JP3739615B2 - 車載用情報処理装置および記録媒体 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明はナビゲーション機能などのアプリケーションを実行するための車載用情報処理装置および記録媒体に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
図8は従来の車載用情報処理装置の構成を階層的に示す図である。図において、201はリモートコントローラ、CD(Compact Disc)−ROMドライブ、ディスプレイ、GPS(Global Positioning System)受信機などのナビゲーションハードウェアであり、202はナビゲーションハードウェア201を制御する基本機能を有するナビゲーションOS(オペレーティングシステム)であり、203は各ナビゲーションハードウェア201を直接制御するデバイスドライバであり、204はナビゲーションシステムを実現するナビアプリケーションである。なお、この従来の車載用情報処理装置のハードウェアは、これらのプログラムを記憶したROMとそれを実行するマイクロプロセッサなどで構成される。
【0003】
次に動作について説明する。
この従来の車載用情報処理装置では、ナビゲーションOS202上でナビアプリケーション204が実行され、各ナビゲーションハードウェア201で発生するイベントが適宜処理され、ナビゲーションシステムが実現される。
【0004】
このようにして従来の車載用情報処理装置でナビゲーションシステムが実現される。このような車載用情報処理装置のナビアプリケーション204はパーソナルコンピュータの汎用OS上で開発され(すなわち、パーソナルコンピュータおよび汎用OSのプラットホーム上で開発され)、完成後に、ナビゲーションハードウェア201、ナビゲーションOS202およびデバイスドライバ203のプラットホーム上に移植される。
【0005】
パーソナルコンピュータおよび汎用OSのプラットホーム上でナビアプリケーション204を開発し、ナビゲーションハードウェア201、ナビゲーションOS202およびデバイスドライバ203のプラットホーム上に移植する場合、各ナビアプリケーション204とナビゲーションOS202との間での各種情報の授受がナビゲーションOS202などのプラットホームに依存するため、ナビアプリケーション204の移植時にナビアプリケーション204に変更を加える必要があり、ナビアプリケーション204の開発作業が煩雑になる。
【0006】
そのような問題を軽減する従来の技術として例えば特開平11−211489号公報に記載のものがある。図9は例えば特開平11−211489号公報に記載の他の従来の車載用情報処理装置の構成を階層的に示す図である。図において、211〜213は例えばJava(商標)バーチャルマシン、Java基本API(Application Programming Interface )、ナビ用クラスライブラリ、Java拡張APIでそれぞれ構成され、各サービス毎に設けられた複数のインタフェースモジュールである。なお、その他の構成要素については図8に示すものと同様であるので、その説明を省略する。
【0007】
次に動作について説明する。
この従来の車載用情報処理装置では、ナビゲーションOS202上で、Javaバーチャルマシン、Java基本API、ナビ用クラスライブラリ、Java拡張APIでそれぞれ構成される複数のインタフェースモジュール211〜213が動作し、さらにその上でナビアプリケーション204が動作する。このとき、各インタフェースモジュール211〜213が、ナビアプリケーション204の実現するサービス毎に、ナビゲーションOS202とナビアプリケーション204との間で所定の情報の授受をそれぞれ実行する。
【0008】
このように従来の車載用情報処理装置では、Javaバーチャルマシンなどでそれぞれ構成される複数のインタフェースモジュール211〜213上でナビアプリケーション204が動作するので、異なるプラットホームで共通のナビアプリケーション204を動作させることができる。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
従来の車載用情報処理装置は以上のように構成されているので、サービス毎にインタフェースモジュールが設けられていることに起因してナビアプリケーションでのイベント待ちが複数になり、ナビアプリケーション内部での処理が同期をとる必要があり、ナビアプリケーションの構造が複雑であり、ナビアプリケーションの開発が煩雑であるなどの課題があった。
