着式冷凍機 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、吸脱着切り換え操作により冷媒である水に対し蒸発機能を形成し冷媒蒸気である水蒸気に対し凝縮機能を形成する蒸発・凝縮兼用の二基の接触熱交換器を、二基の固体吸着剤熱交換器とそれぞれ一体構造にして二基の真空容器内に収納させた高成績係数の吸着式冷凍機に関する。
【0002】
【従来の技術】
吸着式冷凍機は固体吸着剤(例えばシリカ系)と冷媒(水)との間の可逆反応に伴う発吸熱現象を利用し、温熱を熱源として冷熱を発生させる冷凍機で、基本サイクルは再生工程と吸着工程とよりなり、該工程を二基の固体吸着剤熱交換器を交互に切り替え作動するようにしたものである。
例えば、図18において、再生工程を固体吸着剤熱交換器50により行い、吸着工程を固体吸着剤熱交換器51で行う場合には、図に見るように、黒マークの切り替えバルブと蒸気弁を閉鎖状態とし、白マークの切り換えバルブと蒸気弁を解放状態にする。即ち、真空容器内の固体吸着剤熱交換器50を再生用温水でバルブ61を介して加熱すると、吸着剤50aが吸着していた水は水蒸気となり蒸気弁56と蒸気配管54(54a、54b)を介して凝縮器52へ放出され、該凝縮器52で凝縮用冷却水で液化される。ここで当該固体吸着剤熱交換器50の吸着剤50aは脱着再生される。
一方、真空容器内の固体吸着剤熱交換器51には吸着用冷却水がバルブ63を介して導入され、吸着剤51aは冷却され吸着可能の状態になる。一方、蒸発器53では噴霧器53aを介して発生した水蒸気は蒸気弁57と蒸気配管55(55a、55b)を介して固体吸着剤熱交換器51へ送られ吸着剤51aに吸着される。この時蒸発器53では、噴霧器53aを介して噴霧状の水は蒸発しながら被冷却流体60から蒸発潜熱を奪う。その結果冷水の製造が可能となる。つまり、固体吸着剤熱交換器51の吸着剤51aは吸着工程に置かれ、蒸発器53の被冷却流体60に冷熱を供給する。
上記吸着式冷凍機は、夫々真空容器に収納された固体吸着剤熱交換器50、51と、再生用温水と吸着用冷却水と、凝縮器52と、蒸発器53と、冷水負荷系と凝縮用冷却水系と、4個の蒸気弁56、57、58、59と、水用切り替え弁61、62、63、64と、蒸気配管54、55と、より構成されている。
【0003】
また、従来一般に使用されている吸着式冷凍機において、例えば駆動熱源には温度60〜80℃の温水を使用し、また、入り口温度が約29℃の凝縮用冷却水を使用して、14℃の冷水より9℃の冷水が得られ、その場合の、成績係数(COP)は約0.66の値が得られている。
なお、吸着式冷凍機の成績係数については、下記研究報告もある。
1、温水入り口温度を高くするほど発生冷熱量の上昇の割合が小さくなり、冷却水入り口温度及び冷水温度条件によって、成績係数はある温水入り口温度で最大値を取る。
2、吸着用冷却水の入り口温度が低いほど発生冷熱量および成績係数は大きくなる。
即ち、上記記載には、再生用温水温度と吸着用冷却水温度についての成績係数の関係が示されてあるが、成績係数の向上についての抜本的提案はされていない状況である。
【0004】
ところで、従来の凝縮器は水冷式、空冷式や発熱式に大別できるが、どのタイプの凝縮器においても、熱は冷媒から管壁を経由して冷却媒体である水または空気へ流れる。
即ち、熱の授受は管壁の熱伝達率により左右されるわけで、近年この問題点を対象とした高性能伝熱管の開発に注力されている傾向にある。
また、前記従来の吸着式冷凍機においては、上記したように、再生工程では吸着剤50aより脱着した水蒸気は固体吸着剤熱交換器50より蒸気配管54を介して凝縮器52へ到達するが、それまでに前記蒸気配管内に生ずる圧力損失により、前記熱交換器50における水蒸気圧が高くなり吸着剤50aからの水蒸気脱着速度及び脱着量が抑制される問題点があり、吸脱着剤量の増大化、配管の大口径化、切り替え操作時の応答性の低下の要因を形成し、
また、吸着工程では、蒸発器53で蒸発した水蒸気が吸着用の固体吸着剤熱交換器51に到達するまでに蒸気配管55で圧力損失を生ずるため、吸着反応器内の水蒸気圧が低くなり、吸着反応器の吸着能力の低下を招く問題を内蔵しており、蒸気バルブの大口径化、配管の大口径化、吸着剤重量の増大化の要因を形成している。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
本発明者等は、上記問題点につき種々研究を重ねた結果、
従来の凝縮器・蒸発器に見られた管壁を仲介とした熱伝達手段に代わる高効率の凝縮器・蒸発器兼用の熱交換器の使用と、固体吸着剤熱交換機と前記凝縮器・蒸発器兼用の熱交換器との間を接続する蒸気配管における圧力損失を皆無とする構成を持つ吸着式冷凍機の提供が最大必要条件事項と考えられ、
