JP3743106B2 - 圧力センサ装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は、圧力センサ信号をマイクロコンピュータ等の処理装置にて処理する圧力センサ装置に関し、特により精度の高いセンサ値をより効率よく得るための圧力センサ装置構造の具現に関するするものである。
【0002】
【従来の技術】
近年、各種の制御や処理にマイクロコンピュータが導入されるに及び、それら制御や処理のための各種情報を検出するセンサについてもその出力をマイクロコンピュータによって処理することが普通に行われつつある。
【0003】
ここに従来、センサ及びそのセンサ信号を処理するマイクロコンピュータ等の処理装置を有して構成されるセンサ装置としては、例えば特開平3−68815号公報に記載の装置が知られている。
【0004】
因みに、同センサ装置では、その処理ユニット(マイクロコンピュータ)内に検索テーブル(マップ)を持ち、センサ側から入力される情報に応じてこの検索テーブルでの関連付け(マップ演算)を行うことによってその所望のセンサ値を得るようにしている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
このように、センサ信号をマイクロコンピュータ等により処理するようにしたことで、各種の演算を極めて柔軟に行うことができるとともに、それら得られる値の補正も容易である等、より信頼性の高いセンサ値を得ることができるようになる。
【0006】
ところで通常、圧力センサが複数製造される場合には、たとえその仕様が同一のものであったとしても、それらセンサ毎に特性のばらつきや機差が存在する。このため、マイクロコンピュータ等の処理装置において、それらセンサの出力に対し上記演算や補正を一様に施したのでは、センサ値として所望の精度が得られないこともある。
【0007】
したがって、そうした高い精度が要求される場合には、上記センサ毎の特性のばらつきや機差についてもこれを的確に補正する必要がある。
しかし、それらセンサ毎の特性のばらつきや機差等を補正するためのデータを上記処理装置に書き込むようにしたのではその処理が煩雑となり、かといって、それら特性のばらつきや機差等をセンサ内部で補正、吸収しようとすると、そのための何らかの処理回路を同センサ内部に必要とすることとなり、センサ自身の大型化やコストアップも避けられない。
【0008】
この発明は、こうした実情に鑑みてなされたものであり、大型化やコストアップ、並びに煩雑な処理等を好適に回避して、センサ毎の特性のばらつきや機差等を補正したより精度の高いセンサ値を得ることのできる圧力センサ装置を提供することを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】
圧力センサ装置において、検出対象となる圧力データそのものは、上記圧力情報抽出手段によって時定数変化の付与された上記第1及び第2のCR発振回路による発振出力の周波数差として得ることができるが、これには通常、センサ自身の温度特性による誤差分や上記第1及び第2のCR発振回路並びに上記周波数差演算手段等の温度特性その他(第1及び第2系統間の特性ばらつき等)による誤差分なども含まれている。
このため、請求項1に記載の発明では、上記温度情報抽出手段や基準情報抽出手段や不揮発性メモリを設け、圧力情報D、温度情報T、基準情報A、及び補正データa〜fに基づく演算を行って最終圧力Pを算出することで、センサ自身の温度特性やその他の特性ばらつきによる影響を好適に除去する。
【0010】
つまり、前記補正データとして、
温度情報Tに関する温度係数aと、
基準温度における温度情報Tのオフセット値bと、
圧力情報Dに対する感度の温度特性係数cと、
基準温度における圧力情報Dに対する感度dと、
圧力情報Dのオフセットにおける温度係数eと、
基準温度における圧力情報Dのオフセット値fと
を用意し、
演算手段は、
Figure 0003743106
にて最終圧力Pを算出する。
といった演算構造を採用することで、同検出対象とする圧力Pについての極めて精度の高いセンサ値を得ることができるようになる。
【0011】
つまり、圧力情報D、温度情報T、基準情報Aは、温度をtとしたとき、上記a〜fを用いて、
Figure 0003743106
で表せる。
(2)式において、(ct+d)Pは、圧力に関する感度項であり、fはオフセット量であり、etはシフト量の補正項であり、×β(t)の項にて補正係数をかけている。
(3)式において、bはオフセット量であり、atは温度に対する感度を示し、×β(t)の項にて補正係数をかけている。
