JP3743577B2 - 内燃エンジンの空燃比制御装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術の分野】
本発明は内燃エンジンの空燃比制御装置に関し、より詳しくは内燃エンジンの排気系に設けられた排気ガス濃度センサの劣化を検出する機能を有する内燃エンジンの空燃比制御装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
内燃エンジンの空燃比制御装置は、一般に、内燃エンジンの排気系に排気ガス濃度センサを配設し、該排気ガス濃度センサの出力値に基づいて内燃エンジンに供給される混合気の空燃比をフィードバック制御することにより、前記内燃エンジンから排出される有害排気ガス成分を低下させるようにしている。このような内燃エンジンの空燃比制御装置において、排気ガス濃度センサが劣化していると所望の空燃比制御を行うことができず、内燃エンジンへの燃料噴射量の誤補正により排気ガス特性や運転性が悪化する。そのため、排気ガス濃度センサの劣化をモニタし、排気ガス濃度センサの劣化を検出したときは空燃比のフィードバック制御を停止するようにしている。
【0003】
さらに、上記のような排気ガス濃度の劣化の検出において、エンジンの回転数、負荷、冷却水温、および吸気温度等の運転パラメータにより決まる内燃エンジンの運転状態が安定していないときは、誤った劣化判定がなされる可能性があるので、内燃エンジンの運転状態が安定している場合にのみ排気ガス濃度センサの劣化のモニタを実施している(例えば、特願平6−73914号)。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記従来技術においては、排気ガス濃度センサの劣化のモニタは、内燃エンジンの状態が安定しているか否かのみの条件でその実施判断を行っているため、例えば、エンジンブレーキ使用時における燃料カットの状態が長時間継続して酸素濃度センサの素子温度が低下し、その後酸素濃度センサ劣化のモニタ実施条件が成立してモニタを実施したとき、酸素濃度センサの素子温度の低下により酸素濃度センサの反転周期が延びてしまい、酸素濃度センサが劣化していないにもかかわらず誤って酸素濃度センサが劣化していると判定される場合がある。
【0005】
本発明の目的は、燃料カットの状態が長時間継続した場合でも、酸素濃度センサの劣化の誤判定を防止することができる内燃エンジンの空燃比制御装置を提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】
前述の目的を達成するために、請求項1に記載の内燃エンジンの空燃比制御装置は、内燃エンジンの排気系に配設されて該内燃エンジンの排気ガス濃度を検出する排気ガス濃度センサと、前記内燃エンジンに供給される混合気の空燃比を前記排気ガス濃度センサの出力値と所定基準値との偏差に応じて制御する空燃比制御手段と、前記排気ガス濃度センサの出力値に基づいて前記排気ガス濃度センサの劣化を検出する劣化検出手段と、前記内燃エンジンの運転パラメータが所定範囲にある状態が所定時間継続するまで前記排気ガス濃度センサの劣化の検出を禁止する劣化検出禁止手段と、前記排気ガス濃度センサの素子温度が低下する前記内燃エンジンの所定の運転状態時には前記所定時間を延長する延長手段とを備えた内燃エンジンの空燃比制御装置において、前記内燃エンジンの所定の運転状態は、前記内燃エンジンの燃料カットが第2の所定時間以上継続した状態であり、前記延長手段は、前記所定時間を、前記内燃エンジンの運転パラメータが前記所定範囲外から前記所定範囲に移行したときに、前記内燃エンジンの燃料カットが前記第2の所定時間以上継続したことによって排気ガス濃度センサの素子温度がその執り得る最低値から劣化検出可能素子温度に上昇するまでの時間に延長することを特徴とする。
【0007】
