JP3744020B2 - 免疫増強剤並びにそれを含有する甲殻類、魚類及び家畜用飼料 - Google Patents

免疫増強剤並びにそれを含有する甲殻類、魚類及び家畜用飼料 Download PDF

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Description

【0001】
【産業上の利用分野】
本発明は免疫増強剤並びにそれを含有する甲殻類、魚類及び家畜用飼料に関し、詳しくは酵母の蛋白質を利用した免疫増強剤並びにそれを含有する甲殻類、魚類及び家畜用飼料に関するものである。
【0002】
【従来の技術及びその問題点】
甲殻類、魚類、家畜及び家禽類の幼若期は一般に免疫機能が十分発達しておらず、そのため消化管系・呼吸器系の感染症が発生し易い。又、一度この様な感染症が発生すると、一般的に甲殻類、魚類、家畜及び家禽類の飼育は、生産効率向上のため高密度で行われている関係から非常に蔓延し易く、経済的損失は極めて大きく特に水畜産業界においては重要な問題点となっている。
【0003】
現在これらの感染症の予防・治療には、抗生物質をはじめとした種々の薬剤が使用されている。しかしながら、これら薬剤の効果は十分でない上に、新たに薬剤の体内残留・薬剤耐性菌の出現といった問題が生じ、薬剤の使用は制限される方向にある。
【0004】
これらに代わる新たな方法として、免疫増強物質を投与して感染症に対する抵抗力をつける方法などが検討されている。免疫増強物質としてはキノコ由来の多糖類が知られており、例えばシイタケから熱水抽出されたレンチナンやスエヒロタケが生産するシゾフィラン等が開発上市されており、その効果についても数多く報告されている(特開平2−218615号、特開平4−247032号等)。
【0005】
又、酵母菌体を用いた免疫増強剤としては、酵母菌の細胞壁構成成分であるβ−グルカンやマンナン、β−グルカンを含むザイモザン等が知られている。
【0006】
しかしながらこれらの免疫増強剤は、いずれも活性が十分でなく製造工程が煩雑で収量も低いためにコスト高となり、飼料添加物として広く利用するには問題があった。
【0007】
一方、生体の体液性免疫を利用して、不活性化した病原菌をワクチンとして投与する方法も知られている(特公昭56−53286号等)。しかしながらこの方法は、適応可能な生物や疾病が限定されると共に経口投与では十分に効果を発揮できないといった問題点を有していた。
【0008】
酵母菌体は栄養価及び嗜好性に優れるため、酵母菌体そのものを飼料添加物として使用することが従来から行われている。しかしながら酵母菌体をそのまま摂取しても免疫増強効果は期待できないため、これまで免疫増強剤として使用されていなかった。
【0009】
本発明者らは以前に、酵母菌体をアルカリ抽出して免疫増強活性を有する蛋白質成分を得る方法を発明しているが、この方法ではアルカリ性下で蛋白質が変性を起こし活性の面でまだ改善の余地が残されていた。
【0010】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは上記課題を解決すべく鋭意研究した結果、予め加熱して菌体内酵素を全て失活させた後に、細胞壁溶解酵素及びプロテアーゼを作用させると、免疫増強作用が非常に優れた免疫増強剤が得られることを発見し、本発明を完成するに至った。
【0011】
以下に本発明をさらに詳細に説明する。
【0012】
本発明で使用する酵母は、食用又は飼料用のものであれば特に制限はなく、ビール酵母,パン酵母,アルコール酵母,清酒用酵母など一般に食品工業で用いられているものを使用することが出来る。このような酵母の例としては、原料入手のしやすさの点で特にトルラ酵母 (Candida utilis) 並びにビール酵母やパン酵母といったサッカロ酵母を使用することが好ましい。
【0013】
また、酵母菌体は培地で培養し洗浄することにより得られたものの他、これらの酵母菌体を乾燥した乾燥酵母菌体、核酸やグルタチオン等を抽出した残渣酵母等であっても良いが、特に亜硫酸パルプ排液培地で培養した酵母が、安価である上活性が高いので、本発明の酵母源としては最適である。
【0014】
