JP3741286B2 - 微生物による汚染土の浄化方法 - Google Patents

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本発明は、汚染土に含まれている有機塩素系化合物等の汚染物質を浄化する汚染土の浄化方法に関する。
土壌内には、トリクロロエチレンなどの有機塩素系化合物や、重油やガソリンなどの石油系炭化水素が含まれていることがあり、このような土壌をそのまま放置すると、上述した有機塩素系化合物等の汚染物質が地下水等を介して環境に拡散するおそれがある。そのため、かかる汚染土壌に対しては所定の浄化処理を行なねばならない。
一方、微生物の活性を利用して環境中の汚染物質を分解無害化する技術、すなわちバイオレメディエーションの研究が進んできており、従来から原油による海洋汚染などの浄化に適用されてきたが、最近では汚染土壌へも適用されるようになってきた。
バイオレメディエーションを用いて汚染土壌中の汚染物質を浄化するにあたっては、まず、汚染土壌を掘削して掘削汚染土を仮用地に移動し、次いで、仮用地にて掘削汚染土内の汚染物質を微生物で分解する。そして、汚染物質が分解処理された後は、処理土を元の位置に埋め戻すといった手順が一般的である。
特開平7−60230号
しかしながら、粘性の高い汚染土の場合には、汚染土の通気性が悪いために好気性分解菌の活性を上げることができず、該汚染土内の汚染物質を分解するのに長時間を要したり、場合によっては微生物分解自体が実質的に不可能になるという問題を生じていた。
また、汚染土に生石灰を混合攪拌することで、汚染土内に含まれている水分と生石灰との化学反応に伴う水和熱を発生させ、かかる水和熱を利用して汚染物質を気化処理する方法も検討開発されている(特開平7−275837号公報参照)が、かかる方法では、汚染土が生石灰により強アルカリ性となり、埋め戻した後でアルカリ成分が地下水等に拡散したり生態系に悪影響を及ぼすといった事態が懸念される。
本発明は、上述した事情を考慮してなされたもので、環境に影響を及ぼしたりそれを防止するためのpH調整等の後処理を行うことなく、かつ粘性の高い汚染土であっても効率的に汚染物質を浄化することが可能な微生物による汚染土の浄化方法を提供することを目的とする。
上記目的を達成するため、本発明に係る微生物による汚染土の浄化方法は請求項1に記載したように、汚染物質が含まれた汚染土を攪拌しながら該汚染土に通気を行って前記汚染物質を気化回収するとともに、前記汚染物質を分解する分解菌を前記汚染土に投入して該汚染物質を微生物分解する微生物による汚染土の浄化方法であって、前記汚染物質の気化回収工程を前記分解菌の投入分解工程よりも先行させてなり、前記気化回収工程において前記汚染物質の濃度が前記分解菌による分解効果がより表れやすい濃度まで下がった時点で前記分解菌を投入し、前記分解菌をMO7株、前記汚染物質をトリクロロエチレンとするとともに、前記分解菌による分解効果がより表れやすい濃度を、100mg/kg以下とするものである。
また、本発明に係る微生物による汚染土の浄化方法は、前記汚染土を高粘性の汚染土としたものである。
本発明に係る微生物による汚染土の浄化方法においては、汚染物質が含まれた汚染土を容器内に収容して気密状態とし、次いで、容器内の汚染土を攪拌手段で攪拌しながら給排気手段による通気を行うとともに、汚染物質を分解する分解菌を分解菌投入手段を介して容器内に投入する。
このようにすると、給排気手段による通気作用と攪拌手段による攪拌作用とによって、汚染物質は、汚染土内からの気化が促進されるとともに、上述した通気及び攪拌作用による良好な好気性環境の下、汚染土に添加された分解菌の活性が高くなり、汚染土内の汚染物質は、分解菌が出す分解酵素によって速やかに分解される。
また、通常であれば、通気が困難な粘性の高い汚染土であっても、攪拌手段によって汚染土を攪拌しつつ給排気手段による通気を行うため、汚染土と周囲の気体との接触性が高まる。したがって、該汚染土内の汚染物質は、速やかに気化回収されるとともに、分解菌によって効率よく微生物分解される。
対象となる汚染物質としては、好気性環境下で微生物分解可能なものを全て含むものとし、分解菌については、かかる汚染物質に応じて最適なものを選択すればよい。
