JP3741715B2 - 新規c2およびc4官能基を有するバッカチン▲iii▼類似体の製法 - Google Patents

新規c2およびc4官能基を有するバッカチン▲iii▼類似体の製法 Download PDF

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Description

発明の背景
本発明は、新規C2および/またはC4官能基を有するバッカチン(baccatin)IIIおよび10−デスアセチルバッカチンIII類似体の製法に関する。
タキソール(taxol)は、イチイの樹皮から抽出される天然物である。タキソールは、インビボ動物モデルにおいて優れた抗腫瘍活性を示すことがわかっており、最近の研究により、その独特の作用型(異常なチューブリンの重合、および有糸分裂の阻害を伴う)が解明されている。タキソールは現在、卵巣癌、乳癌および他の癌に対して、フランスおよび米国で臨床試験中であり、予備試験の結果から、非常に有望な化学療法剤であることが確認されている。タキソールの構造と、通常用いられる位置番号は、下記の通りである。この位置番号は、本発明の方法において使用する化合物にも適用することができる。
Figure 0003741715
コリン(Collin)の米国特許第4814470号には、通常タキソテル(taxotere)と称されるタキソール誘導体は、タキソールよりも顕著に高い活性を有すると報告されている。タキソテルの構造は、次の通りである:
Figure 0003741715
タキソール、タキソテルおよび他の生物学的活性四環タキサンは、バッカチンIIIおよび10−デスアセチルバッカチンIIIから、米国特許第4924011号および第4924012号に記載のように、あるいは、β−ラクタムと、適当に保護したバッカチンIIIもしくは10−デスアセチルバッカチンIII(「10−DAB」)誘導体とを、米国特許第5175315号または同時係属米国特許出願第07/949107号(該文献を引用により本発明の一部とする)に記載のように反応させることによって、半合成的に製造し得る。バッカチンIII(1)および10−DAB(2)は、多種のイチイ種の針葉、茎、樹皮または心材のような天然原料を抽出した混合物から分離し得、下記構造を有する:
Figure 0003741715
タキソールおよびタキソテルの四環核は、6個の一重結合酸素置換基を有する。そのうちの2個(タキソテルの場合は3個)は、ヒドロキシル基として存在し、その他は、3種の異なるカルボン酸とのエステルである。そのような基に選択的に変更を加えることは非常に困難であるが、一連のタキソール類似体を合理的合成経路で合成するには、その困難を克服しなければならない。加水分解および加溶媒分解法は、困難であることがわかっている。例えば、タキソールを弱塩基性条件下に加水分解すると、生成物の複雑な混合物が生成すると報告されている[ミラー(Miller)ら、ザ・ジャーナル・オブ・オーガニック・ケミストリー(J.Org.Chem.)、1981、46、1469]。最近、バッカチン(III)誘導体の加溶媒分解により、四環核の転位が起こることがわかった[ファリナ(Farina)ら、テトラヘドロン・レターズ(Tetrahedron Lett.)、1992、33、3979]。
本発明の概要
本発明の目的は、バッカチンIIIおよびその類似体または誘導体のC2および/またはC4酸素に、選択的に異なる置換基を結合する方法を提供すること;比較的容易な、そのような方法を提供すること;バッカチンIIIおよびその類似体または誘導体のC2ベンゾエート置換基を、選択的に還元または加水分解し得る前記方法を提供すること;並びに、C4アセテート置換基を選択的に還元し得る前記方法を提供することである。
すなわち、本発明は、バッカチンIIIもしくは10−デスアセトキシバッカチンIIIまたはその類似体のC2置換基および/またはC4アセテート置換基を、選択的に対応するヒドロキシル基に変換することを含んで成る、バッカチンIIIもしくは10−デスアセチルバッカチンIIIの類似体または誘導体を製造する方法に関する。
更に、本発明は、式:
Figure 0003741715
[式中、R4a、R7a、R10aおよびR13aは、本明細書中に定義する通りである。]で示されるバッカチンIIIまたは10−デスアセチルバッカチンIIIの誘導体にも関する。
本発明の他の目的および特徴は、部分的には自明であり、部分的には以下の説明において示す。
本発明の詳細な説明
本発明において、“Ar”はアリール;“Ph”はフェニル;“Me”はメチル;“Et”はエチル;“iPr”はイソプロピル;“tBu”および“t−Bu”はt−ブチル;“R”は特記しない限り低級アルキル;“Ac”はアセチル;“py”はピリジン;“TES”はトリエチルシリル;“TMS”はトリメチルシリル;“TBS”はMe2t−BuSi−;“Tf”は−SO2CF3;“BMDA”はBrMgNiPr2;“Swern”は(COCl)2,Et3N;“LTMP”はリチウムテトラメチルピペリジド;“MOP”は2−メトキシ−2−プロピル;“BOM”はベンジルオキシメチル;“LDA”はリチウムジイソプロピルアミド;“LAH”は水素化アルミニウムリチウム;“Red−Al”は水素化ナトリウムビス(2−メトキシエトキシ)アルミニウム;“Ms”はCH3SO2−;“TASF”はトリス(ジエチルアミノ)スルホニウムジフルオロトリメチルシリケート;“Ts”はトルエンスルホニル;“TBAF”はテトラブチルアンモニウムハイドライド;“TPAP”は過ルテニウム酸テトラプロピルアンモニウム;“DBU”はジアザビシクロウンデカン;“DMAP”はp−ジメチルアミノピリジン;“LHMDS”はリチウムヘキサメチルジシラジド;“DMF”はジメチルホルムアミド;“AIBN”はアゾ−(ビス)−イソブチロニトリル;“10−DAB”は10−デスアセチルバッカチンIII;FARは2−クロロ−1,1,2−トリフルオロトリエチルアミン;“mCPBA”はメタクロロ過安息香酸;“DDQ”はジシアノジクロロキノン;“スルフヒドリル保護基”はヘミチオアセタール、例えば1−エトキシエチルおよびメトキシメチル、チオエステル、またはチオカーボネートを包含するが、それらに限定されない;“アミン保護基”はカルバメート、例えば2,2,2−トリクロロエチルカルバメートまたはt−ブチルカルバメートを包含するが、それらに限定されない;“保護ヒドロキシ”は−OP(Pはヒドロキシ保護)。“ヒドロキシ保護基”は炭素数2〜10のアセタール;炭素数2〜10のケタール;エーテル、例えばメチル、t−ブチル、ベンジル、p−メトキシベンジル、p−ニトロベンジル、アリル、トリチル、メトキシメチル、メトキシエトキシメチル、エトキシエチル、テトラヒドロピラニル、テトラヒドロチオピラニル、およびトリアルキルシリルエーテル(例えばトリメチルシリルエーテル、トリエチルシリルエーテル、ジメチルアリールシリルエーテル、トリイソプロピルシリルエーテルおよびt−ブチルジメチルシリルエーテル);エステル、例えばベンゾイル、アセチル、フェニルアセチル、ホルミル、モノ−、ジ−およびトリハロアセチル(例えばクロロアセチル、ジクロロアセチル、トリクロロアセチル、トリフルオロアセチル);カーボネート、例えば炭素原子数1〜6のアルキルカーボネート(例えばメチル、エチル、n−プロピル、イソプロピル、n−ブチル、t−ブチル、イソブチルおよびn−ペンチル)、炭素原子数1〜6で、1個またはそれ以上のハロゲン原子で置換されたアルキルカーボネート(例えば2,2,2−トリクロロエトキシメチルおよび2,2,2−トリクロロエチル)、炭素原子数2〜6のアルケニルカーボネート(例えばビニルおよびアリル)、炭素原子数3〜6のシクロアルキルカーボネート(例えばシクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチルおよびシクロヘキシル)、1個またはそれ以上のC1-6アルコキシまたはニトロで環が置換されていることもあるフェニルまたはベンジルカーボネートを包含するが、それらに限定されない。他のヒドロキシ、スルフヒドリルおよびアミン保護基は、「プロテクティブ・グルーブス・イン・オーガニック・シンセシス(Protective Groups in Organic Synthesis)」、ティ・ダブリュ・グリーン(T.W.Greene)、ジョン・ワイリー・アンド・サンズ(John Wiley and Sons)、1981を参照し得る。
アルキル基は、好ましくは、主鎖の炭素原子数1〜6で、炭素原子数15までの低級アルキルである。アルキル基は直鎖または分枝状であってよく、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル、ヘキシルなどを包含する。アルキル基は、本明細書中に記載する種々の置換基でヘテロ置換されていてよい(アルカリールを包含する)。
アルケニル基は。
、好ましくは、主鎖の炭素原子数2〜6で、炭素原子数15までの低級アルケニルである。アルケニル基は直鎖または分枝状であってよく、エテニル、プロペニル、イソプロペニル、ブテニル、イソブテニル、ヘキセニルなどを包含する。アルケニル基は、本明細書中に記載する種々の置換基でヘテロ置換されていてよい(アルケンアリールを包含する)。
アルキニル基は、好ましくは、主鎖の炭素原子数2〜6で、炭素原子数15までの低級アルキニルである。アルキニル基は直鎖または分枝状であってよく、エチニル、プロピニル、ブチニル、イソブチニル、ヘキシニルなどを包含する。アルキニル基は、本明細書中に記載する種々の置換基でヘテロ置換されていてよい(アルキンアリールを包含する)。
アリール基は、炭素原子数6〜15で、フェニルを包含する。アリール基は、後述の種々の置換基で炭化水素またはヘテロ置換されていてよい。フェニルが好ましいアリールである。
ヘテロアリール基は、炭素原子数5〜15で、フリル、チエニル、ピリジルなどを包含する。ヘテロアリール基は、後述の種々の置換基で炭素水素またはヘテロ置換されていてよい。
アシル基は、アルキル、アルケニル、アルキニル、アリールまたはヘテロアリール基を有する。
アルコキシカルボニルオキシ基は、低級アルキル、アルケニル、アルキニルまたはアリール基を有する。
炭化水素置換基は、アルキル、アルケニル、アルキニルまたはアリールであり得、ヘテロ置換アルキル、アルケニル、アルキニル、アリールおよびヘテロアリール基のヘテロ置換基は、窒素、酸素、イオウ、ハロゲンおよび/または炭素1〜6個を含み得、低級アルコキシ(例えばメトキシ、エトキシ、ブトキシ)、ハロゲン(例えばクロロまたはフルオロ)、ニトロ、ヘテロアリール(例えばフリルまたはチエニル)、アルカンオキシ、ヒドロキシ、保護ヒドロキシ、アシル、アシルオキシ、ニトロ、アミノおよびアミドを包含する。
驚くべきことに、式:
Figure 0003741715
で示される適当に保護したバッカチンIIIまたは10−DAB誘導体のC2エステルを選択的に還元して、式:
Figure 0003741715
で示される1,2−ジオールとし得、それを1,2−カーボネート中間体に変換し得、それにより、アルキル、アルケニル、アルキニルもしくはアリールリチウム試薬またはグリニヤール試薬との反応によって、種々のC2エステルを選択的に生成できることがわかった。1,2−カーボネート中間体は、下記式で示される:
Figure 0003741715
[式中、
4aは水素、アルキル、アルケニル、アルキニル、アリール、ヘテロアリール、シアノ、ヒドロキシ、または−OCOR30
6は水素、アルキル、アルケニル、アルキニル、アリールもしくはヘテロアリール、ヒドロキシ、保護ヒドロキシ、またはR6aと共にオキソを形成;
6aは水素、アルキル、アルケニル、アルキニル、アリールもしくはヘテロアリール、ヒドロキシ、保護ヒドロキシ、またはR6と共にオキソを形成;
7は水素、またはR7aと共にオキソを形成;
7aは水素、ハロゲン、保護ヒドロキシ、−OR28、またはR7と共にオキソを形成;
9は水素、またはR9aと共にオキソを形成;
9aは水素、ヒドロキシ、保護ヒドロキシ、またはR9と共にオキソを形成;
10は水素、またはR10aと共にオキソを形成;
10aは水素、ヒドロキシ、保護ヒドロキシ、またはR10と共にオキソを形成;
13はヒドロキシまたは保護ヒドロキシ;
14は水素、アルキル、アルケニル、アルキニル、アリールまたはヘテロアリール;
14aは水素、アルキル、アルケニル、アルキニル、アリールもしくはヘテロアリール、ヒドロキシ、保護ヒドロキシ、またはR1と共にカーボネートを形成;
28は水素、ヒドロキシ保護基、またはタキサン誘導体の溶解性を高める官能基;
29、R30およびR31はそれぞれ水素、アルキル、アルケニル、アルキニル、単環アリールまたは単環ヘテロアリール。]。
C2および/またはC4アシル基を選択的に除去し、それによってそのエステルを対応するアルコールに変換するいずれの剤を使用してもよい。そのような剤は、還元剤、好ましくはアルミニウムまたはホウ素の水素化物、より好ましくはアルキル置換アルミニウム水素化物またはアルキル置換ホウ水素化物、最も好ましくは水素化アルミニウムリチウム(“LAH”)、水素化ナトリウムビス(2−メトキシエトキシ)アルミニウム(“Red−Al”)、またはリチウムトリエチルボロハイドライドである。また、そのような剤は、塩基、好ましくはテトラアルキルアンモニウム塩基、最も好ましくはテトラブチルアンモニウムヒドロキシドであってもよい。エステルから対応するアルコールへの変換は、単相の無水系(例えば塩化メチレン)中で行う。
C2および/またはC4エステルを対応するアルコールに還元した後、無水物および酸クロリドのような通常のアシル化剤を、ピリジン、トリエチルアミン、DMAPまたはジイソプロピルエチルアミンのようなアミンと組み合わせて使用して、C2および/またはC4に新しいエステルを形成し得る。また、C2および/またはC4アルコールを、新しいC2および/またはC4エステルに変換するために、アルコールをLDAのような適当な塩基で処理して対応するアルコキシドを形成後、酸クロリドのようなアシル化剤で処理してもよい。
本発明の一態様においては、C2ベンゾエート置換基および/またはC4アセテート置換基を有するバッカチンIIIまたは10−デスアセチルバッカチンIIIの誘導体または類似体から、バッカチンIIIまたは10−デスアセチルバッカチンIIIの誘導体または類似体を製造する方法であって、C2ベンゾエート置換基および/またはC4アセテート置換基をアルミネートで選択的に還元して、対応するヒドロキシル基とし、C2ヒドロキシ置換基および/またはC4ヒドロキシ置換基をアシル化して、C2ヒドロキシ置換基をR31COO−に、および/またはC4ヒドロキシ置換基をR30COO−に変換することを含んで成り、R31およびR30はそれぞれ、H、場合により置換されたC1−C6アルキル、場合により置換されたC2−C6アルケニル、場合により置換されたC2−C6アルキニル、場合により置換された単環アリールまたは場合により置換された単環ヘテロアリールである方法において、製造するバッカチンIIIまたは10−デスアセチル誘導体の誘導体または類似体は、式:
Figure 0003741715
[式中、
4aはヒドロキシ、または−OCOR30
6は水素、アルキル、アルケニル、アルキニル、アリールもしくはヘテロアリール、ヒドロキシ、保護ヒドロキシ、またはR6aと共にオキソを形成;