切り換え操作により冷媒に対し蒸発機能を形成し冷媒蒸気に対し凝縮機能を形成する蒸発器・凝縮器兼用の高熱伝達率の直接接触型の接触熱交換器を使用し、蒸気配管における圧力損失除去のためには固体吸着剤熱交換器と一体化して真空容器内に収納する構成とした、高成績係数の吸着式冷凍機の提供を目的としたものである。
【0006】
また、吸着工程→熱回収工程→再生工程→熱回収工程の運転サイクルを繰り返すバッチ式吸着式冷凍機においては、吸着・再生工程の切り替え前の準備工程として、凝縮器及び蒸発器内の冷媒の移送交換をすべく熱回収工程を設ける必要があるが、この無駄な工程を削除して短時間且つ熱損失の少ない吸着、再生の切り替えを可能とする吸着式冷凍機の提供が望まれる。
【0007】
【課題を解決するための手段】
そこで、本発明の吸着式冷凍機は、二基の真空容器と、該容器の切り替え接続可能の再生用温水と吸着用冷却水と冷水負荷系と凝縮用冷却水系とよりなる吸着式冷凍機において、上記真空容器内に、固体吸着剤熱交換器と、スプレイ噴霧部とその下方に設けた水槽部とより構成された蒸発・凝縮兼用の接触熱交換器とを一体構造として収納する構成したことを特徴とする。
【0008】
上記構成により、凝縮器及び蒸発器兼用の接触熱交換器を使用する構成にしてあるため、凝縮時の熱伝達率が従来の伝熱管方式の熱交換器より大きい値が得られ、また、蒸発器と凝縮器とを同一構造の画一化を図ることが出来、且つ固体吸着剤熱熱交換器と一体のコンパクト、低サイズ化を図ることができ、
また、上記一体構造により、水蒸気の蒸発空間と吸着剤による吸着空間とを同一連続空間内に設け、水蒸気の着脱空間と凝集空間とを同一連続空間内に設ける構成が可能となり、蒸気配管の省略が可能となる。その結果、
再生工程では、水蒸気の該蒸気配管内の移動にともなう圧力損失を皆無とし、吸着剤からの水蒸気脱着速度及び脱着量の抑制の要因が除去することができ、
また吸着工程では、吸着反応容器内の水蒸気圧が高くなり、水の蒸発温度の上昇、吸着反応器の能力の低下を招く問題を排除できる。
また、熱容量を著しく低減でき、高い成績係数(COP)を得ることができる。
【0010】
上記構成により、水槽部のタンクよりポンプアップされた冷水はスプレイ噴霧部を介してスプレイとタンクとの間を分散飛散し冷却され、真空減圧下のもとに沸騰蒸発し冷水から蒸発潜熱を奪うとともに、蒸発した水蒸気は吸着用冷却水により冷却された吸着剤に吸着され、蒸発器として機能する。
また、吸着剤の温水加熱により脱着した水蒸気はスプレイ噴霧部より分散飛散する水滴に直接高密度に接触し、冷却露点され下部の水槽部のタンクに滴下し、凝縮器として高効率に機能する。
【0011】
なお、請求項2記載の発明により、
請求項1記載のスプレイ噴霧部は、柱状型または円錐状型ないし棚段型に構成することを特徴とする。
【0012】
次に、請求項3に記載してある熱回収工程の削除を可能とする本発明の別の発明である吸着式冷凍機は、
二基の真空容器と、該容器の切り替え接続可能の再生用温水と吸着用冷却水と冷水負荷系と凝縮用冷却水系とよりなる吸着式冷凍機において、
上記真空容器内に、固体吸着剤熱交換器と、スプレイ噴霧部より構成する蒸発・凝縮兼用の接触熱交換器とを一体構造として収納する構成とし、
上記二基の蒸発・凝縮兼用の接触熱交換器にバルブ接続する冷水タンクと凝縮水タンクを含む冷水受給部と凝縮水受給部とを設け、それぞれ冷水負荷系と凝縮用冷却水系に接続させるとともに、冷水タンクと凝縮水タンクとの間に膨張弁を設け凝縮液の冷水タンクへの供給可能に構成したことを特徴とする。
【0013】
上記構成により、吸着時専用の冷水タンク及び再生時専用の凝縮水タンクは二基の真空容器とは別に設けてあるため、吸着工程→再生工程、再生工程→吸着工程の切り換え時には請求項1記載の発明に見るように蒸発器や凝縮器内の冷媒を熱回収のため移送する必要がなく、冷水タンクと凝縮水タンクのそれぞれに接続する前記二基の真空容器内の接触熱交換器のスプレイ噴霧部とをバルブにより切り替えれば良い。
そのため、吸着槽の吸着・再生の切り替え前に必要とする熱回収工程の削除ができ高速切り替えが可能となり、熱損失のない効率的バッチ運転ができる。
また、冷水タンク、凝縮水タンクを独立して設け、両者の間に膨張弁が設けてあるため、負荷の変動に対しても冷水温度変動を最小に押さえることができる。
【0015】
なお、請求項4記載の発明により、前記スプレイ噴霧部は、柱状型または三角形板状、円錐状型ないし棚段型に構成される。
【0016】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施例の形態を、図示例と共に説明する。ただし、この実施例に記載されている構成部品の寸法、形状、その相対的位置等は特に特定的な記載がないかぎりは、この発明の範囲をそれに限定する趣旨ではなく、単なる説明例にすぎない。