例えば、汚染物質が自然界に存在する原油等であれば、土中に生息する頻度の高い微生物、例えばシュードモナス属の菌体をそのまま利用することができる。なお、汚染物質を分解できる微生物の菌体数が汚染土内にあまり存在しない場合には、他の自然環境で生息している微生物から対象となる汚染物質を分解できる微生物をスクリーニングにより単離し、育種するようにしてもよい。
一方、汚染物質がトリクロロエチレンなどの人為的に合成された有機溶剤であって、これを唯一の炭素源として直接分解できる微生物の入手が困難である場合には、共代謝すなわち別の物質を分解する際に付加的に分解を行わせる作用を利用すればよい。例えば、空気とともにメタンを容器内に給気して土中に存在する若しくは土中に別途供給されたメタン資化性細菌を活性化させ、該細菌が有する酸化酵素で上述の有機溶剤を分解する方法や、フェノール、トルエンなどの芳香族化合物を分解菌投入手段若しくは給排気手段を介して容器内に供給し、土中に存在する若しくは土中に別途供給された芳香族資化性細菌(シュードモナス属細菌の中に多数存在する)に芳香族化合物を分解させ、その際の共代謝によって有機溶剤を分解する等の方法が考えられる。なお、本明細書では、上述のメタンや芳香族化合物を共代謝物質と呼ぶことにする。
その他、上述した内容と一部重複するが、トリクロロエチレンを微生物分解可能な分解菌としては、メタン資化性菌であるメチロシナス トリコスポリウム(Methylosinus tricosporium)OB3(特表平4−501667、特開平5−212371)やメチロシナス トリコスポリウム(Methylosinus tricosporium)TUKUBA(特開平2−92274、特開平3−292970)、シュードモナス属であるシュードモナス プチダ(Pseudomonus putida)F1(特開昭64−34499)、シュードモナス プチダ(Pseudomonus putida)BH(藤田ら;ケミカルエンジニアリング,39,6,p494−498,1994)、シュードモナス プチダ(Pseudomonus putida)UC−R5,UC−P2(特開昭62−84780)、シュードモナス プチダ(Pseudomonus putida)KWI−9(特開平6−70753)、シュードモナス メンドシナ(Pseudomonus mendocina)KR1(特開平2−503866,5−502593)、シュードモナス セパシア(Pseudomonus cepacia)G4(特開平4−502277)、シュードモナス セパシア(Pseudomonus cepacia)KK01(特開平6−296711)、アルカリジーナス ユートロフス(Alcaligenes eutropus)JMP134(A.R.Harker Appl.Environ.Microbiol.,56,4,1179-1181,1990)、アルカリジーナス ユートロフス(Alcaligenes eutropus)KS01(特開平7−123976)、アンモニア酸化細菌であるニトロソモナス ユーロパエア(Nitrosomonus europaea)(D.Arciero et al.Biochem.Biophys.Res.Commun.,159,2,640-643,1989)、コリネバクテリウム属細菌(Corynebacterium)J1(特開平8−66182)等が知られている。
なお、MO7株(国際出願番号PCT/JP97/02872、国際公開番号WO98/07831、FERM BP―5624)を用いれば、上述した細菌よりも高い効率でかつ直接的にトリクロロエチレンを分解することができる。
汚染物質の気化回収工程と分解菌の投入分解工程とは互いに無関係に進行させるようにしてもかまわないが、かかる気化回収工程を投入分解工程よりも先行させるようにしたならば、攪拌通気による汚染物質の気化回収によって汚染物質の濃度が予め低下し、分解菌による分解効果がより表れやすい濃度まで下がった時点で分解菌が投入されることとなる。
したがって、汚染物質が高濃度であるときには攪拌通気で、低濃度であるときには分解菌による微生物分解でそれぞれ汚染物質を浄化することが可能となり、攪拌通気や微生物分解をそれぞれに適した濃度で行い、その結果として、全体の浄化効率を大幅に向上させることができる。
