JP3741950B2 - 画像形成装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、電子写真方式の複写機や光プリンタなどの画像形成装置に関し、特に、複数の解像度ごとに最適画像を提供し得るようにする対策に係わる。
【0002】
【従来の技術】
従来より、現像剤担持体の線速度と感光体の線速度とを切り換えることによって、画像の解像度を切り換えるようにした2成分現像方式を採用する画像形成装置が知られている。この場合、現像剤担持体の線速度と感光体の線速度とは、一定の周速比で増減するように設定されている。
【0003】
このような画像形成装置としては、例えば特開平7−230211号公報に開示されるように、複数の解像度ごとに異なるプロセス速度(現像剤担持体および感光体の線速度)を有し、そのプロセス速度の切り換えに応じてトナーの補給速度を異ならせ、プロセス速度が遅い場合には、プロセス速度が速い場合よりもトナー濃度を低くすることで、各々のプロセス速度での最適なトナー濃度が得られるようにして、各々の画像品質を安定させるようにすることが行われている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
ところが、上記従来のものでは、複数の解像度ごとのプロセス速度に応じて異なるトナーの補給速度によってプロセス速度ごとのトナー濃度が設定されているため、解像度に応じたプロセス速度に切り換えられた直後には、トナー濃度の過剰によるカブリ、またはトナー濃度不足によるカスレが発生することになる。
【0005】
また、トナー濃度が低いときにトナーの補給を行うと、最適なトナー濃度が得られるまでに時間を費やしてしまうことになる。
【0006】
本発明は、かかる点に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、複数の解像度ごとに最適画像を提供し得ることができ、かつ解像度に対応するプロセス速度への切り換えに伴うタイムロスや画像変化を抑制することができる画像形成装置を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】
上記の目的を達成するために、本発明は、現像剤担持体の線速度と感光体の線速度とを切り換えることによって、画像の解像度が変更されるようにした2成分現像方式を採用する画像形成装置を前提し、画像の解像度の変更時に、現像剤担持体のトナー濃度を検知して電圧値を出力するトナー濃度検知手段を設ける。そして、それぞれ個々に決定される画像の解像度に応じたしきい値電圧を、画像の解像度の変更前および変更後の双方において必要な画像濃度を有しかつカブリを生じないトナー濃度となるトナー濃度範囲に基づいてそれぞれ変更しているとともに、この変更されたしきい値電圧と、上記トナー濃度検知手段から出力されたトナー濃度の出力電圧値とを比較して、トナーの補給の有無を判断するようにしている。更に、未使用現像剤のしきい値電圧の設定を、最も低い解像度に対応する現像剤担持体の高回転域での未使用現像剤の撹拌と、それよりも高い解像度に対応する現像剤担持体の低回転域での未使用現像剤の撹拌とによって行っており、上記感光体の線速度が切り換えられた際の感光体と現像剤担持体との周速比を、常に一定に保つようにしている。
【0008】
この特定事項により、画像の解像度に応じたしきい値電圧は、画像の解像度の変更前および変更後の双方において必要な画像濃度を有しかつカブリを生じないトナー濃度となるトナー濃度範囲に基づいてそれぞれ変更されるので、複数の解像度ごとのプロセス速度に応じて異なるトナーの補給速度によってプロセス速度ごとのトナー濃度が設定されているもののように、解像度に応じたプロセス速度に切り換えられた直後に、トナー濃度の過剰によるカブリ、またはトナー濃度不足によるカスレが発生することはない。このため、解像度ごとに最適な画像を提供することが可能となる。
【0009】
しかも、画像の解像度に応じたしきい値電圧を画像の解像度の変更前および変更後の双方において必要な画像濃度を有しかつカブリを生じないトナー濃度となるトナー濃度範囲に基づいてそれぞれ変更することで、トナー濃度の過剰によるカブリおよびトナー濃度不足によるカスレが共に発生しない許容範囲内(トナー濃度に対する画像濃度の特性の許容範囲内)にしきい値電圧が変更されることになり、これによって、トナー濃度が低いときにトナーの補給を行っても、最適なトナー濃度を得るまでに費やされるタイムロスを削減することが可能となる。
そして、未使用現像剤のしきい値電圧の設定を、最も低い解像度に対応する現像剤担持体の高回転域での未使用現像剤の撹拌と、それよりも高い解像度に対応する現像剤担持体の低回転域での未使用現像剤の撹拌とによって行うようにしているので、低い解像度に対応するしきい値電圧の設定はもちろんのこと、それよりも高い解像度に対応するしきい値電圧も、許容範囲の上限を下回って安定域に到達することになり、未使用現像剤の高低双方の解像度に対応するしきい値電圧を設定することが可能となる。
【0010】
また、低解像度および高解像度に対応するしきい値電圧を特定するものとして、以下の構成が掲げられる。
【0011】
つまり、低解像度から高解像度へ移行するに従ってしきい値電圧を高くするように変更している。
【0012】
この特定事項により、低解像度および高解像度にそれぞれ対応する感光体および現像剤担持体の線速度においてしきい値電圧が最適値に変更され、低解像度から高解像度のどのような解像度においても同一のトナー濃度を得ることが可能となる。