図1は本発明の吸着式冷凍機の概略の構成を示す図で、図2は図1の真空容器内に収納された接触熱交換器と真空容器外に設けた冷水負荷及び冷水ポンプと冷却塔及び冷却水ポンプとの切り換え操作による蒸発・凝縮機能の何れかに機能する状況を示す図で、(A)は蒸発機能を形成する場合を示し(B)は凝縮機能を形成する場合を示す図である。図形成する場合を示す図である。図3は図1の接触熱交換器のスプレイ噴霧部の構成を示す図で、(a)は柱状スプレイ型を示し、(b)は円錐状スプレイ型を示し、(c)は棚段状スプレイ型を示し、(d)は三角形板状スプレイを示す図である。
【0017】
本発明の吸着式冷凍機は、図1に示すように、二基の真空容器16a、16bと、再生用温水源18と、吸着用冷却水源17と、冷水負荷23と、冷却塔24と、内部切り替え弁13、14(V9〜V12)と、複数の外部切り替え弁(V1〜V8、V13〜V16)とを含む構成とする。
即ち、本発明においては、それぞれ一対の同一構造の真空容器16a、16bと、同一構造の固体吸着剤熱交換器(以下吸着反応器という)15a、15bと、同一構造の接触熱交換器10a、10bとを備え、真空容器16aは、吸着反応器15aと接触熱交換器10aとを一体構造にして内蔵し、真空容器16bは、吸着反応器15bと接触熱交換器10bとを一体構造にして内蔵する。
接触熱交換機10aは、スプレイ噴霧部20aと、外部に設けたポンプP2とタンク21aとよりなる水槽部22aと、より構成する。また、接触熱交換器10bは、スプレイ噴霧部20bと、外部に設けたポンプP3とタンク21bとよりなる水槽部22bと、より構成する。
【0018】
前記吸着反応器15a、15bは、外部切り替え弁の操作により吸着用冷却水源17ないし再生用温水源18と切り替え接続をなし、吸着ないし再生可能の構成にしてある。
また、接触熱交換器10a、10bは、冷水負荷23と冷却塔24とを内部切り替え弁13、14による切り替え操作により、前記吸着反応器15a、15bの吸着/再生に対応して蒸発/凝縮の機能切り替えを可能にしてある。
即ち、吸着反応器15aを吸着反応をさせ、吸着反応器15bに再生反応をさせるときは、前記接触熱交換器10aを冷水負荷23に接続させ、接触熱交換器10bを冷却塔24に接続させ、それぞれ蒸発器、凝縮器として機能させるようにしてある。
なお、上記冷水負荷23とポンプP2/P3とで冷水負荷系を形成し、冷却塔24とポンプP2/P3とで凝縮用冷却水系を形成してある。
【0019】
上記接触熱交換器10a、10bが蒸発器として機能する場合と凝縮器として機能するそれぞれの場合を図2(A)、(B)に示してある。
同図(A)に見るように、蒸発器として機能する場合は、例えば、真空容器16a内に吸着反応器15aと一体構造にして収納してある当該接触熱交換器10aの上部にはスプレイ噴霧部20aを設け、下部には真空容器16a外に掛け設けた水槽部22aを設け、前記スプレイ噴霧部と水槽部22aとで冷水負荷23の両端を結ぶようにしたもので、水槽部22aに備えたポンプP2を作動させタンク21aの冷水を冷水負荷23へ送り込み、冷熱を外部負荷に供給した後冷水23aをスプレイ噴霧部20aより接触熱交換器10aの下部のタンク21aへ分散滴下還流するようにしてある。
即ち、吸着サイクル時には、前記吸着反応器15aに吸着用冷却水源より冷却水を導入して内蔵する吸着剤を冷却するとともに、吸着熱は図示してない冷却塔に捨てる。
一方、接触熱交換器10aを形成するスプレイ噴霧部(この場合は棚段状スプレ型)20aは、冷水を先端のノズルにより真空容器16a内で霧状に分散散布させる。散布冷水の各部位は散布により冷却され、且つ真空減圧下のもとに沸騰蒸発し水蒸気11aを発生し、冷水より潜熱を奪う。
上記潜熱により冷却された冷水は冷水ポンプP2を介してタンク21aより冷水負荷23へ送られ冷熱を外部負荷へ供給する。前記気化蒸発した水蒸気11aは、吸着用冷却水により冷却された吸着反応器15aの吸着剤に容易に吸着される。
【0020】
図2(B)に見るように、凝縮器として機能する場合は、例えば、真空容器16b内に吸着反応器15bと一体構造にして収納してある当該接触熱交換器10bの上部にはスプレイ噴霧部20bを設け、下部には真空容器16b外に掛け水槽部22bを設け、前記スプレイ噴霧部20bと水槽部22bとを冷却塔24の両端を結び、水槽部22bに備えたポンプP3を作動させタンク21bの冷却水を冷却塔24へ送り込み、冷却熱を外部へ排出する。排出し冷やされた冷却水24aはスプレイ噴霧部20bより下部のタンク21bへ分散滴下還流するようにしてある。
即ち、再生サイクル時には、前記吸着反応器15bに再生用温水源より温水を導入して内蔵する吸着剤を加熱して吸着している水を水蒸気11bとして放出させる。
一方、接触熱交換器10bを形成するスプレイ噴霧部(この場合は棚段状スプレ型)20bは、冷却水を先端のノズルにより真空容器内16b内で霧状に分散散布させる。散布冷却水の各部位は前記水蒸気11bに高密度に直接接触して凝縮させる。
