JP3741737B2 - 信号合成回路、この信号合成回路を具える信号処理回路、この信号処理回路を具えるステレオオーディオ再生装置及びこのステレオオーディオ再生装置を具える視聴覚再生装置 - Google Patents
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Description
【産業上の利用分野】
本発明は、可聴周波数スペクトル内に周波数を有する信号を受信する第1及び第2入力部と、出力部と、前記第1入力部で受信された信号の信号成分を前記出力部に通過させる第1の伝達特性を有する第1信号路と、前記第2入力部で受信された信号の信号成分を前記出力部に通過させる第2の伝達特性を有する第2信号路とを具え、前記第1及び第2の伝達特性は、前記第1信号路を通過した信号成分と前記第2信号路を通過した信号成分との間に生じる位相推移が発生する不一致を示す信号合成回路に関するものである。
【0002】
また本発明は、ステレオオーディオ信号に相当するステレオ像信号を強め、上記タイプの信号合成回路が用いられる信号処理回路に関するものである。また本発明はこのタイプの信号処理回路を具えるステレオオーディオ再生装置に関するものである。
【0003】
さらに本発明は、このタイプのステレオオーディオ再生装置を具える視聴覚再生装置に関するものである。
【0004】
【従来の技術】
上記タイプの信号合成回路、信号処理回路及びステレオオーディオ再生装置は例えば米国特許明細書第4308423 号から既知である。この明細書中には、ステレオ像を強めるために信号処理回路が用いられたステレオオーディオ再生装置が開示されている。この信号処理回路は左チャネル信号と右チャネル信号との間の差を決定する。次いで遅延回路は0.1msのオーダの期間でこの差信号を遅延させる。この遅延された差信号は、元の左チャネル信号から及び右チャネル信号からそれぞれ加えられ又は減じられる。このように加減された左チャネル信号は、元の左チャネル信号から遅延された左信号を加え、かつ、遅延された右チャネル信号を減じたものとなる。加減された右チャネル信号は、元の右チャネル信号から遅延された右信号を加え、かつ、遅延された左チャネル信号を減じたものとなる。ステレオ信号を受信する際、遅延された左チャネル信号を右チャネル信号から減じ、かつ、遅延された右チャネル信号を左チャネル信号から減じると、ステレオ像が強められる。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
モノラル信号が受信される場合、左チャネル信号は右チャネル信号に等しい。このことは、左チャネル信号と右チャネル信号との間に見られる差がゼロに等しいことを意味し、したがって元のモノラル信号が拡声器まで通過されることを意味する。その結果、再生されたモノラルオーディオ信号のカラーリング(周波数に依存する振幅伝達)がない。しかしながら既知のステレオオーディオ再生装置には、ステレオ信号が処理される際、遅延の(n+1)/2倍(ここでnを正の整数とする。)にほぼ等しい期間を有する元の左(又は右)チャネル信号の音は、加減された左(又は右)チャネル信号中にもはや発生しないという不都合がある。このために、元の信号及び遅延された信号はこれらの信号の周波数に対して逆の位相を有する。しかしながら、これらの周波数を有する信号は他の加減された信号中に発生する。換言すれば、左チャネル中に発生し、かつ、所定の周波数を有する音は右チャネル中で再生され、かつ、右チャネル中に発生し、かつ、所定の周波数を有する音は左チャネル中で再生される。
【0006】
例えば、音響機器が、音響機器によって再生された音響のピッチに応じて左側又は右側であると感知すると、リスナには煩わしいと感じられるおそれがある。
【0007】
本発明の目的は、モノラル信号が再生される際に感知されやすい信号カラーリングが発生することなくステレオ像信号を強め、かつ、信号が左チャネルから右チャネルに及び右チャネルから左チャネルに伝わるのを回避する手段を提供することである。
【0008】
【課題を解決するための手段】
本発明によれば、この目的は、冒頭で説明したような信号合成回路と、予定された前記周波数より下の周波数に対して、前記第1の伝達特性によって決定された振幅伝達を、前記第2の伝達特性によって決定された振幅伝達より大きくし、前記第1及び第2入力部を相互接続する際、前記相互接続された入力部と前記出力部との間での周波数の関数としての振幅伝達をほぼ一定にしたことを特徴とする信号合成回路とによって達成することができる。
