JP3744749B2 - ディスク装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、磁気ディスク装置などのヘッド位置決めに使用されるボイスコイルモータに関し、特に回動型ボイスコイルモータによりヘッドをディスク面上の目標トラックへ高精度に位置決めを行うディスク装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来の小型磁気ディスク装置に用いられる回動型のボイスコイルモータは図16に示すように構成されている。
この従来のボイスコイルモータは、対向して配置された一対のヨーク101と、少なくとも一方のヨーク101に固定された永久磁石102と、これらのヨーク101と永久磁石102とで形成される空隙内に配設された扇型のコイル103と、軸受105の回りに回動自在に支持され一端に前記コイル103が取付けられたアーム104とから構成されている。
【0003】
アーム104の他端には磁気ヘッド106が取り付けられており、磁気ヘッド106は磁気ディスク107の上を半径方向(矢印C方向)に自在に移動するように構成されている。
コイル103に所定の駆動電流を通電すると、フレミングの左手の法則によりコイル103に駆動力が発生して、コイル103が軸受105の回りに矢印A方向に回動し、アーム104が軸受105を中心に矢印B方向に回動する。この動作を利用してボイスコイルモータは、アーム104の先端に搭載された磁気ヘッド106をコイル103の移動方向とは逆方向の矢印C方向に移動させてヘッド位置決めを行う。
【0004】
近年、磁気ディスク装置は、小型化、大容量化が進んでいる。特に大容量化に向けてトラック密度の高密度化が進み、トラックピッチが狭くなる傾向にある。
その結果、磁気ディスク装置では、磁気ディスク面上にデータを記録再生するために、磁気ヘッドを目標トラックに高精度に位置決めすることが望まれている。
【0005】
磁気ディスク装置においては、磁気ヘッドの位置決めのために磁気ディスク上にサーボ情報をあらかじめ形成しておき、このサーボ情報に従って磁気ヘッドの位置決め制御が行われる。磁気ディスク装置は、このサーボ情報を磁気ヘッドで読み取り、目標トラックに対する磁気ヘッドの位置誤差を示す誤差信号を生成し、この誤差信号が最小となるように磁気ヘッドの位置を制御する。
【0006】
したがって、磁気ヘッドの位置決め精度を高めるためには、位置決め制御系の制御帯域を拡大し、位置決め精度を確保する必要がある。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
上記の従来技術において、従来の回動型ボイスコイルモータを用いると、回動型ボイスコイルモータ自体に軸受ばねに起因する高次の固有機械共振が存在するため、ヘッドの位置決め精度を高めるために位置決め制御系の制御帯域を上げると制御系が不安定となってしまう。すなわち、回動型ボイスコイルモータの高次機械共振特性により位置決めの制御帯域が制限されることになり、磁気ディスク装置の高記録密度化を阻害する要因となっている。
【0008】
この現象を図17を用いて詳しく説明する。
扇型のコイル103に電流を流すと、永久磁石102とヨーク101とから形成される磁気回路の磁界により、コイル103の半径方向延伸部108にはそれぞれ駆動力Fが発生する。
これらの合力によって軸受105の回りにトルクTが発生し、コイル103の電流を適当に制御することで磁気ヘッド106の位置決めを行う。このとき、軸受105には約2Fのラジアル荷重が加わる。
【0009】
高速駆動を行うためにコイル103に通電される電流を変化させると、軸受105に作用するラジアル荷重の方向および大きさが変化しアーム104は矢印Dの方向に振動する。
軸受105に作用するラジアル荷重2Fの方向は、磁気ヘッド106の位置決め時の移動方向Cとほぼ平行であるため、ラジアル荷重2Fにより発生するアーム104の振動は、磁気ヘッド106の位置決め精度の低下を招くという問題点を有していた。
【0010】
したがって、本発明の第1の目的は、高トラック密度化に向けて、磁気ヘッドを支持するアームなどの部材にラジアル荷重を作用させることなく、位置決めの制御帯域を制限している軸受ばねに起因する固有振動の影響を除去することができ、高速かつ高精度に磁気ヘッドを位置決めすることのできるディスク装置を提供することである。
【0011】
また、ディスク装置において、アームに搭載された磁気ヘッドに記録再生信号の入出力を行ったり、アームを回転駆動するボイスコイルモータを構成するコイルへ駆動電流を供給するために、通常フレキシブルプリント基板が使用される。このフレキシブルプリント基板によるバイアストルクなどのアームに加わる加速度外乱は、磁気ヘッドのトラッキング精度を著しく低下させる。また、トラッキング動作そのものには、ボイスコイルモータに大きな駆動トルクを必要とはしないが、フレキシブルプリント基板によるバイアストルクを相殺するために、ボイスコイルモータのコイルに電流を常時通電する必要があり、ディスク装置の消費電力の増加を招くという問題点を有していた。
【0012】
したがって、本発明の第2の目的は、低消費電力を実現できるディスク装置を提供することである。
【0013】
【課題を解決するための手段】
この目的を達成するために本発明のディスク装置は、複数のコイルに駆動信号に応じて電力を供給する複数の駆動手段のうち一方には、ヘッドの位置に対応する誤差信号に応じた制御信号とヘッドの搭載された回転部材に加わる加速度外乱に相当する外乱推定信号とを加算して得られた駆動信号を供給するように構成され、他方には前記外乱推定信号と前記制御信号とを減算して得られた駆動信号を供給するように構成されたことを特徴とする。
【0014】
【発明の実施の形態】
請求項1記載のディスク装置は、回転軸を中心に回動自在の回転部材の一端に配置されディスク上のデータの記録再生を行うヘッドと、空隙を介して対向する一対のヨークの前記空隙内でその少なくとも一方のヨーク側に固着された永久磁石と、前記回転部材の他端に搭載され前記永久磁石と前記ヨークとから形成される磁気空隙内に配設されるとともにトルク発生に寄与する半径方向延伸部を有し前記半径方向延伸部の開き角の向きが互いに異なる複数のコイルと、前記複数のコイルに駆動信号に応じた電力を供給し前記回転部材を回転軸回りに回転駆動することにより前記ヘッドを目標のトラックに移動させる複数の駆動手段と、前記ディスク上に書き込まれたサーボ情報から前記ヘッドの位置に対応する誤差信号を生成する位置検出手段と、前記誤差信号に応じた制御信号を生成し前記複数の駆動手段に出力する位置制御手段と、前記誤差信号と前記駆動信号とから前記回転部材に加わる外乱の大きさを推定し外乱推定信号を出力する外乱推定手段と、前記外乱推定信号を補正し補正信号を出力する補正手段とを備え、前記複数のコイルにそれぞれ供給される駆動信号のうち、一方は前記制御信号と前記補正信号とを加算して得られるように構成され、他方は前記補正信号と前記制御信号とを減算して得られるように構成されたものである。
【0015】
この構成によれば、ヘッドを目標トラックへ位置決め制御するトラッキング動作のときには、軸受ばねに起因する高次の機械共振が存在する周波数領域では複数のコイルに電流がそれぞれ逆方向に通電されることになり、回動部材の移動方向に対して垂直な方向の偶力を発生させるため、回動部材を支持する軸受にラジアル荷重が作用することがなく、このラジアル荷重によってアームが振動したりすることはない。
【0016】
この構成によれば、ヘッドを目標トラックへ位置決め制御するときに、複数のコイルに電流がそれぞれ逆方向に通電されることになり、回動部材の移動方向に対して垂直な方向の偶力を発生させるため、回動部材を支持する軸受にラジアル荷重が作用することがなく、このラジアル荷重によってアームが振動したりすることはない。その結果、トラッキング動作のときに、制御帯域を制限していた回転軸の軸受ばねに起因する固有振動の影響を受けることがない。したがって、ヘッドの位置決め制御帯域を拡大することができ、回動部材のアーム先端に取付けられたヘッドを高精度に位置決めすることができる。
【0017】
