JP3739571B2 - ケーシングドライバ - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、ケーシングを把持する把持手段と把持したケーシングを回転駆動する回転駆動手段と把持したケーシングを押し込む押し込み手段とを有し、ケーシングを把持し回転駆動しながら地中に押し込んで掘削するケーシングドライバに関する。
【0002】
【従来の技術】
土木、建築工事に使用する大口径鋼管杭や鋼管類等の管状ケーシング(以下単に「ケーシング」という。)を回転させながら地中に押し込んで、杭等の地中構造物を構築するための縦穴を掘削するケーシングドライバと称する縦穴掘削装置が従来から一般的に知られており、この種の装置として、例えば特公平7ー74500号公報に記載の装置を挙げることができる。
【0003】
このケーシングドライバは、ケーシングを把持するケーシング掴み用バンド等の把持手段と、把持手段で把持したケーシングを回転駆動する油圧モータ等で構成された回転駆動手段と、把持手段で把持したケーシングを押し込むスラストシリンダ等の押し込み手段とを備えている。把持手段は、ベースフレーム上に昇降自在に設置された昇降フレームに回転自在に取り付けられ、昇降フレームに取り付けられた回転駆動手段により回転駆動されるように構成されている。押し込み手段は、ベースフレーム上に設置されて昇降フレームを上昇下降させるように駆動することができ、下降させるように駆動することにより、把持手段で把持したケーシングを押し込むことができる。このケーシングは、互いに連結可能な複数の単位ケーシングからなり、最先端の単位ケーシングを先端ケーシングと称し、掘削刃(カッタ)を設けている。こうしたケーシングドライバを用いて地中を掘削するときには、まず、先端ケーシングを把持手段で把持し回転駆動手段で回転駆動しながら押し込み手段で地中に押し込んで掘削する。また、掘削する過程で先端ケーシング内に溜った土砂は、ハンマーグラブ等の手段で地上に搬出する。こうして先端ケーシングを地中に建て込んだら、これにケーシングを適宜継ぎ足して把持手段で把持し、同様の方法で掘削する。このケーシングドライバは、地中に建て込んだケーシングの引き抜きも行える。
【0004】
ところで、こうしたケーシングドライバでは、これまで、オペレータの手動操作の便から、ケーシング回転駆動用のモータに変速手段を設けてケーシングの回転速度を調整できるようにする一方、ケーシングを押し込むためのスラストシリンダ等の押し込み手段を一定の速度で駆動できるようにし、これに伴って、押し込み手段をON/OFF制御するための操作スイッチを設けていた。こうしたケーシングドライバで地盤を掘削する場合、オペレータは、経験や掘削過程の排土状況等から当該地盤の性状を予想し、予想した地盤の性状に基づきケーシングの回転速度を調整して掘削を進めていた。そして、その掘削の過程で計器からケーシングの回転トルクや先端ケーシングの刃先の食い込み量を判断し、その結果、これらの値が大きくなりそうなときには、スイッチをOFF操作して押し込み手段の駆動を一時停止した後、スイッチをON操作して再駆動し、地盤の性状の変化に対応してこうした操作を絶えず繰り返しながら掘削作業を実施していた。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
こうした操作機構設けたケーシングドライバは、地盤の性状が判明していない地山を掘削する場合、オペレータに操作上なじみやすく比較的適切に掘削が行えたため、これまで実用上定着していた。しかしながら、オペレータの操作の便から、押し込み手段を特にON/OFF制御するようにしていたため、作業効率の点で難があった。特に、地盤の性状の変化が激しい地山を掘削する場合、その変化に対応してケーシングの回転速度を調整する操作を要するほか、押し込み手段をON/OFF制御するためのスイッチ操作を、カチカチと間断なく繰り返す必要があるため、作業効率が悪く、かつ、操作が煩雑であった。こうしたケーシングドライバで地山を掘削する場合、地盤の性状がボーリング調査等で事前に判明している場合や地山の掘削過程でその後の地盤の性状が判明する場合もあるが、これまでは、こうした領域の地山を掘削するときにも、同様の方法で掘削していて改善する余地がある。
