JP2004144394A - 多段吸収冷凍機及び冷凍システム - Google Patents
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Abstract
【課題】コンパクトで単純な構造を有する多段吸収冷凍機及びそのような多段吸収冷凍機を備える冷凍システムを提供する。
【解決手段】蒸発器1、低圧吸収器2、高圧吸収器5、低圧再生器3、高圧再生器4及び凝縮器6の機能を備えた多段吸収冷凍機111において、蒸発器1、低圧吸収器2、高圧吸収器5、低圧再生器3、高圧再生器4、および凝縮器6の機能を、区画して一体で収納する缶胴100を備える多段吸収冷凍機111。蒸発器、低圧吸収器、高圧吸収器、低圧再生器、高圧再生器、および凝縮器の機能を、区画して一体で収納する缶胴を備えるので、コンパクトで単純な構造の多段吸収冷凍機を提供することが可能となる。
【選択図】 図1
【解決手段】蒸発器1、低圧吸収器2、高圧吸収器5、低圧再生器3、高圧再生器4及び凝縮器6の機能を備えた多段吸収冷凍機111において、蒸発器1、低圧吸収器2、高圧吸収器5、低圧再生器3、高圧再生器4、および凝縮器6の機能を、区画して一体で収納する缶胴100を備える多段吸収冷凍機111。蒸発器、低圧吸収器、高圧吸収器、低圧再生器、高圧再生器、および凝縮器の機能を、区画して一体で収納する缶胴を備えるので、コンパクトで単純な構造の多段吸収冷凍機を提供することが可能となる。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、多段吸収冷凍機及び冷凍システムに関し、特にコンパクトで単純な構造を有する多段吸収冷凍機及びそのような多段吸収冷凍機を備える冷凍システムに関するものである。
【0002】
【従来の技術】
産業界には、比較的低温の排熱は多量に存在する。例えば、ガスタービンおよびマイクロガスタービンの排熱、ボイラーの排ガスの再利用後の排熱、エンジンの冷却排熱、工場化学プロセスの直接排熱や冷却排熱、燃料電池の排熱などである。このような比較的低温の排熱は、排温水、排蒸気、排ガスなどとして、装置や機械から排出されるが、これらは低温であるため利用法がなく、一般的には直接または冷却塔を介するなどして間接的に環境に廃棄されている。特に、この排熱のうち比較的低温で用途が殆ど無い50から60℃程度の排温水、排蒸気などは、従来はほとんどの場合環境に排出されてきた。
【0003】
従来からこのような低温の排熱を利用する装置として、理論的には、図11のフロー図に示すような二段吸収冷凍機が存在していた。図示の二段吸収冷凍機は、蒸発器501と、低圧吸収器502と、高圧吸収器505と、高圧再生器504と、凝縮器506と、低圧再生器503とを備える。蒸発器501と低圧吸収器502は冷媒蒸気配管527で連通し、高圧吸収器505と低圧再生器503は冷媒蒸気配管528で連通し、凝縮器506と高圧再生器504とは冷媒蒸気配管529で連通していた。
図示の従来技術の二段吸収冷凍機は、このように個別に構成機器を分割した構造であるが、複数の機能のうち一部の機能を組み合わせて一体にしたものも考えられていた(例えば、特許文献1、特許文献2参照。)。
【0004】
【特許文献1】
特公昭57−28868号公報(第1図〜第5図)
【特許文献2】
特公昭58−33467号公報(第3図、第6図)
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、従来の二段吸収冷凍機は、大きく構造も複雑で、経済性にも乏しかった。
【0006】
そこで本発明は、コンパクトで単純な構造を有する多段吸収冷凍機及びそのような多段吸収冷凍機を備える冷凍システムの提供を目的としている。
【0007】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、請求項1に係る発明による多段吸収冷凍機111は、例えば図1に示されるように、蒸発器1、低圧吸収器2、高圧吸収器5、低圧再生器3、高圧再生器4及び凝縮器6の機能を備えた多段吸収冷凍機111において;蒸発器1、低圧吸収器2、高圧吸収器5、低圧再生器3、高圧再生器4、および凝縮器6の機能を、区画して一体で収納する缶胴100を備える。
【0008】
缶胴は典型的には一つの缶胴であり、内部を区画して各部の機能をもたせる。但し、複数の缶胴に2以上の前記機能を有する部分を区画して収納した後に一体化して全体として一つの缶胴に一体で収納するものとしてもよい。1サイクル型であってもよいし、複数サイクル型であってもよい。
【0009】
このように構成すると、蒸発器、低圧吸収器、高圧吸収器、低圧再生器、高圧再生器、および凝縮器の機能を、区画して一体で収納する缶胴を備えるので、コンパクトで単純な構造の多段吸収冷凍機を提供することが可能となる。
【0010】
上記目的を達成するために、請求項2に係る発明による多段吸収冷凍機111は、例えば図1に示されるように、冷媒を蒸発させて被冷却媒体を冷却する蒸発器1と;前記蒸発した冷媒を吸収する低圧吸収器2と;低圧吸収器2から送られる吸収液で冷媒ガスを吸収する高圧吸収器5と;高圧吸収器5からの吸収液を加熱して冷媒ガスを発生させる高圧再生器4と;高圧再生器4で発生した冷媒ガスを凝縮する凝縮器6と;高圧再生器4からの吸収液を加熱して冷媒ガスを発生させ、高圧吸収器5に吸収させる低圧再生器3と;蒸発器1、低圧吸収器2、高圧吸収器5、高圧再生器4、凝縮器6及び低圧再生器3を一体で収納する缶胴100とを備える。
【0011】
典型的には、凝縮器6は、高圧再生器4で発生した冷媒ガスを凝縮して、凝縮した冷媒液を蒸発器1に送るように構成されている。また、低圧再生器3は、高圧再生器4からの吸収液を加熱して冷媒ガスを発生させ、高圧吸収器5に吸収させ、際性された吸収液を低圧吸収器2に戻すように構成されている。
【0012】
これは1サイクル型多段吸収冷凍機であり特に1サイクル型二段吸収冷凍機である。
【0013】
上記目的を達成するために、請求項3に係る発明による多段吸収冷凍機113は、例えば図4に示されるように、冷媒を蒸発させて被冷却媒体を冷却する蒸発器1と;前記蒸発した冷媒を吸収する低圧吸収器2と;低圧吸収器2からの吸収液を加熱して冷媒ガスを発生させて再生し、再生された吸収液を前記低圧吸収器に戻す低圧再生器3と;低圧再生器3で発生した冷媒ガスを吸収する高圧吸収器5と;高圧吸収器5からの吸収液を加熱して冷媒ガスを発生させて再生し、再生された吸収液を高圧吸収器5に戻す高圧再生器4と;高圧再生器4で発生した冷媒ガスを凝縮する凝縮器6と;蒸発器1、低圧吸収器2、高圧吸収器5、高圧再生器4、凝縮器6及び低圧再生器3を一体で収納する缶胴100とを備える。
【0014】
典型的には、凝縮器6は、高圧再生器4で発生した冷媒ガスを凝縮して、凝縮した冷媒液を蒸発器1に送るように構成されている。
【0015】
これは複数サイクル型多段吸収冷凍機であり特に2サイクル型二段吸収冷凍機である。
【0016】
また請求項4に記載のように、請求項1乃至請求項3のいずれか1項に記載の多段吸収冷凍機では、次の構造のうち少なくとも1の構造を有するようにしてもよい。
(A)前記低圧吸収器と前記高圧吸収器を上下に配置して同一缶胴に区画して収納した構造、
(B)前記低圧吸収器と前記高圧吸収器と前記凝縮器を上下に配置して同一缶胴に区画して収納した構造、
(C)前記低圧再生器と前記高圧再生器を上下に配置して同一缶胴に区画して収納した構造。
【0017】
さらに、請求項1乃至請求項3のいずれか1項に記載の多段吸収冷凍機では、または前記(A)(B)(C)の構造のうち少なくとも1の構造を有する上に、次の構造のうち少なくとも1の構造を有するものとしてもよい。
(D)前記低圧吸収器と前記高圧吸収器に冷却媒体を供給する一体流路構造、
(E)前記低圧吸収器と前記高圧吸収器と前記凝縮器に冷却媒体を供給する一体流路構造、
(F)前記低圧再生器と前記高圧再生器に加熱源媒体を供給する一体流路構造。
【0018】
上記目的を達成するために、請求項5に係る発明による冷凍システムは、例えば図1に示されるように、請求項1乃至請求項4のいずれか1項に記載の多段吸収冷凍機111と;多段吸収冷凍機111の低圧再生器3と高圧再生器4に比較的低温の加熱源媒体を供給する熱源供給装置121とを備える。
熱源供給装置は、例えば、コージェネレーションシステムのエンジンなどの冷却排熱、工場化学プロセスの直接排熱や冷却排熱、ボイラーの排ガス、燃料電池の排熱など、比較的低温の排熱を供給する熱源である。
【0019】
このように構成すると、多段吸収冷凍機と該多段吸収冷凍機の低圧再生器3と高圧再生器4に比較的低温の加熱源媒体を供給する熱源供給装置121とを備えるので、比較的低温の利用しにくい熱を利用することができる。
このようにして得られた冷却された被冷却媒体は、冷熱源として、例えば家庭用途、業務用途などの空調、除湿、冷凍などに利用される。
【0020】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態について、図面を参照して説明する。なお、各図において互いに同一あるいは相当する部材には同一符号あるいは類似符号を付し、重複した説明は省略する。
【0021】
図1のフロー図を参照して、本発明の第1の実施の形態である多段吸収冷凍機としての二段吸収冷凍機を説明する。本二段吸収冷凍機111の作業媒体としては、吸収剤と冷媒の組合せが用いられる。二段で構成される本機の各段の溶液サイクルでは、その経済性を考慮し、同一の吸収剤と冷媒を使用する。また各種吸収冷凍機で現在最も広く用いられている、臭化リチウムを吸収剤として、水を冷媒として使用する。しかしながらこれに限らず、例えば水を吸収剤として、アンモニアを冷媒として使用してもよい。
【0022】
本実施の形態の多段吸収冷凍機としての二段吸収冷凍機111は、冷媒としての水を蒸発させて、被冷却媒体としての冷水を冷却する蒸発器1を備える。蒸発器1は伝熱部を有するが、本実施の形態では、伝熱部として伝熱チューブ1Aを採用している(以下、各機器の伝熱部として伝熱チューブを採用した実施の形態では、これを「伝熱チューブ」と呼ぶ)。蒸発器1では、伝熱チューブ1Aの内部を流れる冷水を冷却する。さらに二段吸収冷凍機111は、蒸発器1で蒸発した冷媒を吸収する低圧吸収器2と、低圧吸収器2から送られる吸収液で冷媒ガスを吸収する高圧吸収器5と、高圧吸収器5からの吸収液を加熱して冷媒ガスを発生させる高圧再生器4と、高圧再生器4で発生した冷媒ガスを凝縮して、凝縮した冷媒液を蒸発器1に送る凝縮器6と、高圧再生器4からの吸収液を加熱して冷媒ガスを発生させ、高圧吸収器5に吸収させ、再生された吸収液を低圧吸収器2に戻す低圧再生器3と、蒸発器1、低圧吸収器2、高圧吸収器5、高圧再生器3、凝縮器6及び低圧再生器3を一体で収納する缶胴100とを備える。
