JP3745090B2 - ツインコンベヤにおける運搬物の中間排出システム - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は急傾斜輸送に供されるツインコンベヤにおける運搬物の中間排出システムの改良に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来より、汎用のトラフコンベヤにおいてはトリッパ−構造を用いて運搬物の中間排出位置を水平長さ方向に変化させることは行われていたが、ツインコンベヤのように主ベルトと従ベルトが一対となって急傾斜面(或いは垂直)に被運搬物を輸送するタイプのコンベヤにあっては運搬物の中間排出システムは見当らない。
【0003】
このため、例えばダム建設等の土木工事によって、ダムの打設面の上昇に伴って打設面へ供給しなくてはならない運搬物の排出にあっては、ダムの打設面の上昇に伴ってその都度コンベヤベルト位置を上昇させて運搬物を供給することが行われていた。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
特にツインコンベヤにあっては上記のような課題があり、多大の手間とコストがかかっていた。
本発明は上記従来技術の欠点を改良し、ツインコンベヤを用いて運搬物を輸送するに際してコンベヤの中間部位で排出可能なツインコンベヤ装置を提供することを課題とするものである。
【0005】
【課題を解決するための手段】
本発明は以上の課題を解決するためになされたものであって、その要旨は、運搬物を搬送するための主ベルトと、これに追従し、主ベルト上に載置された運搬物の上から押圧力を加えて保持するようにした従ベルトとからなる急傾斜搬送用ツインコンベヤにおいて、運搬物をベルトテ−ル部とベルトヘッド部との中間で排出するためのトリッパ−手段を備えたことを特徴とするツインコンベヤにおける運搬物の中間排出システムにかかるものである。
【0006】
【発明の実施の形態】
本発明は以上の通り急傾斜搬送用ツインコンベヤにあって、ベルトテ−ル部とベルトヘッド部との中間で運搬物を排出するためのトリッパ−手段を備えたものであり、このことにより、例えばダム建設等の土木工事によって、ダムの打設面の上昇に伴って順次打設面へ供給する運搬物をその都度コンベヤベルト位置を上昇させる作業を要せずに供給することができることとなった。
【0007】
そして、本発明では、上記トリッパー手段が、ベルトテール部とベルトヘッド部との間を移動し、運搬物の排出位置を変えられるシステムであり、これに伴って主ベルトと従ベルトとの構成は夫々特殊な構成が考えられる。
【0008】
その一つとしては、移動トリッパ−構造内に主ベルト及び従ベルト用のトリッパ−プ−リ−とベンドプ−リ−を配し、運搬物をトリッパ−内のシュ−トに中間排出した後、主ベルト、従ベルトは再度運搬側を覆い被せた状態に戻り、ベルトヘッド部まで走行するシステムである。
【0009】
その二つ目は、移動トリッパ−構造内に主ベルトのトリッパ−プ−リ−、ベンドプ−リ−を配し、従ベルトのヘッドプ−リ−を配し、運搬物をトリッパ−内のシュ−トに中間排出した後、主ベルトは単独でヘッドプ−リ−まで走行し、従ベルトはテ−ル方向へリタ−ンするシステムである。この場合、変化する従ベルトの必要長さを確保するため、ベルトテ−ル部に従ベルトの余裕長さ分の走行スパンのためのストレ−ジ手段を設けるものである。
【0010】
そして、トリッパ−手段が、ベルトテ−ル部とベルトヘッド部との間を移動し、運搬物の排出位置を変えられる移動トリッパ−構造とした際、このトリッパ−手段に対し運搬物をツインコンベヤの側方へ排出するためのウィングコンベヤを設け、当該ウィングコンベヤは伏仰・旋回の機能備えて、排出点を変化させ得るようにすることによって運搬物の中間排出部位を更に好ましい部位に変更することができる。
【0011】
更に、トリッパ−手段が、ベルトテ−ル部とベルトヘッド部との間を移動し、運搬物の排出位置を変えられる移動トリッパ−構造とした際、このトリッパ−手段の前方或いは後方にトリッパ−が上下へ移動する際のトッパ−前方のコンベヤフレ−ム・ロ−ラ等の取付取り外し作業を行うための揚重機器と作業デッキとを備えるツインコンベヤにおける運搬物の中間排出システムとするべきである。
【0012】
更に又、好ましくは当該ツインコンベヤの側方にメンテナンス用機器運搬台車を配し、この台車をコンベヤ側方のレ−ルに沿い上下させる機能を付加することにより、例えばメンテナンス時の便に供することが可能となったものである。
【0013】
【実施例】