【0006】
本発明は、従来の技術にみられるこうした問題を解消しようとするものであって、その技術課題は、地盤の性状が予め判明している領域の地山を効率よく簡便に掘削できるケーシングドライバを提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本発明のこうした技術課題は、
ケーシングを把持する把持手段とこの把持手段で把持したケーシングを回転駆動する回転駆動手段と把持手段で把持したケーシングを押し込む押し込み手段とを有し、ケーシングを把持手段で把持し回転駆動手段で回転駆動しながら押し込み手段で地中に押し込んで掘削するケーシングドライバにおいて、
回転駆動手段によるケーシングの回転速度を変えることができる回転速度の変速手段と、押し込み手段によるケーシングの押し込み速度を変えることができる押し込み速度の変速手段と、地中の掘削領域を深度で設定して画定する場合の掘削領域の始点となる深度の値及び掘削領域の終点となる深度の値を設定して地中の掘削領域を深度で設定できる深度設定手段と、この深度設定手段で設定した地中の掘削領域に対応して、回転駆動手段で回転駆動するケーシングの回転速度及び押し込み手段で押し込むケーシングの押し込み速度を予め設定できる速度設定手段と、掘削している地中の深度を計測できる深度計測手段と、深度計測手段での計測結果に基づいて、深度設定手段で設定した地中の掘削領域を、速度設定手段で設定したケーシングの回転速度及び押し込み速度により掘削できるように回転速度の変速手段及び押し込み速度の変速手段を制御する速度制御機構とを設けたこと
により達成される。
【0008】
本発明のケーシングドライバは、速度設定手段を設けているので、地盤の性状が予め判明している領域の地山を掘削する場合、回転駆動手段で回転駆動するケーシングの回転速度及び押し込み手段で押し込むケーシングの押し込み速度を、地盤の性状に応じて予め設定することができる。また、深度設定手段を設けているので、この速度設定手段で設定したケーシングの回転速度及び押し込み速度により掘削を行う地中の掘削領域について始点となる深度の値及び終点となる深度の値を深度設定手段で設定することにより、その地中の掘削領域を深度で設定することができる。したがって、地盤の性状が同じ地中の掘削領域を深度で設定するとともに、その掘削領域の地盤を掘削するのに適切なケーシングの回転速度及び押し込み速度を速度設定手段で設定して地中を掘削すると、速度制御機構は、深度計測手段での計測結果に基づいて、その地盤の性状が同じ地中の掘削領域を、当該地盤を掘削するのに適切なケーシングの回転速度及び押し込み速度で掘削するように、回転速度の変速手段及び押し込み速度の変速手段を制御する。そのため、本発明のケーシングドライバによれば、地盤の性状が予め判明している領域の地山を効率よく簡便に掘削することができる。
【0009】
【発明の実施の形態】
以下、本発明が実際上どのように具体化されるのかを示す具体化例を図1乃至図7に基づいて説明することにより、本発明の実施の形態を明らかにする。図1は、左側に先端ケーシングによる掘削時の状態を縦断面で示し右側にその要部を拡大して示したケーシングドライバの掘削原理を説明する図、図2は、本発明の具体化例のケーシングドライバにおける制御機構を示すブロック図、図3は、図2の制御機構における操作盤の拡大正面図、図4は、図3の操作盤におけるタッチパネルの画面配置を示す拡大正面図、図5は、図3の操作盤におけるタッチパネルのサブ画面配置を示す拡大正面図、図6は、本発明の具体化例のケーシングドライバで自動掘削するときの操作や制御の過程を示す流れ図、図7は、図6の流れ図に従ってケーシングドライバで自動掘削したときの掘削深度に応じた自動掘削の過程をグラフで例示した図である。本発明のケーシングドライバは、ケーシングを把持する把持手段とこの把持手段で把持したケーシングを回転駆動する回転駆動手段と把持手段で把持したケーシングを押し込む押し込み手段とを有し、ケーシングを把持手段で把持し回転駆動手段で回転駆動しながら押し込み手段で地中に押し込んで掘削するようにした点で、従来から一般的に知られているケーシングドライバと基本的な仕組みは変わらない。