【0010】
この発明は上記のような課題を解決するためになされたもので、単一のインタフェース手段により、ナビアプリケーションとプラットホームとの間で授受される所定の情報を、ナビアプリケーションのすべてのサービスに対して一定のデータ形式で授受し、プラットホームに対してそのプラットホームに対応したデータ形式で授受するようにして、ナビアプリケーションの構造を簡素化し、ナビアプリケーションの開発が容易である車載用情報処理装置および記録媒体を得ることを目的とする。
【0011】
【課題を解決するための手段】
この発明に係る車載用情報処理装置は、車載のハードウェアとハードウェアを制御する基本機能を有するプラットホームと、プラットホームの基本機能を使用して所定の処理を実行するアプリケーション処理手段と、アプリケーション処理手段とプラットホームとの間で授受される所定の情報を、アプリケーション処理手段に対して一定のデータ形式で授受し、プラットホームに対してそのプラットホームに対応したデータ形式で授受する単一のインタフェース手段とを備えるものである。
【0012】
この発明に係る車載用情報処理装置は、一定のデータ形式で情報を授受する共通インタフェース部を単一のインタフェース手段とアプリケーション処理手段が備えるようにしたものである。
【0013】
この発明に係る車載用情報処理装置は、各ハードウェアを監視するハードウェア監視部と、ハードウェア監視部により検出された各ハードウェアのイベントに対応してプラットホーム非依存イベントを生成するイベント生成部と、イベント生成部により生成されたプラットホーム非依存イベントをアプリケーション処理手段に配信するイベント配信部とを単一のインタフェース手段に有するようにしたものである。
【0014】
この発明に係る車載用情報処理装置は、イベント生成部が所定の優先順位に基づいてハードウェアのイベントからプラットホーム非依存イベントを生成するようにしたものである。
【0015】
この発明に係る記録媒体は、車載のハードウェアを含むプラットホームの基本機能を使用して所定の処理を実行するアプリケーション処理手段、および、アプリケーション処理手段とプラットホームとの間で授受される所定の情報を、アプリケーション処理手段に対して一定のデータ形式で授受し、プラットホームに対してそのプラットホームに対応したデータ形式で授受する単一のインタフェース手段としてコンピュータを機能させるためのプログラムを記録したものである。
【0016】
【発明の実施の形態】
以下、この発明の実施の一形態を説明する。
実施の形態1.
図1はこの発明の実施の形態1による車載用情報処理装置のハードウェア構成を示すブロック図である。図において、1はナビゲーションOS、デバイスドライバ、プラットホーム依存インタフェースモジュール、ナビアプリケーションなどのプログラムを実行するマイクロプロセッサであり、2はナビゲーションOS、デバイスドライバ、プラットホーム依存インタフェースモジュール、ナビアプリケーションなどが予め記憶されたROMであり、3はナビゲーションOS、デバイスドライバ、プラットホーム依存インタフェースモジュール、ナビアプリケーションなどの実行時にプログラムやデータを一時的に記憶するRAMであり、4はリモートコントローラ、CD−ROM(またはDVD(Digital Versatile Disc)−ROM)ドライブ、ディスプレイ、GPS受信機などのナビゲーションハードウェア(ハードウェア)である。
【0017】
なお、ROM2の代わりに、ナビゲーションOS、デバイスドライバ、プラットホーム依存インタフェースモジュール、ナビアプリケーションなどをCDなどの記録媒体に記録し、CD−ROMドライブによりそれらのプログラムを読み取り使用するようにしてもよい。また、ROM2にナビゲーションOSとデバイスドライバのみを記憶させておき、プラットホーム依存インタフェースモジュールおよびナビアプリケーションをCDなどの記録媒体に記録し、それらを読み取り使用するようにしてもよい。
【0018】
図2はこの発明の実施の形態1による車載用情報処理装置の構成を階層的に示す図である。図において、4は上記ナビゲーションハードウェアであり、11はナビゲーションハードウェア4を制御する基本機能を有するナビゲーションOSであり、12は各ナビゲーションハードウェア4を直接制御するデバイスドライバである。ナビゲーションハードウェア4、ナビゲーションOS11およびデバイスドライバ12によりプラットホームが構成される。
