JP2003164850A - 汚染土壌又は地下水の生物修復方法および修復装置 - Google Patents

汚染土壌又は地下水の生物修復方法および修復装置

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JP2003164850A
JP2003164850A JP2002271855A JP2002271855A JP2003164850A JP 2003164850 A JP2003164850 A JP 2003164850A JP 2002271855 A JP2002271855 A JP 2002271855A JP 2002271855 A JP2002271855 A JP 2002271855A JP 2003164850 A JP2003164850 A JP 2003164850A
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anaerobic
reaction tank
aerobic
groundwater
biological treatment
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JP2002271855A
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Ryuichiro Kurane
隆一朗 倉根
Yasuo Horii
安雄 堀井
Yasushi Terao
康 寺尾
Hirokazu Minami
南  宏和
Koichi Okada
公一 岡田
Mineo Tachibana
峰生 橘
Nobukazu Suzuki
伸和 鈴木
Tetsuya Uenaka
哲也 上中
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Kubota Corp
Original Assignee
Kubota Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】複数の有害物質で汚染された複合汚染系にも対
応が可能であり、有害代謝産物を副生することなく、迅
速かつ効率よく汚染土壌又は地下水を修復することがで
きる汚染土壌又は地下水の修復方法および修復装置を提
供することにある。 【解決手段】本発明者等は、従来のバイオレメディエー
ションの欠点を解決するべく、鋭意研究を重ねた結果、
分解速度の速い好気性微生物と好気条件下では分解が困
難である物質も分解できる嫌気性微生物とを組み合わせ
た制限通気式生物処理方法を考案し、密閉型反応槽内
で、均質的な好気的環境および嫌気的環境下で処理を行
うことにより、汚染土壌、地下水中の有害物質を効率的
に分解できることを見出し、本発明を完成するに至っ
た。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は少なくとも1種類以
上の有害物質で汚染された土壌又は地下水の修復方法お
よび修復装置に関するものであり、より詳細には、密閉
型反応槽内で、好気性微生物による好気性生物処理と嫌
気性微生物による嫌気性生物処理を交互に組み合わせた
制限通気式処理方法に基く汚染土壌又は地下水の修復方
法および修復装置に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、トリクロロエチレン、テトラクロ
ロエチレン等の有機塩素系化合物やポリ塩化ビフェニル
類(以下、PCB類と略する。)、ダイオキシン類等の
塩素化芳香族化合物による土壌又は地下水の汚染が問題
となっており、地球環境保全の新しい課題として汚染土
壌、地下水の修復が顕在化している。汚染土壌、地下水
の修復方法としては、汚染現場に井戸を掘り揮発した汚
染物質を真空ポンプなどで吸引して回収し、活性炭など
に吸着させて処理する真空抽出法、化学反応、固化剤を
利用して汚染土壌を不溶化処理する不溶化処理法、およ
び、汚染土壌を加熱することにより分解、安定化させて
処理する焼却、熱分解法等の様々な物理、化学的方法が
試みられている。しかしながら、これら従来の物理化学
的修復方法は、高濃度汚染修復に有効であるが、処理費
用が高くなるとともに修復するためのエネルギーを多量
消費するという欠点があり、更なる低コスト化及び省エ
ネルギー型の汚染土壌、地下水修復技術の確立が求めら
れている。低コスト及び省エネルギーの修復法の1つと
して微生物を用いたバイオレメディエーション技術があ
る。バイオレメディエーションとは、生物反応のプロセ
ス原理を有害物質の処理に拡張したものであり、微生物
の生物浄化機能を利用することにより有害物質を除去
し、汚染された環境を修復する技術である。
【0003】しかし、これまでのバイオレメディエーシ
ョンは、物理、化学的修復方法に比べ修復に要する時間
が長い、修復できる有害物質の種類が制限される、修復
効果が安定しない等の問題点があった。また、好気性微
生物単独では、分解速度は速いが、嫌気性微生物に比べ
ると分解できる有害物質の種類が限定され、一方で、嫌
気性微生物単独では、好気性微生物では分解されにくい
複雑な分子構造を持つ化学物質をも分解することが可能
であるが、好気性微生物に比べると分解に要する時間が
長く、更に、好気性微生物又は嫌気性微生物単独で修復
を行なった場合、有害代謝産物が蓄積される等の問題点
もあった。
【0004】一方、近年、好気性微生物により好気的に
有害物質を分解、除去する好気的処理と、嫌気性微生物
により嫌気的に有害物質を分解、除去する嫌気的処理と
を組み合わせた土壌修復技術が報告され、その実用化に
向けた研究がなされはじめている。クロロエチレン類を
嫌気的処理と好気的処理を組み合わせたプロセスにより
汚染土壌の修復を行った例が報告されている。しかしな
がら、これらは、一過的に、嫌気的処理と好気的処理を
組み合わせたものであり、高濃度のクロロエチレン類を
分解するまでは至っていない(特許文献1、特許文献
2、特許文献3参照。ここで、特許文献2は特許文献1
が登録されたものに相当する。)。また、嫌気的処理と
好気的処理の組み合わせを繰り返し行うという改良を施
した技術が開示されているが、修復対象がDDT汚染土
壌に限定されたものであり、幅広い汚染物質に適用でき
るまで確立された技術ではない(特許文献4、特許文献
5参照。ここで、特許文献5は特許文献4が登録された
ものに相当する。)。
【0005】
【特許文献1】特開平10-34128号公報
【特許文献2】特許3176849号公報
【特許文献3】特開2000-102377号公報
【特許文献4】特表平10-507687号公報
【特許文献5】特許3007165号公報
【0006】
【発明が解決しようとする課題】そこで、本発明の目的
は、上記問題点を解消し、複数の有害物質で汚染された
複合汚染系にも対応が可能であり、有害代謝産物を副生
することなく、迅速かつ効率よく汚染土壌又は地下水を
修復することができる汚染土壌又は地下水の修復方法お
よび修復装置を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明者等は、上記バイ
オレメディエーションの欠点を解決するべく、鋭意研究
を重ねた結果、分解速度の速い好気性微生物と好気条件
下では分解が困難である物質も分解できる嫌気性微生物
とを組み合わせた制限通気式生物処理方法を考案し、密
閉型反応槽内で、均質的な好気的環境および嫌気的環境
下で処理を行うことにより、汚染土壌、地下水中の有害
物質を効率的に分解できることを見出し、本発明を完成
するに至った。ここでいう密閉型とは、完全な密閉だけ
を指すものではなく、各種ガスや揮発性物質等のもれが
実用的に問題とならないレベルの密閉をも含み、以下、
この実用的に問題とならないレベルの密閉を必要に応じ
て半密閉と呼ぶ。
【0008】本発明を概説すれば、請求項1に係る発明
は、嫌気性微生物と好気性微生物を共存させた密閉型反
応槽内において少なくとも1 種類以上の有害物質で汚染
された土壌又は地下水を修復する方法であって、前記反
応槽内を嫌気的環境に調節して有害物質を嫌気的に生物
分解処理する嫌気性生物処理工程と、前記反応槽内を好
気的環境に調節して有害物質を好気的に生物分解処理す
る好気性生物処理工程を、交互に少なくとも一回以上繰
り返すことを特徴とする土壌又は地下水の修復方法に関
する。好気性生物処理と嫌気性生物処理を交互に繰り返