【0010】
本発明の理解を容易にするため、図1に基づきケーシングドライバの掘削原理について説明する。図1において、10は円筒形状をなす先端ケーシングで、その底部先端に多数の掘削刃12を固着している。この先端ケーシング10は、すでに述べたように、ケーシング掴み用バンド等の把持手段で把持した後、油圧モータ等からなる回転駆動手段で回転駆動しながらスラストシリンダ等の押し込み手段で昇降フレーム(スラスタ)を下降させることにより地中に押し込んで地盤を掘削する。こうして地盤を掘削しているとき、先端ケーシング10の掘削刃12は、先端ケーシング10の回転により回転しながら地盤に食い込んで行くが、その場合に、掘削刃12の刃先は、図1の右側に示すように、先端ケーシング10の回転速度のベクトルAと押し込み手段による先端ケーシング10の押し込み速度のベクトルBの合成ベクトルZの方向へ食い込んで行くことになる。
【0011】
この合成ベクトルZが先端ケーシング10の回転速度のベクトルAに対してなす角度を食い込み角と称し、いま、この食い込み角をαとする。そうすると、掘削する地盤の性状が同じ場合、当該地盤を掘削するのに要する先端ケーシング10の回転トルクは、食い込み角αが小さいほど小さくて済み、食い込み角αが大きいほど大きくなる。それゆえ、地盤が硬質でその掘削に大きい回転トルクを要する場合は食い込み角αを小さくする必要があり、地盤が軟質でその掘削に小さい回転トルクしか要しない場合は食い込み角αを大きくすることができる。ケーシングドライバで掘削するときには、こうしたことを考慮し、先端ケーシング10の回転速度と先端ケーシング10の押し込み速度が当該地盤の性状に応じて最適な値になるように調整することにより、掘削作業の効率を向上させることができる。すなわち、硬質地盤を掘削する場合は、掘削トルクを軽減する必要上、先端ケーシング10の回転速度(回転数)を相対的に増加させるとともに先端ケーシング10の押し込み速度を相対的に減少させて食い込み角αを小さくするようにする。また、軟質地盤を掘削する場合は、作業時間を短縮する必要上、先端ケーシング10の押し込み速度を相対的に増加させて食い込み角αを大きくする一方、先端ケーシング10の回転速度は、上げ過ぎると掘削刃12の摩耗が進むので、ある程度押さえた回転速度にするようにする。
【0012】
ケーシングドライバで掘削する地山には、地盤の性状がボーリング調査等で全掘削領域にわたって判明している地山もあるし、地山の掘削過程で排出される排土の状況等からそれ以降の一部又は全ての領域にわたって地盤の性状が判明する地山もある。このように地盤の性状が予め判明している領域の地山をケーシングドライバで掘削する場合には、従来のように押し込み手段を操作スイッチで手動操作して掘削するよりも、ケーシングの回転速度や押し込み速度を前記の掘削原理に従って事前に設定して掘削するようにした方が効率よく簡便に掘削することができる。本発明のケーシングドライバは、地盤の性状に応じて適切な掘削が行えるようにするため、こうした方法で掘削できるようにするための手段を設けたものであり、図2は、その方法を具現するための制御機構を例示たものである。この図2に示す制御機構は、大別すると、ケーシングを駆動するためのアクチュエータと、このアクチュエータを駆動し制御するための機器からなるパワーユニット100と、ケーシングドライバの運転条件を設定するための操作を行ってパワーユニット100に制御用の指令を発する操作ユニット1000とで構成される。以下、これらの各要素について順次説明する。