(4)式は基準情報Aが回路部の温度特性(非直線性)で表されることを示す。
【0012】
そして、この(2),(3),(4)式から、最終圧力Pを求めるためにPについて解くと、上述の(1)式を得る。
このように、温度tに関する感度を1次関数にて表すことにより容易に最終圧力Pを得ることができる。
【0013】
なお、前述した基準温度としては、例えば室温とすることができる
【0015】
また、請求項記載の発明にようにすると、それらブリッジ回路としての高い感度やパストランジスタ型CR発振回路としての高い発振精度に基づき、上述した圧力情報、温度情報、並びに基準情報の各情報もより効率よく、且つ正確に得られるようになる。
【0016】
【発明の実施の形態】
以下、この発明を具体化した実施の形態を図面に従って説明する。
図1に、この発明にかかる圧力センサ装置の一実施形態を示す。
【0017】
この実施形態の圧力センサ装置は、センサ毎の特性のばらつきや機差等を補正したより精度の高いセンサ値を得ることのできる装置として構成されている。
以下、同図1を参照して、この実施形態にかかる圧力センサ装置の構成並びに動作について順次説明する。
【0018】
図1に示されるように、圧力センサ装置は大きく圧力センサ100とそのセンサ信号を所要に処理するマイクロコンピュータ11とによって構成されている。
圧力センサ100は、その検出対象となる物理情報を抽出する部分として、圧力情報抽出用ブリッジ回路1、温度情報抽出用ブリッジ回路2、及び基準情報抽出用ブリッジ回路3の3つのフルブリッジ回路を有している。
【0019】
このうち、圧力情報抽出用ブリッジ回路1は、検出対象となる圧力の印加に応じてそれぞれ同図1に矢指する態様で、ピエゾ抵抗効果によりその抵抗値が変化する感圧抵抗素子R11、R12、R13、及びR14を有して構成されている。
【0020】
このため、抵抗素子R11及びR12の中点電位は、該圧力の印加量に応じて低くなり、逆に、抵抗素子R13及びR14の中点電位は、同圧力の印加量に応じて高くなる。そして、これら中点電位の電位差が、同ブリッジ回路1によるブリッジ出力として取り出されるようになる。なお、該ブリッジ回路1による出力電圧は、上記印加される圧力の他、当該センサの温度にも依存したものとなっている。
【0021】
一方、温度情報抽出用ブリッジ回路2は、センサ自身の温度に応じて抵抗値変化を生じる感温抵抗素子R21及びR24と基本的に温度特性を持たない抵抗素子R22及びR23とが、同図1に示される態様で接続されたブリッジ回路として構成されている。
【0022】
このため、抵抗素子R21及びR22の中点電位と抵抗素子R23及びR24の中点電位とでは、同センサ自身の温度に応じた電位差を生じることとなり、こうした電位差が、同ブリッジ回路2によるブリッジ出力として取り出されるようになる。なお、このブリッジ回路2による出力電圧は基本的に、当該センサの温度のみに依存したものとなっている。
【0023】
そして、第3のブリッジ回路である基準情報抽出用ブリッジ回路3は、何れも基本的には温度特性を持たない抵抗素子R31、R32、R33、及びR34が同図1に示される態様で接続されたブリッジ回路として構成されている。
【0024】
このため、該ブリッジ回路3にあっては、本来であれば、抵抗素子R31及びR32の中点電位と抵抗素子R33及びR34の中点電位とで電位差を生じることはない。このことは、後述する時間数値変換回路(時間A−D)9において同ブリッジ回路3の出力(電位差)についての何らかの時間測定値が得られる場合、その測定値は、以降の回路であるCR発振回路5及び6、分周回路7及び8、並びに時間数値変換回路9の温度特性その他のばらつきを示すようになることを意味する。この「その他のばらつき」としては、上記CR発振回路や分周回路での第1及び第2系統間での特性ばらつき等がある。
【0025】
また、セレクタ4は、上記圧力情報抽出用ブリッジ回路1、温度情報抽出用ブリッジ回路2、及び基準情報抽出用ブリッジ回路3の各ブリッジ出力を、後述する制御回路10から与えられる選択信号selに基づき選択出力する回路である。それら選択されたブリッジ出力は、同図1に示されるように、CR発振回路5及び6の各MOSトランジスタ(以下、パストランジスタという)T5 及びT6 に対し、それぞれ逆極性の電圧として与えられるようになる。
【0026】
これらパストランジスタ型のCR発振回路として構成されている第1及び第2のCR発振回路5及び6は、それら各パストランジスタT5 及びT6 のオン抵抗変化に応じて周波数(若しくは周期)の変化する交番信号(ここでの例ではパルス信号)を発振する回路である。
