JP3741984B2 - 型枠兼用断熱板、その製造方法及びそれを用いた床の施工方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、型枠兼用断熱板、その製造方法及びそれを用いた床の施工方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
床下空間を有する鉄筋コンクリート造り構造物の一階床スラブの下面に断熱材を敷き詰めて構成される断熱床の施工方法において、床下空間内にサポート、大引、根太等の支保工を組み立てた後、断熱板の片面に補強シート(又はフィルム)を積層一体化した型枠兼用断熱板を支保工上に載置し、この型枠兼用断熱板上に配筋し、コンクリートを打設し、前記型枠兼用断熱板を残して支保工を取り除く施工方法は知られている。
【0003】
特開平3−208944号公報には、型枠兼用断熱板として発泡ポリスチレン板のような断熱板の片面にプラスチックフィルムを積層一体化しものを用い、このプラスチックフィルムの側を下に向けて支保工上に載置し、この型枠兼用断熱板の上にコンクリートを打設することを開示している。しかしながら、この方法では、コンクリートが接する界面は発泡ポリスチレン板のような発泡プラスチック板とコンクリートであり、その界面において、支保工撤去作業時に、型枠兼用断熱板に根太等で衝撃が加わったときこの型枠兼用断熱板がコンクリートから剥離してしまうと言う問題があった。また、この型枠兼用断熱板上に人が乗って作業するとき、或いはこの型枠兼用断熱板の上にコンクリートを多量に打設したとき、前記プラスチックフィルムは十分な強度を型枠兼用断熱板に与えることは困難であり、この型枠兼用断熱板に割れの生じないように細心の注意が必要があった。
【0004】
特開昭63−161241号公報には、型枠兼用断熱板と打設したコンクリートの構成が、下から、断熱層(合成樹脂発泡体等)、3層構造の軟質面材{補強層(ポリエステル不織布等)、防湿層(ポリエチレン等)、接着層(ポリエステル不織布等)}及びコンクリートの順、又は下から断熱層(合成樹脂発泡体等)、補強層兼用の接着層(ポリエステル不織布等)及びコンクリートの順となっており、曲げ剛性が7.5×104Kg・cm2(73.5N・m2)(1m幅)以上で局部圧縮弾性係数が40Kg/cm(3.92×104N/m)以上のものを開示している。この構成によるとポリエステル不織布の接着層又は補強層兼用の接着層と、コンクリートとの界面は、不織布の間にコンクリートが浸透することによるアンカー効果のため、不織布とコンクリートとの界面では、支保工撤去作業時に型枠兼用断熱板に根太等で衝撃を加えても、この型枠兼用断熱板は剥離しない。しかしながら、合成樹脂発泡体等の断熱層と、ポリエステル不織布の補強層又は補強層兼用の接着層との界面で接着層の強度より大きい衝撃が加わったときに剥離してしまい、型枠兼用断熱板が脱落すると言う問題があった。更にこの型枠兼用断熱板はコンクリートとの接着面に不織布等の接着層が必要であり、尚かつ所定の曲げ剛性及び局部圧縮弾性係数を与える必要があるので、この断熱板のコストを上げる原因となっている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の目的は、型枠兼用断熱板を支保工上に載せた状態で人が乗って作業しても、また、この型枠兼用断熱板上に比較的多量のコンクリートを打設しても、この型枠兼用断熱板が十分な強度を有して割れにくく、また、コンクリートと接着するための不織布等を必要とせずに、コンクリート打設後この型枠兼用断熱板がコンクリートに十分な強度で付着して剥離しにくい、型枠兼用断熱板を提供することである。
本発明の他の目的は、そのような型枠兼用断熱板の製造方法を提供することである。
本発明の更に他の目的は、そのような型枠兼用断熱板を下部に有するコンクリートを含む床の施工方法を提供することである。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本発明の第1の態様は、硬質合成樹脂押出発泡板からなる断熱板の片面には、不織布が貼着積層され、前記不織布が積層されていない他方の面は、前記硬質合成樹脂押出発泡板の機械方向及び横断方向共に表面粗さRa(中心線平均値)が10〜150μmであり、表面粗さSm(凹凸の平均間隔)が300〜4500μmである型枠兼用断熱板である。