【0019】
13はナビアプリケーション14とプラットホームとの間で送受される所定の情報を、ナビアプリケーション14のすべてのサービスに対して一定のデータ形式で授受し、プラットホームに対してそのプラットホームに対応したデータ形式で授受するプラットホーム依存インタフェースモジュール(単一のインタフェース手段)であり、14はナビゲーションシステムを実現するナビアプリケーション(アプリケーション処理手段)である。21はプラットホーム依存インタフェースモジュール13においてプラットホームからのデータを、プラットホームに依存しない一定のデータ形式のデータ(プラットホーム非依存イベント)に変換する変換部である。
【0020】
次に動作について説明する。
図2に示すようにナビゲーションOS11上で単一のプラットホーム依存インタフェースモジュール13が動作し、さらにその上でナビアプリケーション14が動作する。このとき、単一のプラットホーム依存インタフェースモジュール13は、リモートコントローラなどの各ナビゲーションハードウェア4からのデータをデバイスドライバ12などを介して受け取り、変換部21により一定のデータ形式のデータに変換し、そのデータにナビゲーションハードウェア4の識別子を付加したものをナビアプリケーション14に供給する。
【0021】
ナビアプリケーション14は、単一なプラットホーム依存インタフェースモジュール13からのデータおよび識別子が供給されるまで待機し、データおよび識別子を受け取ると、プラットホームの基本機能を使用してそのデータおよび識別子に対応するサービスを実行する。
【0022】
このナビアプリケーション14を開発する際には例えば汎用OSの動作するパーソナルコンピュータをプラットホームとし、完成後にナビアプリケーション14を、ナビゲーションハードウェア4、ナビゲーションOS11およびデバイスドライバ12により構成されるプラットホームに移植する。ナビアプリケーション14の移植、すなわちプラットホームの変更の際には、プラットホーム依存インタフェースモジュール13を開発用のものから実装用のものに変更し、ナビアプリケーション14を変更する必要はほとんどない。
【0023】
以上のように、この実施の形態1によれば、単一のプラットホーム依存インタフェースモジュール13により、ナビアプリケーション14とプラットホームとの間で授受される所定の情報を、ナビアプリケーション14のすべてのサービスに対して一定のデータ形式で授受し、プラットホームに対してそのプラットホームに対応したデータ形式で授受するようにしたので、ナビアプリケーション14の構造を簡素化し、ナビアプリケーションの開発を容易にすることができ、さらにプラットホームの変更を簡単にすることができるという効果が得られる。
【0024】
実施の形態2.
図3はこの発明の実施の形態2による車載用情報処理装置の構成を階層的に示す図である。図において、22および31はナビアプリケーション14およびプラットホーム依存インタフェースモジュール13にそれぞれ設けられ、一定のデータ形式で情報を授受する共通インタフェース部である。なお、その他の構成要素については実施の形態1によるもの(図2)と同様であるので、その説明を省略する。また、実施の形態2による車載用情報処理装置のハードウェア構成は実施の形態1によるものと同様であるので、その説明を省略する。
【0025】
次に動作について説明する。
実施の形態2による車載用情報処理装置では、プラットホーム依存インタフェースモジュール13とナビアプリケーション14との情報の授受が、共通インタフェース部22,31により一定のデータ形式で実行される。なお、その他の動作については実施の形態1によるものと同様であるので、その説明を省略する。
【0026】
以上のように、この実施の形態2によれば、プラットホーム依存インタフェースモジュール13とナビアプリケーション14との情報の授受を共通インタフェース部22,31により一定のデータ形式で実行するようにしたので、プログラムの大部分を占めるナビアプリケーションがプラットホームに対してより非依存となり、ナビアプリケーション14の移植の際にプラットホーム依存インタフェースモジュール13における共通インタフェース部22以外の部分だけを変更すればよく、複数種類のプラットホームへのナビアプリケーションの移植を簡単にすることができるという効果が得られる。
【0027】
実施の形態3.