前記凝縮に伴う凝縮熱はポンプP3を介して冷却塔24より排出する。
【0021】
上記構成のように、図2(A)の蒸発器として機能する場合における接触熱交換器10aは、図2(B)の凝縮器として機能する場合における接触熱交換器10bと同一構造を持つスプレイ噴霧部20a、20bと水槽部22a、22bで構成してあるため、蒸発器と凝縮器は兼用出来なかった従来方式に対し、兼用することが出来、システム全体コンパクト化が図れる。
また、従来の伝熱管による伝熱機構に対し、スプレイ噴霧部と水槽部による直接接触の伝熱機構を使用して、構造的にも複雑で煩雑な管理を必要とした伝熱管を省略できるようにしてあり、後記するように熱容量を大幅に削減でき、接触熱交換器を使用した本発明の冷凍機の場合その成績係数(COP)も飛躍的に向上させることができる。
また、吸着反応器と一体構造に真空容器内に組み込むことができ、その間の往復用蒸気バルブ及び蒸気配管を省略でき、従来必要としたこの間の配管を皆無とするばかりでなく、前記配管による蒸気圧降下を排除できる。即ち、再生工程での、水蒸気の該蒸気配管内の移動にともなう圧力損失、及び吸着剤からの水蒸気脱着速度及び脱着量の抑制要因を除去することができ、また、吸着工程での、蒸発器内の水蒸気圧の上昇にともなう、水の蒸発温度の上昇、熱交換器能力の低下を招く問題を排除できる。
【0022】
なお、上記接触熱交換器10a、10bのスプレイ噴霧部20a、20bは、図3(a)に示す柱状スプレイ型の噴霧25aにより形成しても良く、また同図(b)に示すように薄肉円錐状スプレイ型の噴霧25bにより形成しても良く、また同図(c)に示すように棚段状スプレイ型の噴霧25cにより形成しても良く、また同図(d)に示すように三角形板状スプレイ型の噴霧25dにより形成しても良く、上記噴霧形状は、伝熱媒体と被伝熱媒体との間の効率的接触の機会を多量に作り出す構成にしてある。
【0023】
前記図1に示す本発明の吸着式冷凍機は、吸着反応器15a、15bを表1に記載の組合せのもとに4通り(#1〜#4)の運転サイクルを繰り返すバッチ式吸着式冷凍機である。
【0024】
【表1】
【0025】
以下に上記各運転サイクルに付き図面により説明する。
【0026】
図4に示す#1の運転サイクルにおいては、下記構成により形成される。
即ち、吸着反応器15aを吸着用冷却水で冷却し、吸着工程に入る。また、冷水23aをスプレイ噴霧部20aに供給し先端のノズルを介して真空容器16a内の接触熱交換器10aの棚段に噴霧状散布する。
その結果、分散散布された冷水の各部位は真空雰囲気下で冷やされ且つ沸騰蒸発し、水蒸気11aを発生する。発生した水蒸気11aは前記吸着用冷却水により冷却されている吸着剤に容易に吸着される。
一方、冷水23a自身は潜熱に冷却されタンク21aに滴下した冷水は、ポンプP2により冷水負荷23へ送り込まれ、外部負荷に冷熱を与え、再びスプレイ噴霧部20aに還流する。
一方、吸着反応器15bは再生用温水で加熱され、吸着剤に吸着されている水が脱着し水蒸気11bを発生し再生工程に入る。また、凝縮器として機能する接触熱交換器10bのスプレイ噴霧部20bの棚段には先端ノズルを介して冷却水24aが分散散布される。その結果、脱着した水蒸気11bは分散散布した冷却水に直接接触し高密度に凝縮され、凝縮加熱状態でタンク21bに滴下した冷却水はポンプP3を介して冷却塔24に送られ凝縮熱は外部へ排出冷却されるようにしてある。
【0027】
図5に示す#2の運転サイクルにおいては、下記構成により形成される。
即ち、図4に対し、内部切り替え弁13と外部切り替え弁を作動させ、前記再生工程にあった吸着反応器15bの温水を、吸着工程にあった吸着反応器15a内の冷却水とを熱回収用ポンプP1を介して置き換え、熱回収を可能にし、
また、再生工程にあった接触熱交換器10bと冷却塔24を含む凝縮器として機能するシステムの冷却水を、吸着工程にあった接触熱交換器10aと冷水負荷23を含む蒸発器として機能するシステムの冷水をポンプP2、P3により置き換えるようにして、熱回収を可能にしてある。
【0028】
図6に示す#3の運転サイクルにおいては、下記構成により形成される。
この場合は#1の運転サイクルとは逆の場合で、吸着反応器15aが再生工程に置かれ、吸着反応器15bが吸着工程に置かれた場合である。
この場合、図5に対し、内部切り替え弁14と外部切り替え弁を作動させ、接触熱交換器10aと冷却塔24を含むシステムは凝縮器として機能させ、接触熱交換器10bと冷水負荷23とを含むシステムは蒸発器として機能させるようにしたものでる。
【0029】
図7に示す#4の運転サイクルは、前記運転サイクル#2と同じ熱回収サイクルで、前記運転サイクル#2とともにサイクル切り換え時の熱損失を最小限に押さえるようにしてある。