【0013】
まず、図2に基づきアクチュエータについて説明すると、20A,20Bは把持手段を回転駆動して把持手段で把持した先端ケーシング10等のケーシングを回転させる油圧モータ、30A,30B,30C,30Dは昇降フレームを上昇下降させ、下降させることにより、把持手段で把持したケーシングを押し込む押し込み手段としてのスラストシリンダである。図示はしていないが、油圧モータ20A,20Bは、ピニオンを回転させ、このピニオンと噛み合う外歯歯車付きの回転体(昇降フレーム上に回転可能に取り付けられている。)を減速回転させて、この回転体に取り付けられたケーシング掴み用バンド等の把持手段を回転駆動するように構成されている。その結果、この油圧モータ20A,20Bや回転体等からなる回転手段により先端ケーシング10等のケーシングを回転させることができる。また、4本のスラストシリンダ30A〜30Dは、下端部を、ケーシングドライバの基部をなす略方形枠状のベースフレーム上の四隅に立設し、上端部を昇降フレームに取り付けて、その伸縮により昇降フレーム(ガイドフレームで上下方向に案内される。)を上昇下降できるようにしている。その結果、昇降フレーム上に前記回転体を介して取り付けられた把持手段を上昇下降させることができ、下降させることにより、把持手段で把持したケーシングを押し込むことができる。なお、これらの事項の詳細は、特公平7ー74500号公報を参照されたい。
【0014】
次に、図2に基づきパワーユニット100について説明すると、110は油圧ポンプ120,130を駆動するためのエンジン、120は油圧モータ20A,20Bを駆動するための圧油を発生し油圧モータ20A,20Bへの圧油の供給流量を変化させることができる可変容量形の油圧ポンプ、130はスラストシリンダ30A〜30Dを駆動するための圧油を発生しスラストシリンダ30A〜30Dへの圧油の供給流量を変化させることができる可変容量形の油圧ポンプ、140は中立位置から左位置及び右位置に切り換えることによりそれぞれ油圧モータ20A,20Bを正転及び逆転させるように圧油の流れの方向を切り換える4ポート3位置の電磁式の方向切換弁、150は中立位置から左位置及び右位置に切り換えることによりそれぞれスラストシリンダ30A〜30Dを縮小及び伸長するように圧油の流れの方向を切り換える4ポート3位置の電磁式の方向切換弁、160は油圧ポンプ120,130や電磁式方向切換弁140,150等を制御するCPUである。図示はしていないが、パワーユニット100には、これらの機器のほか、エンジン110の回転数や油圧ポンプ120,130の吐出圧を検出するセンサ等の各種センサを設けている。パワーユニット100は、こうした機器からなり、次に述べるように、アクチュエータとしての油圧モータ20A,20Bやスラストシリンダ30A〜30Dを駆動(後者については伸縮)したり、その駆動速度(後者については伸縮する速度)を制御したりする。
【0015】
可変容量形の油圧ポンプ120は、吐出容量を可変制御することができ、その吐出容量を変えることにより油圧モータ20A,20Bへの圧油の供給流量を変化させて、油圧モータ20A,20Bの回転数すなわち回転速度を調整することができる。可変容量形の油圧ポンプ130も、同様に吐出容量を可変制御することができ、その吐出容量を変えることによりスラストシリンダ30A〜30Dへの圧油の供給流量を変化させてスラストシリンダ30A〜30Dの駆動速度を調整することができる。それゆえ、スラストシリンダ30A〜30Dの縮み方向の駆動速度を調整してケーシングの押し込み速度を調整することができる。
【0016】