また、アームに搭載されたヘッドに記録再生信号の入出力を行ったり、アームを回転駆動するボイスコイルモータを構成するコイルへ駆動電流を供給するために引き出されたフレキシブルプリント基板によるバイアストルクは、外乱推定手段の出力する外乱推定信号により複数のコイルに電流をそれぞれ同方向に通電させることにより、効率よく相殺されるので消費電力を低減することができる。
【0018】
請求項2記載のディスク装置は、回転軸を中心に回動自在の回転部材の一端に配置されディスク上のデータの記録再生を行うヘッドと、空隙を介して対向する一対のヨークの前記空隙内でその少なくとも一方のヨーク側に固着された永久磁石と、前記回転部材の他端に搭載され前記永久磁石と前記ヨークとから形成される磁気空隙内に配設されるとともにトルク発生に寄与する半径方向延伸部を有し前記半径方向延伸部の開き角の向きが互いに異なる複数のコイルと、前記複数のコイルに駆動信号に応じた電力を供給し前記回転部材を回転軸回りに回転駆動することにより前記ヘッドを目標のトラックに移動させる複数の駆動手段と、前記ディスク上に書き込まれたサーボ情報から前記ヘッドの位置に対応する誤差信号を生成する位置検出手段と、前記誤差信号に応じた制御信号を生成し前記複数の駆動手段に出力する位置制御手段と、前記誤差信号と前記駆動信号とから前記回転部材に加わる外乱の大きさを推定し外乱推定信号を出力する外乱推定手段と、前記外乱推定信号を補正し補正信号を出力する補正手段とを備え、前記複数のコイルにそれぞれ供給される駆動信号は、前記制御信号と前記補正信号を加算して得るとともに、複数のコイルへの通電方向の組合わせを選択的に切換えるように構成されたものである。
【0019】
この構成によれば、ヘッドを目標トラックまで移動させるシーク動作のときには、複数のコイルには同方向の電流が通電される。したがって、2つのコイルに同方向に回転トルクを発生させるようにそれぞれ電流を通電させることにより、大きな回転トルクを発生させてアームの回転部材を高速回転させヘッドを目標トラックまで高速移動させる。
【0020】
次にヘッドを目標トラックへ位置決め制御するトラッキング動作においては、2つのコイルには互いに逆方向に回転トルクが発生するように電流が通電される。2つのコイルは回動部材の移動方向に対して垂直な方向の偶力を発生するため、回動部材を支持する軸受にラジアル荷重が作用することがなく、このラジアル荷重によってアームが振動したりすることはない。その結果、制御帯域を制限していた回転軸の軸受ばねに起因する固有振動の影響を受けることがなく、ヘッドの位置決め制御帯域を拡大することができる。したがって、トラッキング時には回動部材のアーム先端に取付けられたヘッドを高精度に位置決めすることが可能となるだけでなく、シーク時には請求項1の場合と比較して大きな回転トルクを発生させることができヘッドを目標トラックまで高速に移動することも可能となる。
【0021】
請求項4記載のディスク装置は、回転軸を中心に回動自在の回転部材の一端に配置されディスク上のデータの記録再生を行うヘッドと、空隙を介して対向する一対のヨークの前記空隙内でその少なくとも一方のヨーク側に固着された永久磁石と、前記回転部材の他端に搭載され前記永久磁石と前記ヨークとから形成される磁気空隙内に配設されるとともにトルク発生に寄与する半径方向延伸部を有し前記半径方向延伸部の開き角の向きが互いに異なる複数のコイルと、
前記複数のコイルに駆動信号に応じた電力を供給し前記回転部材を回転軸回りに回転駆動することにより前記ヘッドを目標のトラックに移動させる複数の駆動手段と、前記ディスク上に書き込まれたサーボ情報から前記ヘッドの位置に対応する誤差信号を生成する位置検出手段と、前記誤差信号に応じた制御信号を生成し前記複数の駆動手段に出力する位置制御手段と、前記誤差信号と前記駆動信号とから前記回転部材に加わる外乱の大きさを推定し外乱推定信号を出力する外乱推定手段と、前記外乱推定信号を補正し補正信号を出力する補正手段とを備え、前記複数のコイルにそれぞれ供給される駆動信号は、一方は前記補正信号と前記制御信号とを加算して得られるように構成され、他方は前記補正信号と高域成分を通過させ低域成分の通過を阻止するフィルタ手段を介して入力された制御信号を減算して得られるように構成されたものである。
【0022】
この構成によれば、ヘッドを目標トラックまで移動させるシーク動作のときには、高域通過フィルタを介して駆動信号が入力された駆動回路に接続されたコイルには高域通過フィルタの作用により電流が通電されない。したがって、従来のボイスコイルモータと同様に1つのコイルだけに電流を通電させることにより、アームの回転部材を高速回転させてヘッドを目標トラックまで移動させる。次にヘッドを目標トラックへ位置決め制御するトラッキング動作のときには、軸受ばねに起因する高次の機械共振が存在する周波数領域では高域通過フィルタの作用により2つのコイルに電流がそれぞれ逆方向に通電されることになり、回動部材の移動方向に対して垂直な方向の偶力を発生させるため、回動部材を支持する軸受にラジアル荷重が作用することがなく、このラジアル荷重によってアームが振動したりすることはない。その結果、制御帯域を制限していた回転軸の軸受ばねに起因する固有振動の影響を受けることがなく、ヘッドの位置決め制御帯域を拡大することができ、回動部材のアーム先端に取付けられたヘッドを高速かつ高精度に位置決めすることができる。
【0023】
請求項5記載のディスク装置は、回転軸を中心に回動自在の回転部材の一端に配置されディスク上のデータの記録再生を行うヘッドと、空隙を介して対向する一対のヨークの前記空隙内でその少なくとも一方のヨーク側に固着された永久磁石と、前記回転部材の他端に搭載され前記永久磁石と前記ヨークとから形成される磁気空隙内に配設されるとともにトルク発生に寄与する半径方向延伸部を有し前記半径方向延伸部の開き角の向きが互いに異なる複数のコイルと、前記複数のコイルに駆動信号に応じた電力を供給することにより前記回転部材を回転軸回りに回転駆動して前記ヘッドを目標のトラックに移動させる複数の駆動手段と、前記ディスク上に書き込まれたサーボ情報から前記ヘッドの位置に対応する誤差信号を生成する位置検出手段と、前記誤差信号に応じた制御信号を生成し前記複数の駆動手段に出力する位置制御手段と、前記誤差信号と前記駆動信号とから前記回転部材に加わる外乱の大きさを推定し外乱推定信号を出力する外乱推定手段と、前記外乱推定信号を補正し補正信号を出力する補正手段とを備え、前記複数のコイルにそれぞれ供給される駆動信号は、一方は前記補正信号と前記制御信号とを加算して得られるように構成され、他方は前記補正信号と高域成分を通過させ低域成分の通過を阻止するとともに高域周波数領域で2倍に増幅する高域通過フィルタ手段の出力から前記制御信号を減算する減算手段の出力信号を減算して得られるように構成されたものである。
【0024】
この構成によれば、ヘッドを目標トラックまで移動させるシーク動作のときには、高域通過フィルタは駆動信号を駆動回路に出力しないので2つのコイルには同方向の電流が通電される。したがって、ヘッドを目標トラックまで移動させるシーク動作においては、2つのコイルに同方向に回転トルクを発生させるように電流を通電することにより、アームの回転部材を高速回転させてヘッドを目標トラックまで高速移動させる。次にヘッドを目標トラックへ位置決め制御するトラッキング動作においては、軸受ばねに起因する高次の固有機械共振が存在する周波数領域では高域通過フィルタの作用により2つのコイルに互いに逆方向に回転トルクが発生するように電流が通電される。2つのコイルは回動部材の移動方向に対して垂直な方向の偶力を発生させるため、回動部材を支持する軸受にラジアル荷重が作用することがなく、このラジアル荷重によってアームが振動したりすることはない。その結果、制御帯域を制限していた回転軸の軸受ばねに起因する固有振動の影響を受けることがなく、ヘッドの位置決め制御帯域を拡大することができ、回動部材のアーム先端に取付けられたヘッドを高精度に位置決めすることが可能となる。またヘッドを目標トラックまで移動させるシーク動作のときには2つのコイルに電流を通電するので、1つのコイルだけに電流を通電させる請求項1の場合と比較してコイルの利用率が上がり大きな回転トルクを発生させることができ、ヘッドを目標トラックまで高速に移動することも可能となるという特徴を有する。
