JP3744096B2 - ワーク位置決め方法および同位置決め装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
この発明は、チェーン上に設けたワーク保持搬送部材に保持されたワークに対し、チェーン搬送方向の所定位置にて作業を行う際のワーク位置決め方法および同位置決め装置に関する。
【0002】
【発明が解決しようとする課題】
この発明は、チェーンによって搬送されるワークに対して所定位置にて作業を行うときの位置決め精度を向上させることを目的としている。
【0003】
【課題を解決するための手段】
前記目的を達成するために、この発明は、第1に、一対のスプロケット相互間に掛け渡されたチェーンに、このチェーンの所定の搬送位置にて作業を受けるワークを保持搬送するワーク保持搬送部材を装着し、このワーク保持搬送部材は、チェーンの両サイドに設けたガイドレールに支持された状態で前記チェーンの駆動により移動する構成であり、前記チェーンに対して張力を発生させる張力発生機構を設け、この張力発生機構によるチェーンに対する張力付与を解除した状態で、前記ワークが所定の作業位置となるよう前記ワーク保持搬送部材の位置決めを行う位置決め方法としてある。
【0004】
上記したワーク位置決め方法によれば、ピンの摩耗や温度変化などにより全長が変化するチェーンによって搬送されるワーク保持搬送部材が、保持しているワークに対する所定の作業位置にて位置決め固定されるので、この位置決め固定されたワークに対する作業が、例えばロボットによる溶接作業の場合には、溶接精度が向上する。
また、張力発生機構によりチェーンに対する張力付与を解除した状態で、位置決め機構によりワーク保持搬送部材の位置決めを行い、位置決めされたワーク保持搬送部材に保持されているワークが、例えばロボットにより所定の溶接作業などを受ける。
さらに、ワーク保持搬送部材は、ガイドレールに支持されているので、上下方向の位置ずれが回避されており、このため位置決め機構によるワーク保持搬送部材に対する位置決めが容易となる。
【0005】
第2に、ワーク保持搬送部材は、チェーンの搬送方向に沿って複数設けられ、この複数のワーク保持搬送部材に対する位置決めを、一対のスプロケットのいずれかの側から順次行う位置決め方法としてある。
【0006】
上記したワーク位置決め方法によれば、複数のワーク保持搬送部材に対し両端のいずれかのスプロケット側から順次位置決めを行うことで、チェーンによる拘束が避けられる。
【0007】
第3に、一対のスプロケット相互間に掛け渡されたチェーンに、このチェーンの所定の搬送位置にて作業を受けるワークを保持搬送するワーク保持搬送部材を装着し、このワーク保持搬送部材は、チェーンの両サイドに設けたガイドレールに支持された状態で前記チェーンの駆動により移動する構成であり、前記チェーンに対して張力を発生させる張力発生機構を設け、この張力発生機構によるチェーンに対する張力付与を解除した状態で、前記ワークが所定の作業位置となるよう前記ワーク保持搬送部材の位置決めを行う位置決め機構を設けた。
【0008】
上記構成によれば、張力発生機構によりチェーンに対する張力付与を解除した状態で、位置決め機構によりワーク保持搬送部材の位置決めを行い、位置決めされたワーク保持搬送部材に保持されているワークが、例えばロボットにより所定の溶接作業などを受ける。
また、上記構成によれば、ワーク保持搬送部材は、ガイドレールに支持されているので、上下方向の位置ずれが回避されており、このため位置決め機構によるワーク保持搬送部材に対する位置決めが容易となる。
【0009】
第4に、前記一対のスプロケットのうちの駆動側のものに、このスプロケットに対し駆動部からの動力を伝達遮断可能なクラッチ機構を設け、このクラッチ機構による前記スプロケットへの動力伝達を遮断してこのスプロケットをフリーとした状態で、前記ワークが所定の作業位置となるよう前記ワーク保持搬送部材の位置決めを行う位置決め機構を設けた。
【0010】
上記構成によれば、駆動側のスプロケットがクラッチ機構により駆動部からの動力伝達を遮断された状態で、位置決め機構によりワーク保持搬送部材の位置決めを行う。これにより、位置決め時には駆動側のスプロケットがフリーとなるので、チェーンの拘束を受けずに済む。