す制限通気式生物処理方法を採用したことにより、分解
対象となる有害物質の範囲および濃度が拡大し、複合汚
染系にも対応できるとともに、有害物質の分解に際して
副生する有害代謝産物の蓄積もなく、効率的かつ迅速な
汚染土壌又は、地下水の修復が可能となる。
【0009】密閉型反応槽とは、反応槽内を密閉または
半密閉可能な状態に維持できるよう構成されるものであ
り、形状、材質等は周知のいずれのものを使用でき、目
的に応じて適宜設計されるものである。密閉型反応槽を
採用することにより、反応槽内を嫌気/好気的環境に調
節する嫌気性/好気性媒体と修復対象土壌との接触効率
が増加する結果、嫌気/好気の環境の切り替え時に、ス
ムーズに嫌気/好気的環境に移行することが可能となる
と共に、反応槽内全域にわたってその効果を及ぼすこと
が可能となり所望の均質的な嫌気的環境、好気的環境を
形成することが可能となる。ここで、均質的な嫌気的環
境とは、反応槽内の全修復対象領域にわたって、均一な
嫌気的環境が維持され、一部領域に好気的環境が残存し
ないことを、また、均質的な好気的環境とは、反応槽内
の全修復対象領域にわたって、均一な好気的環境が維持
され、一部領域に嫌気的環境が残存しないことを意味す
る。
【0010】ここで、修復対象となるのは、少なくとも
1種類以上の有害物質で汚染された土壌または、地下水
であり、複数の有害物質によって汚染された複合汚染系
をも対象とする。
【0011】また、有害物質を分解する分解微生物とし
ては、修復対象の土壌又は地下水に既に存在する土着微
生物を使用することができ、修復対象となる土壌又は地
下水の嫌気性条件および好気性条件を好適に調節するこ
とにより、土着微生物の生物活性を整えることができ
る。また、修復対象となる土壌又は地下水中に存在する
土着微生物が少ない、または分解能力が低い場合には、
当該の修復済み土壌、活性汚泥、コンポスト等を導入し
て、これを使用することが可能であり、また、任意の好
気性微生物(群)、嫌気性微生物(群)を導入すること
も可能である。任意の分解微生物を添加する場合、該微
生物は既に単離されているもの、また、土壌等から目的
に応じて新たにスクリーニングされたものを利用するこ
とが可能であり、複数の株の混合系でもかまわない。ま
た、人為的な変異を施した微生物や遺伝子工学的に改良
した微生物も使用することが可能である。また、微生物
をセラミックなどの担体に固定化して使用することも可
能である。
【0012】請求項2に係る発明は、請求項1に記載の
汚染土壌又は地下水の修復方法において、前記有害物質
が、クロロエチレン類、ポリ塩化ビフェニル類、ダイオ
キシン類から選択されることを特徴とする。ここで、有
害物質としては、トリクロロエチレン、テトラクロロエ
チレン等のクロロエチレン類、コプラナークロロビフェ
ニル等のPCB類、2,3,7,8−テトラクロロジベ
ンゾ−p−ジオキシン等のダイオキシン類が好ましく例
示される。
【0013】請求項3に係る発明は、請求項1又は2に
記載の汚染土壌又は地下水の修復方法において、前記好
気性生物処理工程から前記嫌気性生物処理工程に切り替
え直後に、前記反応槽全領域内が嫌気的環境に移行し、
かつ、前記嫌気性生物処理工程中、前記反応槽全領域内
が均質的な嫌気的環境を維持することを特徴とする。こ
こで、前記嫌気性生物処理工程中、前記反応槽全領域内
が均質的な嫌気的環境を維持するとは、嫌気性生物処理
工程中に酸化還元電位を所望のレベルに調節した場合に
おいて、そのレベル調節の効果が、反応槽内の全領域に
及ぼされ、反応槽内、どの領域の酸化還元電位もほぼ同
一レベルに維持されることを意味する。したがって、嫌
気的環境に迅速に移行し、かつ、所望の均質的な嫌気的
環境を維持することにより、反応槽全領域内の嫌気性微
生物の生物活性を効率よく、有効に活用することが可能
となり、ひいては、有害物質の分解効率の向上を導くこ
とが可能となる。
【0014】請求項4に係る発明は、請求項1〜3に記
載の汚染土壌又は地下水の修復方法において、前記嫌気
性生物処理工程から前記好気性生物処理工程に切り替え
直後に、前記反応槽全領域内が好気的環境に移行し、か
つ、前記好気性生物処理工程の全工程中、前記反応槽全
領域内が均質的な好気的環境を維持することを特徴とす
る。ここで、前記好気性生物処理工程中、前記反応槽全
領域内が均質的な好気的環境を維持するとは、好気性生
物処理工程中に酸素濃度を所望の濃度に調節した場合に
おいて、その濃度調節の効果が、反応槽内の全領域に及
ぼされ、反応槽内、どの領域の酸素濃度もほぼ同一に維
持されることを意味する。したがって、好気的環境に迅
速に移行し、かつ、均質的な好気的環境を維持すること
により、反応槽全領域内の好気性微生物の生物活性を効
率よく、有効に活用することが可能となり、引いては、
有害物質の分解効率の向上を導くことが可能となる。
【0015】請求項5に係る発明は、請求項1〜4に記
載の汚染土壌又は地下水の修復方法において、前記反応
槽内を嫌気的環境に調節する嫌気性媒体、および、前記
反応槽内を好気的環境に調節する好気性媒体が気体また
は液体であることを特徴とする。嫌気性媒体、および、
好気性媒体を共に、気体として、また、液体として構成
すること、また、嫌気性媒体を液体、好気性媒体を気体
として、また、好気性媒体を液体、嫌気性媒体を気体と
して構成することも可能である。
【0016】請求項6に係る発明は、請求項1〜5に記
載の汚染土壌又は地下水の修復方法において、前記反応
槽が、固体/気体接触反応槽、液体(スラリー)/気体
接触反応槽、固体/液体接触反応槽のいずれかを実施す
ることを特徴とする。ここで、固体/気体接触反応槽を
実施する場合には、含水率を10〜70%に、液体(ス
ラリー)/気体接触反応槽を実施する場合には含水率を
80〜100%になるように必要に応じて、土壌または
地下水に含まれる水分量を調節することが好ましい。固
体/液体反応を実施する場合には、汚染土壌等は静置浸
漬されるため、含水率は汚染土壌等の飽和容水量に相当
する水分量で実施される。
【0017】請求項7に係る発明は、請求項1〜6のい
ずれかに記載の汚染土壌又は地下水の修復方法におい
て、嫌気性生物処理工程から好気性生物処理工程に移行
する間に前記反応槽から排出される嫌気性媒体を貯留装
置に貯留する工程と、嫌気性生物処理工程において前記
貯留された嫌気性媒体を前記反応槽に返送して循環再利
用する工程を有することを特徴とする。嫌気性媒体を循
環再利用することにより、嫌気性媒体の有効利用が図
れ、ひいてはコスト削減効果も期待できる。
【0018】請求項8に係る発明は、請求項1〜7のい
ずれかに記載の汚染土壌又は地下水の修復方法におい
て、前記反応槽を複数設け、嫌気性生物処理工程から好
気性生物処理工程に移行する特定の反応槽から排出され
る嫌気性媒体を共通の貯留装置に貯留する工程と、嫌気
性生物処理工程にある特定の反応槽に前記貯留された嫌
気性媒体を注入して循環再利用する工程を有することを
特徴とする。複数の反応槽を用いて汚染土壌又は地下水
の修復をシステム化することにより、大量の汚染土壌又
は地下水の修復が効率的に行なえると共に、嫌気性媒体
の有効利用が図れる。
【0019】請求項9に係る発明は、少なくとも1 種類
以上の有害物質で汚染された土壌又は地下水を修復する
汚染土壌又は地下水の修復装置であって、共存させた好
気性微生物と嫌気性微生物を汚染土壌または地下水と接
触させるための密閉型反応槽と、前記反応槽内を嫌気的
環境に調節して有害物質を嫌気的に生物分解処理する嫌
気性生物処理手段と、前記反応槽内を好気的環境に調節
して有害物質を好気的に生物分解処理する好気性生物処
理手段を有することを特徴とする汚染土壌又は地下水の
修復装置に関する。
【0020】請求項10に係る発明は、請求項9に記載
の汚染土壌又は地下水の修復装置において、前記有害物
質が、クロロエチレン類、塩化ビフェニル類、ダイオキ
シン類から選択されることを特徴とする。
【0021】請求項11に係る発明は、請求項9又は1
0に記載の汚染土壌又は地下水の修復装置において、前
記嫌気性生物処理手段を作動させた直後に、前記反応槽
全領域内が嫌気的環境に移行し、かつ、前記嫌気性生物
処理手段が作動中、前記反応槽全領域内が均質的な嫌気
的環境を維持することを特徴とする。
【0022】請求項12に係る発明は、請求項9〜11
に記載の汚染土壌又は地下水の修復装置において、前記
好気性生物処理手段を作動させた直後に、前記反応槽全