【0025】
以下、本発明を各実施の形態に基づいて説明する。
(実施の形態1)
図1〜図11は本発明の(実施の形態1)を示す。
図1に示す磁気ディスク1は、スピンドルモータ(図示せず)により回転される。磁気ヘッド2は、軸受4の回りに回動自在に支持されたアーム3の一端に搭載されており、ボイスコイルモータ7によってアーム3を回動させて磁気ヘッド2を目標トラックへ移動させる。
【0026】
ボイスコイルモータ7は、図2と図3にも示すように上下一対のヨーク6の少なくとも一方のヨーク6に固定された永久磁石8と、これらのヨーク6と永久磁石8とで形成される空隙内に配設された扇型のコイル5を有している。
更に詳しくは、コイル5は2つのコイル5a,5bを軸受4の軸方向に積層配置した状態でアーム3に搭載されており、軸受4の回転中心軸Oを中心に矢印Aの方向に永久磁石8(21はS極、22はN極を示す)の表面に沿って回動するように保持されている。
【0027】
コイル5a,5bは、図2に示すようにコイル5aの駆動力を発生する2つの半径方向延伸部23a,23bのなす開き角θ1の向きと、コイル5bの駆動力を発生する2つの半径方向延伸部24a,24bのなす開き角θ2の向きとが、互いに異なるように(図面では、コイル5aは回転軸O側に開き、コイル5bは回転軸Oと反対側に開くように)配置されている。
【0028】
コイル5a,5bには、矢印ia,ibに示す方向に電流が通電される。このコイル5a,5bと所定の空隙を介して一対のヨーク6がコイル5a,5bの上下に配置されており、下側のヨーク6のコイル5b側の面には永久磁石8が固定されていて磁気回路を構成している。
なお、図面では下側のヨーク6のみに永久磁石を配置した構成としたが、上側のヨーク6に永久磁石を配置した構成としてもよいし、また両方のヨーク6に永久磁石を配置した構成としてもよい。
【0029】
この構成において、ヨーク6が発生する磁界とコイル5a,5bに通電される電流との相互作用により、アーム3が回転力を受ける。
図1に示すように、(実施の形態1)のディスク装置における位置決め制御系は、磁気ヘッド2の位置を検出する位置検出器12、制御信号cを生成する位置制御器13、及び駆動コイル5aに電流iaを供給する駆動回路11a、駆動コイル5bに電流ibを供給する駆動回路11bを有している。また、位置決め制御系には、負荷外乱を推定して外乱推定信号fd^を出力する外乱推定器14、外乱推定信号fd^の大きさを発生させるに必要な駆動回路11への補正信号βを出力する補正器15、制御信号cと補正信号βとを加算する加算器16、及び補正信号βから制御信号cを減算する減算器17が設けられている。
【0030】
磁気ディスク1の各セクタには予め位置信号εが記録されており、この位置信号εは磁気ヘッド2により読み込まれる。位置検出器12は、磁気ヘッド2により読み込まれた位置信号εにより磁気ヘッド2の現在位置を検出し、目標トラックの目標位置との差を示す誤差信号eを生成する。
位置制御器13は、位置検出器12で生成された誤差信号eが入力されて、増幅及び位相補償が行われ、制御信号cを生成し、加算器16と減算器17とに出力する。
【0031】
外乱推定器14には、位置検出器12の出力する誤差信号eと位置制御器13の出力する制御信号cが入力され、ボイスコイルモータ7に対して外部から加わる加速度外乱fdを推定し、外乱推定信号fd^を補正器15に出力する。
補正器15は、外乱推定信号fd^の大きさを発生させるに必要な駆動回路11への補正信号βを加算器16と減算器17に出力する。
【0032】
加算器16は、補正信号βと制御信号cとを加算し、駆動信号ua(=β+c)を駆動回路11aへ出力する。
減算器17は、補正信号βから制御信号cを減算し、駆動信号ub(=β−c)を駆動回路11bへ出力する。
駆動回路11aは入力された駆動信号uaに応じてコイル5aに電流iaを通電し、駆動回路11bは入力された駆動信号ubに応じてコイル5bに電流ibを通電し、アーム3を軸受4の回りに回動させる。
【0033】
この結果、アーム3の先端に取付けられた磁気ヘッド2は、目標トラックに対向する位置まで移動される。
また、上記のように構成された(実施の形態1)のディスク装置において、アームに搭載された磁気ヘッドに記録再生信号の入出力を行ったり、アームを回転駆動するボイスコイルモータを構成する複数のコイルへ駆動電流を供給するために引き出されたフレキシブルプリント基板によるバイアストルクなどの加速度外乱は、外乱推定器14により生成された外乱推定信号fdにより打ち消すように構成されている。
【0034】
次に、(実施の形態1)の磁気ディスク装置の位置決め制御系の動作について図4〜図11を用いて説明する。
図1において、位置制御器13の出力する制御信号cは、加算器16及び減算器17を介して駆動回路11a及び駆動回路11bに入力され、しかも駆動回路11bには減算器17により制御信号cの符号を反転して入力されるので、制御信号cに応じた電流i1,i2がコイル5a,5bにそれぞれ通電され、2つのコイル5a,5bには逆方向に電流が通電されることになる。
【0035】
図4に示す矢印i1,i2は、それぞれコイル5a,5bに通電される電流の方向で、2つのコイル5a,5bには互いに逆方向に電流が通電される。図4におけるN,Sはそれぞれ永久磁石8に着磁されている磁極を示す。
矢印f1はコイル5aの2つの半径方向延伸部23a,23bにそれぞれ発生する駆動力、矢印f2はコイル5bの2つの半径方向延伸部24a,24bにそれぞれ発生する駆動力で、矢印Fはf1とf2の合力を示す。
【0036】
図5は、図4に示すように2つのコイル5a,5bに互いに逆方向に電流を通電した場合の全体動作を模式的に表した図で、矢印Tは軸受4の回りに発生するトルクを示す。上側のコイル5aには矢印i1方向に通電し、下側のコイル5bに矢印i2方向に通電すると、永久磁石8とヨーク6とからなる磁気回路によって生成される磁界により、上側のコイル5aの半径方向延伸部23a,23bには駆動力f1がそれぞれ図4の矢印方向に発生し、また下側コイル5bの半径方向延伸部24a,24bには駆動力f2が図4の矢印方向に発生する。
【0037】
よって、コイル全体としては駆動力f1,f2の合力である力Fが2つのコイルのそれぞれの半径延伸部23a,24a及び23b,24bに作用することになる。
したがって、図5に示すように、2つのコイルのそれぞれの半径延伸部23a,24a及び23b,24bに発生する合力Fは、アーム3の先端に搭載された磁気ヘッド2の移動方向Cに対して垂直な方向の偶力になるため、軸受4には回転中心O回りの発生トルクTのみが発生し、ラジアル荷重は発生しない。軸受4にラジアル荷重が発生しないため、アーム3は振動することがない。
【0038】
その結果、磁気ヘッド2を目標トラックへ位置決め制御するトラッキング動作のとき制御帯域を制限していた回転軸の軸受ばねに起因する固有振動の影響を受けることがなく、磁気ヘッドの位置決め制御帯域を拡大することができ、磁気ヘッド2の位置決め精度を向上させることができる。
このときのボイスコイルモータのトルク定数をKr、コイル5a,5bに通電される電流i1、i2をそれぞれ等しく、I1=i2=iとすれば、発生トルクTは、T=Kr・iの関係がある。
【0039】
次に、図1において、外乱推定器14の出力する外乱推定信号fd^は加算器16及び減算器17を介して駆動回路11aおよび駆動回路11bに入力される。
図6に示す矢印i3,i4は、それぞれコイル5a,5bに通電される電流の方向で、2つのコイル5a,5bには同方向に電流が通電されることになる。
図7は、図6に示すように2つのコイル5a,5bに同方向に電流を通電した場合の全体動作を模式的に表した図で、矢印Tは軸受4の回りに発生するトルクを示す。上側のコイル5a、下側のコイル5bに電流をそれぞれ矢印i3,i4の同方向に通電した場合を示している。上側のコイル5aの半径方向延伸部23a,23bには駆動力f3がそれぞれ図6の矢印方向に発生し、また下側コイル5bの半径方向延伸部24a,24bには駆動力f4が図6の矢印方向に発生する。コイル全体としては駆動力f3,f4の合力である力Fが2つのコイルのそれぞれの半径延伸部23a,24a及び23b,24bに作用することになる。