【0013】
さらに、低解像度および高解像度に対応する感光体の線速度、並びにしきい値電圧を特定するものとして、以下の構成が掲げられる。
【0014】
つまり、低解像度に対応する感光体の線速度を、高解像度に対応する感光体の線速度の2倍に設定するとともに、高解像度に対応するしきい値電圧を、低解像度に対応するしきい値電圧よりも僅かに高い範囲内に設定している。
【0015】
この特定事項により、高低双方の解像度での画質を満足させることが可能となる。その上、低解像度に対応するしきい値電圧よりも高解像度に対応するしきい値電圧が僅かに高い範囲内に設定されているので、解像度切換時のトナー補給によるタイムロスをより削減させることが可能となる。
【0016】
そして、高低双方の解像度でのトナー濃度を特定するものとして、以下の構成が掲げられる。
【0017】
つまり、高解像度での必要な画像濃度を有しかつカブリを生じないトナー濃度の許容値と、低解像度での必要な画像濃度を有しかつカブリを生じないトナー濃度の許容値との双方の解像度で画質を満足するトナー濃度の範囲の差分を0.5%未満に設定している。
【0018】
この特定事項により、高低双方の解像度での画質を満足させることが可能となるのはもちろんのこと、高低双方の解像度での画質を満足するトナー濃度の範囲の差分を僅か0.5%未満とすることで、解像度切換時のトナー補給によるタイムロスをさらに削減させることが可能となる。
【0022】
そして、現像剤担持体の撹拌時間を特定するものとして、以下の構成が掲げられている。
【0023】
つまり、現像剤担持体の高回転域での未使用現像剤の撹拌時間を、現像剤担持体の低回転域での未使用現像剤の撹拌時間と同等以上に設定している。
【0024】
この特定事項により、高い解像度に対応するしきい値電圧を、許容範囲の上限を下回って安定域に確実に到達させることが可能となる。
【0025】
さらに、現像剤担持体の撹拌状態を特定するものとして、以下の構成が掲げられている。
【0026】
つまり、現像剤担持体の低回転域での未使用現像剤の撹拌を、現像剤担持体の高回転域での未使用現像剤の撹拌状態から徐々に現像剤担持体の回転数を減少させて連続的に行うようにしている。
【0027】
この特定事項により、高い解像度に対応するしきい値電圧を、許容範囲の上限を下回って安定域に効果的に到達させることが可能となる。
【0028】
また、高・中・低の3段階の解像度にそれぞれ対応する未使用現像剤のしきい値電圧を設定する手段として、以下の構成が掲げられている。
【0029】
つまり、高・中・低の3段階の解像度にそれぞれ対応する未使用現像剤のしきい値電圧のうち、中解像度に対応する未使用現像剤のしきい値電圧を、中解像度に対応する現像剤担持体の回転域での未使用現像剤の撹拌によって設定する一方、高・低解像度にそれぞれ対応する未使用現像剤のしきい値電圧を、上記中解像度に対応する未使用現像剤のしきい値電圧に対し予め設定された値の加減算によって設定している。
【0030】
この特定事項により、中解像度に対応する未使用現像剤のしきい値電圧を設定すれば、この中解像度に対応するしきい値電圧に対し予め設定した値の加減算によって残る高・低解像度にそれぞれ対応する未使用現像剤のしきい値電圧が設定されることになり、高・中・低の3段階の解像度にそれぞれ対応する未使用現像剤のしきい値電圧を簡単に設定することが可能となる。
【0031】
特に、画像濃度の経時的な低下を抑制するものとして、以下の構成が掲げられる。
【0032】
つまり、画像濃度の低下時に、低解像度に対応するしきい値電圧と、高解像度に対応するしきい値電圧とをそれぞれ同量ずつ補正している。
【0033】
この特定事項により、画像形成枚数に応じて同様に低下する高低双方の解像度での画像濃度が、しきい値電圧値を同量ずつ減算(補正)することで回復し、良好な画質を得ることが可能となる。
【0034】
特に、画像を形成しない非画像形成時の現像剤の状態を特定するものとして、以下の構成が掲げられる。
【0035】
つまり、非画像形成時に、低解像度に対応する現像剤担持体の速い線速度で現像剤の撹拌を行っている。
【0036】
この特定事項により、非画像形成時の現像剤が低解像度に対応するしきい値電圧に設定されることになり、現像剤中のトナーの帯電が飽和状態となって、画像形成開始直後のカブリの発生を防止することが可能となる。
【0037】
また、画像形成中に発生するジャムの解除後の現像剤の状態を特定するものとして、以下の構成が掲げられる。
【0038】
つまり、画像形成中に発生するジャムの解除後に、ジャム発生前の解像度に対応する現像剤担持体の線速度で現像剤の撹拌を行っている。
【0039】
この特定事項により、ジャム発生前とジャム解除後との画質変化を可及的に抑制することが可能となる。
【0040】
特に、装置本体の始動開始直後のカブリを防止するものとして、以下の構成が掲げられる。
【0041】
つまり、装置本体の始動開始直後に、トナー濃度検知手段からのトナー濃度の出力電圧値およびしきい値電圧と無関係にトナーの補給を禁止する不感帯時間を設定している。
【0042】
この特定事項により、電源投入直後の始動時やパワーシャットオフ復帰時などの再動作時に、トナー濃度が所定の値であってもトナー濃度検出手段により検出されて出力されるトナー濃度の出力電圧値は高くなるためにトナーの補給動作が行われるため、不感帯時間を設けることで、トナーの過補給によるカブリを防止することが可能となる。