領域内が好気的環境に移行し、かつ、前記好気性生物処
理手段が作動中、前記反応槽全領域内が均質的な好気的
環境を維持することを特徴とする。
【0023】請求項13に係る発明は、請求項9〜12
のいずれかに記載の汚染土壌又は地下水の修復装置にお
いて、前記嫌気性生物処理手段において使用される前記
反応槽内を嫌気的環境に調節する嫌気性媒体、および、
前記好気性生物処理手段において使用される前記反応槽
内を好気的環境に調節する好気性媒体が気体または液体
であることを特徴とする。
【0024】請求項14に係る発明は、請求項9〜13
のいずれかに記載の汚染土壌又は地下水の修復装置にお
いて、前記反応槽が、固体/気体接触反応槽、液体(ス
ラリー)/気体接触反応槽、固体/液体接触反応槽のい
ずれかを実施することを特徴とする。
【0025】請求項15に係る発明は、請求項9〜14
のいずれかに記載の汚染土壌又は地下水の修復装置にお
いて、嫌気性生物処理工程から好気性生物処理工程に移
行する間に前記反応槽から排出される嫌気性媒体を貯留
する貯留装置と、嫌気性生物処理工程において前記貯留
装置に貯留された嫌気性媒体を前記反応槽に返送して循
環再利用する循環再利用手段を備えたことを特徴とす
る。
【0026】請求項16に係る発明は、請求項9〜14
のいずれかに記載の汚染土壌又は地下水の修復装置にお
いて、複数の前記反応槽と、嫌気性生物処理工程から好
気性生物処理工程に移行する特定の反応槽から排出され
る嫌気性媒体を貯留する共通の貯留装置と、好気性生物
処理工程から嫌気性生物処理工程にある特定の反応槽に
前記貯留された嫌気性媒体を注入して循環再利用する循
環再利用手段を備えたことを特徴とする。
【0027】
【発明の実施の形態】以下、図面を参照して本発明を更
に詳細に説明する。図1(a)は本発明の実施の形態で
ある汚染土壌又は地下水(以下、土壌等と略する。)の
修復装置の基本的構成を概念的に図示した概略図であ
る。図1(b)、図1(c)、図1(d)は、図1
(a)に示す本発明の基本的構成を実施するために必要
な各構成要素の実施形態のバリエーションを概念的に図
示した概略図である。
【0028】図1(a)の汚染土壌等の修復装置は、反
応槽1と反応槽1に接続された嫌気性生物処理手段イ
と、好気性生物処理手段ロを備えており、嫌気性生物処
理手段イにより反応槽1内を嫌気的環境に調節し、好気
性生物処理手段ロにより反応槽1内を好気的環境に調節
するように構成されている。
【0029】図1(b)の修復装置は、固体/気体接触
反応槽によるもので、反応槽1内に汚染土壌を載置し、
嫌気性生物処理手段イは嫌気性ガス、好気性生物処理手
段ロは好気性ガスの供給による。
【0030】図1(c)の修復装置は、液体(スラリ
ー)/気体接触反応槽によるもので、反応槽1内に汚染
土壌および地下水を入れ、土壌が反応槽1内で流動性を
確保できるスラリー状態になるように水分を調整する。
嫌気性生物処理手段イは嫌気性ガス、好気性生物処理手
段ロは好気性ガスの供給による。
【0031】図1(d)の修復装置は、固体/液体接触
反応槽によるもので、反応槽1内に汚染土壌を載置し、
嫌気性生物処理手段イは嫌気性水溶液、好気性生物処理
手段ロは好気性水溶液の供給による。
【0032】ここで、嫌気的環境とは、好ましくは、酸
化還元電位がマイナス100mV以下の状態をいうもの
とする。しかしながら、嫌気性微生物の活性が高く保た
れる一方で好気性微生物は減衰した状態となる酸化還元
電位であれば、酸化還元電位は上記値に拘束されるもの
ではなく、適宜変更することが可能である。
【0033】ここで、好気的環境とは、固体/気体接触
反応槽においては、好ましくは、ガス中の酸素濃度が5
%以上、液体/気体接触反応槽および固体/液体接触反
応槽においては、好ましくは、水溶液中の溶存酸素濃度
が1ppm以上の状態をいうものとする。しかしなが
ら、好気性微生物の活性が高く保たれる一方で嫌気性微
生物は減衰した状態となる酸素濃度であれば、酸素濃度
は上記値に拘束されるものではなく、適宜変更すること
が可能である。
【0034】反応槽1は汚染土壌等を収容できる空間を
有し、反応槽1内の嫌気的環境または好気的環境の切り
替えが可能であり、かつ、分解微生物と有害物質で汚染
された土壌等とを接触させて土壌等に含まれる有害物質
を分解できるものであれば、大きさ、材質等は特に限定
されるものでなく、また、縦型、横型を問わないが、反
応槽1内を密閉または半密閉状態とできるべく構成され
るものである。反応槽を密閉することにより、好気/嫌
気の環境の切り替え時に、スムーズに嫌気/好気環境に
移行することが可能となると共に、反応槽内全域にわた
って所望の均質的な嫌気的環境、好気的環境が形成され
るので、反応槽全領域内の嫌気性微生物、好気性微生物
の生物活性を効率よく、かつ、有効に活用することが可
能となり、ひいては、有害物質の分解効率の向上を導く
ことが可能となる。
【0035】更に、反応槽1に、土壌等を混合する手段
として、攪拌装置を設けることが好ましい。
【0036】固体/気体接触反応槽の場合、土壌等を混
合することにより、土壌等の空隙率が増加するととも
に、分解微生物と土壌等との接触がより均一となり、ま
た、反応槽1内の媒体と土壌等との接触もより均一とな
り、嫌気的環境、または、好気的環境への切替えがスム
ーズかつ確実に行なうことができることから、分解反応
を促進させ、効率よく汚染土壌等を修復することが可能
となる。攪拌装置としては、特に制限はなく、攪拌翼、
ロータリー攪拌装置、スクリーブ攪拌装置、ティラー攪
拌装置等の公知の種々の手段を利用できる。また、ロー
タリーキルン、反応槽の軸心周りに、かつ、反応槽の内
周面に沿って回転移動するスクリューを取り付けた円錐
型密閉式の反応槽を使用することもできる。
【0037】液体/気体接触反応槽の場合、土壌スラリ
ーを混合することにより、気液の接触効率が向上すると
ともに、分解微生物と有害物質との接触がより均一とな
り、嫌気的環境、または、好気的環境への切替えがスム
ーズかつ確実に行なうことができることから、分解反応
を促進させ、効率よく汚染土壌等を修復することが可能
となる。攪拌装置としては、特に制限はなく、攪拌翼、
ガスリフト、ポンプ循環等の公知の種々の手段を利用で
きる。
【0038】固体/液体接触反応槽の場合、土壌等と充
填物を混合することにより、土壌等の空隙率を増加さ
せ、気固の接触効率を向上させ、分解微生物と有害物質
との接触がより均一となり、嫌気的環境または好気的環
境への切り替えをスムーズかつ確実に行うことができ
る。充填物としては、特に制限はなく、バーミキュライ
ト、赤玉土、ピートモスなどの土壌改良剤およびラシヒ
リング、テラレットなど化学反応塔で用いれる充填物な
どの公知の種々の手段を利用できる。
【0039】更に、反応槽1に、栄養剤及び/又は分解
微生物(群)を反応槽1内に添加する手段を設けること
が好ましい。栄養剤を添加することにより、分解微生物
の分解活性を良好に維持することができ、効率よく汚染
土壌等を修復することができる。
【0040】固体/気体接触反応槽の場合、栄養剤の添
加手段は、水分調整のための水を添加する手段と栄養剤
を添加する手段を個別に分けて設けてもよいし、栄養剤
を水に溶解させ同時に添加するように構成してもよい。
また、必要な場合には、当該分解微生物(群)を水およ
び栄養剤と共に(又は別に)添加する。具体的な手段と
しては、特に制限はなく、反応槽1上部からの粉霧灌漑
等の公知の手段を使用することができる。また栄養剤が
メタン、水素などのガスである場合には、嫌気性ガス、
好気性ガスに適当な濃度で混合させ、供給することがで
きる。
【0041】液体/気体接触反応槽の場合、栄養剤は直
接反応槽に投入される。また栄養剤がメタン、水素など
のガスである場合には、嫌気性ガスまたは/および好気
性ガスに適当な濃度で混合させ、供給することができ
る。
【0042】固体/液体接触反応槽の場合、栄養剤は嫌
気性水溶液または/および好気性水溶液に適当な濃度で
混合させ、供給することができる。また栄養剤がメタ
ン、水素などのガスである場合には、これらガスを嫌気
性水溶液または/および好気性水溶液に適当な濃度で溶
解させ、供給することができる。
【0043】栄養剤としては、必要に応じて炭素源、窒
素源、その他無機塩類等を添加するものとし、反応槽中
の微生物の生息に必要な栄養源を適宜、添加するものと