【0040】
このときのボイスコイルモータのトルク定数をKf、コイル5a,5bに通電される電流i3、i4をそれぞれ等しく、I3=i4=iとすれば、発生トルクTは、T=Kf・iの関係があり、図4の2つのコイル5a,5bにそれぞれ逆方向に電流を通電した場合より大きなトルクT(Kf>Kr)が得られる。
したがって、2つのコイル5a,5bに同方向に電流を通電した場合には磁気ヘッド2をより少ない駆動電流で駆動することができるので、アーム3に加わる加速度外乱を、より少ない消費電力で相殺することが可能となる。
【0041】
このように、2つのコイルの通電方向の組み合わせを選ぶことで異なった特徴を持つ複数の動作を実現できる。
すなわち、磁気ヘッドの位置決め精度が要求されるが、大きなトルクを特に必要としないトラッキング動作の場合には、図4に示した逆方向の通電の組み合わせでコイル5a,5bをそれぞれ駆動する。また、大きなトルクを必要とする加速度外乱の相殺動作の場合には、図6に示した同方向の通電の組み合わせでコイル5a,5bをそれぞれ駆動するので、より少ない駆動電流で効率よく加速度外乱を相殺させることができる。
【0042】
以上のように、高精度トラッキング動作と高効率の加速度外乱相殺動作とを両立させてボイスコイルモータを駆動することができる。
したがって、従来よりも高精度な磁気ヘッドの位置決めを、より低消費電力で実現することが可能になる。
以下、図1の外乱推定器14の動作について詳細に説明する。
【0043】
図8は、(実施の形態1)のディスク装置におけるヘッド位置決め制御系の全体構成を示す。図中の一点鎖線で囲んだ部分が外乱推定器14である。
なお、図8において、sはラプラス演算子を表わすものである。また、図8において、セクタサーボのサンプリングによる時間遅れ要素を簡単にするため省略している。
【0044】
図8において、磁気ヘッド2の検出した現在トラック位置をxとすれば、目標トラックの位置rに対する位置誤差εは、式(1)で表され、
ε = r−x ……(1)
この位置誤差εは減算器61で得られる。
図8において、ブロック41で表される位置検出器12は、減算器61の出力する位置誤差εのKd倍の誤差信号e(=Kd・ε)を生成する。ここでKdは位置検出器12の検出感度を示す。
【0045】
ブロック42で表される位置制御器13は、位置検出器12から出力される誤差信号eに伝達関数Gc(s)のフィルタ処理を施し、制御信号cを生成する。
制御信号cは、ブロック43で表される駆動回路12に入力される。ブロック43の駆動回路11において、制御信号cは、電圧信号からgm倍の電流信号に変換され、電流irを出力する。
【0046】
ブロック44で表されるボイスコイルモータ7において、コイル5に通電される電流irは前述したマグネットの磁界との相互作用により伝達関数Krで駆動力frに変換される。ここで、Krはボイスコイルモータ7の力定数である。駆動力frは減算器23を経由して、ブロック45に入力される。ブロック45は、アーム3に作用する駆動力frから磁気ヘッド2の現在トラック位置xへの伝達特性を表わし、正確にはアーム3の慣性モーメントJとアームの長さLを使って表わすべきところを、質量Mに等価変換し、1/Ms2で表現している。
【0047】
図8において外乱推定器14は、ブロック45の伝達関数1/Ms2 と同じ伝達関数を有しており、ブロック52、ブロック53及びブロック54が対応している。ブロック43に入力される制御信号cは、外乱推定器14のブロック51にも入力され、gm・Kr倍することによりアーム3に作用する駆動力frと同一の伝達関数により変換された駆動力信号frが得られる。図8において、ブロック51とブロック52を併せたものを第2の乗算器50とする。第2の乗算器50から出力された加速度推定信号a^は、積分器53に入力される。
【0048】
加速度推定信号a^は加算器64を経由して、ブロック53で表される第1の積分器に入力されて積分され、第1の積分器は速度推定信号v^を出力する。速度推定信号v^は、加算器64を経由してブロック54で表される第2の積分器に入力される。この第2の積分器において再度積分され、位置推定信号x^が生成される。
【0049】
磁気ヘッド2が目標トラック位置rにオントラックしているときは、r=0と見なすことができ、式(1)から磁気ヘッド2の現在トラック位置xは、位置誤差εに負号を付加したものに等しくなる(ε=r−x=−x)。したがって、ブロック41から入力された誤差信号eは、ブロック58で表される第1の乗算器に入力される。ブロック58において−1/Kd倍して求めたヘッド位置x(=−e/Kd)とブロック54で求めた位置推定信号x^とは、減算器65に入力され、差信号α(=x−x^)が得られる。
【0050】
ブロック55で表される第3の乗算器には、上記の差信号αが入力され、g1倍されて加算器64に加えられる。
ブロック56において、減算器65からの差信号αがg2・M倍され、外乱推定信号fd^を生成する。
なお、ブロック55の係数g1とブロック56の係数g2は、外乱推定器14の動作を安定化するための定数であり、その詳細については後述する。
【0051】
なお、第1の乗算器(ブロック58)、第2の乗算器(ブロック51,52)、第3の乗算器(ブロック55)、第4の乗算器(ブロック57)、第1の積分器(ブロック53)及び第2の積分器(ブロック54)は、それぞれアナログフィルタで構成されている。
図8において、破線で囲んで示したブロック71は補正器15のブロック線図である。このブロック71は信号fd^を
1/(gm・Kf)倍
して補正信号βをブロック46の駆動回路11に入力される。
【0052】
補正信号βは、ブロック46で表される駆動回路12に入力される。ブロック46の駆動回路11において、補正信号βは、電圧信号からgm倍の電流信号に変換され電流ifを出力する。ブロック47で表されるボイスコイルモータ7において、コイル5に通電される電流ifは前述したマグネットの磁束との相互作用により伝達関数Kfで駆動力ff(=Kf・if)に変換される。ここで、Kfはボイスコイルモータ7の力定数である。駆動力ffは減算器23を経由して、ブロック45に入力される。
【0053】
次に、外乱推定器14の動作について、図9を参照して詳細に説明する。
図9(a)は、図8のブロック線図において、ヘッド位置xの入力位置(減算器65)を等価的に変換移動して整理したブロック線図である。図9(b)は、図9(a)のブロック線図を簡単に表現したブロック線図である。
図8の減算器65で示されたヘッド位置xの入力点は、大きさをMs2xとして、図9(a)に示す減算器67の位置に等価的に変換移動することができる。図9(a)の減算器67に着目すると、減算器67の出力であるγは、式(2)のように表される。
【0054】
γ=fr−Ms2x ……(2)
次に、図8の減算器23と加算器66に着目すると、式(3)の関係がある。
fr−fd^+fd=Ms2x ……(3)
式(2)と式(3)より、減算器67の出力であるγは、式(4)のように表される。
【0055】
γ=fd^−fd ……(4)
したがって、図9(a)のブロック線図より、アーム3に加わる加速度外乱γ(=fd^−fd)から外乱推定信号−fd^までの伝達関数を求めると、式(5)のようになる。
Figure 0003744749
式(5)より、アーム3に加わる加速度外乱fdから外乱推定信号fd^までの伝達関数は、式(6)のように表される。
【0056】
Figure 0003744749
式(6)から、外乱推定器14は、図8の一点鎖線で囲んだブロック内のループによって、磁気ヘッドの現在位置xと制御信号cから実際の加速度外乱fdを2次遅れ系で推定できることが分る。
【0057】
ここで、2次遅れ系の自然角周波数をωo、ダンピングファクタをζoとすれば、外乱推定器14の動作を安定化する定数g1及びg2はそれぞれ下記の式(7)及び式(8)で表される。