【0009】
左チャネル信号と右チャネル信号との両方を有するステレオオーディオ信号に相当するステレオ像を強める本発明による信号合成回路は、ステレオ信号の左チャネル信号を受信する左チャネル入力部と、ステレオ信号の右チャネル信号を受信する右チャネル入力部と、第1及び第2信号合成回路とを具え、前記左チャネル入力部を前記第1信号合成回路の第1入力部及び第2信号合成回路の第2入力部に接続し、前記右チャネル入力部を前記第1信号合成回路の第2入力部及び第2信号合成回路の第1入力部に接続する。
【0010】
本発明による信号処理回路では、濾波された右チャネル信号から濾波された左チャネル信号を減じたものを信号合成回路の出力部に発生させて、適合された右チャネル信号を供給するようにする。濾波された左チャネル信号から濾波された右チャネル信号を減じたものを信号合成回路の出力部に発生させて、適合された左チャネル信号を供給するようにする。左チャネル信号から生じた二つの出力部の信号成分は、異なる位相特性を有する信号路を伝送され、その結果異なる信号路のこれら左チャネル信号成分間に位相差が存在する。右チャネル信号から生じた出力部の信号成分に対しても、異なる信号路の伝達特性によって生じた位相差が存在する。これらの位相差によりステレオ像が強められる。
【0011】
第1信号路の振幅伝達が第2信号路の振幅伝達より大きいので、信号を一方のチャネルから他方のチャネルに伝えることができない。伝達特性を、モノラル信号に対する振幅伝達が周波数の関数としてほぼ一定となるように選択する。この場合、再生されたモノラル信号にカラーリングが殆ど存在しない。
【0012】
信号合成回路の好適例は、前記信号合成回路は、第1入力部、第2入力部及び出力部を有する信号組合せ回路と、前記信号合成回路の第1入力部と前記信号組合せ回路の第1入力部との間に接続された第1フィルタと、前記信号合成回路の第2入力部と前記信号組合せ回路の第2入力部との間に接続された第2フィルタと、前記信号合成回路の出力部と前記信号組合せ回路の出力部との間に接続された第3フィルタとを具えることを特徴とするものである。
【0013】
第3フィルタを利用すると、二つの信号路の信号で行うべきフィルタ動作が同一のフィルタで行われ、したがって回路が簡単になるという利点がある。
【0014】
本発明による信号処理回路をステレオオーディオ再生装置に使用する場合、このステレオオーディオ再生装置は、左チャネル及び右チャネルの非常に低い周波数の音の和を再生するいわゆるサブウーハを具え、サブウーハ用の信号を、信号処理回路で適合させたチャネル信号から簡単に得ることができる。したがって、低周波数の音の和に対する周波数の関数としての振幅伝達は一定である。
【0015】
このステレオオーディオ再生装置を視聴覚再生装置に用いると非常に有効である。このような視聴覚装置では、拡声器及び画像再生スクリーンは一般に同一のキャビネットに収納されている。キャビネットの大きさは制限されているので、拡声器間の距離は短く、したがってステレオ像は狭い。信号処理回路によってこのステレオ像が強められるために、ステレオ再生の品質が相当高められる。
【0016】
【実施例】
図1は本発明による信号合成回路1の一実施例を示す。信号合成回路1は、(約20Hzから約20kHzまでの)可聴周波数スペクトル内の周波数を有する信号を受信する第1入力端子2及び第2入力端子3を有する。入力端子2を、伝達特性H1を有するフィルタ5を介して信号組合せ回路の入力部、例えば減算回路8の非反転入力部に結合する。入力端子3を、伝達特性H2を有するフィルタ6を介して減算回路8の反転入力部に結合する。反転入力部に供給される信号と非反転入力部に供給される信号との間で見られる差に相当する差信号を、減算回路8の出力部で発生させる。図1に示す実施例では、信号組合せ回路を減算回路とする。しかしながら、例えば加算回路のような他の信号組合せ回路でもよい。この場合も、フィルタ5とフィルタ6のうちのいずれかが追加の反転動作を行う必要がある。差信号は、伝達特性H3を有するフィルタ7によって濾波され、その後出力端子4まで通過する。
【0017】
図6において、入力端子2から出力端子4までの位相伝達特性<H1*H3及び入力端子3から出力端子4までの位相伝達特性<H2*H3をそれぞれ、周波数fに対してプロットする。
【0018】
<H1*H3と<H2*H3との間の差は、低周波数に対する180°から高周波数に対する0°まで次第に減少する。