する。好ましくは、土壌等中の分解基質中の炭素、窒
素、リンが100:5〜20:0.1〜5の比率になる
よう栄養剤を調製する。
【0044】嫌気性生物処理手段イは反応槽1内の好気
的環境を嫌気的環境に置換でき、嫌気的環境を維持でき
る手段であれば、いかなる手段を用いることが可能であ
り、固体/気体接触反応槽および液体/気体接触反応槽
の場合、二酸化炭素、窒素、水素、メタン、車輌、工場
等からの排ガス等の嫌気性ガスの注入により反応槽1内
の気相を置換する、また、HRC(リジェネシス社)等
の水素放出剤を反応槽1内に導入する、栄養剤を供給す
ることにより反応槽1内の夾雑好気微生物の生物活性を
利用し酸素消費を促進させる、鉄粉等の還元剤を反応槽
1内に導入して酸素と反応させ酸素消費を促進させる等
の種々の手段を使用することができる。例えば、嫌気性
ガスの注入により反応槽1内の気相の置換を行なう手段
を採用する場合、嫌気性ガスサーバーからブロアーを介
して反応槽1内に嫌気性ガスを注入するように構成する
ことができる。
【0045】好気性生物処理手段ロは反応槽1内の嫌気
的環境を好気的環境に置換し、好気的環境を維持できる
手段であれば、いかなる手段を用いることが可能であ
り、固体/気体接触反応槽および液体/気体接触反応槽
の場合、酸素、空気等の好気性ガスの注入により反応槽
1内の気相を置換する、または、ORC(リジェネシス
社)等の酸素放出剤を反応槽1内に導入する等の種々の
手段を使用することが可能である。例えば、好気性ガス
注入により反応槽1内の気相の置換を行なう手段を採用
する場合、嫌気性ガスの注入の場合と同様に、好気性ガ
スサーバー等からブロアーを介して反応槽1内に好気性
ガスを注入するように構成することができる。また、空
気を注入する場合には外気取り込み手段、例えば外気バ
ルブを設けた構成とすることもできる。
【0046】固体/液体接触反応槽の場合、嫌気性生物
処理手段イとして、好気的環境を嫌気的環境に置換する
媒体として嫌気性水溶液を、また、好気性生物処理手段
ロとして、嫌気的環境を好気的環境に置換する媒体とし
て好気性水溶液を設計し、嫌気性水溶液を修復対象汚染
土壌に接触させることにより、嫌気的環境を調節し、好
気性水溶液を修復対象土壌に接触させることにより好気
的環境に調節することが可能である。嫌気水溶液、好気
水溶液は水をベースとしているため、迅速かつ、均質的
に反応槽中の修復対象土壌を、好気的、あるいは嫌気的
環境に調節することが可能であり、また、反応系の水分
条件を設定する必要もない。
【0047】土壌を、嫌気の水、好気の水と接触させる
方法は、特に制限はなく、上向流、下向流いずれの通水
でもよく、土壌を浸漬することにより行うことができ
る。また、嫌気水溶液および好気水溶液に、分解微生物
を含ませ、汚染対象土壌に添加することも好適に利用で
きる。
【0048】嫌気水溶液としては、二酸化炭素、窒素、
水素、メタン、車輌、工場等からの排ガス等の嫌気性ガ
スを溶解させた水を利用することができる。また、チオ
硫酸塩、亜硫酸塩、第1鉄塩などの可溶性の還元剤を溶
解させた水も好適に利用できる。
【0049】好気水溶液としては、水をばっ気すること
により、調製することができ、空気、または、純酸素を
水に溶け込ませることにより調製することができる。ま
た、過酸化水素、過マンガン酸塩などの可溶性の酸化剤
を溶解させた水も好適に利用できる。また、分解微生物
の分解対象物に対する分解能力を高めるべく、分解微生
物が産生する目的とする分解酵素を誘導させるよう、誘
導物質を添加した好気性水溶液を設計することも好適に
行うことができる。たとえば、クロロエチレン類を酸化
分解するのに有効なメタンモノオキシゲナーゼを誘導さ
せる場合にはメタンガスを溶解させた水を、フェノール
ヒドロキシラーゼを誘導させる場合にはフェノールを溶
解させた水を、また、ダイオキシン、PCBなどを酸化
分解させるためのリグニンペルオキシダーゼ、マンガン
ペルオキシダーゼ、ラッカーゼなどを誘導させる場合に
はリグニン等を溶解させた水が、好適に利用できる。
【0050】更に、適宜、土壌等の修復装置に、嫌気性
ガスまたは/および好気性ガスの各種ガス濃度、各種溶
存ガス濃度、有害物質濃度等をリアルタイムでモニタリ
ングする計測手段を設け、これらの計測値に基き、嫌気
性生物処理および好気性生物処理の処理サイクルを任意
に制御する制御手段を設けることが好ましく、これによ
り、効率的な有害物質の分解が可能となる。
【0051】また、反応槽1内の温度を検出する温度セ
ンサーと、この温度センサーの検出温度に基づき反応槽
1内の温度を制御する温度制御手段を設けることも可能
である。反応槽1内の温度は、用いる微生物、分解対象
物により適宜変更することが可能であるが、10〜40
℃に設定することが好ましい。また、低温微生物(群)
あるいは、好温微生物(群)が存在または添加する場合
には、各々に適した反応温度にすることもできる。温度
制御の際の加熱手段としては、温水・スチームによる熱
交換器、ヒーター等が、冷却手段としては、冷却水によ
る熱交換器等が例示されるが、土壌等中の温度を分解微
生物が生物活性を保持できる温度に制御できる手段であ
ればいかなる手段を用いることができる。また、固体/
液体接触反応槽の場合、嫌気性水溶液、好気性水溶液を
適宣、加熱、冷却してもよい。温度を制御することによ
り、分解微生物の生物活性を好適に保つことができ、更
なる効率的かつ安定した汚染土壌等の修復が可能とな
る。
【0052】次に、本発明の汚染土壌等の修復方法を図
1(a)を参照して説明する。汚染土壌等の修復は、ま
ず、修復対象となる有害物質で汚染された土壌等を反応
槽1内に導入し、嫌気性微生物および好気性微生物に接
触させ、必要に応じ、水、栄養塩の添加、汚染土壌等の
混合等を行なう。そして、嫌気性生物処理手段イと好気
性生物処理手段ロを所定時間毎に交互に稼動させること
により、所定時間ごとに反応槽1内を嫌気的環境、好気
的環境に切り替える。嫌気性生物処理により反応槽1内
部は、嫌気的環境となり、嫌気性微生物の活性が高く保
たれる一方で好気性微生物は減衰した状態となり、有害
物質の嫌気的分解が行なわれる。好気性生物処理により
反応槽1内部は、好気的環境となり、好気性微生物の活
性が高く保たれる一方で嫌気性微生物は減衰した状態と
なり、有害物質の好気的分解が行なわれる。
【0053】嫌気性生物処理、好気性生物処理の処理サ
イクルは、例えば、嫌気性生物処理手段イにより、反応
槽1内の酸化還元電位がマイナス100mV以下になっ
た後、1週間〜10週間の間隔を置いて、好気性生物処
理手段ロにより、反応槽1内の溶存酸素濃度を1ppm
以上とし、1日〜5週間を1サイクルとし、このサイク
ルを少なくとも1回以上繰り返す。ここでは、嫌気性生
物処理を先行して行なう処理サイクルを例示したが、好
気性生物処理を先行する処理サイクルを採用してもよ
い。また、好適な処理サイクルは上記に限定されるもの
ではなく、分解対象の有害物質の種類、量、反応槽1の
サイズ、形態、使用する嫌気性ガス、好気性ガスの種
類、濃度、使用する嫌気性水溶液、好気性水溶液の種
類、濃度等に応じて適宜、好適な処理サイクルが選択さ
れることが理解される。
【0054】以下、具体的な本発明の実施の形態を示し
て、更に詳細に本発明を説明するが、本発明は、これら
の記載に限定されるものではない。以下に記載する本実
施の形態は、好気的環境から嫌気的環境に移行させる嫌
気性媒体および、嫌気的環境から好気的環境に移行させ
る好気性媒体として気体を使用するものであるが、液体
を使用するべく改変したものも本発明の範囲に含まれ
る。
【0055】(第1の実施の形態)図2は本発明の第1
の実施の形態による汚染土壌等の修復装置に汚染土壌等
5を収容した状態を示す概略図であり、本修復装置は固
体/気体接触反応槽に基くものである。
【0056】修復装置を構成する反応槽1は、攪拌装置
3、水、栄養剤散布装置2、散気管4を備えており、土
壌等5中の有害化学物質の拡散汚染を防止するべく、ま
た、均質的な好気的環境、又は、嫌気的環境を即座に導
くべく、密閉または半密閉状態とできるように構成す
る。反応槽1内での汚染土壌5の積み高さは、好ましく
は1m〜3mに調整され、汚染土壌等5中を浸潤、流下
してきた水分を排水し、汚染土壌等5中の水分調節を行
なえ得るように、反応槽1の底面部に排水管等の排水設
備を設けることが好ましい。反応槽1の材質は、特に制
限はないが、鋼鈑製またはコンクリート製で、内面はタ