図4はこの発明の実施の形態3による車載用情報処理装置の構成を階層的に示す図である。図において、41はナビゲーションハードウェア4のリモートコントローラであり、42はナビゲーションハードウェア4のGPS受信機であり、43はナビゲーションハードウェア4のCDドライブである。
【0028】
51はリモートコントローラ41を監視するリモコン監視オブジェクト(ハードウェア監視部)であり、52はリモコン監視オブジェクト51の発行するイベントを保持するイベントキューであり、53はGPS受信機42を監視するGPS監視オブジェクト(ハードウェア監視部)であり、54はGPS監視オブジェクト53の発行するイベントを保持するイベントキューであり、55はCDドライブ43を監視するCD監視オブジェクト(ハードウェア監視部)であり、56はCD監視オブジェクト55の発行するイベントを保持するイベントキューである。
【0029】
57はイベントキュー52,54,56にイベントが保持されている場合に、そのイベントの発生したナビゲーションハードウェア4の種類およびそのイベントの内容に応じたプラットホーム非依存イベントを一定のデータ形式で生成するイベント生成部であり、58はイベント生成部57により生成されたプラットホーム非依存イベントをナビアプリケーション14に供給するイベント配信部である。
【0030】
61はプラットホーム非依存イベントに対応するサービス(アプリケーションプログラム)を実行させ、そのプラットホーム非依存イベントを処理させるコールバックインタフェース部である。
【0031】
なお、実施の形態3による車載用情報処理装置のハードウェア構成は実施の形態1によるものと同様であるので、その説明を省略する。
【0032】
次に動作について説明する。
ユーザによる操作などに基づいてリモートコントローラ41でイベントが発生すると、リモコン監視オブジェクト51がイベントキュー52にそのイベントを登録する。また、GPS受信機42でイベントが発生すると、GPS監視オブジェクト53がイベントキュー54にそのイベントを登録し、CDドライブ43でイベントが発生すると、CD監視オブジェクト55がイベントキュー56にそのイベントを登録する。このイベントキュー52,54,56に保持されるイベントはプラットホームに依存したものである。なお、各イベントキュー52,54,56には同一のイベントは1つだけが登録され、同一のイベントが既に登録されている場合には、イベントキュー52,54,56はそのイベントを保持しない。
【0033】
そしてイベント生成部57は、イベントキュー52,54,56のいずれかにイベントが登録されていると、それを読み出し、そのイベントの発生したナビゲーションハードウェア4の種類およびそのイベントの内容に応じたプラットホーム非依存イベントを一定のデータ形式で生成する。イベント配信部58は、そのプラットホーム非依存イベントを、ナビアプリケーション14のコールバックインタフェース部61に供給する。
【0034】
このプラットホーム非依存イベントのデータ形式は、例えば「OriginalEvent(EventID,data);」などと規定することができる。ここで、「EventID 」はイベントの発生したナビゲーションハードウェア4を示す識別子であり、「data」はそのイベントについてのデータであり、プラットホームとは依存しない一定の形式で記述されるものである。
【0035】
コールバックインタフェース部61はそのプラットホーム非依存イベントに対応するサービスを実行させ、そのプラットホーム非依存イベントを処理させる。
【0036】
このようにして、プラットホーム依存インタフェースモジュール13によりナビアプリケーション14へプラットホーム非依存イベントが供給され、ナビゲーションハードウェア4で発生したイベントに対応するサービスがナビアプリケーション14により実行される。
【0037】
次にこのナビアプリケーション14の開発について説明する。
図5はナビアプリケーション開発中の装置の構成を階層的に示す図である。図6はナビアプリケーションの開発中の表示画像の一例を示す図である。
【0038】
開発段階では、図5に示すように、プラットホームとして、Windows(商標)NTなどの汎用OS72および各種デバイスドライバ73の動作するパーソナルコンピュータ71が使用される。この際、ナビゲーションハードウェア4のリモートコントローラや各種スイッチがキーボード81で模擬され、ナビゲーションハードウェア4のGPS受信機などが、RS232Cなどのシリアルインタフェース82を介して接続されるセンサデータボックス91で模擬される。なお、センサデータボックス91とは、GPSデータや車速データを模擬し出力するものである。
【0039】