g1=2ζo・ωo ……(7)
g2=ωo2 ……(8)
ここで、自然角周波数ωoを、外部からディスク装置に加わる外乱の分布周波数より十分高く選び、ダンピングファクタζoを0.7〜1に選べば、外乱推定器14によりアーム3に加わる加速度外乱fdを極めて正確に推定することができる。
【0058】
次に、補正器15の動作について説明する。
図10(a)は、図8のブロック線図において、補正器15の動作に関連する減算器23と加算器66の部分を抜き出したブロック線図である。図10(b)は、加算器66に加わる加速度外乱fdとブロック81に加わる加速度外乱fdとを、加速度外乱fdを用いて1つにまとめたブロック線図である。なお、図8のブロック線図と同一の機能を有するものについては同一の符号を付して重複した説明は省略する。
【0059】
図10(a)のブロック線図において、ブロック81は、(6)式で表わされる伝達関数を有する。一方、加算器66には、図10(b)に示すように、加速度外乱fdが、式(9)で表されるブロック82の伝達関数Gd(s)で表わされる一種のフィルタを通して位置決め制御系に加えられるものと考えることができる。
【0060】
Figure 0003744749
図11は式(9)の伝達関数Gd(s)の周波数特性を示したグラフである。
図11に示す伝達関数Gd(s)の周波数特性より、自然角周波数ωoより低い角周波数では、ゲインは0dB以下であり、角周波数ωの下降に伴って−20dB/dec(ディケード)の減衰比で減衰している。すなわち、伝達関数Gd(s)は、式(7)、式(8)及び式(9)より、自然角周波数ωoより低い角周波数を抑制することができる低域遮断フィルタ特性を有する。
【0061】
すなわち、アームに搭載された磁気ヘッドに記録再生信号の入出力を行ったり、アームを回転駆動するボイスコイルモータを構成する複数のコイルへ駆動電流を供給するために引き出されたフレキシブルプリント基板によるバイアストルクなどの加速度外乱が位置決め制御系に作用しても、(実施の形態1)のディスク装置は、外乱推定器14によりこの加速度外乱fdを推定し、この加速度外乱に相当する外乱推定信号fd^を駆動回路12に出力させる。したがって、(実施の形態1)における位置決め制御系は、加速度外乱fdを打ち消すように外乱推定信号fd^を作用させるように構成されている。
【0062】
式(9)で表される伝達関数Gd(s)は、上述したように自然角周波数ωoより低い角周波数を抑制することができる低域遮断フィルタ特性を有している。したがって、自然角周波数ωoを適当に大きく設定すれば、加速度外乱fdによる磁気ヘッド2の目標トラックからのトラッキングずれを抑制することができる。
【0063】
(実施の形態2)
図12は本発明の(実施の形態2)を示す。
(実施の形態1)では、位置制御器13の出力する制御信号cに応じてボイスコイルモータ7を構成する2つのコイル5a,5bには互いに逆方向に電流が常に通電され、アーム3の先端に搭載された磁気ヘッド2を目標トラックへ位置決め制御するのに対して、この(実施の形態2)では、トラッキング及びシークの各モードに応じて2つのコイル5a,5bに通電される電流の方向が切換えられる点が異なる。
【0064】
図12は(実施の形態2)ディスク装置を示し、ボイスコイルモータ7の構成は(実施の形態1)と同様である。なお、図1と同一の機能を有するものに付いては同一の符号を付して重複した説明は省略する。
図12において、位置制御器13は位置検出器12で生成された誤差信号eが入力されて、増幅及び位相補償が行われ、制御信号cを生成し、加算器16と減算器17とに出力する。ただし、減算器17には切換器33を経由して制御信号cが入力され、入力端子34に入力されるモード指令に応じて切換器33に入力された2種類の信号を選択して、減算器17に出力する。切換器33の一方の入力aには位置制御器13の出力する制御信号cが入力され、切換器33の他方の入力bには反転器32を介して制御信号cが入力される。反転器32は、制御信号cの符号を反転して信号−cを出力する。
【0065】
このように構成されたディスク装置について、その動作を説明する。
切換器33の入力端子34にトラッキング指令が入力されたときは切換器33はa側に切換えられるので、位置制御器13の出力する制御信号cは、それぞれ加算器16及び減算器17を介して駆動回路11a及び駆動回路11bに入力され、(実施の形態1)と同様に制御信号cに応じた電流i1,i2が、ボイスコイルモータ7を構成する2つのコイル5a,5bにそれぞれ通電され、コイル5a,5bには互いに逆方向に電流が通電される(図4)。したがって、2つのコイルのそれぞれの半径延伸部23a,24a及び23b,24bに発生する合力Fは、アーム3の先端に搭載された磁気ヘッド2の移動方向Cに対して垂直な方向の偶力になるため、軸受4には回転中心O回りの発生トルクTのみが発生し、ラジアル荷重は発生しない(図5)。軸受4にラジアル荷重が発生しないため、アーム3は振動することがなく、磁気ヘッド2を目標トラックへ位置決め制御するトラッキング動作のとき制御帯域を制限していた回転軸の軸受ばねに起因する固有振動の影響を受けることがなく、磁気ヘッドの位置決め制御帯域を拡大することができ、磁気ヘッド2の位置決め精度を向上させることができる。
【0066】
外乱推定器14の出力する外乱推定信号fd^は、補正器15に入力され補正信号βに変換後、加算器16及び減算器17を介して駆動回路11aおよび駆動回路11bに入力される。(実施の形態1)と同様に外乱推定信号fd^に応じた電流i3,i4がコイル5a,5bにそれぞれ通電され、ボイスコイルモータ7を構成する2つのコイル5a,5bには同方向に電流が通電される(図6)。したがって、2つのコイル5a,5bに同方向に電流を通電した場合には、それぞれ逆方向に電流を通電した場合よりも大きなトルクTが得られ(図7)、磁気ヘッド2をより少ない駆動電流で駆動することができる。したがって、アーム3に加わる加速度外乱をより少ない消費電力で相殺することができる。
【0067】
切換器33の入力端子34にシーク指令が入力されたときは切換器33はb側に切換えられるので、位置制御器13の出力する制御信号cは、加算器16を介して駆動回路11aに入力され、さらに制御信号cは、反転器32で制御信号cの符号を反転されて減算器17を介して駆動回路11bに入力される。したがって、2つのコイル5a,5bに通電される電流の方向は、トラッキング時とは異なり、コイル5a,5bに同方向に電流が通電される(図6)。これにより、2つのコイル5a、5bに逆方向に通電した場合(図4)よりも大きなトルクが得られ、磁気ヘッド2をより高速で移動させることができる。
【0068】
切換器33の入力端子34にシーク指令が入力されたときは、入力端子34にトラッキング指令が入力されたときと同様に、外乱推定器14の出力する外乱推定信号fd^は、補正器15に入力され補正信号βに変換後、加算器16及び減算器17を介して駆動回路11aおよび駆動回路11bに入力され、外乱推定信号fd^に応じた電流i3,i4が2つのコイル5a,5bに同方向に通電され、アーム3に加わる加速度外乱を相殺することができる。ただし、切換器33の入力端子34にシーク指令が入力されたときは、図8の一点鎖線で囲んだ部分の外乱推定器14のブロック線図で、ブロック51の係数gm・Krをgm・Kfに切り換える必要がある。
【0069】
以上のように(実施の形態2)では、トラッキング、シークなどの各動作モードに応じて、2つのコイル5a,5bに通電する電流の方向の組合わせを切換器33の入力端子34に入力される指令に応じて切り換え、目的とする動作モードに対して最適なモードでボイスコイルモータを駆動することができる。
すなわち、磁気ヘッドの位置決め精度が要求されるトラッキングの場合には、図4に示した逆方向の通電の組み合わせでコイル5a,5bをそれぞれ駆動する。また、磁気ヘッドの高速移動のみが要求され、より大きなトルクを必要とするシークの場合には、図6に示した同方向の通電の組み合わせでコイル5a,5bをそれぞれ駆動するのである。
【0070】