6aは水素、アルキル、アルケニル、アルキニル、アリールもしくはヘテロアリール、ヒドロキシ、保護ヒドロキシ、またはR6と共にオキソを形成;
7は水素、またはR7aと共にオキソを形成;
7aは水素、ハロゲン、保護ヒドロキシ、−OR28、またはR7と共にオキソを形成;
9は水素、またはR9aと共にオキソを形成;
9aは水素、ヒドロキシ、保護ヒドロキシ、またはR9と共にオキソを形成;
10は水素、またはR10aと共にオキソを形成;
10aは水素、ヒドロキシ、保護ヒドロキシ、またはR10と共にオキソを形成;
13はヒドロキシまたは保護ヒドロキシ;
14は水素、アルキル、アルケニル、アルキニル、アリールまたはヘテロアリール;
14aは水素、アルキル、アルケニル、アルキニル、アリールもしくはヘテロアリール、ヒドロキシ、保護ヒドロキシ、またはR1と共にカーボネートを形成;
28は水素、ヒドロキシ保護基、またはタキサン誘導体の溶解性を高める官能性;
30およびR31はそれぞれ水素、アルキル、アルケニル、アルキニル、単環アリールまたは単環ヘテロアリール。]
で示される。
以下詳細に説明するように、新規C2および/またはC4エステルを有するバッカチンIIIおよび10−DAB誘導体は、いくつかの反応式に従って合成し得る。説明を単純化するために、反応式1〜6において、10−DABを出発物質として使用する。しかし、単に10−DABの代わりにバッチカンIIIを出発物質として使用することにより、バッカチンIII誘導体または類似体も同様の反応(TESによるC10ヒドロキシル基の保護を除く)により合成し得る。
反応式1
Figure 0003741715
反応式1において、10−デアセチルバッカチン(III)のC7ヒドロキシル基を、グリーン(Greene)らのザ・ジャーナル・オブ・ジ・アメリカン・ケミカル、ソサエティ(JACS)、110、5917(1988)に記載のように、トリエチルシリル(TES)エーテルとして選択的に保護した。次いで、n−ブチルリチウムおよびトリエチルシリルクロリドを用いて、C10ヒドロキシル基をTESエーテルとして保護した。その後、C13ヒドロキシル基を、トリメチルシリル(TMS)エーテルとして保護した。この保護基は、後の工程において選択的に除去することができた。充分に保護した13−O−トリメチルシリル−7,10−ビス−O−トリエチルシリル−10−デアセチルバッカチン(III)(3)を、Red−Alによる選択的還元に付して、2−ヒドロキシ誘導体(4)を得た。2−ヒドロキシ誘導体(4)は、充分保護したバッカチンIII(3)をテトラブチルアンモニウムボロハイドライドで選択的還元するか、または充分保護したバッカチンIIIのC4エステルを、テトラブチルアンモニウムヒドロキシドで加水分解することによっても得られる。(4)をエーテルn−ブチルリチウムまたは嵩高いアミド塩基(例えばLDA)で脱プロトン化し、次いで適当な酸クロリドを付加することによって、C2エステル誘導体(5)を得た。その後、HFを用いて、C13TMS基を除去し得る。
反応式2に示すように、1,2−ジオール(4)を1,2−カーボネート(6)に容易に変換し、それを穏やかな条件下にRed−Alで処理することにより、C2ホルメート(5)(R31=H)に変換することができる。また、カーボネート(6)を、求核剤(例えばグリニヤール試薬またはアルキルリチウム試薬)と選択的に反応させることによっても、C2エステル誘導体(5)が得られる。この場合も、後でHFを用いて、C13TMS基を除去し得る。
反応式2
Figure 0003741715
C4のみ、またはC2およびC4の両方に異なる置換基を有する10−DAB類似体は、反応式3〜6に示すように合成し得る。
反応式3においては、保護10−DAB(3)を水素化アルミニウムリチウムでトリオール(7)に変換する。その後、Cl2CO/ピリジン、次いで求核剤(例えばグリニヤール試薬またはアルキルリチウム試薬)を用いて、トリオール(7)を対応するC2エステルに変換する。
反応式3
Figure 0003741715
保護10−DAB(3)を、リチウムトリエチルボロハイドライドで処理して、C4アセチル基を選択的に除去することにより、直接C2エステルに変換することもできる。また、トリオール(7)をLDAで脱プロトン化し、次いで酸クロリドを導入すると、C4エステルが選択的に生成する。例えば、塩化アセチルを使用して、トリオール(7)を1,2−ジオール(4)に変換した(反応式4参照)。
反応式4
Figure 0003741715
トリオール(7)は、1,2−カーボネート(8)にも容易に変換し得る。反応式5に示すように、通常の激しい条件下にカーボネート(8)をアセチル化して、カーボネート(6)を得る;反応式2に示すように、カーボネート(6)にアルキルリチウムまたはグリニヤール試薬を付加すると、C4に遊離ヒドロキシル基を有するC2エステルが生成する。反応式6に示すように、他のC4置換基を導入するには、カーボネート(8)と、酸クロリドおよび第三級アミンとの反応により、カーボネート(10)を得、それをアルキルリチウムまたはグリニヤール試薬と反応させて、C2に新しい置換基を有する10−DAB誘導体を生成すればよい。
反応式5
Figure 0003741715
反応式6
Figure 0003741715
他のアシルオキシC2およびC10置換基を有するタキサンは、反応式7に示すように、例えばバッカチンIIIを出発物質として使用して合成し得る。バッカチンIIIを、C7およびC13において保護した後、LAHで還元して、1,2,4,10−テトラオール(12)を得る。テトラオール(12)を、Cl2COおよびピリジンを用いてカーボネート(13)に変換し、カーボネート(13)を、C10において酸クロリドおよびピリジンでアシル化してカーボネート(14)(反応式に示す)を得るか、または無水酢酸およびピリジンと反応させる(反応式に示さず)。カーボネート(14)を通常の激しい条件下にアセチル化してカーボネート(15)を得、これをアルキルリチウムと反応させて、C2およびC10に新しい置換基を有するバッカチンIII誘導体を得る。
反応式7
Figure 0003741715
Figure 0003741715
新しいC2およびC4置換基を有するバッカチンIIIの10−デスアセトキシ誘導体、および10−DABの10−デスオキシ誘導体は、反応式1〜6において、単に10−DABの代わりに10−デスアセトキシバッカチンIIIを出発物質として使用することにより、同様の反応(TESによるC10ヒドロキシル基の保護を除く)で合成し得る。バッカチンIIIおよび10−DABは、二ヨウ化サマリウムとの反応により、選択的かつほぼ定量的に、対応する10−デスアセトキシまたは10−デスオキシタキサンに変換する。また、新しいC2およびC4置換基を有する10−DAB誘導体を二ヨウ化サマリウムと反応させて、対応する10−デアセトキシ化合物を得ることもできる。
反応式8に示すように、バッカチンIIIとBu4NBH4と塩化メチレン中で反応させて、9−デスオキソ−9β−ヒドロキシバッカチンIII(5)を得る。C7ヒドロキシル基を、例えばトリエチルシリル保護基で保護した後、7−保護−9β−ヒドロキシ誘導体(6)を反応式1〜7の出発物質として使用し得る。
反応式8
Figure 0003741715
また、反応式9に示すように、7−保護−9β−ヒドロキシ誘導体(6)のC13ヒドロキシル基を、トリメチルシリルまたは他の保護基(C7ヒドロキシ保護基に対し相対的に選択的除去することができる)で保護し、タキサンの種々の置換基を更に選択的に変更することができる。例えば、7,13−保護−9β−ヒドロキシ誘導体(7)とKHとの反応により、アセテート基がC10からC9へ、ヒドロキシル基がC9からC10へ移り、10−デスアセチル誘導体(8)が生成する。10−デスアセチル誘導体(8)のC10ヒドロキシル基をトリエチルシリルで保護して、誘導体(9)を得る。誘導体(9)からC13ヒドロキシ保護基を選択的に除去して、誘導体(10)を得、これを反応式1〜7の出発物質として使用し得る。
反応式9
Figure 0003741715
反応式10に示すように、10−デスアセチル誘導体(8)の酸化により、10−オキソ誘導体(11)を得ることができる。次いで、C13ヒドロキシ保護基を選択的除去した後、前記のように側鎖を結合して、9−アセトキシ−10−オキソ−タキソール、または他のC13側鎖を有する9−アセトキシ−10−オキソ四環タキサンを得ることができる。また、10−オキソ誘導体(11)を、二ヨウ化サマリウムのような還元剤で還元することにより、C9アセテート基を選択的除去して、9−デスオキソ−10−オキソ誘導体(12)を得、それを反応式1〜7の出発物質として使用し得る。
反応式10
Figure 0003741715
反応式11に示すように、10−DABを還元してペンタオール(13)を得ることができる。次いで、ペンタオール(13)のC7およびC10ヒドロキシル基を、トリエチルシリルまたは他の保護基で選択的保護して、トリオール(14)を得、これを前記反応式1〜7の出発物質として使用し得る。
反応式11
Figure 0003741715
C9および/またはC10にアセテート以外のアシルオキシ置換基を有するタキサンは、反応式12に示すように、10−DABを出発物質として合成することができる。ピリジン中で10−DABとトリエチルシリルクロリドとを反応させることにより、7−保護10−DAB(15)を得る。次いで、7−保護10−DAB(15)のC10ヒドロキシ置換基を、通常のアシル化剤で容易にアシル化して、新しいC10アシルオキシ置換基を有する誘導体(16)を得ることができる。誘導体(16)のC9ケト置換基の選択的還元により、9β−ヒドロキシ誘導体(17)を得、それにC13側鎖を結合し得る。また、前記反応式9と同様に、C10およびC9基の転移も行い得る。
反応式12
Figure 0003741715
バッカチンIIIの10−デスアセトキシ誘導体、および10−DABの10−デスオキシ誘導体は、バッカチンIIIまたは10−DAB(またはそれらの誘導体)と、二ヨウ化サマリウムとの反応によって合成し得る。C10脱離基を有する四環タキサンと、二ヨウ化サマリウムとの反応は、テトラヒドロフランのような溶媒中、0℃で行い得る。二ヨウ化サマリウムは、C10脱離基を好都合に選択的に脱離する;C13側鎖、および四環核上の他の置換基は損なわれない。その後、本明細書中に説明するように、C9ケト置換基を還元して、対応する9−デスオキソ−9β−ヒドロキシ−10−デスアセトキシまたは10−デスオキシ誘導体を生成し得る。
C7ジヒドロおよび他のC7置換タキサンは、反応式13、14および14aに示すように合成し得る。
反応式13
Figure 0003741715
反応式14
Figure 0003741715
反応式14a
Figure 0003741715
反応式14に示すように、バッカチンIIIをTHF溶液中、室温でFARにより処理して、7−フルオロバッカチンIIIに変換し得る。遊離C7ヒドロキシル基を有する他のバッカチン誘導体も、同様に反応する。7−クロロバッカチンIIIは、バッカチンIIIを、過剰のトリエチルアミンヒドロクロリドを含有する塩化メチレン溶液中で、メタンスルホニルクロリドおよびトリエチルアミンで処理することによって合成し得る。
C7アシルオキシ置換基を有するタキサンは、反応式14aに示すように合成し得る。7,13−保護10−オキソ−誘導体(11)を、そのC13保護基を選択的除去して金属(例えばリチウム)に交換することによって、対応するC13アルコキシドに変換する。次いで、アルコキシドを、β−ラクタムまたは他の側鎖前駆物質と反応させる。その後、C7保護基を加水分解すると、C7ヒドロキシ置換基がC10に、C10オキソ置換基がC9に、C9アシルオキシ置換基がC7に転移する。
種々の三環タキサンが天然に存在し、本明細書中に説明するものと同様の方法で、そのC13酸素に適当な側鎖を結合し得る。また、反応式15に示すように、7−O−トリエチルシリルバッカチンIIIを、塩化メチレン溶液中、テトラフルオロホウ酸トリメチルオキソニウムの作用により、三環タキサンに変換し得る。次いで、生成したジオールを四酢酸鉛と反応させて、対応するC4ケトンを得ることができる。
反応式15
Figure 0003741715
最近、ヒドロキシル化タキサン(14−ヒドロキシ−10−デアセチルバッカチンIII)が、イチイ針葉抽出物中に見出された[ケミカル・アンド・エンジニアリング・ニューズ(C&EN)、36−37頁、1993年4月12日]。C2、C4などに前記のような種々の官能基を有するヒドロキシル化タキサン誘導体も、上記ヒドロキシル化タキサンを用いて合成し得る。更に、C14ヒドロキシル基は、ケミカル・アンド・エンジニアリング・ニューズに記載のように10−DABのC1ヒドロキシル基と共に1,2−カーボネートに変換でき、またはC2、C4、C7、C9、C10およびC13置換基に関して本明細書中に説明するような種々のエステルもしくは他の官能基に変換し得る。
C13側鎖、および種々のC2および/またはC4置換基を有する四環タキサンは、種々のC2および/またはC4置換基を有するバッカチンIIIおよび10−DAB誘導体から、既知の方法によって容易に合成し得る。例えば、バッカチンIIIまたは10−DAB誘導体への適当な側鎖の結合は、米国特許第4924011号および第4924012号に記載のように、あるいは、β−ラクタムと、適当に保護したバッカチンIIIまたは10−デスアセチルバッカチンIII誘導体とを、反応式14aに示すように反応させることによって行い得る。反応式14a中、X1〜X5の意義は次の通りである;
1は−OX6、−SX7または−NX89
2は水素、アルキル、アルケニル、アルキニル、アリールまたはヘテロアリール;
3およびX4はそれぞれ、水素、アルキル、アルケニル、アルキニル、アリールまたはヘテロアリール;
5は−COX10、−COOX10、−COSX10、−CONX810または−SO211
6は水素、アルキル、アルケニル、アルキニル、アリール、ヘテロアリール、ヒドロキシ保護基、またはタキサン誘導体の水溶性を高める官能基;
7はアルキル、アルケニル、アルキニル、アリール、ヘテロアリールまたはスルフヒドリル保護基;
8は水素、アルキル、アルケニル、アルキニル、アリール、ヘテロアリール、またはヘテロ置換アルキル、アルケニル、アルキニル、アリールもしくはヘテロアリール;
9はアミノ保護基;
10はアルキル、アルケニル、アルキニル、アリール、ヘテロアリール、またはヘテロ置換アルキル、アルケニル、アルキニル、アリールもしくはヘテロアリール;
11はアルキル、アルケニル、アルキニル、アリール、ヘテロアリール、−OX10または−NX814
14は水素、アルキル、アルケニル、アルキニル、アリールまたはヘテロアリール。
以下の実施例により、本発明を更に説明する。
実施例1
Figure 0003741715
(64−4)
2−デスベンゾイル−2−(3−メトキシベンゾイル)−10−デアセチル−N−デスベンゾイル−N−(t−ブトキシカルボニル)タキソールの製造