方向切換弁140は、中立位置において油圧モータ20A,20Bの圧油の給排を停止し、左位置へ切り換えたとき、油圧ポンプ120の圧油を油圧モータ20A,20Bの正転側へ供給するとともにその逆転側の圧油を油タンクに排出するように圧油の流れを制御する。また、右位置へ切り換えたとき、油圧ポンプ120の圧油を油圧モータ20A,20Bの逆転側へ供給するとともにその正転側の圧油を油タンクに排出するように圧油の流れを制御する。したがって、中立位置から左位置及び右位置にそれぞれ切り換えると、油圧モータ20A,20Bをそれぞれ正転駆動及び逆転駆動し、中立位置において停止させる。
【0017】
方向切換弁150は、中立位置においてスラストシリンダ30A〜30Dの圧油の給排を停止し、左位置へ切り換えたとき、油圧ポンプ130の圧油をスラストシリンダ30A〜30Dのロッド側へ供給するとともにスラストシリンダ30A〜30Dのシリンダ側の圧油を油タンクに排出するように圧油の流れを制御する。また、右位置へ切り換えたとき、油圧ポンプ130の圧油をスラストシリンダ30A〜30Dのシリンダ側へ供給するとともにロッド側の圧油を油タンクに排出するように圧油の流れを制御する。したがって、左位置へ切り換えると、スラストシリンダ30A〜30Dを縮小させて昇降フレームを下降させ、右位置へ切り換えると、スラストシリンダ30A〜30Dを伸長させて昇降フレームを上昇させ、中立位置において停止させる。
【0018】
CPU160は、後に詳述する操作ユニット1000からの指令に従って各方向切換弁140,150の左側又は右側の信号受け部に電気信号を出力して各方向切換弁140,150をそれぞれ左位置又は右位置に切り換える。また、可変容量形の各油圧ポンプ120,130に電気信号を出力してその各傾転を制御して各油圧ポンプ120,130の吐出容量を可変制御する。このCPU160には、前述のエンジン110の回転数や油圧ポンプ120,130の吐出圧を検出するセンサ等の各種センサやケーシングドライバ本体に設けた昇降フレームのストローク検出用のストローク計での検出信号を入力し、その検出信号に基づいてケーシングの回転速度、押し込み速度、上昇下降圧力、各油圧ポンプ120,130の吐出圧力、ケーシングの掘削深度等ケーシングドライバの運転や制御に有用な各種数値を演算し、これらの数値を操作ユニット1000に送信する。
【0019】
図2、図3及び図4に基づきこの操作ユニット1000について説明する。 操作ユニット1000は、図2の右側に示すように、大別すると、地盤の掘削深度に対応してケーシングの回転速度や押し込み速度を設定する操作手段等の、ケーシングドライバを運転制御するのに有用な種々の機器類を設けた操作盤1100と、この操作盤1100での操作結果に基づいてCPU160に指令を発するCPU1200とで構成される。操作盤1100は、図3に拡大して図示するように、ケーシングドライバの基本的な運転操作を行うための4個のスイッチ類1100Sを下部に設け、ケーシングドライバの運転制御に有用な種々の手段を画面に表示するタッチパネル1100Tを上部に設けている。
【0020】
スイッチ類1100Sのうち油圧モータ回転操作レバー1100S1 は、電磁式の方向切換弁140を切換操作して油圧モータ20A,20Bの回転方向を切り換える操作レバーである。この操作レバー1100S1 は、中立位置にあるとき、方向切換弁140も中立位置に位置させて油圧モータ20A,20Bによるケーシングの回転を停止させているが、中立位置から一方の側へ倒すと、方向切換弁140を左位置に切り換えて油圧モータ20A,20Bでケーシングを正転させ、他方の側へ倒すと、方向切換弁140を右位置に切り換えてケーシングを逆転させる。また、スラストシリンダ伸縮操作レバー1100S2 は、中立位置にあるとき、方向切換弁150も中立位置に位置させてスラストシリンダ30A〜30Dによるケーシングの駆動を停止しているが、中立位置から一方の側へ倒すと、方向切換弁150を左位置に切り換えてスラストシリンダ30A〜30Dでケーシングを押し込み、他方の側へ倒すと、方向切換弁150を右位置に切り換えてケーシングを引き抜く。
【0021】