【0023】
蒸発器1、低圧吸収器2、高圧吸収器5、低圧再生器3、高圧再生器4、凝縮器6を一体缶胴100の内部に収納することにより、コンパクトで、低コストな構造としている。各機器の作動圧力を考慮し、それぞれ図中、蒸発器1と低圧吸収器2を組み合わせて水平方向右左に配列し、高圧吸収器5と低圧再生器3を組み合わせて水平方向右左に配列し、および高温凝縮器4と凝縮器6を組み合わせて水平方向右左に配列して、前記缶胴100を3つに区画し、これらの区画は鉛直方向に前記の順番で下から上に縦に配列されている。
【0024】
言い換えれば、蒸発器1と高圧吸収器5、高圧吸収器5と凝縮器6、低圧吸収器2と低圧再生器3、低圧再生器3と高圧再生器4は、それぞれ鉛直方向上下に隣接して配置されている。
【0025】
前記3つの区画の各々の間は、隔壁板34Aと隔壁板35Aでしっかりと仕切られている。さらに、これらの隔壁板34A、35Aは上下の機器間の熱損失を少なくするため断熱を考慮した構造や材料を使用するとよい。ここで断熱を考慮した構造とは、例えば2枚の鋼板を間隙をあけて配設した構造である。その間隙中の空気が断熱作用を奏する。また間隙を真空にすればなおよい。また断熱を考慮した材料とは、例えばグラスウール、ロックウール、発泡スチロール等の断熱材である。
【0026】
上記配列の結果、蒸発器1の鉛直方向上方に高圧吸収器5が、高圧吸収器5の鉛直方向上方に凝縮器6が配列され、低圧吸収器2の鉛直方向上方に低圧再生器3が、低圧再生器3の鉛直方向上方に高圧再生器4が配列されることになる。
【0027】
また、蒸発器1と低圧吸収器2、高圧吸収器5と低圧再生器3、および高温凝縮圧再生器4と凝縮器6の各々の各機器間には、適度な高さで機器内液面を仕切る仕切板33、仕切板34、仕切板35がそれぞれ設けられている。さらに、仕切板33、34、35は、これらが仕切っている図中で左右に配置された機器間の熱損失を少なくするため断熱を考慮した構造や材料を使用するとよい。
【0028】
これらの仕切板33、34、35は、鉛直方向上方にそれぞれ空間27、28、29があり、これらが仕切る機器間を連通している。この機器間連通空間としての上部空間は、蒸発器1と低圧吸収器2間では、蒸発器1から吸収器2へ冷媒蒸気が流れ、低圧再生器3と高圧吸収器5間では、低圧再生器3から高圧吸収器5に冷媒蒸気が流れ、高圧再生器4と凝縮器6間では、高圧再生器4から凝縮器6に冷媒蒸気が流れる。これらの空間27、28、29には、後述する第2の実施の形態で採用されているエリミネータ30、エリミネータ31、エリミネータ32をそれぞれの区画に、必要に応じて設けてもよい。
【0029】
本実施の形態の各機器の伝熱部の構造としては、前述の如く、蒸発器1の内部には、伝熱部としての伝熱チューブ1Aが、低圧吸収器2の内部には、伝熱部としての伝熱チューブ2Aが、低圧再生器3の内部には、伝熱部としての伝熱チューブ3Aが、高圧吸収器5の内部には、伝熱部としての伝熱チューブ5Aが、高圧再生器4の内部には、伝熱部としての伝熱チューブ4Aが、凝縮器6の内部には、伝熱部としての伝熱チューブ6Aがそれぞれ設けられている。これらチューブは、典型的にはシェルアンドチューブ型であるが、再生器のように比較的温度の高い部分には、U(ユー)チューブを用いるとよい。
【0030】
伝熱チューブ1A中には被冷却媒体あるいは冷熱源媒体としての冷水が、伝熱チューブ2A中には冷却媒体としての冷却水が、伝熱チューブ3A中には加熱媒体(排熱エネルギー)としての温水が、伝熱チューブ5A中には冷却媒体としての冷却水が、伝熱チューブ4A中には加熱媒体(排熱エネルギー)としての温水が、伝熱チューブ6A中には冷却媒体としての冷却水がそれぞれ流れる。
【0031】
低圧吸収器2の底部には中間濃度溶液が溜まるようになっている。低圧吸収器2の底部から高圧吸収器5に中間濃度溶液を送る中間濃度溶液配管18が敷設され、中間濃度溶液配管18の終端部には、高圧吸収器5の伝熱チューブ5Aに溶液を散布する散布器(スプレーノズル)5Bが設けられている。中間濃度溶液配管18には、低圧側溶液ポンプ9Lが挿入配置されており、低圧吸収器2よりも鉛直方向上方に設置された高圧吸収器5に中間濃度溶液を送るとともに、散布器5Bから中間濃度溶液を圧力で散布するように構成されている。
【0032】
高圧吸収器5の底部には低濃度溶液が溜まるようになっている。高圧吸収器5の底部から高圧再生器4に低濃度溶液を送る低濃度溶液配管19が敷設され、低濃度溶液配管19の終端部には、高圧再生器4の伝熱チューブ4Aに溶液を散布する散布器4Bが設けられている。低濃度溶液配管19には、高圧側溶液ポンプ9Hが挿入配置されており、高圧吸収器5よりも鉛直方向上方に設置された高圧再生器4に低濃度溶液を送るとともに、散布器4Bから低濃度溶液を圧力で散布するように構成されている。
【0033】
高圧再生器4の底部には中間濃度溶液が溜まるようになっている。高圧再生器4の底部から低圧再生器3に中間濃度溶液を送る中間濃度溶液配管20が敷設され、中間濃度溶液配管20の終端部には、低圧再生器3の伝熱チューブ3Aに溶液を散布する散布器3Bが設けられている。低圧再生器3は、高圧再生器4よりも鉛直方向下方に配置されているので、中間濃度濃度溶液配管20にはポンプは備えられていないが、重力と圧力差で溶液は流れる。
【0034】
低圧再生器3の底部には高濃度溶液が溜まるようになっている。低圧再生器3の底部から低圧吸収器2に高濃度溶液を送る高濃度溶液配管21が敷設され、高濃度溶液配管21の終端部には、低圧吸収器2の伝熱チューブ2Aに溶液を散布する散布器2Bが設けられている。低圧吸収器2は、低圧再生器3よりも鉛直方向下方に配置されているので、高濃度濃度溶液配管21にはポンプは備えられていないが、重力と圧力差で溶液は流れる。
【0035】
中間濃度溶液配管18と高濃度濃度溶液配管21の途中には、両配管を流れる溶液間で熱交換をする低温側溶液熱交換器7が設けられている。また、低濃度溶液配管19と中間濃度濃度溶液配管20の途中には、両配管を流れる溶液間で熱交換をする高温側溶液熱交換器8が設けられている。
【0036】
凝縮器6の底部には、凝縮した冷媒液が溜まるようになっている。凝縮器6の底部から蒸発器1に冷媒液を送る冷媒液配管25が敷設され、冷媒液配管25の終端部には、蒸発器1の伝熱チューブ1Aに冷媒液を散布する散布器1Bが設けられている。蒸発器1は、凝縮器6よりも鉛直方向下方に配置されているので、冷媒液配管25にはポンプは備えられていないが、重力と圧力差で冷媒液は流れる。
蒸発器1の底部から伝熱チューブ1Aに冷媒液を散布する散布器1Bに冷媒液を送る冷媒液配管や冷媒液ポンプは設けられていない。冷媒液は伝熱チューブ1Aを流下する間に蒸発してしまうように構成されているので、構造が単純である。
【0037】
さらに図1を参照して、第1の実施の形態の二段吸収冷凍機111の作用を説明する。低圧吸収器2で冷媒蒸気を吸収し希釈された中間濃度吸収溶液(以下吸収溶液は溶液と称する)は、低圧側溶液ポンプ9Lにより中間濃度溶液配管18を介して低温側溶液熱交換器7で予熱された後、高圧吸収器5に流入する。この中間濃度溶液は、高圧吸収器5内の散布器5Bにより伝熱部5Aの外面に散布され、低圧再生器3から連通空間28を介して流入した冷媒蒸気を吸収して低濃度溶液となる。この際に発生する熱は伝熱部5Aに通水された冷却水に排出される。冷却媒体は、本実施の形態では、冷却水としているが、海水、河川水など液体や、空気の如き気体などその他の冷却媒体であってもよい。この場合、後述の図10の実施の形態の各吸収器の構造は、冷却媒体に適した構造に変更する必要がある。例えば、伝熱部5Aの熱交換構造、散布器5Bの散布構造、冷却媒体の入出流路構造などを変更する。
【0038】
一方、低圧再生器3内において、中間濃度溶液は、散布器3Bにより伝熱部3Aの外面に散布され、伝熱部3A内部に通水された低温排熱エネルギーである温水により加熱・濃縮されて高濃度溶液となる。この際に、発生する冷媒蒸気は連通空間28から高圧吸収器5に流入する。排熱エネルギーは、本図では、温水としているが、液体または、排蒸気や排ガスの如き気体の状態にあるその他の加熱媒体を利用して、二段吸収冷凍機に供給してもよい。この場合、後述の図10の実施の形態の各再生器の構造は加熱媒体に適した構造に変更する必要がある。例えば、伝熱部3A、4Aの熱交換構造、散布器3B、4Bの散布構造、加熱媒体の入出流路構造などを変更する。
【0039】
高圧吸収器5で冷媒蒸気を吸収して低濃度となった低濃度溶液は、高圧側溶液ポンプ9Hにより低濃度溶液配管19を介して高温側溶液熱交換器8で予熱されて高圧再生器4に流入する。この低濃度溶液は、高圧再生器4内の散布器4Bにより伝熱部4Aの外面に散布され、伝熱部4A内部に通水された(低温)排熱エネルギーである温水により加熱・濃縮されて中間濃度溶液となる。この際に、発生する冷媒蒸気は連通空間29から凝縮器6に流入する。高圧吸収器5で冷媒蒸気を放出して高濃度となった中間濃度溶液は、中間濃度溶液配管20を介して、高温側溶液熱交換器8で、前述の如く、もう一方の中間濃度溶液を予熱し、即ち、自分自身は冷却されて、低圧再生器3に流入する。この中間濃度溶液は、散布器3Bにより伝熱部3Aの外面に散布され、伝熱部3A内部に通水された(低温)排熱エネルギーである温水により加熱・濃縮されて高濃度溶液となる。
【0040】
この高濃度溶液は、高濃度溶液配管21を介して、低温側溶液熱交換器7で、もう一方の中間濃度溶液を予熱し、即ち、自分自身は冷却されて、低圧吸収器2に流入する。この高濃度溶液は、散布器2Bにより伝熱部2Aの外面に散布され、蒸発器1から連通空間27を介して流入した冷媒蒸気を吸収して中間濃度溶液となる。この際に発生する熱は伝熱部2Aに通水された冷却水に排出される。低圧吸収器2で冷媒蒸気を吸収し希釈された中間濃度溶液は、再び低圧側溶液ポンプ9Lにより中間濃度溶液配管18を介して溶液循環サイクルを繰返す。
【0041】
以上のように、吸収溶液は、低圧吸収器2、低温側溶液熱交換器7、高圧吸収器5、高温側溶液熱交換器8、高圧再生器4、高温側溶液熱交換器8、低圧再生器3、低温側溶液熱交換器7、低圧吸収器2を、低圧側溶液ポンプ9L、高圧側溶液ポンプ9Hおよび機器間の差圧および位置の高低差により循環を繰返している。
【0042】