THF(0.5ml)中の2−デスベンゾイル−2−(3−メトキシベンゾイル)−10−デアセチル−7,10−ビス(トリエチルシリル)バッカチンIII(48.2mg、0.060ミリモル)の溶液に、−45℃で、ヘキサン中のLiN(SiMe3)2の1.00M溶液(0.066ml)を滴下した。−45℃で0.5時間後、THF(0.5ml)中のシス−1−(t−ブトキシカルボニル)−3−トリエチルシリルオキシ−4−フェニルアゼチジン−2−オン(90mg、0.240ミリモル)の溶液を、混合物に滴下した。溶液を0℃に昇温し、その温度に1時間保った後、THF中のAcOHの10%溶液(0.5ml)を加えた。混合物を、飽和NaHCO3水溶液および60/40酢酸エチル/ヘキサンに分配した。有機相を蒸発して得た残渣を、シリカゲルで濾過することにより精製して、(2'R,3'S)−2',7,10−トリス(トリエチルシリル)−2−デスベンゾイル−2−(3−メトキシベンゾイル)−10−デアセチル−N−デベンゾイル−N−(t−ブトキシカルボニル)タキソールおよび極く少量の(2'S,3'R)異性体を含有する混合物70.8mgを得た。
アセトニトリル(4ml)およびピリジン(0.19ml)中の、上記反応によって得た混合物(70.8mg)の溶液に、0℃で、48%HF水溶液(0.52ml)を加えた。混合物を0℃で3時間、および次いで25℃で13時間攪拌し、飽和炭酸水素ナトリウム水溶液および酢酸エチルに分配した。酢酸エチル溶液を蒸発して得た残渣50.3mgを、再結晶により精製して、2−デスベンゾイル−2−(3−メトキシベンゾイル)−10−デアセチル−N−デベンゾイル−N−(t−ブトキシカルボニル)タキソール43.1mg(86%)を得た。
m.p.162−164℃;[α]25 Na−61.6°(c 0.790、CHCl3)。
1H NMR(CDCl3、300MHz)δ7.67(m、2H、メトキシベンゾエート、オルト)、7.36(m、6H、芳香環)、7.15(m、1H、メトキシベンゾエート)、6.19(m、1H、H13)、5.65(d、J=6.9Hz、1H、H2β)、5.50(m、1H、NH)、5.21(m、2H、H3'、H10)、4.95(dd、J=7.8、1.8Hz、1H、H5)、4.60(m、1H、H2')、4.33(d、J=8.7Hz、1H、H20α)、4.23(m、1H、H7)、4.17(d、J=8.7Hz、1H、H20β)、3.89(d、J=6.9Hz、1H、H3)、3.86(s、3H、メトキシ)、3.56(m、1H、2'OH)、2.55(m、1H、H6α)、2.34(s、3H、4Ac)、2.23(m、2H、H14)、1.83(s、3H、Me18)、1.79(m、1H、H6β)、1.73(s、3H、Me19)、1.32(s、9H、t−ブチル)、1.22(s、3H、Me17)、1.11(s、3H、Me16)。
実施例2
Figure 0003741715
(65−1)
2−デスベンゾイル−2−(3−メチルベンゾイル)−10−デアセチル−N−デスベンゾイル−N−(t−ブトキシカルボニル)タキソールの製造
THF(0.5ml)中の2−デスベンゾイル−2−(3−メチルベンゾイル)−10−デアセチル−7,10−ビス(トリエチルシリル)バッカチンIII(47.2mg、0.060ミリモル)の溶液に、−45℃で、ヘキサン中のLiN(SiMe3)2の1.00M溶液(0.0066ml)を滴下した。−45℃で0.5時間後、THF(0.5ml)中のシス−1−(t−ブトキシカルボニル)−3−トリエチルシリルオキシ−4−フェニルアゼチジン−2−オン(90mg、0.240ミリモル)の溶液を、混合物に滴下した。溶液を0℃に昇温し、その温度に1時間保った後、THF中のAcOHの10%溶液(0.5ml)を加えた。混合物を、飽和NaHCO3水溶液および60/40酢酸エチル/ヘキサンに分配した。有機相を蒸発して得た残渣を、シリカゲルで濾過することにより精製して、(2'R,3'S)−2',7,10−トリス(トリエチルシリル)−2−デスベンゾイル−2−(3−メチルベンゾイル)−10−デアセチル−N−デベンゾイル−N−(t−ブトキシカルボニル)タキソールおよび極く少量の(2'S,3'R)異性体を含有する混合物70.0mgを得た。
アセトニトリル(4ml)およびピリジン(0.19ml)中の、上記反応によって得た混合物(70.0mg)の溶液に、0℃で、48%HF水溶液(0.52ml)を加えた。混合物を0℃で3時間、および次いで25℃で13時間攪拌し、飽和炭酸水素ナトリウム水溶液および酢酸エチルに分配した。酢酸エチル溶液を蒸発して得た残渣49.3mgを、再結晶により精製して、2−デスベンゾイル−2−(3−メチルベンゾイル)−10−デアセチル−N−デスベンゾイル−N−(t−ブトキシカルボニル)タキソール41.9mg(85%)を得た。
m.p.169−171℃;[α]25 Na−60.4°(c 0.510、CHCl3)。
1H NMR(CDCl3、300MHz)δ7.91(m、2H、ベンゾエート)、7.38(m、7H、芳香環)、6.21(m、1H、H13)、5.65(d、J=7.2Hz、1H、H2β)、5.42(m、1H、NH)、5.26(m、1H、H3')、5.20(d、J=1.2Hz、1H、H10)、4.94(m、1H、H5)、4.61(m、1H、H2')、4.31(d、J=8.7Hz、1H、H20α)、4.24(m、1H、H7)、4.17(d、J=8.7Hz、1H、H20β)、3.91(d、J=7.2Hz、1H、H3)、3.37(m、1H、2'OH)、2.57(m、1H、H6α)、2.43(s、3H、4Ac)、2.26(m、2H、H14)、2.17(s、3H、メチルベンゾエート)、1.84(s、3H、Me18)、1.79(m、1H、H6β)、1.74(s、3H、Me19)、1.33(s、9H、t−ブチル)、1.22(s、2H、Me17)、1.12(s、3H、Me16)。
実施例3
Figure 0003741715
(65−2)
2−デスベンゾイル−2−(3−クロロベンゾイル)−10−デアセチル−N−デスベンゾイル−N−(t−ブトキシカルボニル)タキソールの製造
THF(0.5ml)中の2−デスベンゾイル−2−(3−クロロベンゾイル)−10−デアセチル−7,10−ビス(トリエチルシリル)バッカチンIII(48.4mg、0.060ミリモル)の溶液に、−45℃で、ヘキサン中のLiN(SiMe3)2の1.00M溶液(0.066ml)を滴下した。−45℃で0.5時間後、THF(0.5ml)中のシス−1−(t−ブトキシカルボニル)−3−トリエチルシリルオキシ−4−フェニルアゼチジン−2−オン(90mg、0.240ミリモル)の溶液を、混合物に滴下した。溶液を0℃に昇温し、その温度に1時間保った後、THF中のAcOHの10%溶液(0.5ml)を加えた。混合物を、飽和NaHCO3水溶液および60/40酢酸エチル/ヘキサンに分配した。有機相を蒸発して得た残渣を、シリカゲルで濾過することにより精製して、(2'R,3'S)−2',7,10−トリス(トリエチルシリル)−2−デスベンゾイル−2−(3−クロロベンゾイル)−10−デアセチル−N−デスベンゾイル−N−(t−ブトキシカルボニル)タキソールおよび極く少量の(2'S,3'R)異性体を含有する混合物71mgを得た。
アセトニトリル(4ml)およびピリジン(0.19ml)中の、上記反応によって得た混合物(71mg)の溶液に、0℃で、48%HF水溶液(0.52ml)を加えた。混合物を0℃で3時間、および次いで25℃で13時間攪拌し、飽和炭酸水素ナトリウム水溶液および酢酸エチルに分配した。酢酸エチル溶液を蒸発して得た残渣50.5mgを、再結晶により精製して、2−デスベンゾイル−2−(3−クロロベンゾイル)−10−デアセチル−N−デスベンゾイル−N−(t−ブトキシカルボニル)タキソール40.4mg(80%)を得た。
m.p.149−150℃;[α]25 Na−53.3°(c 0.510、CHCl3)。
1H NMR(CDCl3、300MHz)δ8.11(br s、1H、クロロベンゾエート オルト)、7.98(d、J=7.5Hz、1H、クロロベンゾエート オルト)、7.59(m、1H、クロロベンゾエート)、7.45(t、J=7.5Hz、1H、クロロベンゾエート)、7.38(m、5H、芳香環)、6.18(m、1H、H13)、5.62(d、J=7.2Hz、1H、H2β)、5.41(m、1H、H3')、5.24(m、1H、NH)、5.20(d、J=1.0Hz、1H、H10)、4.95(dd、J=9.3、1.2Hz、1H、H5)、4.59(m、1H、H2')、4.30(d、J=8.4Hz、1H、H20α)、4.23(m、1H、H7)、4.15(d、J=8.4Hz、1H、H20β)、3.91(d、J=7.2Hz、1H、H3)、3.35(m、1H、2'OH)、2.58(m、1H、H6α)、2.36(s、3H、4Ac)、2.24(m、2H、H14)、1.84(s、3H、Me18)、1.79(m、1H、H6β)、1.75(s、3H、Me19)、1.34(s、9H、t−ブチル)、1.23(s、3H、Me17)、1.12(s、3H、Me16)。
実施例4
Figure 0003741715
(65−3)
2−デスベンゾイル−2−(3−トリフルオロメチルベンゾイル)−10−デアセチル−N−デスベンゾイル−N−(t−ブトキシカルボニル)タキソールの製造
THF(0.5ml)中の2−デスベンゾイル−2−(3−トリフルオロメチルベンゾイル)−10−デアセチル−7,10−ビス(トリエチルシリル)バッカチンIII(50.4mg、0.060ミリモル)の溶液に、−45℃で、ヘキサン中のLiN(SiMe3)2の1.00M溶液(0.066ml)を滴下した。−45℃で0.5時間後、THF(0.5ml)中のシス−1−(t−ブトキシカルボニル)−3−トリエチルシリルオキシ−4−フェニルアゼチジン−2−オン(90mg、0.240ミリモル)の溶液を、混合物に滴下した。溶液を0℃に昇温し、その温度に1時間保った後、THF中のAcOHの10%溶液(0.5ml)を加えた。混合物を、飽和NaHCO3水溶液および60/40酢酸エチル/ヘキサンに分配した。有機相を蒸発して得た残渣を、シリカゲルで濾過することにより精製して、(2'R,3'S)−2',7,10−トリス(トリエチルシリル)−2−デスベンゾイル−2−(3−トリフルオロメチルベンゾイル)−10−デアセチル−N−デスベンゾイル−N−(t−ブトキシカルボニル)タキソールおよび極く少量の(2'S,3'R)異性体を含有する混合物73.0mgを得た。
アセトニトリル(4ml)およびピリジン(0.19ml)中の、上記反応によって得た混合物(73.0mg)の溶液に、0℃で、48%HF水溶液(0.52ml)を加えた。混合物を0℃で3時間、および次いで25℃で13時間攪拌し、飽和炭酸水素ナトリウム水溶液および酢酸エチルに分配した。酢酸エチル溶液を蒸発して得た残渣52.6mgを、再結晶により精製して、2−デスベンゾイル−2−(3−トリフルオロメチルベンゾイル)−10−デアセチル−N−デスベンゾイル−N−(t−ブトキシカルボニル)タキソール41.0mg(78%)を得た。
m.p.140−142℃;[α]25 Na−50.4°(c 1.055、CHCl3)。
1H NMR(CDCl3、300MHz)δ8.43(s、1H、ベンゾエート、オルト)、8.29(d、J=7.8Hz、1H、ベンゾエート、オルト)、7.88(d、J=7.8Hz、1H、ベンゾエート)、7.66(t、J=7.8Hz、1H、ベンゾエート)、7.38(m、5H、芳香環)、6.17(m、1H、H13)、5.65(d、J=7.2Hz、1H、H2β)、5.38(m、1H、NH)、5.23(m、1H、H3')、5.21(d、J=1.8Hz、1H、H10)、4.95(m、1H、H5)、4.58(m、1H、H2')、4.27(d、J=8.7Hz、1H、H20α)、4.21(m、1H、H7)、4.15(d、J=8.7Hz、1H、H20β)、3.93(d、J=7.2Hz、1H、H3)、3.35(m、1H、2'OH)、2.59(m、1H、H6α)、2.33(s、3H、4Ac)、2.23(m、2H、H14)、1.85(s、3H、Me18)、1.79(m、1H、H6β)、1.76(s、3H、Me19)、1.32(s、9H、t−ブチル)、1.22(s、3H、Me17)、1.11(s、3H、Me16)。
実施例5
Figure 0003741715
(65−4)
2−デスベンゾイル−2−(4−メトキシベンゾイル)−10−デアセチル−N−デスベンゾイル−N−(t−ブトキシカルボニル)タキソールの製造
THF(0.5ml)中の2−デスベンゾイル−2−(4−メトキシベンゾイル)−10−デアセチル−7.10−ビス(トリエチルシリル)バッカチンIII(48.2mg、0.060ミリモル)の溶液に、−45℃で、ヘキサン中のLiN(SiMe3)2の1.00M溶液(0.066ml)を滴下した。−45℃で0.5時間後、THF(0.5ml)中のシス−1−(t−ブトキシカルボニル)−3−トリエチルシリルオキシ−4−フェニルアゼチジン−2−オン(90mg、0.240ミリモル)の溶液を、混合物に滴下した。溶液を0℃に昇温し、その温度に1時間保った後、THF中のAcOHの10%溶液(0.5ml)を加えた。混合物を、飽和NaHCO3水溶液および60/40酢酸エチル/ヘキサンに分配した。有機相を蒸発して得た残渣を、シリカゲルで濾過することにより精製して、(2'R,3'S)−2',7,10−トリス(トリエチルシリル)−2−デスベンゾイル−2−(4−メトキシベンゾイル)−10−デアセチル−N−デスベンゾイル−N−(t−ブトキシカルボニル)タキソールおよび極く少量の(2'S,3'R)異性体を含有する混合物71mgを得た。
アセトニトリル(4ml)およびピリジン(0.19ml)中の、上記反応によって得た混合物(71mg)の溶液に、0℃で、48%HF水溶液(0.52ml)を加えた。混合物を0℃で3時間、および次いで25℃で13時間攪拌し、飽和炭素水素ナトリウム水溶液および酢酸エチルに分配した。酢酸エチル溶液を蒸発して得た残渣50.3mgを、再結晶により精製して、2−デスベンゾイル−2−(4−メトキシベンゾイル)−10−デアセチル−N−デスベンゾイル−N−(t−ブトキシカルボニル)タキソール45.2mg(90%)を得た。
m.p.160−162℃;[α]25 Na−47.6°(c 0.290、CHCl3)。
1H NMR(CDCl3、300MHz)δ8.05(dd、J=9.0、2H、メトキシベンゾエート、オルト)、7.38(m、5H、芳香環)、6.96(dd、J=9.0、2H、メトキシベンゾエート、メタ)、6.23(m、1H、H13)、5.64(d、J=7.2Hz、1H、H2β)、5.42(m、1H、H3')、5.27(m、1H、NH)、5.19(d、J=1.2Hz、1H、H10)、4.93(dd、J=7.8、1.8Hz、1H、H5)、4.62(m、1H、H2')、4.31(d、J=9.0Hz、1H、H20α)、4.24(m、1H、H7)、4.19(d、J=9.0Hz、1H、H20β)、3.89(d、J=7.2Hz、1H、H3)、3.65(s、3H、メトキシ)、3.32(m、1H、2'OH)、2.58(m、1H、H6α)、2.37(s、3H、4Ac)、2.26(m、2H、H14)、1.85(s、3H、Me18)、1.78(m、1H、H6β)、1.75(s、3H、Me19)、1.34(s、9H、t−ブチル)、1.23(s、3H、Me17)、1.12(s、3H、Me16)。
実施例6
Figure 0003741715
(66−1)
2−デスベンゾイル−2−(4−クロロベンゾイル)−10−デアセチル−N−デスベンゾイル−N−(t−ブトキシカルボニル)タキソールの製造