【0030】
図8には、本発明の別の発明である熱回収工程の削除を可能とした吸着式冷凍機の概略の構成を示してある。
上記吸着式冷凍機は、図8に示すように、二基の真空容器16a、16bと、冷水受給部30と、凝縮水受給部31、再生用温水源18と、吸着用冷却水源17と、冷水負荷23と、冷却塔24と、内部切り替え弁13(V11〜V12)と、複数の外部切り替え弁(V1〜V2、V5〜V8、V15〜V16))とを含む構成とする。
【0031】
即ち、本発明においては、それぞれ一対の同一構造の真空容器16a、16bと、同一構造の固体吸着剤熱交換器(以下吸着反応器という)15a、15bと、同一構造のスプレイ噴霧部20a、20bにより形成される接触熱交換器10a、10bとを備え、
真空容器16aは、吸着反応器15aと接触熱交換器10aとを一体構造にして内蔵し、真空容器16bは、吸着反応器15bと接触熱交換器10bとを一体構造にして内蔵する。
而して、冷水タンク30aとポンプP4とよりなる冷水受給部30と、ポンプP5と膨張バルブv5と凝縮水タンク31aとよりなる凝縮水受給部31とを前記接触熱交換器10a、10bより切り離して真空容器16a、16bの器外に設け、それぞれ冷水負荷23と冷却塔24に接続してある。
冷水タンク30aはバルブv1を介して接触熱交換器10aに接続し、バルブv4を介して接触熱交換器10bに接続する構成とする。凝縮水タンク31aはバルブv3を介して接触熱交換器10aに接続し、バルブv2を介して接触熱交換器10bに接続する構成としてある。
なお、上記膨張バルブv5は凝縮水タンク31aより凝縮液を適宜冷水タンクへ供給し冷水を適温自動制御可能にしてある。
【0032】
前記吸着反応器15a、15bは、外部切り替え弁(V1〜V2、V5〜V8、V15〜V16)の操作により吸着用冷却水源17ないし再生用温水源18と切り替え接続をなし、吸着ないし再生可能の構成にしてある。
また、冷水受給部30のポンプP4は冷水負荷23と接続し、凝縮水受給部31のポンプP5は冷却塔24と接続し、それぞれ内部切り替え弁13(V11〜V12)による切り替え操作により、接触熱交換器10a、10bのスプレイ噴霧部20a、20bに接続され、前記吸着反応器15a、15bの吸着/再生に対応して蒸発/凝縮の機能切り替えを可能にしてある。
即ち、吸着反応器15aを吸着反応をさせ、吸着反応器15bに再生反応をさせるときは、前記接触熱交換器10aをバルブv1及び冷水受給部30を介して冷水負荷23に接続させ、接触熱交換器10bをバルブv2及び凝縮水受給部31を介して冷却塔24に接続させ、それぞれ内部切り替え弁13を経由してスプレイ噴霧部20a、20bに還流させ蒸発器、凝縮器として機能させるようにしてある。
【0033】
上記接触熱交換器10a、10bが蒸発器として機能する場合と凝縮器として機能するそれぞれの場合を図9(A)、(B)に示してある。
同図(A)に見るように、蒸発器として機能する場合は、例えば、真空容器16a内に吸着反応器15aと一体構造にして収納してある当該接触熱交換器10aの上部にはスプレイ噴霧部20aを設け、下部(真空容器に下部に相当)にはバルブv1を介して冷水受給部30を設け、前記スプレイ噴霧部20aと冷水受給部30のポンプP4とで冷水負荷23の両端を接続するようにしたものである。 そのため、ポンプP4を作動させ冷水タンク30aの冷水を冷水負荷23へ送り込み、冷熱を外部負荷に供給した後冷水23aをスプレイ噴霧部20aより接触熱交換器10aの下部へ分散滴下還流するようにしてある。
【0034】
即ち、吸着サイクル時には、前記吸着反応器15aに吸着用冷却水源より冷却水を導入して内蔵する吸着剤を冷却するとともに、吸着熱は図示してない冷却塔に捨てる。
一方、接触熱交換器10aを形成するスプレイ噴霧部(この場合は棚段状スプレ型)20aは、冷水を先端のノズルにより真空容器16a内で霧状に分散散布させる。散布冷水の各部位は散布により冷却され、且つ真空減圧下のもとに沸騰蒸発し水蒸気11aを発生し、冷水より潜熱を奪う。
上記潜熱により冷却された冷水はポンプP4を介して冷水タンク30aより冷水負荷23へ送られ冷熱を外部負荷へ供給する。前記気化蒸発した水蒸気11aは、吸着用冷却水により冷却された吸着反応器15aの吸着剤に容易に吸着される。
【0035】
図9(B)に見るように、凝縮器として機能する場合は、例えば、真空容器16b内に吸着反応器15bと一体構造にして収納してある当該接触熱交換器10bの上部にはスプレイ噴霧部20bを設け、下部(真空容器の下部に相当)にはバルブv2を介して凝縮水受給部31を設け、前記スプレイ噴霧部20bと凝縮水受給部31とで冷却塔24の両端を結び、凝縮水受給部31のポンプP5を作動させ凝縮水タンク31aの凝縮水を冷却塔24へ送り込み、凝縮熱を外部へ排出する。冷やされた凝縮水は24aはスプレイ噴霧部20bより冷却水として接触熱交換器10bの下部のへ分散滴下還流するようにしてある。