一方、冷媒循環サイクルとしては、凝縮器6から冷媒液配管25を介して蒸発器1に送られた冷媒液は、散布器1Bにより伝熱部1Aの外面に散布され、伝熱部1A内部に通水された冷熱源媒体としての冷水から熱を奪って蒸発する。蒸発した冷媒は、連通空間27を介して低圧吸収器2に流入し、吸収液に吸収されて溶液循環サイクルに入る。この際、冷水は熱を奪われるので、低温の冷熱源となり、需要先に供給される。このように、凝縮器6からの冷媒液を直接に散布器1Bを介して伝熱部1Aの外面に散布する。散布器1Bは、この冷媒循環量で伝熱面1Aの外面に均一な濡れ面が得られる様に、構造上の配慮がされている。この方式のため、後述のような冷媒ポンプ10と冷媒液配管24が不要となる。したがって、構造が単純となりコストも低減される。冷熱源となる媒体は、本実施の形態では、冷水としているが、ブラインなど液体や、空気の如く気体などであってもよい。この場合、蒸発器の構造は、冷熱源媒体に適した構造に変更する。例えば、伝熱部1Aの熱交換構造、散布器1Bの散布構造、冷熱媒体の入出流路構造などを変更する。
【0043】
溶液循環サイクルで液状態で吸収液に同伴する冷媒は、低圧再生器3と高圧吸収器5間で一度冷媒蒸気となるが、高圧吸収器5で再び溶液循環サイクルに入り液状となる。溶液循環サイクルの吸収液は、高圧再生器4で伝熱部4Aにより加熱され冷媒蒸気を発生する。発生した冷媒蒸気は、冷媒循環サイクルに入る。冷媒蒸気は、高圧再生器4から連通空間29を介して凝縮器6に流入し、伝熱チューブ6A内部に通水された冷却媒体としての冷却水に熱を奪われて凝縮して液冷媒となる。この液冷媒は、冷媒液配管25を介して蒸発器1に入り、冷媒循環サイクルを繰り返す。冷却媒体は、本実施の形態では、冷却水としているが、海水、河川水など液体や、空気の如き気体などの冷却媒体であってもよい。この場合、図10の実施の形態の各吸収器の構造は、冷却媒体に適した構造に変更する必要がある。
【0044】
以上説明した第1の実施の形態の二段吸収冷凍機は、蒸発器へ冷媒液を散布する冷媒ポンプを設けないことにより低コスト化とコンパクト化を図っている。 また本実施の形態では、一体缶胴100は、矩形断面の形状としているが、強度などの関係から、コンパクトさを保つ範囲内で、小判形や楕円形など形状として缶胴の板厚を薄くするとよい。
【0045】
図2を参照して第2の実施の形態を説明する。第1の実施の形態では、機器の作動圧力を考慮し、蒸発器1と低圧吸収器2、高圧吸収器5と低圧再生器3、および高温再生器4と凝縮器6の三つの区画に仕切ったが、本実施の形態の二段吸収冷凍機112では、蒸発器1と低圧吸収器2を収納する缶胴201、高圧吸収器5と低圧再生器3を収納する缶胴202および高温再生器4と凝縮器6を収納する缶胴203の三つの缶胴に機器を配置した構造としている。この構造を採用した上で、輸送・搬入後に第1の実施の形態に近い、一体形状として使用に供する場合を示す。本実施の形態は、輸送・搬入を考慮して、中大容量の二段吸収冷凍機に採用し、コンパクトで、低コストな装置とする場合に適する。
【0046】
不図示であるが、缶胴201と缶胴202とを組合せて、又は缶胴202と缶胴203とを組み合わせて、又は缶胴201と缶胴203を組み合わせて一つの缶胴に収納して、図1の実施の形態で示した隔壁板34A、35Aの如く、同様の機能を有する隔壁板で仕切ることも可能である。輸送、搬入に支障を生じることなくこのようにできるときは、図2の第2の実施の形態と比較して、さらにコンパクトで低コストな二段吸収冷凍機となる。最終的には、缶胴201と缶胴202と缶胴203を一体化して1つの缶胴に収納した構造とする。
【0047】
これらの連通空間27、28、29には、それぞれエリミネータ30、31、32が設けられている。エリミネータ30は、蒸発器1から吸収器2へ冷媒液滴の同伴および吸収器2から蒸発器への溶液の混入を防止するためのものである。エリミネータ31は、低圧再生器3と高圧吸収器5間での液滴の同伴を防止するためのものである。エリミネータ32は、高圧再生器4から凝縮器6へ溶液の液滴の同伴を防止するためのものである。これらのエリミネータの採用により、より効率の高い運転が可能となる。
【0048】
また、蒸発器1の底部には冷媒液が溜まるようになっており、この底部からの冷媒液を散布器1Bに送る冷媒液配管24とこの配管に挿入配置された冷媒ポンプ10を備える。冷媒液は、冷媒ポンプ10により冷媒液配管24を介して、散布器1Bにより伝熱部1Aの外面に散布され、伝熱部1A内部に通水された冷水から熱を奪って蒸発し、連通空間27を介して低圧吸収器2に流入する。このように構成すると、冷媒液が伝熱部1Aで完全に蒸発しなくても繰り返し伝熱部1Aに散布することができるので冷媒液の蒸発を完全に行わせることができる。
【0049】
必要な冷凍容量に合せ、かつ輸送・搬入条件を考慮し、最もコンパクトで低コストな構造・構成の缶胴を組合せた装置を選択し、最適な、即ち輸送・搬入が容易で、且つさらにコンパクトで低コストな装置にすることが、本発明の他の目的である。更に、図2の第2の実施の形態で缶胴201と缶胴202、缶胴202と缶胴203を重ねて一体構造とする場合に、それぞれの缶胴内の左右機器の温度が異なるので、接する機器間の伝熱による熱損失が発生する。本発明の他の目的として、これらの缶胴間に隙間を設け、この部分を気密構造として、内部を真空として熱損失を防止する。別の方法としては、これらの缶胴の互い接する部分に、接触部に適した異なる断熱材を挿入し機器間の熱損失を防止することもできる。
【0050】
第2の実施の形態では、缶胴201、缶胴202および缶胴203は、矩形断面の形状としているが、強度など関係から、小判形や楕円形など形状として缶胴の板厚を薄くすることも、コンパクトさを保つ範囲で可能である。
【0051】
図1、図2の実施の形態の二段吸収冷凍機における溶液サイクルを、吸収溶液のデューリング線図上に示すと、図3に示す様なサイクル線図となる。点A1−点A2は、低圧吸収器2での高濃度溶液が、圧力PEで冷媒蒸気を吸収するプロセス、点A5−点A6は、加熱媒体である温水などで加熱され高圧再生器4で低濃度溶液が圧力PCで冷媒蒸気を発生して中間濃度溶液に濃縮されるプロセス、点A7−点A8は、この中間濃度溶液を加熱媒体である温水などで加熱し、低圧再生器3で冷媒蒸気を発生して濃溶液に濃縮させるプロセスを示している。加熱する加熱媒体である温水などが比較的に低温で点A8および点A6の溶液温度THまでしか加熱できないため、単段では目的の濃度まで濃縮できない。したがって、図のサイクルの如く、低温段サイクル部と高温段サイクル部に別れて、二段のサイクルとなって吸収溶液を濃縮している。
【0052】
点A2−点A3は、ポンプ9Lで昇圧されて高圧吸収器5に送られるプロセスを示す。濃度が一定で圧力が上昇している。また点A8−点A1の溶液と熱交換器7で熱交換して予熱されるので温度も上昇している。
点A3−点A4は、高圧吸収器5での中間濃度溶液が冷媒を吸収するプロセスであり、点A4−点A5は、ポンプ9Hで昇圧されて低濃度溶液が高圧再生器4に送られるプロセスを示す。濃度が一定で圧力が上昇している。また点A6−点A7の溶液と熱交換器8で熱交換して予熱されるので温度も上昇している。
点A5−点A6が中間濃度溶液に濃縮されるプロセスであるのは先に説明した通りである。
点A6−点A7は、圧力差と高度差により中間濃度溶液が低圧再生器3に送られるプロセスを示す。濃度が一定で圧力が降下している。また先に説明したように、点A4−点A5の溶液と熱交換器8で熱交換して冷却されるので温度も降下している。
点A7−点A8は、加熱媒体である温水などで加熱され低圧再生器3で中間濃度溶液が冷媒蒸気を発生して高濃度溶液に濃縮されるプロセスである。
点A8−点A1は、圧力差と高度差により高濃度溶液が低圧吸収器2に送られるプロセスを示す。濃度が一定で圧力が降下している。また先に説明したように、点A2−点A3の溶液と熱交換器7で熱交換して冷却されるので温度も降下している。そして点A1−点A2のプロセスに戻る。
また、本実施の形態では、後述の図5の溶液サイクルと違って、溶液サイクルは一つのサイクルとなっている。
【0053】
図3および図5のデューリング線図に示される如く、吸収冷凍機の吸収・再生のサイクルは、吸着冷凍装置の如く、吸着・再生プロセスを交互に切替える二つのユニットのバッチ運転ではなく、連続的にスムーズに吸収と再生(濃縮)の循環サイクルを繰返す。このため、吸着冷凍装置の様な切替に伴う熱損失、即ち効率の低下、および冷熱源の温度の変動もなく、従って、冷熱源の蓄熱槽を必要とせずに、高効率で安定な性能の冷凍装置を、今まで利用が少ない比較的低温の排熱エネルギーを有効活用し、経済的に冷熱源の製造を可能とする。
【0054】
図4を参照して、第3の実施の形態を説明する。本実施の形態の二段吸収冷凍機113は、構成する機器は、第1の実施の形態と同様であるが、吸収溶液の循環が一部で異なり、この吸収溶液サイクルを吸収溶液のデューリング線図上に示すと、図5に示す如く、高温段サイクルと低温段サイクルは、別のそれぞれ一つの循環サイクルとなる。
【0055】
図1と図4の実施の形態の差異は、低圧再生器3と高圧吸収器5で散布される溶液が反対になっている点である。即ち、図4の第3の実施の形態では、高圧再生器4からの中間濃度溶液を高圧吸収器5に散布し、低圧吸収器2からの中間濃度溶液は、低圧再生器3に散布されている。
図5のサイクルは、第3の実施の形態のサイクルであるが、この方が二段のサイクルがはっきりと分離しているので、理解し易い吸収溶液サイクルである。性能的には、このサイクルは、図3のサイクルと同様の効果と特長を発揮できる。
【0056】
本発明では、図1、図2、図4に示す第1、第2、第3の実施の形態の二段吸収冷凍機に見られるように、主要構成機器である蒸発器1、低圧吸収器2、低圧再生器3、高圧吸収器5、高圧再生器4および凝縮器6の相互の配置に注目している。これらの機器に供給される冷熱源媒体である冷水などの媒体、冷却媒体である冷却水などの媒体、比較的低温の加熱媒体である温水などの媒体を、二段吸収冷凍機に供給する直前の敷設流路に関係し、さらに、前記の主要構成機器の伝熱部における各媒体の受入れ流路部の形状にも関係して、コンパクトで低コストとなる様に、その配置、構成および構造とする。
【0057】
二段吸収冷凍機には、原理的に少なくとも6つの機器(蒸発器1、低圧吸収器2、低圧再生器3、高圧吸収器5、高圧再生器4および凝縮器6)と3つ媒体(加熱源媒体、冷熱源媒体および冷却媒体)の往復流路が必要である。これらは特に往復流路が交錯するので、これらの関係をすっきりとした流路関係を構成することは、二段吸収冷凍機の本体および設置において、コンパクトで経済的なものとするために重要なことである。これまでに説明した図1、図2、図4に示した実施の形態でも、本発明の他の目的である上述した六つの機器の構成配置、構造、および三つの媒体の往復流路を、コンパクトで経済性なものとする様に考慮している。
【0058】