本発明の他の態様は、曲げ強さが機械方向及び横断方向共に550kN/m2以上であり、曲げ剛性が機械方向及び横断方向共に1cm幅当たり0.35N・m2以上である上記型枠兼用断熱板である。
本発明の他の態様は、硬質合成樹脂押出発泡板からなる断熱板の片面に、不織布を貼着積層させ、前記不織布が積層されていない発泡板の他方の面をサンダー掛けにより荒らすことを特徴とする前記型枠兼用断熱板の製造方法である。
本発明の他の態様は、前記型枠兼用断熱板を、その不織布が積層されている側を下に向けて支保工上に載置し、この型枠兼用断熱板上に配筋し、コンクリートを打設することを特徴とする床の施工方法である。
【0007】
【発明の実施の形態】
本発明の型枠兼用断熱板を図1を用いて説明する。型枠兼用断熱板1は、硬質合成樹脂押出発泡板2の片面に、不織布3が積層されている。
本発明において硬質合成樹脂押出発泡板とは、ポリスチレン系、ポリプロピレン系、ポリアクリル系、など合成樹脂を押出発泡法成形により発泡させて成形した発泡板を総称するものであり、形状は平板状が好ましいがそれに限ることなく任意である。厚さも任意であるが施工後の作業性と断熱性の観点から10〜200mm程度の厚さが好ましい。また、密度も断熱性や機械的強度の観点から15〜75kg/m3程度が好ましい。以下に述べる押出発泡板における機械方向(MD)とは、押出発泡時の流れ方向(押出方向)であり、横断方向(TD)とはMDに直角な方向である。
【0008】
本発明においては、前記硬質合成樹脂押出発泡板の一方の面は不織布が貼着積層されているが、その他方の面は前記硬質合成樹脂押出発泡板の機械方向及び横断方向共に表面粗さRaが10〜150μmであり、表面粗さSmが300〜4500μmである。本発明の硬質合成樹脂押出発泡板は、Raが10μm以上で、かつSmが300μm以上という粗さの故にこの表面に直接コンクリートを打設してもそのコンクリートが表面の凹凸に入り込み強固に接着する。一方、Raが150μmを超えるか、又はSmが4500μmを超えると、前記硬質合成樹脂押出発泡板が割れ易くなり好ましくない。更に好ましい範囲は、Raが10〜50μmであり、Smが300〜1500μmである。このような粗さを前記硬質合成樹脂押出発泡板の他方の面に形成する良い方法はサンダー掛けである。
【0009】
図2は硬質合成樹脂押出発泡板の表面をサンダー掛けする場合の概念図である。硬質合成樹脂押出発泡板2は、搬送ベルト4に載せられ、上部は押さえローラー5に押さえられた状態で、矢印の方向に搬送される。搬送の途中にはサンダーベルト6が設けられており、サンダーベルト6の表面には多数の凹凸が付けられている。発泡板は、搬送中に搬送ベルト4とサンダーベルト6の間をくぐり抜けるが、このとき、搬送ベルト4とサンダーベルト6の間隔hを、発泡板の元の厚みHより小さくしておくと、硬質合成樹脂押出発泡板2の上部表面は、サンダーベルト6の表面の凹凸によりサンダー掛けされ、粗な面(荒れた面)となる。
【0010】
本発明に使用するような種類の硬質合成樹脂押出発泡板は伸度がきわめて小さく曲げに対する耐性が小さい。従って、このような硬質合成樹脂押出発泡板を型枠兼用断熱板を根太の上に人やコンクリートを載せてそのままの形で湾曲するに任せると、ごくわずかの湾曲により伸長する方の面に亀裂が走りさらに湾曲するに任せると直ちに破断する。本発明においては、この硬質合成樹脂押出発泡板の荷重が掛かる表面とは反対の表面に不織布を貼着することにより硬質合成樹脂押出発泡板に大きな荷重がかかり、また湾曲力が働いたとき、不織布が貼着された面に亀裂が発生したり割れたりすることが大きく抑制されて大きな荷重に耐えることが可能となる。即ち、本発明型枠兼用断熱板の曲げ剛性及び曲げ強度を増大させる。本発明の型枠兼用断熱板は、曲げ強さが機械方向及び横断方向共に550kN/m2以上であり、曲げ剛性が機械方向及び横断方向共に1cm幅当たり0.35N・m2以上であることが好ましい。このような曲げ強さ及び曲げ剛性を得るためには、厚さ10〜200mm程度、密度15〜75kg/m3程度の硬質合成樹脂押出発泡板と、不織布を接着剤を用いて貼合わせればよい。