請求項1の内燃エンジンの空燃比制御装置によれば、排気ガス濃度センサの素子温度が低下する内燃エンジンの所定の運転状態時には、排気ガス濃度センサの劣化の検出を禁止する所定時間を延長するので、排気ガス濃度センサの素子温度が十分に上昇した状態で排気ガス濃度センサの劣化判定を行うことができ、排気ガス温度センサの劣化の誤判定を防止することができる。
さらに、内燃エンジンの燃料カットが第2の所定時間以上継続したときに、排気ガス濃度センサの劣化の検出を禁止する所定時間を、前記内燃エンジンの運転パラメータが前記所定範囲外から前記所定範囲に移行したときに、前記内燃エンジンの燃料カットが前記第2の所定時間以上継続したことによって排気ガス濃度センサの素子温度がその執り得る最低値から劣化検出可能素子温度に上昇するまでの時間に延長するので、排気ガス濃度センサの素子温度が劣化検出可能素子温度にある状態で排気ガス濃度センサの劣化判定を行うことができ、排気ガス温度センサの劣化の誤判定を防止することができる。
【0011】
【実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を図面に基づき詳説する。
【0012】
図1は本発明に係る内燃エンジンの空燃比制御装置の実施の形態を示す全体構成図である。
【0013】
図中、1は例えば4気筒を有する内燃エンジン(以下、単に「エンジン」という)であって、該エンジン1の吸気管2の途中にはスロットルボディ3が設けられ、その内部にはスロットル弁3′が配されている。また、スロットル弁3′にはスロットル弁開度(θTH)センサ4が連結されており、当該スロットル弁3′の開度に応じた電気信号を出力して電子コントロールユニット(以下「ECU」という)5に供給する。
【0014】
燃料噴射弁(INJ)6は、吸気管2の途中であってエンジン1とスロットル弁3′との間の図示しない吸気弁の少し上流側に各気筒毎に設けられている。各燃料噴射弁6は図示しない燃料ポンプに接続されると共にECU5に電気的に接続され、該ECU5からの信号により燃料噴射の開弁時間が制御される。
【0015】
吸気管2のスロットル弁3′の下流側にはパージ管8が分岐して設けられ、該パージ管8は不図示の蒸発燃料排出抑止系に接続されている。
【0016】
また、吸気管2の前記パージ管8の下流側には分岐管9が設けられ、該分岐管9の先端には絶対圧(PBA)センサ10が配設されている。PBAセンサ10はECU5に電気的に接続され、PBAセンサ10により検出された吸気管2内の絶対圧PBAは電気信号に変換されてECU5に供給される。
【0017】
また、分岐管9の下流側の吸気管2には吸気温(TA)センサ11が装着され、該TAセンサ11により検出された吸気温TAは電気信号に変換され、ECU5に供給される。
【0018】
エンジン1のシリンダブロックの冷却水が充満した気筒周壁にはサーミスタ等からなるエンジン水温(TW)センサ12が挿着され、該TWセンサ12により検出されたエンジン冷却水温TWは電気信号に変換されてECU5に供給される。
【0019】
エンジン1の図示しないカム軸周囲またはクランク軸周囲にはエンジン回転数(NE)センサ13が取り付けられている。
【0020】
NEセンサ13はエンジン1のクランク軸の180度回転毎に所定のクランク角度位置で信号パルス(以下、「TDC信号パルス」という)を出力し、該TDC信号パルスはECU5に供給される。
【0021】
また、前記車輪には車速(VSP)センサ15が取り付けられ、該VSPセンサ15により検出された車速VSPは電気信号に変換され、ECU5に供給される。
【0022】
エンジン1の各気筒の点火プラグ(IG)16は、ECU5に電気的に接続され、ECU5により点火時期が制御される。
【0023】
また、エンジン1の排気管17の途中には触媒装置(三元触媒)18が介装されており、該触媒装置18により排気ガス中のHC、CO、NOx 等の有害成分の浄化が行われる。
【0024】