即ち、再生サイクル時には、前記吸着反応器15bに再生用温水源18より温水を導入して内蔵する吸着剤を加熱して吸着している水を水蒸気11bとして放出させる。
一方、接触熱交換器10bを形成するスプレイ噴霧部(この場合は棚段状スプレ型)20bは、冷却水を先端のノズルにより真空容器内16b内で霧状に分散散布させる。散布冷却水の各部位は前記水蒸気11bに高密度に直接接触して凝縮させる。
前記凝縮に伴う凝縮熱はポンプP5を介して冷却塔24より排出される。
【0036】
上記構成のように、図9(A)の蒸発器として機能する場合における接触熱交換器10aは、図9(B)の凝縮器として機能する場合における接触熱交換器10bと同一構造を持つスプレイ噴霧部20a、20bにより形成されているため、蒸発器と凝縮器は兼用出来なかった従来方式に対し、兼用することが出来、システム全体コンパクト化が図れる。
また、従来の伝熱管による伝熱機構に対し、スプレイ噴霧部による直接接触の伝熱機構を使用して、構造的にも複雑で煩雑な管理を必要とした伝熱管を省略できるようにしてあり、後記するように熱容量を大幅に削減でき、接触熱交換器を使用した本発明の冷凍機の場合その成績係数(COP)も飛躍的に向上させることができる。
また、吸着反応器と一体構造に真空容器内に組み込むことができ、その間の往復用蒸気バルブ及び蒸気配管を省略でき、従来必要としたこの間の配管を皆無とするばかりでなく、前記配管による蒸気圧降下を排除できる。即ち、再生工程での、水蒸気の該蒸気配管内の移動にともなう圧力損失、及び吸着剤からの水蒸気脱着速度及び脱着量の抑制要因をが除去することができ、また、吸着工程での、蒸発器内の水蒸気圧の上昇にともなう、水の蒸発温度の上昇、熱交換器能力の低下を招く問題を排除できる。
【0037】
なお、上記接触熱交換器10a、10bを形成するスプレイ噴霧部20a、20bは、図3(a)に示す柱状スプレイ型の噴霧25aにより形成しても良く、また同図(b)に示すように薄肉円錐状スプレイ型の噴霧25bにより形成しても良く、また同図(c)に示すように棚段状スプレイ型の噴霧25cにより形成しても良く、また同図(d)に示すように三角形板状スプレイ型の噴霧25dにより形成しても良く、上記噴霧形状は、伝熱媒体と被伝熱媒体との間の効率的接触の機会を多量に作り出す構成にしてある。
【0038】
上記図8に示す本発明の別の発明である吸着式冷凍機は、吸着反応器15a、15bを表1に記載の4通り組合せのうち、#2、#4の熱回収工程を削除した#1、#3の運転サイクルを繰り返すバッチ式吸着式冷凍機である。
以下に上記#1、#3の各運転サイクルに付き図面により説明する。
【0039】
図10に示す#1の運転サイクルにおいては、下記構成により形成される。
即ち、吸着反応器15aを吸着用冷却水17で冷却し、吸着工程に入る。また、冷水23aをポンプP4によりスプレイ噴霧部20aに供給し先端のノズルを介して真空容器16a内の接触熱交換器10aの棚段に噴霧状散布する。
その結果、分散散布された冷水の各部位は真空雰囲気下で冷やされ且つ沸騰蒸発し、水蒸気11aを発生する。発生したした水蒸気11aは前記吸着用冷却水により冷却されている吸着剤に容易に吸着される。
一方、冷水23a自身は潜熱に冷却され接触熱交換器10aの下部に滴下した冷水はバルブv1を介して冷水タンク30aに貯留される。貯留された冷水は、ポンプP4により冷水負荷23へ送り込まれ、外部負荷に冷熱を与え、再びスプレイ噴霧部20aに還流する。
一方、吸着反応器15bは再生用温水18で加熱され、吸着剤に吸着されている水が脱着し水蒸気11bを発生し再生工程に入る。また、凝縮器として機能する接触熱交換器10bを形成するスプレイ噴霧部20bの棚段には先端ノズルを介して冷却水24aが分散散布される。その結果、脱着した水蒸気11bは分散散布した冷却水に直接接触し高密度に凝縮され、凝縮加熱状態でバルブv2を介して凝縮水タンク31aに滴下した凝縮水はポンプP5を介して冷却塔24に送られ凝縮熱は外部へ排出冷却されるようにしてある。
【0040】
ついで、#1工程より#3の工程に移行するわけであるが、この場合は図8に示すバルブの下記操作により行う。
a、外部切り替えバルブV1、V2、及びV15、V16の操作により吸着用冷却水及び再生用温水の吸着反応器15a、15bへの通水を停止させ、冷凍出力を零状態にする。
b、内部切り替えバルブ13(V11、V12)の操作により冷水負荷23の末端を接触熱交換器10bに接続し、冷却塔24の末端を接触熱交換器10aに接続する。
c、バルブv1 、バルブv2 を閉鎖し、バルブv3 、バルブv4 を開放して、接触熱交換器10aを凝縮水タンク31aに接続し接触熱交換器10bを冷水タンク30aに接続する。
