JP3744912B2 - 投写型映像表示装置 - Google Patents
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Description
【0001】
【産業上の利用分野】
この発明は、投写型映像表示装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
図12は従来の3板式カラー液晶プロジェクタの光学系を例示した図である。光源101の発光部は、超高圧水銀ランプ、メタルハライドランプ、キセノンランプ等から成り、その照射光はパラボラリフレクタによって平行光となって出射され、インテグレータレンズ102へと導かれる。
【0003】
インテグレータレンズ102は一対のレンズ群にて構成されており、個々のレンズ対が光源101から出射された光を液晶ライトバルブ111,112,113の全面へ導くようになっている。インテグレータレンズ102を経た光は、第1ダイクロイックミラー103へと導かれる。
【0004】
第1ダイクロイックミラー103は、赤色波長帯域の光を透過し、シアン(緑+青)の波長帯域の光を反射する。第1ダイクロイックミラー103を透過した赤色波長帯域の光は、全反射ミラー104にて反射されて光路を変更される。全反射ミラー104にて反射された赤色光はコンデンサレンズ108を経て赤色光用の透過型の液晶ライトバルブ111を透過することによって光変調される。一方、第1ダイクロイックミラー103にて反射したシアンの波長帯域の光は、第2ダイクロイックミラー105に導かれる。
【0005】
第2ダイクロイックミラー105は、青色波長帯域の光を透過し、緑色波長帯域の光を反射する。第2ダイクロイックミラー105にて反射した緑色波長帯域の光はコンデンサレンズ109を経て緑色光用の透過型の液晶ライトバルブ112に導かれ、これを透過することによって光変調される。また、第2ダイクロイックミラー105を透過した青色波長帯域の光は、全反射ミラー106,107、及びコンデンサレンズ110を経て青色光用の透過型の液晶ライトバルブ113に導かれ、これを透過することによって光変調される。
【0006】
各液晶ライトバルブ111,112,113は、入射側偏光板と、一対のガラス基板(画素電極や配向膜を形成してある)間に液晶を封入して成るパネル部と、出射側偏光板と、を備えて成る。液晶ライトバルブ111,112,113を経ることで変調された変調光(各色映像光)は、ダイクロイックプリズム114によって合成されてカラー映像光となる。このカラー映像光は、投写レンズユニット115によって拡大投写され、スクリーン上に投影表示される。
【0007】
なお、ポリゴンミラーによってパネル上に光スクロールする方法が知られている(特許文献1参照)。
【0008】
【特許文献1】
特開2002−6815号公報
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、投写型映像表示装置に用いられるライトバルブは、1フレーム期間内に画素の表示情報が保持される。それに起因して一般に動画表示時にボケが生じ、解像度が低下するという、いわゆるホールドブラーリングが発生するという課題がある。本願出願人は、かかる欠点を解消できる投写型映像表示装置として、照射された光を受けて透過及び/又は反射させる際に当該光に循環的な偏向を生じさせる回転駆動型の光偏向手段と、光偏向手段からの光を3原色に分離して3つのホールド型表示素子に各々導く色分離手段と、各ホールド型表示素子を経て得られる各色映像光を合成して投写する投写手段と、各ホールド型表示素子に画素駆動信号を与える素子駆動手段とを備え、各ホールド型表示素子上で当該素子よりも小さな面積で集光される各色光(帯状光)が循環的にスクロールされるように構成された投写型映像表示装置を提案した(特願2002−295354号)。かかる投写型映像表示装置においては、例えば、渦状の透過部が形成されたスクロール円盤を回転させることで各色光がライトバルブ上で循環的にスクロールされることになる。
【0010】
ここで、ホールド型表示素子上の帯状光の幅を狭くするときには、動画表示上の欠点を補償する、いわゆる動特性補償効果として高い効果が得られるが、スクリーン上の映像の明るさが低下する。一方、静止画表示を行うのであれば、ホールド型表示素子上の帯状光の幅を狭くする必要はなく、むしろ、幅を広くして明るさを向上させるのがよい。
【0011】
本発明は、上記の事情に鑑み、表示素子上に光スクロールを行なう構成において、表示素子上のスクロール光の幅を調節することができる投写型映像表示装置を提供することを目的とする。
【0012】
【課題を解決するための手段】
この発明の投写型映像表示装置は、上記の課題を解決するために、照射された光を受けて透過及び/又は反射させる際に当該光に循環的な偏向を生じさせる回転駆動型の光偏向手段と、光偏向手段からの光を3原色に分離して3つのホールド型表示素子に各々導く色分離手段と、各ホールド型表示素子を経て得られる各色映像光を合成して投写する投写手段と、各ホールド型表示素子に画素駆動信号を与える素子駆動手段とを備え、各ホールド型表示素子上で当該素子よりも小さな面積で集光される各色光が循環的にスクロールされるように構成されており、前記光偏向手段は、渦状光透過部を一又は二以上有する第1の回転円盤と前記渦状光透過部に対応する調整用の渦状光透過部を有する第2の回転円盤とを重ね合わせて成り、更に、回転軸を中心とした第1の回転円盤と第2の回転円盤との相対的な回動量を変更設定して前記渦状光透過部の幅を調整する幅調整機構を備えたことを特徴とする。
【0013】