【0043】
また、装置本体の始動開始直後のトナーの補給を禁止するものとして、以下の構成が掲げられる。
【0044】
つまり、装置本体の始動開始前段階でのトナー濃度検知手段からのトナー濃度の出力電圧値がしきい値電圧以下であるときに、装置本体の始動開始直後のトナーの補給を禁止するようにしている。
【0045】
この特定事項により、トナー濃度の出力電圧値がしきい値電圧以下であるとき、つまりトナー濃度が所定の値以上であるときに、装置本体の始動開始直後のトナーの補給が禁止されるので、トナーの過補給によるカブリを防止することが可能となる。
【0046】
さらに、高低の解像度に対応する感光体の線速度を特定するものとして、以下の構成が掲げられる。
【0047】
つまり、最も低い解像度に対応する感光体の線速度を、それよりも高い解像度に対応する感光体の線速度の整数倍に設定している。
【0048】
この特定事項により、解像度を整数倍ごとに段階的に設定することが可能となる。
【0049】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。
【0050】
<第1の実施の形態>
図1は、本発明の第1の実施形態に係わる画像形成装置としてのプリンタの画像形成部分の概略構成図を示している。
【0051】
このプリンタは、外部から伝達された画像データに応じて、所定の記録用紙に対して画像を形成するものである。そして、図1に示すように、プリンタの画像形成部分には、感光体としての感光体ドラム11が所定方向(図中矢印方向)に回転自在に支持されている。この感光体ドラム11の周囲には、感光体ドラム11を帯電する帯電器12と、感光体ドラム11の外周面を光像で露光して静電潜像を形成する露光装置13と、感光体ドラム11の外周面上に形成された静電潜像を現像剤により可視像に現像する現像装置14と、感光体ドラムの外周面上に現像された可視像を記録用紙Pに転写する転写装置15と、感光体ドラム11の外周面上に残留する不要な廃現像剤を除去するクリーニング装置16とが感光体ドラム11の回転方向に沿って順次設けられている。
【0052】
感光体ドラム11の表面は、帯電器12(例えばコロナチャージャや接触ローラ帯電器など)によって所定の帯電量に均一に帯電され、露光装置13で所定の静電潜像ポテンシャルを形成することによって静電潜像を担持するようになされている。感光体ドラム11は、図示しないが、金属または樹脂製の導電性基体と、その表面に形成される下引き層と、その上に形成される感光層とを含んで構成されている。この感光層は、下引き層上に形成される比較的薄いキャリア発生層(CGL)と、最外層に形成されるポリカーボネイトなどを主成分とする比較的薄いキャリア移動層(CTL)とで構成されている。この場合、露光装置13による露光によってキャリア発生層でキャリアが発生すると、このキャリアによって、感光体ドラム11に帯電している電荷が相殺されて、上述した所定の静電潜像ポテンシャルが形成されることになる。
【0053】
図2に示すように、現像装置14は、トナーとキャリアとからなる2成分現像剤を収容する収容容器14aと、トナーホッパ14bとを備えている。上記収容容器14aには、現像剤を撹拌する現像剤撹拌パドル14cと、現像剤を感光体ドラム11の外周面に搬送する現像剤担持体14dとがそれぞれ回転自在に設けられている。また、現像剤担持体14dの近傍(下方)には、現像剤中のトナーの濃度を検出するトナー濃度センサ14eが設けられている。
【0054】
トナー濃度センサ14eは、24Vの電源供給を受けてトナー濃度を検知し、0〜5Vの出力を行う。具体的には、トナー濃度センサ14eにより検出されたトナー濃度が所定のトナー濃度よりも低い場合、つまりしきい値電圧よりも高い出力を示した場合には、トナーホッパ14bから収容容器14aへトナーが補給され、現像剤撹拌パドル14cにより撹拌されて、現像剤担持体14dによって常時一定のトナー濃度を確保した現像剤が感光体ドラム11に搬送されて現像に供される。
【0055】
上記感光体ドラム11の回転によりその外周面上に担持された静電潜像は、現像装置14の現像剤担持体14dと接触する現像領域において、所定方向(図1および図2に示す矢印方向)に回転する現像剤担持体14dと圧接する。この現像剤担持体14dの回転は、所定方向に限定されるものではない。そして、現像剤担持体14dの外周面上に担持された現像剤は、感光体ドラム11の静電潜像に従って移動して付着し、これによって、感光体ドラム11上の静電潜像が顕像化されて、可視像として現像されることになる。この場合、現像剤担持体14dには、図示しない電源から所定のバイアス電圧が印加されている。
【0056】
図1に示すように、転写装置15には、感光体ドラム11の外周面上に付着した現像剤(可視像)が感光体ドラム11の回転に伴って搬送されるとともに、図示しない搬送経路を介して記録用紙Pが搬送されており、この記録用紙Pが感光体ドラムの外周面上に可視像と同期して接触するようになされている。この転写領域では、感光体ドラム11に対し転写装置15(例えば高圧電源を備えたチャージャ型や接触ローラ型などの転写装置)によって現像剤を転写する側の極性の電圧が印加されるようになされている。これによって、現像剤が記録用紙Pに移動し、現像像が転写される。
【0057】