THF(0.5ml)中の2−デスベンゾイル−2−(4−クロロベンゾイル)−10−デアセチル−7,10−ビス(トリエチルシリル)バッカチンIII(48.4mg、0.060ミリモル)の溶液に、−45℃で、ヘキサン中のLiN(SiMe3)2の1.00M溶液(0.066ml)を滴下した。−45℃で0.5時間後、THF(0.5ml)中のシス−1−(t−ブトキシカルボニル)−3−トリエチルシリルオキシ−4−フェニルアゼチジン−2−オン(90mg、0.240ミリモル)の溶液を、混合物に滴下した。溶液を0℃に昇温し、その温度に1時間保った後、THF中のAcOHの10%溶液(0.5ml)を加えた。混合物を、飽和NaHCO3水溶液および60/40酢酸エチル/ヘキサンに分配した。有機相を蒸発して得た残渣を、シリカゲルで濾過することにより精製して、(2'R,3'S)−2',7,10−トリス(トリエチルシリル)−2−デスベンゾイル−2−(4−クロロベンゾイル)−10−デアセチル−N−デスベンゾイル−N−(t−ブトキシカルボニル)タキソールおよび極く少量の(2'S,3'R)異性体を含有する混合物71mgを得た。
アセトニトリル(4ml)およびピリジン(0.19ml)中の、上記反応によって得た混合物(71mg)の溶液に、0℃で、48%HF水溶液(0.52ml)を加えた。混合物を0℃で3時間、および次いで25℃で13時間攪拌し、飽和炭酸水素ナトリウム水溶液および酢酸エチルに分配した。酢酸エチル溶液を蒸発して得た残渣51mgを、再結晶により精製して、2−デスベンゾイル−2−(4−クロロベンゾイル)−10−デアセチル−N−デスベンゾイル−N−(t−ブトキシカルボニル)タキソール37.9mg(75%)を得た。
m.p.160−161℃;[α]25 Na−46.0°(c 0.104、CHCl3)。
1H NMR(CDCl3、300MHz)δ8.03(d、J=8.7Hz、2H、クロロベンゾエート、オルト)、7.48(d、J=8.7Hz、2H、クロロベンゾエート メタ)、7.38(m、5H、芳香環)、6.23(m、1H、H13)、5.64(d、J=7.2Hz、1H、H2β)、5.45(m、1H、H3')、5.26(m、1H、NH)、5.20(d、J=1.2Hz、1H、H10)、4.93(d、J=7.8Hz、1H、H5)、4.63(m、1H、H2')、4.28(d、J=8.2Hz、1H、H20α)、4.22(m、1H、H7)、4.15(d、J=8.2Hz、1H、H20β)、3.90(d、J=7.2Hz、1H、H3)、3.36(m、1H、2'OH)、2.58(m、1H、H6α)、2.37(s、3H、4Ac)、2.25(m、2H、H14)、1.85(s、3H、Me18)、1.80(m、1H、H6β)、1.75(s、3H、Me19)、1.32(s、9H、t−ブチル)、1.23(s、3H、Me17)、1.11(s、3H、Me16)。
実施例7
Figure 0003741715
(66−2)
2−デスベンゾイル−2−(4−フルオロベンゾイル)−10−デアセチル−N−デスベンゾイル−N−(t−ブトキシカルボニル)タキソールの製造
THF(0.5ml)中の2−デスベンゾイル−2−(4−フルオロベンゾイル)−10−デアセチル−7,10−ビス(トリエチルシリル)バッカチンIII(47.5mg、0.060ミリモル)の溶液に、−45℃で、ヘキサン中のLiN(SiMe3)2の1.00M溶液(0.066ml)を滴下した。−45℃で0.5時間後、THF(0.5ml)中のシス−1−(t−ブトキシカルボニル)−3−トリエチルシリルオキシ−4−フェニルアゼチジン−2−オン(90mg、0.240ミリモル)の溶液を、混合物に滴下した。溶液を0℃に昇温し、その温度に1時間保った後、THF中のAcOHの10%溶液(0.5ml)を加えた。混合物を、飽和NaHCO3水溶液および60/40酢酸エチル/ヘキサンに分配した。有機相を蒸発して得た残渣を、シリカゲルで濾過することにより精製して、(2'R,3'S)−2',7,10−トリス(トリエチルシリル)−2−デスベンゾイル−2−(4−フルオロベンゾイル)−10−デアセチル−N−デスベンゾイル−N−(t−ブトキシカルボニル)タキソールおよび極く少量の(2'S,3'R)異性体を含有する混合物70mgを得た。
アセトニトリル(4ml)およびピリジン(0.19ml)中の、上記反応によって得た混合物(70mg)の溶液に、0℃で、48%HF水溶液(0.52ml)を加えた。混合物を0℃で3時間、および次いで25℃で13時間攪拌し、飽和炭酸水素ナトリウム水溶液および酢酸エチルに分配した。酢酸エチル溶液を蒸発して得た残渣49.5mgを、再結晶により精製して、2−デスベンゾイル−2−(4−フルオロベンゾイル)−10−デアセチル−N−デスベンゾイル−N−(t−ブトキシカルボニル)タキソール42.0mg(85%)を得た。
m.p.158−160℃;[α]25 Na−47.6°(c 0.290、CHCl3)。
1H NMR(CDCl3、300MHz)δ8.13(m、2H、フルオロベンゾエート、オルト)、7.38(m、5H、芳香環)、7.17(m、2H、フルオロベンゾエート)、6.23(m、1H、H13)、5.64(d、J=7.2Hz、1H、H2β)、5.41(d、J=9.9Hz、1H、H3')、5.26(m、1H、NH)、5.20(d、J=1.2Hz、1H、H10)、4.93(dd、J=9.9、2.1Hz、1H、H5)、4.63(m、1H、H2')、4.28(d、J=8.2Hz、1H、H20α)、4.24(m、1H、H7)、4.17(d、J=8.2Hz、1H、H20β)、3.91(d、J=7.2Hz、1H、H3)、3.32(m、1H、2'OH)、2.58(m、1H、H6α)、2.37(s、3H、4Ac)、2.25(m、2H、H14)、1.85(s、3H、Me18)、1.80(m、1H、H6β)、1.75(s、3H、Me19)、1.33(s、9H、t−ブチル)、1.25(s、3H、Me17)、1.12(s、3H、Me16)。
実施例8
Figure 0003741715
(68−1)
N−デスベンゾイル−N−(t−ブトキシカルボニル)−2−デスベンゾイル−2−(2−トリフルオロメチルベンゾイル)−10−デスアセチルタキソールの製造
THF(0.5ml)中の2−デスベンゾイル−2−(2−トリフルオロメチルベンゾイル)−10−デアセチル−7,10−(ビス)−O−トリエチルシリルバッカチンIII(50.4mg、0.060ミリモル)の溶液に、−45℃で、ヘキサン中のLiN(SiMe3)2の1.00M溶液(0.066ml)を滴下した。−45℃で0.5時間後、THF(0.5ml)中のシス−1−(t−ブトキシカルボニル)−3−トリエチルシリルオキシ−4−フェニルアゼチジン−2−オン(90mg、0.240ミリモル)の溶液を、混合物に滴下した。溶液を0℃に昇温し、その温度に1時間保った後、THF中のAcOHの10%溶液(0.5ml)を加えた。混合物を、飽和NaHCO3水溶液および60/40酢酸エチル/ヘキサンに分配した。有機相を蒸発して得た残渣を、シリカゲルで濾過することにより精製して、(2'R,3'S)−2',7,10−(トリス)−O−トリエチルシリル−N−デスベンゾイル−N−(t−ブトキシカルボニル)−2−デスベンゾイル−2−(2−トリフルオロメチルベンゾイル)−10−デスアセチルタキソールおよび極く少量の(2'S,3'R)異性体を含有する混合物73.0mgを得た。
アセトニトリル(4ml)およびピリジン(0.19ml)中の、上記反応によって得た混合物(73.0mg)の溶液に、0℃で、48%HF水溶液(0.52ml)を加えた。混合物を0℃で3時間、および次いで25℃で13時間攪拌し、飽和炭酸水素ナトリウム水溶液および酢酸エチルに分配した。酢酸エチル溶液を蒸発して得た残渣52.6mgを、再結晶により精製して、N−デスベンゾイル−N−(t−ブトキシカルボニル)−2−デスベンゾイル−2−(2−トリフルオロメチルベンゾイル)−10−デスアセチルタキソール39.4mg(75%)を得た。
m.p.121−123℃;[α]25 Na−34.2°(c 0.760、CHCl3)。
1H NMR(CDCl3、300MHz)δ8.10(m、1H、ベンゾエート、オルト)、7.82(d、J=7.5Hz、1H、ベンゾエート)、7.70(m、2H、ベンゾエート)、7.35(m、5H、芳香環)、6.24(m、1H、H13)、5.64(d、J=7.2Hz、1H、H2β)、5.46(m、1H、NH)、5.28(m、1H、H3')、5.19(d、J=1.8Hz、1H、H10)、4.89(dd、J=8.7、1.2Hz、1H、H5)、4.63(m、1H、H2')、4.26(d、J=8.1Hz、1H、H20α)、4.17(m、2H、H7、H20β)、3.90(d、J=7.2Hz、1H、H3)、3.35(m、1H、2'OH)、2.56(m、1H、H6α)、2.39(m、2H、H14)、2.24(s、3H、4Ac)、1.87(s、3H、Me18)、1.84(m、1H、H6β)、1.76(s、3H、Me19)、1.38(s、9H、t−ブチル)、1.24(s、3H、Me17)、1.11(s、3H、Me16)。
実施例9
Figure 0003741715
(68−2)
N−デスベンゾイル−N−(t−ブトキシカルボニル)−2−デスベンゾイル−2−(2−メチルベンゾイル)−10−デスアセチルタキソールの製造
THF(0.5ml)中の2−デスベンゾイル−2−(2−メチルベンゾイル)−10−デアセチル−7,10−(ビス)−O−トリエチルシリルバッカチンIII(47.2mg、0.060ミリモル)の溶液に、−45℃で、ヘキサン中のLiN(SiMe3)2の1.00M溶液(0.066ml)を滴下した。−45℃で0.5時間後、THF(0.5ml)中のシス−1−(t−ブトキシカルボニル)−3−トリエチルシリルオキシ−4−フェニルアゼチジン−2−オン(90mg、0.240ミリモル)の溶液を、混合物に滴下した。溶液を0℃に昇温し、その温度に1時間保った後、THF中のAcOHの10%溶液(0.5ml)を加えた。混合物を、飽和NaHCO3水溶液および60/40酢酸エチル/ヘキサンに分配した。有機相を蒸発して得た残渣を、シリカゲルで濾過することにより精製して、(2'R,3'S)−2',7,10−(トリス)−O−トリエチルシリル−N−デスベンゾイル−N−(t−ブトキシカルボニル)−2−デスベンゾイル−2−(2−メチルベンゾイル)−10−デスアセチルタキソールおよび極く少量の(2'S,3'R)異性体を含有する混合物70.0mgを得た。
アセトニトリル(4ml)およびピリジン(0.19ml)中の、上記反応によって得た混合物(70.0mg)の溶液に、0℃で、48%HF水溶液(0.52ml)を加えた。混合物を0℃で3時間、および次いで25℃で13時間攪拌し、飽和炭酸水素ナトリウム水溶液および酢酸エチルに分配した。酢酸エチル溶液を蒸発して得た残渣49.3mgを、再結晶により精製して、2−デスベンゾイル−2−(2−メチルベンゾイル)−10−デスアセチル−N−デスベンゾイル−N−(t−ブトキシカルボニル)タキソール44.4mg(90%)を得た。
m.p.129−131℃;[α]25 Na−50.8°(c 0.750、CHCl3)。
1H NMR(CDCl3、300MHz)δ8.05(m、1H、ベンゾエート)、7.38(m、8H、芳香環)、6.21(m、1H、H13)、5.65(d、J=6.6Hz、1H、H2β)、5.46(m、1H、NH)、5.24(m、1H、H3')、5.20(d、J=0.9Hz、1H、H10)、4.91(dd、J=9.3、1.5Hz、1H、H5)、4.60(br s、1H、H2')、4.25(d、J=8.1Hz、1H、H20α)、4.24(m、1H、H7)、4.17(d、J=8.1Hz、1H、H20β)、3.88(d、J=6.6Hz、1H、H3)、3.37(m、1H、2'OH)、2.63(s、3H、メチルベンゾエート)、2.57(m、1H、H6α)、2.30(s、3H、4Ac)、2.58(m、2H、H14)、1.83(s、3H、Me18)、1.79(m、1H、H6β)、1.75(s、3H、Me19)、1.37(s、9H、t−ブチル)、1.24(s、3H、Me17)、1.13(s、3H、Me16)。
実施例10
Figure 0003741715
(73−4)
N−デスベンゾイル−N−(t−ブトキシカルボニル)−2−デスベンゾイル−2−(3,5−ビス(トリフルオロメチル)ベンゾイル)−10−デスアセチルタキソールの製造
THF(0.5ml)中の2−デスベンゾイル−2−(3,5−ビス(トリフルオロメチル)ベンゾイル)−7,10−(ビス)−O−トリエチルシリル−10−デスアセチルバッカチンIII(51.3mg、0.060ミリモル)の溶液に、−45℃で、ヘキサン中のLiN(SiMe3)2の1.00M溶液(0.066ml)を滴下した。−45℃で0.5時間後、THF(0.5ml)中のシス−1−(t−ブトキシカルボニル)−3−トリエチルシリルオキシ−4−フェニルアゼチジン−2−オン(90mg、0.240ミリモル)の溶液を、混合物に滴下した。溶液を0℃に昇温し、その温度に1時間保った後、THF中のAcOHの10%溶液(0.5ml)を加えた。混合物を、飽和NaHCO3水溶液および60/40酢酸エチル/ヘキサンに分配した。有機相を蒸発して得た残渣を、シリカゲルで濾過することにより精製して、(2'R,3'S)−2',7,10−(トリス)−O−トリエチルシリル−N−デスベンゾイル−N−(t−ブトキシカルボニル)−2−デスベンゾイル−2−(3,5−ビス(トリフルオロメチル)ベンゾイル)−10−デスアセチルタキソールおよび極く少量の(2'S,3'R)異性体を含有する混合物73.9mgを得た。
アセトニトリル(4ml)およびピリジン(0.19ml)中の、上記反応によって得た混合物(73.9mg)の溶液に、0℃で、48%HF水溶液(0.52ml)を加えた。混合物を0℃で3時間、および次いで25℃で13時間攪拌し、飽和炭酸水素ナトリウム水溶液および酢酸エチルに分配した。酢酸エチル溶液を蒸発して得た残渣53.4mgを、再結晶により精製して、N−デスベンゾイル−N−(t−ブトキシカルボニル)−2−デスベンゾイル−2−(3,5−ビス(トリフルオロメチル)ベンゾイル)−10−デスアセチルタキソール49.1mg(92%)を得た。
m.p.141−143℃;[α]25 Na−43.6°(c 0.730、CHCl3)。
1H NMR(CDCl3、300MHz)δ8.59(s、2H、ベンゾエート、オルト)、8.12(s、1H、ベンゾエート、パラ)、7.37(m、5H、芳香環)、6.14(m、1H、H13)、5.64(d、J=7.2Hz、1H、H2β)、5.36(m、1H、NH)、5.21(d、J=1.2Hz、1H、H10)、5.18(m、1H、H3')、4.97(dd、J=9.6、2.1Hz、1H、H5)、4.58(m、1H、H2')、4.19(m、3H、H20、H7)、3.95(d、J=7.2Hz、1H、H3)、3.39(m、1H、2'OH)、2.59(m、1H、H6α)、2.30(s、3H、4Ac)、2.25(m、2H、H14)、1.85(s、3H、Me18)、1.79(m、1H、H6β)、1.75(s、3H、Me19)、1.32(s、9H、t−ブチル)、1.22(s、3H、Me17)、1.13(s、3H、Me16)。
実施例11
Figure 0003741715