また、排気管17の途中であって且つ触媒装置18の上流側には一次酸素濃度センサ(以下、「O2センサ」という)19が設けられており、該O2センサ19により検出された排気ガス中の酸素濃度は電気信号に変換されてECU5に供給される。具体的には、O2センサ19は、センサ素子がジルコニア固体電解質(ZrO2)からなり、その起電力が理論空燃比の前後において急激に変化する特性を有し、理論空燃比においてその出力信号はリーン信号からリッチ信号またはリッチ信号からリーン信号に反転する。すなわち、O2センサ19の出力信号は空燃比のリッチ側において高レベルとなり、リーン側において低レベルとなり、その出力信号をECU5に供給する。
【0025】
また、ECU5の出力側には発光ダイオード(LED)等からなる警告灯20が接続されている。すなわち、警告灯20は例えば、自動車の車室内のダッシュボードに配設されてO2センサ19の劣化をECU5からの出力信号に基づき運転者に知らせる。
【0026】
ECU5は上述の各種センサからの入力信号波形を整形して電圧レベルを所定レベルに修正し、アナログ信号値をデジタル信号値に変換する等の機能を有する入力回路5aと、中央演算処理回路(以下「CPU」という)5b、該CPU5bで実行する演算プログラムや演算結果等を記憶する記憶手段5cと、前記燃料噴射弁6や点火プラグ16に駆動信号を供給する出力回路5dとを備えている。
【0027】
CPU5bは上述の各種エンジンパラメータ信号に基づいて、排気ガス中の酸素濃度に応じたフィードバック制御運転領域やオープンループ制御運転領域等の種々のエンジンの運転状態を判別するとともに、エンジンの運転状態に応じ、数式(1)に基づき、前記TDC信号パルスに同期する燃料噴射弁6の燃料噴射時間Toutを演算する。
【0028】
Tout=Ti×KO2×K1+K2 …(1)
ここに、Tiは基本燃料噴射時間、具体的にはエンジン回転数NEと吸気管内絶対圧PBAとに応じて決定される基本燃料噴射時間であり、このTi値を決定するためのTiマップが記憶手段5cに記憶されている。
【0029】
KO2は、O2センサ19に基づいて算出される空燃比補正係数であって、空燃比フィードバック制御中はO2センサ19によって検出される空燃比(酸素濃度)が目標空燃比に一致するように設定され、オープンループ制御中はエンジンの運転状態に応じた所定値に設定される。
【0030】
K1及びK2は夫々各種エンジンパラメータ信号に応じて演算される他の補正係数及び補正変数であり、エンジン運転状態に応じた燃費特性、エンジン加速特性等の諸特性の最適化が図られるような値に設定される。
【0031】
しかして、本空燃比制御装置は、O2センサ19の劣化度合を検出すると共に、その劣化度合に応じて空燃比制御自体を制御するように構成されている。
【0032】
以下、図2および図3を参照しながら、O2センサ19の劣化度合をモニタするためのモニタ実施条件の成立を判断するモニタ実施条件判断処理について説明する。図2は、O2センサ19の劣化度合のモニタ実施条件を判別するモニタ実施条件判断処理のフローチャートであり、図3は、O2センサの劣化のモニタ実施条件判断処理の説明図である。本判断処理は、バックグラウンド処理時に実行される。
【0033】
まず、ステップS111で、エンジン1が燃料カット中であるか否かを判別する。そして、その判別結果が肯定(YES)のときは、ステップS112で、エンジン1の燃料カットが所定時間t1継続したか否かを判別する。ここで、所定時間t1は、エンジン1の燃料カットの開始時期から、O2センサ19の素子温度がモニタ可能素子温度未満に低下するまでの最小可能時間に設定される(図3)。
【0034】
ステップS112の判別の結果が肯定(YES)、すなわち燃料カットが所定時間t1継続したとき、ステップS113に進み、エンジン1の燃料カットが所定時間t1継続したことを「1」で表す燃料カット継続フラグFCFLを「1」とし、ステップS114に進む。ステップS112の判別結果が否定(NO)、すなわち内燃エンジン1の燃料カットの継続時間が所定時間t1に満たないとき、ステップS113をスキップしてステップS114に進む。