また、上記転写装置15よりも感光体ドラム11の回転方向下流側には、感光体ドラム11上において現像像が転写された記録用紙Pを感光体ドラム11から分離する剥離手段17が設けられている。そして、上記転写装置15よりも記録用紙Pの搬送経路下流側には、定着装置20が設けられている。この定着装置20は、一対の定着ローラ21,21を備え、剥離手段17によって分離された記録用紙Pを定着ローラ21,21のニップ間に通過させ、これによって、記録用紙P上に転写された現像像を定着させるようにしている。この現像像が定着された記録用紙Pはプリンタ外へと排紙される。また、転写後に感光体ドラム11上に残留している廃現像剤は、ブレードなどを備えたクリーニング装置16によって感光体ドラム11上から清掃される。
【0058】
そして、感光体ドラム11は、図示しない駆動装置の切換によって、その線速度が122mm/sと61mm/sとに切り換えられるようになされており、それぞれの線速度に応じて600dpiと1200dpiとの解像度に切り換えられるようにしている。また、感光体ドラム11の線速度が切り換えられても、感光体ドラム11と現像装置14の現像剤担持体14dとの周速比は一定に保たれるようにしている。
【0059】
また、2種類の線速度に対する感光体ドラム11の応答性や現像性などを考慮し、図3に示すように、各々の線速度での諸設定値を設定している。
【0060】
このような条件下では、図4に示すように、各々の線速度(プロセス速度)でのトナー濃度に対するトナー濃度センサ14eの出力値の特性が得られている。
【0061】
このようにして得られた特性によると、各々の線速度において同一のトナー濃度を得るためのトナー補給を行うか否かのしきい値電圧は、122mm/sのしきい値電圧を61mm/sのしきい値電圧よりも小さく設定することによって実現できることが明らかとなる。
【0062】
そして、図5および図6に示すように、印字による画像濃度およびカブリを各々のプロセス速度についてトナー濃度を変化させて確認した結果、必要な最低画像濃度は1.30以上、カブリは1.0以下であり、これを基準にして所定のトナー濃度を導くと、画像濃度からトナー濃度の下限値が定まり、カブリからトナー濃度の上限値が定まるので、図5に示すように、感光体ドラム11の線速度が122mm/sではトナー濃度が7〜9%、図6に示すように、感光体ドラム11の線速度が61mm/sではトナー濃度が6〜8%であることが判る。従って、双方の解像度画質を満足するトナー濃度は7.5±0.5%であり、この範囲内での各々のしきい値電圧は、図4に示す近似値から、感光体ドラム11の線速度が122mm/sの場合に1.90〜2.29Vとなり、感光体ドラム11の線速度が61mm/sの場合に2.15〜2.40Vとなることが判る。そして、トナー濃度中心値を代表してしきい値電圧を決定すると、同様に、感光体ドラム11の線速度が122mm/sの場合は2.09Vとし、感光体ドラム11の線速度が61mm/sの場合は2.27Vとすることにより、双方の解像度での画質を満足させ、かつ解像度切り換え時のトナー補給によるタイムロスを削減する設定を行えることになる。
【0063】
したがって、本実施形態では、画像の解像度に応じたしきい値電圧は、図4に示すトナー濃度に対する画像濃度の特性に基づいてそれぞれ変更されるので、高低双方の解像度ごとのプロセス速度に応じて異なるトナーの補給速度によってプロセス速度ごとのトナー濃度が設定されているもののように、解像度に応じたプロセス速度に切り換えられた直後に、トナー濃度の過剰によるカブリ、またはトナー濃度不足によるカスレが発生することはない。このため、高低の双方の解像度ごとに最適な画像を提供することができる。
【0064】
しかも、画像の解像度に応じたしきい値電圧をトナー濃度に対する画像濃度の特性に基づいてそれぞれ変更することで、トナー濃度の過剰によるカブリおよびトナー濃度不足によるカスレが共に発生しない許容範囲内、つまり感光体ドラム11の線速度が122mm/sの場合には1.90〜2.29Vの範囲内に、感光体ドラム11の線速度が61mm/sの場合には2.15〜2.40Vの範囲内にそれぞれしきい値電圧が変更されることになり、これによって、トナー濃度が低いときにトナーの補給を行っても、最適なトナー濃度を得るまでに費やされるタイムロスを削減することができる。加えて、トナー濃度中心値を代表してしきい値電圧を決定した場合には、感光体ドラム11の線速度が122mm/sの場合は2.09Vに、感光体ドラム11の線速度が61mm/sの場合は2.27Vにそれぞれ設定され、高解像度に対応するしきい値電圧が低解像度に対応するしきい値電圧よりも僅か0.18Vだけ高い範囲内に設定されているので、解像度切換時のトナー補給によるタイムロスを削減させる上で、非常に有利なものとなる。さらに、高解像度に対応するトナー濃度の値(6〜8%)と、低解像度に対応するトナー濃度の値(7〜9%)とによって、高低双方の解像度画質を満足するトナー濃度は7.5±0.5%となり、その差分が0.5%未満に設定されているので、解像度切換時のトナー補給によるタイムロスをさらに削減させることができる。
【0065】
また、低解像度から高解像度へ移行するに従ってしきい値電圧を高くするように変更しているので、低解像度および高解像度にそれぞれ対応する感光体ドラム11および現像剤担持体14dの線速度においてしきい値電圧が最適値に変更され、低解像度から高解像度のどのような解像度においても同一のトナー濃度を得ることができる。
【0066】
さらに、低解像度に対応する感光体ドラム11および現像剤担持体14dの線速度を、高解像度に対応する感光体ドラム11および現像剤担持体14dの線速度の2倍に設定しているので、2倍の解像度を段階的に容易に設定することができる。