したがって、従来よりも高精度な磁気ヘッドの位置決めをより低消費電力で実現することが可能になり、磁気ヘッドを目標トラックまで移動させるシーク動作のときには2つのコイルに同方向に電流を通電するので、それぞれ逆方向に電流を通電した場合よりも大きなトルクTが得られ、図1に示した(実施の形態1)によるディスク装置に比べて、磁気ヘッドを目標トラックまで高速に移動することも可能となる。
【0071】
なお、(実施の形態2)では、外乱推定器14は、トラッキング、シークなどの各動作モードに応じて、常に動作させ外乱推定信号fd^に応じた補正信号βが加算器16及び減算器17を介して駆動回路11aおよび駆動回路11bに入力されるものとして説明したが、トラッキング時のみ外乱推定器14を動作させ、シーク時には外乱推定器14を動作させないように構成してもよい。
【0072】
(実施の形態3)
図13〜図14は本発明の(実施の形態3)を示す。
(実施の形態2)では、アーム3の先端に搭載された磁気ヘッド2を目標トラックへ位置決め制御するのに、切換器33の入力端子34にトラッキング、シークなどの動作モード指令を入力することにより、2つのコイル5a,5bに通電する電流の方向の組合わせを切り換えるのに対して、この(実施の形態3)では、特別に動作モード指令を入力することなく2つのコイル5a,5bに通電される電流の方向が自動的に切換えられる点が異なる。
【0073】
図13は本発明の(実施の形態3)のディスク装置を示し、図1及び図12と同一の機能を有するものに付いては同一の符号を付して重複した説明は省略する。
図13において、位置制御器13で生成された制御信号cは加算器16に出力される。加算器16は、制御信号cと補正器15の補正信号βとを加算した信号uaを駆動回路11aへ出力する。駆動回路11aは、入力された信号uaを増幅し、電流iaをコイル5aに通電する。制御信号cは、高域通過フィルタ81へも出力され、高域通過フィルタ81は、制御信号cの高域周波数成分だけを出力信号uとして減算器17に出力する。減算器17は、出力信号uと補正器15の補正信号βとを加算した信号ubを駆動回路11bへ出力する。駆動回路11bは、入力された信号ubを増幅し、電流ibをコイル5bに通電する。
【0074】
したがって、駆動回路11a,11bは、入力された駆動信号ua,ubに応じてコイル5a,5bにそれぞれ電流ia,ibを通電し、アーム3を軸受4を中心に回動させ、アーム3の先端に取り付けられた磁気ヘッド2を目標トラックまで移動させる。
図14は、高域通過フィルタ81の入力である制御信号cから出力信号uまでの伝達特性を示す周波数特性図である。
【0075】
図14において、高域通過フィルタ14は、遮断周波数fcより十分高域の周波数では、入力としての制御信号cをそのままの大きさで減算器17に出力するが、遮断周波数fcより低域の周波数では制御信号cの大きさを減衰させて出力信号uを減算器17に出力する。
なお、遮断周波数fcは、軸受4の軸受ばねに起因する固有振動周波数より低い周波数に設定され、少なくとも前記回転軸の軸受ばねによる固有振動周波数以上の制御信号cの高域成分を通過させ低域成分の通過を阻止するように構成されている。
【0076】
したがって、制御信号cが遮断周波数fcより高域の周波数領域では、制御信号cに応じた電流がコイル5a,5bの両方にそれぞれ通電されるが、制御信号cが遮断周波数fcより十分低域の周波数領域では、高域通過フィルタ14の作用により制御信号cに応じた電流はコイル5bには通電されず、コイル5aにのみ通電される。
【0077】
このように構成されたディスク装置について、その動作を説明する。
遮断周波数fcより十分高域の周波数領域では位置制御器13の出力する制御信号cは、それぞれ加算器16及び減算器17を介して駆動回路11a及び駆動回路11bに入力され、(実施の形態1)と同様に制御信号cに応じた電流i1,i2が、ボイスコイルモータ7を構成する2つのコイル5a,5bにそれぞれ通電され、コイル5a,5bには互いに逆方向に電流が通電される(図4)。したがって、2つのコイルのそれぞれの半径延伸部23a,24a及び23b,24bに発生する合力Fは、アーム3の先端に搭載された磁気ヘッド2の移動方向Cに対して垂直な方向の偶力になるため、軸受4には回転中心O回りの発生トルクTのみが発生し、ラジアル荷重は発生しない(図5)。軸受4にラジアル荷重が発生しないため、アーム3は振動することがなく、磁気ヘッド2を目標トラックへ位置決め制御するトラッキング動作のとき制御帯域を制限していた回転軸の軸受ばねに起因する固有振動の影響を受けることがなく、磁気ヘッドの位置決め制御帯域を拡大することができ、磁気ヘッド2の位置決め精度を向上させることができる。
【0078】
外乱推定器14の出力する外乱推定信号fd^は、補正器15に入力され補正信号βに変換後、加算器16及び減算器17を介して駆動回路11aおよび駆動回路11bに入力され、(実施の形態1)と同様に外乱推定信号fd^に応じた電流i3,i4がコイル5a,5bにそれぞれ通電され、ボイスコイルモータ7を構成する2つのコイル5a,5bには同方向に電流が通電される(図6)。したがって、2つのコイル5a,5bに同方向に電流を通電した場合には、それぞれ逆方向に電流を通電した場合よりも大きなトルクTが得られ、磁気ヘッド2をより少ない駆動電流で駆動することができる。したがって、アーム3に加わる加速度外乱をより少ない消費電力で相殺することができる。
【0079】
磁気ヘッドを目標トラックまで移動させるシーク動作のときは、駆動回路11bに接続されたコイル5bには高域通過フィルタ81の作用により制御信号cが遮断されるため、制御信号cによる電流が通電されない。したがって、従来のボイスコイルモータと同様に、制御信号cによる電流は1つのコイルだけに通電され、アームの回転部材を回動させて磁気ヘッドを目標トラックまで移動させる。これにより、2つのコイル5a、5bに逆方向に通電した場合(図4)よりも大きなトルクが得られ、磁気ヘッド2をより高速で移動させることができる。
【0080】
外乱推定器14の出力する外乱推定信号fd^は、補正器15に入力され補正信号βに変換後、加算器16及び減算器17を介して駆動回路11aおよび駆動回路11bに入力され、外乱推定信号fd^に応じた電流i3,i4が2つのコイル5a,5bに同方向に通電され、アーム3に加わる加速度外乱を相殺することができる。
【0081】
以上のように、(実施の形態3)では、(実施の形態2)のように動作モード指令を入力することなく2つのコイル5a,5bに通電される電流の方向を自動的に切り換え、目的とする動作モードに対して最適なモードでボイスコイルモータを駆動することができる。
すなわち、磁気ヘッドの位置決め精度が要求されるトラッキングの場合には、図4に示した逆方向の通電の組み合わせでコイル5a,5bをそれぞれ駆動する。また、磁気ヘッドの高速移動のみが要求され、より大きなトルクを必要とするシークの場合には、図6に示した同方向の通電の組み合わせでコイル5a,5bをそれぞれ駆動する。したがって、従来よりも高精度な磁気ヘッドの位置決めをより低消費電力で実現することが可能になり、磁気ヘッドを目標トラックまで移動させるシーク動作のときには1つのコイルに電流を通電するので、2つのコイルにそれぞれ逆方向に電流を通電した場合よりも大きなトルクTが得られ、図1に示した(実施の形態1)によるディスク装置に比べて、磁気ヘッドを目標トラックまで高速に移動することも可能となる。
【0082】
(実施の形態4)
図15は本発明の(実施の形態4)を示す。
(実施の形態3)では、シーク動作のときは、駆動回路11bに接続されたコイル5bには高域通過フィルタ81の作用により制御信号cが遮断されるため、制御信号cによる電流が1つのコイルだけに電流を通電させて磁気ヘッドを目標トラックへ高速移動させるのに対して、この(実施の形態4)では、シーク動作のときは、2つのコイル5a,5bに制御信号cに応じた電流を同方向に通電される点が異なる。
【0083】
図15に示す(実施の形態4)のディスク装置では、図1,図12及び図13と同一の機能を有するものに付いては同一の符号を付して重複した説明は省略する。