ールエポキシ樹脂塗装など耐腐食性をもたせたものが好
ましい。また、汚染土壌中に十分な分解微生物が存在し
ない場合には、外部から分解微生物(群)を投入混合す
ることが好ましい。
【0057】散気管4は、反応槽1内に配設され、土壌
等5中にガスを注入または土壌等5中のガスを排出する
べく反応槽1の下方に配設することが好ましく、反応槽
1の床面に溝を設け、床面よりもさらに下方に配設する
ことはさらに好ましい。散気管の先端または下面には通
気のための通気孔が設けられており、通気孔の形状、数
は適宜、選択できるものである。散気管4は、汚染土壌
等5による通気孔の目詰まりを防ぐため、不織布、ゴア
テックス等により包まれたものが好ましく例示される。
更に、散気管4に土壌等5中に空気を注入、排出するた
めブロアー又はコンプレッサー等を接続することも可能
である。
【0058】図2に示した汚染土壌等の修復装置による
修復方法を説明する。反応槽1内に汚染土壌等5を収容
し、土壌等5中の水分量は10〜70%とする。このと
き、通気管4の上に汚染土壌等5が堆積するように導入
し、堆積させた汚染土壌等5と分解微生物とを接触さ
せ、必要に応じて水、栄養剤散布装置2から水、栄養剤
を補給し、攪拌装置2で土壌等5を混合する。通気管4
を通して好気性ガス、および、嫌気性ガスを所定時間ご
とに交互に導入し、反応槽1内を嫌気的環境、好気的環
境に交互に切り替えることにより、汚染土壌等5の修復
を行なう。
【0059】(第2の実施の形態)図3は本発明の第2
の実施の形態による汚染土壌等の修復装置に汚染土壌等
5を収容した状態を示す概略図であり、本修復装置は液
体/気体接触反応槽に基くものである。
【0060】修復装置を構成する反応槽1は、水、栄養
剤散布装置2、散気管4を有し、必要に応じて攪拌装置
3を有する。土壌等5中の有害化学物質の汚染拡散を防
止するべく、また、均質的な好気的環境、又は、嫌気的
環境を即座に導くべく、密閉式の蓋等により密閉または
半密閉状態とできるべく構成されている。
【0061】散気管4を反応槽1の下方領域に設け、散
気管4を通して嫌気性ガスと好気性ガスを注入するよう
に構成されている。更に、散気管4にガスまたは/およ
び空気を注入するため、ブロアー、コンプレッサー等を
接続することも可能である。
【0062】図3に示した汚染土壌等の修復装置による
修復方法を説明する。反応槽1内に汚染土壌等5を収容
し、水、栄養剤散布装置2を利用し、土壌等5中におけ
る水分量を80〜100%とする。ここで水分100%
は、固形分の少ない汚染地下水を対象とした場合に相当
する。そして、反応槽1に収容した汚染土壌等5と分解
微生物とを接触させ、必要に応じて、水、栄養剤散布装
置2を用いて水、栄養剤を補給する。また、汚染土壌中
に十分な分解微生物が存在しない場合には、外部から、
水、栄養剤散布装置2を利用して、分解微生物(群)を
注入する。水、栄養剤および分解微生物(群)の注入
後、ガス攪拌または攪拌装置3で土壌等5を混合する。
散気管4を通して好気性ガス、および、嫌気性ガスを所
定時間ごとに交互に導入し、ガス攪拌だけで十分な気液
混合が得られない場合は、攪拌装置3で土壌等5を十分
に攪拌しながら、反応槽1内を嫌気的環境、好気的環境
に交互に切り替えることにより、汚染土壌等5の修復を
行なう。
【0063】(第3〜5の実施の形態)第3〜5の実施
の形態は本発明による汚染土壌等の修復をシステム化し
たもので、固体/気体接触反応槽および液体/気体接触
反応槽における実施の形態である。これらの実施の形態
は、外気バルブを開放による外気導入時以外は、密閉ま
たは半密閉状態として保持されるべく構成されているも
のである。
【0064】図4は本発明の第3の実施の形態である汚
染土壌等の修復装置における嫌気性生物処理、好気性生
物処理の流れの概略を示すシステムフロー図である。図
4に示す汚染土壌等の修復装置は、単槽による土壌等の
修復のシステム化の一例を示すものであり、反応槽1、
反応槽1外に設けられた嫌気性ガス注入用通気管15、
嫌気性ガス排出用通気管14、ブロアー9および嫌気性
ガスサーバータンク8および外気バルブ10から構成さ
れている。
【0065】反応槽1の嫌気性ガス排出口12から配設
された嫌気性ガス排出用通気管14はブロアー9を介し
て嫌気性ガス注入用通気管15と接続され、この嫌気性
ガス注入用通気管15は反応槽1の嫌気性ガス注入口1
3に配設され、反応槽1から排出されるガスが嫌気性ガ
ス排出用通気管14、嫌気性ガス注入用通気管15を経
て、循環するように構成されている。
【0066】嫌気性ガス排出用通気管14は途中で嫌気
性ガスサーバー注入管17が分枝し、嫌気性ガスサーバ
ー注入管17は嫌気性ガスサーバータンク8に接続し、
嫌気性ガスサーバータンク8と反応槽1が連通するよう
に構成され、嫌気性ガス排出用通気管14の分枝点には
嫌気性ガスサーバーバルブ11が設けられている。そし
て、嫌気性ガスサーバーバルブ11の切替えにより、反
応槽から排出されるガスのガス流路を嫌気性ガスサーバ
ータンク8方向とブロアー9方向に切り替えができ、嫌
気性ガスサーバータンク8方向に嫌気性ガスサーバーバ
ルブ11が開放された場合には、反応槽1から排出され
た嫌気性ガスを嫌気性ガスサーバータンク8に貯留でき
るように構成されている。
【0067】ブロアー9は嫌気性ガスサーバータンク8
と嫌気性ガスサーバー排出管18を通じて連通し、嫌気
性ガスサーバータンク8に貯留された嫌気性ガスを反応
槽1に再度、注入、循環できるように構成されていると
共に、さらに、ブロアー9は嫌気性ガスボンベ(図示せ
ず。)とも連通させ、嫌気性ガスボンベから反応槽1内
にブロアー9を介して嫌気性ガスを注入できるように構
成されている。
【0068】外気バルブ10は好気性ガス用通気管16
を介して反応槽1と接続され、外気バルブ10を開放す
ることにより好気性ガス用通気管16を通じて反応槽1
内に外気を導入し、反応槽1内を好気的環境に調節でき
るように構成されており、外気バルブ10の開閉によ
り、反応槽1内の酸素濃度の調整ができる。
【0069】次に、図4に基いて、本実施の形態の嫌気
性および好気性生物処理のフローを説明する。嫌気性生
物処理時には、嫌気性ガスサーバーバルブ11をブロア
ー9側に開き、反応槽1から排出されたガスを、ブロア
ー9を介して嫌気性ガス排出用通気管14、嫌気性ガス
注入用通気管15、反応槽1へと循環させる。このと
き、循環中のガスに嫌気性ガスサーバータンク8および
ガスボンベから嫌気性ガスを混合し、徐々に反応槽1内
を嫌気的環境にする。このとき、反応槽1内の好気微生
物の呼吸活動による酸素消費も利用して反応槽1内を嫌
気的環境とする。
【0070】そして、嫌気性生物処理から好気性生物処
理に移行させる際には、まず、嫌気性ガスサーバーバル
ブ11を嫌気性ガスサーバータンク8側に開放し、嫌気
性ガスを嫌気性ガスサーバータンク8に供給、貯留し、
反応槽1から排出されるガスの嫌気性ガス濃度が低下す
ると、嫌気性ガスサーバーバルブ11を閉鎖して嫌気性
ガスサーバータンク8への嫌気性ガスの供給を停止す
る。そして、外気バルブ10を開放し、外気を反応槽1
内に導入することで、反応槽1内を好気的環境とする。
その後、嫌気性生物処理に際して嫌気性ガスサーバータ
ンク8に貯留された嫌気性ガスを反応槽1内に返送、再
循環させ、再利用する。これにより、嫌気性ガスの有効
利用が図れるとともに、コスト削減効果が期待できる。
【0071】また、好気性生物処理の際、好気分解微生
物の栄養剤としてメタンを利用する場合において、嫌気
性ガスサーバー8内のガスがメタンである場合、または
メタン以外のガスであっても、嫌気性生物処理によりメ
タンが生成され、嫌気性ガスサーバーガス8内のメタン
ガス濃度が20%以上である場合、好気性生物処理にお
いて、反応槽1内に外気を導入するとともに、嫌気性ガ
スサーバー8内のメタンガスを栄養剤として導入するこ
とも可能である。これにより、さらなる嫌気性ガスの有
効利用が図れるとともに、コスト削減効果が期待でき
る。
【0072】図5は本発明の第4の実施の形態である汚
染土壌等の修復装置における嫌気性生物処理、好気性生
物処理の流れの概略を示すシステムフロー図である。図
5に示す土壌等の修復装置は複数の反応槽1を配置する
ものであり、本実施の形態においては、例示的に二槽に
よる土壌修復のシステム化を開示して説明するが反応槽
1の数は適宜設定し得るものである。反応槽1A、1B