(74−1)
N−デスベンゾイル−N−(t−ブトキシカルボニル)−2−デスベンゾイル−2−(3,5−ジメチルベンゾイル)−10−デスアセチルタキソールの製造
THF(0.5ml)中の2−デスベンゾイル−2−(3,5−ジメチルベンゾイル)−7,10−(ビス)−O−トリエチルシリル−10−デスアセチルバッカチンIII(48.1mg、0.060ミリモル)の溶液に、−45℃で、ヘキサン中のLiN(SiMe3)2の1.00M溶液(0.066ml)を滴下した。−45℃で0.5時間後、THF(0.5ml)中のシス−1−(t−ブトキシカルボニル)−3−トリエチルシリルオキシ−4−フェニルアゼチジン−2−オン(90mg、0.240ミリモル)の溶液を、混合物に滴下した。溶液を0℃に昇温し、その温度に1時間保った後、THF中のAcOHの10%溶液(0.5ml)を加えた。混合物を、飽和NaHCO3水溶液および60/40酢酸エチル/ヘキサンに分配した。有機相を蒸発して得た残渣を、シリカゲルで濾過することにより精製して、(2'R,3'S)−2',7,10−(トリス)−O−トリエチルシリル−N−デスベンゾイル−N−(t−ブトキシカルボニル)−2−デスベンゾイル−2−(3,5−ジメチルベンゾイル)−10−デスアセチルタキソールおよび極く少量の(2'S,3'R)異性体を含有する混合物70.1mgを得た。
アセトニトリル(4ml)およびピリジン(0.19ml)中の、上記反応によって得た混合物(70.1mg)の溶液に、0℃で、48%HF水溶液(0.52ml)を加えた。混合物を0℃で3時間、および次いで25℃で13時間攪拌し、飽和炭酸水素ナトリウム水溶液および酢酸エチルに分配した。酢酸エチル溶液を蒸発して得た残渣50.2mgを、再結晶により精製して、N−デスベンゾイル−N−(t−ブトキシカルボニル)−2−デスベンゾイル−2−(3,5−ジメチルベンゾイル)−10−デスアセトキシタキソール45.1mg(90%)を得た。
m.p.198−200℃;[α]25 Na−49.0°(c 0.965、CHCl3)。
1H NMR(CDCl3、300MHz)δ7.72(s、2H、ベンゾエート、オルト)、7.37(m、5H、芳香環)、7.23(s、1H、ベンゾエート、パラ)、6.21(m、1H、H13)、5.64(d、J=7.2Hz、1H、H2β)、5.45(m、1H、NH)、5.25(m、1H、H3')、5.20(d、J=1.8Hz、1H、H10)、4.94(dd、J=9.3、1.2Hz、1H、H5)、4.61(m、1H、H2')、4.32(d、J=8.1Hz、1H、H20α)、4.21(m、1H、H7)、4.16(d、J=8.7Hz、1H、H20β)、3.89(d、J=7.2Hz、1H、H3)、3.39(m、1H、2'OH)、2.58(m、1H、H6α)、2.38(s、6H、ジメチルベンゾエート)、2.36(s、3H、4Ac)、2.27(m、2H、H14)、1.88(m、1H、H6β)、1.83(s、3H、Me18)、1.74(s、3H、Me19)、1.33(s、9H、t−ブチル)、1.22(s、3H、Me17)、1.12(s、3H、Me16)。
実施例12
Figure 0003741715
(74−2)
N−デスベンゾイル−N−(t−ブトキシカルボニル)−2−デスベンゾイル−2−(3−ヒドロキシベンゾイル)−10−デスアセチルタキソールの製造
THF(0.5ml)中の2−デスベンゾイル−2−(3−トリエチルシリルオキシベンゾイル)−7,10−(ビス)−O−トリエチルシリル−10−デスアセチルバッカチンIII(54.1mg、0.060ミリモル)の溶液に、−45℃で、ヘキサン中のLiN(SiMe3)2の1.00M溶液(0.066ml)を滴下した。−45℃で0.5時間後、THF(0.5ml)中のシス−1−(t−ブトキシカルボニル)−3−トリエチルシリルオキシ−4−フェニルアゼチジン−2−オン(90mg、0.240ミリモル)の溶液を、混合物に滴下した。溶液を0℃に昇温し、その温度に1時間保った後、THF中のAcOHの10%溶液(0.5ml)を加えた。混合物を、飽和NaHCO3水溶液および60/40酢酸エチル/ヘキサンに分配した。有機相を蒸発して得た残渣を、シリカゲルで濾過することにより精製して、(2'R,3'S)−2',7,10−トリス−(トリエチルシリル)−N−デベンゾイル−N−(t−ブトキシカルボニル)−2−デスベンゾイル−2−(3−トリエチルシリルオキシベンゾイル)−10−デスアセチルタキソールおよび極く少量の(2'S,3'R)異性体を含有する混合物76.7mgを得た。
アセトニトリル(4ml)およびピリジン(0.19ml)中の、上記反応によって得た混合物(76.7mg)の溶液に、0℃で、48%HF水溶液(0.52ml)を加えた。混合物を0℃で3時間、および次いで25℃で13時間攪拌し、飽和炭酸水素ナトリウム水溶液および酢酸エチルに分配した。酢酸エチル溶液を蒸発して得た残渣49.4mgを、再結晶により精製して、N−デスベンゾイル−N−(t−ブトキシカルボニル)−2−デスベンゾイル−2−(3−ヒドロキシベンゾイル)−10−デスアセチルタキソール43.4mg(88%)を得た。
m.p.153−155℃;[α]25 Na−45.0°(c 0.560、CHCl3)。
1H NMR(CDCl3、300MHz)δ7.36(m、9H、芳香環)、7.10(m、1H、OH)、6.38(m、1H、H13)、5.60(d、J=9.9Hz、NH)、5.53(d、J=7.5Hz、1H、H2β)、5.37(m、1H、H3')、5.18(d、J=1.2Hz、1H、H10)、4.90(dd、J=9.9、2.4Hz、1H、H5)、4.75(m、1H、H2')、4.29(d、J=8.4Hz、1H、H20α)、4.24(m、2H、H7、H20β)、3.93(d、J=7.5Hz、1H、H3)、3.29(m、1H、2'OH)、2.56(m、1H、H6α)、2.36(s、3H、4Ac)、2.27(m、2H、H14)、1.91(s、3H、Me18)、1.85(m、1H、H6β)、1.76(s、3H、Me19)、1.33(s、9H、t−ブチル)、1.24(s、3H、Me17)、1.08(s、3H、Me16)。
実施例13
実施例1〜12の化合物64−4、65−1、65−2、65−3、65−4、66−1、66−2、68−1、68−2、73−4、74−1および74−2のインビトロ細胞毒性活性を、ヒト結腸癌細胞HCT−116に対して試験した。HCT−116細胞に対する細胞毒性の評価は、XTT(2,3−ビス(2−メトキシ−4−ニトロ−5−スルホフェニル)−5−[(フェニルアミノ)カルボニル]−2H−テトラゾリウムヒドロキシド)アッセイによって行った[スクディエロ(Scudiero)ら、「エバリュエーション・オブ・ア・ソルブル・テトラゾリウム/ホルマザン・アッセイ・フォー・セル・グロース・アンド・ドラッグ・センシティビティ・イン・カルチャー・ユージング・ヒューマン・アンド・アザー・テューマ・セル・ラインズ(Evaluation of a solubele tetrazolium/formazan assay for cell growth and drug sensitivity in culture using human and other tumor cell lines)」、カンサー・リサーチ(Cancer Res.)48:4827−4833、1988]。96ウェル。マイクロタイタープレートで、4000細胞/ウェルを培養し、24時間後に薬物を加え、段階希釈した。細胞を37℃で72時間インキュベート後、テトラゾリウム色素XTTを加えた。生存細胞中のデヒドロゲナーゼ酵素はXTTを還元して、450nmの光を吸収する形態とするので、それを分光測光法によって定量し得る。吸光度が高いほど、生存細胞数が多い。結果をIC50として表す。IC50は、未処理対照細胞と比較して細胞増殖(すなわち450nmにおける吸光度)を50%抑制するのに要する薬物濃度である。
全ての化合物がIC50が0.5未満であり、化合物65−4(実施例5)を除く全ての化合物が、IC50が0.1未満であり、細胞毒性活性であることがわかった。
実施例14
Figure 0003741715
C7、C10およびC13における10−デアセチルバッカチン(III)の保護
7−O−トリエチルシリル−10−デアセチルバッカチン(III)
ピリジン(100ml)中の10−デアセチルバッカチン(III)(1.5g、2.8ミリモル)の溶液に、トリエチルシリルクロリド(TESCl)(4.7ml、10当量)を加え、その混合物を25℃で24時間攪拌した。反応混合物をEtOAc(800ml)で希釈し、H2O(2×200ml)および10%CuSO4水溶液で、ピリジンが全て除去されるまで洗った。有機相を塩水(50.0ml)で洗い、無水Na2SO4で乾燥し、濾過し、濃縮して、粗生成物(1.92g)を得た。プラグ濾過(20%EtOAc/ヘキサンないし50%EtOAc/ヘキサン)により、7−O−トリエチルシリル−10−デアセチルバッカチン(III)(1.78g、97.7%)を得た。
m.p.257−258℃、[α]25 Na−23.8°(c0.5、CHCl3)、1H NMR(CDCl3、300MHz)、δ8.10(d、J=7.1Hz、2H、ベンゾエートオルト)、7.63−7.45(m、3H、芳香環)、5.60(d、J=7.2Hz、1H、H2)、5.17(d、J=1.7Hz、1H、H10)、4.95(dd、J=1.7、9.9Hz、1H、H5)、4.88(m、1H、H13)、4.41(dd、J=6.6、10.4Hz、1H、H7)、4.31(d、J=8.2Hz、1H、H20α)、4.16(d、J=8.2Hz、1H、H20β)、3.95(d、J=7.1Hz、1H、H3)、2.49(m、1H、H6α)、2.28(s、3H、4Ac)、2.10−2.09(m、2H、H14α、H14β)、2.08(s、3H、Me18)、1.90(m、1H、H6β)、1.73(s、3H、Me19)、1.19(s、3H、Me17)、1.08(s、3H、Me16)、1.02−0.93(m、9H、SiCH2 3 )、0.59−0.51(m、6H、SiC 2 CH3)。
Figure 0003741715
7,10−ビス−O−トリエチルシリル−10−デアセチルバッカチン(III)
THF(20ml)中の7−O−トリエチルシリル−10−デアセチルバッカチン(III)(1.0g、1.55ミリモル)の溶液に、N2雰囲気中に、−78℃で、ヘキサン中のn−ブチルリチウムの1.64M溶液(1.04ml、1.1当量)を加えた。その混合物を−78℃で30分間攪拌し、TESCl(0.31ml、1.2当量)を滴下した。混合物を−78℃で1時間攪拌し、飽和NaHCO3水溶液(10ml)を加えた。溶液をEtAOc(80.0ml)で希釈した。有機相を塩水(15.0ml)で洗い、無水Na2SO4で乾燥し、濾過し、減圧下に濃縮して、粗固体(1.45g)を得た。フラッシュクロマトグラフィー(25%EtOAc/ヘキサンないし50%EtOAc/ヘキサン)により、7,10−ビス−O−トリエチルシリル−10−デアセチルバッカチン(III)(0.63g、53.6%)を得、7−O−トリエチルシリル−10−デアセチルバッカチン(II)(0.35g、35.0%)を回収した。
m.p.184−186℃、[α]25 Na−46.0°(c0.5、CHCl3)、1H NMR(CDCl3、300MHz)、δ8.10(d、J=6.6Hz、2H、ベンゾエートオルト)、7.6−7.4(m、3H、芳香環)、5.61(d、J=7.1Hz、1H、H2)、5.21(s、1H、H10)、4.93(dd、J=1.7、9.3Hz、1H、H5)、4.82(m、1H、H13)、4.42(dd、J=6.6、10.4Hz、1H、H7)、4.27(d、J=8.2Hz、1H、H20α)、4.14(d、J=8.2Hz、1H、H20β)、3.91(d、J=6.6Hz、1H、H3)、2.53(m、1H、H6α)、2.27(s、3H、4Ac)、2.25(m、2H、H14α、H14β)、2.03(s、3H、Me18)、1.85(m、1H、H6β)、1.64(s、3H、Me19)、1.18(s、3H、Me17)、1.04(s、3H、Me16)、1.02−0.85(m、18H、SiCH2 3 )、0.69−0.58(m、12H、SiC 2 CH3)。
Figure 0003741715
13−O−トリメチルシリル−7,10−ビス−O−トリエチルシリル−10−デアセチルバッカチン(III)
CH2Cl2(15ml)中の、7,10−ビス−O−トリエチルシリル−10−デアセチルバッカチン(III)(0.5g、0.66ミリモル)、イミダゾール(90mg、2当量)、p−ジメチルアミノピリジン(DMAP)(40mg、0.5当量)の溶液に、0℃で、トリメチルシリルクロリド(TMSCl)(0.17ml、2当量)を加えた。溶液を0℃で30分間攪拌し、メタノール(1.0ml)を加えた。その混合物をH2O(10.0ml)およびEtOAc(50.0ml)で希釈し、有機相を分離し、塩水(10.0ml)で洗い、無水Na2SO4で乾燥し、濾過し、減圧下に濃縮して、粗固体(0.58g)を得た。プラグ濾過(10%EtOAc/ヘキサン)により、13−O−トリメチルシリル−7,10−ビス−O−トリエチルシリル−10−デアセチルバッカチン(III)(0.53g、96.5%)を得た。
m.p.213−215℃、[α]25 Na−43.0°(c0.5、CHCl3)、1H NMR(CDCl3、300MHz)、δ8.10(d、J=7.1Hz、2H、ベンゾエートオルト)、7.6−7.4(m、3H、芳香環)、5.62(d、J=7.1Hz、1H、H2)、5.19(s、1H、H10)、4.94(dd、J=1.8、8.8Hz、1H、H5)、4.86(m、1H、H13)、4.41(dd、J=6.6、10.4Hz、1H、H7)、4.28(d、J=8.2Hz、1H、H20α)、4.12(d、J=8.2Hz、1H、H20β)、3.86(d、J=7.14Hz、1H、H3)、2.51(m、1H、H6α)、2.26(s、3H、4Ac)、2.22−2.03(m、2H、H14α、H14β)、1.93(s、3H、Me18)、1.84(m、1H、H6β)、1.64(s、3H、Me19)、1.19(s、3H、Me17)、1.12(s、3H、Me16)、1.02−0.93(m、18H、SiCH2 3 )、0.69−0.56(m、12H、SiC 2 CH3)、0.17(s、9H、SiC 3 )。
実施例15
Figure 0003741715
C−2に種々の置換基を有するタキソール類似体の製造
a.13−O−トリメチルシリル−7,10−ビス−O−トリエチルシリル−2−デベンゾイル−2−アセチル−10−デアセチルバッカチン(III)
13−O−トリメチルシリル−7,10−ビス−O−トリエチルシリル−2−デベンゾイル−10−デアセチルバッカチン(III)
THF(6.0ml)中の13−O−トリメチルシリル−7,10−ビス−O−トリエチルシリル−10−デアセチルバッカチン(III)(0.1g、0.12ミリモル)の溶液に、0℃で、トルエン中のRed−Alの1.0M溶液(60μl)を滴下した。得られた混合物を0℃で1時間攪拌し、飽和NaHCO3水溶液(3.0ml)を加えた。溶液を濾過し、固体をEtOAcで濯いだ。濾液を減圧下に濃縮し、EtOAc(50.0ml)で希釈した。有機相を分離し、塩水(5.0ml)で洗った。合した有機相を無水Na2SO4で乾燥し、濾過し、減圧下に濃縮して、粗固体(0.14g)を得た。フラッシュクロマトグラフィー(30%EtOAc/ヘキサン)により、純粋な13−O−トリメチルシリル−7,10−ビス−O−トリエチルシリル−2−デベンゾイル−10−デアセチルバッカチン(III)(84.5mg、96.6%)を得た。