d、外部切り替えバルブV1〜V2、V5〜V8、V15〜V16を操作して、吸着用冷水17の吸着反応器15bへの供給路を形成させ、また再生用温水18の吸着反応器15aへの供給路を形成させる。
【0041】
上記のようにバルブ(v1 、v2 )と(v3 、v4 )の切り替え、及び内部切り替えバルブ13(V11、V12)の切り替えのみで短時間ですみ、且つ熱損失はない。
また、冷水タンク及び凝縮水タンクを備える構成にしているため、切り替え時(冷凍出力は零)冷水温度の変動を緩和できる。
【0042】
図11に示す#3の運転サイクルにおいては、下記構成により形成される。
この場合は#1の運転サイクルとは逆の場合で、前記した切り替えバルブ操作により吸着反応器15aが再生工程に置かれ、吸着反応器15bが吸着工程に置かれた場合で、接触熱交換器10aはバルブv3を介して凝縮水タンク31aに接続され、接触熱交換器10bはバルブv4を介して冷水タンク30aに接続される。また、内部切り換えバルブ13により冷水負荷23の末端は接触熱交換器10bのスプレイ噴霧部20bに接続され蒸発器として機能させ、冷却塔24の末端は接触熱交換器10aのスプレイ噴霧部20aに接続され凝縮器として機能させるようにしてある。
【0043】
本発明の接触熱交換器の凝縮/蒸発の熱伝達率については、文献検索の結果、大気圧以下での直接接触凝縮に関するSklover 他の提案した実験式として数式1を示す。
【0044】
【数1】
【0045】
大気圧以下での直接接触蒸発に関するMills 他の提案した実験式として数式2を示す。
【0046】
【数2】
【0047】
【表2】
【0048】
数式1、数式2を用いて、表2に示す実験条件及び物性値に基づき、
且つ、凝縮、蒸発ともにノズル直径は0.002mとし、ノズルからの距離lは実験装置から0.241mとし、流速u0は実験装置での最大流量QMaxが7(l/min)であることから37.136(m/s)として予測を行った。
予測結果は下記の値が得られた。
凝縮の場合 h=3.621×105 [ Kcal/m2・h・℃ ]
蒸発の場合 h=6.539×104 [ Kcal/m2・h・℃ ]
なお、ノズル距離を0.01から0.3mまで変えその他の条件は同じとした場合の熱伝達率の予測図を図13に、また流量Qを1〜8(l/min )まで変えその他の条件を同じとしたときの熱伝達率の予測図を図16に示してある。
【0049】
また、図1に示す吸着式冷凍機の吸着サイクルにおける蒸発熱伝達率の実測値が図14に示され、図15には同じく再生サイクルにおける凝縮熱伝達率の実測値が示してあるが、図に示された最大値は、
凝縮の場合;0.6×105 Kcal/m2・h・℃
蒸発の場合;1.4×104 Kcal/m2・h・℃
となり、上記予測値に比較し約1/6〜1/4.5であるが、
従来のシェルアンドチューブ型などの熱交換器に比較し飛躍的に大きな値を示し、このような高熱伝達率を持つ接触熱交換器を使用した吸着式冷凍機の成績係数も飛躍的に増大することが期待される。
また、図16、図17には、図1に示す吸着式冷凍機の冷水と凝縮用冷却水の入り口及び出口温度のサイクルタイムに対する変化の状況を示してある。
図16には、吸着サイクルにおける冷水入り口温度及び出口温度、蒸気温度、吸着槽温度の変化の状況が示され、図17には、再生サイクルにおける凝縮用冷却水の入り口温度及び出口温度、蒸気温度、吸着槽温度の変化の状況を示してある。
【0050】
【発明の効果】
上記構成により、下記効果を奏する。
1、本発明の吸着式冷凍機に使用した接触熱交換器は、冷媒と被冷却媒体との間に介在した従来の伝熱管の代わりに直接接触して伝熱できる構成としたため、凝縮時、蒸発時の熱伝達率を大きい値に設定でき、熱交換器のサイズをコンパクトに設定できる。
2、凝縮器及び蒸発器として伝熱管を持たない接触熱交換器を吸着式冷凍機の凝縮器と蒸発器の代わりに使用する構成としたため、熱交換器の熱容量を著しく低減でき、吸着式冷凍機の成績係数も高く設定できる。
3、吸着式冷凍機において、従来の吸着反応器を内蔵する真空容器の外側に設けた凝縮器や蒸発器の代わりに構造の簡単な接触熱交換器を一体構造に設けたため、前記吸着反応器と凝縮器や蒸発器とを結ぶ蒸気バルブ及び蒸気配管をなくすとともに、吸着、脱着速度の向上と吸着剤量の低減、及び熱交換器能力の向上を図ることが出来、コンパクトな構造にすることができる。
4、本発明の別の発明の吸収式冷凍機においては、冷水タンクを含む冷水受給部と凝縮水タンクを含む凝縮水受給部を真空容器外に独立して設ける構成としたため、吸着・再生工程の切り替え前の熱回収工程を削除することができ、切り替え時間の節約及び熱損失を皆無とすることができる。
また、切り換え時の冷水温度変動を緩和することができる。