上記の構成であれば、幅調整機構によって第1の回転円盤と第2の回転円盤との相対的な回動量を変更設定して前記渦状光透過部の幅を調整するので、表示素子上に光スクロールを行なう構成において、表示素子上のスクロール光の幅を調節することができる。
【0014】
前記幅調整機構は、前記第1の回転円盤と第2の回転円盤との直接的又は間接的な噛み合い状態の形成と当該噛み合い状態の解除とを行わせる手段と、前記第1の回転円盤及び第2の回転円盤の回転の停止後に噛み合い状態の解除を行わせて第1の回転円盤と第2の回転円盤のいずれか一方を固定し他方を回動させる手段と、を備えて成るものでもよい。
【0015】
前記幅調整機構は、前記第1の回転円盤と第2の回転円盤との同体回転状態を維持しつつ、第1の回転円盤と第2の回転円盤との間で相対的な回動駆動力を発生させる駆動手段から成るものでもよい。かかる構成において、一方の回転円盤にアクチュエータが設けられ、このアクチュエータから他方の回転円盤に回動駆動力が付与されるように構成されていてもよい。或いは、一方の回転円盤に磁気力アクチュエータの一方構成部が設けられ、他方の回転円盤に磁気力アクチュエータの他方構成部が設けられて成るものでもよい。
【0016】
【発明の実施の形態】
以下、この発明の実施形態の投写型映像表示装置を図1乃至図11に基づいて説明する。
【0017】
図1はこの実施形態の投写型映像表示装置の概略構成を示したブロック図である。光源1は、超高圧水銀ランプ、メタルハライドランプ、キセノンランプ等から成る。集光部2は、光源1から出射された光を受けて反射する楕円鏡、或いは放物面鏡と集光レンズとの組み合わせ等から成る。集光部2にて集光された光はロッドインテグレータ(ロッドプリズム)3に入射し、その内面で全反射作用を繰り返した後に均一な面光源となって出射される。そして、このようにインテグレートされた光は光偏向手段であるスクロール円盤4に向けて出射される。
【0018】
スクロール円盤4は、この実施形態では、渦状の第1透過部4Aと第2透過部4Bを有する(図4参照)。このスクロール円盤4は、その中心部を回転中心(回転軸)とし、モータ11によって回転駆動され、前記回転中心(回転軸)と平行な方向から光を受ける。これにより、渦状の第1透過部4Aと第2透過部4Bは前記インテグレータ3の光出射面側を循環的に通過することになり、透過部の周期的な位置変位が生じて光偏向が周期的に行なわれることになる。
【0019】
リレーレンズ光学系5は偏向された光を入射し、映像光生成系6における色分離ダイクロイックプリズム6aへと像伝達を行なう。色分離ダイクロイックプリズム6aに入射した光はR(赤)光、G(緑)光、B(青)光に分離され、それぞれR用の液晶表示パネル7R、G用の液晶表示パネル7G、B用の液晶表示パネル7Bに導かれる。そして、前記のスクロール円盤4による光偏向により、各液晶表示パネル7R,7G,7Bに導かれる色光(照射形状は短冊状)は、当該パネル上に各々同じタイミングでスクロール照射される。
【0020】
そして、各液晶表示パネル7R,7G,7Bに入射した各色光は当該パネル上の画素の応答(光透過度)の状態で変調され、この変調により得られた各色映像光は、色合成ダイクロイックプリズム6bにて合成されてカラー映像光となり、投写レンズ8にてスクリーン9に投影される。
【0021】
このように、各色の短冊状の照明光が液晶表示パネル7上で循環的にスクロールすることにより、当該パネルの一画素に着目するとフレーム期間中の一部の期間のみ表示し、残りの期間は黒となる結果、間欠表示が実現され、動画像を表示した場合のホールドブラーリングが改善される。
【0022】
パネル駆動部15は入力された映像信号に基づいて各液晶表示パネル7R,7G,7Bを駆動する。すなわち、映像信号に基づいて各液晶表示パネルの各画素の光透過度を設定する素子駆動電圧を生成して各画素に与える。同期分離回路14は映像信号から垂直同期信号を取り出してスクロール位相検出部12に与える。スクロール位相検出部12はスクロール円盤4の回転周期と垂直同期とから位相差を検出する。スクロール円盤4の回転周期情報は、例えば、ロータリエンコーダの構成によって得ることができる。モータ11の回転を制御する回転制御部13は、前記位相差を示す信号をスクロール位相検出部12から受け取り、スクロール円盤4の回転周期を垂直同期に合致させるよう制御を行なう。すなわち、回転周期が垂直同期から遅れれば回転速度を高めるべくモータ11への供給電圧(或いはパルス数やパルス幅等)を増加し、早ければ回転速度を低くするべくモータ11への供給電圧(或いはパルス数やパルス幅等)を減少し、一致すればそのままとする。
【0023】
スクロール円盤4は、図2に示しているように、入射光軸に対して傾けて配置することもできる。図2(a)(b)(c)は、スクロール円盤4が回転することで光透過状態が変化する様子を示している。図2に示す例では、スクロール円盤4は、光軸に対して45°傾いて配置されている。そして、光源からの導入光を阻害しない位置においてスクロール円盤4に対面させて補助ミラー45を設けている。スクロール円盤4の光反射領域にて反射した光は、補助ミラー45に導かれ、この補助ミラー45にて反射した光はスクロール円盤4の光透過領域を透過する。スクロール円盤4の光透過領域の透過作用と前述の反射作用とにより、スクロール円盤4の一次像形成領域(この一次像形成領域を図4(a)(b)において四角枠で示している)に導かれた光源からの光は無駄にされずに液晶表示パネルに導かれることになるので、表示映像の輝度向上が図れることになる。
【0024】