タッチパネル1100Tの画面は、図4に示すように、画面接触により作動するケーシングドライバの制御に有用な各種スイッチ等の操作手段を表示する操作部と、ケーシングドライバの運転制御に有用な各種計器等の表示手段を表示する表示部とからなる。この図4に示すタッチパネル1100Tの画面は、メイン画面を示すもので、このメイン画面は、後述するように、画面の接触操作により、図5に示すサブ画面(ウインドウ)に切り換えることができる。そこで、図4に基づきタッチパネル1100Tのメイン画面の詳細について説明する。
【0022】
まず、メイン画面の下半部に表示されている操作部について説明すると、操作部には、作業モード切替スイッチ1102、パワーアップスイッチ1108、スラストシリンダ増速スイッチ1110、速度調整スイッチ1124、速度設定スイッチ1126、自動掘削スイッチ1128等が表示される。これらのスイッチは、画面上のスイッチの画像を押すことにより作動させることができる。
【0023】
作業モード切替スイッチ1102は、ケーシングドライバで作業をしようとするとき、作業モードを掘削モード及び引き抜きモードの一方に選択的に切替るためのスイッチである。掘削モードは、掘削作業時に選択する作業モードで、ケーシングの回転は、正転のみ有効となり、下降モードの選択が可能となる。引き抜きモードは、ケーシングの引き抜き作業時に選択する作業モードで、ケーシングの回転は、正転及び逆転の何れも有効となるが、下降モードの選択ができないようになっている。この切替スイッチ1102は、1回押すと作業モードが掘削モードとなって「掘削」の表示になり、もう1回押すと作業モードが引き抜きモードとなって「掘削」の表示が「引抜」の表示に切り替えられ、更にもう1回押すと元の「掘削」の表示に切り替えられるというように、このスイッチを1回押すことにより、作業モードを掘削モードと引き抜きモードとに交互に切り替えることができる。
【0024】
パワーアップスイッチ1108は、ケーシングの回転トルクと引き抜き力を増加させるためのスイッチであり、ケーシングの引き抜き工程で地中のケーシングが引き抜けなくなったとき等の非常時に使用する。このパワーアップスイッチ1108を押すことにより、油圧モータ20A,20Bやスラストシリンダ30A〜30Dの駆動用油圧の上限値を制限するリリーフ弁(図示せず。)のリリーフ圧を上げて、ケーシングの回転トルクと引き抜き力を1〜2割アップさせることができる。
【0025】
スラスタ増速スイッチ1110は、スラスタ(昇降フレーム)の引き上げ速度を増速するスイッチであり、スラスタ操作レバー1100S2 を押した状態のもとでこのスイッチを押すことにより、スラストシリンダ30A〜30Dの伸び方向の駆動速度を増速してスラスタの引き上げ速度を増速することができる。この増速状態はスラスタ操作レバー1100S2 を中立位置に戻すか、又はスラスタ増速スイッチ1110を再び押すことにより解除される。このスラスタ増速スイッチ1110は、オペレータがケーシングドライバを手動操作して掘削するときに使用する。
【0026】
速度調整スイッチ1124は、ケーシングの回転速度や押し込み速度を設定するときに使用するスイッチである。この速度調整スイッチ1124を押すと、ケーシングの回転速度や押し込み速度を設定するための操作手段を表示した図示していないサブ画面がメイン画面上に表れ、このサブ画面の操作手段を操作することにより、ケーシングの回転速度や押し込み速度を個々に調整することができる。地盤の性状が予め判明している地山を掘削する場合であっても、地山の掘削過程で排出される排土から地盤の土質を精密に調べたときに、ケーシングの回転速度や押し込み速度の設定値の一方又は双方を修正した方が掘削作業をより効率的に行える場合がある。速度調整スイッチ1124は、例えば、こうした場合に使用する。
【0027】