m.p.73−74℃、[α]25 Na−24.0°(c0.5、CHCl3)、1H NMR(CDCl3、300MHz)、δ5.11(s、1H、H10)、4.94(dd、J=1.7、9.3Hz、1H、H5)、4.87(m、1H、H13)、4.62(d、J=9.3Hz、1H、H20α)、4.54(d、J=8.8Hz、1H、H20β)、4.35(dd、J=6.6、10.4Hz、1H、H7)、3.86(m、1H、H2)、3.47(d、J=6.6Hz、1H、H3)、2.51(m、1H、H6α)、2.14(s、3H、4Ac)、2.02−1.83(m、3H、H14α、H14β、H6β)、1.60(s、3H、Me18)、1.60(s、3H、Me19)、1.14(s、3H、Me17)、1.07(s、3H、Me16)、0.99−0.92(m、18H、SiCH2 3 )、0.66−0.55(m、12H、SiC 2 CH3)、0.13(s、9H、SiC 3 )。
Figure 0003741715
13−O−トリメチルシリル−7,10−ビス−O−トリエチルシリル−2−デベンゾイル−10−デアセチルバッカチン(III)・1,2−カーボネート
CH2Cl2(4.0ml)およびピリジン(0.8ml)中の13−O−トリメチルシリル−7,10−ビス−O−トリエチルシリル−2−デベンゾイル−10−デアセチルバッカチン(III)(20.0mg、0.027ミリモル)の溶液に、−78℃で、ベンゼン中のCOCl2の3.4M溶液(80μl、10当量)を加えた。その混合物を−10℃(氷−アセトン)に昇温し、−10℃に30分間保った。飽和NaHCO3水溶液(5.0ml)を加え、混合物をEtOAc(3×10ml)で抽出した。有機相を10%CuSO4水溶液で、ピリジンが全て無くなるまで洗い、次いで塩水(5.0ml)で洗った。合した有機相を無水Na2SO4で乾燥し、濾過し、減圧下に濃縮して粗固体(22.5mg)を得た。プラグ濾過(20%EtOAc/ヘキサン)により、純粋な13−O−トリメチルシリル−7,10−ビス−O−トリエチルシリル−2−デベンゾイル−10−デアセチルバッカチン(III)・1,2−カーボネート(20.5mg、99.0%)を得た。
m.p.144−146℃、[α]25 Na−27.5°(c0.5、CHCl3)、1H NMR(CDCl3、300MHz)、δ5.15(s、1H、H10)、4.90(m、2H、H5、H13)、4.58(d、J=8.9Hz、1H、H20α)、4.44(d、J=8.6Hz、1H、H20β)、4.43(d、J=5.4Hz、1H、H2)、4.37(dd、J=6.6、10.4Hz、1H、H7)、3.43(d、J=5.6Hz、1H、H3)、2.56(m、1H、H6α)、2.37(m、1H、14α)、2.14(s、3H、4Ac)、2.13(m、1H、H14β)、1.92(s、3H、Me18)、1.84(m、1H、H6β)、1.64(s、3H、Me19)、1.22(s、3H、Me17)、1.17(s、3H、Me16)、0.99−0.85(m、18H、SiCH2 3 )、0.66−0.55(m、12H、SiC 2 CH3)、0.17(s、9H、SiC 3 )。
Figure 0003741715
13−O−トリメチルシリル−7,10−ビス−O−トリエチルシリル−2−デベンゾイル−2−アセチル−10−デアセチルバッカチン(III)
THF(0.5ml)中の13−O−トリメチルシリル−7,10−ビス−O−トリエチルシリル−2−デベンゾイル−10−デアセチルバッカチン(III)・1,2−カーボネート(10.0mg、0.014ミリモル)の溶液に、0℃で、エーテル中のMeMgBrの3.4M溶液(40μl、10当量)を加えた。溶液をN2雰囲気中、0℃で1時間攪拌し、飽和NaHCO3水溶液(1.0ml)を加えた。混合物をEtOAc(3×5.0ml)で抽出し、有機相を塩水(5.0ml)で洗い、無水Na2SO4で乾燥し、濾過し、減圧下に濃縮して、粗固体(11.3mg)を得た。フラッシュクロマトグラフィー(20%EtOAc/ヘキサン)により、純粋な13−O−トリメチルシリル−7,10−ビス−O−トリエチルシリル−2−デベンゾイル−2−アセチル−10−デアセチルバッカチン(III)(9.8mg、95.9%)を得た。
m.p.201−203℃、[α]25 Na−38.9°(c0.5、CHCl3)。1H NMR(CDCl3。300MHz)、δ5.34(d、J=7.2Hz、1H、H2)、5.15(s、1H、H10)、4.93(dd、J=2.8、9.3Hz、1H、H5)、4.83(m、1H、H13)、4.43(d、J=7.7Hz、1H、H20α)、4.38(d、J=7.1Hz、1H、H20β)、4.18(dd、J=6.1、11.6Hz、1H、H7)、3.73(d、J=6.6Hz、1H、H3)、2.54(m、1H、H6α)、2.20−2.03(m、2H、H14α、H14β)、2.15(s、3H、4Ac)、2.07(s、3H、2Ac)、1.96(m、1H、H6β)、1.89(s、3H、Me18)、1.58(s、3H、Me19)、1.12(s、3H、Me17)、1.00(s、3H、Me16)、0.99−0.91(m、18H、SiCH2 3 )、0.67−0.56(m、12H、SiC 2 CH3)、0.16(s、9H、SiC 3 )。
Figure 0003741715
b.13−O−トリメチルシリル−7,10−ビス−O−トリエチルシリル−2−デベンゾイル−10−デアセチルバッカチン(III)
THF(0.5ml)中の13−O−トリメチルシリル−7,10−ビス−O−トリエチルシリル−2−デベンゾイル−10−デアセチルバッカチン(III)・1,2−カーボネート(10.0mg、0.014ミリモル)の溶液に、−45℃で、30%エーテル/70%シクロヘキサン中のフェニルリチウムの1.8M溶液(78μl、10当量)を加えた。溶液をN2雰囲気中、−45℃で1時間攪拌し、飽和NaHCO3水溶液(1.0ml)を加えた。混合物をEtOAc(3×5.0ml)で抽出した。有機相を塩水(5.0ml)で洗い、無水Na2SO4で乾燥し、濾過し、減圧下に濃縮して、粗固体(12.5mg)を得た。フラッシュクロマトグラフィー(10%EtOAc/ヘキサン)により、純粋な13−O−トリメチルシリル−7,10−ビス−O−トリエチルシリル−2−デベンゾイル−10−デアセチルバッカチン(III)(10.8mg、94.5%)を得た。
Figure 0003741715
c.13−O−トリメチルシリル−7,10−ビス−O−トリエチルシリル−2−デベンゾイル−10−デアセチルバッカチン(III)
THF(0.5ml)中の13−O−トリメチルシリル−7,10−ビス−O−トリエチルシリル−2−デベンゾイル−10−デアセチルバッカチン(III)・1,2−カーボネート(6.0mg、0.0082ミリモル)の攪拌した溶液に、0℃でトルエン中のRed−Alの0.068M溶液(60μl、5当量)を加えた。得られた溶液を、N2雰囲気中、0℃で1時間攪拌し、飽和NaHCO3水溶液(1.0ml)を加え、混合物をEtOAc(2×10.0ml)で抽出した。有機相を塩水(5.0ml)で洗い、無水Na2SO4で乾燥し、濾過し、減圧下に濃縮して、粗固体(6.75mg)を得た。フラッシュクロマトグラフィー(30%EtOAc/ヘキサン)により、13−O−トリメチルシリル−7,10−ビス−O−トリエチルシリル−2−デベンゾイル−10−デアセチルバッカチン(III)(4.3mg、71.5%)、および13−O−トリメチルシリル−7,10−ビス−O−トリエチルシリル−2−デベンゾイル−2−ホルミル−10−デアセチルバッカチン(III)(1.5mg、24.5%)を得た。
Figure 0003741715
d.13−O−トリメチルシリル−7,10−ビス−O−トリエチルシリル−2−デベンゾイル−2−p−フルオロベンゾイル−10−デアセチルバッカチン(III)
THF(1.0ml)中の13−O−トリメチルシリル−7,10−ビス−O−トリエチルシリル−2−デベンゾイル−10−デアセチルバッカチン(III)(40.0mg、0.054ミリモル)の溶液に、N2雰囲気中、−78℃で、THF中のLDAの0.328M溶液(320μl、2当量)を滴下した。その混合物を、−78℃で30分間攪拌し、THF(100μl)中のp−フルオロベンゾイルクロリド(26μl、4当量)の溶液を加えた。1時間後、ジイソプロピルアミン(100μl)を加え、混合物を25℃に昇温した。10分後、混合物をNaHCO3水溶液(5.0ml)で希釈し、EtOAc(2×10.0ml)で抽出した。有機相を塩水(5.0ml)で洗い、無水Na2SO4で乾燥し、濾過し、減圧下に濃縮して、粗固体(67.5mg)を得た。フラッシュクロマトグラフィー(10%EtOAc/ヘキサン)により、13−O−トリメチルシリル−7,10−ビス−O−トリエチルシリル−2−デベンゾイル−2−p−フルオロベンゾイル−10−デアセチルバッカチン(III)(36.9mg、80.2%)を得た。
m.p.216−218℃、[α]25 Na−45.6°(c0.5、CHCl3)、1H NMR(CDCl3、300MHz)、δ8.10(m、2H、芳香環)、7.18−7.12(m、2H、芳香環)、5.06(d、J=7.2Hz、1H、H2)、5.19(s、1H、H10)、4.94(dd、J=1.7、9.9Hz、1H、H5)、4.86(m、1H、H13)、4.41(dd、J=6.9、10.4Hz、1H、H7)、4.26(d、J=8.2Hz、1H、H20α)、4.11(d、J=8.2Hz、1H、H20β)、3.86(d、J=6.6Hz、1H、H3)、2.51(m、1H、H6α)、2.25(s、3H、4Ac)、2.11(m、2H、H14α、H14β)、2.04(s、3H、Me18)、1.88(m、1H、H6β)、1.64(s、3H、Me19)、1.18(s、3H、Me17)、1.12(s、3H、Me16)、1.02−0.92(m、18H、SiCH2 3 )、0.69−0.54(m、12H、SiC 2 CH3)、0.17(s、9H、SiC 3 )。
Figure 0003741715
e.7,10−ビス−O−トリエチルシリル−2−デベンゾイル−2−p−フルオロベンゾイル−10−デアセチルバッカチン(III)
ポリエチレンバイアルに入れた、アセトニトリル(2.25ml)およびTHF(2.25ml)中の、13−O−トリメチルシリル−7,10−ビス−O−トリエチルシリル−2−デベンゾイル−2−p−フルオロベンゾイル−10−デアセチルバッカチン(III)(30.0mg、0.035ミリモル)の溶液に、ピリジン(48μl)および48%HF水溶液(75μl)を滴下した。その反応混合物を、25℃で12時間攪拌後、EtOAc(20.0ml)で希釈した。飽和NaHCO3水溶液を、ガスの発生が止むまで加えた。有機相を分離し、塩水(3.0ml)で洗い、無水Na2SO4で乾燥し、濾過し、減圧下に濃縮して、粗固体(36.2mg)を得た。フラッシュクロマトグラフィー(25%EtOAc/ヘキサン)により、7,10−ビス−O−トリエチルシリル−2−デベンゾイル−2−p−フルオロベンゾイル−10−デアセチルバッカチン(III)(21.5mg、78.8%)、および10−O−トリエチルシリル−2−デベンゾイル−2−p−フルオロベンゾイル−10−デアセチルバッカチン(III)(3.8mg、15.9%)を得た。
m.p.186−188℃、[α]25 Na−48.2°(c0.5、CHCl3)、1H NMR(CDCl3、300MHz)δ8.11(m、2H、芳香環)、7.26−7.11(m、2H、芳香環)、5.59(d、J=6.6Hz、1H、H2)、5.21(s、1H、H10)、4.94(dd、J=1.7、9.34Hz、1H、H5)、4.84(m、1H、H13)、4.42(dd、J=6.6、10.4Hz、1H、H7)、4.26(d、J=8.24Hz、1H、H20α)、4.14(d、J=8.25Hz、1H、H20β)、3.90(d、J=6.6Hz、1H、H3)、2.54(m、1H、H6α)、2.26(s、3H、4Ac)、2.05(m、2H、H14α、H14β)、2.02(s、3H、Me18)、1.88(m、1H、H6β)、1.65(s、3H、Me19)、1.18(s、3H、Me17)、1.05(s、3H、Me16)、1.02−0.92(m、18H、SiCH2 3 )、0.69−0.53(m、12H、SiC 2 CH3)。
Figure 0003741715
f.2−デベンゾイル−2−p−フルオロベンゾイルタキソール
THF(1.0ml)中の7,10−ビス−O−トリエチルシリル−2−デベンゾイル−2−p−フルオロベンゾイル−10−デアセチルバッカチン(III)(20.0mg、0.026ミリモル)の溶液に、−45℃で、ヘキサン中のn−ブチルリチウムの1.64M溶液(16μl)を滴下した。−45℃で0.5時間後、THF(0.5ml)中の(±)シス−1−ベンゾイル−3−トリエチルシリルオキシ−4−フェニルアゼチジン−2−オン(50.0mg、0.13ミリモル)の溶液を、混合物に滴下した。溶液を0℃に昇温し、その温度に1時間保ち、THF中のAcOHの10%溶液(1ml)を加えた。混合物を、飽和NaHCO3水溶液および60/40酢酸エチル/ヘキサンに分配した。有機相を蒸発して得た残渣を、シリカゲルで濾過(20%EtOAc/ヘキサン)することにより精製して、粗固体(32.5mg)を得た。アセトニトリル(1.6ml)およびピリジン(79μl)中の、その固体の溶液に、0℃で、48%HF水溶液(240μl)を加えた。混合物を0℃で3時間、および次いで25℃で13時間攪拌し、飽和炭酸水素ナトリウム水溶液および酢酸エチルに分配した。酢酸エチル溶液を蒸発して得た粗固体(24.4mg)を、フラッシュクロマトグラフィー(70%EtOAc/ヘキサン)により精製して、2−デベンゾイル−2−p−フルオロベンゾイルタキソール(15.2mg、70.4%)を得た。
m.p.180−183℃、[α]25 Na−56.9°(c0.5、CHCl3)、1H NMR(CDCl3、300MHz)δ8.15(m、2H、芳香環)、7.73(m、2H、芳香環)、7.52−7.34(m、8H、芳香環)、7.20(m、2H、芳香環)、7.07(d、J=9.3Hz、1H、NH)、6.22(dd、J=8.8、8.8Hz、1H、H13)、5.79(dd、J=8.8、2.7Hz、1H、H3')、5.64(d、J=7.1Hz、1H、H2β)、5.17(s、1H、H10)、4.94(dd、J=9.3、1.7Hz、1H、H5)、4.79(m、1H、H2')、4.29−4.15(m、3H、H7、H20α、H20β)、3.90(d、J=7.1Hz、1H、H3)、3.56(d、J=5.0Hz、1H、2'OH)、2.58(m、1H、H6α)、2.38(s、3H、4Ac)、2.28(m、2H、H14α、H14β)、1.82(m、1H、H6β)、1.79(s、3H、Me18)、1.74(s、3H、Me19)、1.20(s、3H、Me17)、1.10(s、3H、Me16)。