スクロール円盤4は、図3及び図4(a)(b)に示しているように、第1の回転円盤41と第2の回転円盤42とを重ね合わせて成るものである。なお、図3では、説明の便宜上、第1の回転円盤41と第2の回転円盤42とを離間させて示している。第1の回転円盤41は、同一形状の渦状の第1透過部41A及び第2透過部41Bを互いに位相を90°シフトさせて有する。また、第2の回転円盤42は、同一形状の渦状の第1透過部42A及び第2透過部42Bを互いに位相を90°シフトさせて有する。そして、この実施形態では、第1透過部41Aと第1透過部42Aを同一形状とし、第2透過部41Bと第2透過部42Bも同一形状としている。ただし、このように第1の回転円盤41と第2の回転円盤42を全く同じ構成とする必要はない。すなわち、両円盤の相対的な回転位置変更(位相シフト)によって第1透過部41Aと第1透過部42Aとの重なりにより形成される第1透過部4Aの幅、及び第2透過部41Bと第2透過部42Bとの重なりにより形成される第2透過部4Bの幅が変更され得るものであればよい(図4(b)の点線参照)。
【0025】
以下に、回転軸を中心とした第1の回転円盤41と第2の回転円盤42との相対的な回動量を変更設定して前記第1透過部4A及び第2透過部4Bの幅を調整する幅調整機構について説明していく。
【0026】
図5乃至図9に幅調整機構30を示す。図5(a)等に示すように、モータ11の回転軸11aの先端部には第1の回転円盤41が固定されており、回転軸11aの中程には回転伝達部51が固定されており、回転軸11aの基端側には軸方向に移動力を受ける移動力受け部52が形成されている。回転伝達部51は、図5(b)に示すように、周囲縁に沿って凹凸を有した形状(いわゆるギヤ形状)を成しており、同形状の凹凸を内周に有したドラム部53に挿入されている。このドラム部53の先端側に第2の回転円盤42が固定されている。従って、回転軸11aの回転力が回転伝達部51を介してドラム部53に伝達され、このドラム部53が回転することで、第2の回転円盤42と第1の回転円盤41が同体回転する。
【0027】
また、移動力受け部52は複数のビーズ状部材を所定ピッチで回転軸11aに嵌合固定して成るものであり、どの回転位置でもラック形状を確保できるようになっている。移動力受け部52の近傍には、図示しないモータによって駆動される駆動ギヤ54が設けられている。上記モータは、前記駆動ギヤ54が前記移動力受け部52に歯合する状態と離間する状態をとることができるように図示しないアクチュエータによって移動可能に設けられている。上記歯合状態において駆動ギヤ54が回動すると、モータ(回転軸11aを含めて)11が軸方向に移動される。なお、モータ11は図示しないガイドによって軸方向にスライド可能に設けられている。
【0028】
前記ドラム部53に対する回転伝達部51の軸方向の移動は許容されており、モータ(回転軸11aを含めて)11の軸方向移動により、第1の回転円盤41が第2の回転円盤42から離間することになる。ドラム部53には収容部53aが形成されており、上記の軸方向移動時(円盤離間時)には回転伝達部51が収容部53aに収容される。これにより、ドラム部53は回転伝達部51から離脱した状態となり、ドラム部53の単独回転が許容される。また、ドラム部53はベアリング54によって回転自在に支持されており、且つ、支持部材55によって位置が固定されている。
【0029】
更に、ドラム部53の近傍にはステッピングモータ57にて駆動されるローラ56が設けられている。ステッピングモータ57は、前記ローラ56が前記ドラム部53の周面に当接する状態と離間する状態をとることができるように図示しないアクチュエータによって移動可能に設けられている。上記当接状態においてローラ56がステッピングモータ57にて所定角度回転すると、ドラム部53が所定角度回転する。この回転角度は回転伝達部51における凹凸の1ピッチの正数倍に設定される。このように、ドラム部53が所定角度回転すると、第2の回転円盤42が所定角度回転し、第1の回転円盤41との間で相対的な回転が生じて第1透過部4A及び第2透過部4Bの幅が変更されることになる。
【0030】
上記動作を時系列的に説明する。▲1▼モータ11の回転を止める。▲2▼駆動ギヤ54を移動力受け部52に歯合させると共にローラ56をドラム部53の収容部53aに位置させる(図6参照)。▲4▼駆動ギヤ54を駆動し、回転伝達部51をドラム部53から離脱させ、ドラム部53の単独回転を許容する(図7参照)。▲5▼ローラ56によってドラム部53を所定角度回動させる(図7参照)。▲6▼駆動ギヤ54を反転駆動し、回転伝達部51をドラム部53に係合させる(図8参照)。▲7▼駆動ギヤ54を移動力受け部52から離間させると共にローラ56をドラム部53から離間させる(図9参照)。
【0031】
上記幅調整機構30を有する液晶プロジェクタにおいては、例えば、静止画モードボタンと動画モードボタンを用意しておく。そして、静止画モードボタンが操作されたときには、モータ11の回転を止めて、上述した一連の動作▲2▼〜▲7▼を実行し、第1透過部4A及び第2透過部4Bの幅を広くする。一方、動画モードボタンが操作されたときには、モータ11の回転を止めて、上述した一連の動作▲2▼〜▲7▼を実行し、第1透過部4A及び第2透過部4Bの幅を狭くする。
【0032】
