JP3744536B2 - ヒドロホルミル化方法 - Google Patents

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Description

本発明は、触媒の存在下で一酸化炭素および水素と反応させることによるエチレン性不飽和化合物のヒドロホルミル化方法に関する。
エチレン性不飽和化合物をヒドロホルミル化してアルデヒドおよび/またはアルコールを生成することは、工業的にかなり重要である。その方法は、数十年間、商業的に実施されており、その数十年にわたって、反応条件、触媒系および装置を最適化するための開発がかなり行われてきた。所望の反応物質に対して収率および選択率をより高くすることに関してはかなり進歩してきているが、いくつかの点に関しては、まだ方法の改善が必要であると思われる。
通常の操作法は、最初、コバルトカルボニル触媒の使用に基づいていた。この触媒の活性は比較的低く、出発物質として内部オレフィンを使用する場合は、かなりの量の分岐化合物を含むヒドロホルミル化物質の混合物が生成する。これらの分岐化合物の存在は、多くの用途に対して、好ましくない。さらに、生物学的分解性の点でも、分岐鎖に対する直鎖の比が高い混合物を生成するのが有利であると考えられる。
分岐鎖物質の生成は、触媒としてコバルト−ホスフィン錯体を使用することにより抑制することができる。しかし、この触媒系を十分活性化するのに必要な比較的高い反応温度では、所望のヒドロホルミル化物質の他にかなりの量(約15%)の飽和炭化水素が生成する。
ヒドロホルミル化反応に対して、ロジウムをベースとする触媒を使用することが提案されている。この触媒は、出発物質として内部オレフィンを使用すると、分岐鎖物質が生成するという点で限界がある。一般に、ロジウム触媒を使用すると、得られるヒドロホルミル化物質は、主にアルデヒドから成る。いくつかの用途、例えば洗剤産業に対しては、アルコールが好ましい原料物質である。従って、例えば水素対一酸化炭素の比を高くすることにより、アルデヒドの生成よりもアルコールの生成を高めるための試みが成されたが、これらの方法では、いつも、飽和炭化水素がかなりの量で生成することになる。
従って、これらの飽和化合物の生成を量少にするような反応条件を選択し、触媒を見出すことができるならば、興味深いものになるであろう。
EP−A−0,220,767には、1分子につき少なくとも5個の炭素原子を有するエチレン性不飽和化合物を、非プロトン性溶媒および触媒の存在下で一酸化炭素および水素と接触させることによるヒドロホルミル化法が記載されており、該触媒は、パラジウム、白金またはこれらの金属の一つの化合物、pKaが2未満であるカルボン酸のアニオン、ならびに式Q12MQMQ34(Mはリン、ヒ素またはアンチモンを表し、Qは架橋上に少なくとも3個の炭素原子を有する2価の有機架橋基を表し、Q1〜Q4は、同一または異なった、所望により置換されたヒドロカルビル基である。)の2座配位化合物をベースとする。
実施例に示される実験結果から、選択した反応条件下では、転換率が約65%で、生成混合物中の直鎖化合物の量が67%であり、主としてアルデヒドが得られるが、パラフィンの生成も若干生じることが分かる。
EP−A−0,495,547には、種々のカルボニル化反応が記載されており、エチレン性不飽和化合物のヒドロホルミル化も含む。これらの実施例の一つ(すなわち、実施例27)によれば、α−オレフィン(1−オクテン)は、90℃、60バールの(1:1)水素および一酸化炭素で、パラジウム、1,3−ビス(ジイソプロピルホスフィノ)プロパンおよびスルホン酸を含む触媒を使用することによりヒドロホルミル化すると、94%のノナナールおよび5%のノナノールを生成し、転換率は約67%である。同じ実験を125℃および60バールの(2:1)水素および一酸化炭素で行うと、88%のノナノールおよび9%のノナナールを生成し、オレフィン転換率は63%である。従って、残りは、各々1%および3%のパラフィンを含む。この触媒は、α−オレフィンのヒドロホルミル化(初期の転換速度は約300モル/モルPd.h)に対しては適するが、内部オレフィンのヒドロホルミル化に対しては、活性がかなり低い(約25〜30モル/モルPd.hの速度)ことが分かる。
驚くべきことに、本発明者らは、白金族の金属、少なくとも1個の2価の環式部分を含む2座配位子およびハライドアニオン以外のアニオン源をベースとする触媒を選択することにより、中でも転換速度、生成物の直鎖性およびパラフィン生成の抑制に関して改善されたヒドロホルミル化結果が達成されることを見い出した。