図6を参照して第4の実施の形態を説明する。本実施の形態は、図1、図2、図4の第1〜第3の実施の形態を、さらに良いものとするために、第1の実施の形態の構成を一部変えて、6つの機器と3つの媒体の往復流路をさらにシンプルにする機器配置とした二段吸収冷凍機である。
【0059】
即ち、本実施の形態は、第1の実施の形態の蒸発器1と低圧吸収器2の配置を冷却媒体の流路のシンプル化を考慮して、図中で右左入れ替えた配置となっている。
その結果、蒸発器1の鉛直方向上方に低圧再生器3が、低圧再生器3の鉛直方向上方に高圧再生器4が配列され、低圧吸収器2の鉛直方向上方に高圧吸収器5が、高圧吸収器5の鉛直方向上方に凝縮器6が配列されることになる。
言い換えれば、蒸発器1と低圧再生器3、低圧再生器3と高圧再生器4、低圧吸収器2と高圧吸収器5、高圧吸収器5と凝縮器6とは、それぞれ鉛直方向上下に隣接して配置されている。
【0060】
図7の斜視図を参照して、図1で説明した第1の実施の形態の3つの媒体の往復流路の流入側の配列を説明する。本図に示すように、第1の実施の形態の二段吸収冷凍機111では、3つの媒体の往復流路の流入側は、一体缶胴100の図中向って左側、即ち手前側の面に4つの流入路が集中したものとなっている。4つの流入路は、蒸発器用冷熱源媒体(冷水)、高圧吸収器と凝縮器用冷却媒体(冷却水)、低圧吸収器用冷却媒体(冷却水)、低圧再生器と高圧再生器用加熱源媒体(温水)用である。
【0061】
本実施の形態では、流出路側が図示されていないが、流出路側がすべて一体缶胴100の手前側とすると、8つの流出入路の配置が必要となる。但し、各機器の伝熱部の機能形状により、例えば、伝熱部がシェルアンドチューブを採用している場合は、1パス等の奇数パスとすれば、チューブに直角な方向の正面から見て一体缶胴100の向って右側の面を、各機器の媒体の流出路とすることが可能である。このときは、8つの流出入路は(左右)両面に分散して配置することができる。
【0062】
図8の斜視図を参照して、図6で説明した第4の実施の形態の3つの媒体の往復流路の流入側の配列を説明する。本図に示すように、3つの媒体は3つの流入路となり、さらにコンパクトな配置、構成、および構造のものとなる。3つの流入路は、蒸発器用冷熱源媒体(冷水)、低圧再生器と高圧再生器用加熱源媒体(温水)、低圧吸収器と高圧吸収器と凝縮器用冷却媒体(冷却水)である。
【0063】
図9の斜視図を参照して、第4の実施の形態の3つの媒体の往復流路の流入側について図8とは別の配列を説明する。この配列は、冷却媒体である冷却水を温度条件によって低圧吸収器2に最初に通水し、その後で高圧吸収器5と凝縮器6に通水する場合を示す。加熱源媒体についても温度条件によっては、並列通水でなく直列に通水するようにしてもよい。この場合も、3つの媒体はかなりシンプルな3つの流入路とすることができる。この例では、冷却媒体(冷却水)は、先ず偶数パス(例えば2パス)で低圧吸収器2に流入・流出させ、流出側を高圧吸収器5と凝縮器6に並列に流入させる。
【0064】
図10を参照して、図8で説明した流入部のさらに具体的な構造を説明する。本実施の形態は、該当機器の伝熱部にシェルアンドチューブを採用し、且つ冷熱源媒体が冷水、冷却媒体が冷却水、および加熱源媒体が温水の場合で、且つ伝熱チューブ内を1パスで通過する場合の構造である。媒体流路と機器の流入部をこのように構成することにより、シンプルで、且つ低コストな二段吸収冷凍器を提供する。
【0065】
本図には、図6および図8に示した実施の形態の一体缶胴100は、一体缶胴100の胴体300と、不図示のもう一方の片面(右側)と合わせて一対の胴体チューブプレートのうちで、向って左側の胴体チューブプレート301で形成された構造部のみを示している。
【0066】
図6の低圧吸収器2、高圧吸収器5および凝縮器6に相当するそれぞれの伝熱部の入口側には、図10では、冷却水入口ヘッダー302が設けられ、冷却水入口ヘッダー302に設けられた冷却水入口ノズル305からの冷却水は、このヘッダー302内でそれぞれの伝熱チューブ群に分配され流入する。不図示の右側の胴体チューブプレートも同様の構造の冷却水出口ヘッダーを有している。本実施の形態は1パスの場合であり、不図示の右側の胴体チューブプレートの冷却水出口ノズルから流出することになる。
【0067】
低圧吸収器2、高圧吸収器5、凝縮器6が隣接して、特に上下方向に隣接して配列されているので、このような構成が可能となる。
【0068】
図6の蒸発器1に相当する部分では、冷水入口ヘッダー303と冷水入口ノズル307が設けられている。また、低圧再生器3と高圧再生器4に相当する部分では、温水入口ヘッダー304と温水入口ノズル306が同様に設けられている。低圧再生器3と高圧再生器4が隣接して、特に上下方向に隣接して配列されているので、このような構成が可能となる。
【0069】
図10で代表されるように、本発明の実施の形態によれば、構成する機器の配置は二段吸収冷凍機の本体の各媒体の流入部をコンパクトでシンプルな構造にするだけでなく、3つの媒体の流出入流路(配管)をもコンパクトでシンプルな流路とすることが可能となる。
【0070】
冷媒サイクルをよく観察すると、冷媒液は、蒸発器1で蒸発後、吸収溶液に吸収され、溶液循環サイクルに液体状態で同伴し、低圧再生器3と高圧吸収器5間で、一度、冷媒蒸気となるが、再び溶液循環サイクルに液体状態で同伴し、高圧再生器4で冷媒蒸気となり、凝縮器6で冷媒液になり、蒸発器1に戻る循環を繰返していることになる。二段吸収冷凍機は、低温の排熱を加熱源に利用するために、理論的に比較的効率が低くかつ大型となる。したがって、図11に示すような従来の機器構成では、大容量の大型二段吸収冷凍機の場合、輸送・搬入などの制限から機器を分割が必要な場合に採用可能な構造であるが、全体として高価で大型となり実用性はない。このため、二段吸収冷凍機は、コンパクトで、低コストな装置とする必要が特にある。以上の実施の形態の二段吸収冷凍機は、この目的を達成することができる。
【0071】
以上説明したように、本発明の実施の形態では、蒸発器、低圧吸収器、高圧吸収器、低圧再生器、高圧再生器、および凝縮器の機能を一つの缶胴内に区画して収納することにより製造することができるが、複数の缶胴に区画して収納し且つ当該複数の缶胴を一体化した構造とすることにより製造してもよい。
【0072】
本発明の実施の形態の二段吸収冷凍機では、低圧吸収器、低圧側溶液熱交換器、低圧再生器、低圧側溶液熱交換器、低圧吸収器を循環する溶液サイクルと、高圧吸収器、高圧側溶液熱交換器、高圧再生器、高圧側溶液熱交換器、高圧吸収器を循環する溶液サイクル、即ち2つの別々のサイクルを備えるようにしてもよいし、低圧吸収器、低圧側溶液熱交換器、高圧吸収器器、高圧側溶液熱交換器、高圧再生器、高圧側溶液熱交換器、低圧再生器、低圧側溶液熱交換器、低圧吸収器を循環する1つの溶液サイクルを備えるようにしてもよい。
【0073】
本発明の実施の形態の二段吸収冷凍機では、低圧吸収器と高圧吸収器、または低圧吸収器と高圧吸収器と凝縮器、およびまたは、低圧再生器と高圧再生器をそれぞれ上下に配置して同一缶胴に区画して収納した構造を備えるようにしてもよい。
また、低圧吸収器と高圧吸収器、または低圧吸収器と高圧吸収器と凝縮器に冷却媒体を供給する一体流路構造、およびまたは、低圧再生器と高圧再生器に加熱源媒体を供給する一体流路構造を備えるようにしてもよい。
【0074】
図1を参照して、本発明の実施の形態の冷凍システムを説明する。先に説明した二段吸収冷凍機111と、これに排熱エネルギーとしての温水を供給する熱源供給装置としての工場121を備える。工場121は化学プロセスがあり、50〜60℃程度の比較的低温の温水が排出される。
熱源供給装置からの排熱は、工場の化学プロセスからの温水に限らず、コージェネレーションシステムのエンジンなどの冷却排熱、工場化学プロセスの直接排熱や冷却排熱、ボイラーの排ガス、燃料電池の排熱などであってもよい。いわゆる比較的低温の排熱であればよく、この排熱を、当該二段吸収冷凍機の加熱源とし、得られた冷熱源を家庭用途、業務用途などの空調、除湿、冷凍などに利用する方法を実現することができる。
【0075】
【発明の効果】
以上のように本発明によれば、蒸発器、低圧吸収器、高圧吸収器、低圧再生器、高圧再生器、および凝縮器の機能を、区画して一体で収納する缶胴を備えるので、コンパクトで単純な構造の多段吸収冷凍機を提供することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施の形態である二段吸収冷凍機の模式的構造図である。
【図2】本発明の第2の実施の形態である二段吸収冷凍機の模式的構造図である。
【図3】図1に示す二段吸収冷凍機のデューリング線図である。
【図4】本発明の第3の実施の形態である二段吸収冷凍機の模式的構造図である。
【図5】図4に示す二段吸収冷凍機のデューリング線図である。
【図6】本発明の第4の実施の形態である二段吸収冷凍機の模式的構造図である。
【図7】第1の実施の形態の3つの媒体の往復流路の流入側の配列を説明する斜視図である。
【図8】第4の実施の形態の3つの媒体の往復流路の流入側の配列を説明する斜視図である。
【図9】第4の実施の形態の3つの媒体の往復流路の流入側の別の配列を説明する斜視図である。
【図10】図8で説明した流入部のさらに具体的な構造を説明する斜視図である。
【図11】従来の二段吸収冷凍機の模式的構造図である。
【符号の説明】
1 蒸発器
2 低圧吸収器
3 低圧再生器
4 高圧再生器
5 高圧吸収器
6 凝縮器
7 低温側溶液熱交換器
8 高温側溶液熱交換器
9L 低圧側溶液ポンプ
9H 高圧側溶液ポンプ
100 缶胴
【発明の属する技術分野】
本発明は、多段吸収冷凍機及び冷凍システムに関し、特にコンパクトで単純な構造を有する多段吸収冷凍機及びそのような多段吸収冷凍機を備える冷凍システムに関するものである。
【0002】
【従来の技術】
産業界には、比較的低温の排熱は多量に存在する。例えば、ガスタービンおよびマイクロガスタービンの排熱、ボイラーの排ガスの再利用後の排熱、エンジンの冷却排熱、工場化学プロセスの直接排熱や冷却排熱、燃料電池の排熱などである。このような比較的低温の排熱は、排温水、排蒸気、排ガスなどとして、装置や機械から排出されるが、これらは低温であるため利用法がなく、一般的には直接または冷却塔を介するなどして間接的に環境に廃棄されている。特に、この排熱のうち比較的低温で用途が殆ど無い50から60℃程度の排温水、排蒸気などは、従来はほとんどの場合環境に排出されてきた。
【0003】