図10及び図11に幅調整機構31を示す。この幅調整機構31はモータ11の回転を止めずに、第1透過部4A及び第2透過部4Bの幅を変更できるものである。モータ11の回転軸11aに固定された第1の回転円盤41は第2の回転円盤42よりも大径に形成されており、第1の回転円盤41の縁側にはモータ61が固定されている。なお、モータ61の反対側にカウンタウェイトを設けて回転の安定性を高めるようにしてもよい。第2の回転円盤42の周縁には、円周状にラック部42aが形成されている。第1の回転円盤41と第2の回転円盤42とは互いに自由な回転を許すように重ね合わされている(第2の回転円盤42は回転軸11には固定されていない)。ただし、前記モータ61の回転軸に取り付けられたギヤ62が第2の回転円盤42のラック部42aに歯合されているため、第1の回転円盤41と第2の回転円盤42とは同体回転することになる。モータ61にて上記ギヤ62を回転させたときには、第1の回転円盤41と第2の回転円盤42との間で相対的な回動が生じ、第1透過部4A及び第2透過部4Bの幅が変化する。
【0033】
モータ61は、その電力線に順方向電圧を印加されると正回転し、逆方向電圧を印加されると逆回転する。前記電力線は、第1の回転円盤41の裏面側で非透過部に沿って貼り付けられている。また、この電力線の端部は回転軸11aの周面上に形成されたリング状導体にそれぞれ接続されている。モータ駆動制御部62の電力供給線は、前記リング状導体にそれぞれブラシ接触することで、駆動電力を前記電力線に伝達する。
【0034】
上記幅調整機構31を有する液晶プロジェクタにおいては、例えば、開口幅up/downキーを用意しておく。そして、この開口幅up/downキーが操作されたときに電力供給が行われてモータ61が正転又は逆転し、第1透過部4A及び第2透過部4Bの開口幅が増加又は減少し、前記キーの操作を止めると、電力の供給が停止されて、そのときの開口幅が維持されることになる。
【0035】
幅調整機構としては、更に、リニアステッピングモータの概念を適用した構成とすることもできる。リニアステッピングモータは、ステータとムーバ(コイル装着)とから成る。モータ11の回転軸に固定される回転円盤の周縁に円弧状に形成されたムーバを取り付け、図10に示したのと同様の配線により、前記ムーバのコイルに通電が行えるようにする。そして、モータ11の回転軸に固定されない回転円盤の周縁に円弧状に形成されたステータを設ける。かかる構成においても、回転円盤を回転させている状態で、開口幅up/downキーの操作により制御パルスを発生させて第1の回転円盤41と第2の回転円盤42との間で相対的な回動を生じさせ、第1透過部4A及び第2透過部4Bの開口幅を任意に設定することができる。
【0036】
勿論、幅調整機構としては、上述した構成に限るものではなく、回転軸を中心とした第1の回転円盤と第2の回転円盤との相対的な回動量を変更設定して前記渦状光透過部の幅を調整できるものであれば、どのような構成でもよい。
【0037】
また、以上説明した実施形態では、透過型の液晶表示パネルを用いたが、これに限るものではなく、反射型の液晶表示パネルやマトリクス状に配置された微小鏡を各々画素データに基づいて駆動するデバイスなども用いることができる。またインテグレータとしてロッドプリズムを用いたが、これに限らずフライアイからなるインテグレータを用いても良い。
【0038】
【発明の効果】
以上説明したように、この発明によれば、表示素子上に光スクロールを行なう構成において、表示素子上のスクロール光の幅を調節することができるという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】表示素子上に光スクロールを行なう構成の投写型映像表示装置を示した概略の構成図である。
【図2】同図(a)乃至(c)は斜め配置したスクロール円盤にてスクロール光が生成される様子を模式的に示した説明図である。
【図3】2枚の回転円盤を重ね合わせて成るスクロール円盤を示した説明図である。
【図4】同図(a)は2枚の回転円盤を同位相で重ね合わせてた状態のスクロール円盤を示し、同図(a)は2枚の回転円盤の位相を少しずらした状態のスクロール円盤を示した説明図である。
【図5】幅調整機構を示した構成図である。
【図6】幅調整機構の動作説明図である。
【図7】幅調整機構の動作説明図である。
【図8】幅調整機構の動作説明図である。
【図9】幅調整機構の動作説明図である。
【図10】幅調整機構の他の例を示した構成図である。
【図11】図10の幅調整機構の斜視図である。
【図12】従来の投写型映像表示装置の光学系を示した説明図である。
【符号の説明】
1 光源
2 集光部
3 インテグレータ
4 スクロール円盤
4A 第1透過部
4B 第2透過部
41 第1の回転円盤
42 第2の回転円盤
6 映像光生成系
7R,7G,7B 液晶表示パネル
11 モータ
12 スクロール位相検出部
13 回転制御部
51 回転伝達部
52 軸移動力受け部
53 ドラム部
54 駆動ギヤ
56 ローラ
61 モータ
62 モータ駆動制御部
【産業上の利用分野】
この発明は、投写型映像表示装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
図12は従来の3板式カラー液晶プロジェクタの光学系を例示した図である。光源101の発光部は、超高圧水銀ランプ、メタルハライドランプ、キセノンランプ等から成り、その照射光はパラボラリフレクタによって平行光となって出射され、インテグレータレンズ102へと導かれる。
【0003】
インテグレータレンズ102は一対のレンズ群にて構成されており、個々のレンズ対が光源101から出射された光を液晶ライトバルブ111,112,113の全面へ導くようになっている。インテグレータレンズ102を経た光は、第1ダイクロイックミラー103へと導かれる。
【0004】