さらに、ハライドアニオン源を含む触媒促進剤を少量存在させると、たとえ中温でも、高速度でヒドロホルミル化が進み、飽和炭化水素の生成はほとんどないという点でかなり好ましい結果を有することが分かった。
本発明は、エチレン性不飽和化合物のヒドロホルミル化方法に関して定義することができ、該方法は、
a)白金族金属カチオン源;
b)ハライドアニオン以外のアニオン源;および
c)式
121RM234 (I)
[式中、M1およびM2は独立してリン、ヒ素またはアンチモン原子を表し、Rは、架橋上に1〜4個の原子を含む2価の有機架橋基を表し、R1およびR2は一緒になって2価の置換または非置換環式基を表すことにより2個の遊離した原子価がM1に結合し、R3およびR4は独立して置換または非置換ヒドロカルビル基を表すか、一緒になって2価の置換または非置換環式基を表すことにより2個の遊離した原子価がM2に結合する。]を含む触媒系の存在下、又はそれに加えさらにハライドと白金族金属カチオンとのモル比が3:1以下であるようにハライドアニオン源を含む触媒促進剤の存在下で一酸化炭素および水素と反応させることを特徴とする。
好ましくは、該方法は、さらに、ハライドと白金族金属カチオンとのモル比が高々3:1であるようにハライドアニオン源を含む触媒促進剤を存在させて行う。
本明細書では、白金族の金属は、原子番号28、46および78を有する金属、すなわちニッケル、パラジウムおよび白金であると定義する。これらのうち、パラジウムおよび白金が好ましい。
適する金属源の例としては、パラジウムと硝酸、硫酸またはスルホン酸との塩、白金またはパラジウムと炭素数12までのカルボン酸との塩、パラジウム−または白金錯体(例えば一酸化炭素またはアセチルアセトナートとの錯体)、もしくはイオン交換体または炭素などの固体物質と結合したパラジウムなどの白金またはパラジウム化合物が挙げられる。酢酸パラジウム(II)および白金(II)アセチルアセトナートが好ましい金属源の例である。
ハライドアニオン以外のアニオン源としては、これらのアニオンを発生する化合物を使用することができる。適切には、酸またはその塩がアニオン源として使用され、例えば、上記で挙げた酸が挙げられ、それらは、白金族金属の塩に関係してもよい。
本発明の触媒系では、好ましくは強酸、すなわち18℃の水性液で測定したpKa値が3未満、好ましくは2未満である酸がアニオン源として使用される。これらの酸に由来するアニオンは、白金族金属と配位結合していないか、弱く配位結合している。
適切なアニオンの典型的な例は、リン酸、硫酸、スルホン酸およびハロゲン化カルボン酸(トリフルオロ酢酸など)のアニオンである。
スルホン酸が特に好ましく、例えば、メタンスルホン酸、トリフルオロメタンスルホン酸、t−ブタン−スルホン酸、p−トルエンスルホン酸および2,4,6−トリメチルベンゼンスルホン酸が挙げられる。
また、ルイス酸(BF3、AlCl3、SnF2、Sn(CF3SO32、SnCl2またはGeCl2など)とプロトン酸(スルホン酸、例えばCF3SO3HまたはCH3SO3Hなど、もしくはハロゲン化水素酸、例えばHFまたはHClなど)との結合、あるいはルイス酸とアルコールとの結合により生じるアニオンなどの錯体アニオンも適する。そのような錯体アニオンの例としては、BF4 -、SnCl3 -、〔SnCl2・CF3SO3-およびPF6 -が挙げられる。
式(I)の2座配位子、すなわち触媒系の成分cにおいて、M1およびM2は好ましくは同一であり、さらに好ましくは、共にリン原子であり、その場合、配位子はビスホスフィンである。
Rによって表される有機架橋基は、典型的には全架橋基が炭素原子である。好ましくは、架橋基が架橋上に2個の炭素原子を含む。反応速度は、3員架橋基(例えば、トリメチレン基)をベースとする触媒の代わりに2員架橋基(例えば、チレン基)をベースとする触媒を使用すると、通常はかなり高められることが認められている。
このことは、驚くべきことである。というのは、EP−A−0,220,767およびEP−A−0,495,547に開示されているような初期のヒドロホルミル化法では、2座配位子が使用されており、その結果、3個以上の炭素原子を含む架橋基の存在が好ましいか、あるいは、EP−A−0,220,767のようにこの存在を必要とすらしているからである。
1およびR2が一緒になって表される2価の(置換)環式基は、一般に、少なくとも5個の原子を環上に含み、好ましくは6〜9の原子を含む。さらに好ましくは、環式基が環上に8個の原子を含む。置換基がある場合、置換基は通常、炭素数1〜4のアルキル基である。一般に、環上の全ての原子は炭素原子であるが、環上に1個または2個のヘテロ原子(酸素または窒素など)を含む2価の環式基も除外されてはいない。適する2価の環式基の例としては、1,4−シクロヘキシレン、1,4−シクロヘプチレン、1,3−シクロヘプチレン、1,2−シクロオクチレン、1,3−シクロオクチレン、1,4−シクロオクチレン、1,5−シクロオクチレン、2−メチル−1,5−シクロオクチレン、2,6−ジメチル−1,4−シクロオクチレンおよび2,6−ジメチル−1,5−シクロオクチレン基が挙げられる。
