JP2003141830A - ディスク装置 - Google Patents

ディスク装置

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JP2003141830A
JP2003141830A JP2001339108A JP2001339108A JP2003141830A JP 2003141830 A JP2003141830 A JP 2003141830A JP 2001339108 A JP2001339108 A JP 2001339108A JP 2001339108 A JP2001339108 A JP 2001339108A JP 2003141830 A JP2003141830 A JP 2003141830A
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disturbance
head
amount
rotation
disk device
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Application number
JP2001339108A
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English (en)
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Hiroshi Takaso
高祖  洋
Toshio Inaji
稲治  利夫
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Panasonic Holdings Corp
Original Assignee
Matsushita Electric Industrial Co Ltd
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  • Rotational Drive Of Disk (AREA)
  • Moving Of Head For Track Selection And Changing (AREA)
  • Moving Of The Head To Find And Align With The Track (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 低消費電力で動作し、振動や衝撃などの外乱
を受けても安定な動作でヘッドの位置決め制御が可能な
ディスク装置を実現する。 【解決手段】 ヘッド12に加わる振動や衝撃などの外
乱量を検出する状態推定部62と、この検出結果に基づ
き外乱が発生したことを判定する外乱判定部119とに
より、外乱の発生を検出する。外乱の発生を検出したと
き、外乱の発生を検出してないときに比べて、回転制御
部18は、スピンドルモータ17の回転速度が高速とな
るように制御するとともに、位置決め制御部16は、位
置決め制御部16の制御帯域が広帯域となるように制御
する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、ディスク状の記録
媒体に情報の記録や再生をおこなうディスク装置に関す
る。
【0002】
【従来の技術】近年、マルチメディア分野の技術の進展
に伴って、情報を記録や再生するディスク装置の分野で
は、情報記録媒体であるディスク面の目標位置に高速に
ヘッドの位置決めを行い、大容量の映像情報、音声情
報、文字情報などを高速で記録や再生する高記録密度の
ディスク装置が、市場から強く要請されている。
【0003】実際に、高密度化に関しては、ディスク装
置の記録密度が年々増加している。また、高速化に関し
ても、ディスク装置の応答速度を向上させるために、デ
ィスクを回転駆動するスピンドルモータの回転速度は高
速化に向かっている。すなわち、回転数が1万rpmを
超えるスピンドルモータを有したディスク装置も実用化
されている。このような背景には、ヘッド、ヘッドスラ
イダ、アクチュエータなどの部品性能の向上とともに、
ヘッドをトラック上に精度よく位置決めする、位置決め
制御技術が向上したことも大きな理由である。
【0004】また、最近では、磁気ディスクを利用した
磁気ディスク装置が安価で小型、大容量、かつ高速デー
タ転送の特徴からパーソナルコンピュータ(以下、PC
と略記する)用途だけでなく、AV(Audio−Vi
sual)分野やモバイル分野、カーエレクトロニクス
分野での応用も加速されつつある。特に、近年では、例
えば携帯用のノート型PCのような、移動用機器に磁気
ディスク装置を組み込んだ用途が増加している。これら
は持ち運ぶことを前提としているために、高速化、高密
度化に加えて、小型化や耐衝撃性、さらには低消費電力
化が重要視される。
【0005】小型化に関しては、当然ながら移動用とし
て運搬し易くすることが必要であるため重要な要素であ
る。また、耐衝撃性についても、移動用として用いるた
めには重要な要素である。すなわち、設置された機器に
組み込まれたディスク装置と比較して、移動用機器に組
み込まれたディスク装置は、外部から振動や衝撃などの
外乱を受け易い環境にある。ディスク装置が外乱を受け
た場合は、ヘッドや位置決め機構に対して外乱による加
速度が発生し、この加速度がヘッドの位置決め制御に影
響し、位置決め精度が劣化する。従来、このような外乱
による位置決め精度の劣化を抑制する手法として、外乱
による加速度を加速度センサで検出し、この検出信号を
利用してヘッドの位置決め誤差を抑制する技術が提案さ
れている。また、外乱によりディスクの回転軸が傾斜方
向に変形することで生じる機械的共振を、加速度センサ
を利用し、位置決め制御手段で補償する技術なども提案
されている(例えば、特開2000−182343公
報)。
【0006】さらに、移動用機器に組み込まれたディス
ク装置としては、上記小型化、耐衝撃性に加えて低消費
電力化が非常に重要となる。すなわち、移動用機器の中
でも特に携帯用機器は、持ち運びを可能とするために電
池駆動する必要があり、電池駆動での十分な動作時間を
確保するため、消費電力を低く抑える必要がある。この
ため、ディスク装置での低消費電力化を図る技術も種々
提案されている。ディスク装置において、消費電力が問
題となる構成要素としてはディスクを回転操作するスピ
ンドルモータがある。消費電力を問題としない場合に
は、スピンドルモータを常に所要の一定速度で回転さ
せ、常時アクセス可能な状態として応答時間の低下を防
ぐことが可能である。また、前述したようにスピンドル
モータの回転速度を上げることで、アクセス時間やデー
タ転送時間の高速化を図ることも可能である。しかし、
消費電力を低く抑えたい場合には、スピンドルモータの
駆動方法を考慮する必要がある。特に、スピンドルモー
タは、回転速度を高速にするほど消費電力は多くなる。
このため、ディスク装置を移動用機器に用いる場合な
ど、消費電力を低く抑えながら、かつ高速化を図ること
も可能とした技術が提案されている。このような技術と
しては、スピンドルモータを通常の回転速度で回転させ
る通常モードと、低速で回転させる低速モードとを設け
て、低消費電力化と高速立ち上げとを可能とした手法が
ある(例えば、特開平5−325401号公報)。ま
た、やはりスピンドルモータの回転速度を低速モードと
高速モードなど複数の回転速度のモードを設け、処理す
るデータの種類に応じた回転速度で記録や再生をおこな
うことで、低消費電力化も図りながら効率よく記録や再
生を可能とした手法も提案されている(例えば、特開平
10−302207号公報)。
【0007】図5は、従来例として、複数の回転速度の
モードを設けた磁気ディスク装置の構成図である。
【0008】図5に示す従来例において、ディスク状の
記録媒体の一つである磁気ディスク11(以下、ディス
クと呼ぶ)に情報の記録や再生をおこなう磁気ヘッド1
2(以下、ヘッドと呼ぶ)は、ヘッドスライダ13の先
端に一体的に形成されている。ヘッドスライダ13は、
ヘッド支持手段としてのヘッド支持機構14の先端に搭
載され、ヘッド支持機構14は、ディスク装置本体に設
けた回転軸を中心としてアクチュエータ15により駆動
され、ヘッド12の移動操作をおこなう。アクチュエー
タ15は、ヘッド支持機構14をディスク11の半径方
向に回動させることで、先端のヘッド12を動かす。ま
た、スピンドルモータ17は、ディスクテーブルを介し
て、ディスク11を所定の回転速度で回転駆動する。こ
のように、スピンドルモータ17により回転するディス
ク11の平面上で、ヘッド12の位置決め動作がおこな
われる。
【0009】また、ディスク11の平面上には複数のト
ラックが形成され、さらに各トラックは、ヘッド12を
位置決めするためのサーボ情報が記録されたサーボ領域
と、情報の記録や再生をおこなうデータ領域とが交互に
複数配置されている。位置検出部64は、ヘッド12よ
りこのサーボ情報を再生し、ヘッド12の現在位置を示
す現在位置情報より現在位置信号pを生成し、出力す
る。位置決め制御部96は、現在位置信号pに基づい
て、アクチュエータ15を制御する位置制御信号uを生
成する。位置制御信号uは、駆動部63により駆動信号
dに変換され、駆動信号dによりアクチュエータ15が
駆動される。このように、位置決め制御部96がアクチ
ュエータ15を制御することで、ヘッド12は、位置決
め制御される。目標位置に位置決めされたヘッド12
は、スピンドルモータ17により回転するディスク11
の目標トラックに対して、情報の記録や再生をおこな
う。
【0010】さらに、本従来例では、スピンドルモータ
17が複数の回転速度で回転可能である。すなわち、回
転制御部18は、スピンドルモータ17の回転速度を制
御するために用いられ、コントローラ100からの指令
に応じた回転速度でスピンドルモータ17が回転するよ
うに、スピンドルモータ17を制御する。また、コント
ローラ100からの指令は、位置決め制御部96にも送
られる。この指令により、位置決め制御部96は、スピ
ンドルモータ17の回転速度に応じた位置決め制御特性
に切り替えられる。
【0011】回転制御部18は、低速回転駆動用回路と
高速回転駆動用回路とを有しており、コントローラ10
0からの指令に応じていずれかを選択する。例えば、ス
ピンドルモータ17の回転速度がクロック周波数に比例
して制御されるような回転駆動方式の場合、回転制御部
18は、クロック周波数を選択する。低速モードとして
1800rpmで使用する場合、回転制御部18は、コ
ントローラ100からの指令に応じて低速回転駆動用回
路を選択し、低速回転駆動用回路は、例えば4MHzの
クロックを発生する。これに対して、高速モードとして
5400rpmで使用する場合、回転制御部18は、コ
ントローラ100からの指令に応じて高速回転駆動用回
路を選択し、高速回転駆動用回路は、12MHzのクロ
ックを発生する。このようにして、回転制御部18は、
スピンドルモータ17の回転速度を制御し、スピンドル
モータ17は各モードに応じた回転速度で回転する。
【0012】以上のような構成により、携帯用として使
用するときには、低速モードで動作する。これにより、