【0011】
本発明者らの実験によれば、用いる不織布は、レーヨン、綿、ポリエステル、ポリプロピレン、ナイロンなど若しくはこれらのブレンドの短繊維、またはポリプロピレン、ポリエステル、ナイロンなど若しくはこれらブレンドの長繊維、あるいはガラス繊維、SUS繊維などを通常の方法でウエブ状又はマット状に配列させ、必要に応じて接着剤を用いつつ繊維相互を接合させて得られるシート状のものがよい。これらの内でもポリエステル不織布が、耐薬品性、耐候性、耐久性に優れているので好ましい。不織布に方向性がある場合には少なくとも湾曲方向の破断伸度が20%以上、引張強度20N/5cm(JIS L−1096:カットスリップ法)以上のものが好ましく、更に好ましくは破断伸度が30%以上、引張強度40N/5cm(4kgf/5cm)以上の範囲のものが適している。
【0012】
方向性のある不織布を用いることもでき、本発明者らの実験によれば、その場合には、繊維の方向を型枠兼用断熱板の荷重が掛かって湾曲する方向に一致させるように、これを硬質合成樹脂押出発泡板に貼着することにより、一層大きく荷重をかけ湾曲させることが可能な製品を得ることができる。硬質合成樹脂押出発泡板と不織布の接着強度は湾曲したときにその伸びに追従できる強度を必要とする。この接着強度を得ることのできる接着剤としては、本発明者らの実験によれば、エチレン−酢酸ビニル共重合体で代表されるホットメルト型接着剤、二液エポキシ樹脂系、一液ウレタン系などの反応硬化型接着剤、酢酸ビニル系、ウレタン系で代表されるエマルジョン系、二液のポリエステル系、ウレタン系で代表される溶剤系などであってもよく、ホットメルト型接着剤を用いる場合には、不織布の積層面に押し出し法、ロールコーター法などで接着剤をコーティングしたものを熱ロールを用いて硬質合成樹脂押出発泡板にプレス・接着する方法が有効であり、反応硬化型接着剤を用いる場合には、ロールコーター法などでどちらか一方に塗布したものを圧着していく方法が効果的である。
【0013】
前記接着剤の塗布量は、特に制限はないが少なすぎると湾曲時に硬質合成樹脂押出発泡板と不織布との間に剥離が生じる恐れがあり、また厚すぎると不織布の伸びを規制する恐れがあるだけでなく、不必要に接着剤を使用することになって不経済であるので、10〜60g/m2 (ドライ)程度が適切である。
【0014】
本発明製造方法による型枠兼用断熱板の製造に際しては、上記のように通常の手段により板状の硬質合成樹脂押出発泡板を成形し、一方の面をサンダー掛けする。それを通常のラミネータなどを用いて所望の不織布を他方の面に貼着する。
【0015】
本発明による床の施工法を行うには、例えば、支保工、桟木、根太(端太)建て込みを行い、前記根太の上に本発明の型枠兼用断熱板をその不織布が積層されている側を下に向けて支保工上に載置し、この型枠兼用断熱板上に配筋し、コンクリートを打設し、前記支保工、桟木、根太を解体しこれらを片づける。前述のように不織布を下にして施工することにより本発明型枠兼用断熱板は大きな荷重に耐えることが可能になると共に、コンクリートに十分な強度で付着して剥離しがたいものになる。
【0016】
上に本発明の型枠兼用断熱板を、床下空間を有する鉄筋コンクリート造り構造物の一階床スラブの下面に敷き詰める場合について説明したが、本発明型枠兼用断熱板の用途はこれに限られるものではなく、例えば鉄筋コンクリート作り構造物の側壁に付着させて敷く場合にも使用できることは勿論である。
【0017】
【発明の効果】
本発明によれば、型枠兼用断熱板を支保工上に載せた状態で人が乗って作業しても、また、この型枠兼用断熱板上に比較的多量のコンクリートを打設しても、この型枠兼用断熱板が十分な強度を有して割れにくく、また、コンクリートと接着するための不織布等を必要とせずに、コンクリート打設後この型枠兼用断熱板がコンクリートに十分な強度で付着して剥離し難い、型枠兼用断熱板を提供する。