【0027】
因みに、こうしたCR発振回路にあっては、その発振周波数fが
f=1/2πCR …(5)
として決定されることから、上記パストランジスタT5 及びT6 のオン抵抗Rが大きければ低い周波数(長い周期)の交番信号が発振され、同パストランジスタT5 及びT6 のオン抵抗Rが小さければ高い周波数(短い周期)のパルス信号が発振される。
【0028】
したがって、例えば上記圧力情報抽出用ブリッジ回路1のブリッジ出力が選択されている場合のように、検出対象となる圧力の印加に応じて、
・第1のCR発振回路5側のパストランジスタT5 は、そのPチャネル電極が低電位、Nチャネル電極が高電位となり、そのオン抵抗が小さくなる。
・第2のCR発振回路6側のパストランジスタT6 は、そのPチャネル電極が高電位、Nチャネル電極が低電位となり、そのオン抵抗が大きくなる。
といった状況となる場合には、第1のCR発振回路5からは比較的周波数の高い(周期の短い)パルス信号が、また第2のCR発振回路6からは、それよりも周波数の低い(周期の長い)パルス信号がそれぞれ発振出力されるようになる。
【0029】
上記温度情報抽出用ブリッジ回路2のブリッジ出力、及び基準情報抽出用ブリッジ回路3のブリッジ出力についても、各々これに準じたかたちで、それら電位差に応じた周波数(周期)を有するパルス信号が同第1及び第2のCR発振回路5及び6から発振されるようになることは云うまでもない。
【0030】
こうして第1及び第2のCR発振回路5及び6から発振されたパルス信号は何れも、第1及び第2の分周回路7及び8によりそれぞれ例えば数100倍の時間幅に分周されて、時間数値変換回路9に取り込まれる。
【0031】
時間数値変換回路9は、これら分周された第1及び第2のCR発振回路5及び6の2つの発振パルスに基づきその周波数差(周期時間差)を求めてこれをディジタル信号に変換する回路である。その処理態様の一例を図2に示す。
【0032】
すなわちこの図2に示されるように、上記第1のCR発振回路5からは、図2(a)にその分周出力として示されるような比較的周波数の高い(周期の短い)パルス信号が出力され、他方の第2のCR発振回路6からは、図2(b)に同じくその分周出力として示されるようなそれよりも周波数の低い(周期の長い)パルス信号が出力されているとするとき、該時間数値変換回路9では、図2(c)に示される態様で、それら周期時間T1及びT2の差(T1−T2)を求め、その求めた時間差(T1−T2)を所定の分解能にてディジタル信号に変換することとなる。なお、同時間数値変換回路9の詳細については、「電子情報通信学会論文誌 C−II Vol.J78−C−II No.6 pp.366−374 1995年6月 『ディジタル処理による高精度化と複数パルス測定を可能とした時間A−D変換LSI』 渡辺高元 他著」に記述されているため、ここでの重複する説明は割愛する。
【0033】
こうして、入力される2つのパルス信号についてその周波数差(周期時間差)を求め、ディジタル変換した時間数値変換回路9は、これを周波数差(周期時間差)情報fsとして、マイクロコンピュータ11に出力する。なお、以下では便宜上、上記圧力情報抽出用ブリッジ回路1のブリッジ出力について求めた周波数差(周期時間差)情報fsについてはこれを圧力情報Dと云い、上記温度情報抽出用ブリッジ回路2のブリッジ出力について求めた周波数差(周期時間差)情報fsについてはこれを温度情報Tと云い、上記基準情報抽出用ブリッジ回路3のブリッジ出力について求めた周波数差(周期時間差)情報fsについてはこれを基準情報Aと云う。
【0034】
本例では、分周回路7,8及び時間数値変換回路9にて周波数差演算手段が構成されている。
制御回路10は、上記セレクタ4を通じたブリッジ出力の選択や上記時間数値変換回路9の起動を制御する。演算手段としてのマイクロコンピュータ11は得られた圧力情報D、温度情報T、及び基準情報Aに、不揮発性メモリであるEPROM12に予め記憶されている当該センサ自身の特性のばらつきや機差等を補正するための補正データ(定数a〜f)を付加して演算を行い最終圧力値Pを出力する回路である。
【0035】
具体的には上記EPROM12に予め記憶する補正データとして、
・温度情報Tに関する温度係数a、
・基準温度における温度情報Tのオフセット値b、
・圧力情報Dに対する感度の温度特性係数c、
・基準温度における圧力情報Dに対する感度d、
・圧力情報Dのオフセットにおける温度係数e、
・基準温度における圧力情報Dのオフセット値f