を配置し、反応槽1A、1Bに配設されているそれぞれ
の嫌気性ガス排出用通気管14A、14Bは嫌気性ガス
サーバーバルブ11A,11Bを介して、共に、 共通の
嫌気性ガスサーバータンク8に接続され、嫌気性ガスサ
ーバータンク8はそれぞれの反応槽1に接続されている
嫌気性ガス注入用通気管15A、15Bを通じて反応槽
1A、1Bと連通している。
【0073】図5に示す装置の他の構成は図4に示した
ものと同じであり、同じ符号を付すことにより説明を省
略する。
【0074】次に、図5に基いて、本実施の形態の嫌気
性および好気性生物処理のフローを説明する。嫌気性生
物処理工程から好気性生物処理工程に移行させる一方の
反応槽1Aまたは1Bから排出される嫌気性ガスを、共
通の嫌気性ガスサーバータンク8に貯留し、この嫌気性
ガスサーバータンク8から、好気性生物処理工程から嫌
気性生物処理工程に移行させる側のもう一方の反応槽1
Aまたは1Bに嫌気性ガスを注入させることにより、嫌
気性ガスの有効利用が図れるとともに、コスト削減効果
が期待できる。
【0075】また、反応槽1を3つ以上設ける場合であ
っても、嫌気性生物処理、好気性生物処理の時間を制御
し、十分容量の共通の嫌気性ガスサーバー8を備え、反
応槽1から排出される嫌気性ガスを再利用することによ
り、嫌気性ガスの有効利用が図れる。
【0076】図6は本発明の第5の実施の形態である汚
染土壌等の修復装置における嫌気性生物処理、好気性生
物処理の流れの概略を示すシステムフロー図である。図
6に示す本実施の形態では、例示的に6つの反応槽1
と、1つの嫌気性ガスサーバータンク8を有する構成を
開示して説明するが、反応槽1および嫌気性ガスサーバ
ータンク8の数は適宜設定し得るものである。
【0077】図6に示す汚染土壌等の修復装置は、6つ
の反応槽1と1つの嫌気性ガスサーバータンク8を備
え、各反応槽1と嫌気性ガスサーバータンク8は嫌気性
ガス排出用通気管14および嫌気性ガス注入用通気管1
5を介して連通されている。反応槽1には、外気を取り
込んで反応槽1内を好気的環境とする外気バルブ等の好
気性生物処理手段(図示せず。)が設けられている。
【0078】次に、図6に基いて、本実施の形態の嫌気
性および好気性生物処理のフローを説明する。嫌気性生
物処理中の反応槽1においては、各反応槽1と嫌気性ガ
スサーバータンク8間に嫌気性ガスを循環させる。好気
性生物処理から嫌気性生物処理へ移行させた直後など、
反応槽1内の酸化還元電位が高い場合は、各好気性生物
処理から嫌気性生物処理移行させた特定の反応槽1間に
ガスを循環させ、前記反応槽1内の好気微生物の呼吸活
動による酸素消費を利用することにより、または、嫌気
性ガスボンベから前記特定の反応槽1に嫌気性ガスを注
入することにより、反応槽1内を徐々に嫌気的環境とす
る。
【0079】一方、好気性生物処理中の反応槽1におい
ては、例えば、外気バルブ等を用いて外気を反応槽1に
注入させ、各反応槽1内に空気を注入することにより、
反応槽1内を好気的環境とする。
【0080】そして、嫌気性生物処理中の反応槽1、好
気性生物処理中の反応槽1を順次移行させていくことに
より、各反応槽1は嫌気性生物処理と好気性生物処理を
交互に繰り返す。ここで、表1に、嫌気、好気性生物処
理パターンの一例を示す。
【0081】
【表1】
【0082】この好気、嫌気性生物処理のパターンは、
これに限定されるものではなく、適宜、反応槽1の槽
数、嫌気性ガスサーバータンク8の槽数、容量等を設定
することにより、対象汚染物質の修復工程に好適なパタ
ーン、および処理時間を選択できる。
【0083】
【実施例】以下、本発明を実施例により、具体的に説明
するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものでは
ない。 [実施例1]高濃度テトラクロロエチレンの分解 本発明の制限通気式処理方式により、高濃度テトラクロ
ロエチレン(以下、PCEと略する。)の分解実験を実
施した。まず、本実験に供する分解微生物の集積培養を
以下に示す方法により行った。
【0084】PCE嫌気分解微生物の集積培養は、大根
畑土壌を採取し、これを種菌源として使用した。酪酸を
栄養炭素源とした無機塩培地18mlを25ml容量のバイアル
瓶に入れ、あらかじめ窒素ガスでパージし、上記畑土約
0.1gを接種し、バイアル瓶を密閉後、PCEを1mg/
L相当となるよう注入し、30℃、150rpmで振とう培養を
行った。5週間培養後、バイアル瓶のへッドスペースガ
スをGC/ECDにて分析し、PCEの分解能を確認し
た。さらに、同条件で2回繰り返し植え継ぐことで、安
定的にPCEを脱塩素分解する嫌気分解微生物を含む集
積培養液を得た。本微生物群は、PCEをトリクロロエ
チレン(以下、TCEと略する。)まで脱塩素可能な性
質を有していた。TCE好気分解微生物の集積培養は、
排水処理施設汚泥を採取し、これを種菌源として使用し
た。無機塩培地5mlを70ml容量のバイアル瓶に入れ、上
記汚泥約0.4mlを接種し、バイアル瓶を密閉後、バイア
ル瓶内の気相13mlをメタンガスで置換し、TCEを1mg
/L相当となるよう注入し、30℃、150rpmで振とう培養
を行った。10日間培養後、バイアル瓶のへッドスペース
ガスをGC/ECDにて分析し、TCE分解能を確認し
た。さらに、同条件で2回繰り返し植え継ぐことで、安
定的にTCEを分解する好気分解微生物を含む集積培養
液を得た。
【0085】以下に、本発明の制限通気式処理方式によ
る高濃度PCEの分解実験方法を説明する。0.1%酪酸
を主栄養源とする無機塩培地38.4mlを125ml容量のバイ
アル瓶に入れ、あらかじめ培地を窒素ガスでパージし、
前記方法にて集積した嫌気分解微生物を含む集積培養液
0.8mlおよび好気分解微生物を含む集積培養液0.8mlを接
種し、密栓後、液中濃度60mg/LとなるようにPCEを
注入し、30℃で150rpmで振とう培養を行った。約2日毎
に、バイアル内のヘッドスペースガスをGC/ECDで
分析することにより、PCEの分解動向を調査した。約
半分量のPCEが嫌気分解されたところで、20mlの純酸
素ガスおよび20mlのメタンガスを数回に分けて注入し、
好気条件に切り替えて培養を継続した。この間、バイア
ル気相の酸素およびメタンガス濃度を随時モニタリング
し、酸素濃度が5〜20%を保持する条件に常時維持さ
せた。約2日毎に、バイアル内のヘッドスペースガスを
GC/ECDで分析し、TCEの分解動向を調査した。
すべてのTCEが好気分解されたところで、一瞬開栓
し、酪酸(0.1%相当)を添加して再び密栓し、継続して
培養することで、徐々に嫌気条件に移行し、再び、嫌気
分解が開始した。約2日毎に、バイアル内のヘッドスペ
ースガスをGC/ECDで分析し、PCEの分解動向を
調査した。全量のPCEが嫌気分解されたところで、20
mlの純酸素ガスおよび20mlのメタンガスを数回に分けて
注入し、再度、好気条件に切り替えて培養を継続した。
約2日毎に、バイアル内のヘッドスペースガスをGC/
ECDで、TCEの分解動向を分析し、すべてのTCE
が好気分解されるまで分析を継続した。バイアル実験の
都合上、内圧の上昇により、途中で開栓を余儀なくされ
たが、揮散したPCEは10%弱にとどまり、大きな影
響はないものと考えられる。
【0086】[比較例1]比較例として、好気単独処
理、嫌気単独処理、および嫌気/好気一過式処理による
高濃度PCEの分解実験を同時に行った。バイアル中の
嫌気的環境、および好気的環境の設定を除いて、他の実
験条件、材料は実施例1と同一として、実施した。嫌気
/好気一過性処理は、嫌気条件から行い、PCEの完全
分解後に好気条件に切り替えた。
【0087】結果を図7に示す。好気処理と嫌気処理を
繰り返す本発明の制限通気式処理を行うことで、高濃度
PCEを完全分解することができた(図7、結果1−
4)。初発の嫌気分解をあえて初期PCEの半分量に抑
えることで、以降の分解がスムーズに起こり、最終的に
短期間で分解を完了させることができた。一方、好気単
独処理では、PCEは全く分解されず(図7、結果1−
1)、嫌気単独処理では、PCEが完全に脱塩素分解さ
れ、ほぼ化学等量的にTCEに変換されたが、それ以上
分解は進行しなかった(図7、結果1−2)。また、嫌
気/好気の一過式処理において、PCEの完全分解後に
好気に切り替えることである程度のTCEの好気分解が