好ましい2価の環式基は、1,4−シクロオクチレン、1,5−シクロオクチレンおよびそれらのメチル(ジ)置換誘導体である。
種々の2価の環式基を含む配位子の混合物、例えば、1,4−シクロオクチレン基を有する配位子および1,5−シクロオクチレン基を有する配位子の混合物も同様に使用することができる。
式(I)の配位子において、R3およびR4は独立して種々の非環式または環式基を表し、所望により炭素数1〜4のアルコキシ基、ハロゲン原子または(C1〜C4アルキル)アミノ基で置換されていてもよい。
例としては、エチル、イソプロピル、sec−ブチルおよびt−ブチル基などのアルキル基、シクロヘプチルおよびシクロヘキシル基などのシクロアルキル基、フェニルおよびトリル基などのアリール基ならびにヘキサメチレン基などの2価の基が挙げられる。しかし、好ましくは、R3がR4と一緒になって、2価の環式基、特にR1がR2と一緒になって表される基と同一の基を表し、その場合、2価の環式基の2個の遊離した原子価は、もちろんM1の代わりにM2に結合する。すなわち、式(I)の好ましい2座配位子は、1,2−ビス(1,4−シクロオクチレンホスフィノ)エタン、1,2−ビス(1,5−シクロオクチレンホスフィノ)エタンおよびそれらの混合物である。
2座配位子の製造に関しては、公知方法、例えばGB−A−1,127,965に開示された方法が参照される。
使用される触媒系の量は制限されず、広範囲で変えることができる。通常は、エチレン性不飽和化合物1モルにつき10-8〜10-1、好ましくは10-7〜10-2モル原子の白金族原子が使用される。触媒系に関与する量は、通常は、白金族金属1モル原子につき0.5〜10、好ましくは1〜6モルの2座配位子、0.5〜15、好ましくは1〜8モルのアニオン源または錯体アニオン源が使用されるように選択する。
本発明方法の好ましい特徴は、ハライドアニオン源を含む触媒促進剤の存在にあるが、ただし、ハライドアニオンと白金族金属カチオンとのモル比は高々3:1とする。
ハライドアニオンがこれより多く存在すると、触媒系の活性に逆効果である。これは、恐らく、パラジウムとハライド部分との間に配位結合が生じるためである。
好ましくは、ハライドアニオンと白金族金属カチオンとのモル比が高々2:1、より好ましくは1:1未満、例えば0.02:1〜1:1である。
ハライドアニオン源としては、反応条件下でハライドアニオンを生じる化合物を使用することができる。
ハロゲン化水素、例えばHCl、HBrおよびHIならびにハロゲン化金属、例えば、NaCl、MgBr2、ZnCl2、ZnI2、KBr、RbCl、CsCl、CsI、MgI2およびCuClなどの無機化合物が好ましい。
別の好ましいハライドアニオン源の範疇は、反応媒体にハライドアニオンを提供することができるハロゲン含有有機化合物から成る。例えば、塩化トリアリールアルキルホスホニウムなどのハロゲン化有機ホスホニウムおよび5−ハロ安息香酸(例えば、5−クロロ安息香酸、2,5−ジクロロ安息香酸、2,3,5−トリヨード安息香酸、3,5−ジヨード安息香酸、m−ハロフタル酸およびそれらのエステル)などのハロゲン含有芳香族化合物が適している。
塩化物アニオン源を含む触媒促進剤は特に好ましい。
出発物質として使用されるエチレン性不飽和化合物は、好ましくは、1分子につき2〜30個の炭素原子を有するオレフィンまたはそれらの混合物である。それらは、1分子につき1個以上の二重結合を含むことができる。好ましくは、炭素数4〜24の内部オレフィンまたはそれらの混合物である。そのようなオレフィン混合物は市販されており、例えば、エチレンのオリゴマー化、それに続く二重結合の異性化および不均化反応法の生成物として得られるオレフィン混合物がある。本発明方法では、通常は1分子につき6〜20個の炭素原子を有する直鎖内部オレフィンの混合物であるこれらの内部オレフィンまたは該混合物の沸点の近い画分は、高速かつほとんど完全な転換でヒドロホルミル化することができる。例としては、直鎖内部C6〜C8オレフィンの混合物および直鎖内部C10〜C14オレフィンの混合物が挙げられる。
また、置換オレフィンも使用することができ、例えば、不飽和カルボン酸、該酸のエステル、またはカルボン酸の不飽和エステル(例えば、酢酸アリル)が挙げられる。