従来からこのような低温の排熱を利用する装置として、理論的には、図11のフロー図に示すような二段吸収冷凍機が存在していた。図示の二段吸収冷凍機は、蒸発器501と、低圧吸収器502と、高圧吸収器505と、高圧再生器504と、凝縮器506と、低圧再生器503とを備える。蒸発器501と低圧吸収器502は冷媒蒸気配管527で連通し、高圧吸収器505と低圧再生器503は冷媒蒸気配管528で連通し、凝縮器506と高圧再生器504とは冷媒蒸気配管529で連通していた。
図示の従来技術の二段吸収冷凍機は、このように個別に構成機器を分割した構造であるが、複数の機能のうち一部の機能を組み合わせて一体にしたものも考えられていた(例えば、特許文献1、特許文献2参照。)。
【0004】
【特許文献1】
特公昭57−28868号公報(第1図〜第5図)
【特許文献2】
特公昭58−33467号公報(第3図、第6図)
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、従来の二段吸収冷凍機は、大きく構造も複雑で、経済性にも乏しかった。
【0006】
そこで本発明は、コンパクトで単純な構造を有する多段吸収冷凍機及びそのような多段吸収冷凍機を備える冷凍システムの提供を目的としている。
【0007】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、請求項1に係る発明による多段吸収冷凍機111は、例えば図1に示されるように、蒸発器1、低圧吸収器2、高圧吸収器5、低圧再生器3、高圧再生器4及び凝縮器6の機能を備えた多段吸収冷凍機111において;蒸発器1、低圧吸収器2、高圧吸収器5、低圧再生器3、高圧再生器4、および凝縮器6の機能を、区画して一体で収納する缶胴100を備える。
【0008】
缶胴は典型的には一つの缶胴であり、内部を区画して各部の機能をもたせる。但し、複数の缶胴に2以上の前記機能を有する部分を区画して収納した後に一体化して全体として一つの缶胴に一体で収納するものとしてもよい。1サイクル型であってもよいし、複数サイクル型であってもよい。
【0009】
このように構成すると、蒸発器、低圧吸収器、高圧吸収器、低圧再生器、高圧再生器、および凝縮器の機能を、区画して一体で収納する缶胴を備えるので、コンパクトで単純な構造の多段吸収冷凍機を提供することが可能となる。
【0010】
上記目的を達成するために、請求項2に係る発明による多段吸収冷凍機111は、例えば図1に示されるように、冷媒を蒸発させて被冷却媒体を冷却する蒸発器1と;前記蒸発した冷媒を吸収する低圧吸収器2と;低圧吸収器2から送られる吸収液で冷媒ガスを吸収する高圧吸収器5と;高圧吸収器5からの吸収液を加熱して冷媒ガスを発生させる高圧再生器4と;高圧再生器4で発生した冷媒ガスを凝縮する凝縮器6と;高圧再生器4からの吸収液を加熱して冷媒ガスを発生させ、高圧吸収器5に吸収させる低圧再生器3と;蒸発器1、低圧吸収器2、高圧吸収器5、高圧再生器4、凝縮器6及び低圧再生器3を一体で収納する缶胴100とを備える。
【0011】
典型的には、凝縮器6は、高圧再生器4で発生した冷媒ガスを凝縮して、凝縮した冷媒液を蒸発器1に送るように構成されている。また、低圧再生器3は、高圧再生器4からの吸収液を加熱して冷媒ガスを発生させ、高圧吸収器5に吸収させ、際性された吸収液を低圧吸収器2に戻すように構成されている。
【0012】
これは1サイクル型多段吸収冷凍機であり特に1サイクル型二段吸収冷凍機である。
【0013】
上記目的を達成するために、請求項3に係る発明による多段吸収冷凍機113は、例えば図4に示されるように、冷媒を蒸発させて被冷却媒体を冷却する蒸発器1と;前記蒸発した冷媒を吸収する低圧吸収器2と;低圧吸収器2からの吸収液を加熱して冷媒ガスを発生させて再生し、再生された吸収液を前記低圧吸収器に戻す低圧再生器3と;低圧再生器3で発生した冷媒ガスを吸収する高圧吸収器5と;高圧吸収器5からの吸収液を加熱して冷媒ガスを発生させて再生し、再生された吸収液を高圧吸収器5に戻す高圧再生器4と;高圧再生器4で発生した冷媒ガスを凝縮する凝縮器6と;蒸発器1、低圧吸収器2、高圧吸収器5、高圧再生器4、凝縮器6及び低圧再生器3を一体で収納する缶胴100とを備える。
【0014】
典型的には、凝縮器6は、高圧再生器4で発生した冷媒ガスを凝縮して、凝縮した冷媒液を蒸発器1に送るように構成されている。
【0015】
これは複数サイクル型多段吸収冷凍機であり特に2サイクル型二段吸収冷凍機である。
【0016】
また請求項4に記載のように、請求項1乃至請求項3のいずれか1項に記載の多段吸収冷凍機では、次の構造のうち少なくとも1の構造を有するようにしてもよい。
(A)前記低圧吸収器と前記高圧吸収器を上下に配置して同一缶胴に区画して収納した構造、
(B)前記低圧吸収器と前記高圧吸収器と前記凝縮器を上下に配置して同一缶胴に区画して収納した構造、
(C)前記低圧再生器と前記高圧再生器を上下に配置して同一缶胴に区画して収納した構造。
【0017】
さらに、請求項1乃至請求項3のいずれか1項に記載の多段吸収冷凍機では、または前記(A)(B)(C)の構造のうち少なくとも1の構造を有する上に、次の構造のうち少なくとも1の構造を有するものとしてもよい。
(D)前記低圧吸収器と前記高圧吸収器に冷却媒体を供給する一体流路構造、
(E)前記低圧吸収器と前記高圧吸収器と前記凝縮器に冷却媒体を供給する一体流路構造、
(F)前記低圧再生器と前記高圧再生器に加熱源媒体を供給する一体流路構造。
【0018】
上記目的を達成するために、請求項5に係る発明による冷凍システムは、例えば図1に示されるように、請求項1乃至請求項4のいずれか1項に記載の多段吸収冷凍機111と;多段吸収冷凍機111の低圧再生器3と高圧再生器4に比較的低温の加熱源媒体を供給する熱源供給装置121とを備える。
熱源供給装置は、例えば、コージェネレーションシステムのエンジンなどの冷却排熱、工場化学プロセスの直接排熱や冷却排熱、ボイラーの排ガス、燃料電池の排熱など、比較的低温の排熱を供給する熱源である。
【0019】
このように構成すると、多段吸収冷凍機と該多段吸収冷凍機の低圧再生器3と高圧再生器4に比較的低温の加熱源媒体を供給する熱源供給装置121とを備えるので、比較的低温の利用しにくい熱を利用することができる。
このようにして得られた冷却された被冷却媒体は、冷熱源として、例えば家庭用途、業務用途などの空調、除湿、冷凍などに利用される。
【0020】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態について、図面を参照して説明する。なお、各図において互いに同一あるいは相当する部材には同一符号あるいは類似符号を付し、重複した説明は省略する。
【0021】
図1のフロー図を参照して、本発明の第1の実施の形態である多段吸収冷凍機としての二段吸収冷凍機を説明する。本二段吸収冷凍機111の作業媒体としては、吸収剤と冷媒の組合せが用いられる。二段で構成される本機の各段の溶液サイクルでは、その経済性を考慮し、同一の吸収剤と冷媒を使用する。また各種吸収冷凍機で現在最も広く用いられている、臭化リチウムを吸収剤として、水を冷媒として使用する。しかしながらこれに限らず、例えば水を吸収剤として、アンモニアを冷媒として使用してもよい。
【0022】
本実施の形態の多段吸収冷凍機としての二段吸収冷凍機111は、冷媒としての水を蒸発させて、被冷却媒体としての冷水を冷却する蒸発器1を備える。蒸発器1は伝熱部を有するが、本実施の形態では、伝熱部として伝熱チューブ1Aを採用している(以下、各機器の伝熱部として伝熱チューブを採用した実施の形態では、これを「伝熱チューブ」と呼ぶ)。蒸発器1では、伝熱チューブ1Aの内部を流れる冷水を冷却する。さらに二段吸収冷凍機111は、蒸発器1で蒸発した冷媒を吸収する低圧吸収器2と、低圧吸収器2から送られる吸収液で冷媒ガスを吸収する高圧吸収器5と、高圧吸収器5からの吸収液を加熱して冷媒ガスを発生させる高圧再生器4と、高圧再生器4で発生した冷媒ガスを凝縮して、凝縮した冷媒液を蒸発器1に送る凝縮器6と、高圧再生器4からの吸収液を加熱して冷媒ガスを発生させ、高圧吸収器5に吸収させ、再生された吸収液を低圧吸収器2に戻す低圧再生器3と、蒸発器1、低圧吸収器2、高圧吸収器5、高圧再生器3、凝縮器6及び低圧再生器3を一体で収納する缶胴100とを備える。
【0023】
蒸発器1、低圧吸収器2、高圧吸収器5、低圧再生器3、高圧再生器4、凝縮器6を一体缶胴100の内部に収納することにより、コンパクトで、低コストな構造としている。各機器の作動圧力を考慮し、それぞれ図中、蒸発器1と低圧吸収器2を組み合わせて水平方向右左に配列し、高圧吸収器5と低圧再生器3を組み合わせて水平方向右左に配列し、および高温凝縮器4と凝縮器6を組み合わせて水平方向右左に配列して、前記缶胴100を3つに区画し、これらの区画は鉛直方向に前記の順番で下から上に縦に配列されている。
【0024】
言い換えれば、蒸発器1と高圧吸収器5、高圧吸収器5と凝縮器6、低圧吸収器2と低圧再生器3、低圧再生器3と高圧再生器4は、それぞれ鉛直方向上下に隣接して配置されている。
【0025】
前記3つの区画の各々の間は、隔壁板34Aと隔壁板35Aでしっかりと仕切られている。さらに、これらの隔壁板34A、35Aは上下の機器間の熱損失を少なくするため断熱を考慮した構造や材料を使用するとよい。ここで断熱を考慮した構造とは、例えば2枚の鋼板を間隙をあけて配設した構造である。その間隙中の空気が断熱作用を奏する。また間隙を真空にすればなおよい。また断熱を考慮した材料とは、例えばグラスウール、ロックウール、発泡スチロール等の断熱材である。
【0026】
上記配列の結果、蒸発器1の鉛直方向上方に高圧吸収器5が、高圧吸収器5の鉛直方向上方に凝縮器6が配列され、低圧吸収器2の鉛直方向上方に低圧再生器3が、低圧再生器3の鉛直方向上方に高圧再生器4が配列されることになる。
【0027】
また、蒸発器1と低圧吸収器2、高圧吸収器5と低圧再生器3、および高温凝縮圧再生器4と凝縮器6の各々の各機器間には、適度な高さで機器内液面を仕切る仕切板33、仕切板34、仕切板35がそれぞれ設けられている。さらに、仕切板33、34、35は、これらが仕切っている図中で左右に配置された機器間の熱損失を少なくするため断熱を考慮した構造や材料を使用するとよい。
【0028】
これらの仕切板33、34、35は、鉛直方向上方にそれぞれ空間27、28、29があり、これらが仕切る機器間を連通している。この機器間連通空間としての上部空間は、蒸発器1と低圧吸収器2間では、蒸発器1から吸収器2へ冷媒蒸気が流れ、低圧再生器3と高圧吸収器5間では、低圧再生器3から高圧吸収器5に冷媒蒸気が流れ、高圧再生器4と凝縮器6間では、高圧再生器4から凝縮器6に冷媒蒸気が流れる。これらの空間27、28、29には、後述する第2の実施の形態で採用されているエリミネータ30、エリミネータ31、エリミネータ32をそれぞれの区画に、必要に応じて設けてもよい。