電源としての電池の消耗が軽減される。一方、本従来例
の磁気ディスク装置を有した機器を固定して用いる場合
には、ユーザの選択に応じて低速モードまたは高速モー
ドのいずれでも動作するように設定され、高速処理が必
要な場合には、高速モードで高速に処理することができ
る。
【0013】このように、本従来例において、低速モー
ドでは、データの高速転送に不利であるが、低消費電力
化が実現できるので携帯用には有利である。他方、高速
モードは、消費電力が増大するので、電池の長寿命化が
望まれる携帯用には不向きであるが、データの高速転送
には有利である。このため、本従来例では、磁気ディス
ク装置を複数の回転速度で回転可能とし、使用目的に応
じて回転速度を切り替えている。これにより、データの
低速転送で良いときは消費電力の少ない低速モードで使
用し、高速転送が必要なときのみ高速モードとして使用
するようにユーザが選択することで、効果的に記録再生
動作がおこなわれる。
【0014】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、従来例
のようにディスクの回転速度を低速に切り替えたとき、
消費電力は低減できるが、回転速度が低すぎるとヘッド
の位置決め精度が劣化し、十分なトラッキング制御特性
が確保できないという問題を有していた。
【0015】すなわち、従来のディスク装置は、ディス
ク11の平面上の各トラックに、一定の角間隔によりサ
ーボ領域が形成され、データを記録再生するデータ領域
がサーボ領域間に形成される。このようなディスク装置
において、ディスク11の回転速度を低くした場合、サ
ーボ領域から位置を検出する単位時間あたりの頻度も低
下する。言い換えれば、位置検出のサンプリング周波数
が低下する。通常、サンプリングによる影響を十分抑制
し、トラック追従性能を十分確保するには、トラッキン
グ制御帯域は、サンプリング周波数の十分の一以下の帯
域とする必要がある。このため、回転速度を低くした場
合には、結果的にトラッキング制御をおこなう位置決め
制御部96の帯域についても、狭くする必要がある。し
かし、このように位置決め制御帯域を狭くすると、ディ
スク装置においては、各種の外乱に対する抑制性能が劣
化することとなり、外乱に対するヘッド位置決め精度が
劣化する。このため、回転速度をあまり低くすると、振
動や衝撃の影響を受け易くなり、エラーレートやデータ
転送レートの劣化を招くこととなり、回転速度を低くす
るにも限界が生じる。さらに、携帯用として用いる場合
には、固定用に比べて、より振動や衝撃に対して強くす
る必要がある。
【0016】このような問題を解決するため、例えばサ
ーボ領域を増やし、低速モードにおいてもサンプリング
周波数の低下を防ぐ方法がある。しかし、これにより、
データ領域が減少するため、記録容量の低下を招く。こ
のため、あらかじめサーボ領域を一定のクロックに同期
してディスク上に形成し、使用時には一定の角速度でデ
ィスクを回転駆動することで、各サーボ領域でのクロッ
ク同期を図らなくても、トラッキング制御用の情報等を
取得できるようにした手法がある(例えば、特開200
0−90608公報)。これにより、サーボ領域は、従
来のディスクに比べて短い長さで形成でき、短くした分
サーボ領域の数を増やすことが可能となる。よって、記
録密度の低下を防止しながら、多数のサーボ領域を形成
できる。しかし、このような工夫によりデータ領域の低
下を抑制できるが、ある程度の記録密度の低下は避けら
れない。また、クロック同期を正確におこなうために
は、正確に一定の角速度となるようなスピンドルモータ
の回転速度制御が必要となる。
【0017】以上のように、消費電力を下げるには回転
速度を下げれば良い。しかし、回転速度を下げると、振
動や衝撃などの外乱に対する抑制性能が劣化する。この
ため、例えば携帯用に利用する場合などは、耐衝撃性も
考慮する必要があり、低消費電力化のためディスクの回
転速度を下げるには限界があった。また、サーボ領域を
多数形成できるように工夫しても、記録密度や、正確な
回転速度制御の問題があった。
【0018】本発明の目的は、このような問題を解決す
るようになされたもので、従来例で説明した複数のディ
スク回転速度を備えたディスク装置に簡易な要素を付加
することにより、高記録密度化を妨げることなく、低消
費電力で動作し、外部より振動や衝撃などの外乱を受け
ても安定な動作で位置決め制御が可能なディスク装置を
提供することである。
【0019】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため
に、本発明のディスク装置は、情報の記録および再生の
少なくともいずれか一方をおこなうためのヘッドと、ヘ
ッドを搭載するヘッドスライダと、ディスク状の記録媒
体と、記録媒体を回転させる回転手段と、ヘッドスライ
ダを支持しヘッドスライダを記録媒体の半径方向に移送
するヘッド支持手段と、ヘッド支持手段を駆動し記録媒
体に対するヘッドの位置決めをおこなうアクチュエータ
と、回転手段の回転速度を制御する回転制御部と、アク
チュエータによるヘッドの位置決めを制御する位置決め
制御手段と、ヘッドに作用する外乱の大きさを検出し外
乱量とする外乱検出手段と、外乱量に基づき回転手段の
回転速度、および位置決め制御手段の制御帯域を制御す
るための回転指令情報を生成する外乱判定手段とを具備
する。さらに、上記ディスク状の記録媒体は、ヘッドを
位置決めするためのサーボ情報が記録されたサーボ領域
と、情報の記録や再生がおこなわれるデータ領域とが交
互に複数配置されて成るトラックを、複数有している。
また、上記位置決め制御手段は、ヘッドにより再生され
たサーボ情報に含まれる現在位置情報と、ヘッドを目標
位置に位置決めするため指定された目標位置情報とに基
づく位置決め制御量に応じて、アクチュエータによるヘ
ッドの位置決めを制御する。そして、上記外乱判定手段
は、回転指令情報により、外乱量の増加に従って、回転
手段の回転速度が高速となるように回転制御部に指令す
るとともに、位置決め制御手段の制御帯域が広帯域とな
るように位置決め制御手段に指令する構成である。
【0020】この構成により、外乱が加わらない通常時
には、回転手段の回転速度をある程度低速で回転させる
ことで低消費電力化を図るとともに、外乱が加わった場
合にのみ、通常時と比べて回転手段の回転速度を高速に
し、トラッキング制御帯域を広くすることで、外乱に対
する抑圧性能を向上させることができる。すなわち、振
動や衝撃による外乱が加わった場合、外乱検出手段は、
この外乱の発生状況を検出する。また、外乱判定手段
は、この外乱の大きさを示す外乱量に基づいて外乱の発
生状況を判定する。外乱判定手段は、外乱量に基づき、
回転制御部に対し回転指令情報を通じて、回転手段の回
転速度を増やすように指令する。これにより、外乱が発
生したとき、外乱量の増加に従って回転手段は高速で回
転する。また、位置決め制御手段も回転指令情報を入力
しており、外乱が発生したとき、位置決め制御手段は、
内部フィルタ処理の周波数特性が高速回転に合わせた広
い帯域となるように切り替え、制御帯域を広帯域にす
る。すなわち、外乱が加わることで回転手段の回転速度
が上がるため、記録媒体の回転速度は高速となり、位置
検出のサンプリング周波数も上がる。サンプリング周波
数が上がると、トラッキング制御帯域を広くすることが
できる。このため、本発明のディスク装置は、外乱が加
わったとき、位置決め制御手段の伝達特性を変えて制御
帯域を広くすることで、トラッキング制御帯域を広くし
ている。その結果、トラッキング制御帯域が広くなった
ことで、外乱に対する抑圧性能が向上することとなる。
【0021】さらに、本発明のディスク装置は、上記外
乱判定手段が、回転指令情報により、外乱量が設定され
た所定の基準値を越えたときこの基準値を越えない場合
に比べて、回転手段の回転速度が高速となるように回転
制御部に指令するとともに、位置決め制御手段の制御帯
域が広帯域となるように位置決め制御手段に指令する構
成である。
【0022】この構成により、振動や衝撃による外乱が
加わった場合、外乱判定手段は、この外乱の大きさを示
す外乱量に基づいて外乱の発生状況を判定する。外乱判
定手段は、外乱量が設定された所定の基準値を越えたこ
とにより外乱が発生したと判定したとき、回転制御部に
対し回転指令情報を通じて、回転手段の回転速度を増や
すように指令する。これにより、外乱が発生したときの
み、回転手段は高速で回転する。また、位置決め制御手
段も、回転指令情報を入力しており、外乱が発生したと
きのみ、位置決め制御手段は、内部フィルタ処理の周波
数特性が、高速回転に合わせた広い帯域となるように切
り替え、制御帯域を広帯域にする。すなわち、外乱が加
わることで、回転手段の回転速度が上がるため、記録媒
体の回転速度は高速となり、位置検出のサンプリング周
波数も上がる。サンプリング周波数が上がると、トラッ
キング制御帯域を広くすることができる。このため、本
発明のディスク装置は、外乱が加わったとき、位置決め
制御手段の伝達特性を変えて制御帯域を広くすること
で、トラッキング制御帯域を広くしている。その結果、
トラッキング制御帯域が広くなったことで、外乱に対す
る抑圧性能が向上することとなる。
【0023】また、本発明のディスク装置は、上記位置
決め制御手段、上記外乱検出手段、および上記外乱判定
手段として、プログラムを読み取って実行するマイクロ
プロセッサと、マイクロプロセッサを動作させるための
プログラムを格納するメモリと、マイクロプロセッサを
動作させるためのプログラムとを具備する。さらに、プ
ログラムは、マイクロプロセッサがこのプログラムを読
み取って実行することにより、上記位置決め制御手段、
上記外乱検出手段、および上記外乱判定手段、として機
能させるための制御プログラムとした構成である。
【0024】この構成により、マイクロプロセッサによ
る正確かつ柔軟な処理が可能であり、外乱が加わらない
通常時には、回転手段の回転速度をある程度低速で回転
させることで低消費電力化を図るとともに、外乱が加わ
った場合にのみ、通常時と比べて回転手段の回転速度を
高速にし、トラッキング制御帯域を広くすることで、外
乱に対する抑圧性能を向上させることができる。
【0025】また、本発明のディスク装置は、上記外乱
検出手段が、ヘッドにより再生されたサーボ情報に含ま
れる現在位置情報と、位置決め制御手段からのアクチュ
エータを制御する位置決め制御量とに基づいて推定した
外乱推定量を、外乱量とする構成である。
【0026】この構成により、外乱が加わらない通常時
には、回転手段の回転速度をある程度低速で回転させる
ことで低消費電力化を図るとともに、推定した外乱推定
量に基づいて外乱の発生を判定し、外乱が発生したと判
定した場合にのみ、通常時と比べて回転手段の回転速度
を高速にし、トラッキング制御帯域を広くすることで、
外乱に対する抑圧性能を向上させることができる。
【0027】また、本発明のディスク装置は、上記外乱
検出手段が、ヘッドにより再生されたサーボ情報に含ま
れる現在位置情報と、ヘッドを目標位置に位置決めする
ため指定された目標位置情報との差より求めた位置誤差
量を、外乱量とする構成である。