5、上記のようにして、冷凍機の性能向上、装置のコンパクト化、コストの低減を図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の吸着式冷凍機の概略の構成を示す図である。
【図2】図1の真空容器内に収納された蒸発、凝縮兼用の接触熱交換器が蒸発器あるいは凝縮器として機能する場合の付帯器具の配設状況を示す図で、(A)は蒸発機能を形成する場合を示し(B)は凝縮機能を形成する場合を示す図である。
【図3】図1の接触熱交換器のスプレイ噴霧部の構成を示す図で、(a)は柱状スプレイ型を示し、(b)は円錐状スプレイ型を示し、(c)は棚段状スプレイ型を示し、(d)は三角形板状スプレイ型を示す図である。
【図4】図1の吸着式冷凍機の#1〜#4にわたる運転サイクルにつき、#1(2基の吸着反応器が吸着工程、再生工程に基づき運転)の運転サイクルの場合のシステム図である。
【図5】図1の吸着式冷凍機の#1〜#4にわたる運転サイクルにつき、#2(2基の吸着反応器とも熱回収工程に基づき運転)の運転サイクルの場合のシステム図である。
【図6】図1の吸着式冷凍機の#1〜#4にわたる運転サイクルにつき、#3(2基の吸着反応器が再生工程、吸着工程に基づき運転)の運転サイクルの場合のシステム図である。
【図7】図1の吸着式冷凍機の#1〜#4にわたる運転サイクルにつき、#4(2基の吸着反応器とも熱回収工程に基づき運転)の運転サイクルの場合のシステム図である。
【図8】本発明の別の発明である熱回収工程の削除を可能とした吸着式冷凍機の概略の構成を示す図である。
【図9】図8の真空容器内に収納された蒸発、凝縮兼用の接触熱交換器が蒸発器あるいは凝縮器として機能する場合の付帯器具の配設状況を示す図で、(A)は蒸発機能を形成する場合を示し(B)は凝縮機能を形成する場合を示す図である。
【図10】図8の吸着式冷凍機の運転サイクルにつき、2基の吸着反応器15a、15bがそれぞれ吸着工程、再生工程に基づき形成された運転サイクルの場合のシステム図である。
【図11】図8の吸着式冷凍機の運転サイクルにつき、2基の吸着反応器15a、15bがそれぞれ再生工程、吸着工程に基づき形成された運転サイクルの場合のシステム図である。
【図12】図1の吸着式冷凍機に使用してある接触熱交換器について、凝縮と蒸発の場合における実験式から得られた熱伝達率の予測図である。(ノズルからの距離が240mmの場合)
【図13】図1の吸着式冷凍機に使用してある接触熱交換器について、凝縮と蒸発の場合における実験式から得られた熱伝達率の予測図である。(流量が毎分7lの場合)
【図14】図1の吸着式冷凍機の吸着サイクルにおける蒸発熱伝達率の実測値を示す図である。
【図15】図1の吸着式冷凍機の再生サイクルにおける凝縮熱伝達率の実測値を示す図である。
【図16】図1の吸着式冷凍機の吸着サイクルにおける水蒸気温度、冷水温度、吸着槽温度等を示す温度特性図である。
【図17】図1の吸着式冷凍機の再生サイクルにおける水蒸気温度、凝縮器用冷却水温度、吸着槽温度等を示す温度特性図である。
【図18】従来の吸着式冷凍機の構成を示す模式図である。
【符号の説明】
10a、10b 接触熱交換器
11a、11b 水蒸気
13、14 内部切り替え弁
15a、15b 吸着反応器
16a、16b 真空容器
20a、20b スプレイ噴霧部
22a、22b 水槽部
23 冷水負荷
24 冷却塔
30 冷水受給部
31 凝縮水受給部
Claims (4)
- 二基の真空容器と、該容器の切り替え接続可能の再生用温水と吸着用冷却水と冷水負荷系と凝縮用冷却水系とよりなる吸着式冷凍機において、上記真空容器内に、固体吸着剤熱交換器と、スプレイ噴霧部とその下方に設けた水槽部とより構成された蒸発・凝縮兼用の接触熱交換器とを一体構造として収納する構成したことを特徴とする吸着式冷凍機。
- 前記スプレイ噴霧部は、柱状型または三角形板状、円錐状型ないし棚段型に構成することを特徴とする請求項1記載の吸着式冷凍機。
- 二基の真空容器と、該容器の切り替え接続可能の再生用温水と吸着用冷却水と冷水負荷系と凝縮用冷却水系とよりなる吸着式冷凍機において、
上記真空容器内に、固体吸着剤熱交換器と、スプレイ噴霧部より構成する蒸発・凝縮兼用の接触熱交換器とを一体構造として収納する構成とし、
上記二基の蒸発・凝縮兼用の接触熱交換器にバルブ接続する冷水タンクと凝縮水タンクを含む冷水受給部と凝縮水受給部とを設け、それぞれ冷水負荷系と凝縮用冷却水系に接続させるとともに、冷水タンクと凝縮水タンクとの間に膨張弁を設け凝縮液の冷水タンクへの供給可能に構成したことを特徴とする吸着式冷凍機。 - 前記スプレイ噴霧部は、柱状型または三角形板状、円錐状型ないし棚段型に構成することを特徴とする請求項3記載の吸着式冷凍機。
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