【0029】
本実施の形態の各機器の伝熱部の構造としては、前述の如く、蒸発器1の内部には、伝熱部としての伝熱チューブ1Aが、低圧吸収器2の内部には、伝熱部としての伝熱チューブ2Aが、低圧再生器3の内部には、伝熱部としての伝熱チューブ3Aが、高圧吸収器5の内部には、伝熱部としての伝熱チューブ5Aが、高圧再生器4の内部には、伝熱部としての伝熱チューブ4Aが、凝縮器6の内部には、伝熱部としての伝熱チューブ6Aがそれぞれ設けられている。これらチューブは、典型的にはシェルアンドチューブ型であるが、再生器のように比較的温度の高い部分には、U(ユー)チューブを用いるとよい。
【0030】
伝熱チューブ1A中には被冷却媒体あるいは冷熱源媒体としての冷水が、伝熱チューブ2A中には冷却媒体としての冷却水が、伝熱チューブ3A中には加熱媒体(排熱エネルギー)としての温水が、伝熱チューブ5A中には冷却媒体としての冷却水が、伝熱チューブ4A中には加熱媒体(排熱エネルギー)としての温水が、伝熱チューブ6A中には冷却媒体としての冷却水がそれぞれ流れる。
【0031】
低圧吸収器2の底部には中間濃度溶液が溜まるようになっている。低圧吸収器2の底部から高圧吸収器5に中間濃度溶液を送る中間濃度溶液配管18が敷設され、中間濃度溶液配管18の終端部には、高圧吸収器5の伝熱チューブ5Aに溶液を散布する散布器(スプレーノズル)5Bが設けられている。中間濃度溶液配管18には、低圧側溶液ポンプ9Lが挿入配置されており、低圧吸収器2よりも鉛直方向上方に設置された高圧吸収器5に中間濃度溶液を送るとともに、散布器5Bから中間濃度溶液を圧力で散布するように構成されている。
【0032】
高圧吸収器5の底部には低濃度溶液が溜まるようになっている。高圧吸収器5の底部から高圧再生器4に低濃度溶液を送る低濃度溶液配管19が敷設され、低濃度溶液配管19の終端部には、高圧再生器4の伝熱チューブ4Aに溶液を散布する散布器4Bが設けられている。低濃度溶液配管19には、高圧側溶液ポンプ9Hが挿入配置されており、高圧吸収器5よりも鉛直方向上方に設置された高圧再生器4に低濃度溶液を送るとともに、散布器4Bから低濃度溶液を圧力で散布するように構成されている。
【0033】
高圧再生器4の底部には中間濃度溶液が溜まるようになっている。高圧再生器4の底部から低圧再生器3に中間濃度溶液を送る中間濃度溶液配管20が敷設され、中間濃度溶液配管20の終端部には、低圧再生器3の伝熱チューブ3Aに溶液を散布する散布器3Bが設けられている。低圧再生器3は、高圧再生器4よりも鉛直方向下方に配置されているので、中間濃度濃度溶液配管20にはポンプは備えられていないが、重力と圧力差で溶液は流れる。
【0034】
低圧再生器3の底部には高濃度溶液が溜まるようになっている。低圧再生器3の底部から低圧吸収器2に高濃度溶液を送る高濃度溶液配管21が敷設され、高濃度溶液配管21の終端部には、低圧吸収器2の伝熱チューブ2Aに溶液を散布する散布器2Bが設けられている。低圧吸収器2は、低圧再生器3よりも鉛直方向下方に配置されているので、高濃度濃度溶液配管21にはポンプは備えられていないが、重力と圧力差で溶液は流れる。
【0035】
中間濃度溶液配管18と高濃度濃度溶液配管21の途中には、両配管を流れる溶液間で熱交換をする低温側溶液熱交換器7が設けられている。また、低濃度溶液配管19と中間濃度濃度溶液配管20の途中には、両配管を流れる溶液間で熱交換をする高温側溶液熱交換器8が設けられている。
【0036】
凝縮器6の底部には、凝縮した冷媒液が溜まるようになっている。凝縮器6の底部から蒸発器1に冷媒液を送る冷媒液配管25が敷設され、冷媒液配管25の終端部には、蒸発器1の伝熱チューブ1Aに冷媒液を散布する散布器1Bが設けられている。蒸発器1は、凝縮器6よりも鉛直方向下方に配置されているので、冷媒液配管25にはポンプは備えられていないが、重力と圧力差で冷媒液は流れる。
蒸発器1の底部から伝熱チューブ1Aに冷媒液を散布する散布器1Bに冷媒液を送る冷媒液配管や冷媒液ポンプは設けられていない。冷媒液は伝熱チューブ1Aを流下する間に蒸発してしまうように構成されているので、構造が単純である。
【0037】
さらに図1を参照して、第1の実施の形態の二段吸収冷凍機111の作用を説明する。低圧吸収器2で冷媒蒸気を吸収し希釈された中間濃度吸収溶液(以下吸収溶液は溶液と称する)は、低圧側溶液ポンプ9Lにより中間濃度溶液配管18を介して低温側溶液熱交換器7で予熱された後、高圧吸収器5に流入する。この中間濃度溶液は、高圧吸収器5内の散布器5Bにより伝熱部5Aの外面に散布され、低圧再生器3から連通空間28を介して流入した冷媒蒸気を吸収して低濃度溶液となる。この際に発生する熱は伝熱部5Aに通水された冷却水に排出される。冷却媒体は、本実施の形態では、冷却水としているが、海水、河川水など液体や、空気の如き気体などその他の冷却媒体であってもよい。この場合、後述の図10の実施の形態の各吸収器の構造は、冷却媒体に適した構造に変更する必要がある。例えば、伝熱部5Aの熱交換構造、散布器5Bの散布構造、冷却媒体の入出流路構造などを変更する。
【0038】
一方、低圧再生器3内において、中間濃度溶液は、散布器3Bにより伝熱部3Aの外面に散布され、伝熱部3A内部に通水された低温排熱エネルギーである温水により加熱・濃縮されて高濃度溶液となる。この際に、発生する冷媒蒸気は連通空間28から高圧吸収器5に流入する。排熱エネルギーは、本図では、温水としているが、液体または、排蒸気や排ガスの如き気体の状態にあるその他の加熱媒体を利用して、二段吸収冷凍機に供給してもよい。この場合、後述の図10の実施の形態の各再生器の構造は加熱媒体に適した構造に変更する必要がある。例えば、伝熱部3A、4Aの熱交換構造、散布器3B、4Bの散布構造、加熱媒体の入出流路構造などを変更する。
【0039】
高圧吸収器5で冷媒蒸気を吸収して低濃度となった低濃度溶液は、高圧側溶液ポンプ9Hにより低濃度溶液配管19を介して高温側溶液熱交換器8で予熱されて高圧再生器4に流入する。この低濃度溶液は、高圧再生器4内の散布器4Bにより伝熱部4Aの外面に散布され、伝熱部4A内部に通水された(低温)排熱エネルギーである温水により加熱・濃縮されて中間濃度溶液となる。この際に、発生する冷媒蒸気は連通空間29から凝縮器6に流入する。高圧吸収器5で冷媒蒸気を放出して高濃度となった中間濃度溶液は、中間濃度溶液配管20を介して、高温側溶液熱交換器8で、前述の如く、もう一方の中間濃度溶液を予熱し、即ち、自分自身は冷却されて、低圧再生器3に流入する。この中間濃度溶液は、散布器3Bにより伝熱部3Aの外面に散布され、伝熱部3A内部に通水された(低温)排熱エネルギーである温水により加熱・濃縮されて高濃度溶液となる。
【0040】
この高濃度溶液は、高濃度溶液配管21を介して、低温側溶液熱交換器7で、もう一方の中間濃度溶液を予熱し、即ち、自分自身は冷却されて、低圧吸収器2に流入する。この高濃度溶液は、散布器2Bにより伝熱部2Aの外面に散布され、蒸発器1から連通空間27を介して流入した冷媒蒸気を吸収して中間濃度溶液となる。この際に発生する熱は伝熱部2Aに通水された冷却水に排出される。低圧吸収器2で冷媒蒸気を吸収し希釈された中間濃度溶液は、再び低圧側溶液ポンプ9Lにより中間濃度溶液配管18を介して溶液循環サイクルを繰返す。
【0041】
以上のように、吸収溶液は、低圧吸収器2、低温側溶液熱交換器7、高圧吸収器5、高温側溶液熱交換器8、高圧再生器4、高温側溶液熱交換器8、低圧再生器3、低温側溶液熱交換器7、低圧吸収器2を、低圧側溶液ポンプ9L、高圧側溶液ポンプ9Hおよび機器間の差圧および位置の高低差により循環を繰返している。
【0042】
一方、冷媒循環サイクルとしては、凝縮器6から冷媒液配管25を介して蒸発器1に送られた冷媒液は、散布器1Bにより伝熱部1Aの外面に散布され、伝熱部1A内部に通水された冷熱源媒体としての冷水から熱を奪って蒸発する。蒸発した冷媒は、連通空間27を介して低圧吸収器2に流入し、吸収液に吸収されて溶液循環サイクルに入る。この際、冷水は熱を奪われるので、低温の冷熱源となり、需要先に供給される。このように、凝縮器6からの冷媒液を直接に散布器1Bを介して伝熱部1Aの外面に散布する。散布器1Bは、この冷媒循環量で伝熱面1Aの外面に均一な濡れ面が得られる様に、構造上の配慮がされている。この方式のため、後述のような冷媒ポンプ10と冷媒液配管24が不要となる。したがって、構造が単純となりコストも低減される。冷熱源となる媒体は、本実施の形態では、冷水としているが、ブラインなど液体や、空気の如く気体などであってもよい。この場合、蒸発器の構造は、冷熱源媒体に適した構造に変更する。例えば、伝熱部1Aの熱交換構造、散布器1Bの散布構造、冷熱媒体の入出流路構造などを変更する。
【0043】
溶液循環サイクルで液状態で吸収液に同伴する冷媒は、低圧再生器3と高圧吸収器5間で一度冷媒蒸気となるが、高圧吸収器5で再び溶液循環サイクルに入り液状となる。溶液循環サイクルの吸収液は、高圧再生器4で伝熱部4Aにより加熱され冷媒蒸気を発生する。発生した冷媒蒸気は、冷媒循環サイクルに入る。冷媒蒸気は、高圧再生器4から連通空間29を介して凝縮器6に流入し、伝熱チューブ6A内部に通水された冷却媒体としての冷却水に熱を奪われて凝縮して液冷媒となる。この液冷媒は、冷媒液配管25を介して蒸発器1に入り、冷媒循環サイクルを繰り返す。冷却媒体は、本実施の形態では、冷却水としているが、海水、河川水など液体や、空気の如き気体などの冷却媒体であってもよい。この場合、図10の実施の形態の各吸収器の構造は、冷却媒体に適した構造に変更する必要がある。
【0044】
以上説明した第1の実施の形態の二段吸収冷凍機は、蒸発器へ冷媒液を散布する冷媒ポンプを設けないことにより低コスト化とコンパクト化を図っている。 また本実施の形態では、一体缶胴100は、矩形断面の形状としているが、強度などの関係から、コンパクトさを保つ範囲内で、小判形や楕円形など形状として缶胴の板厚を薄くするとよい。
【0045】
図2を参照して第2の実施の形態を説明する。第1の実施の形態では、機器の作動圧力を考慮し、蒸発器1と低圧吸収器2、高圧吸収器5と低圧再生器3、および高温再生器4と凝縮器6の三つの区画に仕切ったが、本実施の形態の二段吸収冷凍機112では、蒸発器1と低圧吸収器2を収納する缶胴201、高圧吸収器5と低圧再生器3を収納する缶胴202および高温再生器4と凝縮器6を収納する缶胴203の三つの缶胴に機器を配置した構造としている。この構造を採用した上で、輸送・搬入後に第1の実施の形態に近い、一体形状として使用に供する場合を示す。本実施の形態は、輸送・搬入を考慮して、中大容量の二段吸収冷凍機に採用し、コンパクトで、低コストな装置とする場合に適する。