【0035】
ステップS114では、燃料カット継続フラグFCFLが「1」か否かを判別する。ステップS114の判別結果が否定(NO)の場合、すなわち内燃エンジン1の燃料カットの継続時間が所定時間t1に満たず、O2センサ19の素子温度がモニタ可能素子温度以上であると判断して、ステップS115でモニタ実施条件成立安定待ち時間t2を通常の所定時間T2Aに設定する。ここに、通常の所定時間T2Aは、エンジン1の運転状態がO2センサモニタ実施可能な安定状態に移行したとき、真に安定した状態になったと判断し得るに充分な継続時間である。次いで、ステップS116に進んで、モニタ実施を禁止し、本プログラムを終了する。
【0036】
ステップS114の判別結果が肯定(YES)の場合、すなわち、エンジン1の燃料カットが所定時間t1継続したことにより、O2センサ19の素子温度がモニタ可能素子温度未満に低下したと判断して、ステップS117でモニタ実施条件成立安定待ち時間t2を燃料カット時の所定時間T2B(>T2A)に設定する(延長手段)。ここに、燃料カット時の所定時間T2Bは、エンジン1の燃料カットが停止すると共にエンジン1の運転状態が安定したときに、直前にエンジン1の燃料カット状態が継続したことによってO2センサ19の素子温度が執り得る最低値からO2センサ19の素子温度がモニタ可能素子温度に上昇するまでの最大可能時間に設定される。次いで、ステップS116に進んでモニタ実施を禁止し、本プログラムを終了する。
【0037】
このような処理により、エンジン1が燃料カット中のときは必ずモニタ実施を禁止し、該燃料カットが所定時間t1以上継続したときは、モニタ実施待ち時間t2を所定時間T2Aから所定時間T2Bへ切り換える。
【0038】
一方、ステップS111で、その判別結果が否定(NO)、すなわちエンジン1が燃料カット中でない場合、ステップS118に進み、前記所定時間t1をセットする。次いで、ステップS119で、エンジン1の回転数、負荷、冷却水温および吸気温度等の運転パラメータにより決まるエンジン1の運転状態が安定しているか否かを判別する。本判別処理は後述する、本ステップS119の判別結果が肯定(YES)、すなわちエンジン1の運転状態が安定している場合は、モニタ実施条件成立待ち時間t2、すなわちステップS115またはステップS117で設定された所定時間T2AまたはT2Bが経過したか否かを判別する(ステップS120)。その判別結果が否定(NO)、すなわち所定時間T2AまたはT2Bが経過しない場合は、ステップS116に進み、O2センサ19のモニタ実施を禁止して、本プログラムを終了する。ステップS120の判別結果が肯定(YES)、すなわち所定時間T2AまたはT2Bが経過した場合は、ステップS121でO2センサ19のモニタを実施して劣化の検出を行う。本処理については後述する。 次いで、ステップS122で燃料カット継続フラグFCFLを「0」として、本プログラムを終了する。
【0039】
一方、ステップS119で、エンジン1の運転状態が安定していない場合は、前記ステップS114、S115およびS116、または前記ステップS114、S117およびS116を順次実行してモニタを禁止し、本処理を終了する。
【0040】
本実施の形態によれば、エンジン1の燃料カットが所定時間t1以上継続した場合、モニタ実施条件成立安定待ち時間t2を、所定時間T2Aから所定時間T2Bに切り換えることにより(ステップS112→S113→S114→S117)、エンジン1の燃料カット状態が長時間継続して行われた後にエンジン1の運転状態がモニタ実施可能な安定状態に入った(ステップS119の判別結果が肯定(YES))場合には、前記所定時間T2Bの間モニタ実施を禁止する(ステップS119→S120→S116)と共に前記時間T2B経過後モニタを実施する(ステップS120→S121)。これにより、エンジン1の燃料カットの状態が所定時間t1以上継続してもO2センサ19の素子温度がモニタ可能素子温度を上回った状態でO2センサ19の劣化判定を行うことができ(図3中の(B))、O2センサ19の劣化の誤判定を防止することができる。