加熱失活は、80〜120℃好ましくは90〜100℃で加熱し、菌体内酵素の完全失活を行う。加熱時間は10分程で十分である。
【0015】
次に細胞壁溶解酵素を0.2〜3%程度、プロテアーゼを0.2〜3%程度添加して、1〜30時間反応させる。この範囲の時間内においては、細胞壁溶解酵素が作用して蛋白質を溶出させると共に、プロテアーゼが作用して十分な免疫増強活性を有する分子量の蛋白質を得ることが出来る。反応時間が短いと蛋白質の溶出が不十分で、反応時間が長いと極度の低分子化が生じ、免疫活性が低下してしまう。
【0016】
使用する細胞壁溶解酵素剤としてはグルカナーゼ,マンナナーゼを含有し、酵母細胞壁を溶解するに十分な活性を有するものであればかまわないが、例えば市販の細胞壁溶解酵素としては、YL−5(天野製薬(株)製),ツニカーゼ(大和化成(株)製),キタラーゼ(クミアイ化学(株)製)などがあげられる。
【0017】
使用するプロテアーゼとしては細胞壁溶解酵素により溶出された蛋白質を分解するに十分な活性を有するものであればかまわないが、例えば市販のプロテアーゼとしてはアマノS(天野製薬(株)製),プロチンFN(大和化成(株)製),ニュートラーゼ(ノボノルディスク社製)などがあげられる。これらの酵素添加量、酵素反応温度、pHは特に限定するものではなく、各々の酵素の最適条件下で行えばよい。
【0018】
このようにして得られた免疫増強剤の溶出された蛋白質の分子量をゲル濾過法により求めたところ、2万〜40万の分子量を有する蛋白質に強い免疫増強作用があることが判明した。
【0019】
反応終了後、反応液は90℃に加熱し酵素を失活させた後、酵母菌体から溶出された蛋白質は残渣と共に、又は活性をより増強させるために、抽出残渣を除去した上澄液を濃縮した後乾燥する。なお、乾燥方法としては、噴霧乾燥等の公知の乾燥方法を用いることができる。
【0020】
このようにして得られる本発明の免疫増強剤は、動物用の飼料に添加して経口投与することができ、甲殻類、魚類や家畜の免疫力を著しく高めることができる。
【0021】
これは、通常酵母細胞壁が強固なため、それをそのままの状態で経口投与しても、消化酵素が十分に作用せず免疫活性がある蛋白質が生成しないため免疫増強効果が発現しないのに対し、酵母菌体から特定の条件下で抽出された酵母蛋白は、それ自身が強い免疫増強効果を有するので、甲殻類、魚類や家畜に経口投与することによって免疫増強効果が発現するためであると考えられる。
【0022】
本発明品を抽出残渣を除去することなく免疫増強剤として用いる場合には、抽出残渣によって免疫活性成分が希釈されるため、少なくとも15%以上の酵母菌体内蛋白質を抽出することが、免疫効果を得る観点から好ましい。
【0023】
酵母菌体からの抽出率は以下の計算式により求めることができる。
抽出率(%)=(抽出上清中のN含量/抽出される前の全酵母菌体中のN含量)×100
但し、N含量は、ケルダール(Kjeldahl)法にて測定する。
【0024】
なお、式中における抽出上清は、酵母菌体を抽出した後、遠心分離により抽出残渣と上清に分け、更に抽出残渣を2回蒸留水にて洗滌した後、洗滌液を先の抽出上清に加えたものとする。
【0025】
本発明の抽出物質には、特に甲殻類、魚類及び家畜の生体防御能すなわち免疫能を増強する作用があり、その結果、甲殻類、魚類及び家畜を細菌又はウィルスの感染から守ることができる。又、不活性化した細菌やウイルスを主体としたワクチンの感染防御効果も増強させることができる。
【0026】
従って、本発明の物質またはこの物質を有効成分として含む飼料を食餌させることによって、甲殻類、魚類及び家畜の生体防御能を高め、感染症に対する予防効果を発揮させることができる。
【0027】
本発明品が添加される飼料としては一般に市販されている飼料で良く、とうもろこし、小麦、ひえ、あわ等の穀類、あるいは穀類の副産物として得られるフスマ、ヌカ、豆類、あるいは魚粉、脱脂粉乳といった動植物性素材、ビタミン、無機質等の栄養素材等の原料からなる物である。以下に添加する飼料組成の一例を上げるが、必ずしもこれに限定されるものではない。
【0028】
(甲殻類飼料)
魚粉 30.0%