以下、本発明のツインコンベヤにおける運搬物の中間排出システムの具体例を図面をもって更に詳細に説明する。
図1は一般の急傾斜輸送用ツインコンベヤを示す側面図である。図中、1は主ベルトであり、2は従ベルトである。主ベルト1は主ベルトテ−ルプ−リ−3と主ベルトヘッドプ−リ−4との間を走行するものであり、主ベルトテ−ルプ−リ−3側において運搬物投入シュ−ト5より運搬物が主ベルト1上に投入載置される。一方、従ベルト2は従ベルトテ−ルプ−リ−6と従ベルトヘッドプ−リ−7間を走行し、従ベルト2は運搬物を挟んで主ベルト1上に沿って走行する。そして、主ベルト1及び従ベルト2は各ロ−ラ8、9に沿って回動走行し、主ベルトヘッドプ−リ−4より運搬物を排出するシステムである。図中、81 、91 はテ−クアッププ−リ−であり、主ベルト1及び従ベルト2を一定の張力をかけて走行させる構造となっている。
【0014】
さて、図2は本発明の第1例を示す急傾斜輸送用ツインコンベヤを示す側面図である。この例は主ベルト1の走行途中に運搬物を間で排出するためのトリッパ−手段30を備えたものである。図中、31は中間排出シュ−トであり、このシュ−ト31に対して主ベルトトリッパ−プ−リ−32及びベンドプ−リ−80 を備えて主ベルト1を中間排出シュ−ト31内にて反転させるものである。一方、従ベルト2はこの中間排出シュ−ト31に従ベルトヘッドプ−リ−7を備え、従ベルト2はここで反転走行させるものである。
尚、従ベルト2は従ベルトヘッドプ−リ−7を図1に示すように主ベルトヘッドプ−リ−4と対向する位置に備えることができることは勿論である。
【0015】
図3は図2の更に具体的な例を示す部分側面図であり、図4は図3に組み込まれて用いられるウイングコンベヤの平面図である。このウイングコンベヤ21は図3のA−A線に備えられるものであり、中間排出シュ−ト31から搬送物の供給を受け所定の位置までこれを搬送するものであり、伏仰・旋回の機能を備えて搬送物の排出位置を変化させるようにするのがよい。図中、符号22はトリッパ−手段を傾斜面に沿って移動させるためのウインチであり、23は点検デッキ、24はタ−ンテ−ブル、25はレ−ルである。
【0016】
図5は本発明の第2例を示す急傾斜輸送用ツインコンベヤを示す側面図であって、トリッパ−手段30を主ベルト1の傾斜面40に沿って移動可能とされた例である。 図中、トリッパ−手段30が傾斜面40に設置されたレ−ル(図示せず)上を車輪41によって走行可能としたものであり、このシステムを採用することにより主ベルト1のどの位置にでも運搬物を排出することが可能となったものである。主ベルト1は図2と同様な機構である。一方、従ベルト2は前項の後段にて示す機構のものであって、従ベルト2は従ベルトヘッドプ−リ−7は上方に伸びており、トリッパ−手段30に備えた従ベルトベンドプ−リ−90 にて従ベルト2が上方に走行するようにされている。
【0017】
図6は本発明の第3例を示す急傾斜輸送用ツインコンベヤを示す側面図であって、トリッパ−手段30を図5と同様にベルトの傾斜面40に沿って移動可能とされた例である。そして、従ベルト2の構造は図2に示すように従ベルトヘッドプ−リ−7は移動可能とされた中間排出シュ−ト31に備えたものである。しかるに、従ベルト2は主ベルト1の主ベルトヘッドプ−リ−4にまで伸びることとなるが、このため、従ベルト2のテ−ル側には従ベルトストレ−ジ手段50が備えられている。そして、従ベルト2は従ベルトストレ−ジ手段50に備えられた各プ−リ−511 に巻き掛けされており、これによって従ベルト2の伸縮が可能となったものである。
【0018】
図7は本発明の第4例を示す急傾斜輸送用ツインコンベヤを示す側面図であって、トリッパ−手段30を図5と同様にベルトの傾斜面に沿って移動可能とされた例である。そして、主ベルト1の構造としては主ベルトヘッドプ−リ−4は移動可能とされた中間排出シュ−ト31に備えたもので、主ベルト1はここで反転して主テ−ルプ−リ−3に向かって反転走行することになる。一方、従ベルト2は従ベルトヘッドプ−リ−7にまで伸びている。即ち、この発明においては、主ベルト1は従ベルト2のヘッドプ−リ−7部位にまで伸びることとなるが、このため、主ベルト1のテ−ル側には主ベルトストレ−ジ手段60が備えられている。そして、主ベルト1は主ベルトストレ−ジ手段60に備えられた各プ−リ−611 に巻き掛けされており、これによって主ベルト1の伸縮が可能となったものである。
【0019】
尚、移動するトリッパ−手段の前方又は後方に、トリッパ−が上下へ移動する際のトッパ−前方のコンベヤフレ−ム・ロ−ラ等の取付取り外し作業を行うための揚重機器と作業デッキとを備えるのがよい。
【0020】