攪拌手段をどのように構成するかについては任意であるが、かかる攪拌手段を、回転軸に攪拌部材が突設された一対の攪拌機構を前記容器内に並設するとともに、該一対の攪拌機構を、互いに逆回転するようにかつ一方の攪拌機構に設けられた攪拌部材の回転範囲が他方の攪拌機構の回転軸近傍に及ぶように構成したならば、汚染土が均等に攪拌され、その粘性が高い場合であっても、これを空気等にまんべんなく接触させることが可能となる。
このように本発明に係る微生物による汚染土の浄化方法によれば、通気及び攪拌作用によって汚染物質の気化が促進されるとともに、かかる通気及び攪拌作用による良好な好気性環境の下、汚染土に添加された分解菌の活性が高くなって、汚染土内の汚染物質が分解菌によって速やかに分解されるので、結局、汚染土内の汚染物質を効率よく浄化することが可能となる。特に、攪拌手段によって汚染土を攪拌しつつ通気を行うため、高粘性の汚染土であっても周囲の気体との接触性が高まり、かくして、気化回収及び微生物分解による汚染物質の浄化を高粘性汚染土に対しても確実かつ効率的に行うことが可能となる。
また、本発明に係る微生物による汚染土の浄化方法によれば、汚染土の粘性が高い場合であっても、該汚染土を容器内で確実かつ均等に攪拌し、これを空気等にまんべんなく接触させることが可能となり、高粘性汚染土に対する浄化の確実性や効率をさらに高めることができるという効果も奏する。
また、本発明に係る微生物による汚染土の浄化方法によれば、汚染物質が高濃度であるときには攪拌通気で、低濃度であるときには分解菌による微生物分解でそれぞれ汚染物質を浄化することが可能となる。すなわち、攪拌通気工程や微生物分解工程がそれぞれに適した濃度で行われることとなり、かくして汚染物質の全体の浄化効率を大幅に向上させることが可能となるという効果も奏する。
以下、本発明に係る微生物による汚染土の浄化方法の実施の形態について、添付図面を参照して説明する。なお、従来技術と実質的に同一の部品等については同一の符号を付してその説明を省略する。
図1は、本実施形態に係る微生物による汚染土の浄化方法を実施するための浄化装置を示した全体図である。同図でわかるように、汚染土の浄化装置1は、汚染物質としてのトリクロロエチレン(以下、TCEと呼ぶ)が含まれた高粘性の汚染土2を投入用ハッチ19から投入するとともにこれを気密状態で収容可能な容器3と、該容器内の汚染土を攪拌する攪拌手段4と、TCEを分解する分解菌を容器3内に投入する分解菌投入手段5と、容器3内に対して給排気を行う給排気手段としての給気設備6及び排気設備7とからなる。
分解菌投入手段5は、分解菌、例えばMO7株(国際出願番号PCT/JP97/02872、国際公開番号WO98/07831、FERM BP―5624)を菌体懸濁液タンク8に収容しておき、これを菌体供給管10から圧送ポンプ9で容器3内に供給できるように構成してある。なお、分解菌の活性が高まるよう、必要に応じて栄養塩や共代謝物質等を併せて供給できるように構成しておくのがよい。
給気設備6は、気体、主として空気を給気ポンプ11を用いて給気管18から容器3内に送り込むように構成してあるが、必要であれば、TCE分解菌の生育に最適な条件を考慮して酸素濃度や気体温度等を適宜設定するとともに、メタンなどの共代謝物質を併せて供給できるように構成しておくのがよい。
排気設備7は、排気ポンプ12を用いて容器3内の気体を排気管14から引き抜くとともに、該気体に含まれるTCEを活性炭への吸着作用等を利用したガス処理設備13で捕集可能に構成してある。
なお、汚染土の浄化装置1には、上述した設備機器の他に、TCEが除去された土を処理土15として例えば処理土ストックヤードまで搬送するためのベルトコンベヤ16を備えている。かかるベルトコンベヤ16は、その搬送ベルトが容器3の底面に設けた開閉式排出口17の直下にくるように設置位置を調整しておく。
図2は、容器3周辺を示した水平断面図及び鉛直断面図である。これらの図でわかるように、攪拌手段4は、回転軸22に攪拌部材25が放射状に突設されてなる一対の攪拌機構21a、21bを容器3内に並設するとともに、該一対の攪拌機構を構成する回転軸22、22の基端側に歯車26、26を取り付けて互いに噛合させるとともに、攪拌機構21bの側の歯車26にモータ27の出力軸28を連結することによって、攪拌機構21a、21bが互いに逆回転するように構成してある。