【0041】
仮に、エンジン1の燃料カットが所定時間t1以上継続したときに、モニタ実施待ち時間t2を時間T2Aから時間T2Bに切り換えないとすると、O2センサ19の素子温度がモニタ可能素子温度を下回った状態でO2センサの劣化判定を行うことになり(図3中の(A))、当該劣化判定が不正確となる。
【0042】
以下、図4を参照しながら、図2のステップS119における、エンジン1の運転状態が安定しているか否かの判定処理の詳細について説明する。
【0043】
図4は図2のステップ119におけるエンジンの運転状態が安定しているか否かを判定する処理のフローチャートである。
【0044】
ステップS201では、モニタの実行が許可されていることを「1」で示すフラグFGOが「1」であるか否かを判別する。このフラグFGOは図示しない別のルーチンで設定される。そして、その判別結果が肯定(YES)のときはモニタ実施が許可されたと判別し、次いでステップS202で、パージ管8に接続されている蒸発燃料排出系抑止系からのパージ流量が遮断されているときに図示しない別のルーチンにおいて「1」に設定されるフラグFPGが「0」であるか否かを判別する。そして、フラグFPGが「1」に設定されているときは燃料系統のモニタが実行されるため、O2センサ19のモニタは禁止される。一方、フラグFPGが「0」に設定されているときはステップS203に進み、TAセンサ11により検出された吸気温TAが所定下限値TAL(例えば、0℃)と所定上限値TAH(例えば、100℃)の範囲内にあるか否かを判別する。そして、その判別結果が肯定(YES)のときはTWセンサ12により検出される冷却水温が所定下限値TWL(例えば、60℃)と所定上限値TWH(例えば100℃)の範囲内にあるかを判別し(ステップS204)、次いで、その判別結果が肯定(YES)のときはNEセンサ13により検出されるエンジン回転数NEが所定下限値NEL(例えば1900rpm)と所定上限値NEH(例えば2400rpm)の範囲内にあるか否かを判別する(ステップS205)。そして、その判別結果が肯定(YES)のときはPBAセンサ10により検出される吸気管内絶対圧PBAが所定下限値PBAL(例えば220mmHg)と所定上限値PBAH(例えば530mmHg)の範囲内にあるか否かを判別し(ステップS206)、その判別結果が肯定(YES)のときはVSPセンサ15により検出される車速VSPが所定下限値VSPL(例えば、80Km/hr)と所定上限値VSPH(例えば、100Km/hr)の範囲にあるか否かを判別する(ステップS207)。そして、その答が肯定(YES)のときはステップS208に進む。
【0045】
ステップS208では車輌が定常状態で走行しているか否かを判別する。ここで前記定常状態にあるか否かは、例えば1秒当たり±0.8Km/h以内の車速変動が2秒間継続しているか否かにより判別される。そして、その判別結果が肯定(YES)のときは図示しない別のルーチンで設定されるフラグFFBが「1」に設定されているか否かを判別し、O2センサ19による空燃比フィードバック制御が現在実行されているか否かを判断する(ステップS209)。そして、その判別結果が肯定(YES)のときはステップS210に進み、エンジンの運転状態は安定であると仮判定する。
【0046】
一方、上述したステップS201〜ステップS209のうちの少なくとも一つの判別結果が否定(NO)となったときはステップS211に進み、エンジンの運転状態は不安定であると仮判定する。
【0047】
以下、上述した劣化検出条件判断処理(図2)におけるステップS121のモニタ実施(劣化検出)処理について説明する。
【0048】