【0013】
第5に、位置決め機構は、ワーク保持搬送部材の側方に設けた駆動手段と前記ワーク保持搬送部材とのいずれか一方に設けたテーパピンと、他方に設けられて前記テーパピンが挿入されるテーパ孔部とで構成され、前記駆動手段は、この駆動手段に設けられた前記テーパピンあるいはテーパ孔部を、前記ワーク保持搬送部材側に向けて進退移動させるものである。
【0014】
上記構成によれば、駆動手段が、この駆動手段に設けられたテーパピンあるいはテーパ孔部を、ワーク保持搬送部材側に向けて進出移動させることで、ワーク保持搬送部材側のテーパ孔部あるいはテーパピンに嵌合し、これによりワーク保持搬送部材が位置決めされる。
【0015】
第6に、位置決め機構は、ワーク保持搬送部材側に設けた被挟持部と、前記ワーク保持搬送部材の側方に設けられて前記被挟持部を挟持固定する挟持アーム機構とから構成されている。
【0016】
上記構成によれば、挟持アームが、ワーク保持搬送部材側の被挟持部を挟持固定することで、ワーク保持搬送部材の位置決めがなされる。
【0035】
【発明の効果】
第1の発明によれば、ピンの摩耗や温度変化などにより全長が変化するチェーンによって搬送されるワーク保持搬送部材が、保持しているワークに対する所定の作業位置にて位置決め固定されるので、この位置決め固定されたワークに対する作業を、精度よく行うことができる。
また、チェーンに取付られたワーク保持搬送部材に対し、チェーンに対する張力付与を解除した状態で位置決めを行うので、位置決め作業が容易かつ確実にできる。
さらに、ワーク保持搬送部材を、ガイドレールに支持させることで、上下方向の位置ずれを回避しているので、位置決め機構によるワーク保持搬送部材に対する位置決めを容易に行うことができる。
【0036】
第2の発明によれば、複数のワーク保持搬送部材に対し両端のいずれかのスプロケット側から順次位置決めを行うことで、チェーンによる拘束を避けることができ、位置決めを容易に行うことができる。
【0037】
第3の発明によれば、チェーンに取付られたワーク保持搬送部材に対し、チェーンに対する張力付与を解除した状態で位置決めを行うので、位置決め作業が容易かつ確実にできる。
また、ワーク保持搬送部材を、ガイドレールに支持させることで、上下方向の位置ずれを回避しているので、位置決め機構によるワーク保持搬送部材に対する位置決めを容易に行うことができる。
【0038】
第4の発明によれば、駆動側のスプロケットがクラッチ機構により駆動部からの動力伝達を遮断された状態で、位置決め機構によりワーク保持搬送部材の位置決めを行う構成としたので、チェーンの位置決め時に、駆動側のスプロケットがフリーとなり、チェーンの拘束を受けることなく位置決めを行うことができる。
【0040】
第5の発明によれば、ワーク保持搬送部材に対する位置決めは、駆動手段側のテーパピンあるいはテーパ孔部と、ワーク保持搬送部材側のテーパ孔部あるいはテーパピンとが相互に嵌合することでなされるので、確実に行うことができる。
【0041】
第6の発明によれば、挟持アームが、ワーク保持搬送部材側の被挟持部を挟持固定することで、ワーク保持搬送部材の位置決めを行うことができる。
【0051】
【発明の実施の形態】
以下、この発明の実施の形態を図面に基づき説明する。
【0052】
図1は、この発明の実施の一形態を示すワーク位置決め装置を備えたチェーンコンベアの全体構成を示す概略的な平面図、図2は、図1に示したチェーンコンベアの正面図である。チェーン1は、図中で左側端部に配置された駆動側スプロケット3と、同右側端部に配置された被駆動側スプロケット5との間に掛け渡されて図2中で矢印A方向に移動するもので、このチェーン1上には、ワーク保持搬送部材としてのスラット7が複数装着されている。
【0053】
スラット7は、例えば図3に示すような自動車のボディサイドアウタなどのワークWを、上部に備えたクランプ部9によりクランプ保持する。クランプ部9によって保持されたワークWは、チェーン1の移動に伴って移動するが、所定の作業位置にて停止した状態で、チェーンコンベアの側方に配置された溶接ロボットにより、フロント部品Wfとリア部品Wrとの相互の溶接接合作業や、各部品Wf,Wrに対する図示しないインナ部品の溶接接合作業が、それぞれの作業位置にてなされる。