【0028】この構成により、外乱が加わらない通常時
には、回転手段の回転速度をある程度低速で回転させる
ことで低消費電力化を図るとともに、検出した位置誤差
量に基づいて外乱の発生を判定し、外乱が発生したと判
定した場合にのみ、通常時と比べて回転手段の回転速度
を高速にし、トラッキング制御帯域を広くすることで、
外乱に対する抑圧性能を向上させることができる。
【0029】また、本発明のディスク装置は、上記外乱
検出手段が、ヘッドスライダの浮上量を検出し、ヘッド
スライダの浮上量が、所定の浮上量から記録媒体方向へ
低下したヘッド低下量を、外乱量とする構成である。
【0030】この構成により、外乱が加わらない通常時
には、回転手段の回転速度をある程度低速で回転させる
ことで低消費電力化を図るとともに、検出したヘッド低
下量に基づいて外乱の発生等を判定し、外乱が発生した
と判定した場合にのみ、通常時と比べて回転手段の回転
速度を高速にし、トラッキング制御帯域を広くすること
で、外乱に対する抑圧性能を向上させることができる。
【0031】また、本発明のディスク装置は、上記外乱
検出手段が、ヘッドにより再生された再生信号の振幅値
に基づいて、ヘッドスライダが所定の浮上量であるとき
の振幅値から、振幅値の増加分に応じた再生振幅増加量
を、外乱量とする構成である。
【0032】この構成により、外乱が加わらない通常時
には、回転手段の回転速度をある程度低速で回転させる
ことで低消費電力化を図るとともに、検出した再生振幅
増加量に基づいてヘッドの低下量を検出し、検出したヘ
ッド低下量に基づいて外乱の発生等を判定し、外乱が発
生したと判定した場合にのみ、通常時と比べて回転手段
の回転速度を高速にし、トラッキング制御帯域を広くす
ることで、外乱に対する抑圧性能を向上させることがで
きる。
【0033】また、本発明のディスク装置は、上記外乱
検出手段が、ヘッドにより再生されたサーボ情報に含ま
れる現在位置情報と、位置決め制御手段からのアクチュ
エータを制御する位置決め制御量とに基づいて推定した
力外乱推定量を、外乱量とする手段、ヘッドにより再生
されたサーボ情報に含まれる現在位置情報と、位置決め
制御手段からのアクチュエータを制御する位置決め制御
量とに基づいて推定した、ヘッド支持手段に生じる摩擦
の摩擦外乱推定量を、外乱量とする手段、ヘッドにより
再生されたサーボ情報に含まれる現在位置情報と、ヘッ
ドを目標位置に位置決めするため指定された目標位置情
報との差より求めた位置誤差量を、外乱量とする手段、
および、ヘッドスライダの浮上量を検出し、ヘッドスラ
イダの浮上量が、所定の浮上量から記録媒体方向へ低下
したヘッド低下量を、外乱量とする手段、の少なくとも
一つの手段を有する構成である。
【0034】この構成により、外乱が加わらない通常時
には、回転手段の回転速度をある程度低速で回転させる
ことで低消費電力化を図るとともに、推定した力外乱推
定量、推定したヘッド支持手段に生じる摩擦の摩擦外乱
推定量、検出した位置誤差量、および検出したヘッド低
下量の少なくとも一つに基づいて外乱の発生等を判定
し、外乱が発生したと判定した場合にのみ、通常時と比
べて、回転手段の回転速度を高速にし、トラッキング制
御帯域を広くすることで、外乱に対する抑圧性能を向上
させることができる。
【0035】また、本発明のディスク装置は、上記外乱
検出手段が、ディスク装置に設置した振動衝撃センサで
あり、振動衝撃センサにより検出した振動衝撃量を、外
乱量とする構成である。
【0036】この構成により、外乱が加わらない通常時
には、回転手段の回転速度をある程度低速で回転させる
ことで低消費電力化を図るとともに、検出した振動衝撃
センサによる振動衝撃量に基づいて外乱の発生等を判定
し、外乱が発生したと判定した場合にのみ、通常時と比
べて回転手段の回転速度を高速にし、トラッキング制御
帯域を広くすることで、外乱に対する抑圧性能を向上さ
せることができる。
【0037】また、本発明のディスク装置は、上記位置
決め制御手段、上記外乱検出手段、および上記外乱判定
手段として、プログラムを読み取って実行するマイクロ
プロセッサと、マイクロプロセッサを動作させるための
プログラムを格納するメモリと、マイクロプロセッサを
動作させるためのプログラムとを具備する。さらに、プ
ログラムは、マイクロプロセッサがこのプログラムを読
み取って実行することにより、上記位置決め制御手段、
上記外乱検出手段、および上記外乱判定手段、として機
能させるための制御プログラムである。さらに、上記外
乱検出手段が、ディスク装置に設置した振動衝撃センサ
であり、振動衝撃センサにより検出した振動衝撃量を、
外乱量とする構成である。
【0038】この構成により、マイクロプロセッサによ
る正確かつ柔軟な処理が可能であり、外乱が加わらない
通常時には、回転手段の回転速度をある程度低速で回転
させることで低消費電力化を図るとともに、検出した振
動衝撃センサによる振動衝撃量に基づいて外乱の発生等
を判定し、外乱が発生したと判定した場合にのみ、通常
時と比べて回転手段の回転速度を高速にし、トラッキン
グ制御帯域を広くすることで、外乱に対する抑圧性能を
向上させることができる。
【0039】
【発明の実施の形態】以下、本発明によるディスク装置
の実施の形態について、磁気ディスク装置を例にとり、
図面を参照して詳細に説明する。
【0040】(第1の実施の形態)図1は、本発明の第
1の実施の形態である磁気ディスク装置(以下、ディス
ク装置と呼ぶ)の構成図である。
【0041】図1において、ディスク状の記録媒体の一
つである磁気ディスク11(以下、ディスクと呼ぶ)に
情報の記録および再生の少なくともいずれか一方をおこ
なう磁気ヘッド12(以下、ヘッドと呼ぶ)は、ヘッド
スライダ13の先端に一体的に形成されている。ヘッド
スライダ13は、ヘッド支持手段としてのヘッド支持機
構14の先端に搭載され、ヘッド支持機構14は、ディ
スク装置本体に設けた回転軸を中心としてアクチュエー
タ15により駆動され、ヘッド12の移動操作をおこな
う。アクチュエータ15は、ボイスコイルモータなどに
より、ヘッド支持機構14をディスク11の半径方向に
回動させることで、先端のヘッド12を動かす。ヘッド
スライダ13、ヘッド支持機構14、およびアクチュエ
ータ15を併せて位置決め機構10が構成される。ま
た、スピンドルモータ17は、ディスク11を回転駆動
するために設けたモータであり、ディスクテーブルを介
してディスク11を回転駆動する。スピンドルモータ1
7、およびディスクテーブルにより、回転手段としての
回転操作機構が構成される。ヘッド12を搭載したヘッ
ドスライダ13は、この回転操作機構により回転するデ
ィスク11の平面上で、浮上して動作する。このような
機構構成により、ヘッド12は、目標トラックまで移動
するシーク動作や、目標トラックに追従するフォロイン
グ動作など、位置決め制御手段により位置決め制御され
ながら情報の記録や再生をおこなう。
【0042】また、ディスク11の平面上には複数のト
ラックが形成され、さらに各トラックは、ヘッド12を
位置決めするためのサーボ情報が記録されたサーボ領域
と、情報の記録や再生をおこなうデータ領域とが交互に
複数配置されている。ヘッド12は、データ領域へのデ
ータの書き込みや、それからのデータの読み出しをおこ
なうとともに、サーボ領域からサーボ情報の読み出しも
おこなう。位置検出部64は、読み出されたサーボ情報
sから、ヘッド12の現在位置を示す現在位置情報とし
ての現在位置信号pを生成し、出力する。
【0043】位置決め制御手段としての位置決め制御部
16は、位置検出部64からの現在位置信号p、および
ディスク装置全体を制御するコントローラ等から位置決
めのために指示された、目標位置情報としての目標位置
信号rなどに基づいて、アクチュエータ15を制御する
位置決め制御量に対応する位置制御信号uを生成する。
位置決め制御部16において、減算器60は、上記現在
位置信号pと目標位置信号rとの差分を演算し、ヘッド
12の現在位置と位置決めする目標位置との位置誤差を
示す位置誤差量に対応する位置誤差信号eを生成する。
また、位置制御部61は、位置誤差信号eを入力し、位
置誤差信号eに対して所定の伝達特性のフィルタ処理、
および増幅処理をおこない、位置制御信号uを生成す
る。さらに、位置決め制御部16は、後述する外乱判定
部119からの回転指令信号CSを入力し、回転指令信
号CSに応じて、位置制御部61がディスク11の回転
速度に合わせた所定の周波数特性を有する伝達特性とな
るように切り替え可能としている。
【0044】駆動部63は、位置制御信号uを入力し、
位置制御信号uを駆動信号dに変換し、駆動信号dをア
クチュエータ15に出力することで、位置制御信号uに
応じたアクチュエータ15の駆動制御をおこなう。
【0045】以上、位置決め制御部16は、アクチュエ
ータ15を制御し、アクチュエータ15は、ヘッド12
を搭載したヘッド支持機構14を駆動することで、ヘッ
ド12は目標位置に位置決めされる。
【0046】さらに、本実施の形態のディスク装置は、
外乱検出手段として状態推定部62、外乱判定手段とし
て外乱判定部119、および回転制御部18を有してい
る。
【0047】外乱検出手段としての状態推定部62は、
位置検出部64からの現在位置信号pと、位置決め制御
部16からの位置制御信号uとを入力し、内部に設けた
位置決め機構モデル、および推定器を利用して外乱量等
を推定する。状態推定部62は、推定した結果に基づき
速度推定信号v、および推定した外乱量を示す外乱推定
信号fを生成し、速度推定信号v、および外乱推定信号
fを位置決め制御部16の位置制御部61に出力する。
位置制御部61において、速度推定信号vは位置決め補
償に用いられ、外乱推定信号fは外乱補償のために用い
られる。外乱推定信号fは、さらに、次に述べる外乱判
定部119に出力され、ヘッド12に作用する外乱の大
きさ、すなわち外乱量を検出した信号としても利用され
る。
【0048】外乱判定手段としての外乱判定部119
は、外乱の状況を判定し、その判定結果に応じてスピン
ドルモータ17の回転速度、および位置制御部61の制
御帯域を変更するよう指令する。外乱判定部119は、
状態推定部62で生成された外乱推定信号fを入力し、
外乱推定信号fに基づいた回転指令情報としての回転指
令信号CSを生成し、この回転指令信号CSを位置決め
制御部16、および次に述べる回転制御部18に出力す
る。外乱判定部119は、入力した外乱推定信号fを、
ヘッド12に作用する外乱量を示す信号として利用す
る。すなわち、外乱判定部119は、外乱推定信号fの
大きさに基づいて外乱の発生状況を判定し、その判定結
果に基づいて回転指令信号CSを生成する。このとき、
外乱判定部119は、外乱推定信号fのレベルの増加に
従い、外乱量が増加していると判定する。さらに、本実
施の形態では外乱判定部119において、外乱の発生を
判定するための所定の基準値を設定しており、外乱判定
部119は、外乱推定信号fのレベルがこの基準値を越
えたとき、外乱が発生したと判定する。より具体的に
は、例えば、外乱判定部119は、外乱推定信号fのレ
ベルと所定の基準値を示す信号のレベルとを比較する比
較器により構成され、外乱推定信号fのレベルが所定の