第1ダイクロイックミラー103は、赤色波長帯域の光を透過し、シアン(緑+青)の波長帯域の光を反射する。第1ダイクロイックミラー103を透過した赤色波長帯域の光は、全反射ミラー104にて反射されて光路を変更される。全反射ミラー104にて反射された赤色光はコンデンサレンズ108を経て赤色光用の透過型の液晶ライトバルブ111を透過することによって光変調される。一方、第1ダイクロイックミラー103にて反射したシアンの波長帯域の光は、第2ダイクロイックミラー105に導かれる。
【0005】
第2ダイクロイックミラー105は、青色波長帯域の光を透過し、緑色波長帯域の光を反射する。第2ダイクロイックミラー105にて反射した緑色波長帯域の光はコンデンサレンズ109を経て緑色光用の透過型の液晶ライトバルブ112に導かれ、これを透過することによって光変調される。また、第2ダイクロイックミラー105を透過した青色波長帯域の光は、全反射ミラー106,107、及びコンデンサレンズ110を経て青色光用の透過型の液晶ライトバルブ113に導かれ、これを透過することによって光変調される。
【0006】
各液晶ライトバルブ111,112,113は、入射側偏光板と、一対のガラス基板(画素電極や配向膜を形成してある)間に液晶を封入して成るパネル部と、出射側偏光板と、を備えて成る。液晶ライトバルブ111,112,113を経ることで変調された変調光(各色映像光)は、ダイクロイックプリズム114によって合成されてカラー映像光となる。このカラー映像光は、投写レンズユニット115によって拡大投写され、スクリーン上に投影表示される。
【0007】
なお、ポリゴンミラーによってパネル上に光スクロールする方法が知られている(特許文献1参照)。
【0008】
【特許文献1】
特開2002−6815号公報
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、投写型映像表示装置に用いられるライトバルブは、1フレーム期間内に画素の表示情報が保持される。それに起因して一般に動画表示時にボケが生じ、解像度が低下するという、いわゆるホールドブラーリングが発生するという課題がある。本願出願人は、かかる欠点を解消できる投写型映像表示装置として、照射された光を受けて透過及び/又は反射させる際に当該光に循環的な偏向を生じさせる回転駆動型の光偏向手段と、光偏向手段からの光を3原色に分離して3つのホールド型表示素子に各々導く色分離手段と、各ホールド型表示素子を経て得られる各色映像光を合成して投写する投写手段と、各ホールド型表示素子に画素駆動信号を与える素子駆動手段とを備え、各ホールド型表示素子上で当該素子よりも小さな面積で集光される各色光(帯状光)が循環的にスクロールされるように構成された投写型映像表示装置を提案した(特願2002−295354号)。かかる投写型映像表示装置においては、例えば、渦状の透過部が形成されたスクロール円盤を回転させることで各色光がライトバルブ上で循環的にスクロールされることになる。
【0010】
ここで、ホールド型表示素子上の帯状光の幅を狭くするときには、動画表示上の欠点を補償する、いわゆる動特性補償効果として高い効果が得られるが、スクリーン上の映像の明るさが低下する。一方、静止画表示を行うのであれば、ホールド型表示素子上の帯状光の幅を狭くする必要はなく、むしろ、幅を広くして明るさを向上させるのがよい。
【0011】
本発明は、上記の事情に鑑み、表示素子上に光スクロールを行なう構成において、表示素子上のスクロール光の幅を調節することができる投写型映像表示装置を提供することを目的とする。
【0012】
【課題を解決するための手段】
この発明の投写型映像表示装置は、上記の課題を解決するために、照射された光を受けて透過及び/又は反射させる際に当該光に循環的な偏向を生じさせる回転駆動型の光偏向手段と、光偏向手段からの光を3原色に分離して3つのホールド型表示素子に各々導く色分離手段と、各ホールド型表示素子を経て得られる各色映像光を合成して投写する投写手段と、各ホールド型表示素子に画素駆動信号を与える素子駆動手段とを備え、各ホールド型表示素子上で当該素子よりも小さな面積で集光される各色光が循環的にスクロールされるように構成されており、前記光偏向手段は、渦状光透過部を一又は二以上有する第1の回転円盤と前記渦状光透過部に対応する調整用の渦状光透過部を有する第2の回転円盤とを重ね合わせて成り、更に、回転軸を中心とした第1の回転円盤と第2の回転円盤との相対的な回動量を変更設定して前記渦状光透過部の幅を調整する幅調整機構を備えたことを特徴とする。
【0013】
上記の構成であれば、幅調整機構によって第1の回転円盤と第2の回転円盤との相対的な回動量を変更設定して前記渦状光透過部の幅を調整するので、表示素子上に光スクロールを行なう構成において、表示素子上のスクロール光の幅を調節することができる。
【0014】
前記幅調整機構は、前記第1の回転円盤と第2の回転円盤との直接的又は間接的な噛み合い状態の形成と当該噛み合い状態の解除とを行わせる手段と、前記第1の回転円盤及び第2の回転円盤の回転の停止後に噛み合い状態の解除を行わせて第1の回転円盤と第2の回転円盤のいずれか一方を固定し他方を回動させる手段と、を備えて成るものでもよい。
【0015】
前記幅調整機構は、前記第1の回転円盤と第2の回転円盤との同体回転状態を維持しつつ、第1の回転円盤と第2の回転円盤との間で相対的な回動駆動力を発生させる駆動手段から成るものでもよい。かかる構成において、一方の回転円盤にアクチュエータが設けられ、このアクチュエータから他方の回転円盤に回動駆動力が付与されるように構成されていてもよい。或いは、一方の回転円盤に磁気力アクチュエータの一方構成部が設けられ、他方の回転円盤に磁気力アクチュエータの他方構成部が設けられて成るものでもよい。
【0016】
【発明の実施の形態】