の6つのデータ(定数)が用意されている。これらデータは何れも、センサの製造ばらつき等によって異なるのが普通であり、同実施形態の装置では、当該センサの作り込みの段階で、これら補正データa〜fを上記EPROM12に書き込むようにしている。
【0036】
マイクロコンピュータ11は、CPU11aをはじめ、プログラムメモリとしてのROM11b、及びデータメモリとしてのRAM11c等により構成されており、上記分離復調された補正データa〜f、圧力情報D、温度情報T、及び基準情報AをRAM11cのそれぞれ所定領域に一括して取り込んだ後、ROM11bに予登録されている図3に例示する演算プログラムを上記CPU11aを通じて実行する。
【0037】
すなわち、この図3に示す演算ルーチンにおいて、CPU11aは、ステップ201及びステップ202にて、RAM11cに格納した圧力情報D、温度情報T、基準情報A、並びに補正データa〜fを読み込んだ後、ステップ203にて、演算
Figure 0003743106
を実行して、最終の圧力情報Pを算出する。
【0038】
この式の算出の根拠となった式は前述の(2)〜(4)式であるが、それについては前述した通りであり、ここではその説明は省略する。
なお、「D/A」及び「T/A」は、それぞれ上記圧力情報D及び温度情報Tについて、センサ内の上記第1及び第2のCR発振回路5及び6、分周回路7及び8、並びに時間数値変換回路9の温度特性や系統間の特性ばらつきを正規化するための処理である。基準情報Aがこれら回路における温度特性や系統間の特性ばらつきに対応した情報となることは前述した。
【0039】
上記圧力情報抽出用ブリッジ回路1を通じて抽出される圧力情報D(出力電圧)がセンサに印加される圧力の他、センサ自身の温度にも依存したものとなっていることは前述した通りであるが、このような圧力情報Dに対して上記(6)式の演算を施すことにより、検出対象とする物理情報である圧力Pについての極めて精度の高いセンサ値を得ることができるようになる。具体的には精度として2%FS以内とすることができる。
【0040】
以上説明したように、この実施形態にかかる圧力センサ装置によれば、
(1)上記圧力情報抽出用ブリッジ回路1、温度情報抽出用ブリッジ回路2、及び基準情報抽出用ブリッジ回路3といった3つのブリッジ回路を設けるとともに、補正データa〜fを記憶したEPROM12を設け、圧力情報抽出用ブリッジ回路1を通じて得られる圧力情報Dを、温度情報抽出用ブリッジ回路2を通じて得られる温度情報T、基準情報抽出用ブリッジ回路3を通じて得られる基準情報A、並びに補正データa〜fによって、それぞれ補償するようにしたことで、センサ自身の温度特性やその他の特性ばらつきによる影響を好適に除去することができるようになる。具体的には、上記(6)式に基づいてその最終的な圧力Pを算出するようにしたことで、その物理情報として、極めて精度の高い値を得ることができるようになる。
【0041】
なお、同実施形態においては、圧力情報抽出用ブリッジ回路1を構成する全ての抵抗素子に感圧抵抗素子を用いるようにしたが、例えば抵抗素子R11及びR12の何れか一方のみ、或いは抵抗素子R13及びR14の何れか一方のみに該感圧抵抗素子を用いる等の構成も適宜可能である。要は、圧力の印加に応じた電位差がそのブリッジ出力を通じて得られる構成であればよい。
【0042】
また同様に、温度情報抽出用ブリッジ回路2においても、例えば抵抗素子R24のみに感温抵抗素子を用いる等の構成が可能である。これも要は、センサの温度に応じた電位差がそのブリッジ出力を通じて得られさえすればよい。
【0043】
また、同実施形態においては、第1及び第2のCR発振回路としてパストランジスタ型のCR発振回路を用いたが、パストランジスタに代わって抵抗素子が挿入され、そのCR時定数に応じた周期を有する交番信号を発振するタイプの発振回路なども適宜採用することができる。
【0044】
そしてこの場合、上記圧力情報をはじめ、温度情報や基準情報を抽出する手段が必ずしもブリッジ回路を構成している必要はなく、圧力情報を抽出する手段であれば、
・検出対象となる圧力の印加に応じたそれぞれ異なる時定数変化をそれら第1及び第2のCR発振回路に対して付与し得るもの。
また、温度情報を抽出する手段であれば、
・当該センサの温度に応じたそれぞれ異なる時定数変化をそれら第1及び第2のCR発振回路に対して付与し得るもの。
そして、基準情報を抽出する手段であれば、
・検出対象となる圧力の印加及び当該センサの温度と無関係にそれぞれ異なる時定数変化をそれら第1及び第2のCR発振回路に対して付与し得るもの。
でありさえすればよい。
【0045】
また、それらセンサ固有の補正データを記憶保持する手段としても、上記EPROM12に限らず、他の書き換え可能なROM(EEPROMやフラッシュROM等)、或いはSRAM等の不揮発性メモリを採用することができる。