所望により、プロペン三量体または異性体のブテン二量体(“DIMERSOL”商標)などの分岐鎖オレフィンも使用することができるが、その場合、ヒドロホルミル化生成物はもちろん、同様に分岐鎖構造を含む。
また、‘Shube's’様のアタクティックポリオレフィン(C16オレフィンのオリゴマーの混合物)、“NAPVIS”および“HYVIS”(低分子量ポリイソブチレンの商標)およびスチレン−ブタジエン(ブロック)コポリマーなどのオレフィン性不飽和ポリマー原料も、興味深いアルコール(合成潤滑剤、機能性添加物などへの中間体として)に変換することができる。
最後に、1−オクテンおよびプロペンなどのα−オレフィンならびにノルボルナジエン、ジシクロペンタジエン、1,5−ヘキサジエンおよび1,7−オクタジエンなどのジオレフィンを使用してもよい。ジオレフィンはもちろん、モノヒドロホルミル化物質も生成され得るが、(主として)ジ−ヒドロホルミル化物質を生じる。
一酸化炭素および水素は、等モルまたは非等モルの割合、例えば5:1〜1:5、典型的には3:1〜1:3の範囲の割合で供給することができる。好ましくは、2:1〜1:2の範囲の割合で供給される。
ヒドロホルミル化は、適切には、穏やかな反応条件で行うことができる。従って、50〜200℃の範囲の温度が良く、好ましい温度は70〜160℃である。反応圧力は5〜100バールの範囲が好ましく、それより低圧または高圧も選択できるが、特に有利であるとは考えられない。さらに、高圧の場合は、特殊な装置の準備が必要である。
本発明方法において、エチレン性不飽和出発物質および生成したヒドロホルミル化物質は、反応希釈剤として作用すると考えられる。従って、別個の溶媒の使用は必要ない。しかし、通常、ヒドロホルミル化反応は、さらに溶媒を存在させて行うことができる。そのような溶媒としては、飽和炭化水素、例えばパラフィンおよびイソアルカンが好ましく、さらにアルコール、好ましくは1分子につき4〜10個の炭素原子を有するアルコール(ブタノール、エチルヘキサノール−1、ノナノール−1、またはヒドロホルミル化物質として生成する一般用語のアルコールなど)、2,5,8−トリオキサノナン(ジグリム)、ジエチルエーテルおよびアニソールなどのエーテル、ならびにメチルブチルケトンなどのケトンが好ましい。
EP−A−0,495,547の方法などの初期のヒドロホルミル化法では、アルコールを溶媒として使用することは好ましくないと考えられることが多かった。なぜならば、使用されるヒドロホルミル化触媒は、オレフィン、一酸化炭素および溶媒のアルコールを含む反応でのエステルの生成においても触媒的に活性であったからである。しかし、本発明の触媒系は、所望のヒドロホルミル化物質に対する選択性が高いことから、アルコールの溶媒としての使用が可能である。
さらに、ヒドロホルミル化法を十分な活性の溶解触媒系を使用して均一な反応媒体中で行うことができ、それにもかかわらず、触媒の大きな損失または分解なしに触媒を容易に回収し、所望により再使用することができるならば、有利である。
従って、本発明の好ましい態様は、少なくとも4個の炭素原子を有するエチレン性不飽和化合物を、単相液体媒体中、前記の触媒系の存在下で一酸化炭素および水素と反応させ、次いで、触媒系の実質的に全ての白金族金属カチオンが存在する一つの相およびヒドロホルミル化生成物の大部分を含む別の少なくとも一つの相を含む多相液体反応媒体の生成を引き起こすことによる該エチレン性不飽和化合物のヒドロホルミル化法に関する。
この態様の方法で使用される不飽和化合物は、1分子につき少なくとも4個の炭素原子を含む。1分子につき2個または3個のみの炭素原子を有するエチレン性不飽和化合物の場合は、触媒系の白金族金属カチオンが一つの相に存在し、生成したヒドロホルミル化物質の大部分が別の相に存在する多相液体反応媒体の生成が容易に得られないことが確認されている。好ましくは、1分子につき少なくとも6個の炭素原子を有するエチレン性不飽和化合物を使用する。
特に好ましくは、1分子につき6〜22個の炭素原子を有するエチレン性不飽和化合物である。好ましい出発物質は、1分子につき12〜16個の炭素原子を有する内部直鎖オレフィンから成る。
ヒドロホルミル化反応後の多相液体反応媒体の生成は、種々の方法で引き起こすことができる。
例えば、ヒドロホルミル化生成物質に対する選択溶媒をヒドロホルミル化反応中または反応後に単相液体反応混合物に添加して、ヒドロホルミル化生成物質の大部分および恐らく未反応不飽和出発物質の一部が存在する第二の液体相を生成することができる。
この態様では、一方の触媒系と他方の大部分のヒドロホルミル化生成物質との間の十分な分離を可能にする二つの液体相が生成するが、添加した溶媒を含む第二の液体相からヒドロホルミル化生成物を取り出すことが必要である。