以下、この発明の実施形態の投写型映像表示装置を図1乃至図11に基づいて説明する。
【0017】
図1はこの実施形態の投写型映像表示装置の概略構成を示したブロック図である。光源1は、超高圧水銀ランプ、メタルハライドランプ、キセノンランプ等から成る。集光部2は、光源1から出射された光を受けて反射する楕円鏡、或いは放物面鏡と集光レンズとの組み合わせ等から成る。集光部2にて集光された光はロッドインテグレータ(ロッドプリズム)3に入射し、その内面で全反射作用を繰り返した後に均一な面光源となって出射される。そして、このようにインテグレートされた光は光偏向手段であるスクロール円盤4に向けて出射される。
【0018】
スクロール円盤4は、この実施形態では、渦状の第1透過部4Aと第2透過部4Bを有する(図4参照)。このスクロール円盤4は、その中心部を回転中心(回転軸)とし、モータ11によって回転駆動され、前記回転中心(回転軸)と平行な方向から光を受ける。これにより、渦状の第1透過部4Aと第2透過部4Bは前記インテグレータ3の光出射面側を循環的に通過することになり、透過部の周期的な位置変位が生じて光偏向が周期的に行なわれることになる。
【0019】
リレーレンズ光学系5は偏向された光を入射し、映像光生成系6における色分離ダイクロイックプリズム6aへと像伝達を行なう。色分離ダイクロイックプリズム6aに入射した光はR(赤)光、G(緑)光、B(青)光に分離され、それぞれR用の液晶表示パネル7R、G用の液晶表示パネル7G、B用の液晶表示パネル7Bに導かれる。そして、前記のスクロール円盤4による光偏向により、各液晶表示パネル7R,7G,7Bに導かれる色光(照射形状は短冊状)は、当該パネル上に各々同じタイミングでスクロール照射される。
【0020】
そして、各液晶表示パネル7R,7G,7Bに入射した各色光は当該パネル上の画素の応答(光透過度)の状態で変調され、この変調により得られた各色映像光は、色合成ダイクロイックプリズム6bにて合成されてカラー映像光となり、投写レンズ8にてスクリーン9に投影される。
【0021】
このように、各色の短冊状の照明光が液晶表示パネル7上で循環的にスクロールすることにより、当該パネルの一画素に着目するとフレーム期間中の一部の期間のみ表示し、残りの期間は黒となる結果、間欠表示が実現され、動画像を表示した場合のホールドブラーリングが改善される。
【0022】
パネル駆動部15は入力された映像信号に基づいて各液晶表示パネル7R,7G,7Bを駆動する。すなわち、映像信号に基づいて各液晶表示パネルの各画素の光透過度を設定する素子駆動電圧を生成して各画素に与える。同期分離回路14は映像信号から垂直同期信号を取り出してスクロール位相検出部12に与える。スクロール位相検出部12はスクロール円盤4の回転周期と垂直同期とから位相差を検出する。スクロール円盤4の回転周期情報は、例えば、ロータリエンコーダの構成によって得ることができる。モータ11の回転を制御する回転制御部13は、前記位相差を示す信号をスクロール位相検出部12から受け取り、スクロール円盤4の回転周期を垂直同期に合致させるよう制御を行なう。すなわち、回転周期が垂直同期から遅れれば回転速度を高めるべくモータ11への供給電圧(或いはパルス数やパルス幅等)を増加し、早ければ回転速度を低くするべくモータ11への供給電圧(或いはパルス数やパルス幅等)を減少し、一致すればそのままとする。
【0023】
スクロール円盤4は、図2に示しているように、入射光軸に対して傾けて配置することもできる。図2(a)(b)(c)は、スクロール円盤4が回転することで光透過状態が変化する様子を示している。図2に示す例では、スクロール円盤4は、光軸に対して45°傾いて配置されている。そして、光源からの導入光を阻害しない位置においてスクロール円盤4に対面させて補助ミラー45を設けている。スクロール円盤4の光反射領域にて反射した光は、補助ミラー45に導かれ、この補助ミラー45にて反射した光はスクロール円盤4の光透過領域を透過する。スクロール円盤4の光透過領域の透過作用と前述の反射作用とにより、スクロール円盤4の一次像形成領域(この一次像形成領域を図4(a)(b)において四角枠で示している)に導かれた光源からの光は無駄にされずに液晶表示パネルに導かれることになるので、表示映像の輝度向上が図れることになる。
【0024】
スクロール円盤4は、図3及び図4(a)(b)に示しているように、第1の回転円盤41と第2の回転円盤42とを重ね合わせて成るものである。なお、図3では、説明の便宜上、第1の回転円盤41と第2の回転円盤42とを離間させて示している。第1の回転円盤41は、同一形状の渦状の第1透過部41A及び第2透過部41Bを互いに位相を90°シフトさせて有する。また、第2の回転円盤42は、同一形状の渦状の第1透過部42A及び第2透過部42Bを互いに位相を90°シフトさせて有する。そして、この実施形態では、第1透過部41Aと第1透過部42Aを同一形状とし、第2透過部41Bと第2透過部42Bも同一形状としている。ただし、このように第1の回転円盤41と第2の回転円盤42を全く同じ構成とする必要はない。すなわち、両円盤の相対的な回転位置変更(位相シフト)によって第1透過部41Aと第1透過部42Aとの重なりにより形成される第1透過部4Aの幅、及び第2透過部41Bと第2透過部42Bとの重なりにより形成される第2透過部4Bの幅が変更され得るものであればよい(図4(b)の点線参照)。
【0025】
以下に、回転軸を中心とした第1の回転円盤41と第2の回転円盤42との相対的な回動量を変更設定して前記第1透過部4A及び第2透過部4Bの幅を調整する幅調整機構について説明していく。
【0026】