オキアミミール 15.0
イカミール 23.3
小麦粉 15.0
コーングルテンミル 10.0
ビール酵母 3.0
コレステロール 0.4
ミネラル混合物 3.0
ビタミン混合物 0.3
計 100
(魚類用飼料)
魚粉 33.0%
イカミール 17.0
大豆粕 7.5
トウモロコシ粕 12.5
小麦粉 22.0
フィードオイル 5.0
ビタミン混合物 2.0
ミネラル混合物 1.0
計 100
(牛用飼料)
小麦 40.0%
魚粉 5.0
脱脂粉乳 33.3
ぶどう糖 15.0
ビタミン混合物 1.0
ミネラル混合物 0.5
抗生物質 0.2
牛脂脂肪酸 5.0
計 100
(豚用飼料)
大豆粕 27.0%
小麦粉 60.7
脱脂粉乳 5.0
ホエイ 2.0
大豆油 2.0
炭カル 0.5
リンカル 0.75
食塩 0.3
ビタミン混合液 0.25
ミネラル混合液 0.1
抗生物質 0.3
L−リジン 0.1
計 100
【0029】
この効果を有効なものとするためには、飼料中に含有させる本発明品の含有量が0.05〜10重量%の範囲であることが好ましい。含有量が0.05重量%未満では十分な免疫増強活性が発現されず、10重量%を超えると免疫抑制の作用が心配される。従って効果及びコストを考慮した場合、特に含有量が0.2〜5重量%の範囲であることが好ましい。
【0030】
本発明における甲殻類としては、商業的に重要な甲殻類、例えばクルマエビ、ウシエビ、コウライエビ、イセエビ、ロブスター、タラバガニ等が挙げられる。又、本発明における魚類としては、ブリ類、タイ類、アジ類、サケ類、ヒラメ、フグ類、カンパチ等の海水魚、コイ、ウナギ、アユ、ティラピア等の淡水魚が挙げられる。それらの感染症としてはビブリオ病、連鎖球菌、類結節病、エドワジエラ病、Bpistylis sp.,Zoothamnium sp. 等の寄生症、あるいはLagenidium sp.,Siropidium sp. 等の真菌症、並びにバキュロウイルス感染症等が挙げられる。本発明における家畜としては豚、牛、馬、羊等が挙げられる。
【0031】
【発明の効果】
本発明の免疫増強剤は、酵母菌体を酵素処理することにより、酵母菌体内に存在していた不活性な蛋白質を、免疫増強能を有する活性な蛋白質の形で取り出したものであり、高いマクロファージ機能活性化作用及び細菌感染防御作用等を有するにもかかわらず、比較的安価であり、甲殻類、魚類及び家畜の飼料用免疫増強剤として広く使用することができる。
【0032】
【実施例】
以下、実施例に従って本発明を更に詳細に説明するが、本発明はこれによって限定されるものではない。
【0033】
実施例1
サッカロマイセス・セレビシェ(IFO 1954)を5%糖蜜培地を用いて培養し、集菌洗浄後酵母スラリー(菌体濃度15%)1000mlを調製した。反応後90℃、10分加熱し菌体内酵素を失活させた後に、細胞壁溶解酵素(商品名:YL−5(天野製薬(株)製))を1. 5g、プロテアーゼ(商品名:アマノS(天野製薬(株)製))を0.5g添加し55℃にて18時間反応させた。酵素を加熱失活後常法により処理し142gの本発明品を得た。
酵母から溶出された蛋白質の溶出率は85%であった。又、上清区分の蛋白質の分子量をゲル濾過法で求めたところ、4万〜10万であった。
【0034】
実施例2
トルラ酵母を3%亜硫酸パルプ排液培地を用いて培養し、集菌洗浄後酵母スラリー(菌体濃度15%)1000mlを調製した。95℃、10分加熱し菌体内酵素を失活させた後、細胞壁溶解酵素(商品名:ツニカーゼ(大和化成(株)製))を1. 8g,プロテアーゼ(商品名:アマノM(天野製薬(株)製))を0.5g添加し50℃にて15時間反応させた。酵素を加熱失活後、常法により処理し140gの本発明品を得た。
酵母から溶出された蛋白質の溶出率は90%であった。又、上清区分の蛋白質の分子量をゲル濾過法で求めたところ、3万〜12万であった。
【0035】
以上の実施例1及び2で得られた免疫増強剤を用いて以下のようなマクロファージ活性化試験、カーボンクリアランステスト及び細菌感染防御試験をマウスで調べた。
【0036】
・マクロファージ活性化試験