【0046】
また、発振周波数を数値化する回路としては、上記実施形態以外に、単一時間内の発振パルス数をカウントする方法などもよく用いられる。
また、マイクロコンピュータ11を用いる代わりに、同じ機能を有する演算処理回路を圧力センサ100を構成するチップ上に形成して全体を1チップ化してもよい。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明にかかる圧力センサ装置の一実施形態を示すブロック図。
【図2】図1に示される時間数値変換回路(時間A−D)の処理態様を示すタイムチャート。
【図3】センサ値演算手順を示すフローチャート。
【符号の説明】
1…圧力情報抽出用ブリッジ回路、2…温度情報抽出用ブリッジ回路、3…基準情報抽出用ブリッジ回路、5…第1のCR発振回路、6…第2のCR発振回路、7…第1の分周回路、8…第2の分周回路、9…時間数値変換回路、11…マイクロコンピュータ、11a…CPU、11b…ROM、11c…RAM、12…EPROM。

Claims (2)

  1. 検出対象となる圧力の印加に応じた圧力情報を抽出する圧力情報抽出手段と、
    センサの温度に応じた温度情報を抽出する温度情報抽出手段と、
    前記検出対象となる圧力の印加及び当該センサの温度とは無関係な基準情報を抽出する基準情報抽出手段と、
    センサの特性のばらつきや機差等を補正するためのデータが予め記憶された不揮発性メモリと、
    静電容量(C)−抵抗(R)時定数に応じた周期を有する交番信号を発振する第1のCR発振回路と、
    同じく静電容量−抵抗時定数に応じた周期を有する交番信号を発振する第2のCR発振回路とを備えた圧力センサ装置であって、
    前記圧力情報抽出手段は、検出対象となる圧力の印加に応じて第1の方向への抵抗値変化を生じる第1の感圧抵抗素子と、同じく検出対象となる圧力の印加に応じて前記第1の方向とは逆の第2の方向への抵抗値変化を生じる第2の感圧抵抗素子とによって構成される第1のブリッジ回路であり、検出対象となる圧力の印加に応じたそれぞれ異なる時定数変化を前記第1及び第2のCR発振回路に対して付与し、
    前記温度情報抽出手段は、当該センサの温度に応じて抵抗値変化を生じる感温抵抗素子と、基本的に温度特性を持たない抵抗素子とによって構成される第2のブリッジ回路であり、センサの温度に応じたそれぞれ異なる時定数変化を前記第1及び第2のCR発振回路に対して付与し、
    前記基準情報抽出手段は、基本的に温度特性を持たない抵抗素子によって構成される第3のブリッジ回路であり、検出対象となる圧力の印加及び当該センサの温度と無関係にそれぞれ異なる時定数変化を前記第1及び第2のCR発振回路に対して付与し、
    前記圧力情報抽出手段によって時定数変化の付与された前記第1及び第2のCR発振回路による発振出力の周波数差としての圧力情報D、及び前記温度情報抽出手段によって時定数変化の付与された前記第1及び第2のCR発振回路による発振出力の周波数差としての温度情報T、そして前記基準情報抽出手段によって時定数変化の付与された前記第1及び第2のCR発振回路による発振出力の周波数差としての基準情報Aをそれぞれ演算する周波数差演算手段と、
    前記周波数演算手段によって演算された前記圧力情報D、温度情報T、基準情報Aおよび前記不揮発性メモリに記憶されている補正データに基づき最終圧力を算出する演算手段とをさらに備え
    前記演算手段は、前記補正データとして、
    温度情報Tに関する温度係数aと、
    基準温度における温度情報Tのオフセット値bと、
    圧力情報Dに対する感度の温度特性係数cと、
    基準温度における圧力情報Dに対する感度dと、
    圧力情報Dのオフセットにおける温度係数eと、
    基準温度における圧力情報Dのオフセット値fと
    取り込み、
    P={(T/A−b)×(−e/a)+(D/A−f)}
    /{(T/A−b)×(c/a)+d}
    にて最終圧力Pを算出するようにしたことを特徴とする圧力センサ装置。
  2. 前記第1及び第2のCR発振回路は、前記第1〜第3のブリッジ回路の各出力電圧がそれぞれ逆極性にて印加されるMOSトランジスタを有し、それらMOSトランジスタのオン抵抗変化に応じて前記発振する交番信号の周期が変化するMOSトランジスタ型のCR発振回路である請求項1記載の圧力センサ装置。
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