図5乃至図9に幅調整機構30を示す。図5(a)等に示すように、モータ11の回転軸11aの先端部には第1の回転円盤41が固定されており、回転軸11aの中程には回転伝達部51が固定されており、回転軸11aの基端側には軸方向に移動力を受ける移動力受け部52が形成されている。回転伝達部51は、図5(b)に示すように、周囲縁に沿って凹凸を有した形状(いわゆるギヤ形状)を成しており、同形状の凹凸を内周に有したドラム部53に挿入されている。このドラム部53の先端側に第2の回転円盤42が固定されている。従って、回転軸11aの回転力が回転伝達部51を介してドラム部53に伝達され、このドラム部53が回転することで、第2の回転円盤42と第1の回転円盤41が同体回転する。
【0027】
また、移動力受け部52は複数のビーズ状部材を所定ピッチで回転軸11aに嵌合固定して成るものであり、どの回転位置でもラック形状を確保できるようになっている。移動力受け部52の近傍には、図示しないモータによって駆動される駆動ギヤ54が設けられている。上記モータは、前記駆動ギヤ54が前記移動力受け部52に歯合する状態と離間する状態をとることができるように図示しないアクチュエータによって移動可能に設けられている。上記歯合状態において駆動ギヤ54が回動すると、モータ(回転軸11aを含めて)11が軸方向に移動される。なお、モータ11は図示しないガイドによって軸方向にスライド可能に設けられている。
【0028】
前記ドラム部53に対する回転伝達部51の軸方向の移動は許容されており、モータ(回転軸11aを含めて)11の軸方向移動により、第1の回転円盤41が第2の回転円盤42から離間することになる。ドラム部53には収容部53aが形成されており、上記の軸方向移動時(円盤離間時)には回転伝達部51が収容部53aに収容される。これにより、ドラム部53は回転伝達部51から離脱した状態となり、ドラム部53の単独回転が許容される。また、ドラム部53はベアリング54によって回転自在に支持されており、且つ、支持部材55によって位置が固定されている。
【0029】
更に、ドラム部53の近傍にはステッピングモータ57にて駆動されるローラ56が設けられている。ステッピングモータ57は、前記ローラ56が前記ドラム部53の周面に当接する状態と離間する状態をとることができるように図示しないアクチュエータによって移動可能に設けられている。上記当接状態においてローラ56がステッピングモータ57にて所定角度回転すると、ドラム部53が所定角度回転する。この回転角度は回転伝達部51における凹凸の1ピッチの正数倍に設定される。このように、ドラム部53が所定角度回転すると、第2の回転円盤42が所定角度回転し、第1の回転円盤41との間で相対的な回転が生じて第1透過部4A及び第2透過部4Bの幅が変更されることになる。
【0030】
上記動作を時系列的に説明する。▲1▼モータ11の回転を止める。▲2▼駆動ギヤ54を移動力受け部52に歯合させると共にローラ56をドラム部53の収容部53aに位置させる(図6参照)。▲4▼駆動ギヤ54を駆動し、回転伝達部51をドラム部53から離脱させ、ドラム部53の単独回転を許容する(図7参照)。▲5▼ローラ56によってドラム部53を所定角度回動させる(図7参照)。▲6▼駆動ギヤ54を反転駆動し、回転伝達部51をドラム部53に係合させる(図8参照)。▲7▼駆動ギヤ54を移動力受け部52から離間させると共にローラ56をドラム部53から離間させる(図9参照)。
【0031】
上記幅調整機構30を有する液晶プロジェクタにおいては、例えば、静止画モードボタンと動画モードボタンを用意しておく。そして、静止画モードボタンが操作されたときには、モータ11の回転を止めて、上述した一連の動作▲2▼〜▲7▼を実行し、第1透過部4A及び第2透過部4Bの幅を広くする。一方、動画モードボタンが操作されたときには、モータ11の回転を止めて、上述した一連の動作▲2▼〜▲7▼を実行し、第1透過部4A及び第2透過部4Bの幅を狭くする。
【0032】
図10及び図11に幅調整機構31を示す。この幅調整機構31はモータ11の回転を止めずに、第1透過部4A及び第2透過部4Bの幅を変更できるものである。モータ11の回転軸11aに固定された第1の回転円盤41は第2の回転円盤42よりも大径に形成されており、第1の回転円盤41の縁側にはモータ61が固定されている。なお、モータ61の反対側にカウンタウェイトを設けて回転の安定性を高めるようにしてもよい。第2の回転円盤42の周縁には、円周状にラック部42aが形成されている。第1の回転円盤41と第2の回転円盤42とは互いに自由な回転を許すように重ね合わされている(第2の回転円盤42は回転軸11には固定されていない)。ただし、前記モータ61の回転軸に取り付けられたギヤ62が第2の回転円盤42のラック部42aに歯合されているため、第1の回転円盤41と第2の回転円盤42とは同体回転することになる。モータ61にて上記ギヤ62を回転させたときには、第1の回転円盤41と第2の回転円盤42との間で相対的な回動が生じ、第1透過部4A及び第2透過部4Bの幅が変化する。
【0033】
モータ61は、その電力線に順方向電圧を印加されると正回転し、逆方向電圧を印加されると逆回転する。前記電力線は、第1の回転円盤41の裏面側で非透過部に沿って貼り付けられている。また、この電力線の端部は回転軸11aの周面上に形成されたリング状導体にそれぞれ接続されている。モータ駆動制御部62の電力供給線は、前記リング状導体にそれぞれブラシ接触することで、駆動電力を前記電力線に伝達する。
【0034】