【0018】
【実施例】
(実施例1,比較例1,2)
不織布としてポリエステル系不織布(旭化成(株)製、スパンボンドP03070(商標)、厚み0.50mm、目付70g/m2、引張強度:MD=186N/50mm幅;TD=88N/50mm幅、破断強度:MD=60%;TD=70%)を用い、密度33.5kg/m3の押出発泡ポリスチレン板(エスレンフォームSU(商標、積水化成品工業(株)製)、厚さ30mm)に、接着剤としてエチレン酢酸ビニル系ホットメルト型接着剤(ヒロダイン#7573(商標、ヒロダイン(株)製)を約30g/m2の割合で塗布後、ホットロールで加圧接着した。このようにして得られた不織布貼り付け発泡ポリスチレン板(以下「補強XPS」と略記する。)を用いて以下の接着強度比較試験を行った。
【0019】
試験体の種類
(A)補強XPSの不織布面にモルタルを打ち込んだもの(比較例1)。
(B)補強XPSの不織布面とは反対側をサンダー掛けし、この面にモルタルを打ち込んだもの(実施例1)。
(C)ポリスチレン押出時表皮付き補強XPSの表皮面にモルタルを打ち込んだもの(比較例2)。
【0020】
試験体の作成
(1)験体寸法:補強XPS部:100×100×50(厚さ)mm;モルタル部:100×100×150(厚さ)mm
(2)モルタル条件:セメント1/砂3 *スランプ 18mm
(3)型枠内にモルタルを流し込み、金属棒で10回振動を与えた。
(4)養生条件:室温で30日間。
この試験体の具体的形態を図3(A)及び(B)に示す。この図において、11はモルタル、12は型枠、13は補強XPS、14及び24はT形鋼製ジグ、15及び25は合板である。合板15とモルタル11との固着は、合板15と未硬化のモルタル11に長さ50mmの木ネジを4カ所貫通させた状態でモルタル11を養生硬化させ一体化させた。また、合板25と補強XPS13の接着剤はエポキシ系接着剤を用いた。モルタル11と補強XPS13との接着は上記(A)〜(C)による。T型鋼製ジグ14,24と合板15,25との接着はエポキシ系接着剤を用いた。
【0021】
(引張試験条件)
(1)試験機;万能試験機(ストログラフ)
(2)使用レンジ:200Kgf(1.96kN)/フルスケール
(3)引張速度:5mm/分(図3(B)において、T型鋼製ジグ24を固定し、T型鋼製ジグ14を矢印の方向に引っ張る。)
(3)最大荷重を求め、接着面積で割り、1cm2当たりの接着強度を求める。
(表面粗さ測定)
試験体(A)、(B)、(C)に用いた補強XPSのモルタルを打ち込む側の面について、表面粗さ形状測定機ハンディサーフ(商標)E−35A((株)東京精密製)を用いて、表面粗さRa(中心線平均値)と表面粗さSm(凹凸の平均間隔)を測定した。
(1)試験体(A)・・・補強XPSの不織布の表面粗さを測定。
(2)試験体(B)・・・補強XPSのサンダー掛け面の表面粗さを測定。
(3)試験体(C)・・・補強XPSの表皮面の表面粗さを測定。
【0022】
【0023】
(考察)
試験体(A)は試験体の不織布と発泡ポリスチレン板間で先に剥離が起こってしまったため、モルタルと不織布の間の接着強度の最大値は測定できなかったが、ホットメルトによる不織布と発泡ポリスチレン板間の接着強度(10,4N/cm2)以上を保持している。しかし、実施工面においては、ホットメルトによる不織布と発泡ポリスチレン板との接着強度が、不織布とモルタルの接着強度を下回るため、この面(型枠兼用断熱板の不織布側の面)にモルタルを打ち込むのは適当でない。試験体(C)はコンクリートから補強XPSを手で簡単に剥離できる接着力(接着強度4.0N/cm2)しか示さなかった。試験体(B)は,試験体の不織布と発泡ポリスチレン板との間で先に剥離が起こってしまったため、剥離した不織布と発泡ポリスチレン板の間をエポキシ系接着剤で接着し直して試験を行ったところ、サンダー掛け面とモルタル間で剥離し、接着強度は13.5N/cm2であり、三者の中で最大の数値を示した。従って、サンダー掛け面にモルタルを打ち込むのがベストであると言える。
【0024】
(実施例2、比較例3〜7)
(曲げ試験)