図5は図2のステップS121におけるモニタ実施(劣化検出)処理のフローチャートであって、本プログラムはECU5に内蔵されたタイマが発する信号パルスにより、例えば、100msec毎に実行される。
【0049】
まず、ステップS321で、図示しない別のルーチンで設定されるフラグFKO2LMTが「1」か否かを判別し、空燃比補正係数KO2が所定上限値又は所定下限値に貼り付いた状態にあるか否か、すなわちKO2値が前記所定上限値又は所定下限値に設定された状態にあるか否かを判別する。そして、その判別結果が肯定(YES)、すなわちKO2値が前記所定上限値又は所定下限値に貼り付いているときは、ステップS322に進んで、フラグFDONEを「1」に設定し、本プログラムを終了する。後述するように、フラグFDONEはO2センサ19の劣化検出開始を指令するときに「0」に設定され、その劣化検出が実行済みのときに「1」に設定されるフラグであり、空燃比補正係数KO2が上限値又は下限値に貼り付いているときはフラグFDONEを「1」に設定して、O2センサ19の劣化検出が既に実行済みと判断し、本プログラムを終了する。
【0050】
一方、フラグFKO2LMTが「1」に設定されていないときはステップS323に進み、フラグFAF2が前回「0」から今回「1」に反転したか否かを判別する。ここで、フラグFAF2は図示しない別ルーチンで混合気の空燃比がリーン状態のときに「0」に設定され、混合気の空燃比がリッチ状態に切り換わってから所定時間経過後に「1」に設定される。そして、ステップS323の判別結果が否定(NO)のときはそのまま本プログラムを終了する一方、その判別結果が肯定(YES)、すなわち、混合気の空燃比が今回ループでリーン状態からリッチ状態に切り換わったときはステップS324に進み、フラグFAF2の今回の反転が、O2センサ19の劣化検出モニタが許可されてから最初の反転か否かを判別する。そして、最初のループではその判別結果が肯定(YES)となるため、ステップS325に進み、反転回数nWAVEを「0」に設定してフラグFDONEを「0」に設定し(ステップS326)、劣化検出モニタの開始を指示して本プログラムを終了する。
【0051】
一方、その後のループでステップS324の判別結果が否定(NO)となったときは、ステップS327に進み、反転回数nWAVEを「1」だけインクリメントし、次いで反転回数nWAVEの計測時間tWAVEが所定時間T2(例えば、10sec)を超えたか否かを判別する(ステップS328)。そして、その判別結果が否定(NO)のときはそのまま本プログラムを終了する一方、その判別結果が肯定(YES)のときはステップS329に進み、数式(2)に基づき反転周期tCYCLを算出する。
【0052】
tCYCL=tWAVE/nWAVE ……(2)
そして、このように反転周期tCYCLを算出した後、劣化判定処理を実行し(ステップS330)、フラグFDONEを「1」に設定して劣化検出モニタの終了を指示し(ステップS331)、本プログラムを終了する。
【0053】
しかして、劣化判定処理は、具体的には図6に示す劣化判定処理ルーチンの実行によりなされる。図6は、図5におけるステップS330の劣化判定処理のフローチャートである。
【0054】
すなわち、ステップS401では前記ステップS329(図5)で算出される反転周期tCYCLが第1の所定反転周期tCY0より短いか否かを判別する。ここで、第1の所定反転周期tCY0は、O2センサ19が劣化していないと判別するに十分な反転周期、例えば、2secに設定される。そしてステップS401の判別結果が肯定(YES)のときはO2センサ19の正常を確定して(ステップS402)メインプログラム(図5)に戻る。一方、ステップS401の判別結果が否定(NO)のときは、反転周期tCYCLが、第1の所定反転周期tCY0より長く設定された第2の反転周期tCY1、すなわちtCY0<tCY1の関係にある第2の反転周期tCY1より短いか否かを判別する。そしてその判別結果が肯定(YES)のときはO2センサ19は劣化状態にあるものの、その劣化度合はフィードバック制御を禁止する程ではなく小さいと判定して(ステップS404)メインプログラム(図5)に戻る。また、ステップS403の判別結果が否定(NO)のときは、O2センサ19は排気ガス特性や運転性の悪化を招く程の劣化状態にありその劣化度合は大きいと判定して(ステップS405)メインルーチン(図5)に戻る。