又、できることならば、当該ツインコンベヤの側方にメンテナンス用機器運搬台車を配し、この台車をコンベヤ側方のレ−ルに沿い上下させる機能を付加することにより、例えばメンテナンス時の便に供することが可能となる。
【0021】
【発明の効果】
本発明は以上の構成を有するものであって、ツインコンベヤの中間にて運搬物を排出できることとなったものであり、その工業的価値は著しい。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は一般の急傾斜輸送用ツインコンベヤを示す側面図である。
【図2】図2は本発明の急傾斜輸送用ツインコンベヤの第1を示す側面図である。
【図3】図3は図2の急傾斜輸送用ツインコンベヤの具体例を示す主要部の部分側面図である。
【図4】図4は図3の急傾斜輸送用ツインコンベヤに用いられるウイングコンベヤの平面図である。
【図5】図5は本発明の急傾斜輸送用ツインコンベヤの第2を示す側面図である。
【図6】図6は本発明の急傾斜輸送用ツインコンベヤの第3を示す側面図である。
【図7】図7は本発明の急傾斜輸送用ツインコンベヤの第4を示す側面図である。
【符号の説明】
1‥‥主ベルト、
2‥‥従ベルト、
3‥‥主ベルトテ−ルプ−リ−、
4‥‥主ベルトヘッドプ−リ−、
5‥‥運搬物投入シュ−ト、
6‥‥従ベルトテ−ルプ−リ−、
7‥‥従ベルトヘッドプ−リ−、
8‥‥主ベルト側ロ−ラ、
80 ‥‥主ベルトのベンドプ−リ−、
81 ‥‥主ベルトテ−クアッププ−リ−、
9‥‥従ベルトのロ−ラ、
90 ‥‥従ベルトのトリッパ−プ−リ−、
91 ‥‥従ベルトテ−クアッププ−リ−、
30‥‥トリッパ−手段、
31‥‥中間排出シュ−ト、
32‥‥主ベルトトリッパ−プ−リ−、
40‥‥傾斜面、
41‥‥車輪、
50‥‥従ベルトストレ−ジ手段、
511 ‥‥ストレ−ジ内の従ベルトプ−リ−、
60‥‥主ベルトストレ−ジ手段、
611 ‥‥ストレ−ジ内の主ベルトプ−リ−。
Claims (5)
- 運搬物を搬送するための主ベルトと、これに追従し、主ベルト上に載置された運搬物の上から押圧力を加えて保持するようにした従ベルトとからなる急傾斜搬送用ツインコンベヤにおいて、運搬物をベルトテール部とベルトヘッド部との中間で排出するためのトリッパー手段を備え、
上記トリッパー手段が、ベルトテール部とベルトヘッド部との間を移動し、運搬物の排出位置を変えられる移動トリッパー構造とされ、
移動トリッパー構造内に主ベルト及び従ベルト用のトリッパープーリーとベンドプーリーを配し、運搬物をトリッパー内のシュ−トに中間排出した後、主ベルト、従ベルトは再度運搬側を覆い被せた状態に戻り、ベルトヘッド部まで走行することを特徴とするツインコンベヤにおける運搬物の中間排出システム。 - 運搬物を搬送するための主ベルトと、これに追従し、主ベルト上に載置された運搬物の上から押圧力を加えて保持するようにした従ベルトとからなる急傾斜搬送用ツインコンベヤにおいて、運搬物をベルトテール部とベルトヘッド部との中間で排出するためのトリッパー手段を備え、
上記トリッパー手段が、ベルトテール部とベルトヘッド部との間を移動し、運搬物の排出位置を変えられる移動トリッパー構造とされ、
移動トリッパー構造内に主ベルトのトリッパープーリー、ベンドプーリーを配すると共に、従ベルトのヘッドプーリーを配し、運搬物をトリッパー内のシュ−トに中間排出した後、主ベルトは単独でヘッドプーリーまで走行し、従ベルトはテール方向へリターンする構造としたことを特徴とするツインコンベヤにおける運搬物の中間排出システム。 - 変化する従ベルトの必要長さを確保するため、ベルトテール部に従ベルトの余裕長さ分の走行スパンのためのストレ−ジ手段を備えた請求項第2項記載のツインコンベヤにおける運搬物の中間排出システム。
- 移動トリッパー構造内に主ベルトのヘッドプーリーを配すると共に、従ベルトのトリッパープーリー、ベンドプーリーを配し、運搬物をトリッパー内のシュ−トに中間排出した後、主ベルトはテール方向へリターンし、従ベルトは単独でヘッドプーリーまで走行する構造とした請求項第1項から第3項のいずれか1項記載のツインコンベヤにおける運搬物の中間排出システム。
- 変化する主ベルトの必要長さを確保するため、ベルトテール部に主ベルトの余裕長さ分の走行スパンのためのストレ−ジ手段を備えた請求項第4項記載のツインコンベヤにおける運搬物の中間排出システム。
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1997
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