【0067】
<第2の実施の形態>
次に、本発明の第2の実施形態を図7および図8に基づいて説明する。
【0068】
この実施形態では、未使用現像剤を使用する場合のしきい値電圧の設定について説明する。
【0069】
すなわち、本実施形態では、上記第1の実施形態で得られた結果に基づき、未使用現像剤のしきい値電圧が、感光体ドラム11の線速度が122mm/sの場合には1.90〜2.29Vに、感光体ドラム11の線速度が61mm/sの場合には2.15〜2.40Vにそれぞれ安定して設定されるように、図7および図8に示す現像装置14での現像剤撹拌パドル14cによる撹拌時間やその順序について検討している。この場合、トナーの飛散や収容容器14aへの付着によってトナー濃度が低下するなどの問題があるため、トナー濃度8%の未使用現像剤を用いている。
【0070】
図7は、感光体ドラム11の線速度122mm/sに対応した現像剤担持体14dの線速度(366mm/s)にて現像剤を撹拌したときの撹拌時間に対するトナー濃度センサ14eの出力値(V)の特性を示し、図8は、感光体ドラム11の線速度61mm/sに対応した現像剤担持体14dの線速度(183mm/s)にて現像剤を撹拌したときの撹拌時間に対するトナー濃度センサ14eの出力値(V)の特性を示している。
【0071】
図7に示すように、感光体ドラム11の線速度122mm/sに対応した現像剤担持体14dの線速度366mm/sでのトナー濃度センサ14eの出力値(V)は、2分以上の撹拌で上限値を下回って所定の範囲内(1.90〜2.29V)におさまり、3分以上の撹拌では既使用現像剤と大差のない結果が得られた。この結果から、しきい値電圧は、撹拌時間を3分に設定すればよいことが判る。
【0072】
一方、図8に示すように、感光体ドラム11の線速度61mm/sに対応した現像剤担持体14dの線速度183mm/sでのトナー濃度センサ14eの出力値(V)は、5分以上の撹拌でようやく上限を下回るものの、所定の範囲内(2.15〜2.40V)に安定せず、しきい値電圧を決定する条件(撹拌時間)を得ることができないことが判る。
【0073】
そこで、感光体ドラム11の線速度122mm/sに対応した現像剤担持体14dの線速度366mm/sで3分間撹拌した現像剤を、感光体ドラム11の線速度61mm/sに対応した現像剤担持体14dの線速度183mm/sで撹拌し、トナー濃度センサ14eにより出力値(出力電圧)を測定すると、1分間の撹拌時間で既に所定の範囲内(2.15〜2.40V)の出力値が得られ、以後撹拌を続けてもほぼ所定の範囲内において出力値が安定していることが判る。
【0074】
つまり、未使用現像剤のしきい値電圧の設定は、まずは撹拌速度が速い状態(現像剤担持体14dの線速度が速い状態)で行い、それから現像剤担持体14dの線速度が遅い状態で行うことが望ましく、その場合、現像剤担持体14dの線速度が遅い状態での撹拌時間は、1分間程度の少ない時間で十分であることが判る。
【0075】
したがって、本実施形態では、未使用現像剤のしきい値電圧を設定する場合、感光体ドラム11の線速度122mm/sに対応した現像剤担持体14dの線速度366mm/sでのトナー濃度センサ14eの出力値(V)は、低解像度に対応する現像剤担持体14dの高回転域で未使用現像剤を3分間撹拌することで、許容範囲の上限を下回って既使用現像剤と大差のない所定の範囲内(1.90〜2.29V)の安定域に到達する。また、感光体ドラム11の線速度61mm/sに対応した現像剤担持体14dの線速度183mm/sでのトナー濃度センサ14eの出力値(V)は、低解像度に対応する現像剤担持体14dの高回転域で未使用現像剤を3分間撹拌した状態から回転数を減少させて、高解像度に対応する現像剤担持体14dの低回転域で未使用現像剤を1分以上撹拌することで、許容範囲の上限を下回って既使用現像剤と大差のない所定の範囲内(2.15〜2.40V)の安定域に到達する。これによって、未使用現像剤の高低双方の解像度に対応するしきい値電圧を設定することができる。
【0076】
<第3の実施の形態>
次に、本発明の第3の実施形態を図9に基づいて説明する。
【0077】
この実施形態では、400dpiの解像度に切り換える場合のしきい値電圧の設定について説明する。
【0078】
すなわち、本実施形態では、図3に示すように、600dpiの解像度を得るための感光体ドラム11の線速度122mm/sに対応した現像剤担持体14dの線速度366mm/s、および1200dpiの解像度を得るための感光体ドラム11の線速度61mm/sに対応した現像剤担持体14dの線速度183mm/sを用いて、400dpiの解像度を得るための感光体ドラム11の線速度183mm/sに対応した現像剤担持体14dの線速度549mm/sを算出し、図9に示すように、感光体ドラム11の線速度183mm/sに対応した現像剤担持体14dの線速度549mm/sでのトナー濃度に対するトナー濃度センサ14eの出力値(V)の特性を得る。
【0079】
そして、600dpiの解像度で得られたしきい値電圧Sを基準にすることで、それよりも低い400dpiの低解像度でのしきい値電圧は(S−β)で得られることが判る。また、1200dpiの高解像度でのしきい値電圧は(S+α)で得られることが判る。
【0080】