【0055】
次に、上記劣化判定処理プログラムの判定結果に応じてフェールセーフを実行するフェールセーフ実行処理が実施され、O2センサ19の劣化時には警告灯20を「ON」して点灯することにより、その劣化を逸早く運転者に知らせると共に、その劣化度合に応じて空燃比制御自体の実行を適宜制御する。
【0056】
【発明の効果】
以上詳述したように、請求項1の内燃エンジンの空燃比制御装置によれば、排気ガス濃度センサの素子温度が低下する内燃エンジンの所定の運転状態時には、排気ガス濃度センサの劣化の検出を禁止する所定時間を延長するので、排気ガス濃度センサの素子温度が十分に上昇した状態で排気ガス濃度センサの劣化判定を行うことができ、排気ガス温度センサの劣化の誤判定を防止することができる。
さらに、内燃エンジンの燃料カットが第2の所定時間以上継続したときに、排気ガス濃度センサの劣化の検出を禁止する所定時間を、前記内燃エンジンの運転パラメータが前記所定範囲外から前記所定範囲に移行したときに、前記内燃エンジンの燃料カットが前記第2の所定時間以上継続したことによって排気ガス濃度センサの素子温度がその執り得る最低値から劣化検出可能素子温度に上昇するまでの時間に延長するので、排気ガス濃度センサの素子温度が劣化検出可能素子温度にある状態で排気ガス濃度センサの劣化判定を行うことができ、排気ガス温度センサの劣化の誤判定を防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る内燃エンジンの空燃比制御装置の実施の一形態を示す全体構成図である。
【図2】O2センサの劣化のモニタ実施条件を判別するモニタ条件判断処理のフローチャートである。
【図3】O2センサの劣化のモニタ実施条件判断処理の説明図である。
【図4】図2のステップ119におけるエンジンの運転状態が安定しているか否かを判定するフローチャートである。
【図5】図2のステップS121におけるモニタ実施(劣化検出)処理のフローチャートである。
【図6】図5のステップS330における劣化判定処理のフローチャートである。
【符号の説明】
1 内燃エンジン
5 ECU
17 排気管
19 O2センサ
20 警告灯
Claims (1)
- 内燃エンジンの排気系に配設されて該内燃エンジンの排気ガス濃度を検出する排気ガス濃度センサと、前記内燃エンジンに供給される混合気の空燃比を前記排気ガス濃度センサの出力値と所定基準値との偏差に応じて制御する空燃比制御手段と、前記排気ガス濃度センサの出力値に基づいて前記排気ガス濃度センサの劣化を検出する劣化検出手段と、前記内燃エンジンの運転パラメータが所定範囲にある状態が所定時間継続するまで前記排気ガス濃度センサの劣化の検出を禁止する劣化検出禁止手段と、前記排気ガス濃度センサの素子温度が低下する前記内燃エンジンの所定の運転状態時には前記所定時間を延長する延長手段とを備えた内燃エンジンの空燃比制御装置において、
前記内燃エンジンの所定の運転状態は、前記内燃エンジンの燃料カットが第2の所定時間以上継続した状態であり、前記延長手段は、前記所定時間を、前記内燃エンジンの運転パラメータが前記所定範囲外から前記所定範囲に移行したときに、前記内燃エンジンの燃料カットが前記第2の所定時間以上継続したことによって排気ガス濃度センサの素子温度がその執り得る最低値から劣化検出可能素子温度に上昇するまでの時間に延長することを特徴とする内燃エンジンの空燃比制御装置。
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