基準値を超えた場合に、外乱の発生を通知する回転指令
信号CSを出力するような構成で実現できる。また、よ
り円滑な動作をするように、外乱判定部119は、ヒス
テリシス回路や、さらに外乱推定信号fに対するフィル
タ回路を有した構成でもよい。
【0049】回転制御部18は、スピンドルモータ17
の回転速度、すなわち単位時間あたりの回転数を制御す
るために用いられる。回転制御部18は、外乱判定部1
19からの回転指令信号CSに応じて、複数の回転速度
でスピンドルモータ17が回転するように、回転制御信
号CVによりスピンドルモータ17を制御する。このと
き、外乱判定部119は回転指令信号CSにより、外乱
が発生したとき、外乱が発生しない場合と比べて、高速
回転となるように回転制御部18に指令する。回転制御
部18は、上述したような、クロック周波数を変えるこ
とでスピンドルモータ17の回転速度を変えるような回
路構成など、既存の技術により実現可能である。
【0050】さらに、位置決め制御部16も、外乱判定
部119からの回転指令信号CSを入力する。位置決め
制御部16の位置制御部61は、この回転指令信号CS
により、スピンドルモータ17の回転速度に合わせて、
位置決め制御の伝達特性を切り替える。すなわち、この
伝達特性は、スピンドルモータ17が高速回転するよう
に指令する回転指令信号CSのとき、低速回転する場合
と比べて、位置決め制御の制御帯域が広帯域になるよう
な伝達特性に切り替えられる。
【0051】このように、外乱判定部119は、回転指
令信号CSにより、外乱量を示す外乱推定信号fの増加
に従って、スピンドルモータ17の回転速度が高速とな
るように回転制御部18に指令するとともに、位置決め
制御部16の制御帯域が広帯域となるように位置決め制
御部16に指令する。本実施の形態では、さらに、外乱
発生の有無を判定するため、外乱判定部119において
所定の基準値を設定しており、外乱推定信号fのレベル
がこの基準値を越えたとき、この基準値を越えない場合
に比べて、スピンドルモータ17の回転速度が高速とな
るように回転制御部18に指令するとともに、位置決め
制御部16の制御帯域が広帯域となるように位置決め制
御部16にも指令する。また、この指令により、回転制
御部18はスピンドルモータ17の回転速度が高速とな
るように制御し、位置決め制御部16は位置決め制御部
16の制御帯域が広帯域となるように制御する。
【0052】以上、本実施の形態のディスク装置は、ヘ
ッド12に加わる外乱量を検出する状態推定部62、外
乱の状況を判定する外乱判定部119、外乱の状況に応
じてスピンドルモータ17の回転速度を切り替える回転
制御部18、および外乱の状況に応じて位置決め制御の
伝達特性を切り替える位置決め制御部16を有すること
を特徴とする。本ディスク装置は、これらの構成要素を
有することで、ディスク装置の低消費電力化とともに外
乱による位置決め精度の劣化を抑制することも可能とし
ている。
【0053】以下、本実施の形態のディスク装置は、こ
のような構成とすることにより、ディスク装置の低消費
電力化とともに、外乱による影響を受けても安定な動作
でヘッドの位置決め制御が可能となる動作について説明
する。
【0054】まず、本ディスク装置の動作を理解しやす
くするため、ヘッド位置決めサーボ系の閉ループ制御帯
域と、外乱、およびサンプリング周波数との関連につい
て述べておく。
【0055】ディスク装置は、目的のトラック上に正確
にデータの記録や再生をおこなうため、ヘッドを正確に
目標トラック上に位置決めする必要がある。しかし、デ
ィスク装置は振動や衝撃などの外乱を受ける環境にあ
り、外乱を受けると、ヘッドは目的とする正確な位置か
ら強制的に外され、ヘッドの位置決めサーボ系が影響を
受ける。その結果、エラーレートやデータ転送レートの
劣化を招くこととなる。このような外乱としては、ディ
スク装置内部で発生するスピンドルモータの軸ぶれや、
位置決め機構部の機構共振、またディスク装置外部から
の振動、衝撃等がある。これら外乱は、周波数的には、
約1000ヘルツ以下の周波数帯域に分布している。こ
れによりヘッド位置決めサーボ系の閉ループ制御帯域、
すなわちトラッキング制御帯域は、これら外乱を抑圧す
るため数百ヘルツ以上の帯域が必要とされる。
【0056】ヘッド位置決めサーボ系により外乱を抑圧
する動作を簡単に説明すると、まず、外乱の周波数成分
がトラッキング制御帯域外であれば、ヘッド位置決めサ
ーボ系は、これら外乱の影響に対して何ら動作をしな
い。すなわち、外乱によりヘッドは、目的とする位置か
ら外れることとなるが、位置決め制御部は、外乱の周波
数成分が帯域外のため、外乱の周波数成分に基づいた位
置制御信号を出力しない。位置決め制御部は外乱の周波
数成分に基づいた位置制御信号を出力しないため、アク
チュエータは、この外乱に対して反応しない。その結
果、外乱による振動が自然に減衰するまで、ヘッド等
は、外乱の周波数成分に基づき振動を続けることとな
る。しかし、逆に、外乱の周波数成分がトラッキング制
御帯域内であれば、ヘッド位置決めサーボ系は、これら
外乱の影響を抑制するように動作する。すなわち、外乱
によりヘッドは、目的とする位置から外れることとなる
が、位置決め制御部は、外乱の周波数成分が帯域内のた
め、外乱の周波数成分に基づいた位置制御信号を出力
し、アクチュエータを制御駆動する。これにより、ヘッ
ド位置決めサーボ系は、ヘッドを目的とする位置に引き
込むように動作し、外乱による影響を抑圧する。
【0057】このように、トラッキング制御帯域を広く
することで、外乱による影響をより抑圧することが可能
であり、外乱に対する抑圧性能を向上させることができ
る。
【0058】ところで、本実施の形態のディスク装置の
ように、サーボ領域のサーボ情報を基に位置決め制御す
る方式では、離散的に得られたサーボ情報による位置決
め制御のため、位置検出のサンプリング周波数を考慮す
る必要がある。上述したように、通常、サンプリングに
よる影響を十分抑制し、トラック追従性能を十分確保す
るには、トラッキング制御帯域は、サンプリング周波数
の十分の一以下の帯域とする必要がある。また、サンプ
リング周波数は、単位時間あたりのサーボ情報読み込み
回数で決まるため、スピンドルモータによるディスクの
回転速度に比例する。よって、ディスクの回転速度を下
げる場合には、サンプリングによる影響を十分抑制する
ため、トラッキング制御帯域をも狭くする必要がある。
【0059】以上のことより、ディスクの回転速度、す
なわち単位時間あたりの回転数を低くすると、トラッキ
ング制御帯域を狭くする必要があるが、トラッキング制
御帯域が狭くなることで、トラッキング制御帯域外の周
波数成分を持つ外乱の影響が増大する。このように、デ
ィスクの回転数を低くすると、外乱に対する抑圧性能が
劣化し、ヘッド位置決め精度も劣化することとなる。
【0060】本発明は、ディスク装置を携帯用機器など
に用いる場合に重要とされる、低消費電力化と耐衝撃性
を図ることを目的としている。このため、低消費電力化
として、スピンドルモータ17の回転速度をある程度低
く抑えるようにしている。しかし、上記説明のように、
スピンドルモータ17の回転速度を低くする場合には、
トラッキング制御帯域を狭くする必要があり、外乱によ
る影響が増大することとなる。この問題を解決するた
め、本実施の形態のディスク装置は、外乱を受けたとき
のみ、スピンドルモータ17の回転速度を高速にしてサ
ンプリング周波数を高くし、トラッキング制御帯域を広
くすることで、外乱による影響を抑圧している。本発明
は、このような動作原理により、低消費電力化と耐衝撃
性、すなわち外乱に対する抑圧性能との向上を図ってい
る。
【0061】次に、本実施の形態によれば、低消費電力
化と耐衝撃性とを図ることが可能となる。以下、具体的
な動作について説明する。
【0062】図1において、スピンドルモータ17は、
回転制御部18からの回転制御信号CVに応じた回転速
度で回転する。本実施の形態のディスク装置は、通常モ
ードと高速モードとを有し、通常モードにおいては、消
費電力を低減するため、スピンドルモータ17の回転速
度をある程度低く抑えている。すなわち、通常モードで
は、スピンドルモータ17が低速で回転するように、回
転制御部18はスピンドルモータ17を制御する。スピ
ンドルモータ17は、ディスクテーブルを介してディス
ク11を回転駆動する。さらに、回転するディスク11
の平面上で、ヘッド12は、位置決めされ、ディスク1
1にデータの記録や、ディスク11からデータの再生を
おこなう。また、ヘッド12を目標位置に位置決めする
ため、位置決め制御部16は位置制御信号uを生成し、
駆動部63は位置制御信号uを駆動信号dに変換してア
クチュエータ15に出力し、アクチュエータ15はヘッ
ド支持機構14を駆動する。以上のように、通常モード
では、低速で回転するディスク11の平面上で、ヘッド
12は位置決めされ、目標トラックに対して記録や再生
をおこなう。
【0063】しかし、本ディスク装置に対して、振動や
衝撃による外乱が加わった場合、状態推定部62は、こ
の外乱の発生状況を外乱量として検出する。すなわち、
状態推定部62は、内部に位置決め機構モデル、および
この位置決め機構モデルからヘッド位置等を推定する推
定器を有しており、これらを利用して外乱の発生状況を
観測している。さらに、状態推定部62は、内部の推定
器より得られる加速度や位置などの推定情報と、実際の
ヘッド位置である位置情報に基づく情報とにより、外乱
を推定した外乱推定信号fを生成する。状態推定部62
は、この外乱推定信号fを、観測による振動や衝撃等の
外乱量を示す信号として外乱判定部119に出力する。
外乱判定部119は、この外乱推定信号fの大きさに基
づいて外乱の発生を判定する。外乱判定部119は、外
乱が発生したと判定したとき、回転制御部18に対し回
転指令信号CSを通じて、スピンドルモータ17の回転
速度を増やすように指令する。この指令により、回転制
御部18は、スピンドルモータ17の回転速度が増える
ように制御する。これにより、外乱が発生したときの
み、スピンドルモータ17は高速で回転し、本ディスク
装置は高速モードとなる。また、位置決め制御部16
も、回転指令信号CSを入力しており、回転指令信号C
Sに応じた所定の伝達特性で動作するように内部動作を
切り替える。すなわち、外乱が発生したと判定される高
速モードのとき、位置制御部61は、位置誤差信号eに
対するフィルタ処理の周波数特性が、高速回転に合わせ
た広い帯域となるように切り替え、制御帯域を広帯域に
する。
【0064】また、振動や衝撃による外乱が減衰した場
合も、状態推定部62は、この外乱の消滅状況を外乱量
として検出する。外乱判定部119は、この減衰した外
乱推定信号fに基づいて外乱の消滅を判定し、外乱が消
滅したと判定したとき、回転制御部18に対し回転指令
信号CSを通じて、スピンドルモータ17の回転速度を
減らすように指令する。これにより、本ディスク装置
は、通常モードに戻り、消費電力を低減するため、スピ
ンドルモータ17の回転速度をある程度低く抑えた状態
で動作する。
【0065】以上のような動作をおこなうことで、外乱