従って、触媒系の実質的に全ての白金族金属を選択的に溶解することができる不活性溶媒をヒドロホルミル化反応中または反応後に単相液体反応媒体に添加することにより多相液体反応媒体の生成を引き起こすのが好ましい。この態様は、ヒドロホルミル化生成物質と触媒系との十分な分離を可能にすると同時に、ヒドロホルミル化生成物質の回収を簡単にすることができる。
さらに好ましい態様によれば、ヒドロホルミル化反応を不活性溶媒の存在下で行い、反応後、反応で得られた反応媒体を冷却することにより多相液体反応媒体を生成する。
このようにして、触媒系の実質的に全ての白金族金属、すなわち少なくとも95%、特に少なくとも97%の白金族金属が不活性溶媒を含む液体相に確実に存在させることができる。
ヒドロホルミル化生成物質の大部分、すなわち少なくとも50%、特に少なくとも80%のヒドロホルミル化生成物質は、別の液体相に得られ、そこから公知方法により容易に回収することができる。
適切な溶媒を選択することにより、反応混合物の温度を室温に下げた場合、多相液体媒体が容易に生成される。所望により、反応媒体をもっと低い温度に冷却することができるが、大規模運転の場合は、装置の反応器部分にさらに設備を必要とすることを鑑みると、特に有利であるとは考えられない。
上記溶媒の代わりに、またはそれに加えて添加することができる、触媒系の実質的に全ての白金族金属を選択的に溶解することができる適切な不活性溶媒は、通常、分子中に非プロトン性の極性基が存在することを特徴とする。
不飽和出発物質が比較的低い分子量を有する場合、すなわち、5〜7個の炭素原子を有するエチレン性不飽和化合物を使用する場合は、強い極性基を含む溶媒が特に好ましい。
高分子量の不飽和化合物、例えば12〜16個の炭素原子を有するオレフィンのヒドロホルミル化に対しては、通常、極性の小さい不活性溶媒の使用で十分である。
スルホンを含む溶媒または実質的にスルホンから成る溶媒が好ましい。スルホンが特に好ましく、例えば、ジメチルスルホンおよびジエチルスルホンなどのジアルキルスルホンならびにスルホラン(テトラヒドロチオフェン−2,2−ジオキシド)、スルホレン、2−メチルスルホランおよび2−メチル−4−エチルスルホラン筆から選択されるアルキルスルホラン、またはジアルキルスルホランなどの環式スルホンが挙げられる。
スルホランは、多相液体反応媒体の生成に最も有効な溶媒であることが確認されている。
溶媒としてのスルホランおよび錯体アニオン(例えばSnCl2)をベースとする触媒系を使用し、および/または溶媒の存在により若干増加するパラフィンの生成を阻止するために触媒促進剤を存在させて本発明を行うと特に有益であることが見い出された。
溶媒の混合物も使用することができ、例えば、スルホンとプロトン性溶媒(アルコールなど)との混合物が挙げられる。オレフィンのヒドロホルミル化では、典型的には、ヒドロホルミル化反応で得られるアルコールと同一または類似のアルコールが選択される。
本発明方法で使用される溶媒の量はかなり変えることができる。それは、当業者の理解の範囲内で、ケースごとに、多相液体反応媒体の生成に必要な冷却度および最適量の溶媒が決定される。後述する実験結果も溶媒の量の指標となり、好ましくはそれが使用される。
本発明方法は、特に白金族金属としてパラジウムをベースとする上記触媒系を使用することにより、高速度で、内部オレフィンからアルコールを製造するための用途に大いに適している。
さらに、本発明方法は、特に白金族金属として白金をベースとする上記触媒系を使用することにより、直鎖性の高いアルデヒドの製造に非常に有用である。
本発明を以下の実施例により説明するが、本発明は以下の実施例に限定されない。表で使用する略号の意味は以下の通りである。
BCPE=1,2−ビス(1,4−シクロオクチレンホスフィノ)エタン
BCPP=1,3−ビス(1,4−シクロオクチレンホスフィノ)プロパン
BBPE=1,2−ビス(sec−ブチルホスフィノ)エタン
BBPP=1,3−ビス(sec−ブチルホスフィノ)プロパン
BDPE=1,2−ビス(2,6−ジメチル−1,4−シクロオクチレンホスフィノ)エタン
BCPI=1,2−ビス(1,4−シクロオクチレンホスフィノ)プロパン
MSA=メタンスルホン酸
TFSA=トリフルオロメタンスルホン酸
TMSA=2,4,6−トリメチルベンゼンスルホン酸
t−BSA=t−ブタンスルホン酸
EH=2−エチルヘキサン−1−オール
HBF4=フルオロホウ酸
実施例1〜2