【0054】
チェーン1の両サイドには、ガイドレール11が搬送方向に沿って延長配置され、スラット7はこのガイドレール11にガイドされて移動する。スラット7は、図3の要部の拡大された斜視図である図4および、図4における搬送方向に対し直角に切った断面図である図5に示すように、水平板13の両側部に設けた左右の各側板15に、ガイドレール11を上下から挟むように4つのローラからなるカムフォロア17が取り付けられている。
【0055】
水平板13の下面には、図5に示すように、チェーン取付部19の上端が固定され、チェーン取付部19の下端には、図5のB−B断面図である図6に示すように、アタッチメント21を介してチェーン1が装着されている。チェーン取付部19とアタッチメント21とは、ピン23により回動可能となっている。
【0056】
ガイドレール11の両側方には、図3および図4では省略してあるが、図1に示すように、スラット7の位置決めを行う位置決め部材25が設置されている。この位置決め部材25は、スラット7に保持されたワークWが所定の作業位置となる状態で、スラット7に対して位置決めを行うもので、その詳細を図7に示す。図7(a)は平面図で、図7(b)は図7(a)のC矢視図である。
【0057】
位置決め部材25は、駆動手段としてのエアシリンダ27と、エアシリンダ27の動作によりスラット7に向けて進退移動するテーパピン29とを備えている。一方、スラット7における側板15のガイドレール11より上部側のカムフォロア17相互間には、突出部31が形成され、この突出部31の端面には、テーパ孔部31aが形成され、テーパ孔部31aに前記位置決め部材25側のテーパピン29が挿入されることで、位置決めがなされる。上記位置決め部材25とテーパ孔部31とで位置決め機構を構成している。
【0058】
上記チェーン1が巻き掛けられた駆動側スプロット3は、図2に示すように、張力発生機構33に連結されており、この張力発生機構33によりチェーン1に対して張力の付与および解除がなされる。張力発生機構33は、駆動側スプロケット3が取り付けられたスライド部35と、このスライド部35を図2中で左右方向にスライド移動させる張力発生用の油圧シリンダ37とを備えている。
【0059】
スライド部35は、ベース39上にてリニアガイドレール41を介してスライドするもので、底板43と、底板43上に下端が固定され、上端に駆動側スプロケット3が回転可能に取り付けられる一対の取付板45とを備えている。一方、油圧シリンダ37は、シリンダ本体47から突出したロッド49の先端が、底板43に固定された取付ブラケット51に固定されており、油圧シリンダ37の動作に伴うスライド部35の進退移動により、チェーン1に対する張力付与および張力解除がなされる。
【0060】
また、図1に示すように、底板43上には、駆動側スプロケット3を駆動するモータ53が設置されており、このモータ53と駆動側スプロケット3との間には、モータ53の動力を駆動側スプロケット3に伝達遮断するクラッチ機構55が設けられている。
【0061】
次に、上記したワーク位置決め装置の動作を説明する。図3に示すワークWは、スラット7上に固定保持されてチェーン1の駆動による搬送されるが、このときチェーン1は、張力発生機構33により張力が付与されている。つまり、張力発生用の油圧シリンダ37のロッド49がシリンダ本体47内に引き込まれてスライド部35が図1および図2中で左方向にスライド移動した状態である。
【0062】
チェーン1の駆動により、ワークWが所定の作業位置まで搬送されたら、この位置のスラット7(ここでは図1中で被駆動側スプロケット5側のスラット7とする)を、例えば図示しないセンサで検出してモータ53を停止させ、チェーン1の駆動を停止させる。この停止時では、センサで検出したスラット7に対し駆動側スプロケット3側の各スラット7は、規定の位置決め位置より搬送方向前方側に、チェーン1の伸び量に応じてオーバランした位置で停止することになる。
【0063】