が加わった場合には、トラッキング制御帯域を広くし、
外乱に対する抑圧性能を向上させて外乱を抑圧すること
が可能となる。すなわち、外乱が加わることで、スピン
ドルモータ17の回転速度が上がるため、ディスク11
の回転速度は高速となり、位置検出のサンプリング周波
数も上がる。サンプリング周波数が上がると、トラッキ
ング制御帯域を広くすることができる。このため、本デ
ィスク装置は、外乱が加わったとき、位置制御部61の
伝達特性を変えて制御帯域を広くすることで、トラッキ
ング制御帯域を広くしている。その結果、トラッキング
制御帯域が広くなったことで、外乱に対する抑圧性能が
向上する。
【0066】次に、本ディスク装置の動作について、よ
り理解しやすくするため、ここでは具体的な数値を用い
た例を挙げて説明する。本ディスク装置において、例え
ば、通常モードにおいて、スピンドルモータ17は、回
転制御部18からの制御により3600rpmで回転し
ているとする。また、ディスク11には、1トラックあ
たりにサーボ領域が70個書き込まれているとすると、
サンプリング周波数は、4200ヘルツとなる。トラッ
キング制御帯域は、サンプリング周波数の十分の一とす
ると、420ヘルツとなる。また、高速モードにおいて
は、スピンドルモータ17は、回転制御部18からの制
御により7200rpmで回転するように駆動されると
すると、トラッキング制御帯域は、840ヘルツとな
る。よって、外乱が加わったとき、トラッキング制御帯
域が840ヘルツとなり、ほぼ外乱の周波数成分に対応
できる帯域であり、ヘッド位置決めサーボ系は外乱の影
響を抑圧するように動作する。
【0067】図2は、本ディスク装置のより具体的な構
成の一例を示し、またここでは、各制御系の動作を理解
しやすくするためブロック図で説明する。図1の構成要
素に対応する構成要素については、同一の符号を付して
いる。
【0068】図2において、位置検出部64は、ヘッド
12からの信号を読み込み、読み込んだ信号からサーボ
情報を抽出する。さらに、位置検出部64は、サーボ情
報から、ヘッド12の現在位置を示すヘッド位置データ
を読み取り、さらにトラック内の微小な位置を検出する
ためのバースト信号も検出する。位置検出部64は、こ
れらヘッド位置データ、およびバースト信号より、現在
位置信号pを生成し出力する。位置決め制御部16の減
算器60は、現在位置信号pと、コントローラ等から指
令された目標位置信号rを入力し、その差分を演算し
て、位置誤差信号eを出力する。
【0069】位置制御部61は、位相補償回路611と
外乱補償回路612とにより構成される。位相補償回路
611は、位置誤差信号eを入力し、位置誤差信号eに
対して所定の伝達特性のフィルタ処理、および増幅処理
をおこなう。すなわち、位相補償回路611において、
所定の周波数特性、位相特性、およびゲインが設定さ
れ、位置決めサーボ制御の特性が決定される。さらに、
本位相補償回路611は、外乱判定部119からの回転
指令信号CSの指令に応じて周波数特性、さらに必要な
らば位相特性、ゲインが切り替え可能としている。ま
た、位相補償回路611は、状態推定部62より速度推
定信号vを入力している。この速度推定信号vは、位置
に対する微分要素、すなわち位相進み要素として、位相
補償回路611で利用している。また、外乱補償回路6
12は、位相補償回路611からの出力信号と、状態推
定部62からの外乱推定信号fとを入力する。外乱補償
回路612は、位相補償回路611からの出力信号に対
し、外乱推定信号fに基づいた信号を合成することで、
外乱による影響を抑制している。本ディスク装置は、前
述したように外乱が加わった場合、スピンドルモータ1
7の回転速度を上げ、トラッキング制御帯域を広くする
ことで外乱による影響を抑圧している。ここでの外乱補
償回路612は、さらに外乱による影響を抑えるように
動作する。すなわち、トラッキング制御帯域を広くした
位置決めサーボ制御系による外乱抑圧に加えて、外乱補
償回路612は、さらに外乱をより強く抑圧するような
位置制御信号uを生成する。
【0070】状態推定部62は、位置決め機構モデル6
21、推定器622、減算器623、および増幅器62
4により構成される。位置決め機構モデル621は、位
置決め機構10によるヘッド12の移動に関する伝達関
数を、電気回路による同一の伝達関数でモデル化してい
る。すなわち、位置決め機構モデル621は、位置制御
信号uを入力し、駆動部63も含めて位置決め機構10
を模擬動作して、位置決め機構10によるヘッド12の
加速度を推定した加速度推定信号acを出力する。推定
器622は、例えば、積分回路を二個縦続接続した構成
を基本構成としたものであり、これによって加速度推定
信号acを二度積分することで、位置決め機構10によ
るヘッド12の位置を推定し、位置推定信号xを出力す
る。また、一度積分した結果は、速度推定信号vとして
出力する。減算器623は、位置推定信号xと現在位置
信号pとの差分を演算し、推定した位置と実際の位置と
の推定差分信号peを出力する。この推定差分信号pe
は、推定器622がどの程度正しく速度や、位置等を推
定しているかを示す信号である。このため、推定差分信
号peは、増幅器624により所定のゲインで増幅さ
れ、推定器622にフィードバックされて、位置推定信
号xと現実のヘッド位置との差がなくなるようにモデル
修正される。さらに、推定器622は、内部で生成した
推定情報と、実際のヘッド位置である位置情報に基づく
情報とにより、外乱を推定する機能も有している。すな
わち、推定器622は例えば、加速度推定信号acと、
現在位置信号pを二度微分した信号との差分から力外乱
量を推定したり、また推定差分信号peに基づき位置外
乱を推定し、これらの推定結果を利用して外乱の検出量
とする。このようにして、推定器622は、外乱の検出
量とする外乱推定信号fを生成し、外乱推定信号fは、
位置制御部61、および外乱判定部119に出力され
る。
【0071】外乱判定部119は、比較器911、およ
び基準値回路921により構成される。外乱判定部11
9において、外乱推定信号fは、基準値回路921から
出力された所定の基準値に対応する基準値信号と、比較
器911によって比較される。比較器911は、外乱推
定信号fのレベルが基準値信号のレベルを超えない状態
では、回転指令信号CSにより通常モードの指令を出力
する。しかし、外乱推定信号fのレベルが基準値信号の
レベルを超えた場合、外乱が発生したとして回転指令信
号CSにより高速モードの指令を出力する。外乱判定部
119からの回転指令信号CSは、回転制御部18に出
力され、各モードに応じた回転速度でスピンドルモータ
17が回転するように、スピンドルモータ17を制御す
る。また、回転指令信号CSは、位置決め制御部16に
も出力され、スピンドルモータ17の回転速度に合わせ
て、位置決め制御部16は位置決め制御特性を切り替え
る。回転指令信号CSが高速モードの指令のときには、
低速モードに比べて、回転制御部18は、スピンドルモ
ータ17が高速回転するように、また位置決め制御部1
6は、位相補償回路611の周波数帯域が広帯域となる
よう制御する。
【0072】以上のような構成とすれば、本ディスク装
置は外乱が生じた場合のみ、ディスク11が高速で回転
し、それとともにトラッキング制御帯域を広帯域にして
位置決め制御する高速モードで動作する。すなわち、通
常は低消費電力の通常モードで動作し、外乱発生時のみ
高速モードで動作するため、低消費電力化と耐衝撃性の
向上を図ることができる。
【0073】以上、ディスク装置を携帯用機器などに用
いる場合、低消費電力化を目的として、スピンドルモー
タ17の回転速度を低くすると、外乱による影響が増大
し、耐衝撃性が悪化した。本実施の形態では、外乱の影
響を受けたときのみスピンドルモータ17の回転を高速
回転させることで、サンプリング周波数を高くし、トラ
ッキング制御帯域を広くすることで、外乱による影響を
抑圧している。本実施の形態のディスク装置は、このよ
うな動作をすることにより、低消費電力化と耐衝撃性、
すなわち外乱に対する抑制性能との向上を図っている。
すなわち、低消費電力化を図るとともに、外乱が生じて
も安定な位置決めが可能となり、その結果、高速、高精
度なヘッドの位置決め制御が可能となる。
【0074】なお、ディスク11の回転速度は、通常モ
ードにおける低速回転と、高速モードにおける高速回転
の二種類として説明したが、二種類以上の複数の回転速
度が可能としてもよい。すなわち、外乱判定部119に
おいて複数の外乱レベルの判定をおこない、その判定に
応じて複数の回転速度が可能としてもよい。さらに、複
数の回転速度にあわせて、位置制御部61の制御帯域も
複数の制御帯域としてもよい。さらに、外乱の大きさを
示す外乱推定信号fの大きさに応じて、ディスク11の
回転速度、および位置制御部61の制御帯域を連続的に
可変するような手法も可能である。さらに、スタンバイ
モードやスリープモードと呼ばれるような回転を停止し
た機能を組み合わすことも可能である。
【0075】(第2の実施の形態)図3は、本発明の第
2の実施の形態である磁気ディスク装置(以下、ディス
ク装置と呼ぶ)の構成図である。図1で説明した第1の
実施の形態と同一の構成要素については、同一の符号を
付している。また、ディスク装置の機構的な構成につい
ては、第1の実施の形態と同様のため、その説明を省略
する。
【0076】図3において、図1での外乱判定部119
に加えて、摩擦判定部129、位置誤差判定部139、
浮上量判定部149、および条件分岐部19を有すると
ころが第1の実施の形態と異なっている。すなわち、本
実施の形態でのディスク装置では、外乱判定手段とし
て、外乱判定部119、摩擦判定部129、位置誤差判
定部139、浮上量判定部149、および条件分岐部1
9を有している。また、本実施の形態でのディスク装置
では、外乱検出手段として、第1の実施の形態での状態
推定部62による外乱推定信号fに加えて、静止摩擦の
影響、位置誤差、およびヘッド12の浮上量を検出信号
とする手段も有している。これにより、本第2の実施の
形態では、振動や衝撃による影響の抑制に加えて、ヘッ
ド支持機構14と回転軸とに生じる静止摩擦の影響の抑
制や、ヘッド12とディスク11との異常接近の回避な
どが実現できる。
【0077】外乱判定部119は、第1の実施の形態と
同一の構成であり、状態推定部62から力外乱推定量を
示す外乱推定信号fを入力し、外乱推定信号fに基づい
て生成した第1の回転指令信号CS1を出力する。外乱
判定部119は、振動や衝撃等の外乱が発生したと判定
した場合、第1の回転指令信号CS1によりディスク1
1を高速回転させる高速モードへの切り替えを、後述す
る条件分岐部19を経由して、回転制御部18等に指示
する。すなわち、外乱判定部119は、第1の実施の形
態と同一の動作をおこなう。具体的には例えば、外乱判
定部119は、状態推定部62で推定した力外乱が10
0G以上になったと判定したとき、高速モードへの切り
替えを指示するようにすればよい。
【0078】摩擦判定部129は、状態推定部62から
の摩擦外乱推定量を示す摩擦推定信号mを入力し、摩擦
推定信号mに基づいて静止摩擦等による摩擦外乱の発生