実験を、250ml容の磁気攪拌付オートクレーブ中で行った。オートクレーブに20mlの1−オクテン、20mlの2,5,8−トリオキサノナン(ジグリム)、0.25ミリモルの酢酸パラジウム(II)、0.6ミリモルのビスホスフィン配位子および1ミリモルのMSAを充填した。フラッシュ後、オートクレーブを、各々30バールの分圧の一酸化炭素および水素により加圧した。次いで、反応器を密閉し、中身を予めセットした温度に加熱し、反応が実質的に完了するまでその温度で維持した。冷却後、サンプルを反応器の中身から取り出し、気液クロマトグラフィーにより分析した。分析の詳細および結果は表Iに示す。
計算による転換速度は、生成物のモル数/白金族金属のモル原子/時間(モル/モル・h)で表す。
生成したパラフィンの量は1%未満であった。実施例1および2をEP−A−0,495,547の実施例27aと比較すると、1,3−ビス(ジイソプロピルホスフィノ)プロパンの使用に対し、BCPEを使用すると、アルデヒドよりもむしろアルコール物質が得られることが分かる。
実施例3
実質的に実施例1〜2に記載した方法に従って実験を行った。オートクレーブに各分圧20バールのエテン、一酸化炭素および水素、45mlのジグ、0.25ミリモルの酢酸パラジウム(II)、0.6ミリモルのBCPEならびに各0.4ミリモルのSnCl2およびTFSAを充填した。100℃でエテンがプロパナールに変換された(選択率>98%)(速度2,000モル/モル・h)。
実施例4
実質的に実施例3に記載した方法に従って実験を行った。オートクレーブに分圧10バールのエテン、20バールの一酸化炭素および40バールの水素、45mlのジグリム、0.25ミリモルの酢酸パラジウム(II)、0.3ミリモルのBCPE、0.4ミリモルのTMSAならびに0.1ミリモルのHClを充填した。105℃でエテンがプロパノールに変換された(選択率>98%)(速度1,000モル/モル・h)。
実施例5〜9ならびに比較例AおよびB
実質的に実施例1〜2に記載した方法に従って実験を行った。オートクレーブに14個の炭素原子を有する30mlの内部オレフィン(i−C14 =)、50mlの溶媒、0.25ミリモルの酢酸パラジウム(II)、0.6ミリモルのビスホスフィン配位子および特定量の酸触媒成分を充填した。詳細および分析結果は表IIに示す。
生成したパラフィンの量は1%未満であった。
実施例5および7の結果を比較すると、架橋上に2個の原子を有する架橋部分を含む配位子を使用することにより、より低い温度でより高い転換速度が得られ、その結果、架橋部分の元素が3個である配位子を使用するよりも直鎖性のより高いヒドロホルミル化物質が生成することが分かる。
種々の酸触媒成分を使用することの効果は、実施例8および9の結果を比較することにより示すことができる。
比較例Aの結果は、本発明の範囲外の配位子を使用すると、比較的高い温度ですら、主として直鎖性の低いアルデヒドが低速度で生成することを示している。さらに、比較例Bの実験では、やはり本発明の範囲外の配位子を使用すると、その配位子の使用により、所望の物質の代わりにかなりの量のエステルが生成するので、溶媒としてのアルコールの使用が妨げられることが分かる。
実施例10
250ml容の磁気攪拌付オートクレーブに、37.5ml(148ミリモル)のi−C14 =、0.312ミリモルの酢酸パラジウム(II)、0.625ミリモルのBCPE、0.625ミリモルのTFSA、0.625ミリモルの塩化スズ(SnCl2)、0.52gの水、52.5mlのEHおよび10mlのスルホランを充填した。
フラッシュした後、オートクレーブを、モル比2:1の水素および一酸化水素の混合物で加圧して全圧90バールにした。次いで、オートクレーブを密閉し、中身を105℃に加熱した。
4時間の反応後(この間、水素または一酸化炭素の追加はなかった)、単相反応混合物を室温に冷却すると、二つの液層が生成した。
二つの層(生成物およびスルホランの層)の各々からサンプルを取り出し、GLCで分析した。
転換率、選択率および分析結果を以下に示す。
Figure 0003744536
実施例11
下記以外は実質的に実施例10の記載と同様に実験を行った。
i)SnCl2の量を0.625ミリモルの代わりに0.15ミリモルとした。
ii)水の量を0.52gの代わりに0.5gとした。
iii)全圧を50バールとし、反応中、その値で維持した。
転換率、選択率および分析結果を以下に示す。
Figure 0003744536
実施例12
実質的に実施例11の記載と同様に実験を行ったが、SnCl2を0.15ミリモルの代わりに0.625ミリモル添加した。
転換率、選択率および分析結果を以下に示す。
Figure 0003744536
生成物層およびスルホラン層の間の重量比は、典型的には88%:12%であった。スルホラン層は、典型的には83重量%のスルホランおよび17重量%のEHを含んでいた。
実施例13〜26