Figure 0003741715
g.13−O−トリメチルシリル−7,10−ビス−O−トリエチルシリル−2−デベンゾイル−2−(2−フロイル)−10−デアセチルバッカチン(III)
THF(1.0ml)中の13−O−トリメチルシリル−7,10−ビス−O−トリエチルシリル−2−デベンゾイル−10−デアセチルバッカチン(III)(40.0mg、0.054ミリモル)の溶液に、N2雰囲気中、−78℃で、THF中のLDAの0.328M溶液(320μl、2当量)を滴下した。その混合物を、−78℃で30分間攪拌し、THF(100μl)中のp−フルオロベンゾイルクロリド(26μl、4当量)の溶液を加えた。1時間後、ジイソプロピルアミン(100μl)を加え、混合物を25℃に昇温した。10分後、混合物をNaHCO3水溶液(5.0ml)で希釈し、EtOAc(2×10.0ml)で抽出した。有機相を塩水(5.0ml)で洗い、無水Na2SO4で乾燥し、濾過し、減圧下に濃縮して、粗固体(64.2mg)を得た。フラッシュクロマトグラフィー(15%EtOAc/ヘキサン)により、13−O−トリメチルシリル−7,10−ビス−O−トリエチルシリル−2−デベンゾイル−2−(2−フロイル)−10−デアセチルバッカチン(III)(33.9mg、76.3%)を得た。
m.p.208−210℃、[α]25 Na−49.6°(c0.5、CHCl3)、1H NMR(CDCl3、300MHz)δ7.62(m、1H、フロイル)、7.20(m、1H、フロイル)、6.50(m、1H、フロイル)、5.52(d、J=7.1Hz、1H、H2)、5.18(s、1H、H10)、4.95(dd、J=1.6、9.4Hz、1H、H5)、4.85(m、1H、H13)、4.41(dd、J=6.9、10.4Hz、1H、H7)、4.38(d、J=8.8Hz、1H、H20α)、4.15(d、J=8.2Hz、1H、H20β)、3.82(d、J=6.6Hz、1H、H3)、2.51(m、1H、H6α)、2.22(s、3H、4Ac)、2.10(m、2H、H14α、H14β)、1.92(s、3H、Me18)、1.89(m、1H、H6β)、1.64(s、3H、Me19)、1.17(s、3H、Me17)、1.12(s、3H、Me16)、1.01−0.93(m、18H、SiCH2 3 )、0.69−0.52(m、12H、SiC 2 CH3)、0.16(s、9H、SiC 3 )。
Figure 0003741715
h.7,10−ビス−O−トリエチルシリル−2−デベンゾイル−2−(2−フロイル)−10−デアセチルバッカチン(III)
ポリエチレンバイアルに入れた、アセトニトリル(2.25ml)およびTHF(2.25ml)中の、13−O−トリメチルシリル−7,10−ビス−O−トリエチルシリル−2−デベンゾイル−2−(2−フロイル)−10−デアセチルバッカチン(III)(30.0mg、0.036ミリモル)の溶液に、ピリジン(48μl)および48%HF水溶液(75μl)を滴下した。その反応混合物を、25℃で12時間攪拌後、EtOAc(20.0ml)で希釈した。飽和NaHCO3水溶液を、ガスの発生が止むまで加えた。有機相を分離し、塩水(3.0ml)を洗い、無水Na2SO4で乾燥し、濾過し、減圧下に濃縮して、粗固体(33.4mg)を得た。フラッシュクロマトグラフィー(30%EtOAc/ヘキサン)により、7,10−ビス−O−トリエチルシリル−2−デベンゾイル−2−(2−フロイル)−10−デアセチルバッカチン(III)(21.3mg、78.8%)、および10−O−トリエチルシリル−2−デベンゾイル−2−(2−フロイル)−10−デアセチルバッカチン(III)(4.9mg、21.4%)を得た。
m.p.179−181℃、[α]25 Na−45.6°(c0.5、CHCl3)、1H NMR(CDCl3、300MHz)δ7.62(m、1H、フロイル)、7.21(m、1H、フロイル)、6.53(m、1H、フロイル)、5.51(d、J=7.1Hz、1H、H2)、5.20(s、1H、H10)、4.94(dd、J=1.7、9.3Hz、1H、H5)、4.82(m、1H、H13)、4.43−4.37(m、2H、H7、H20α)、4.18(d、J=8.2Hz、1H、H20β)、3.87(d、J=7.2Hz、1H、H3)、2.52(m、1H、H6α)、2.23(s、3H、4Ac)、2.10(m、2H、H14α、H14β)、2.01(s、3H、Me18)、1.88(m、1H、H6β)、1.64(s、3H、Me19)、1.17(s、3H、Me17)、1.04(s、3H、Me16)、1.02−0.92(m、18H、SiCH2 3 )、0.69−0.54(m、12H、SiC 2 CH3)。
Figure 0003741715
i.2−デベンゾイル−2−(2−フロイル)タキソール
THF(1.0ml)中の7,10−ビス−O−トリエチルシリル−2−デベンゾイル−2−(2−フロイル)−10−デアセチルバッカチン(III)(20mg、0.027ミリモル)の溶液に、−45℃で、ヘキサン中のn−ブチルリチウムの1.64M溶液(16μl)を滴下した。−45℃で0.5時間後、THF(0.5ml)中の(±)シス−1−ベンゾイル−3−トリエチルシリルオキシ−4−フェニルアゼチジン−2−オン(50.0mg、0.13ミリモル)の溶液を、混合物に滴下した。溶液を0℃に昇温し、その温度に1時間保ち、THF中のAcOHの10%溶液(1ml)を加えた。混合物を、飽和NaHCO3水溶液および60/40酢酸エチル/ヘキサンに分配した。有機相を蒸発して得た残渣を、シリカゲルで濾過(20%EtOAc/ヘキサン)することにより精製して、粗固体(31.7mg)を得た。アセトニトリル(1.6ml)およびピリジン(79μl)中のその固体の溶液に、0℃で、48%HF水溶液(240μl)を加えた。混合物を0℃で3時間、および次いで25℃で13時間攪拌し、飽和炭酸水素ナトリウム水溶液および酢酸エチルに分配した。酢酸エチル溶液を蒸発して得た粗個体(24.4mg)を、フラッシュクロマトグラフィー(70%EtOAc/ヘキサン)により精製して、2−デベンゾイル−2−(2−フロイル)タキソール(14.9mg、68.8%)を得た。
m.p.176−179℃、[α]25 Na−43.1°(c0.5、CHCl3)、1H NMR(CDCl3、300MHz)δ7.76−7.32(m、12H、芳香環)7.08(d、J=8.8Hz、1H、NH)、6.60(m、1H、フロイル)、6.20(dd、J=8.8、88Hz、1H、H13)、5.78(dd、J=8.8、2.8Hz、1H、H3')、5.56(d、J=7.1Hz、1H、H2β)、5.16(s、1H、H10)、4.93(dd、J=9.3、1.7Hz、1H、H5)、4.78(m、1H、H2')、4.40(d、J=8.3Hz、1H、H20α)、4.24(d、J=8.2Hz、1H、20β)、4.19(m、1H、H7)、3.86(d、J=7.1Hz、1H、H3)、3.57(d、J=5.0Hz、1H、2'OH)、2.56(m、1H、H6α)、2.35(s、3H、4Ac)、2.24(m、2H、H14α、H14β)、1.83(m、1H、H6β)、1.76(s、3H、Me18)、1.73(s、3H、Me19)、1.19(s、3H、Me17)、1.08(s、3H、Me16)。
実施例16
C−4に種々の置換基を有するタキソール類似体の製造
Figure 0003741715
a.13−O−トリメチルシリル−7,10−ビス−トリエチルシリル−2−デベンゾイル−4,10−ビスデアセチルバッカチン(III)
エーテル(4.0ml)中の13−O−トリメチルシリル−7,10−ビス−O−トリエチルシリル−10−デアセチルバッカチン(III)(0.1g、0.012ミリモル)の溶液に、−10℃で、エーテル中の水素化アルミニウムリチウム(LAH)の1.0M溶液(320μl)を滴下した。得られた混合物を−10℃から0℃まで、2時間にわたってゆっくり昇温し、飽和NaHCO3水溶液(3.0ml)を加えた。溶液を濾過し、固体をEtOAcで濯いだ。濾液を減圧下に濃縮し、EtOAc(50.0ml)で希釈した。有機相を分離し、塩水(5.0ml)で洗った。合した有機相を無水Na2SO4で乾燥し、濾過し、減圧下に濃縮して、粗固体(0.15g)を得た。フラッシュクロマトグラフィー(30%EtOAc/ヘキサン)により、純粋な13−O−トリメチルシリル−7,10−ビス−O−トリエチルシリル−2−デベンゾイル−4,10−ビスアセチルバッカチン(III)(72.0mg、85.8%)を、無水油状物として得た。
[α]25 Na−25.5°(c0.5、CHCl3)、1H NMR(CDCl3、300MHz)、δ5.15(s、1H、H10)、4.73(dd、J=1.8、8.9Hz、1H、H5)、4.65(m、1H、H13)、4.53(d、J=9.3Hz、1H、H20α)、4.39(d、J=8.2Hz、1H、H20β)、4.00(dd、J=6.0、11.5Hz、1H、H7)、3.76(m、1H、2H)、3.44(d、J=11.0Hz、2OH)、3.27(d、J=6.0Hz、1H、H3)、2.45(m、2H、H6α、H14α)、2.08−1.93(m、2H、H6β、H14β)、1.84(s、3H、Me18)、1.53(s、3H、Me19)、1.09(s、3H、Me17)、1.05(s、3H、Me16)、1.01−0.91(m、18H、SiCH2 3 )、0.66−0.53(m、12H、SiC 2 CH3)、0.23(s、9H、SiC 3 )。
Figure 0003741715
b.13−O−トリメチルシリル−7,10−ビス−O−トリエチルシリル−2−デベンゾイル−10−デアセチルバッカチン(III)
THF(1.0ml)中の13−O−トリメチルシリル−7,10−ビス−O−トリエチルシリル−2−デベンゾイル−4,10−ビスデアセチルバッカチン(III)(10.0mg、0.0143ミリモル)の溶液に、N2雰囲気中、−78℃で、THF中のリチウムジイソプロピルアミド(LDA)の0.328M溶液(440μl、10当量)を加えた。溶液を−78℃で30分間攪拌し、THF中の塩化アセチルの1.4M溶液(200μl、20当量)を加えた。その混合物を−78℃で1時間攪拌し、飽和NaHCO3水溶液(2.0ml)を加え、混合物をEtOAc(2×10ml)で抽出した。有機相を塩水(5.0ml)で洗い、無水Na2SO4で乾燥し、濾過し、減圧下に濃縮して、粗油状物(12.7mg)を得た。フラッシュクロマトグラフィー(25%〜50%EtOAc/ヘキサン)により、13−O−トリメチルシリル−7,10−ビス−O−トリエチルシリル−2−デベンゾイル−10−デアセチルバッカチン(III)(6.1mg、57.6%)、13−O−トリメチルシリル−7,10−ビス−O−トリエチルシリル−2−デベンゾイル−2−アセチル−4,10−ビスデアセチルバッカチン(III)1.89mg、17.9%)を得、13−O−トリメチルシリル−7,10−ビス−O−トリエチルシリル−2−デベンゾイル−4,10−ビスデアセチルバッカチン(III)(1.2mg、12.0%)、および13−O−トリメチルシリル−7,10−ビス−O−トリエチルシリル−2−デベンゾイル−2−アセチル−4,10−ビスデアセチルバッカチン(III)(<1.0mg)を回収した。
Figure 0003741715
c.13−O−トリメチルシリル−7,10−ビス−O−トリエチルシリル−2−デベンゾイル−4,10−ビスデアセチルバッカチン(III)・1,2−カーボネート
CH2Cl2(4.0ml)およびピリジン(0.8ml)中の13−O−トリメチルシリル−7,10−ビス−O−トリエチルシリル−2−デベンゾイル−4,10−ビスデアセチルバッカチン(III)(20.0mg、0.029ミリモル)の溶液に、−78℃で、ベンゼン中のCOCl2の3.4M溶液(80μl、10当量)を加えた。その混合物を−10℃(氷−アセトン)に昇温し、−10℃に30分間保った。飽和NaHCO3水溶液(5.0ml)を加え、混合物をEtOAc(3×10ml)で抽出した。有機相を10%CuSO4水溶液、次いで塩水(5.0ml)で洗い、無水Na2SO4で乾燥し、濾過し、減圧下に濃縮して粗固体(21.9mg)を得た。プラグ濾過(20%EtOAc/ヘキサン)により、純粋な13−O−トリメチルシリル−7,10−ビス−O−トリエチルシリル−2−デベンゾイル−4,10−ビスデアセチルバッカチン(III)・1,2−カーボネート(20.8mg、98.9%)を得た。
m.p.147−148℃、[α]25 Na−28.8°(c0.5、CHCl3)、1H NMR(CDCl3、300MHz)、δ5.21(s、1H、H10)、4.76(dd、J=2.8、9.9Hz、1H、H5)、4.65(m、1H、H13)、4.54(d、J=8.8Hz、1H、H20α)、4.52(d、J=8.3Hz、1H、H20β)、4.32(d、J=5.0Hz、1H、H2)、4.10(dd、J=6.6、11.0Hz、1H、H7)、3.10(d、J=5.3Hz、1H、H3)、2.54(m、3H、H6α、H14α、H14β)、1.99(m、1H、H6β)、1.92(s、3H、Me18)、1.61(s、3H、Me19)、1.17(s、3H、Me17)、1.12(s、3H、Me16)、1.01−0.91(m、18H、SiCH2 3 )、0.67−0.56(m、12H、SiC 2 CH3)、0.23(s、9H、SiC 3 )。
Figure 0003741715
d.13−O−トリメチルシリル−7,10−ビス−O−トリエチルシリル−2−デベンゾイル−2−アセチル−4,10−ビスデアセチルバッカチン(III)
THF(0.5ml)中の13−O−トリメチルシリル−7,10−ビス−O−トリエチルシリル−2−デベンゾイル−4,10−ビスデアセチルバッカチン(III)(10.0mg、0.014ミリモル)の溶液に、0℃で、エーテル中のMeMgBrの3.4M溶液(40μl、10当量)を加えた。溶液をN2雰囲気中、0℃で1時間攪拌し、飽和NaHCO3水溶液(1.0ml)を加えた。混合物をEtOAc(3×5.0ml)で抽出し、有機相を塩水(5.0ml)で洗い、無水Na2SO4で乾燥し、濾過し、減圧下に濃縮して、粗固体(11.9mgを得た。フラッシュクロマトグラフィー(20%EtOAc/ヘキサン)により、純粋な13−O−トリメチルシリル−7,10−ビス−O−トリエチルシリル−2−デベンゾイル−2−アセチル−4,10−ビスデアセチルバッカチン(III)(9.9mg、97.0%)を得た。
m.p.198−201℃、[α]25 Na−39.9°(c0.5、CHCl3)、1H NMR(CDCl3、300MHz)、δ5.27(d、J=5.5Hz、1H、H2)、5.22(s、1H、H10)、4.71(m、1H、H13)、4.58(dd、J=2.8、9.3Hz、1H、H5)、4.41(d、J=7.7Hz、1H、H20α)、4.35(d、J=7.1Hz、1H、H20β)、4.01(dd、J=6.1、11.6Hz、1H、H7)、3.74(s、1H、4OH)、3.47(d、J=5.5Hz、1H、H3)、2.45(m、1H、H6α)、2.24−2.04(m、2H、H14α、H14β)、2.06(s、3H、2Ac)、1.96(m、1H、H6β)、1.88(s、3H、Me18)、1.46(s、3H、Me19)、1.14(s、3H、Me17)、1.02(s、3H、Me16)、0.99−0.91(m、18H、SiCH2 3 )、0.67−0.56(m、12H、SiC 2 CH3)、0.24(s、9H、SiC 3 )。