硬質合成樹脂押出発泡板を補強するためのシート又はフィルム材料の候補として各種プラスチックフィルム及び不織布を用い、密度33.5kg/m3の押出発泡ポリスチレン板(エスレンフォームSU(商標、積水化成品工業(株)製)、厚さ30mm)(以下「フォーム」ということがある。)に、接着剤としてエチレン酢酸ビニル系ホットメルト型接着剤(ヒロダイン#7573(商標、ヒロダイン(株)製)を約30g/m2の割合で塗布後、ホットロールで加圧接着した。上記不織布としてポリエステル系不織布(旭化成(株)製、スパンボンドP03070(商標)、厚み0.50mm、目付70g/m2、引張強度:MD=186N/50mm幅;TD=88N/50mm幅、破断強度:MD=60%;TD=70%のものを用いた。
【0025】
得られた補強発泡ポリスチレン板(以下「補強XPS‘」と記す。)の曲げ強さ及び曲げ剛性をJIS K 7221に準じて測定した。曲げ試験のサンプル数は5とし、これらについての測定値の平均を取った。エッジスパン幅は200mmとし、クロスヘッドは10mm/分とした。フィルム(シート)面を下にして補強XPS‘の上から荷重を掛けた。その結果を表2に示す。表2中、サンプルフィルムが不織布であるものが実施例2であり、その他は比較例である。
【0026】
【0027】
(施工検証)
上記曲げ試験で良であったサンプルの試験結果をもとに、端太ピッチを算出したところ200mmであった。このピッチで実際に施工し歩行した。尚、TD方向が強度大であるので、端太に対して補強XPS‘長辺方向を平行に施工した。その結果を表3に示す。
【0028】
【0029】
表3に示された結果から、本発明の型枠兼用断熱板は、支保工上に載せた状態で人が乗って作業したり、この型枠兼用断熱板上に比較的多量のコンクリートを打設しても、この型枠兼用断熱板が十分な強度を有して割れにくい強度を有することが明らかである。
【0030】
【発明の効果】
本発明によれば、型枠兼用断熱板を支保工上に載せた状態で人が乗って作業しても、また、この型枠兼用断熱板上に比較的多量のコンクリートを打設しても、この型枠兼用断熱板が十分な強度を有して割れにくく、また、コンクリートと接着するための不織布等を必要とせずに、コンクリート打設後この型枠兼用断熱板がコンクリートに十分な強度で付着して剥離しにくい、型枠兼用断熱板が提供される。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の型枠兼用断熱板の1例の透視図。
【図2】 硬質合成樹脂押出発泡板の表面をサンダー掛けする場合の概念図。
【図3】 実施例1及び比較例1,2において不織布を貼り付けた発泡ポリスチレン板についてのコンクリートに対する接着強度測定を行ったときのモルタル打ち込みの様子を示す断面図。
【符号の説明】
1…型枠兼用断熱板
2…硬質合成樹脂押出発泡板
3…不織布
4…搬送ベルト
5…押さえローラー
6…サンダーベルト
11…モルタル
12…型枠
13…不織布貼り付け発泡ポリスチレン板
14、24…T形鋼製ジグ
15、25…合板
Claims (4)
- 硬質合成樹脂押出発泡板の片面には、不織布が貼着積層され、前記不織布が積層されていない他方の面は、前記硬質合成樹脂押出発泡板の機械方向及び横断方向共に、表面粗さRa(中心線平均値)が10〜150μmであり、表面粗さSm(凹凸の平均間隔)が300〜4500μmである型枠兼用断熱板。
- 曲げ強さが機械方向及び横断方向共に550kN/m2以上であり、曲げ剛性が機械方向及び横断方向共に1cm幅当たり0.35N・m2以上である請求項1に記載の型枠兼用断熱板。
- 硬質合成樹脂押出発泡板の片面に、不織布を貼着積層させ、この不織布が積層されていない前記発泡板の他方の面をサンダー掛けにより荒らすことを特徴とする請求項1又は2に記載の型枠兼用断熱板の製造方法。
- 請求項1又は2に記載の型枠兼用断熱板を、その不織布が積層されている側を下に向けて支保工上に載置し、この型枠兼用断熱板上に配筋し、コンクリートを打設することを特徴とする床の施工方法。
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