したがって、本実施形態では、400dpi、600dpi、1200dpiの3段階の解像度にそれぞれ対応する未使用現像剤のしきい値電圧のうち、600dpiの解像度で得られたしきい値電圧Sを基準にし、それよりも低い400dpiの低解像度でのしきい値電圧を(S−β)で得るとともに、1200dpiの高解像度でのしきい値電圧を(S+α)で得ることで、高・中・低の3段階の解像度にそれぞれ対応する未使用現像剤のしきい値電圧を簡単に設定することができる。
【0081】
<第4の実施の形態>
次に、本発明の第4の実施形態に基づいて説明する。
【0082】
この実施形態では、画像濃度が低下した場合のしきい値電圧の変更について説明する。
【0083】
すなわち、本実施形態では、上記第1の実施形態で得られた結果に基づき、トナー濃度中心値を代表して決定したしきい値電圧を、感光体ドラム11の線速度が122mm/sの場合に2.09Vに、感光体ドラム11の線速度が61mm/sの場合に2.27Vにそれぞれ設定した状態で、印字(画像形成)を続けた結果、印字枚数に従ってどちらの解像度でも画像濃度が低下することが判明した。
【0084】
そこで、しきい値電圧をそれぞれ0.15Vずつ減算し、感光体ドラム11の線速度が122mm/sの場合は1.94Vに、感光体ドラム11の線速度が61mm/sの場合は2.12Vにそれぞれ変更したところ、画像濃度が回復し、良好の画質が得られることが判った。
【0085】
したがって、本実施形態では、画像濃度の低下時に、低解像度に対応するしきい値電圧と、高解像度に対応するしきい値電圧とがそれぞれ0.15Vずつ同量減算されているので、画像形成枚数に応じて同様に低下する高低双方の解像度での画像濃度が回復し、良好な画質を得ることができる。
【0086】
<第5の実施の形態>
次に、本発明の第5の実施形態に基づいて説明する。
【0087】
この実施形態では、電源投入直後の始動時、パワーシャットオフ復帰時および印字中のジャム解除後などの再動作時における解像度の切り換えについて説明する。
【0088】
すなわち、本実施形態では、電源投入直後の始動時やパワーシャットオフ復帰時などの再動作時に、感光体ドラム11および現像剤担持体14dの線速度を高解像度に対応する速度で行ったところ、直後の印字にカブリが発生することが判った。そこで、感光体ドラム11および現像剤担持体14dの線速度を低解像度に対応する速度に切り換えて印字レディ状態にしたところ、現像剤中のトナー帯電が飽和域に達し、その後の印字でのカブリが解消されて良好な画質が得られることが判明した。
【0089】
また、印字中のジャム解除後などの再動作時においては、感光体ドラム11および現像剤担持体14dの線速度をジャム前の印字中と同じ速度のままで印字レディ状態にしたほうが、ジャム前後での画質変化が少ないことが判明した。
【0090】
したがって、本実施形態では、電源投入直後の始動時やパワーシャットオフ復帰時などの再動作時といった非画像形成時に、低解像度に対応する現像剤担持体14dの遅い線速度に切り換えて印字レディ状態にしたので、非画像形成時の現像剤が低解像度に対応するしきい値電圧に設定されることになり、現像剤中のトナーの帯電が飽和状態となって、画像形成開始直後のカブリの発生を防止することができる。
【0091】
また、印字中のジャム解除後などの再動作時に、感光体ドラム11および現像剤担持体14dの線速度をジャム前の印字中と同じ速度のままで印字レディ状態にしたので、ジャム発生前とジャム解除後との画質変化を可及的に抑制することができる。
【0092】
<第6の実施の形態>
次に、本発明の第6の実施形態に基づいて説明する。
【0093】
この実施形態では、電源投入直後の始動時、およびパワーシャットオフ復帰時などの再動作時におけるトナー補給動作について説明する。
【0094】
すなわち、本実施形態では、電源投入直後の始動時やパワーシャットオフ復帰時などの再始動時における感光体ドラム11および現像剤担持体14dの駆動開始直後は、トナー濃度が所定の値であってもトナー濃度センサ14eの出力値が高くなり、トナー補給動作によるトナー濃度の上昇によってカブリが発生するため、トナー濃度センサ14eの出力値に係わらず、約8秒間のトナー補給禁止時間(不感帯時間)を設けることで、トナー過補給によるカブリが抑制されることが判明した。
【0095】
さらに、電源投入直後の始動時やパワーシャットオフ復帰時などの再始動時における感光体ドラム11および現像剤担持体14dの駆動開始直後において、その前段階での駆動停止直前のトナー濃度センサ14eの最終出力値がしきい値電圧以下の場合、つまりトナー濃度が所定の値以上の場合には、この値を記憶しておき、感光体ドラム11および現像剤担持体14dの駆動開始直後からトナー補給を一切禁止して印字レディ状態にすることで、その後の印字ではカブリのない良好な画像が得られることが判明した。
【0096】
したがって、本実施形態では、電源投入直後の始動時やパワーシャットオフ復帰時などの再始動時における感光体ドラム11および現像剤担持体14dの駆動開始直後に、トナー濃度センサ14eの出力値に係わらず約8秒間のトナー補給禁止時間が設けられているので、トナーの過補給によるカブリを防止することができる。
【0097】
また、電源投入直後の始動時やパワーシャットオフ復帰時などの再始動時における感光体ドラム11および現像剤担持体14dの駆動開始直後において、その前段階での駆動停止直前のトナー濃度センサ14eの最終出力値がしきい値電圧以下であるときに、感光体ドラム11および現像剤担持体14dの駆動開始直後からトナー補給を一切禁止して印字レディ状態とされるので、その後の印字ではカブリのない良好な画像を得ることができる。