図15において、制御信号cは、加算器16と高域通過フィルタ91へ入力される。高域通過フィルタ91は、制御信号cの高域周数成分だけを出力信号uとして出力し、出力信号uはゲインが2倍の乗算器92に入力される。乗算器92の出力信号2cと制御信号cは、減算器93に入力される。減算器93は、減算信号ucを減算器17に出力する。減算器17は、減算信号ucと補正器15の補正信号βとを減算して得られた駆動信号ubを駆動回路11bへ出力する。駆動回路11bは、入力された駆動信号ubを増幅し、電流ibをコイル5bに通電する。
【0084】
駆動回路11a,11bは、入力された駆動信号ua,ubに応じてコイル5a,5bにそれぞれ電流ia,ibを通電し、アーム3を軸受4を中心に回動させ、アーム3の先端に取り付けられた磁気ヘッド2を目標トラックまで移動させ、位置決めを行う。
高域通過フィルタ91は、図13のディスク装置を構成する高域通過フィルタ81と同様の周波数特性(図14)を有するものとする。
【0085】
図15のディスク装置では、遮断周波数fcより十分低域の周波数領域では制御信号cは、高域通過フィルタ91を通過せず、信号は遮断される。よって、制御信号cは、減算器93で信号の大きさはそのままで符号を反転させた状態で、減算信号uc(=−c)を減算器17へ出力する。
一方、遮断周波数fcより十分高域の周波数領域では制御信号cは、高域通過フィルタ91をそのまま通過して、ゲインが2倍の乗算器92へ入力される。乗算器92は入力された制御信号cを2倍に増幅し、2cの信号を出力する。乗算器92の出力信号2cと制御信号cは、減算器93に入力され、減算されて減算信号uc(=2c−c=c)を減算器17へ出力する。
【0086】
すなわち、高域通過フィルタ91の遮断周波数fcより十分高域の周波数領域では、制御信号cは高域通過フィルタ91を通過し、乗算器92を介して減算器93へ入力されるので、減算器93からは制御信号cと等しい出力信号uc(=c)が駆動回路11bへ出力されるので、制御信号cに応じた電流がi1,i2がコイル5a,5bにそれぞれ通電され、2つのコイル5a,5bには互いに逆方向に電流が通電される(図4)。
【0087】
したがって、2つのコイルのそれぞれの半径延伸部23a,24a及び23b,24bに発生する合力Fは、アーム3の先端に搭載された磁気ヘッド2の移動方向Cに対して垂直な方向の偶力になるため、軸受4には回転中心O回りの発生トルクTのみが発生し、ラジアル荷重は発生しない(図5)。軸受4にラジアル荷重が発生しないため、アーム3は振動することがなく、磁気ヘッド2を目標トラックへ位置決め制御するトラッキング動作のとき制御帯域を制限していた回転軸の軸受ばねに起因する固有振動の影響を受けることがなく、磁気ヘッドの位置決め制御帯域を拡大することができ、磁気ヘッド2の位置決め精度を向上させることができる。
【0088】
外乱推定器14の出力する外乱推定信号fd^は、補正器15に入力され補正信号βに変換後、加算器16及び減算器17を介して駆動回路11aおよび駆動回路11bに入力され、(実施の形態1)と同様に外乱推定信号fd^に応じた電流i3,i4がコイル5a,5bにそれぞれ通電され、ボイスコイルモータ7を構成する2つのコイル5a,5bには同方向に電流が通電される。
【0089】
したがって、2つのコイル5a,5bに同方向に電流を通電した場合には、それぞれ逆方向に電流を通電した場合よりも大きなトルクTが得られ、磁気ヘッド2をより少ない駆動電流で駆動することができる。したがって、アーム3に加わる加速度外乱をより少ない消費電力で相殺することができる。
磁気ヘッドを目標トラックまで移動させるシーク動作のときは、駆動回路11bに接続されたコイル5bには高域通過フィルタ91の作用により制御信号cが遮断されるため、減算器93からは、信号の大きさはそのままで符号が反転された出力信号−cが駆動回路11bへ出力され、制御信号cに応じた電流i3,i4がコイル5a,5bにそれぞれ通電され、2つのコイル5a,5bには同方向の電流が通電される(図6)。
【0090】
したがって、コイル全体としては、2つのそれぞれの半径方向延伸部23a,24a及び23b,24bに発生する駆動力f3,f4の合力である合力Fが2つのコイルのそれぞれの半径方向延伸部23a,24a及び23b,24bに作用することになる。これにより、2つのコイル5a,5bに逆方向に電流を通電した場合より大きなトルクTが得られ、磁気ヘッド2をより高速で移動させることができる。
【0091】
外乱推定器14の出力する外乱推定信号fd^は、補正器15に入力され補正信号βに変換後、加算器16及び減算器17を介して駆動回路11aおよび駆動回路11bに入力され、外乱推定信号fd^に応じた電流i3,i4が2つのコイル5a,5bに同方向に通電され、アーム3に加わる加速度外乱を相殺することができる。
【0092】
以上のように、(実施の形態4)では、2つのコイルの通電方向の組み合わせを制御信号cの周波数に応じて切り換えることで異なった特徴を持つ複数の動作を実現することができる。
すなわち、磁気ヘッドの位置決め精度が要求されるトラッキングの場合には、図4に示した逆方向の通電の組み合わせでコイル5a,5bをそれぞれ駆動する。また、磁気ヘッドの高速移動のみが要求され、より大きなトルクを必要とするシークの場合には、図6に示した同方向の通電の組み合わせでコイル5a,5bをそれぞれ駆動する。
【0093】
したがって、従来よりも高精度な磁気ヘッドの位置決めをより低消費電力で実現することが可能になり、磁気ヘッドを目標トラックまで移動させるシーク動作のときには2つのコイルに電流を通電するので、図13に示した(実施の形態3)によるディスク装置に比べて、コイルの利用率が上がり磁気ヘッドを目標トラックまで高速に移動することも可能となるという特徴を有する。
【0094】
なお、上記の各実施の形態では、乗算器や積分器はアナログ・フィルタで構成するものとして説明したが、ディジタル・フィルタで構成することも可能である。
さらに、上記の各実施の形態の位置決め制御系を構成する各部についてはマイクロコンピュータによるソフトウェアにより実現するようにしてもよい。
【0095】
なお、上記の各実施の形態では磁気ディスク装置で説明したが、本発明は、これに限定されるものではなく、例えば、光ディスク装置や光磁気ディスク装置等のディスクの加速度外乱に対する位置決め制御系にも適用できる。
【0096】
【発明の効果】
以上のように本発明のディスク装置によれば、複数のコイルに対して所定の向きに通電した場合に、これら複数のコイルのトルク発生に寄与する半径方向延伸部に発生する合力が、回転部材の移動方向に対して垂直な方向の偶力になるように、半径方向の延伸部の開き角の向きを互いに異ならせて複数のコイルを配置させることで、回転軸を中心に回動自在に支持された回転部材を安定して回転させることができ、回転部材の先端に取付けられたヘッドを高速かつ高精度に位置決めすることができる。
【0097】
また、複数のコイルを、回転中心軸に沿う方向に積層させることで、ディスク装置にこのボイスコイルモータを用いた場合に、ディスク装置に占めるコイルの占有面積が増加しないので、ディスク装置の小型化を図ることができる。
また、本発明のディスク装置によれば、複数のコイルへの通電方向の組み合わせをトラッキング、シークの各動作モードに応じて切換えることで、トラッキング動作やシーク動作などの異なった特徴を持つ複数の動作モードに応じて複数のコイルへの通電方向の組合わせを切換えることができる。したがって、本発明のボイスコイル駆動装置によれば、目的とする動作モードに対して最適な動作でボイスコイルモータを駆動することができるので、従来のボイスコイルモータを使用したときよりも高速でかつ高精度に位置決めすることができ、高トラック密度のディスク装置を提供することができる。
【0098】
また、アームに搭載されたヘッドに記録再生信号の入出力を行ったり、アームを回転駆動するボイスコイルモータを構成する複数のコイルへ駆動電流を供給するために引き出されたフレキシブルプリント基板によるバイアストルクなどの加速度外乱は、外乱推定手段の出力する外乱推定信号により複数のコイルに電流をそれぞれ同方向に通電されることにより、効率よく相殺されるので消費電力を低減することができ、低消費電力のディスク装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の(実施の形態1)のディスク装置のブロック図