この状態で、油圧シリンダ37のロッド49を前進させてスライド部35を図1および図2中で右方向に移動させ、チェーン1の張力を解除し、チェーン1に弛みを持たせておく。これと同時に、クラッチ機構55によりモータ53と駆動側スプロケット3との動力伝達を遮断し、駆動側スプロケット3をフリーな状態とする。この状態で、図7に示す位置決め部材25におけるエアシリンダ27を動作させ、テーパピン29を突出させてスラット7側のテーパ孔31aに挿入し、スラット7を両側から位置決め固定する。
【0064】
このように、ワークWに対する所定の作業位置にてワークWを保持するスラット7を位置決め固定するので、チェーン1がピンの摩耗や温度変化などにより全長が変化した場合であっても、所定の作業位置の位置決めを精度よく行え、チェーンコンベアの側方に配置したロボットによる、例えば図3に示すようなボディサイドに対する溶接作業を高精度に行うことが可能となる。
【0065】
また、スラット7が、テーパピン29とテーパ孔部31aとの嵌合により両サイドから挟持固定された状態となっているので、ワークWは溶接作業を受ける際に振動が発生しにくく、より高精度な溶接が行える。さらに、溶接作業中は、スラット7が、上記したように位置決め機構により固定されている上、ガイドレール11に支持されているので、チェーン1には負荷が掛からず、チェーン1の高寿命化が達成される。
【0066】
図1に示すように、スラット7が複数設けられて、チェーン1の停止時にそれぞれのスラット7上のワークWが所定の作業位置にある場合には、図8の模式図で示すように、チェーン1の端部(ここでは被駆動側スプロケット5側の端部)のものから駆動側スプロケット3ものに向かって順に位置決めを行う。このように、チェーン1の端部からスラット7を順次位置決めしていくことで、チェーン1は伸び分が順次手繰り寄せられる形となり、駆動側スプロケット3がフリーとなっていることも相俟って、チェーン1の張りによる不具合は起こらず、位置決め作業が確実になされる。
【0067】
また、複数のスラット7に対し、位置決めが必要な作業工程のみの位置決めも、必要に応じて行うことができ、搬送ラインの多様化に対応可能である。さらに、スラット7は、ガイドレール11に支持されることにより、上下方向の位置ずれはほとんどなく、したがって位置決め動作は、チェーン1の伸びによる搬送方向に対して行うだけであるので、容易である。
【0069】
図9は、スラット7に対する位置決め機構の他の例を示している。同図(a)は平面図で、同図(b)は(a)のD−D矢視断面図である。この例は、スラット7の側板15に矩形状の被挟持部となるロッド57が突出固定され、このロッド57をガイドレール11の側方に配置した挟持アーム機構59により挟持固定してスラット7を位置決め固定するものである。挟持アーム機構59とロッド57とで位置決め機構を構成している。
【0070】
挟持アーム機構59は、長アーム61および短アーム63の各先端側部の固定部61a,63aでロッド57を挟持固定するもので、各アーム61,63の基端側には、ピニオン65,67が固定ピン69,71を介してそれぞれ固定されている。固定ピン69,71は、外部の図示しない回転支持部に回転支持され、ピニオン65,67およびアーム61,63を上記回動支持部に対してそれぞれ回動支持する。各ピニオン65,67相互間には、エアシリンダ73によって図中で左右方向に移動可能で、上下両側部に歯部を備えて各ピニオン65,67に歯合するラック75が配置されている。
【0071】
上記エアシリンダ73の動作により、ラック75が、図9の状態から右方向に移動することで、ピニオン65が図中で左回りに回転する一方、ピニオン67が右回りに回転し、これに伴って各アーム61,63が互いに離れる方向に回動して図9中で二点鎖線で示す位置となる。逆に、ラック75が図中で左方向に移動すると、上記とは逆の動作によって、各アーム61,63によりロッド57を挟持固定し、スラット7が搬送方向の所定の作業位置にて位置決めされることになる。
【0072】
図10は、図1および図2に示した張力発生機構の別の例を示している。この張力発生機構77は、チェーン1の長さ方向に沿ってほぼ等間隔に複数設けられており、チェーン1に対して下方から、上下動可能なスプロケット79により張力付与および解除を行うものである。上記スプロケット79は、支持板81の上端に回転可能に取り付けられており、支持板81は、外部に固定された左右一対の支持ブラケット83に対し、リニアガイドレール85を介して上下動可能である。