【0019】
図2において、入力端子2から出力端子4までの振幅伝達|H1*H3|(dBで示す)及び入力端子3から出力端子4までの振幅伝達|H2*H3|(dBで示す)をそれぞれ、周波数fに対してプロットする。予定された周波数f0より上で、振幅伝達|H1*H3|及び|H2*H3|は小さくなる。入力端子2と入力端子3とを相互接続した場合に対する相互接続された入力端子2及び3から減算回路8の出力部の振幅伝達|Hm|=|(H1+H2)*H3|も図2に示す。振幅伝達|Hm|は全可聴周波数範囲に対してほぼ平坦である。入力端子2と入力端子3とを相互接続する場合に対する相互接続された入力端子2及び3から減算回路8の出力部の位相伝達特性<Hm=<(H1+H2)*H3も図6に示す。位相伝達特性<Hmは全可聴周波数範囲に亘ってほぼ平坦である。
【0020】
入力端子2と出力端子4との間の信号路の伝達特性は、伝達特性H1と伝達特性H3との積に等しい。入力端子3と出力端子4との間の信号路の伝達特性は、伝達特性H2と伝達特性H3との積に等しい。
【0021】
H1*H3に等しい伝達特性を有するフィルタをフィルタ5として選定し、かつ、H2*H3に等しい伝達特性を有するフィルタをフィルタ6として選定した場合、減算回路8の出力を出力部4に直接(濾波されずに)通過させることができるということは当業者には明らかである。
【0022】
しかしながらフィルタ7を減算回路8の出力部と出力端子4との間に配置することは、入力端子2と出力端子4との間の信号路の信号に行うべきフィルタ動作及び入力端子3と出力端子4との間の信号路の信号に行うべきフィルタ動作が一度に同一のフィルタで行われるために有利であり、したがってフィルタ5及び6をより簡単な構成とすることができる。
【0023】
図3は、ステレオ像を強める信号処理回路20を有するステレオオーディオ再生装置の一実施例を示す。この信号処理回路20は、ステレオオーディオ信号の左チャネル信号Lを受信する左チャネル入力端子21を有する。ステレオオーディオ信号の右チャネル信号Rを受信するために、信号処理回路20は右チャネル入力端子22を有する。信号処理回路20は、第1信号合成回路1a及び第2信号合成回路1bも有する。信号合成回路1a及び1bは両方とも図1に示すタイプのものとする。信号合成回路の入力端子及び出力端子に、図1に示す符号と同様に符号を付し、サフィックスa及びbは、入力端子及び出力端子が信号合成回路1aと信号合成回路1bのうちのいずれに属しているかを示す。左チャネル入力端子21を、第1信号合成回路1aの入力端子2a及び第2信号合成回路1bの入力端子3bに接続する。右チャネル入力端子22を、第2信号合成回路1bの入力端子2b及び第1信号合成回路1aの入力端子3aに接続する。
【0024】
左チャネル拡声器23を信号合成回路1aの出力端子4aに接続する。右チャネル拡声器24を信号合成回路1bの出力端子4bに接続する。
【0025】
図2に示すステレオオーディオ再生装置の動作は以下の通りである。ステレオオーディオ信号が供給される場合、濾波された左チャネル信号が左チャネル拡声器に供給される。この際、右チャネル拡声器にも濾波された左チャネル信号が供給され、この左チャネル信号の位相は、左チャネル拡声器に既に供給した濾波された左チャネル信号に対して推移されている。右チャネル拡声器に濾波された右チャネル信号が供給される。左チャネル拡声器にも濾波された右チャネル信号が供給され、この右チャネル信号の位相は、右チャネル拡声器に供給された濾波された右チャネル信号に対して推移される。位相推移された左チャネルの成分を右チャネル拡声器に供給することにより、左チャネル信号を再生する音源の位置は、左に対して推移されたものとなる。同様に、右チャネル信号を現す音源は、右に対して推移されたものとなる。換言すれば、ステレオ像が強められたものとなる。周波数f0より下の周波数に対して、入力端子2aと出力端子4aとの間の(左チャネル信号Lの)信号路の振幅伝達は、入力端子3aと出力端子4aとの間の(右チャネル信号Rの)信号路の振幅伝達の振幅伝達よりも大きく、その結果左チャネル信号Lの成分は周波数f0より下の周波数では優勢となる。この周波数f0より上のスペクトルの大部分においても、入力端子2aと出力端子4aとの間の信号路の振幅伝達は、入力端子3aと出力端子4aとの間の信号路の振幅伝達より大きい。したがって、左チャネル用のオーディオ情報の大部分は左チャネル拡声器23に供給される。左チャネル信号は、入力端子2aと出力端子4aとの間の信号路を経て左チャネル拡声器23に供給される。左チャネル信号Lは、入力端子3bと出力端子4bとの間の信号路を経て右チャネル拡声器24に供給される。(左チャネル信号Lと右チャネル信号Rとが等しい)モノラル信号が再生される場合、モノラル信号(L又はR)の振幅は全ての周波数に対して同一である。換言すれば、再生された信号のカラーリングがモノラル再生では生じない。