を判定し、判定結果を第2の回転指令信号CS2として
出力する。静止摩擦は、ヘッド12の位置決め動作にお
いて、ヘッド支持機構14と回転軸との間に生じる摩擦
の一種であり、ヘッド支持機構14が停止した状態から
移動を開始するときにこの静止摩擦が生じる。この静止
摩擦が生じると、ヘッド12の円滑な移動操作が困難と
なったり、位置決め制御が正確におこなわれない状態が
生じたりする。
【0079】このため、まず、状態推定部62により静
止摩擦の発生をも推定し、状態推定部62は、この推定
結果を摩擦推定信号mとして出力する。静止摩擦の発生
を推定するため、ヘッド支持機構14が停止した状態か
ら移動を始めるとき、状態推定部62は、内部の位置決
め機構モデルにより、停止状態の位置決め機構モデルを
駆動した状態を模擬動作させる。状態推定部62は、そ
の模擬動作結果と現在位置信号pから得られる実際のヘ
ッドの移動量とを比較して、その比較結果を摩擦推定信
号mとしている。すなわち、模擬動作では十分に位置決
め機構モデルを駆動したにもかかわらず、実際のヘッド
12が移動してない場合には静止摩擦が発生したと推定
できる。静止摩擦を推定した摩擦推定信号mは、外乱の
大きさを検出した信号として摩擦判定部129に出力さ
れる。このように、状態推定部62は、静止摩擦として
の外乱量を検出する外乱検出手段としても機能する。
【0080】摩擦判定部129は、状態推定部62から
摩擦推定信号mを入力し、摩擦推定信号mの大きさに基
づいて生成した第2の回転指令信号CS2を出力する。
摩擦判定部129の内部構成は外乱判定部119の構成
と同様であり、摩擦判定部129は、摩擦推定信号mの
大きさを判定し、摩擦推定信号mの大きさが所定の基準
値を越えたときに外乱が発生したと判定する。摩擦判定
部129は、外乱が発生したと判定した場合、第2の回
転指令信号CS2によりディスク11を高速回転させる
高速モードへの切り替えを、後述する条件分岐部19を
経由して、回転制御部18等に指示する。具体的には例
えば、摩擦判定部129は、状態推定部62で推定した
摩擦外乱が0.001Nm以上になったと判定したと
き、高速モードへの切り替えを指示するようにすればよ
い。
【0081】位置誤差判定部139は、位置決め制御部
16から位置誤差量を示す位置誤差信号eを入力し、位
置誤差信号eに基づいて振動や衝撃等の外乱の発生を判
定し、判定結果を第3の回転指令信号CS3として出力
する。また、減算器60は、位置誤差信号eが外乱を検
出した信号とする外乱検出手段としても機能している。
【0082】位置誤差判定部139は、さらに、位置決
め動作モード信号pmを入力する。位置決め動作モード
信号pmは、ヘッド12の位置決め制御が、シーク動作
モードとフォロイング動作モードとのどちらの状態であ
るかを示す信号であり、ディスク装置全体を制御するコ
ントローラ等から出力される。位置誤差判定部139
は、位置決め動作モード信号pmがフォロイング動作を
示すとき動作し、このとき位置誤差信号eが所定のレベ
ルの範囲内で動作しているかどうかを監視する。すなわ
ち、ヘッド12がフォロイング動作をおこなっていると
き、位置誤差信号eは、ほぼゼロに近いレベルで動作す
る。しかし、振動や衝撃等の外乱が加わったとき、外乱
により位置誤差が急増するため、位置誤差信号eは、大
きなレベルとなる。
【0083】位置誤差判定部139は、この原理を利用
して、振動や衝撃等の外乱の発生を判定する。すなわ
ち、位置誤差判定部139の内部構成は外乱判定部11
9の構成と類似の構成であり、位置誤差判定部139
は、位置誤差信号eの大きさを判定し、フォロイング動
作時に、位置誤差信号eの大きさが所定の基準値を越え
たときに外乱が発生したと判定する。位置誤差判定部1
39は、外乱が発生したと判定した場合、第3の回転指
令信号CS3によりディスク11を高速回転させる高速
モードへの切り替えを、後述する条件分岐部19を経由
して、回転制御部18等に指示する。具体的には例え
ば、位置誤差判定部139は、位置誤差の3シグマ値
(標準偏差の3倍の値)がトラックピッチの8%以上に
なったと判定したとき、高速モードへの切り替えを指示
するようにすればよい。
【0084】浮上量判定部149は、ヘッド12を含む
ヘッドスライダ13の浮上量に基づいて外乱の発生を判
定する。本ディスク装置は、位置検出部64においてサ
ーボ情報などの再生された再生信号bを用いて、再生信
号bに含まれる情報ではなく、再生信号bの振幅レベル
を利用して、ヘッド12の浮上量を検出する。すなわ
ち、位置検出部64は、再生信号bが外乱を検出した信
号とする外乱検出手段としても機能している。
【0085】浮上量判定部149は、ヘッド12の浮上
量に基づいて、振動や衝撃等の外乱の発生、およびヘッ
ド12が何らかの原因でディスク11に所定間隔よりも
接近するような異常の発生を判定し、判定結果を第4の
回転指令信号CS4として出力する。これを実現するた
め、浮上量判定部149は、再生信号bの振幅が所定の
レベル以下で動作しているかどうかを監視する機能を有
する。すなわち、外乱の発生やその他の原因で、ヘッド
12がディスク11に所定間隔よりも異常接近するよう
な場合、接近したことで再生信号bの振幅は増大する。
この再生信号bの振幅の増加分である再生振幅増加量
は、外乱や異常を示す外乱量として利用可能である。浮
上量判定部149は、この原理を利用して、ヘッド12
がディスク11に所定間隔よりも異常接近したときの、
所定浮上量からディスク11方向へヘッド12が低下す
るヘッド低下量を検出する。すなわち、浮上量判定部1
49は、再生信号bに基づきヘッド低下量の大きさを判
定し、ヘッド低下量の大きさが所定の基準値を越えたと
きに外乱が発生したと判定する。浮上量判定部149
は、外乱が発生したと判定した場合、第4の回転指令信
号CS4によりディスク11を高速回転させる高速モー
ドへの切り替えを、後述する条件分岐部19を経由し
て、回転制御部18等に指示する。具体的には例えば、
浮上量判定部149は、ヘッドスライダ13の浮上量が
現状25nmに対して15nm以下になったと判定した
とき、高速モードへの切り替えを指示するようにすれば
よい。
【0086】このような動作をおこなうことで、ヘッド
スライダ13の浮上量は、ディスク11の回転速度の上
昇に伴って増加するので、ヘッド12とディスク11と
の異常接近を、ディスク11を高速回転させることで回
避できる。
【0087】条件分岐部19は、外乱判定部119から
の第1の回転指令信号CS1、摩擦判定部129からの
第2の回転指令信号CS2、位置誤差判定部139から
の第3の回転指令信号CS3、および浮上量判定部14
9からの第4の回転指令信号CS4を入力する。また、
条件分岐部19は、これら入力の判定結果より高速モー
ドへの切り替えを指示する回転指令情報としての回転指
令信号CSを出力する。条件分岐部19は、第1の回転
指令信号CS1、第2の回転指令信号CS2、第3の回
転指令信号CS3、および第4の回転指令信号CS4の
少なくとも一つが高速モードへの切り替えを指示してい
るかどうかを検出し、指示している場合には、回転指令
信号CSにより高速モードへの切り替えを回転制御部1
8、および位置決め制御部16に指示する。また、条件
分岐部19は、第1の回転指令信号CS1、第2の回転
指令信号CS2、第3の回転指令信号CS3、および第
4の回転指令信号CS4のいずれもが高速モードへの切
り替えを指示していない場合には、回転指令指令信号C
Sにより通常モードで動作するように、回転制御部1
8、および位置決め制御部16に指示する。
【0088】以上のような構成、および動作により、デ
ィスク装置に発生する種々の外乱や異常を検出すること
が可能であり、このような外乱や異常を検出したときに
は、ディスク11を高速回転させるとともに、トラッキ
ング制御帯域を広くしている。すなわち、外乱が加わる
ことで、スピンドルモータ17の回転速度が上がるた
め、ディスク11の回転速度は高速となり、サンプリン
グ周波数も上がる。サンプリング周波数が上がると、ト
ラッキング制御帯域を広くすることができる。このた
め、本ディスク装置は、外乱が加わったとき、位置制御
部61のフィルタ処理の帯域を広くすることで、トラッ
キング制御帯域を広くしている。その結果、トラッキン
グ制御帯域が広くなったことで、外乱に対する抑圧性能
が向上する。
【0089】なお、本実施の形態でのディスク装置は、
外乱発生の判定をおこなう構成要素として、外乱判定部
119、摩擦判定部129、位置誤差判定部139、お
よび浮上量判定部149により外乱発生の判定をおこな
っている。しかし、外乱の判定をおこなうためには、こ
れら構成要素がすべて必要ではなく、外乱判定部11
9、摩擦判定部129、位置誤差判定部139、および
浮上量判定部149の一つであってもよく、また、複数
の組み合わせであってもよい。また、振動衝撃センサを
設けて振動衝撃センサからの判定を示す信号を加えるな
ど、さらに外乱を検出、判定する手段を増やすことも可
能である。さらに、ディスク装置全体を制御するコント
ローラ等から、通常モードと高速モードとの切り替えを
指令する信号を加えることも可能である。これにより、
使用者の指示でモード切り替えをおこなうことや、デー
タの記録時、あるいは再生時に高速モードに切り替えて
記録や再生を高速におこなうことなどが可能となる。
【0090】また、ディスク11の回転速度は、通常モ
ードにおける低速回転と、高速モードにおける高速回転
の二種類として説明したが、二種類以上の複数の回転速
度が可能としてもよい。すなわち、外乱の検出をおこな
う構成要素としての外乱判定部119、摩擦判定部12
9、位置誤差判定部139、および浮上量判定部149
のそれぞれに応じた回転速度としてもよい。また、外乱
の判定をおこなう構成要素の一つにおいて複数の外乱レ
ベルの判定をおこない、その判定に応じて複数の回転速
度が可能としてもよい。さらに、複数の回転速度にあわ
せて、位置制御部61の制御帯域も複数の制御帯域とし
てもよい。さらに、外乱の大きさに応じて、ディスク1
1の回転速度、および位置制御部61の制御帯域を連続
的に可変するような手法も可能である。さらに、スタン
バイモードやスリープモードと呼ばれるような回転を停
止した機能を組み合わすことも可能である。
【0091】(第3の実施の形態)図4は、本発明の第
3の実施の形態である磁気ディスク装置(以下、ディス
ク装置と呼ぶ)の構成図である。図3で説明した第2の
実施の形態と同一の構成要素については、同一の符号を
付している。また、ディスク装置の機構的な構成につい
ては、第2の実施の形態と同様のため、ディスク装置の
機構的な説明は省略する。本実施の形態では、位置決め
制御手段、外乱検出手段、および外乱判定手段がマイク
ロプロセッサを用いたデジタル処理によりおこなわれて
いるところが、図3で説明した第2の実施の形態と異な
っている。すなわち、本実施の形態は、図3で説明した
第2の実施の形態と構成は異なっているが、ディスク装
置として同一の動作をおこない同一の効果を得ることが
できる。
【0092】図4において、本実施の形態のディスク装
置は、制御部26を有している。また、制御部26は、