このような開発用のプラットホームを使用する場合、開発用のプラットホーム依存インタフェースモジュール13Aを使用する。開発用のプラットホーム依存インタフェースモジュール13Aでは、図4におけるリモコン監視オブジェクト51、GPS監視オブジェクト53およびCD監視オブジェクト55の代わりにキーボード処理オブジェクト92、センサデータ処理オブジェクト93、ナビ画面ウィンドウオブジェクト94が設けられている。これらのオブジェクト92,93により、キーボード81で発生したイベント、およびセンサデータボックス91からシリアルインタフェース82を介して供給されるセンサデータに基づいてイベントが発生される。
【0040】
まずナビ画面ウィンドウオブジェクト94が画面表示のイベントを発生し、図6に示すようにパーソナルコンピュータ71に付属するディスプレイ101にナビゲーション画像用のウィンドウ102やダイアログ、キー、パネルなどのウィンドウ103を表示する。この際、ウィンドウやダイアログの表示には、汎用OS72の基本機能(ウィンドウ関数やダイアログ関数)が使用される。
【0041】
そして、キーボード81で発生したイベントやセンサデータボックス91からシリアルインタフェース82を介して供給されるセンサデータに基づいて発生されたイベントからイベント生成部57によりプラットホーム非依存イベントが生成され、イベント配信部58によりそのプラットホーム非依存イベントがナビアプリケーション14に供給され、キーボード81などで発生したイベントに対応するサービスが実行される。これにより例えばウィンドウ102に、センサデータボックス91から供給されたセンサデータに基づくナビゲーション画像が表示されたりする。
【0042】
以上のように、この実施の形態3によれば、プラットホーム依存インタフェースモジュール13からナビアプリケーション14へはプラットホーム非依存イベントが供給されるようにしたので、ナビアプリケーションはプラットホーム非依存イベントを供給されるまで待機し、供給されたプラットホーム非依存イベントに対応するサービスを随時実行すればよく、ナビアプリケーションへ供給される情報のデータ形式が統一され、ナビアプリケーションの開発段階でのデバッグ作業などが簡単になり、開発効率が向上するという効果が得られる。
【0043】
また、パーソナルコンピュータで稼働する開発ツールは簡単に入手することができるが実機で稼働する開発ツールはあまり存在しないため、実機上での開発部分が減少することにより開発効率が向上する。
【0044】
実施の形態4.
図7はこの発明の実施の形態4による車載用情報処理装置の構成を階層的に示す図である。図において、57Aはイベントキュー52,54,56にイベントが保持されている場合に、そのイベントの発生したナビゲーションハードウェア4の種類およびそのイベントの内容に応じたプラットホーム非依存イベントを一定のデータ形式で、かつ所定の優先順位に従った順番で生成する優先順位付イベント生成部(イベント生成部)である。この優先順位は、イベントに対応して実行されるサービスの重要度や装置に与える負荷などに基づいて予め設定されている。
【0045】
なお、その他の構成要素については実施の形態3によるもの(図4)と同様であるので、その説明を省略する。また、実施の形態4による車載用情報処理装置のハードウェア構成は実施の形態1によるものと同様であるので、その説明を省略する。
【0046】
次に動作について説明する。
優先順位付イベント生成部57Aは、イベントキュー52,54,56に複数のイベントが保持されている場合に、そのイベントの発生したナビゲーションハードウェア4の種類およびそのイベントの内容に応じたプラットホーム非依存イベントを一定のデータ形式で、かつ所定の優先順位に従った順番で生成する。なお、その他の動作については実施の形態3によるものと同様であるので、その説明を省略する。
【0047】
以上のように、この実施の形態4によれば、優先順位付イベント生成部57Aが所定の優先順位に基づいてナビゲーションハードウェア4のイベントからプラットホーム非依存イベントを生成するようにしたので、ナビゲーションハードウェアで発生したイベントがより適切な順番で柔軟に処理され、装置の性能が向上するという効果が得られる。
【0048】
【発明の効果】
以上のように、この発明によれば、車載のハードウェアとハードウェアを制御する基本機能を有するプラットホームと、プラットホームの基本機能を使用して所定の処理を実行するアプリケーション処理手段と、アプリケーション処理手段とプラットホームとの間で授受される所定の情報を、アプリケーション処理手段に対して一定のデータ形式で授受し、プラットホームに対してそのプラットホームに対応したデータ形式で授受する単一のインタフェース手段とを備えるようにしたので、アプリケーション処理手段としてのアプリケーションプログラムの構造を簡素化し、アプリケーションプログラムの開発を容易にすることができ、さらにプラットホームの変更を簡単にすることができるという効果がある。
【0049】
この発明によれば、一定のデータ形式で情報を授受する共通インタフェース部を単一のインタフェース手段とアプリケーション処理手段に備えるようにしたので、アプリケーション処理手段がプラットホームに対してより非依存となり、プラットホームの変更の際にプラットホーム依存インタフェースモジュールにおける共通インタフェース部以外の部分だけを変更すればよく、複数種類のプラットホームへのアプリケーションプログラムの移植を簡単にすることができるという効果がある。