【0073】
支持板81の下部側には直線状のリンク部材87の上端が、リンク部材87の下端にはベルクランク89の一端がそれぞれ回動可能に連結されている。上記ベルクランク89は、他端がエアシリンダ91のロッド先端が回転可能に取り付けられ、中央の屈曲部が外部に固定された取付ブラケット93に回転可能に取り付けられ、エアシリンダ91の動作により、ベルクランク89、リンク部材87および取付板81を介してスプロケット79が上下動する。
【0074】
スプロケット79を上昇させることで、チェーン1に張力が付与され、この状態でスラット7の搬送を行う。スラット7の位置決めを行う際には、スプロケット79を下降させ、チェーン1を弛ませた状態で行う。
【0075】
図11は、スラット7の位置決めを、スラット7が所定の作業位置で停止した状態で、その搬送方向前後に設けた張力付与機構95により、チェーン1に対して張力を付与することで行うようにした参考例である。スラット7の所定の作業位置での停止は、スラット7の側方に設けた作業位置検出手段を構成する図示しないセンサがスラット7を検出することで行う。このスラット7も、前述した実施の形態である図5と同様に、ガイドレール11にガイドされて移動するとともに、下端がチェーン1に連結されている。
【0076】
張力付与機構95は、チェーン1の上方側にて相互に所定間隔をおいて固定配置された回転可能な一対のガイドスプロケット97と、この各ガイドスプロケット97に対しチェーン1の下方側で、かつ各ガイドスプロケット97相互間に位置してチェーン1を上方に押し付け移動可能な張力制御スプロケット99とを備えている。図11は、張力制御スプロケット99が上方に移動してチェーン1をガイドスプロケット97側に押し付けている状態を示している。
【0077】
図12は、張力付与機構95における張力制御スプロケット99側の詳細を示すもので、前記図11のE−E線の断面図に相当する。支持板101には、軸受103が固定され、この軸受103に回転可能に支持された支持軸105に張力制御スプロケット99が固定されている。また、上記支持板101の軸受103と反対側には、支持軸105の回転動作をロックするブレーキ機構106が装着されている。
【0078】
張力制御スプロケット99を支持板101とともに上下動させる上下動駆動機構107は、ボールネジ部109と、外部に固定されているサーボモータ111とから構成されている。ボールネジ部109と支持板101とは支持アーム113で連結固定され、この支持アーム113は、外部に固定されているリニアガイドレール115に対して上下動可能に支持されている。
【0079】
図13は、張力付与機構95におけるガイドスプロケット97側の詳細を示すもので、前記図11のF−F線の断面図に相当する。外部に固定されたほぼL字状の支持ブラケット117には軸受119が固定され、この軸受119に回転可能に支持された支持軸121にガイドスプロケット97が固定されている。
【0080】
上記した図11の位置決め装置においては、スラット7がチェーン1の駆動により、保持するワークWを搬送する際には、サーボモータ111を駆動してボールネジ部109および支持アーム113を介して張力制御スプロケット99を、支持板101とともに図11の位置から下降させ、チェーン1への張力付与を解除するとともに、ブレーキ機構106も解除して張力制御スプロケット99の回転をフリーにしておく。張力付与を解除した状態の張力制御スプロケット99は、、ガイドスプロケット97とともに、チェーン1に対して噛み合った状態とし、チェーンガイドの役目を果たす。
【0081】
ワークWを搬送するスラット7が所定の作業位置に移動したことを図示しないセンサが検出すると、チェーン1の駆動が停止し、この状態で、サーボモータ111を駆動して張力制御スプロケット99を上昇させて図11の状態とする。このとき、ブレーキ機構106を作動させて張力制御スプロケット99の回転動作をロックさせておく。これにより、二つの張力付与機構95相互間におけるチェーン1には張力が発生し、所定の作業位置にて停止しているスラット7の位置決めがなされる。
【0082】