【0046】
不図示であるが、缶胴201と缶胴202とを組合せて、又は缶胴202と缶胴203とを組み合わせて、又は缶胴201と缶胴203を組み合わせて一つの缶胴に収納して、図1の実施の形態で示した隔壁板34A、35Aの如く、同様の機能を有する隔壁板で仕切ることも可能である。輸送、搬入に支障を生じることなくこのようにできるときは、図2の第2の実施の形態と比較して、さらにコンパクトで低コストな二段吸収冷凍機となる。最終的には、缶胴201と缶胴202と缶胴203を一体化して1つの缶胴に収納した構造とする。
【0047】
これらの連通空間27、28、29には、それぞれエリミネータ30、31、32が設けられている。エリミネータ30は、蒸発器1から吸収器2へ冷媒液滴の同伴および吸収器2から蒸発器への溶液の混入を防止するためのものである。エリミネータ31は、低圧再生器3と高圧吸収器5間での液滴の同伴を防止するためのものである。エリミネータ32は、高圧再生器4から凝縮器6へ溶液の液滴の同伴を防止するためのものである。これらのエリミネータの採用により、より効率の高い運転が可能となる。
【0048】
また、蒸発器1の底部には冷媒液が溜まるようになっており、この底部からの冷媒液を散布器1Bに送る冷媒液配管24とこの配管に挿入配置された冷媒ポンプ10を備える。冷媒液は、冷媒ポンプ10により冷媒液配管24を介して、散布器1Bにより伝熱部1Aの外面に散布され、伝熱部1A内部に通水された冷水から熱を奪って蒸発し、連通空間27を介して低圧吸収器2に流入する。このように構成すると、冷媒液が伝熱部1Aで完全に蒸発しなくても繰り返し伝熱部1Aに散布することができるので冷媒液の蒸発を完全に行わせることができる。
【0049】
必要な冷凍容量に合せ、かつ輸送・搬入条件を考慮し、最もコンパクトで低コストな構造・構成の缶胴を組合せた装置を選択し、最適な、即ち輸送・搬入が容易で、且つさらにコンパクトで低コストな装置にすることが、本発明の他の目的である。更に、図2の第2の実施の形態で缶胴201と缶胴202、缶胴202と缶胴203を重ねて一体構造とする場合に、それぞれの缶胴内の左右機器の温度が異なるので、接する機器間の伝熱による熱損失が発生する。本発明の他の目的として、これらの缶胴間に隙間を設け、この部分を気密構造として、内部を真空として熱損失を防止する。別の方法としては、これらの缶胴の互い接する部分に、接触部に適した異なる断熱材を挿入し機器間の熱損失を防止することもできる。
【0050】
第2の実施の形態では、缶胴201、缶胴202および缶胴203は、矩形断面の形状としているが、強度など関係から、小判形や楕円形など形状として缶胴の板厚を薄くすることも、コンパクトさを保つ範囲で可能である。
【0051】
図1、図2の実施の形態の二段吸収冷凍機における溶液サイクルを、吸収溶液のデューリング線図上に示すと、図3に示す様なサイクル線図となる。点A1−点A2は、低圧吸収器2での高濃度溶液が、圧力PEで冷媒蒸気を吸収するプロセス、点A5−点A6は、加熱媒体である温水などで加熱され高圧再生器4で低濃度溶液が圧力PCで冷媒蒸気を発生して中間濃度溶液に濃縮されるプロセス、点A7−点A8は、この中間濃度溶液を加熱媒体である温水などで加熱し、低圧再生器3で冷媒蒸気を発生して濃溶液に濃縮させるプロセスを示している。加熱する加熱媒体である温水などが比較的に低温で点A8および点A6の溶液温度THまでしか加熱できないため、単段では目的の濃度まで濃縮できない。したがって、図のサイクルの如く、低温段サイクル部と高温段サイクル部に別れて、二段のサイクルとなって吸収溶液を濃縮している。
【0052】
点A2−点A3は、ポンプ9Lで昇圧されて高圧吸収器5に送られるプロセスを示す。濃度が一定で圧力が上昇している。また点A8−点A1の溶液と熱交換器7で熱交換して予熱されるので温度も上昇している。
点A3−点A4は、高圧吸収器5での中間濃度溶液が冷媒を吸収するプロセスであり、点A4−点A5は、ポンプ9Hで昇圧されて低濃度溶液が高圧再生器4に送られるプロセスを示す。濃度が一定で圧力が上昇している。また点A6−点A7の溶液と熱交換器8で熱交換して予熱されるので温度も上昇している。
点A5−点A6が中間濃度溶液に濃縮されるプロセスであるのは先に説明した通りである。
点A6−点A7は、圧力差と高度差により中間濃度溶液が低圧再生器3に送られるプロセスを示す。濃度が一定で圧力が降下している。また先に説明したように、点A4−点A5の溶液と熱交換器8で熱交換して冷却されるので温度も降下している。
点A7−点A8は、加熱媒体である温水などで加熱され低圧再生器3で中間濃度溶液が冷媒蒸気を発生して高濃度溶液に濃縮されるプロセスである。
点A8−点A1は、圧力差と高度差により高濃度溶液が低圧吸収器2に送られるプロセスを示す。濃度が一定で圧力が降下している。また先に説明したように、点A2−点A3の溶液と熱交換器7で熱交換して冷却されるので温度も降下している。そして点A1−点A2のプロセスに戻る。
また、本実施の形態では、後述の図5の溶液サイクルと違って、溶液サイクルは一つのサイクルとなっている。
【0053】
図3および図5のデューリング線図に示される如く、吸収冷凍機の吸収・再生のサイクルは、吸着冷凍装置の如く、吸着・再生プロセスを交互に切替える二つのユニットのバッチ運転ではなく、連続的にスムーズに吸収と再生(濃縮)の循環サイクルを繰返す。このため、吸着冷凍装置の様な切替に伴う熱損失、即ち効率の低下、および冷熱源の温度の変動もなく、従って、冷熱源の蓄熱槽を必要とせずに、高効率で安定な性能の冷凍装置を、今まで利用が少ない比較的低温の排熱エネルギーを有効活用し、経済的に冷熱源の製造を可能とする。
【0054】
図4を参照して、第3の実施の形態を説明する。本実施の形態の二段吸収冷凍機113は、構成する機器は、第1の実施の形態と同様であるが、吸収溶液の循環が一部で異なり、この吸収溶液サイクルを吸収溶液のデューリング線図上に示すと、図5に示す如く、高温段サイクルと低温段サイクルは、別のそれぞれ一つの循環サイクルとなる。
【0055】
図1と図4の実施の形態の差異は、低圧再生器3と高圧吸収器5で散布される溶液が反対になっている点である。即ち、図4の第3の実施の形態では、高圧再生器4からの中間濃度溶液を高圧吸収器5に散布し、低圧吸収器2からの中間濃度溶液は、低圧再生器3に散布されている。
図5のサイクルは、第3の実施の形態のサイクルであるが、この方が二段のサイクルがはっきりと分離しているので、理解し易い吸収溶液サイクルである。性能的には、このサイクルは、図3のサイクルと同様の効果と特長を発揮できる。
【0056】
本発明では、図1、図2、図4に示す第1、第2、第3の実施の形態の二段吸収冷凍機に見られるように、主要構成機器である蒸発器1、低圧吸収器2、低圧再生器3、高圧吸収器5、高圧再生器4および凝縮器6の相互の配置に注目している。これらの機器に供給される冷熱源媒体である冷水などの媒体、冷却媒体である冷却水などの媒体、比較的低温の加熱媒体である温水などの媒体を、二段吸収冷凍機に供給する直前の敷設流路に関係し、さらに、前記の主要構成機器の伝熱部における各媒体の受入れ流路部の形状にも関係して、コンパクトで低コストとなる様に、その配置、構成および構造とする。
【0057】
二段吸収冷凍機には、原理的に少なくとも6つの機器(蒸発器1、低圧吸収器2、低圧再生器3、高圧吸収器5、高圧再生器4および凝縮器6)と3つ媒体(加熱源媒体、冷熱源媒体および冷却媒体)の往復流路が必要である。これらは特に往復流路が交錯するので、これらの関係をすっきりとした流路関係を構成することは、二段吸収冷凍機の本体および設置において、コンパクトで経済的なものとするために重要なことである。これまでに説明した図1、図2、図4に示した実施の形態でも、本発明の他の目的である上述した六つの機器の構成配置、構造、および三つの媒体の往復流路を、コンパクトで経済性なものとする様に考慮している。
【0058】
図6を参照して第4の実施の形態を説明する。本実施の形態は、図1、図2、図4の第1〜第3の実施の形態を、さらに良いものとするために、第1の実施の形態の構成を一部変えて、6つの機器と3つの媒体の往復流路をさらにシンプルにする機器配置とした二段吸収冷凍機である。
【0059】
即ち、本実施の形態は、第1の実施の形態の蒸発器1と低圧吸収器2の配置を冷却媒体の流路のシンプル化を考慮して、図中で右左入れ替えた配置となっている。
その結果、蒸発器1の鉛直方向上方に低圧再生器3が、低圧再生器3の鉛直方向上方に高圧再生器4が配列され、低圧吸収器2の鉛直方向上方に高圧吸収器5が、高圧吸収器5の鉛直方向上方に凝縮器6が配列されることになる。
言い換えれば、蒸発器1と低圧再生器3、低圧再生器3と高圧再生器4、低圧吸収器2と高圧吸収器5、高圧吸収器5と凝縮器6とは、それぞれ鉛直方向上下に隣接して配置されている。
【0060】
図7の斜視図を参照して、図1で説明した第1の実施の形態の3つの媒体の往復流路の流入側の配列を説明する。本図に示すように、第1の実施の形態の二段吸収冷凍機111では、3つの媒体の往復流路の流入側は、一体缶胴100の図中向って左側、即ち手前側の面に4つの流入路が集中したものとなっている。4つの流入路は、蒸発器用冷熱源媒体(冷水)、高圧吸収器と凝縮器用冷却媒体(冷却水)、低圧吸収器用冷却媒体(冷却水)、低圧再生器と高圧再生器用加熱源媒体(温水)用である。
【0061】
本実施の形態では、流出路側が図示されていないが、流出路側がすべて一体缶胴100の手前側とすると、8つの流出入路の配置が必要となる。但し、各機器の伝熱部の機能形状により、例えば、伝熱部がシェルアンドチューブを採用している場合は、1パス等の奇数パスとすれば、チューブに直角な方向の正面から見て一体缶胴100の向って右側の面を、各機器の媒体の流出路とすることが可能である。このときは、8つの流出入路は(左右)両面に分散して配置することができる。
【0062】
図8の斜視図を参照して、図6で説明した第4の実施の形態の3つの媒体の往復流路の流入側の配列を説明する。本図に示すように、3つの媒体は3つの流入路となり、さらにコンパクトな配置、構成、および構造のものとなる。3つの流入路は、蒸発器用冷熱源媒体(冷水)、低圧再生器と高圧再生器用加熱源媒体(温水)、低圧吸収器と高圧吸収器と凝縮器用冷却媒体(冷却水)である。
【0063】