【0050】
この発明によれば、各ハードウェアを監視するハードウェア監視部と、ハードウェア監視部により検出された各ハードウェアのイベントに対応してプラットホーム非依存イベントを生成するイベント生成部と、イベント生成部により生成されたプラットホーム非依存イベントをアプリケーション処理手段に配信するイベント配信部とを単一のインタフェース手段に有するようにしたので、アプリケーション処理手段はプラットホーム非依存イベントを供給されるまで待機し、供給されたプラットホーム非依存イベントに対応するサービスを随時実行すればよく、アプリケーション処理手段へ供給される情報のデータ形式が統一され、アプリケーション処理手段としてのアプリケーションプログラムの開発段階でのデバッグ作業などが簡単になり、開発効率が向上するという効果がある。
【0051】
この発明によれば、イベント生成部が所定の優先順位に基づいてハードウェアのイベントからプラットホーム非依存イベントを生成するようにしたので、ハードウェアで発生したイベントがより適切な順番で柔軟に処理され、装置の性能が向上するという効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】 この発明の実施の形態1による車載用情報処理装置のハードウェア構成を示すブロック図である。
【図2】 この発明の実施の形態1による車載用情報処理装置の構成を階層的に示す図である。
【図3】 この発明の実施の形態2による車載用情報処理装置の構成を階層的に示す図である。
【図4】 この発明の実施の形態3による車載用情報処理装置の構成を階層的に示す図である。
【図5】 ナビアプリケーション開発中の装置の構成を階層的に示す図である。
【図6】 ナビアプリケーションの開発中の表示画像の一例を示す図である。
【図7】 この発明の実施の形態4による車載用情報処理装置の構成を階層的に示す図である。
【図8】 従来の車載用情報処理装置の構成を階層的に示す図である。
【図9】 他の従来の車載用情報処理装置の構成を階層的に示す図である。
【符号の説明】
4 ナビゲーションハードウェア(ハードウェア、プラットホーム)、11 ナビゲーションOS(プラットホーム)、12 デバイスドライバ(プラットホーム)、13 プラットホーム依存インタフェースモジュール(単一のインタフェース手段)、14 ナビアプリケーション(アプリケーション処理手段)、22,31 共通インタフェース部、51 リモコン監視オブジェクト(ハードウェア監視部)、53 GPS監視オブジェクト(ハードウェア監視部)、55 CD監視オブジェクト(ハードウェア監視部)、57 イベント生成部、57A優先順位付イベント生成部(イベント生成部)、58 イベント配信部。

Claims (5)

  1. 車載のハードウェアと前記ハードウェアを制御する基本機能を有するプラットホームと、
    前記プラットホームの基本機能を使用して所定の処理を実行するアプリケーション処理手段と、
    前記アプリケーション処理手段と前記プラットホームとの間で授受される所定の情報を、前記アプリケーション処理手段に対して一定のデータ形式で授受し、前記プラットホームに対してそのプラットホームに対応したデータ形式で授受する単一のインタフェース手段と
    を備えた車載用情報処理装置。
  2. 単一のインタフェース手段とアプリケーション処理手段は、一定のデータ形式で情報を授受する共通インタフェース部を備える
    ことを特徴とする請求項1記載の車載用情報処理装置。
  3. 単一のインタフェース手段は、各ハードウェアを監視するハードウェア監視部と、前記ハードウェア監視部により検出された各ハードウェアのイベントに対応してプラットホーム非依存イベントを生成するイベント生成部と、前記イベント生成部により生成された前記プラットホーム非依存イベントをアプリケーション処理手段に配信するイベント配信部とを有する
    ことを特徴とする請求項1記載の車載用情報処理装置。
  4. イベント生成部は、所定の優先順位に基づいてハードウェアのイベントからプラットホーム非依存イベントを生成する
    ことを特徴とする請求項3記載の車載用情報処理装置。
  5. コンピュータを、
    車載のハードウェアを含むプラットホームの基本機能を使用して所定の処理を実行するアプリケーション処理手段、
    前記アプリケーション処理手段と前記プラットホームとの間で授受される所定の情報を、前記アプリケーション処理手段に対して一定のデータ形式で授受し、前記プラットホームに対してそのプラットホームに対応したデータ形式で授受する単一のインタフェース手段
    として機能させるためのプログラムを記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体。
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