上記した図11の位置決め装置は、チェーン1の駆動中でも、張力制御スプロケット99がチェーン1を支持しているので、駆動力がチェーン1の全長にわたり分散されてチェーン1の駆動および停止時での弛みに起因した衝撃が緩和され、チェーン1の寿命が延びるものとなる。
【0083】
図14は、図11の変形例で、センサにより検出されて所定の作業位置で停止しているスラット7の位置決めを行うに際し、二つの張力付与機構123相互間のチェーン1に対して張力を付与するという作業は図11と同様である。ここでの張力付与機構123は、ガイドスプロケット97を、張力制御スプロケット99に対して外側のもの一つとしたものであり、張力制御スップロケット99およびガイドスプロケット97周辺のそれぞれの支持構造は、前述した図12および図13と同様である。
【0084】
張力付与機構123相互間のチェーン1に対して張力を付与する作業は、張力制御スプロケット99をブレーキ機構106によりロックさせた状態で上昇させるが、このとき、張力制御スプロケット99とスラット7の下部に取り付けられたチェーン取付部19との間でチェーン1に張力が付与される。
【0085】
なお、図11および図14において、ガイドスプロケット97をチェーン1の下部側に、張力制御スプロケット99をチェーン1の上部側にそれぞれ配置し、張力制御スプロケット99を下方に移動させて張力を発生させるような構成としても構わない。
【0086】
上記図11および図14における一対の張力付与機構95および123は、前述した図1の実施の形態のように、スラット7が複数設けられてそれぞれのスラット7について位置決めを行う場合には、それぞれのスラット7について張力付与機構95および123を設ける。また、張力付与機構95および123相互間の距離は、できる限り短くすることで、張力を付与する部分のチェーン1のピン摩耗による伸び量が少なくなり、位置決め精度も向上する。
【0087】
上記図11および図14におけるようなチェーン1に張力を付与する際には、チェーン1のピンの摩耗などによる弛み量に応じて張力制御スプロケット99の上昇量を制御することで、より確実な位置決めが可能となる。そこで、図15に示すように、チェーン1の上部側にレーザ光源125を、下部側にCCDカメラ127をそれぞれ配置し、これらによりチェーン1のピン1a相互間の寸法Lを検出することで、ピン1aの摩耗によるチェーン1の伸び、すなわち弛み量を把握し、この弛み量に応じてサーボモータ111による張力制御スプロケット99の上昇量を制御するものとする。
【0088】
上記レーザ光源125とCCDカメラ127とで弛み検出手段を構成しており、この弛み検出手段の検出値に応じてサーボモータ111を制御する制御手段としては、図示していないが、例えばマイクロコンピュータで構成される制御回路とする。
【0089】
図16は、チェーン1の弛み量を、チェーン1に設けた基準マークKの、弛み前の位置と弛み後の位置との上下寸法差Sを、図示しない視覚センサで検出することで把握するようにしたものである。
【0090】
図17は、スラット7に設けた基準マークMの、所定の作業位置に対する搬送方向のずれ量Nを、図示しない視覚センサで検出して、チェーン1の弛みを把握するようにしたものである。
【0091】
上記図15ないし図17における弛み量検出は、単独で用いてもよいし、全てを用いてサーボモータ111にフィードバックしてもよい。
【0092】
なお、上記図11および図14における張力付与機構95,123では、スプロケット97,99を使用したが、スプロケットに代えてガイドシューを使用してもよい。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の実施の一形態を示すワーク位置決め装置を備えたチェーンコンベアの全体構成を示す概略的な平面図である。
【図2】図1に示したチェーンコンベアの正面図である。
【図3】図1のチェーンコンベア上にワークが保持されている状態を示す斜視図である。
【図4】図3における要部の拡大された斜視図である。
【図5】図4のスラットにおける搬送方向に対して直角に切った断面図である。
【図6】図5のB−B断面図である。
【図7】(a)は図4におけるスラットに対する位置決め機構を示す平面図、(b)は(a)のC矢視図である。
【図8】図1のチェーンコンベアにおける位置決め動作を示す動作説明図である。