図9の斜視図を参照して、第4の実施の形態の3つの媒体の往復流路の流入側について図8とは別の配列を説明する。この配列は、冷却媒体である冷却水を温度条件によって低圧吸収器2に最初に通水し、その後で高圧吸収器5と凝縮器6に通水する場合を示す。加熱源媒体についても温度条件によっては、並列通水でなく直列に通水するようにしてもよい。この場合も、3つの媒体はかなりシンプルな3つの流入路とすることができる。この例では、冷却媒体(冷却水)は、先ず偶数パス(例えば2パス)で低圧吸収器2に流入・流出させ、流出側を高圧吸収器5と凝縮器6に並列に流入させる。
【0064】
図10を参照して、図8で説明した流入部のさらに具体的な構造を説明する。本実施の形態は、該当機器の伝熱部にシェルアンドチューブを採用し、且つ冷熱源媒体が冷水、冷却媒体が冷却水、および加熱源媒体が温水の場合で、且つ伝熱チューブ内を1パスで通過する場合の構造である。媒体流路と機器の流入部をこのように構成することにより、シンプルで、且つ低コストな二段吸収冷凍器を提供する。
【0065】
本図には、図6および図8に示した実施の形態の一体缶胴100は、一体缶胴100の胴体300と、不図示のもう一方の片面(右側)と合わせて一対の胴体チューブプレートのうちで、向って左側の胴体チューブプレート301で形成された構造部のみを示している。
【0066】
図6の低圧吸収器2、高圧吸収器5および凝縮器6に相当するそれぞれの伝熱部の入口側には、図10では、冷却水入口ヘッダー302が設けられ、冷却水入口ヘッダー302に設けられた冷却水入口ノズル305からの冷却水は、このヘッダー302内でそれぞれの伝熱チューブ群に分配され流入する。不図示の右側の胴体チューブプレートも同様の構造の冷却水出口ヘッダーを有している。本実施の形態は1パスの場合であり、不図示の右側の胴体チューブプレートの冷却水出口ノズルから流出することになる。
【0067】
低圧吸収器2、高圧吸収器5、凝縮器6が隣接して、特に上下方向に隣接して配列されているので、このような構成が可能となる。
【0068】
図6の蒸発器1に相当する部分では、冷水入口ヘッダー303と冷水入口ノズル307が設けられている。また、低圧再生器3と高圧再生器4に相当する部分では、温水入口ヘッダー304と温水入口ノズル306が同様に設けられている。低圧再生器3と高圧再生器4が隣接して、特に上下方向に隣接して配列されているので、このような構成が可能となる。
【0069】
図10で代表されるように、本発明の実施の形態によれば、構成する機器の配置は二段吸収冷凍機の本体の各媒体の流入部をコンパクトでシンプルな構造にするだけでなく、3つの媒体の流出入流路(配管)をもコンパクトでシンプルな流路とすることが可能となる。
【0070】
冷媒サイクルをよく観察すると、冷媒液は、蒸発器1で蒸発後、吸収溶液に吸収され、溶液循環サイクルに液体状態で同伴し、低圧再生器3と高圧吸収器5間で、一度、冷媒蒸気となるが、再び溶液循環サイクルに液体状態で同伴し、高圧再生器4で冷媒蒸気となり、凝縮器6で冷媒液になり、蒸発器1に戻る循環を繰返していることになる。二段吸収冷凍機は、低温の排熱を加熱源に利用するために、理論的に比較的効率が低くかつ大型となる。したがって、図11に示すような従来の機器構成では、大容量の大型二段吸収冷凍機の場合、輸送・搬入などの制限から機器を分割が必要な場合に採用可能な構造であるが、全体として高価で大型となり実用性はない。このため、二段吸収冷凍機は、コンパクトで、低コストな装置とする必要が特にある。以上の実施の形態の二段吸収冷凍機は、この目的を達成することができる。
【0071】
以上説明したように、本発明の実施の形態では、蒸発器、低圧吸収器、高圧吸収器、低圧再生器、高圧再生器、および凝縮器の機能を一つの缶胴内に区画して収納することにより製造することができるが、複数の缶胴に区画して収納し且つ当該複数の缶胴を一体化した構造とすることにより製造してもよい。
【0072】
本発明の実施の形態の二段吸収冷凍機では、低圧吸収器、低圧側溶液熱交換器、低圧再生器、低圧側溶液熱交換器、低圧吸収器を循環する溶液サイクルと、高圧吸収器、高圧側溶液熱交換器、高圧再生器、高圧側溶液熱交換器、高圧吸収器を循環する溶液サイクル、即ち2つの別々のサイクルを備えるようにしてもよいし、低圧吸収器、低圧側溶液熱交換器、高圧吸収器器、高圧側溶液熱交換器、高圧再生器、高圧側溶液熱交換器、低圧再生器、低圧側溶液熱交換器、低圧吸収器を循環する1つの溶液サイクルを備えるようにしてもよい。
【0073】
本発明の実施の形態の二段吸収冷凍機では、低圧吸収器と高圧吸収器、または低圧吸収器と高圧吸収器と凝縮器、およびまたは、低圧再生器と高圧再生器をそれぞれ上下に配置して同一缶胴に区画して収納した構造を備えるようにしてもよい。
また、低圧吸収器と高圧吸収器、または低圧吸収器と高圧吸収器と凝縮器に冷却媒体を供給する一体流路構造、およびまたは、低圧再生器と高圧再生器に加熱源媒体を供給する一体流路構造を備えるようにしてもよい。
【0074】
図1を参照して、本発明の実施の形態の冷凍システムを説明する。先に説明した二段吸収冷凍機111と、これに排熱エネルギーとしての温水を供給する熱源供給装置としての工場121を備える。工場121は化学プロセスがあり、50〜60℃程度の比較的低温の温水が排出される。
熱源供給装置からの排熱は、工場の化学プロセスからの温水に限らず、コージェネレーションシステムのエンジンなどの冷却排熱、工場化学プロセスの直接排熱や冷却排熱、ボイラーの排ガス、燃料電池の排熱などであってもよい。いわゆる比較的低温の排熱であればよく、この排熱を、当該二段吸収冷凍機の加熱源とし、得られた冷熱源を家庭用途、業務用途などの空調、除湿、冷凍などに利用する方法を実現することができる。
【0075】
【発明の効果】
以上のように本発明によれば、蒸発器、低圧吸収器、高圧吸収器、低圧再生器、高圧再生器、および凝縮器の機能を、区画して一体で収納する缶胴を備えるので、コンパクトで単純な構造の多段吸収冷凍機を提供することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施の形態である二段吸収冷凍機の模式的構造図である。
【図2】本発明の第2の実施の形態である二段吸収冷凍機の模式的構造図である。
【図3】図1に示す二段吸収冷凍機のデューリング線図である。
【図4】本発明の第3の実施の形態である二段吸収冷凍機の模式的構造図である。
【図5】図4に示す二段吸収冷凍機のデューリング線図である。
【図6】本発明の第4の実施の形態である二段吸収冷凍機の模式的構造図である。
【図7】第1の実施の形態の3つの媒体の往復流路の流入側の配列を説明する斜視図である。
【図8】第4の実施の形態の3つの媒体の往復流路の流入側の配列を説明する斜視図である。
【図9】第4の実施の形態の3つの媒体の往復流路の流入側の別の配列を説明する斜視図である。
【図10】図8で説明した流入部のさらに具体的な構造を説明する斜視図である。
【図11】従来の二段吸収冷凍機の模式的構造図である。
【符号の説明】
1 蒸発器
2 低圧吸収器
3 低圧再生器
4 高圧再生器
5 高圧吸収器
6 凝縮器
7 低温側溶液熱交換器
8 高温側溶液熱交換器
9L 低圧側溶液ポンプ
9H 高圧側溶液ポンプ
100 缶胴
Claims (5)
- 蒸発器、低圧吸収器、高圧吸収器、低圧再生器、高圧再生器及び凝縮器の機能を備えた多段吸収冷凍機において;
蒸発器、低圧吸収器、高圧吸収器、低圧再生器、高圧再生器、および凝縮器の機能を、区画して一体で収納する缶胴を備える;
多段吸収冷凍機。 - 冷媒を蒸発させて被冷却媒体を冷却する蒸発器と;
前記蒸発した冷媒を吸収する低圧吸収器と;
前記低圧吸収器から送られる吸収液で冷媒ガスを吸収する高圧吸収器と;
前記高圧吸収器からの吸収液を加熱して冷媒ガスを発生させる高圧再生器と;
前記高圧再生器で発生した冷媒ガスを凝縮する凝縮器と;
前記高圧再生器からの吸収液を加熱して冷媒ガスを発生させ、前記高圧吸収器に吸収させる低圧再生器と;
前記蒸発器、低圧吸収器、高圧吸収器、高圧再生器、凝縮器及び低圧再生器を一体で収納する缶胴とを備える;
多段吸収冷凍機。 - 冷媒を蒸発させて被冷却媒体を冷却する蒸発器と;
前記蒸発した冷媒を吸収する低圧吸収器と;
前記低圧吸収器からの吸収液を加熱して冷媒ガスを発生させて再生し、再生された吸収液を前記低圧吸収器に戻す低圧再生器と;
前記低圧再生器で発生した冷媒ガスを吸収する高圧吸収器と;
前記高圧吸収器からの吸収液を加熱して冷媒ガスを発生させて再生し、再生された吸収液を前記高圧吸収器に戻す高圧再生器と;
前記高圧再生器で発生した冷媒ガスを凝縮する凝縮器と;
前記蒸発器、低圧吸収器、高圧吸収器、高圧再生器、凝縮器及び低圧再生器を一体で収納する缶胴とを備える;
多段吸収冷凍機。 - 次の構造のうち少なくとも1の構造を有する請求項1乃至請求項3のいずれか1項に記載の多段吸収冷凍機。
(A)前記低圧吸収器と前記高圧吸収器を上下に配置して同一缶胴に区画して収納した構造、
(B)前記低圧吸収器と前記高圧吸収器と前記凝縮器を上下に配置して同一缶胴に区画して収納した構造、
(C)前記低圧再生器と前記高圧再生器を上下に配置して同一缶胴に区画して収納した構造。 - 請求項1乃至請求項4のいずれか1項に記載の多段吸収冷凍機と;
前記多段吸収冷凍機の前記低圧再生器と前記高圧再生器に比較的低温の加熱源媒体を供給する熱源供給装置とを備える;
冷凍システム。
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Cited By (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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JP2016099094A (ja) * | 2014-11-26 | 2016-05-30 | 日立アプライアンス株式会社 | 吸収式冷凍機 |
JP2016173196A (ja) * | 2015-03-17 | 2016-09-29 | 日立アプライアンス株式会社 | 吸収式冷凍機 |
JP2017072360A (ja) * | 2015-10-07 | 2017-04-13 | 荏原冷熱システム株式会社 | 吸収ヒートポンプ |
KR20230043453A (ko) * | 2021-09-24 | 2023-03-31 | 고려대학교 산학협력단 | 흡수식 에너지 저장 및 냉난방 동시 활용 시스템 |
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2002
- 2002-10-24 JP JP2002309961A patent/JP2004144394A/ja not_active Withdrawn
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