認められたが、完全分解には至らなかった(図7、結果
1−3)。一過式処理においては、初発の嫌気条件でP
CEを完全に脱塩素分解するため、本実施例のような高
濃度のPCEを初期物質とした場合、分解の中間体であ
るTCEやジクロロエチレン(以下、DCEと略す
る。)が高濃度で蓄積してしまうため、後段の好気分解
菌への負荷が大きくなり、満足な分解が起こらなくな
る。一般に、静止菌体反応を除き、50mg/L以上のTC
Eを好気分解することは難しいと考えられ、高濃度PC
Eを完全分解するには、本発明の制限通気式処理を行う
ことが有効であることが確認された。
【0088】[実施例2]複合高濃度PCE/TCEの
分解 本発明の制限通気式処理方式により、複合汚染を想定し
た高濃度PCE/TCEの分解実験を実施した。初期の
汚染物濃度はPCE25mg/L、およびTCE25mg/Lを混
合した状態のものとして、制限通気式処理は好気条件か
ら行ったことを除いて、すべての方法、材料は実施例1
に準拠して行った。
【0089】[比較例2]比較例として、好気単独処
理、嫌気単独処理、および嫌気/好気一過式処理による
高濃度PCE/TCEの分解実験を同時に行った。バイ
アル中の嫌気的環境、および好気的環境の設定を除い
て、他の実験条件、材料は実施例2と同一として、実施
した。なお、嫌気/好気一過式処理は比較例1と同様、
嫌気条件から行い、PCEの完全分解後、好気条件に切
り替えた。
【0090】結果を図8に示す。好気処理と嫌気処理を
繰り返す本発明の制限通気式処理を行うことで、複合高
濃度PCE/TCEを完全分解することができた(図
8、結果2−4)。本実施例では、処理を好気条件から
行うことで、以降の分解がスムーズに起こり、短期間で
分解を完了させることができた。一方、好気単独処理、
嫌気単独処理では、TCE、PCEのいずれかが分解せ
ず、残存する結果となり、実施例1と同様の傾向が確認
された(図8、結果2−1、結果2−2)。また、嫌気
/好気の一過式処理においても、実施例1と同様の傾向
が確認された(図8、結果2−3)。初発の嫌気処理で
高濃度のTCEが蓄積しまうことで、後段の好気分解が
鈍って完全分解には至らない結果となった。したがっ
て、複合高濃度PCE/TCEの完全分解においても、
本発明の制限通気式処理を行うことが有効であることが
確認された。
【0091】[実施例3]本発明の制限通気式処理方式
により、PCBの分解実験を実施した。まず、本実験に
供する分解微生物の集積培養を以下に示す方法により行
った。PCB嫌気分解微生物の集積培養は、河川および
池の底質土を種菌源として使用した。嫌気チャンバー内
で酢酸ナトリウムおよびフマル酸ナトリウムを栄養炭素
源とした無機塩培地17mlを25ml容量のバイアル
瓶に入れ、上記底質土の上清1mlを接種し、バイアル
瓶を密栓後、PCB(カネクロールKC-400、主成分テト
ラクロロビフェニル)を10mg/Lとなるよう添加
し、30℃、150rpmで振とう培養を行った。培養
開始後60日目にGC/ECDで公定法による分析をおこな
い、脱塩素分解能を示す嫌気分解微生物群を選抜した。
PCB好気分解微生物の集積培養は、水処理施設由来の
汚泥を種菌群として使用した。ビフェニル(無塩素体)
を唯一の栄養炭素源とした無機塩培地50mlを250
ml容量のバッフル付三角フラスコに入れ、上記汚泥上
清2mlを接種し、スポンジ栓をし、30℃、250r
pmで振とう培養を行った。培養開始1週間後に菌の増
殖が認められたものを上記と同様の条件で植え継ぎ、ビ
フェニルを栄養源として増殖する好気分解微生物群を選
抜した。
【0092】以下に、本発明の制限通気式処理方式によ
るPCBの分解実験方法を説明する。嫌気チャンバー内
で、酢酸ナトリウムおよびフマル酸ナトリウムを栄養炭
素源とした無機塩培地19mlおよび上記で得られた嫌
気分解微生物群の集積培養液1mlを容量125mlの
バイアル瓶に入れ、カネクロールKC-400(主成分テトラ
クロロビフェニル)を50mg/Lの濃度になるように添
加し、バイアル瓶をテフロン(登録商標)コートしたセ
プタム栓で密閉して、30℃・150rpmで嫌気条件下で30
日間培養を行った。その後、開栓して好気分解微生物群
の集積培養液1mlおよびビフェニル(1g/L相当)を
添加し、通気性のシリコ栓をして30℃・250rpmの好気条
件下で7日間培養を行った。その後、再び、バイアル瓶
内を嫌気雰囲気とするべく、バイアル瓶を嫌気チャンバ
ー内で開栓し、上記栄養炭素源および嫌気分解微生物群
の集積培養液1mlを接種後、テフロン(登録商標)コ
ートしたセプタム栓でバイアル瓶を密閉して前述した嫌
気条件下で30日間培養をおこなった。その後、再びバ
イアル瓶内を好気雰囲気とすべく、バイアル瓶を開栓し
て好気分解微生物群の集積培養液1mlおよびビフェニ
ル(1g/L相当)を添加し、通気性のシリコ栓をして前
述した好気条件下で7日間培養した。
【0093】培養終了後(74日後)にGC/ECDで公定法に
よる分析をおこない、本発明の制限通気式処理方式によ
るPCBの分解性を評価した。
【0094】結果を表2に示す。
【0095】
【表2】
【0096】表2の結果より、本発明の制限通気式処理
方式により、71.2%のPCBが分解されることが確
認された。
【0097】以上の結果より、本発明の方法によれば、
高濃度のクロロエチレン類、PCB類をも効率よく分解
することができることが判明した。また、本発明の方法
は、汚染物質の種類、濃度に応じて、嫌気/好気の順番
を自由に選択することができることから、他の方式に比
べて、幅広い汚染現場に対応することができるという利
点を有するものである。PCB類は、同じ塩素化芳香族
化合物であるダイオキシン類と構造的に類似し、またP
CBの一部であるコプラナーPCBなどはダイオキシン
類にも分類されることから、本発明の方法は、ダイオキ
シン類をも効率よく分解できることを当業者は容易に理
解できる。
【0098】
【発明の効果】密閉型反応槽内で嫌気性分解と好気性分
解を繰り返す制限通気式生物処理方法を採用することに
より、クロロエチレン類、PCB類、ダイオキシン類を
はじめとする有害物質の分解効率を向上でき、ひいては
修復に要する時間を短縮できると共に、分解処理できる
有害物質の種類、濃度が拡大し、複合汚染系土壌、高濃
度汚染土壌等にも対応でき、これまでの技術において、
分解が困難であった、高濃度の有害物質を分解、除去可
能であることから、環境修復事業への貢献が高い。 ま
た、汚染物質の種類、濃度に応じて嫌気性生物処理、好
気性生物処理の順番を自由に選択、設定することが可能
であることから、幅広い汚染現場の修復事業への実用化
が期待される。更に、密閉型反応槽による密閉型処理方
式により修復処理を行なうものであることから、微生物
分解に伴う悪臭を防止できると共に、土壌等中に含まれ
る有害物質の飛散、溶出等、特に、揮発性有害物質の揮
散による環境への二次汚染を防止できる。更に、反応槽
中において均質な分解反応が可能であり、分解微生物と
有害物質との接触効率を高めることにより、有害物質の
分解効率が向上するという利点もある。また、嫌気性生
物処理、好気性生物処理をシステム化することにより、
大量の汚染土壌等を効率よく修復することが可能となる
とともに、反応槽から排出される排ガス、排液、特に嫌
気性ガスの有効利用が可能となり、コストの削減に貢献
することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】(a)本発明の実施の形態である汚染土壌等の
修復装置の基本的構成を概念的に図示した概略図、
(b)本発明の実施の形態の一つである固体/気体接触
反応槽による汚染土壌等の修復装置の基本的構成を概念
的に図示した概略図、(c)本発明の実施の形態の一つ
である液体(スラリー)/気体接触反応槽による汚染土
壌等の修復装置の基本的構成を概念的に図示した概略
図、(d)本発明の実施の形態の一つである固体/液体
接触反応槽による汚染土壌等の修復装置の基本的構成を
概念的に図示した概略図
【図2】本発明の第1の実施の形態による汚染土壌等の
修復装置に汚染土壌を収容した状態を示す概略図
【図3】本発明の第2の実施の形態による汚染土壌等の
修復装置に汚染土壌を収容した状態を示す概略図
【図4】本発明の第3の実施の形態である汚染土壌等の
修復装置における嫌気性生物処理、好気性生物処理の流
れの概略を示すシステムフロー図