【図2】同実施の形態の回動型ボイスコイルモータの要部平面図
【図3】同実施の形態の回動型ボイスコイルモータの要部断面図
【図4】同実施の形態の動作を示す模式図
【図5】同実施の形態の動作を説明する模式図
【図6】同実施の形態の動作を示す模式図
【図7】同実施の形態の動作を説明する模式図
【図8】同実施の形態の位置決め制御系のブロック線図
【図9】(a)は同実施の形態の外乱推定器の外乱推定動作を説明するためのブロック線図、(b)は外乱推定器のブロック線図を簡単に表現したブロック線図
【図10】(a)は同実施の形態の補正器の動作を説明するためのブロック線図、(b)は(a)における加速度外乱による変位の入力部のブロック線図
【図11】同実施の形態のディスク装置に加わる加速度外乱に対する周波数特性図
【図12】本発明に係わる(実施の形態2)のディスク装置の構成を示すブロック図
【図13】本発明に係わる(実施の形態3)のディスク装置の構成を示すブロック図
【図14】同実施の形態の低域通過フィルタの周波数特性図
【図15】本発明に係わる(実施の形態4)のディスク装置の構成を示すブロック図
【図16】従来の磁気ディスク装置の斜視図
【図17】同従来例の平面図
【符号の説明】
1 磁気ディスク
2 磁気ヘッド
4 軸受
7 ボイスコイルモータ
11 駆動回路
14 外乱推定器
15 補正器
81,92 高域通過フィルタ

Claims (7)

  1. 回転軸を中心に回動自在の回転部材の一端に配置されディスク上のデータの記録再生を行うヘッドと、
    空隙を介して対向する一対のヨークの前記空隙内でその少なくとも一方のヨーク側に固着された永久磁石と、
    前記回転部材の他端に搭載され前記永久磁石と前記ヨークとから形成される磁気空隙内に配設されるとともにトルク発生に寄与する半径方向延伸部を有し前記半径方向延伸部の開き角の向きが互いに異なる複数のコイルと、
    前記複数のコイルに駆動信号に応じた電力を供給し前記回転部材を回転軸回りに回転駆動することにより前記ヘッドを目標のトラックに移動させる複数の駆動手段と、
    前記ディスク上に書き込まれたサーボ情報から前記ヘッドの位置に対応する誤差信号を生成する位置検出手段と、
    前記誤差信号に応じた制御信号を生成し前記複数の駆動手段に出力する位置制御手段と、
    前記誤差信号と前記駆動信号とから前記回転部材に加わる外乱の大きさを推定し外乱推定信号を出力する外乱推定手段と、
    前記外乱推定信号を補正し補正信号を出力する補正手段と
    を備え、前記複数のコイルにそれぞれ供給される駆動信号は、一方は前記制御信号と前記補正信号とを加算して得られるように構成され、他方は前記補正信号と前記制御信号とを減算して得られるように構成した
    ことを特徴とするディスク装置。
  2. 回転軸を中心に回動自在の回転部材の一端に配置されディスク上のデータの記録再生を行うヘッドと、
    空隙を介して対向する一対のヨークの前記空隙内でその少なくとも一方のヨーク側に固着された永久磁石と、
    前記回転部材の他端に搭載され前記永久磁石と前記ヨークとから形成される磁気空隙内に配設されるとともにトルク発生に寄与する半径方向延伸部を有し前記半径方向延伸部の開き角の向きが互いに異なる複数のコイルと、
    前記複数のコイルに駆動信号に応じた電力を供給し前記回転部材を回転軸回りに回転駆動することにより前記ヘッドを目標のトラックに移動させる複数の駆動手段と、
    前記ディスク上に書き込まれたサーボ情報から前記ヘッドの位置に対応する誤差信号を生成する位置検出手段と、
    前記誤差信号に応じた制御信号を生成し前記複数の駆動手段に出力する位置制御手段と、
    前記誤差信号と前記駆動信号とから前記回転部材に加わる外乱の大きさを推定し外乱推定信号を出力する外乱推定手段と、
    前記外乱推定信号を補正し補正信号を出力する補正手段と
    を備え、前記複数のコイルにそれぞれ供給される駆動信号は、前記制御信号と前記補正信号を加算して得るとともに、複数のコイルへの通電方向の組合わせを選択的に切換えるように構成した
    ことを特徴とするディスク装置。
  3. 外乱推定手段は、複数のコイルへの通電方向の組合わせに応じて制御定数を変更するようにしたことを特徴とする請求項2に記載のディスク装置。
  4. 回転軸を中心に回動自在の回転部材の一端に配置されディスク上のデータの記録再生を行うヘッドと、
    空隙を介して対向する一対のヨークの前記空隙内でその少なくとも一方のヨーク側に固着された永久磁石と、
    前記回転部材の他端に搭載され前記永久磁石と前記ヨークとから形成される磁気空隙内に配設されるとともにトルク発生に寄与する半径方向延伸部を有し前記半径方向延伸部の開き角の向きが互いに異なる複数のコイルと、
    前記複数のコイルに駆動信号に応じた電力を供給することにより前記回転部材を回転軸回りに回転駆動して前記ヘッドを目標のトラックに移動させる複数の駆動手段と、
    前記ディスク上に書き込まれたサーボ情報から前記ヘッドの位置に対応する誤差信号を生成する位置検出手段と、
    前記誤差信号に応じた制御信号を生成し前記複数の駆動手段に出力する位置制御手段と、
    前記誤差信号と前記駆動信号とから前記回転部材に加わる外乱の大きさを推定し外乱推定信号を出力する外乱推定手段と、前記外乱推定信号を補正し補正信号を出力する補正手段と
    を備え、前記複数のコイルにそれぞれ供給される駆動信号は、一方は前記補正信号と前記制御信号とを加算して得られるように構成し、他方は前記補正信号と高域成分を通過させ低域成分の通過を阻止するフィルタ手段を介して入力された制御信号を減算して得られるように構成した
    ことを特徴とするディスク装置。
  5. 回転軸を中心に回動自在の回転部材の一端に配置されディスク上のデータの記録再生を行うヘッドと、
    空隙を介して対向する一対のヨークの前記空隙内でその少なくとも一方のヨーク側に固着された永久磁石と、
    前記回転部材の他端に搭載され前記永久磁石と前記ヨークとから形成される磁気空隙内に配設されるとともにトルク発生に寄与する半径方向延伸部を有し前記半径方向延伸部の開き角の向きが互いに異なる複数のコイルと、
    前記複数のコイルに駆動信号に応じた電力を供給することにより前記回転部材を回転軸回りに回転駆動して前記ヘッドを目標のトラックに移動させる複数の駆動手段と、
    前記ディスク上に書き込まれたサーボ情報から前記ヘッドの位置に対応する誤差信号を生成する位置検出手段と、
    前記誤差信号に応じた制御信号を生成し前記複数の駆動手段に出力する位置制御手段と、
    前記誤差信号と前記駆動信号とから前記回転部材に加わる外乱の大きさを推定し外乱推定信号を出力する外乱推定手段と、
    前記外乱推定信号を補正し補正信号を出力する補正手段と
    を備え、前記複数のコイルにそれぞれ供給される駆動信号は、一方は前記補正信号と前記制御信号とを加算して得られるように構成し、他方は前記補正信号と高域成分を通過させ低域成分の通過を阻止するとともに高域周波数領域で2倍に増幅するフィルタ手段の出力から前記制御信号を減算する減算手段を介して入力された制御信号を減算して得られるように構成した
    ことを特徴とするディスク装置。
  6. フィルタ手段は、少なくとも前記回転軸の軸受ばねによる固有振動周波数以上の高域成分を通過させ低域成分の通過を阻止するように構成したことを特徴とする請求項4または請求項5の何れかに記載のディスク装置。
  7. 複数のコイルの半径方向延伸部に発生する合力が所定の通電状態では回転部材の移動方向に対して垂直な方向の偶力になるように半径方向延伸部の開き角の向きを互いに異ならせて回転軸に沿う方向に積層させて配設したことを特徴とする請求項1、請求項2、請求項4または請求項5の何れかに記載のディスク装置。
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