チオグリコレート培地で誘導したマウス腹腔内浸出細胞に各試料を添加し、24時間後の培養上清中のグルコース量を定量し、その消費量からマクロファージに対する活性化作用を測定した。
なお、比較のために市販免疫増強剤についても同時にマクロファージ活性化試験を行った。その結果を図1に示す。
【0037】
・カ−ボンクリアランステスト
試料を投与したCDF1マウス(雌6〜7週齢、体重18〜23g)の尾静脈中に、25倍に希釈したカーボン粒子(ロットリングインキで代用)を注入し、注入後1,3及び5分経過した後に、眼底静脈より採取した50μlの血液を3mlの0.1%炭酸ナトリウム溶液と混合し、675nmの吸光度を測定したときのカーボン粒子の血中消失を指標として食作用係数(K値)を算出することにより、肝臓と脾臓のマクロファージ機能の測定を行った。
なお、比較のために市販免疫増強剤についても同時にカーボンクリアランステストを行った。その結果を表1に示す。
【0038】
・細菌感染防御試験
CDF1マウス(雌6〜7週齢、体重18〜22g)に試料を12日間経口投与した後、病原性大腸菌(1千万/マウス)を腹腔内に接種し、感染10日目の生存匹数を求めた。
なお、比較のために市販免疫増強剤についても、同時に本細菌感染防御試験を行った。その結果を表2に示す。
【0039】
【表1】
Figure 0003744020
【0040】
【表2】
Figure 0003744020
【0041】
実施例3.(クルマエビ血球の貧食活性)
平均体重20gのクルマエビを20尾ずつ3区に分けた。試験区には、実施例1及び実施例2で得られた試料を市販の飼料に1重量%添加した本発明の飼料を、対照区には実施例1及び2により得られた試料を含まない市販飼料を、いずれも日間給餌率1%の割合で6日間毎日給餌した。尚、使用した市販の飼料の組成は、カゼインが54重量%、ビール酵母が6重量%、魚粉が5重量%、イカ肝油が3重量%、イカミールが2重量%、グルテンが5重量%、ミネラル混合物が21重量%、及びビタミン混合物が4重量%であった。
給餌開始前および給餌開始6日後に、抗凝固剤としてのL−システインを含む改変199培地を用いてエビの心臓と胸洞から採血し、血球を分離した。次いで、得られた血球と蛍光色素をラベルしたラテックスビーズを、25℃で30分間反応させ、血球細胞内に取込まれたビーズの数を蛍光顕微鏡で計数し、貧食率、1血球細胞当りの平均取込数、及び、貧食指数を以下の数式から求めて貧食活性値とした。結果は表3に示した通りである。
貧食率=(ビーズを取込んだ血球数/観察血球総数)×100
貧食指数=貧食率×(血球に取込まれたビーズ数/観察したビーズ取込み血球総数)
表3に示した結果から、本発明の飼料を給餌した試験区では、対照区の場合に比較して高い貧食活性が認められた。
【0042】
【表3】
Figure 0003744020
【0043】
実施例4.(ビブリオ感染防御試験)
平均体重8gのクルマエビを20尾ずつ3区に分けた。2つの試験区には実施例1及び実施例2で得られたものを市販の飼料に1重量%含有させた本発明の飼料を、対照区には実施例1及び2により得られた試料を含まない市販飼料を、いずれも日間給餌率1%の割合で感染開始日の7日前より毎日、日没後に給餌した。
給餌開始8日後から3日間、クルマエビのビブリオ病の病原菌Vibrio sp. PJ の筋肉内接種によってへい死したエビの筋肉を、供試エビ1尾当り0.1gとなるように給餌の2時間後に与え、菌を経口感染させた。感染開始から15日後の生存率を表4に示した。
表4に示した結果から、本発明の飼料を給餌した試験区では、対照区の場合に比較して高い生存率を示すことが実証された。
【0044】
【表4】
Figure 0003744020
【0045】
実施例5.(コイ頭腎好中球の貧食活性)
平均体重25gのコイを8尾ずつ4区に分けた。試験区には、養鯉用配合飼料に実施例1及び実施例2で得られた試料並びに市販免疫増強剤を1重量%含有させた本発明の飼料を、対照区には実施例1及び2により得られた試料を含まない市販飼料を、いずれも日間給餌率1%の割合で7日間毎日給餌した。投与終了翌日、頭腎より密度勾配遠心により食細胞を単離した。次いで、得られた食細胞と酵母とを25℃で60分間反応させ、貧食細胞内に取込まれた酵母数を光学顕微鏡で計数し、貧食率、1貪食細胞当りの平均取込数、及び、貧食指数を以下の数式から求めて貧食活性値とした。結果は表5に示した通りである。