350ml容の「HASTELLOY(商標)C」磁気攪拌付オートクレーブで実験を行った。
オートクレーブに30mlのi−C14 =、25ml(または45ml)のEH、6mlのスルホラン、0.25ミリモルの酢酸パラジウム(II)、0.6ミリモルのBCPE、0.5ミリモルのTFSAおよび触媒促進剤を充填した。
フラッシュした後、オートクレーブを一酸化炭素および水素の1:2モル比の混合物で60バールの圧力に加圧し、次いで密閉した。混合物の温度を予めセットした値に上げた。
3〜10時間の反応後、反応を中断し、反応混合物を室温に冷却した。
反応器の中身からサンプルを取り出し、GLCで分析した。i−C14 =の転換率は>99%であった。詳細および分析結果は表IIIにまとめる。この表から、触媒促進剤の添加は、パラフィン生成の減少に関して非常に有益であることが分かる(後述の実施例28〜31参照)。
実施例27
実質的に実施例13〜26の記載と同様に実験を行ったが、45mlのEHを使用し、BCPEの代わりに0.6ミリモルのBDPEを使用した。
i−C14 =の転換率は>99%であった。詳細および分析結果は表IIIにまとめる。
実施例28
実質的に実施例13〜26の記載と同様に実験を行ったが、触媒促進剤は使用しなかった。触媒促進剤の共存が好ましいことを強調するために、結果を表IIIに含める。
実施例29
実質的に実施例13〜26の記載と同様に実験を行ったが、触媒促進剤の代わりに0.3ミリモルのt−BSAを添加した。結果から、表IIIに示すように、反応速度が増加することがわかる。それにもかかわらず、パラフィンの生成は、触媒促進剤の存在下で行った実験よりも多い。
実施例30
実質的に実施例24および25の記載と同様に実験を行ったが、反応温度を99℃とし、2,5−ジクロロ安息香酸の代わりに5ミリモルの2,6−ジクロロ安息香酸を触媒促進剤として使用した。結果から、表IIIに示すように、ハライドアニオンをあまり容易には発生させないo,o−ジハロ化合物を使用すると、反応速度は増加するが、パラフィンの生成は1%以下ではないことが分かる。
実施例31
実質的に実施例24および25の記載と同様に実験を行ったが、2,5−ジクロロ安息香酸の代わりに5ミリモルの2,5−ジヒドロキシ安息香酸を触媒促進剤として使用した。結果から、表IIIに示すように、ハライドアニオンを発生させることができない促進剤を使用すると、反応速度およびパラフィンの生成に関して触媒促進剤の共存で得られた改善は得られないことが分かる。
実施例32
実質的に実施例1〜2に記載した方法に従って実験を行った。オートクレーブに、20mlの異性体ブテン二量体(DIMERSOL)、50mlの溶媒、0.25ミリモルの酢酸パラジウム(II)、0.6ミリモルのビスホスフィン配位子および特定量の酸触媒成分を充填した。詳細および分析結果は、表IVに示す。
生成したパラフィンの量は1%未満であった。
実施例33〜39
実質的に実施例32の記載と同様に実験を行った。
オートクレーブに、20mlの分岐鎖オレフィン(DIMERSOL、プロピレン三量体=PT−3またはジイソブチレンのいずれか)、0.25ミリモルの酢酸パラジウム(II)、0.6ミリモルのビスホスフィン配位子、特定量の酸触媒成分、特定量の溶媒および特定量の触媒促進剤を充填した。詳細および分析結果は、表IVに示す。
実施例40〜47
実質的に上記実施例1〜2の記載と同様に実験を行った。
オートクレーブに、20mlの1−オクテン、40mlのジグリム、0.25ミリモルの白金(II)アセチルアセトナート、0.6ミリモルのビスホスフィン配位子および特定量の酸触媒成分および/または他のアニオン源を充填した。詳細および結果を表Vに示す。
実施例44および45の結果を実施例43の結果と比較すると、酸(酢酸)の添加により、転換速度が増加することが分かる。
実施例48〜50
実質的に実施例40〜47の記載と同様に実験を行った。
オートクレーブに、20mlの1−オクテン、40mlのジグリム、0.25ミリモルの白金(II)アセチルアセトナート、0.3ミリモルのビスホスフィン配位子、特定量の酸触媒成分および(実施例15の場合は)特定量の触媒促進剤を充填した。詳細および結果を表Vに示す。
実施例51〜54
実質的に実施例40〜47の記載と同様に実験を行ったが、1−オクテンの代わりに20mlのプロペンを供給した。実施例53および54は、0.6ミリモルの代わりに0.3ミリモルのビスホスフィン配位子を使用して行った。
ブタナールに対する選択率は>98%であった。詳細および結果を表VIに示す。
実施例55
わずかに異なる触媒系を使用し、一酸化炭素と水素とのモル比を1:2として、実質的に実施例53および54の記載と同様に実験を行った。詳細および結果を表VIに示す。