【図5】本発明の第4の実施の形態である汚染土壌等の
修復装置における嫌気性生物処理、好気性生物処理の流
れの概略を示すシステムフロー図
【図6】本発明の第5の実施の形態である汚染土壌等の
修復装置における嫌気性生物処理、好気性生物処理の流
れの概略を示すシステムフロー図
【図7】本発明の実施例1の高濃度PCE分解における
分解産物の経時変化を示すグラフ
【図8】本発明の実施例2の高濃度PCE/TCE分解
における分解産物の経時変化を示すグラフ
【符号の説明】
イ・・・嫌気性生物処理手段 ロ・・・好気性生物処理手段 1・・・反応槽 2・・・水、栄養剤散布装置 3・・・攪拌装置 4・・・通気管 5・・・土壌又は地下水 8・・・嫌気性ガスサーバータンク 9・・・ブロアー 10・・・外気バルブ 11・・・嫌気性ガスサーバーバルブ 12・・・嫌気性ガス排出口 13・・・嫌気性ガス注入口 14・・・嫌気性ガス排出用通気管 15・・・嫌気性ガス注入用通気管 16・・・好気性ガス用通気管 17・・・嫌気性ガスサーバー注入管 18・・・嫌気性ガスサーバー排出管
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 寺尾 康 大阪府大阪市浪速区敷津東一丁目2番47号 株式会社クボタ内 (72)発明者 南 宏和 大阪府大阪市浪速区敷津東一丁目2番47号 株式会社クボタ内 (72)発明者 岡田 公一 兵庫県尼崎市浜一丁目1番1号 株式会社 クボタ本社阪神事務所内 (72)発明者 橘 峰生 茨城県龍ヶ崎市向陽台五丁目6番 株式会 社クボタ技術開発本部つくば分室内 (72)発明者 鈴木 伸和 茨城県龍ヶ崎市向陽台五丁目6番 株式会 社クボタ技術開発本部つくば分室内 (72)発明者 上中 哲也 茨城県龍ヶ崎市向陽台五丁目6番 株式会 社クボタ技術開発本部つくば分室内 Fターム(参考) 4D004 AA41 AB06 AB07 AC05 CA18 CA19 CB04 CB09 CB21 CC07 4D040 BB01 BB51

Claims (16)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】嫌気性微生物と好気性微生物を共存させた
    密閉型反応槽内において少なくとも1種類以上の有害物
    質で汚染された土壌又は地下水を修復する方法であっ
    て、前記反応槽内を嫌気的環境に調節して有害物質を嫌
    気的に生物分解処理する嫌気性生物処理工程と、前記反
    応槽内を好気的環境に調節して有害物質を好気的に生物
    分解処理する好気性生物処理工程を、交互に少なくとも
    一回以上繰り返すことを特徴とする汚染土壌又は地下水
    の修復方法。
  2. 【請求項2】前記有害物質が、クロロエチレン類、ポリ
    塩化ビフェニル類、ダイオキシン類から選択されること
    を特徴とする請求項1の汚染土壌又は地下水の修復方
    法。
  3. 【請求項3】前記好気性生物処理工程から前記嫌気性生
    物処理工程に切り替え直後に、前記反応槽全領域内が嫌
    気的環境に移行し、かつ、前記嫌気性生物処理工程中、
    前記反応槽全領域内が均質的な嫌気的環境を維持するこ
    とを特徴とする請求項1又は2記載の汚染土壌又は地下
    水の修復方法。
  4. 【請求項4】前記嫌気性生物処理工程から前記好気性生
    物処理工程に切り替え直後に、前記反応槽全領域内が好
    気的環境に移行し、かつ、前記好気性生物処理工程中、
    前記反応槽全領域内が均質的な好気的環境を維持するこ
    とを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の汚染土
    壌又は地下水の修復方法。
  5. 【請求項5】前記反応槽内を嫌気的環境に調節する嫌気
    性媒体、および、前記反応槽内を好気的環境に調節する
    好気性媒体が気体または液体であることを特徴とする請
    求項1〜4のいずれかに記載の汚染土壌又は地下水の修
    復方法。
  6. 【請求項6】前記反応槽が、固体/気体接触反応槽、液
    体/気体接触反応槽、固体/液体接触反応槽のいずれか
    を実施することを特徴とする請求項1〜5のいずれかに
    記載の汚染土壌又は地下水の修復方法。
  7. 【請求項7】嫌気性生物処理工程から好気性生物処理工
    程に移行する間に前記反応槽から排出される嫌気性媒体
    を貯留装置に貯留する工程と、嫌気性生物処理工程にお
    いて前記貯留された嫌気性媒体を前記反応槽に返送して
    循環再利用する工程を有することを特徴とする請求項1
    〜6のいずれかに記載の汚染土壌又は地下水の修復方
    法。
  8. 【請求項8】前記反応槽を複数設け、嫌気性生物処理工
    程から好気性生物処理工程に移行する特定の反応槽から
    排出される嫌気性媒体を共通の貯留装置に貯留する工程
    と、嫌気性生物処理工程にある特定の反応槽に前記貯留
    された嫌気性媒体を注入して循環再利用する工程を有す
    ることを特徴とする請求項1〜7のいずれかに記載の汚
    染土壌又は地下水の修復方法。
  9. 【請求項9】少なくとも1 種類以上の有害物質で汚染さ
    れた土壌又は地下水を修復する汚染土壌又は地下水の修
    復装置であって、共存させた好気性微生物と嫌気性微生
    物を汚染土壌または地下水と接触させるための密閉型反
    応槽と、前記反応槽内を嫌気的環境に調節して有害物質
    を嫌気的に生物分解処理する嫌気性生物処理手段と、前
    記反応槽内を好気的環境に調節して有害物質を好気的に
    生物分解処理する好気性生物処理手段を有することを特
    徴とする汚染土壌又は地下水の修復装置。
  10. 【請求項10】前記有害物質が、クロロエチレン類、ポ
    リ塩化ビフェニル類、ダイオキシン類から選択されるこ
    とを特徴とする請求項9の汚染土壌又は地下水の修復装
    置。
  11. 【請求項11】前記嫌気性生物処理手段を作動させた直
    後に、前記反応槽全領域内が嫌気的環境に移行し、か
    つ、前記嫌気性生物処理手段が作動中、前記反応槽全領
    域内が均質的な嫌気的環境を維持することを特徴とする
    請求項9または10に記載の汚染土壌又は地下水の修復
    装置。
  12. 【請求項12】前記好気性生物処理手段を作動させた直
    後に、前記反応槽全領域内が好気的環境に移行し、か
    つ、前記好気性生物処理手段が作動中、前記反応槽全領
    域内が均質的な好気的環境を維持することを特徴とする
    請求項9〜11のいずれかに記載の汚染土壌又は地下水
    の修復装置。
  13. 【請求項13】前記嫌気性生物処理手段において使用さ
    れる前記反応槽内を嫌気的環境に調節する嫌気性媒体、
    および、前記好気性生物処理手段において使用される前
    記反応槽内を好気的環境に調節する好気性媒体が気体ま
    たは液体であることを特徴とする請求項9〜12のいず
    れかに記載の汚染土壌又は地下水の修復装置。
  14. 【請求項14】前記反応槽が、固体/気体接触反応槽、
    液体/気体接触反応槽、固体/液体接触反応槽のいずれ
    かを実施することを特徴とする請求項9〜13のいずれ
    かに記載の汚染土壌又は地下水の修復装置。
  15. 【請求項15】嫌気性生物処理工程から好気性生物処理
    工程に移行する間に前記反応槽から排出される嫌気性媒
    体を貯留する貯留装置と、嫌気性生物処理工程において
    前記貯留装置に貯留された嫌気性媒体を前記反応槽に返
    送して循環再利用する循環再利用手段を備えたことを特
    徴とする請求項9〜14のいずれかに記載の汚染土壌又
    は地下水の修復装置。
  16. 【請求項16】複数の前記反応槽と、嫌気性生物処理工
    程から好気性生物処理工程に移行する特定の反応槽から
    排出される嫌気性媒体を貯留する共通の貯留装置と、嫌
    気性生物処理工程にある特定の反応槽に前記貯留された
    嫌気性媒体を注入して循環再利用する循環再利用手段を
    備えたことを特徴とする請求項9〜14のいずれかに記
    載の土壌又は地下水の修復装置。
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