貧食率=(酵母を取込んだ食細胞数/観察した食細胞総数)×100
貧食指数=貧食率×(取込まれた酵母数/観察した食細胞総数)
表5に示した結果から、本発明の飼料を給餌した試験区では、対照区の場合に比較して高い貧食活性が認められた。
【0046】
【表5】
Figure 0003744020
【0047】
実施例6.(哺乳期子豚白血球の化学発光)
市販哺乳期用豚飼料に、実施例1及び2で得られた本発明品並びに市販免疫増強剤を、投与量が100mg/kg/日になるように添加した飼料を調製した。離乳ランドレース子豚(4週齢)28頭を7頭ずつ4区に分けて飼育ゲージに収容し、各試料が添加された飼料を14日間経口投与により摂食させた。なお、対照区は免疫増強剤が添加されていない市販飼料のみを14日間経口投与により摂食させた。投与終了後頚静脈よりヘパリン加静脈血を採血し、化学発光測定装置(biolumat LB9505)を用いて化学発光(CL)を測定した。分画した白血球液(2×106 /ml)100μlとルミスフェア分散液(東レテクノ(株)製)10μlとをキュベットに入れ、刺激剤としてザイモザンを添加して20分間化学発光を測定し、20分間の積算値を求めた。活性は20分間のCL積算値で評価し、対照を100としたCL activity で表した。
CL activity =(試験区のCL積算値/対照区のCL積算値)×100
結果は表6に示した通りである。
表6に示した結果から、本発明品を投与した試験区では高い化学発光がみられ、食細胞の殺菌能が向上していることが確認された。
【0048】
【表6】
Figure 0003744020
【0049】
実施例7.(哺乳期子牛白血球の化学発光)
市販離乳期子牛用配合飼料に、実施例1及び2で得られた本発明品並びに市販免疫増強剤を投与量が100mg/kg/日になるように添加した飼料を調製した。
母畜から離された3週齢のホルンスタイン幼牛20頭を5頭ずつ4区に分けて飼育ゲージに収容し、各試料が添加された飼料を14日間経口投与により摂食させた。なお、対照区は免疫増強剤が添加されていない市販飼料のみを14日間経口投与により摂食させた。投与終了後頚静脈よりヘパリン加静脈血を採血し、化学発光測定装置(biolumat LB9505)を用いて化学発光(CL)を測定した。分画した白血球液(2×106 /ml)100μlとルミスフェア分散液(東レテクノ(株)製)10μlとをキュベットに入れ、刺激剤としてザイモザンを添加して20分間化学発光を測定し、20分間の積算値を求めた。活性は20分間のCL積算値で評価し、対照を100としたCL activity で表した。
CL activity =(試験区のCL積算値/対照区のCL積算値)×100
結果は表7に示した通りである。
表7に示した結果から、本発明品を投与した試験区では高い化学発光がみられ、食細胞の殺菌能が向上していることが確認された。
【0050】
【表7】
Figure 0003744020

【図面の簡単な説明】
【図1】マクロファージ活性化試験結果

Claims (2)

  1. 亜硫酸パルプ廃液で培養したトルラ酵母又はサッカロ酵母の酵母菌体を加熱失活後、細胞壁溶解酵素及びプロテアーゼを同時に15時間〜18時間作用させ蛋白質を溶出させた後、遠心分離して残査を除いて得られる上清に含まれる蛋白成分であって、該蛋白成分が、酵母菌体内全蛋白量の85重量%以上であって、かつ、該蛋白成分が分子量2万〜40万の蛋白質である蛋白成分を有効成分とすることを特徴とする免疫増強剤を0.05〜10重量%含有する甲殻類、魚類及び家畜用飼料。
  2. 亜硫酸パルプ廃液で培養したトルラ酵母又はサッカロ酵母の酵母菌体を加熱失活後、細胞壁溶解酵素及びプロテアーゼを同時に15時間〜18時間作用させ蛋白質を溶出させた後、遠心分離して残査を除き上清を得ることを特徴とする免疫増強剤の製造方法。
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