上記幅調整機構31を有する液晶プロジェクタにおいては、例えば、開口幅up/downキーを用意しておく。そして、この開口幅up/downキーが操作されたときに電力供給が行われてモータ61が正転又は逆転し、第1透過部4A及び第2透過部4Bの開口幅が増加又は減少し、前記キーの操作を止めると、電力の供給が停止されて、そのときの開口幅が維持されることになる。
【0035】
幅調整機構としては、更に、リニアステッピングモータの概念を適用した構成とすることもできる。リニアステッピングモータは、ステータとムーバ(コイル装着)とから成る。モータ11の回転軸に固定される回転円盤の周縁に円弧状に形成されたムーバを取り付け、図10に示したのと同様の配線により、前記ムーバのコイルに通電が行えるようにする。そして、モータ11の回転軸に固定されない回転円盤の周縁に円弧状に形成されたステータを設ける。かかる構成においても、回転円盤を回転させている状態で、開口幅up/downキーの操作により制御パルスを発生させて第1の回転円盤41と第2の回転円盤42との間で相対的な回動を生じさせ、第1透過部4A及び第2透過部4Bの開口幅を任意に設定することができる。
【0036】
勿論、幅調整機構としては、上述した構成に限るものではなく、回転軸を中心とした第1の回転円盤と第2の回転円盤との相対的な回動量を変更設定して前記渦状光透過部の幅を調整できるものであれば、どのような構成でもよい。
【0037】
また、以上説明した実施形態では、透過型の液晶表示パネルを用いたが、これに限るものではなく、反射型の液晶表示パネルやマトリクス状に配置された微小鏡を各々画素データに基づいて駆動するデバイスなども用いることができる。またインテグレータとしてロッドプリズムを用いたが、これに限らずフライアイからなるインテグレータを用いても良い。
【0038】
【発明の効果】
以上説明したように、この発明によれば、表示素子上に光スクロールを行なう構成において、表示素子上のスクロール光の幅を調節することができるという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】表示素子上に光スクロールを行なう構成の投写型映像表示装置を示した概略の構成図である。
【図2】同図(a)乃至(c)は斜め配置したスクロール円盤にてスクロール光が生成される様子を模式的に示した説明図である。
【図3】2枚の回転円盤を重ね合わせて成るスクロール円盤を示した説明図である。
【図4】同図(a)は2枚の回転円盤を同位相で重ね合わせてた状態のスクロール円盤を示し、同図(a)は2枚の回転円盤の位相を少しずらした状態のスクロール円盤を示した説明図である。
【図5】幅調整機構を示した構成図である。
【図6】幅調整機構の動作説明図である。
【図7】幅調整機構の動作説明図である。
【図8】幅調整機構の動作説明図である。
【図9】幅調整機構の動作説明図である。
【図10】幅調整機構の他の例を示した構成図である。
【図11】図10の幅調整機構の斜視図である。
【図12】従来の投写型映像表示装置の光学系を示した説明図である。
【符号の説明】
1 光源
2 集光部
3 インテグレータ
4 スクロール円盤
4A 第1透過部
4B 第2透過部
41 第1の回転円盤
42 第2の回転円盤
6 映像光生成系
7R,7G,7B 液晶表示パネル
11 モータ
12 スクロール位相検出部
13 回転制御部
51 回転伝達部
52 軸移動力受け部
53 ドラム部
54 駆動ギヤ
56 ローラ
61 モータ
62 モータ駆動制御部
Claims (5)
- 照射された光を受けて透過及び/又は反射させる際に当該光に循環的な偏向を生じさせる回転駆動型の光偏向手段と、光偏向手段からの光を3原色に分離して3つのホールド型表示素子に各々導く色分離手段と、各ホールド型表示素子を経て得られる各色映像光を合成して投写する投写手段と、各ホールド型表示素子に画素駆動信号を与える素子駆動手段とを備え、各ホールド型表示素子上で当該素子よりも小さな面積で集光される各色光が循環的にスクロールされるように構成されており、
前記光偏向手段は、渦状光透過部を一又は二以上有する第1の回転円盤と前記渦状光透過部に対応する調整用の渦状光透過部を有する第2の回転円盤とを重ね合わせて成り、
更に、回転軸を中心とした第1の回転円盤と第2の回転円盤との相対的な回動量を変更設定して前記渦状光透過部の幅を調整する幅調整機構を備えたことを特徴とする投写型映像表示装置。 - 請求項1に記載の投写型映像表示装置において、前記幅調整機構は、前記第1の回転円盤と第2の回転円盤との直接的又は間接的な噛み合い状態の形成と当該噛み合い状態の解除とを行わせる手段と、前記第1の回転円盤及び第2の回転円盤の回転の停止後に噛み合い状態の解除を行わせて第1の回転円盤と第2の回転円盤のいずれか一方を固定し他方を回動させる手段と、を備えて成ることを特徴とする投写型映像表示装置。
- 請求項1に記載の投写型映像表示装置において、前記幅調整機構は、前記第1の回転円盤と第2の回転円盤との同体回転状態を維持しつつ、第1の回転円盤と第2の回転円盤との間で相対的な回動駆動力を発生させる駆動手段から成ることを特徴とする投写型映像表示装置。
- 請求項3に記載の投写型映像表示装置において、一方の回転円盤にアクチュエータが設けられ、このアクチュエータから他方の回転円盤に回動駆動力が付与されるように構成されたことを特徴とする投写型映像表示装置。
- 請求項3に記載の投写型映像表示装置において、一方の回転円盤に磁気力アクチュエータの一方構成部が設けられ、他方の回転円盤に磁気力アクチュエータの他方構成部が設けられて成ることを特徴とする投写型映像表示装置。
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