ここで、攪拌機構21a、21bは、図3でよくわかるように、一方の攪拌機構に設けられた攪拌部材25の回転範囲が他方の攪拌機構の回転軸22近傍に及ぶように構成してある。なお、攪拌部材25は、回転軸22の周面に突設されたロッド23とその先端に溶接等で固定されたほぼ矩形状の攪拌板24とからなり、同図に示す回転範囲は、攪拌機構21a、21bを回転させたときの攪拌板24の先端軌跡を示したものである。
図4は、かかる攪拌機構21a、21bの詳細平面図、図5は、図4のA―A線、B―B線、C―C線方向から見た矢視図であり、図5からは、攪拌機構21a、21bが互いに干渉することなく、しかも一方の攪拌機構に設けられた攪拌部材25の先端が他方の攪拌機構の回転軸22近傍を通過するようにして逆回転する様子がわかる。
ここで、攪拌板24は、攪拌機構21a、21bを回転させたときに、汚染土2が回転軸22の材軸に沿った方向に押し出されるように傾斜をつけてあるが、図4のA―A線、B―B線方向から見たときの攪拌板24の傾斜角度を比べればわかるように、攪拌板24による押し出し方向が互いに逆方向になっており、したがって、汚染土2が一方向に全体移動することはない。
一方、容器3の底面に設けられた開閉式排出口17、17は、図3に示すように容器本体側に回動自在に接合してあり、これを両側に開くことによって処理を終えた土を真下に落下させることができるようになっている。
本実施形態に係る微生物による汚染土の浄化方法においては、まず、汚染物質であるTCEが含まれた汚染土2を投入用ハッチ19から容器3内に投入して気密状態とし、次いで、容器3内に収容された汚染土2を攪拌手段4で攪拌しながら給気設備6による給気及び排気設備7による排気を行って容器3内を通気する。
このようにすると、給気設備6及び排気設備7による通気作用と攪拌手段4による攪拌作用とによって、汚染土2内からのTCEの気化が促進され、汚染土2内のTCE濃度が低下する。ここで、攪拌機構21a、21bによる攪拌は図5でよくわかるように、いわば2軸逆回転方式による攪拌となり、汚染土2を均質に攪拌する。すなわち、オーガスクリュー等を用いた従来のラインミキサーのごとき攪拌手段では、攪拌対象物の粘性が高い場合、該攪拌対象物が全体移動したり攪拌手段に付着するだけであって局所的に見ればほとんど攪拌されていないといった事態が生じるが、本実施形態のような2軸逆回転方式だと、汚染土2は、全体移動せずに局所的に攪拌されることとなり、均質な攪拌が可能となる。
なお、汚染土2から気化したTCEは、排気管14から引き抜かれた後、ガス処理設備13で適宜回収される。
汚染土2内のTCE濃度がある程度低下したならば、次に、上述した通気及び攪拌をそのまま維持した状態で菌体懸濁液タンク8に収容された分解菌を菌体供給管10から圧送ポンプ9で容器3内に供給する。
このようにすると、通気及び攪拌作用による良好な好気性環境の下、容器内3に投入された分解菌の活性が高くなり、該分解菌から出る分解酵素によって汚染土2内のTCEが速やかに分解され、TCE濃度はさらに低下する。なお、MO7株を分解菌として用いる場合には、TCE濃度が例えば100mg/kg以下に低下するまで分解菌の投入を待つようにすることが考えられる。
このような微生物分解工程においては、給気設備6から容器3内に気体を送り込む際、必要に応じてTCE分解菌の生育に最適な酸素濃度や気体温度に設定するとともに、やはり必要に応じて、微生物分解に必要な共代謝物質や栄養塩等を分解菌投入手段5や給気設備6を介して容器3内に供給する。
このようにして汚染土2のTCE濃度が十分に低下したならば、容器3の開閉式排出口17を開いて落下させ、これを処理土15としてベルトコンベヤ16で例えば処理土ストックヤードまで搬送する。