実施例56〜57
実質的に実施例51〜52の記載と同様に実験を行った。
オートクレーブに、20mlのプロペン、50mlのオクタノール、0.25ミリモルの酢酸パラジウム(II)、0.6ミリモルのビスホスフィン配位子および特定量の触媒促進剤を充填した。詳細および結果を表VIに示す。
実施例58〜62
プロペンの代わりに種々のオレフィンおよび置換オレフィンを使用し、実質的に実施例51および52の記載と同様に実験を行った。
全ての実験において、アニオン源は0.5ミリモルのTFSAおよび0.5ミリモルのSnCl2であった。詳細および結果を表VIIに示す。
実施例63〜65
実質的に実施例59および60の記載と同様に実験を行った。全ての実験において、初期の速度(最初のメチロール基の付加)は非常に高いことが分かったが(例えば、0.5時間で、ジシクロペンタジエンは、そのモノアルコールの一つである8−または9−メチロール−トリシクロ〔5,2,1,02,6〕デク−3−エンに100%変換された。)、第二のメチロール基の付加はより多くの時間を要した(約10時間)。詳細および結果をVIIに示す。
Figure 0003744536
Figure 0003744536
Figure 0003744536
Figure 0003744536
Figure 0003744536
Figure 0003744536
Figure 0003744536

Claims (9)

  1. a)パラジウムもしくは白金のカチオン源;
    b)リン酸、硫酸、スルホン酸、ハロゲン化カルボン酸、およびルイス酸とプロトン酸もしくはアルコールとの結合により生じるアニオンから成る群から選択されるアニオン源;および
    c)式:R121RM234 (I)
    [式中、M1およびM2はリン原子を表し、Rは、架橋上に1〜4個の原子を含む2価の有機架橋基を表し、R1およびR2は一緒になって2価の置換または非置換環式基を表すことにより2個の遊離した原子価がM1に結合し、R3およびR4は独立して置換または非置換ヒドロカルビル基を表すか、一緒になって2価の置換または非置換環式基を表すことにより2個の遊離した原子価がM2に結合する。]の2座配位子源
    を含む触媒系の存在下、および、さらにハライドとパラジウムカチオンもしくは白金カチオンとのモル比が3:1以下であるように、ハロゲン化水素、ハロゲン化金属、ハロゲン化有機ホスホニウムおよびハロゲン含有芳香族化合物からなる群から選択されるハライドアニオン源を含む触媒促進剤の存在下で一酸化炭素および水素と反応させることによるエチレン性不飽和化合物のヒドロホルミル化方法。
  2. ハライドとパラジウムカチオンもしくは白金カチオンとのモル比が0.02:1〜1:1の範囲にあることを特徴とする請求項1に記載の方法。
  3. 式(I)の2座配位子において、Rがエチレン基を表すことを特徴とする請求項1または2に記載の方法。
  4. 式(I)の2座配位子において、R1がR2と一緒になって表される2価の環式基が、環上に6〜9個の原子を有するシクロアルキレン基であることを特徴とする請求項1〜3のいずれか一項に記載の方法。
  5. 2価の環式基が、環上に8個の原子を有することを特徴とする請求項4に記載の方法。
  6. 式(I)の2座配位子において、R3 および4 一緒になって2価の置換または非置換環式基を表わし、それによって2個の遊離した原子価がM2結合することを特徴とする請求項1〜5のいずれか一項に記載の方法。
  7. 少なくとも4個の炭素原子を有するエチレン性不飽和化合物を単相液体媒体中で反応させ、次いで、多相液体反応媒体中の全てのパラジウムカチオンもしくは白金カチオンの少なくとも95%が存在する一つの相およびヒドロホルミル化生成物質の大部分を含む別の少なくとも一つの相を含む多相液体反応媒体の生成を引き起こすことによる該エチレン性不飽和化合物をヒドロホルミル化するための請求項1〜6のいずれか一項に記載の方法。
  8. 多相液体反応媒体の生成が、溶解したパラジウムカチオンもしくは白金カチオンおよびヒドロホルミル化生成物質を含む単相液体媒体から全てのパラジウムカチオンもしくは白金カチオンの少なくとも95%を選択的に溶解することができる不活性溶媒を使用し、反応後の反応媒体を冷却することにより引き起こされることを特徴とする請求項7に記載の方法。
  9. 不活性溶媒がスルホラン、アルキルスルホランおよびジアルキルスルホランから成る群から選択されることを特徴とする請求項8に記載の方法。
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