【図9】(a)は位置決め機構の他の例を示す平面図、(b)は(a)のD矢視図である。
【図10】図1および図2に示した張力発生機構の他の例を示す正面図である。
【図11】 この発明の参考例を示すワーク位置決め装置を備えたチェーンコンベアの要部の正面図である。
【図12】図11の拡大されたE−E線矢視断面図である。
【図13】図11の拡大されたF−F線矢視断面図である。
【図14】図11の変形例を示すチェーンコンベアの要部の正面図である。
【図15】チェーンの弛み量の把握を、ピン相互間の寸法を検出することで行うようにした例を示す説明図である。
【図16】チェーンの弛み量の把握を、チェーンに設けた基準マークの下方への変位量を検出することで行うようにした例を示す説明図である。
【図17】チェーンの弛み量の把握を、スラットに設けた基準マークの搬送方向のずれ量を検出することで行うようにした例を示す説明図である。
【符号の説明】
W ワーク
1 チェーン
1a ピン
3 駆動側スプロケット
5 被駆動側スプロケット
11 ガイドレール
7 スラット(ワーク保持搬送部材)
25 位置決め部材(位置決め機構)
27 エアシリンダ(駆動手段)
29 テーパピン
31a テーパ孔部(位置決め機構)
33,77 張力発生機構
55 クラッチ機構
57 ロッド(被挟持部,位置決め機構)
59 挟持アーム機構(位置決め機構)
95,123 張力付与機構
97 ガイドスプロケット
99 張力制御スプロケット
111 サーボモータ
125 レーザ光源(弛み検出手段)
127 CCD(弛み検出手段)
Claims (6)
- 一対のスプロケット相互間に掛け渡されたチェーンに、このチェーンの所定の搬送位置にて作業を受けるワークを保持搬送するワーク保持搬送部材を装着し、このワーク保持搬送部材は、チェーンの両サイドに設けたガイドレールに支持された状態で前記チェーンの駆動により移動する構成であり、前記チェーンに対して張力を発生させる張力発生機構を設け、この張力発生機構によるチェーンに対する張力付与を解除した状態で、前記ワークが所定の作業位置となるよう前記ワーク保持搬送部材の位置決めを行うことを特徴とするワーク位置決め方法。
- ワーク保持搬送部材は、チェーンの搬送方向に沿って複数設けられ、この複数のワーク保持搬送部材に対する位置決めを、一対のスプロケットのいずれかの側から順次行うことを特徴とする請求項1記載のワーク位置決め方法。
- 一対のスプロケット相互間に掛け渡されたチェーンに、このチェーンの所定の搬送位置にて作業を受けるワークを保持搬送するワーク保持搬送部材を装着し、このワーク保持搬送部材は、チェーンの両サイドに設けたガイドレールに支持された状態で前記チェーンの駆動により移動する構成であり、前記チェーンに対して張力を発生させる張力発生機構を設け、この張力発生機構によるチェーンに対する張力付与を解除した状態で、前記ワークが所定の作業位置となるよう前記ワーク保持搬送部材の位置決めを行う位置決め機構を設けたことを特徴とするワーク位置決め装置。
- 前記一対のスプロケットのうちの駆動側のものに、このスプロケットに対し駆動部からの動力を伝達遮断可能なクラッチ機構を設け、このクラッチ機構による前記スプロケットへの動力伝達を遮断してこのスプロケットをフリーとした状態で、前記ワークが所定の作業位置となるよう前記ワーク保持搬送部材の位置決めを行う位置決め機構を設けたことを特徴とする請求項3記載のワーク位置決め装置。
- 位置決め機構は、ワーク保持搬送部材の側方に設けた駆動手段と前記ワーク保持搬送部材とのいずれか一方に設けたテーパピンと、他方に設けられて前記テーパピンが挿入されるテーパ孔部とで構成され、前記駆動手段は、この駆動手段に設けられた前記テーパピンあるいはテーパ孔部を、前記ワーク保持搬送部材側に向けて進退移動させるものであることを特徴とする請求項3または4記載のワーク位置決め装置。
- 位置決め機構は、ワーク保持搬送部材側に設けた被挟持部と、前記ワーク保持搬送部材の側方に設けられて前記被挟持部を挟持固定する挟持アーム機構とから構成されていることを特徴とする請求項3または4記載のワーク位置決め装置。
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