【0026】
図4はステレオオーディオ再生装置の別の例を示す。この図において、本発明による信号合成回路の別の例に43を付す。さらに図4は、図3に示す部材に対応する部材に同一符号を付したものを示す。符号40は、非常に低い周波数例えば250Hzより下の周波数を再生するための拡声器を示す。このような拡声器は一般にサブウーハと呼ばれている。サブウーハ40への信号は、入力端子21の左チャネル信号L及び入力端子22の右チャネル信号Rから得られる。このために、このステレオオーディオ再生装置は、左チャネル信号Lと右チャネル信号Rとを加える和回路41を有する。左チャネル信号Lと右チャネル信号Rとの和に相当する出力信号を和回路41の出力部に発生させる。この信号は、サブウーハ40の再生スペクトル内に位置した周波数を有する信号成分のみを通過させる低域通過フィルタ42を介してサブウーハ40に供給される。サブウーハ40を用いる場合、信号合成回路1及び2内のフィルタ5及び6(図1)の伝達特性を適合させ、これらフィルタ5及び6(図1)がサブウーハ40に供給されないこれら信号成分のみを通過させるように適合させることができる。
【0027】
図7は本発明によるステレオオーディオ再生装置の別の実施例を示す。図7においても、他の実施例で説明された素子と同一の素子に同一の符号を付す。
【0028】
和回路41の入力部を信号合成回路1a及び1bの出力部に接続する。加算回路の出力部の出力信号Swは、
【数1】
となる。サブウーハ周波数区域に対してHmは周波数関数として一定であるので、信号は、一定の利得係数|Hm|0 がなければ左チャネル信号Lと右チャネル信号Rとの和にほぼ等しい。
【0029】
和回路41の出力信号は、サブウーハ周波数区域内の周波数に対して一定の振幅伝達1/|Hm|0 を有する回路70に供給される。
【0030】
図5は、例えばテレビジョン受像機すなわちいわゆるマルチメディア視聴覚装置の形態の視聴覚再生装置の一実施例を示す。この視聴覚再生装置は、ビデオ画像を表示する画像表示スクリーン50を収納するキャビネット51を具える。画像表示スクリーンの左側に左チャネル拡声器23を配置する。右チャネル拡声器24を画像表示スクリーンの右側に配置する。左チャネル拡声器23及び右チャネル拡声器24を、図3又は4に示す信号合成回路20又は43によって制御する。
【0031】
視聴覚再生装置においてステレオ像を強める効果を有する信号合成回路20及び43を用いることは非常に有効である。キャビネットの大きさが制限されているので、拡声器間の距離が短く、したがってステレオ像の幅が狭い。信号合成回路によってステレオ像を強めることにより、ステレオ再生の品質が相当改善される。
【0032】
図8は図3の装置に基づくステレオオーディオ再生装置の一実施例を示す。左混合回路81及び右混合回路83を追加することにより、元の音響と処理された音響との間の混合を調整することができる。各混合回路は、第1及び第2混合入力部と、出力部とを具える。第1混合入力部を、左チャネル入力部及び右チャネル入力部にそれぞれ接続する。第2混合入力部を、第1信号合成回路の出力部及び第2信号合成回路の出力部にそれぞれ接続する。これらの混合回路において、各入力部と出力部との間の伝達関数が調整可能である。これは、音響処理の強さを選択することができる点で有利である。混合回路81,83のセッティングを継続的に調整可能すなわち2以上の固定されたセッティング間で切替自在にすることができる。簡単な一例は、混合回路の第1入力部と第2入力部のうちの一方を選択するスイッチを具えることができる。混合回路の別の例は、第1入力部から出力部までのαの伝達及び第2入力部と出力部との間の1−αの伝達を有することもできる。ここでαを0と1との間の値とする。これは、αを変化することにより混合を調整する際に総合音響レベルを一定のままにするという利点を有する。このセッティングαを、(対数)分圧器すなわち音量制御する電子回路によって実現することができる。当然、上記混合回路及びセッティング回路はアナログ信号又はデジタル信号を処理することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明による信号合成回路の一実施例を示す図である。