マイクロプロセッサ260、メモリ261、AD変換器
263、AD変換器264、DA変換器265、および
これらのデータ通信をおこなう共通バス269により構
成される。また、メモリ261には、ヘッド12の位置
決め制御をおこない、回転制御部18に回転速度の指令
をおこなう制御プログラム262が格納されている。マ
イクロプロセッサ260は、この制御プログラム262
を読み取って実行することにより、位置決め制御手段、
外乱検出手段、および外乱判定手段として機能する。
【0093】制御部26は、位置検出部64から現在位
置信号p、および再生信号bを入力するとともに、駆動
部63へ位置制御信号u、および回転制御部18へ回転
指令信号CSを出力する。現在位置信号pは、アナログ
信号をデジタルデータに変換するAD変換器263によ
りデジタルデータに変換され、変換された現在位置デー
タpDは共通バス269に出力される。同様に、再生信
号bは、AD変換器264によりその振幅値を示すデジ
タルデータに変換され、変換された再生振幅データbD
は共通バス269に出力される。また、制御プログラム
262の実行により生成された位置制御データuDは、
共通バス269を介して、デジタルデータをアナログ信
号に変換するDA変換器265に出力される。DA変換
器265からは、位置制御信号uが駆動部63へ出力さ
れる。また、制御プログラム262により生成された回
転指令データCSDは、共通バス269を介して回転指
令信号CSとして回転制御部18に出力される。
【0094】このような構成により、マイクロプロセッ
サ260は、制御プログラム262を順次読み取り、読
み取った内容に従って実行する。位置決め制御手段とし
て機能させるための手順は、次に述べる各ステップで実
現される。
【0095】ステップ1としては、AD変換器263か
らの、現在位置情報としての現在位置データpDを読み
込み、記憶する。
【0096】ステップ2としては、ディスク装置全体を
制御するコントローラ等から、ヘッド12の位置決めの
ために指示された、目標位置情報としての目標位置デー
タrDを読み込み、記憶する。
【0097】ステップ3としては、目標位置データrD
と現在位置データpDとの減算処理により、ヘッド12
の位置誤差を示す位置誤差量としての位置誤差データe
Dを生成し、記憶する。
【0098】ステップ4としては、記憶した後述する回
転指令データCSDを読み出す。
【0099】ステップ5としては、位置誤差データeD
に対して、回転指令データCSDに応じた所定の伝達特
性のフィルタ処理、および増幅処理をおこない、位置決
め制御量を示す位置制御データuDを生成し、記憶す
る。このとき、回転指令データCSDが高速モードを示
したときには、通常モードに比べてより広帯域な周波数
特性となる伝達特性で処理する。また、必要であれば、
後述する外乱推定データfDをも合成して位置制御デー
タuDとしてもよい。
【0100】ステップ6としては、位置制御データuD
をDA変換器265に出力する。
【0101】次に、外乱検出手段として以下の各ステッ
プを実行する。ここでは、制御プログラム262に設け
た位置決め機構モデルを利用して外乱等を推定する。こ
の推定したデータは、ヘッド12に作用する外乱の大き
さを検出したデータとして利用される。
【0102】ステップ7としては、位置制御データuD
を入力とする位置決め機構モデルの模擬処理をおこなっ
て、加速度推定データacDを生成し、記憶する。
【0103】ステップ8としては、下記推定差分データ
peDに基づくモデル修正を実行するとともに、加速度
推定データを二度積分処理し位置推定データxDを生成
し、記憶する。さらにヘッド支持機構14が移動を開始
したときの摩擦推定データmDをも生成し、記憶する。
【0104】ステップ9としては、現在位置データpD
と位置推定データxDとの減算処理により、推定差分デ
ータpeDを生成し、記憶する。
【0105】ステップ10としては、推定差分データp
eDを所定の乗数で乗算処理し、乗算結果を記憶する。
この乗算結果は、ステップ8実行時に、モデル修正のた
め利用される。
【0106】ステップ11としては、推定処理を行った
データを基に外乱推定データfDを生成し、記憶する。
【0107】次に、外乱判定手段として以下の各ステッ
プを実行する。ここでは、上記ステップにより入力、あ
るいは生成した各種データにより外乱や異常の発生を判
定する。また、その判定結果に応じて、ディスク装置を
通常モード、あるいは高速モードで動作させる。
【0108】ステップ12としては、外乱推定データf
Dを所定のレベルと比較して、所定のレベルを超えると
き、外乱が発生したと判定し、その判定結果を第1の回
転指令データCS1Dとして記憶する。これにより、振
動や衝撃等の外乱が発生したことを通知する。
【0109】ステップ13としては、摩擦推定データm
Dを所定のレベルと比較して、所定のレベルを超えると
き、摩擦外乱が発生したと判定し、その判定結果を第2
の回転指令データCS2Dとして記憶する。これによ
り、静止摩擦による外乱が発生したことを通知する。
【0110】ステップ14としては、位置誤差データe
Dを所定のレベルと比較して、所定のレベルを超えると
き、外乱が発生したと判定し、その判定結果を第3の回
転指令データCS3Dとして記憶する。これにより、振
動や衝撃等の外乱が発生したことを通知する。
【0111】ステップ15としては、再生振幅データb
Dを所定のレベルと比較して、所定のレベルを超えると
き、外乱等の異常が発生したと判定し、その判定結果を
第4の回転指令データCS4Dとして記憶する。これに
より、振動や衝撃等の外乱の発生、およびヘッド12が
何らかの原因でディスク11に所定間隔よりも接近する
ような異常が発生したことを通知する。
【0112】ステップ16としては、第1の回転指令デ
ータCS1D、第2の回転指令データCS2D、第3の
回転指令データCS3D、および第4の回転指令データ
CS4Dより、高速モードへの切り替えを指示する回転
指令データCSDを生成し、記憶する。すなわち、第1
の回転指令データCS1D、第2の回転指令データCS
2D、第3の回転指令データCS3D、および第4の回
転指令データCS4Dの少なくとも一つが外乱等の異常
が発生したと判定しているとき、回転指令データCSD
により高速モードへの切り替えを通知する。
【0113】ステップ17としては、回転指令データC
SDを回転指令信号CSとして回転制御部18に出力す
る。
【0114】以上、外乱判定手段として、ステップ12
からステップ17を実行することで、外乱の大きさが所
定の基準値を越えたとき、回転指令情報としての回転指
令信号CSにより、スピンドルモータ17の回転速度が
高速となるように回転制御部18を制御するとともに、
位置決め制御手段の制御帯域が広帯域となるように位置
決め制御手段のフィルタ処理や増幅処理を制御する。
【0115】このように、マイクロプロセッサ260
が、制御プログラム262を読み取って以上のステップ
を実行することにより、ディスク装置に発生する種々の
外乱や異常を検出することが可能であり、このような外
乱や異常を検出したときには、ディスク11を高速回転
させるとともに、トラッキング制御帯域を広くして外乱
による影響を抑圧している。
【0116】なお、本実施の形態でのディスク装置は、
外乱判定手段として、振動や衝撃等の外乱を判定するス
テップ、摩擦外乱を判定するステップ、位置誤差により
外乱を判定するステップ、およびヘッドスライダ13の
浮上量により外乱等を判定するステップにより外乱の判
定をおこなっている。しかし、外乱の判定をおこなうた
めには、これらステップがすべて必要ではなく、これら
ステップの一つであってもよく、また、複数の組み合わ
せであってもよい。また、振動衝撃センサを設けて振動
衝撃センサからの判定を示す信号を加えるなど、さらに
外乱を検出、判定する手段を増やすことも可能である。
さらに、ディスク装置全体を制御するコントローラ等か
ら、通常モードと高速モードとの切り替えを指令する処
理を加えることも可能である。これにより、使用者の指
示でモード切り替えをおこなうことや、データの記録
時、あるいは再生時に高速モードに切り替えて記録や再
生を高速におこなうことなどが可能となる。
【0117】また、本実施の形態でのディスク装置にお
いて、ディスク11の回転速度は、通常モードにおける
低速回転と、高速モードにおける高速回転の二種類とし
て説明したが、二種類以上の複数の回転速度が可能とし
てもよい。すなわち、外乱判定手段としてのそれぞれの
ステップでの外乱の種類に応じた回転速度としてもよ
い。また、外乱判定手段のステップでの外乱の種類の一
つにおいて複数の外乱レベルの判定をおこない、その判
定に応じて複数の回転速度が可能としてもよい。さら
に、複数の回転速度にあわせて、位置制御部61の制御
帯域も複数の制御帯域としてもよい。さらに、外乱の大
きさに応じて、ディスク11の回転速度、および位置制
御部61の制御帯域を連続的に可変するような手法も可
能である。さらに、スタンバイモードやスリープモード
と呼ばれるような回転を停止した機能を組み合わすこと
も可能である。
【0118】また、本実施の形態でのディスク装置にお
けるマイクロプロセッサによる処理に代えて、デジタル
フィルタなどのデジタル回路によるデジタル処理により
実現することも可能である。
【0119】また、本発明において、振動や衝撃などの
外乱検出手段として状態推定部62や制御プログラム2
62による外乱を推定する処理を利用して外乱を検出し
たが、加速度センサなどを用いて実際に測定した外乱信
号を利用しても同様の効果を得ることができる。
【0120】また、本発明において、本ディスク装置を
携帯用機器に使用するときに効果があるとして説明した
が、設置された機器に組み込んで使用しても効果があ
る。すなわち、設置された機器であっても振動や衝撃を
受ける場合があり、また環境対応や省エネルギーと呼ば
れるように、携帯用機器でなくても低消費電力化が重要
視されていることより、本発明は、携帯用への用途に限
ったものでなく、固定された機器への用途にも効果があ
る。
【0121】また、本発明において、本ディスク装置の
ヘッドは情報の記録や再生をおこなうとして説明した
が、情報の記録と再生との両方をおこなうディスク装置
であっても、あるいは情報を再生するのみのディスク装
置であってもよい。また、ヘッドスライダに搭載された
ヘッドは、一つのヘッドで情報の記録と再生とをおこな
う構成であっても、あるいはヘッドスライダに二つのヘ
ッドを有し、一方が記録、他方が再生をおこなう構成で
あってもよい。
【0122】また、本発明において、ディスクの片面に
記録や再生をおこなう例を挙げて説明したが、ディスク
の両面に記録や再生をおこなうディスク装置であって
も、あるいは複数のディスクを有して一括して回転させ
記録や再生をおこなうディスク装置であってもよい。
【0123】また、本発明において、磁気ディスク装置
を例として説明したが、本発明はそれに限定されるもの
ではなく、例えば光ヘッドを利用した形態の光ディスク
装置などにも適用することができる。
【0124】
【発明の効果】以上説明したように、本発明のディスク