Figure 0003741715
e.13−O−トリメチルシリル−7,10−ビス−O−トリエチルシリル−4,10−ビスデアセチルバッカチン(III)
THF(0.5ml)中の13−O−トリメチルシリル−7,10−ビス−O−トリエチルシリル−2−デベンゾイル−4,10−ビス−デアセチルバッカチン(III)・1,2−カーボネート(10.0mg、0.014ミリモル)の溶液に、−45℃で、30%エーテル/70%シクロヘキサン中のフェニルリチウムの1.8M溶液(78μl、10当量)を加えた。溶液を、N2雰囲気中、−45℃で1時間攪拌し、飽和NaHCO3水溶液(1.0ml)を加えた。混合物をEtOAc(3×5.0ml)で抽出した。有機相を塩水(5.0ml)で洗い、無水Na2SO4で乾燥し、濾過し、減圧下に濃縮して、粗固体(12.8mg)を得た。フラッシュクロマトグラフィー(50%EtOAc/ヘキサン)により、純粋な13−O−トリメチルシリル−7,10−ビス−O−トリエチルシリル−4,10−ビスデアセチルバッカチン(III)(9.9mg、98.5%)を得た。
m.p.177−179℃、[α]25 Na−44.5°(c0.3、CHCl3)、1H NMR(CDCl3、300MHz)δ8.05(d、J=7.2Hz、2H、ベンゾエートオルト)、7.60−7.37(m、3H、芳香環、)、5.61(d、J=6.1Hz、1H、H2)、5.25(s、1H、H10)、4.74(m、1H、H13)、4.57(dd、J=1.7、9.3Hz、1H、H5)、4.38(d、J=8.2Hz、1H、H20α)、4.12(d、J=8.2Hz、1H、H20β)、4.05(dd、J=6.1、12.1Hz、1H、H7)、3.69(d、J=6.0Hz、1H、H3)、2.55(m、1H、H6α)、2.42(m、2H、H14α、H14β)、2.04(s、3H、Me18)、1.99(m、1H、H6β)、1.64(s、3H、Me19)、1.20(s、3H、Me17)、1.04(s、3H、Me16)、1.01−0.90(m、18H、SiCH2 3 )、0.70−0.56(m、12H、SiC 2 CH3)。
Figure 0003741715
f.13−O−トリメチルシリル−7,10−ビス−O−トリエチルシリル−2−デベンゾイル−10−デアセチルバッカチン(III)・1,2−カーボネート
ピリジン(0.5ml)中の13−O−トリメチルシリル−7,10−ビス−O−トリエチルシリル−2−デベンゾイル−4,10−ビスデアセチルバッカチン(III)・1,2−カーボネート(8.0mg、0.011ミリモル)の攪拌した溶液に、Ac2O(100μl)およびDMAP(50mg)を加えた。溶液をN2雰囲気中で12時間加熱還流し、室温に冷却し、EtOAc(15.0ml)を加えた。有機相を、10%CuSO4水溶液および塩水(5.0ml)で洗い、無水Na2SO4で乾燥し、濾過し、減圧下に濃縮して、粗固体(22.0mg)を得た。フラッシュクロマトグラフィー(20%EtOAc/ヘキサン)により、13−O−トリメチルシリル−7,10−ビス−O−トリエチルシリル−2−デベンゾイル−10−デアセチルバッカチン(III)・1,2−カーボネート(4.4mg、53.0%)、および13−O−アセチル−7,10−ビス−O−トリエチルシリル−2−デベンゾイル−10−デアセチルバッカチン(III)・1,2−カーボネート(2.3mg、27.8%)を得た。
実施例17
10−デスアセトキシバッカチンIII
窒素雰囲気中、0℃で、THF(0.09ml)中のバッカチンIII(20mg、0.034ミリモル)の溶液に、THF中のSmI2の溶液(0.1M、0.9ml、0.09ミリモル)を加えた。0℃で45分間攪拌後、フラスコを空気中で開放し、反応混合物を酢酸エチル(10ml)で希釈した。混合物を水性HCl(0.2N、25ml)に注ぎ、酢酸エチルで抽出し、抽出物を飽和NaHCO3水溶液および塩水で順次洗い、Na2SO4で乾燥し、蒸発させた。生成物をフラッシュクロマトグラフィー(SiO2、80%酢酸エチル−ヘキサン)により分離して、10−デスアセトキシバッカチンIII16.6mg(92%)を得、これをCHCl3−ヘキサンから再結晶した。
mp=230−232℃。
[α]25 D=−103.6(c=0.00195、CHCl3)。
IR(cm-1):3100、2970、2950、2900、1750、1710、1460、1370、1320、1270、1255、1110、980、890、760、700。
1H NMR(500MHz、CDCl3)δ8.11(dd:2H;J=8.4,1.2Hz;o−Bz);7.61(dt;1H;J=7.5,1.2Hz;p−Bz);7.48(br t;2H;J=7.8Hz;m−Bz);5.66(br d;1H;J=6.9Hz;H−2β);4.98(br dd;1H;J=9.4,2;H−5α);4.83(br;1H;w1/219Hz;H−13β);4.34(bt;1H;J=11.2,7.8Hz;H−7α);4.31(br d;1H;J=8.4Hz;H−20α);4.17(br d;1H;J=6.9Hz;H−3α);4.15(dd;1H;J=8.4,1Hz;H−20β);3.84(d;1H;J=15.6Hz;H−10α);3.46(ddd;1H;J=15.6,3.7,1.6Hz;H−10β);2.64(ddd;1H;J=14.4,9.4,6.9Hz;H−6α);2.29(s;3H;4−OAc);2.28(m;2H;H−14αおよびH−14β);1.95(t;3H;J=1.6Hz;18−Me);1.94(d;1H;J=6.8Hz;13−OH);1.79(ddd;1H;J=14.4,11.2,2.1Hz;H−6β);1.64(s;3H;19−Me);1.58(s;1H;1−OH);1.38(d;1H;J=7.8Hz;7−OH);1.13(s;3H;16−Me);1.06(s;3H;17−Me)。
実施例17
7−トリエチルシリル−10−デスアセトキシバッカチンIII
窒素雰囲気中、室温で、無水ピリジン(0.05ml)中の10−デスアセトキシバッカチンIII(10.0mg、0.019ミリモル)の攪拌した溶液に、トリエチルクロロシラン(15l、0.09ミリモル)を加え、その混合物を室温で48時間攪拌した。混合物を、酢酸エチル(5ml)で希釈後、飽和NaHCO3水溶液(25ml)に注ぎ、酢酸エチルで抽出した。抽出物を、水、10%CuSO4水溶液、および塩水で順次洗い、Na2SO4で乾燥し、蒸発させた。生成物をフラッシュクロマトグラフィー(SiO2、40%EA−ヘキサン)により精製して、7−トリエチルシリル−10−デスアセトキシバッカチンIII11.1mg(91%)を得た。
実施例18
10−デスアセトキシタキソール
窒素雰囲気中、0℃で、THF(0.1ml)中のタキソール(35mg、0.041ミリモル)の攪拌した溶液に、THF中のSmI2の溶液(0.1M、1.0ml、0.10ミリモル)を加えた。0℃で45分間攪拌後、フラスコを空気中で開放し、反応混合物を酢酸エチル(10ml)で希釈した。混合物を水性HCl(0.2N、25ml)に注ぎ、酢酸エチルで抽出し、抽出物を飽和NaHCO3水溶液および塩水で順次洗い、Na2SO4で乾燥し、蒸発させた。生成物をフラッシュクロマトグラフィー(SiO2、80%酢酸エチル−ヘキサン)により分離して、10−デスアセトキシタキソール39.4mg(90%)を得た。

Claims (17)

  1. C2ベンゾエート置換基および/またはC4アセテート置換基を有するバッカチンIIIまたは10−デスアセチルバッカチンIIIの誘導体または類似体から、バッカチンIIIまたは10−デスアセチルバッカチンIIIの誘導体または類似体を製造する方法であって、C2ベンゾエート置換基および/またはC4アセテート置換基をアルミネートで選択的に還元して、対応するヒドロキシル基とし、C2ヒドロキシ置換基および/またはC4ヒドロキシ置換基をアシル化して、C2ヒドロキシ置換基をR31COO−に、および/またはC4ヒドロキシ置換基をR30COO−に変換することを含んで成り、R31およびR30はそれぞれ、H、場合により置換されたC1−C6アルキル、場合により置換されたC2−C6アルケニル、場合により置換されたC2−C6アルキニル、場合により置換された単環アリールまたは場合により置換された単環ヘテロアリールである方法。
  2. 製造するバッカチンIIIまたは10−デスアセチル誘導体の誘導体または類似体は、式:
    Figure 0003741715
    [式中、
    10aはH、−OH、保護ヒドロキシ、または−OCOR29a
    13は−OHまたは保護ヒドロキシ;
    7aはH、−OHまたは保護ヒドロキシ;
    2は−OCOR31
    4aは−OCOR30
    29a、R30およびR31はそれぞれ、H、C1−C6アルキル、C2−C6アルケニル、C2−C6アルキニル、単環アリールまたは単環ヘテロアリール。]
    で示される請求項1記載の方法。
  3. バッカチンIIIまたは10−デスアセチルバッカチンIIIの誘導体のC2ベンゾエート置換基および/またはC4アセテート置換基を、水素化アルミニウムリチウムまたは水素化ナトリウムビス(2−メトキシエトキシ)アルミニウムで選択的に還元する請求項1記載の方法。
  4. 31がp−フルオロフェニルである請求項1記載の方法。
  5. 31が単環アリールである請求項1記載の方法。
  6. 31がC1−C6アルキル置換単環アリール、C1−C6アルカンオキシ置換単環アリール、またはハロゲン置換単環アリールである請求項1記載の方法。
  7. バッカチンIIIまたは10−デスアセチルバッカチンIIIのC1ヒドロキシC2ベンゾエート誘導体から、バッカチンIIIまたは10−デスアセチルバッカチンIIIの誘導体または類似体を製造する請求項1記載の方法であって、ClヒドロキシC2ベンゾエート誘導体を水素化ナトリウムビス(2−メトキシエトキシ)アルミニウムで還元して、1,2−ジオール誘導体とし、1,2−ジオール誘導体をCl2COと反応させて1,2−カーボネートとし、1,2−カーボネートを求核試薬と反応させて、C2置換基をR31COO−に変換することを含んで成り、R31は請求項1において定義した通りである方法。
  8. C2ベンゾエート基および/またはC4アセテート基を有するバッカチンIIIまたは10−デスアセチルバッカチンIIIの誘導体または類似体から、バッカチンIIIまたは10−デスアセチルバッカチンIIIの誘導体または類似体を製造する方法であって、バッカチンIIIまたは10−デスアセチルバッカチンIIIの誘導体のC2ベンゾエート置換基および/またはC4アセテート置換基を水素化アルミニウムリチウムまたは水素化ナトリウムビス(2−メトキシエトキシ)アルミニウムで選択的に還元して、対応するヒドロキシル基とし、そのヒドロキシル基をアシル化剤と反応させて、C2ヒドロキシ置換基をR31COO−に、および/またはC4ヒドロキシ置換基をR30COO−に変換することを含んで成り、R31およびR30はそれぞれ、H、場合により置換されたC1−C6アルキル、場合により置換されたC2−C6アルケニル、場合により置換されたC2−C6アルキニル、場合により置換された単環アリールまたは場合により置換された単環ヘテロアリールである方法。
  9. アシル化剤が無水物または酸塩化物である請求項8記載の方法。
  10. 31はC1−C6アルキル置換単環アリール、C1−C6アルカンオキシ置換単環アリール、またはハロゲン置換単環アリールである請求項8記載の方法。
  11. バッカチンIIIまたは10−デスアセチルバッカチンIIIの1,2−カーボネート誘導体から、バッカチンIIIまたは10−デスアセチルバッカチンIIIの誘導体または類似体を製造する方法であって、1,2−カーボネートを求核試薬と反応させて、C2置換基をR31COO−に変換することを含んで成り、R31はH、C1−C6アルキル、C2−C6アルケニル、C2−C6アルキニル、単環アリールまたは単環ヘテロアリールであり、1,2−カーボネートは、式:
    Figure 0003741715
    [式中、
    4aは−OHまたはR30COO−;
    7aはH、−OHまたは保護ヒドロキシ;
    10aはH、−OH、保護ヒドロキシ、または−OCOR29
    13は−OHまたは保護ヒドロキシ;
    29はH、C1−C6アルキル、C2−C6アルケニル、C2−C6アルキニル、単環アリールまたは単環ヘテロアリール;
    30はH、C1−C6アルキル、C2−C6アルケニル、C2−C6アルキニル、単環アリールまたは単環ヘテロアリール。]
    で示される化合物である方法。
  12. 求核試薬はグリニヤール試薬またはアルキルリチウム試薬である請求項11記載の方法。
  13. 式:
    Figure 0003741715
    [式中、
    10aはH、−OH、保護ヒドロキシ、または−OCOR29
    13は−OHまたは保護ヒドロキシ;
    4aはR30COO−;
    7aはH、−OHまたは保護ヒドロキシ;
    29およびR30はそれぞれ、H、C1−C6アルキル、C2−C6アルケニル、C2−C6アルキニル、単環アリールまたは単環ヘテロアリール。]
    で示され、ただし、R 10a が−OH、かつ、R 13 が−OH、かつ、R 7a がトリエチルシリルオキシ、かつ、R 30 がメチルである化合物ではない化合物。
  14. 式:
    Figure 0003741715
    [式中、
    10aはH、−OH、保護ヒドロキシ、または−OCOR29
    13は−OHまたは保護ヒドロキシ;
    4aは−OHまたはR30COO−;
    7aはH;
    29およびR30はそれぞれ、H、C1−C6アルキル、C2−C6アルケニル、C2−C6アルキニル、単環アリールまたは単環ヘテロアリール。]
    で示される化合物。
  15. 式:
    Figure 0003741715
    [式中、
    10aはHまたは−OCOR29
    13は−OHまたは保護ヒドロキシ;
    4aは−OHまたはR30COO−;
    7aはH、−OHまたは保護ヒドロキシ;
    29およびR30はそれぞれ、H、C1−C6アルキル、C2−C6アルケニル、C2−C6アルキニル、単環アリールまたは単環ヘテロアリール。]
    で示される化合物。
  16. 4aがR30COO−で、R30がHである請求項13〜15のいずれかに記載の化合物。
  17. 式:
    Figure 0003741715
    [式中、
    10aはH、−OH、保護ヒドロキシ、または−OCOR29
    13は−OHまたは保護ヒドロキシ;
    4aは−OHまたはR30COO−;
    7aはH、−OHまたは保護ヒドロキシ;
    29およびR30はそれぞれ、H、C1−C6アルキル、C2−C6アルケニル、C2−C6アルキニル、単環アリールまたは単環ヘテロアリール。]
    で示される化合物。
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