【図2】異なる信号路の振幅伝達特性を示す図である。
【図3】信号合成回路を用いるステレオオーディオ再生装置の一実施例を示す図である。
【図4】信号合成回路を用いるステレオオーディオ再生装置の別の実施例を示す図である。
【図5】視聴覚再生装置を示す図である。
【図6】異なる信号路の位相伝達特性を示す図である。
【図7】信号合成回路を用いるステレオオーディオ再生装置の別の実施例を示す図である。
【図8】信号合成回路を用いるステレオオーディオ再生装置の別の実施例を示す図である。
【符号の説明】
1,1a,1b,1a’,1b’ 信号合成回路
2,2a,2b 第1入力端子
3,3a,3b 第2入力端子
4,4a,4b 出力端子
5,6,7 フィルタ
8 減算回路
20,43 信号処理回路
21 左チャネル入力端子
22 右チャネル入力端子
23 左チャネル拡声器
24 右チャネル拡声器
40 サブウーハ
41 和回路
42 低域通過フィルタ
50 画像表示スクリーン
51 キャビネット
70 回路
81 左混合回路
83 右混合回路
H1,H2,H3 伝達特性
L 左チャネル信号
R 右チャネル信号
Claims (6)
- ステレオオーディオ信号に相当するステレオ像を強める信号処理回路であって、
(a)ステレオ信号の左チャネル信号を受信する左チャネル入力部と、
(b)ステレオ信号の右チャネル信号を受信する右チャネル入力部と、
(c)出力ステレオ像の左出力を発生する左チャネル出力部と、
(d)出力ステレオ像の右出力を発生する右チャネル出力部と、
(e)前記左チャネル入力部から前記左チャネル出力部への第1信号路と、
(f)前記右チャネル入力部から前記右チャネル出力部への第2信号路と、
(g)前記左チャネル入力部から前記右チャネル出力部への第3信号路と、
(h)前記右チャネル入力部から前記左チャネル出力部への第4信号路とを具え、
(i)前記第1及び第2信号路が、等しい第1伝達関数を有し、
(j)前記第3及び第4信号路が、等しい第2伝達関数を有し、
(k)前記第1及び第2伝達関数が、
i)前記第1信号路を通過した信号成分と前記第3信号路を通過した信号成分との間、及び
ii)前記第2信号路を通過した信号成分と前記第4信号路を通過した信号成分との間に生じる位相推移が発生する不一致を示す信号処理回路において、
l)予め設定された周波数範囲に対して、前記第1伝達関数によって決定された振幅伝達を、前記第2伝達関数によって決定された振幅伝達より大きくし、
m)前記予め設定された周波数範囲に対して、第1入力と第2入力とが相互接続されると、相互接続された入力チャネルと出力チャネルとの間の他の振幅伝達を、周波数の関数として一定にし、
n)前記予め設定された周波数範囲に対して、前記第2伝達関数によって決定された振幅伝達が、前記他の振幅伝達より大きくしたことを特徴とする信号処理回路。 - 前記予め設定された周波数範囲を、0Hzから予め設定された周波数までの範囲としたことを特徴とする請求項1記載の信号処理回路。
- 前記第1伝達関数の振幅伝達をαに等しくし、前記第2伝達関数の振幅伝達を1−αとし、αを0と1と間の量としたことを特徴とする請求項1記載の信号処理回路。
- 請求項1記載の信号処理回路を有するステレオオーディオ再生装置であって、前記信号処理回路の第1信号合成回路の出力部に接続した左チャネル拡声器と、前記信号処理回路の第2信号合成回路の出力部に接続した右チャネル拡声器とを具えることを特徴とするステレオオーディオ再生装置。
- 前記左チャネル入力部及び右チャネル入力部で受信された信号中に発生し、予定された低周波数より下の周波数を有する成分の和に相当する出力信号を得るために前記第1及び第2信号合成回路の出力部に結合された和回路と、この和回路の出力部に結合され、前記予定された低周波数より下の周波数を再生するように配置された低周波数拡声器とを具えることを特徴とする請求項4記載のステレオオーディオ再生装置。
- 請求項4又は5記載のステレオオーディオ再生装置と、画像表示スクリーン、左チャネル拡声器及び右チャネル拡声器が取り付けられたキャビネットとを具えることを特徴とする視聴覚再生装置。
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