装置は、ヘッドに加わる外乱量を検出する外乱検出手
段、外乱の状況を判定する外乱判定手段、外乱の状況に
応じて回転手段としての回転操作機構の回転速度を切り
替える回転制御部、および外乱の状況に応じて位置決め
制御の伝達特性を切り替える位置決め制御手段を有して
いる。これにより、外乱が発生していないときは、回転
制御部は、回転操作機構をある程度低速で回転するよう
に制御するとともに、位置決め制御手段も、その伝達特
性の制御帯域がある程度狭くなるように制御する。ま
た、外乱が発生したとき、外乱検出手段は、その外乱量
を検出し、外乱判定手段は、検出した外乱量により外乱
の発生を判定して、外乱の発生を回転制御部、および位
置決め制御手段に、回転指令情報として通知する。すな
わち、外乱判定手段は、外乱の大きさが所定の基準値を
越えたとき、回転指令情報により、回転操作機構の回転
速度が高速となるように回転制御部に指令するととも
に、位置決め制御手段の制御帯域が広帯域となるように
前記位置決め制御手段にも指令する。この指令により、
回転制御部は回転操作機構の回転速度が高速となるよう
に制御し、位置決め制御手段は位置決め制御手段の制御
帯域が広帯域となるように制御する。その結果、外乱が
発生していないときは、回転操作機構をある程度低速で
回転することで低消費電力化を図ることが可能となると
ともに、外乱が発生したときのみ、回転操作機構の回転
を高速回転させることで、サンプリング周波数を高く
し、トラッキング制御帯域を広くすることで、外乱によ
る影響を抑圧することも可能となる。従って、本発明に
よれば、高記録密度化を妨げることなく、低消費電力で
動作し、外部より振動や衝撃などの外乱を受けても安定
な動作で位置決め制御が可能なディスク装置を提供する
ことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施の形態におけるディスク装
置の構成図
【図2】本発明の第1の実施の形態におけるディスク装
置の具体的な構成例を示すブロック図
【図3】本発明の第2の実施の形態におけるディスク装
置の構成図
【図4】本発明の第3の実施の形態におけるディスク装
置の構成図
【図5】従来のディスク装置の構成図
【符号の説明】
10 位置決め機構 11 ディスク 12 ヘッド 13 ヘッドスライダ 14 ヘッド支持機構 15 アクチュエータ 16,96 位置決め制御部 17 スピンドルモータ 18 回転制御部 19 条件分岐部 26 制御部 60,623 減算器 61 位置制御部 62 状態推定部 63 駆動部 64 位置検出部 100 コントローラ 119 外乱判定部 129 摩擦判定部 139 位置誤差判定部 149 浮上量判定部 260 マイクロプロセッサ 261 メモリ 262 制御プログラム 263,264 AD変換器 265 DA変換器 269 共通バス 611 位相補償回路 612 外乱補償回路 621 位置決め機構モデル 622 推定器 624 増幅器 911 比較器 921 基準値回路
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 5D088 MM09 5D096 VV03 5D109 KA20 KB05 KB23 KC01 KC08

Claims (10)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 情報の記録および再生の少なくともいず
    れか一方をおこなうためのヘッドと、 前記ヘッドを搭載するヘッドスライダと、 前記ヘッドを位置決めするためのサーボ情報が記録され
    たサーボ領域と、情報の記録や再生がおこなわれるデー
    タ領域とが交互に複数配置されて成るトラックを、複数
    有するディスク状の記録媒体と、 前記記録媒体を回転させる回転手段と、 前記ヘッドスライダを支持し、前記ヘッドスライダを前
    記記録媒体の半径方向に移送するヘッド支持手段と、 前記ヘッド支持手段を駆動し、前記記録媒体に対する前
    記ヘッドの位置決めをおこなうアクチュエータと、 前記回転手段の回転速度を制御する回転制御部と、 前記ヘッドにより再生された前記サーボ情報に含まれる
    現在位置情報と、前記ヘッドを目標位置に位置決めする
    ため指定された目標位置情報とに基づく位置決め制御量
    に応じて、前記アクチュエータによる前記ヘッドの位置
    決めを制御する位置決め制御手段と、 前記ヘッドに作用する外乱の大きさを検出し、外乱量と
    する外乱検出手段と、 前記外乱量に基づき、前記回転手段の回転速度、および
    前記位置決め制御手段の制御帯域を制御するための回転
    指令情報を生成する外乱判定手段とを具備し、 前記外乱判定手段は、前記回転指令情報により、前記外
    乱量の増加に従って、前記回転手段の回転速度が高速と
    なるように前記回転制御部に指令するとともに、前記位
    置決め制御手段の制御帯域が広帯域となるように前記位
    置決め制御手段に指令することを特徴とするディスク装
    置。
  2. 【請求項2】 前記外乱判定手段は、前記回転指令情報
    により、前記外乱量が設定された所定の基準値を越えた
    とき前記基準値を越えない場合に比べて、前記回転手段
    の回転速度が高速となるように前記回転制御部に指令す
    るとともに、前記位置決め制御手段の制御帯域が広帯域
    となるように前記位置決め制御手段に指令することを特
    徴とする請求項1記載のディスク装置。
  3. 【請求項3】 前記位置決め制御手段、前記外乱検出手
    段、および前記外乱判定手段として、 プログラムを読み取って実行するマイクロプロセッサ
    と、 前記マイクロプロセッサを動作させるための前記プログ
    ラムを格納するメモリと、 前記マイクロプロセッサを動作させるための前記プログ
    ラムとを具備し、 前記プログラムは、前記マイクロプロセッサが前記プロ
    グラムを読み取って実行することにより、 前記位置決め制御手段、前記外乱検出手段、および前記
    外乱判定手段、 として機能させるための制御プログラムであることを特
    徴とする請求項1または請求項2に記載のディスク装
    置。
  4. 【請求項4】 前記外乱検出手段は、前記ヘッドにより
    再生された前記サーボ情報に含まれる前記現在位置情報
    と、前記位置決め制御手段からの前記アクチュエータを
    制御する前記位置決め制御量とに基づいて推定した外乱
    推定量を、前記外乱量とすることを特徴とする請求項1
    から請求項3までのいずれか一項に記載のディスク装
    置。
  5. 【請求項5】 前記外乱検出手段は、前記ヘッドにより
    再生された前記サーボ情報に含まれる前記現在位置情報
    と、前記ヘッドを目標位置に位置決めするため指定され
    た前記目標位置情報との差より求めた位置誤差量を、前
    記外乱量とすることを特徴とする請求項1から請求項3
    までのいずれか一項に記載のディスク装置。
  6. 【請求項6】 前記外乱検出手段は、前記ヘッドスライ
    ダの浮上量を検出し、前記ヘッドスライダの前記浮上量
    が、所定の前記浮上量から前記記録媒体方向へ低下した
    ヘッド低下量を、前記外乱量とすることを特徴とする請
    求項1から請求項3までのいずれか一項に記載のディス
    ク装置。
  7. 【請求項7】 前記外乱検出手段は、前記ヘッドにより
    再生された再生信号の振幅値に基づいて、前記ヘッドス
    ライダが所定の浮上量であるときの前記振幅値から、前
    記振幅値の増加分に応じた再生振幅増加量を、前記外乱
    量とすることを特徴とする請求項1から請求項3までの
    いずれか一項に記載のディスク装置。
  8. 【請求項8】 前記外乱検出手段は、 前記ヘッドにより再生された前記サーボ情報に含まれる
    前記現在位置情報と、前記位置決め制御手段からの前記
    アクチュエータを制御する前記位置決め制御量とに基づ
    いて推定した力外乱推定量を、前記外乱量とする手段、 前記ヘッドにより再生された前記サーボ情報に含まれる
    前記現在位置情報と、前記位置決め制御手段からの前記
    アクチュエータを制御する前記位置決め制御量とに基づ
    いて推定した、前記ヘッド支持手段に生じる摩擦の摩擦
    外乱推定量を、前記外乱量とする手段、 前記ヘッドにより再生された前記サーボ情報に含まれる
    前記現在位置情報と、前記ヘッドを目標位置に位置決め
    するため指定された前記目標位置情報との差より求めた
    位置誤差量を、前記外乱量とする手段、 および、前記ヘッドスライダの浮上量を検出し、前記ヘ
    ッドスライダの前記浮上量が、所定の前記浮上量から前
    記記録媒体方向へ低下したヘッド低下量を、前記外乱量
    とする手段、 の少なくとも一つの手段を有することを特徴とする請求
    項1から請求項3までのいずれか一項に記載のディスク
    装置。
  9. 【請求項9】 前記外乱検出手段は、ディスク装置に設
    置した振動衝撃センサであり、前記振動衝撃センサによ
    り検出した振動衝撃量を、前記外乱量とすることを特徴
    とする請求項1または請求項2に記載のディスク装置。
  10. 【請求項10】 前記位置決め制御手段、および前記外
    乱判定手段として、 プログラムを読み取って実行するマイクロプロセッサ
    と、 前記マイクロプロセッサを動作させるための前記プログ
    ラムを格納するメモリと、 前記マイクロプロセッサを動作させるための前記プログ
    ラムとを具備し、 前記プログラムは、前記マイクロプロセッサが前記プロ
    グラムを読み取って実行することにより、 前記位置決め制御手段、および前記外乱判定手段、 として機能させるための制御プログラムであり、 前記外乱検出手段は、ディスク装置に設置した振動衝撃
    センサであり、前記振動衝撃センサにより検出した振動
    衝撃量を、前記外乱量とすることを特徴とする請求項1
    または請求項2に記載のディスク装置。
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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2007335016A (ja) * 2006-06-15 2007-12-27 Fujitsu Ltd ヘッドスラップ検出装置、記憶装置、ヘッドスラップ検出方法、およびヘッドスラップ検出プログラム
US7317591B2 (en) 2004-11-12 2008-01-08 Hitachi Global Storage Technologies Netherlands B.V. Servo control for magnetic disk drive
JP2010203231A (ja) * 2009-02-27 2010-09-16 Nissan Motor Co Ltd フィードバック制御装置

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