【0098】
【発明の効果】
以上のように、本発明では、画像の解像度の変更前および変更後の双方において必要な画像濃度を有しかつカブリを生じないトナー濃度となるトナー濃度範囲に基づいて画像の解像度に応じたしきい値電圧をそれぞれ変更することで、解像度に応じたプロセス速度に切り換えた直後に発生するカブリまたはカスレを防止し、解像度ごとに最適な画像を提供することができる。しかも、カブリおよびカスレを共に防止し得る許容範囲内にしきい値電圧を変更し、最適なトナー濃度を得るまでに費やすタイムロスを削減することができる。更に、未使用現像剤のしきい値電圧の設定を、最も低い解像度に対応する現像剤担持体の高回転域での撹拌と、それよりも高い解像度に対応する現像剤担持体の低回転域での撹拌とによって行うことで、低い解像度に対応するしきい値電圧の設定はもちろんのこと、それよりも高い解像度に対応するしきい値電圧も、許容範囲の上限を下回って安定域に到達させることができ、未使用現像剤の高低双方の解像度に対応するしきい値電圧を設定することができる。
【0099】
また、低解像度から高解像度へ移行するに従ってしきい値電圧を高く変更することで、低解像度および高解像度にそれぞれ対応する感光体および現像剤担持体の線速度においてしきい値電圧を最適値に変更し、どのような解像度においても同一のトナー濃度を得ることができる。
【0100】
さらに、低解像度に対応する感光体の線速度を、高解像度に対応する感光体の線速度の2倍に設定するとともに、高解像度に対応するしきい値電圧を、低解像度に対応するしきい値電圧よりも僅かに高く設定することで、高低双方の解像度での画質を満足させることができる上、解像度切換時のトナー補給によるタイムロスをより削減させることができる。
【0101】
そして、高解像度での必要な画像濃度を有しかつカブリを生じないトナー濃度の許容値と、低解像度での必要な画像濃度を有しかつカブリを生じないトナー濃度の許容値との双方の解像度で画質を満足するトナー濃度の範囲の差分を0.5%未満に設定することで、高低双方の解像度での画質を満足させることができるのはもちろんのこと、解像度切換時のトナー補給によるタイムロスをさらに削減させることができる。
【0103】
そして、現像剤担持体の高回転域での撹拌時間を現像剤担持体の低回転域での撹拌時間と同等以上に設定することで、高い解像度に対応する未使用現像剤のしきい値電圧を許容範囲内の安定域に確実に到達させることができる。
【0104】
さらに、現像剤担持体の低回転域での撹拌を現像剤担持体の高回転域での撹拌状態から徐々に現像剤担持体の回転数を減少させて連続的に行うことで、高い解像度に対応する未使用現像剤のしきい値電圧を許容範囲内の安定域に効果的に到達させることができる。
【0105】
また、中解像度に対応する現像剤担持体の回転域での未使用現像剤の撹拌によって中解像度に対応する未使用現像剤のしきい値電圧を設定し、この中解像度に対応する未使用現像剤のしきい値電圧に対し予め設定された値の加減算によって高・低解像度にそれぞれ対応する未使用現像剤のしきい値電圧を設定することで、高・中・低の3段階の解像度にそれぞれ対応する未使用現像剤のしきい値電圧を簡単に設定することができる。
【0106】
特に、画像濃度の低下時、高低双方の解像度に対応するしきい値電圧をそれぞれ同量ずつ補正することで、画像形成枚数に応じて同様に低下する高低双方の解像度での画像濃度を回復させ、良好な画質を得ることができる。
【0107】
特に、非画像形成時、低解像度に対応する現像剤担持体の遅い線速度で現像剤の撹拌を行うことで、非画像形成時の現像剤を低解像度に対応するしきい値電圧に設定し、現像剤中のトナーの帯電を飽和状態にして、画像形成開始直後のカブリの発生を防止することができる。
【0108】
また、画像形成中に発生するジャムの解除後に、ジャム発生前の解像度に対応する現像剤担持体の線速度で現像剤の撹拌を行うことで、ジャム発生前とジャム解除後との画質変化を可及的に抑制することができる。
【0109】
特に、装置本体の始動開始直後に、トナー濃度検知手段からのトナー濃度の出力電圧値およびしきい値電圧と無関係にトナーの補給を禁止する不感帯時間を設定することで、電源投入直後の始動時やパワーシャットオフ復帰時などの再動作時に高くなるトナー濃度の出力電圧値によるトナーの補給動作を禁止し、トナーの過補給によるカブリを防止することができる。
【0110】
また、装置本体の始動開始前段階でのトナー濃度の出力電圧値がしきい値電圧以下であるときに、装置本体の始動開始直後のトナーの補給を禁止することで、トナーの過補給によるカブリを防止することができる。
【0111】
さらに、最も低い解像度に対応する感光体の線速度を、それよりも高い解像度に対応する感光体の線速度の整数倍に設定することで、解像度を整数倍ごとに段階的に設定することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施形態に係わるプリンタの画像形成部分を正面側から見た概略構成図である。
【図2】同じく現像装置の概略構成図である。
【図3】同じく感光体ドラムの2種類の線速度での諸設定値を示す説明図である。
【図4】同感光体ドラムの各々の線速度でのトナー濃度に対するトナー濃度センサの出力値の特性を示す特性図である。
【図5】同感光体ドラムの線速度が122mm/sであるときのトナー濃度に対する画像濃度およびカブリの特性を示す特性図である。