以上説明したように、本実施形態に係る微生物による汚染土の浄化方法によれば、給気設備6及び排気設備7による通気作用と攪拌手段4による攪拌作用との相乗効果によって、TCEの汚染土2内からの気化が促進されるとともに、かかる通気及び攪拌作用による良好な好気性環境の下、汚染土2に添加された分解菌の活性が高くなって、汚染土2内のTCEが分解菌によって速やかに微生物分解されることとなり、かくして汚染土2内のTCEを効率よく浄化することが可能となる。
特に、攪拌手段4によって汚染土2を攪拌しつつ通気を行うため、高粘性の汚染土2であっても周囲の気体との接触性が高まり、かくして、気化回収及び微生物分解によるTCEの浄化を高粘性汚染土に対しても確実かつ効率的に行うことが可能となる。
また、TCE浄化にあたり、従来のように水や生石灰を使用しないので、スラリーを処理したりpH調整したりといった後処理が不要となり、埋め戻し等の作業に速やかに移行することができる。そのため、環境への影響を懸念することなく、土壌浄化を短工期に行うことが可能となる。
また、本実施形態に係る微生物による汚染土の浄化方法によれば、攪拌手段4による攪拌を行いながらの給気設備6及び排気設備7による気化回収工程をまずは一定期間行い、しかる後に分解菌投入手段5による分解菌の投入分解工程を行う、すなわち、攪拌通気によるTCEの気化回収によってTCE濃度を予め低下させ、分解菌による分解効果がより表れやすい濃度まで下がった時点で分解菌を投入するようにしたので、TCEが高濃度であるときには攪拌通気で、低濃度であるときには分解菌による微生物分解でそれぞれTCEを浄化することが可能となる。
したがって、攪拌通気工程や微生物分解工程がそれぞれに適した濃度で行われることとなり、その結果として、微生物の菌体数が少ない場合であってもTCEを効率よく浄化することが可能となる。
なお、浄化装置1によれば、攪拌手段4を、回転軸22に攪拌部材25が突設された一対の攪拌機構21a、21bを容器3内に並設するとともに、該一対の攪拌機構を、互いに逆回転するようにかつ一方の攪拌機構に設けられた攪拌部材25の回転範囲が他方の攪拌機構の回転軸22近傍に及ぶように構成したので、高粘性の汚染土2を攪拌機構21a、21bの回転軸22に付着させることなく、容器3内で均等に攪拌し、空気等にまんべんなく接触させることが可能となる。
したがって、汚染土2に含まれるTCEを上述した攪拌通気による気化回収や微生物分解によって確実に浄化することが可能となる。
本実施形態では、気化回収工程を分解菌の投入分解工程よりも先行させるようにしたが、本発明に係る微生物による汚染土の浄化方法は、かかる手順に限定されるものではなく、例えば気化回収工程と分解菌による微生物分解工程とを同時進行させてもかまわない。
また、本実施形態では、高粘性の汚染土に適用した例を挙げて説明したが、粘性の低いものにも適用できることは言うまでもない。
本実施形態に係る微生物による汚染土の浄化装置の全体図。 本実施形態に係る微生物による汚染土の浄化装置の容器周辺の図であり、(a)は水平断面図、(b)は鉛直断面図。 本実施形態に係る微生物による汚染土の浄化装置を別方向から見たときの鉛直断面図。 攪拌機構の詳細平面図。 図4のA―A線、B―B線、C―C線方向から見た矢視図。
符号の説明
1 汚染土の浄化装置
2 汚染土
3 容器
4 攪拌手段
5 分解菌投入手段
6 給気設備(給排気手段)
7 排気設備(給排気手段)
21a、21b 攪拌機構
22 回転軸
25 攪拌部材

Claims (2)

  1. 汚染物質が含まれた汚染土を攪拌しながら該汚染土に通気を行って前記汚染物質を気化回収するとともに、前記汚染物質を分解する分解菌を前記汚染土に投入して該汚染物質を微生物分解する微生物による汚染土の浄化方法であって、前記汚染物質の気化回収工程を前記分解菌の投入分解工程よりも先行させてなり、前記気化回収工程において前記汚染物質の濃度が前記分解菌による分解効果がより表れやすい濃度まで下がった時点で前記分解菌を投入し、前記分解菌をMO7株、前記汚染物質をトリクロロエチレンとするとともに、前記分解菌による分解効果がより表れやすい濃度を、100mg/kg以下とすることを特徴とする微生物による汚染土の浄化方法。
  2. 前記汚染土を高粘性の汚染土とした請求項1記載の微生物による汚染土の浄化方法。
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