【図6】同感光体ドラムの線速度が61mm/sであるときのトナー濃度に対する画像濃度およびカブリの特性を示す特性図である。
【図7】本発明の第2の実施形態に係わるプリンタにおいて、感光体ドラムの線速度が122mm/sであるときに未使用現像剤を撹拌するときの撹拌時間に対するトナー濃度センサの出力値の特性を示す特性図である。
【図8】同感光体ドラムの線速度が61mm/sであるときに未使用現像剤を撹拌するときの撹拌時間に対するトナー濃度センサの出力値の特性を示す特性図である。
【図9】本発明の第3の実施形態に係わるプリンタにおいて、感光体ドラムの3種類の線速度でのトナー濃度に対するトナー濃度センサの出力値の特性を示す特性図である。
【符号の説明】
1 プリンタ(画像形成装置)
11 感光体ドラム(感光体)
14d 現像剤担持体
14e トナー濃度センサ(トナー濃度検知手段)
Claims (13)
- 現像剤担持体の線速度と感光体の線速度とを切り換えることによって、画像の解像度が変更されるようにした2成分現像方式を採用する画像形成装置において、
画像の解像度の変更時に、現像剤担持体のトナー濃度を検知して電圧値を出力するトナー濃度検知手段を備え、
それぞれ個々に決定される画像の解像度に応じたしきい値電圧は、画像の解像度の変更前および変更後の双方において必要な画像濃度を有しかつカブリを生じないトナー濃度となるトナー濃度範囲に基づいてそれぞれ変更されているとともに、
この変更されたしきい値電圧と、上記トナー濃度検知手段から出力されたトナー濃度の出力電圧値とを比較して、トナーの補給の有無を判断するようになされており、
未使用現像剤のしきい値電圧の設定は、最も低い解像度に対応する現像剤担持体の高回転域での未使用現像剤の撹拌と、それよりも高い解像度に対応する現像剤担持体の低回転域での未使用現像剤の撹拌とによって行われており、
上記感光体の線速度が切り換えられた際の感光体と現像剤担持体との周速比は、常に一定に保たれるようになっていることを特徴とする画像形成装置。 - 上記請求項1に記載の画像形成装置において、
しきい値電圧は、低解像度から高解像度へ移行するに従って高くなるように変更されていることを特徴とする画像形成装置。 - 上記請求項1に記載の画像形成措置において、
低解像度に対応する感光体の線速度は、高解像度に対応する感光体の線速度の2倍に設定されているとともに、
高解像度に対応するしきい値電圧は、低解像度に対応するしきい値電圧よりも僅かに高い範囲内に設定されていることを特徴とする画像形成装置。 - 上記請求項1に記載の画像形成装置において、
高解像度での必要な画像濃度を有しかつカブリを生じないトナー濃度の許容値と、低解像度での必要な画像濃度を有しかつカブリを生じないトナー濃度の許容値との双方の解像度で画質を満足するトナー濃度の範囲の差分は、0.5%未満に設定されていることを特徴とする画像形成装置。 - 上記請求項1に記載の画像形成装置において、
現像剤担持体の高回転域での未使用現像剤の撹拌時間は、現像剤担持体の低回転域での未使用現像剤の撹拌時間と同等以上に設定されていることを特徴とする画像形成装置。 - 上記請求項5に記載の画像形成装置において、
現像剤担持体の低回転域での未使用現像剤の撹拌は、現像剤担持体の高回転域での未使用現像剤の撹拌状態から徐々に現像剤担持体の回転数を減少させて連続的に行われるようになされていることを特徴とする画像形成装置。 - 上記請求項1に記載の画像形成装置において、
高・中・低の3段階の解像度にそれぞれ対応する未使用現像剤のしきい値電圧のうち、中解像度に対応する未使用現像剤のしきい値電圧は、中解像度に対応する現像剤担持体の回転域での未使用現像剤の撹拌によって設定されている一方、
高・低解像度にそれぞれ対応する未使用現像剤のしきい値電圧は、上記中解像度に対応する未使用現像剤のしきい値電圧に対し予め設定された値の加減算によって設定されていることを特徴とする画像形成装置。 - 上記請求項1に記載の画像形成装置において、
画像濃度の低下時には、低解像度に対応するしきい値電圧と、高解像度に対応するしきい値電圧とがそれぞれ同量ずつ補正されることを特徴とする画像形成装置。 - 上記請求項1に記載の画像形成装置において、
非画像形成時には、低解像度に対応する現像剤担持体の速い線速度で現像剤の撹拌がなされていることを特徴とする画像形成装置。 - 上記請求項1に記載の画像形成装置において、
画像形成中に発生するジャムの解除後は、ジャム発生前の解像度に対応する現像剤担持体の線速度で現像剤の撹拌がなされていることを特徴とする画像形成装置。 - 上記請求項1に記載の画像形成装置において、
装置本体の始動開始直後は、トナー濃度検知手段からのトナー濃度の出力電圧値およびしきい値電圧とは無関係にトナーの補給を禁止する不感帯時間が設定されていることを特徴とする画像形成装置。 - 上記請求項11に記載の画像形成装置において、
装置本体の始動開始前段階でのトナー濃度検知手段からのトナー濃度の出力電圧値がしきい値電圧以下であるときには、装置本体の始動開始直後のトナーの補給が禁止されるようになされていることを特徴とする画像形成装置。 - 上記請求項1に記載の画像形成装置において、
最も低い解像度に対応する感光体の線速度は、それよりも高い解像度に対応する感光体の線速度の整数倍に設定されていることを特徴とする画像形成装置。
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