速度設定スイッチ1126は、掘削を行う地中の掘削領域を地盤の性状に基づいて深度で区分し、その区分した掘削領域に応じてケーシングの回転速度及び押し込み速度を設定するときに使用し、この速度設定スイッチ1126を押すと、ケーシングの回転速度及び押し込み速度を設定するための操作手段や表示手段を表示した速度設定用のサブ画面がメイン画面上に表れる。このサブ画面及びこれに表示される操作手段の操作方法については後に詳述する。
【0028】
自動掘削スイッチ1128は、この速度設定用のサブ画面に表示される操作手段で設定したケーシングの回転速度及び押し込み速度により自動掘削を開始させるスイッチである。作業モードが「掘削」である場合において、オペレータが手動操作でケーシングの押し込み操作を行っていて、後述のスラスタ下降モード表示部1132の下降モードの表示が押し込みモード又は自由降下モードのときであっても、この自動掘削スイッチ1128を押していれば、ケーシングの回転速度及び押し込み速度を設定した領域の地山を掘削するときには、設定した速度で掘削が行われる。したがって、こうした地山領域を掘削するときには、オペレータは、ケーシングドライバの回転速度及び押し込み速度を可変操作する必要はない。また、作業モードが「掘削」であって、スラスタ下降モード表示部1132の下降モードの表示が自動掘削モードのときには、当然のことながら、設定された掘削深度ごとに、設定されたケーシングの回転速度や押し込み速度で自動掘削が行われる。
【0029】
次に、メイン画面の上半部に配置されている表示部について説明すると、この表示部には、スラスタ下降モード表示部1132、ポンプ圧力表示部1136、スラスタストローク表示部1150、掘削深度表示部1152、ケーシングの回転速度表示部1154、ケーシングの押し込み速度表示部1156等の表示部が設けられ、ケーシングドライバの運転制御に有用な事項が表示される。
【0030】
スラスタ下降モード表示部1132は、スラスタ(昇降フレーム)の下降モード、換言するとケーシングを下降させるモードが押し込みモード、自由降下モード及び自動設定掘削モードの何れのモードに選択させているかを表示する。押し込みモードは、ケーシングをスラストシリンダ30A〜30Dの駆動力を付与して押し込む下降モードであり、自由降下モードは、スラストシリンダ30A〜30Dの駆動力を付与することなくケーシングをそれ自体の自重やスラスタの自重等で押し込む下降モードであり、自動設定掘削モードは、深度で画定した地中の掘削領域に応じて、設定したケーシングの回転速度及び押し込み速度で自動的に押し込む下降モードである。これらの下降モードを選択するための操作手段は、図示していない別のサブ画面で行う。図4には、下降モードとして自動設定掘削モードが選択された例を示している。
【0031】
ポンプ圧力表示部1136は、パワーユニット100を構成する種々の油圧機器の圧力を表示する。このポンプ圧力表示部1136中の「No.1PU圧」には、ケーシングの回転又は揺動(正逆の回動を繰り返す動作)時のポンプ120の吐出圧力を表示し、「No.2PU圧」には、スラストシリンダ30A〜30Dによるケーシングの押し込み・引き抜き時のポンプ130の吐出圧力を表示する。「パイロット圧」には、図2に図示していないパイロットポンプの吐出圧力を表示する。「スラスタ伸圧」には、ケーシングの上昇時にスラストシリンダ30A〜30Dに作用する圧力を表示し、「スラスタ縮圧」には、ケーシングの下降時にスラストシリンダ30A〜30Dに作用する圧力を表示するものであり、「No.2PU圧」とほぼ同じ圧力値を示す。
【0032】
スラスタストローク表示部1150には、スラスタのストローク量すなわちスラストシリンダ30A〜30Dのストローク量を表示する。掘削深度表示部1152には、先端ケーシング10の掘削深度をスラスタのストローク量から演算して表示する。ケーシングの回転速度表示部1154には、前述の速度設定用のサブ画面に表示される操作手段により設定されたケーシングの回転速度を表示し、ケーシングの押し込み速度表示部1156には、同様にして設定されたケーシングの押し込み速度を表示する。
【0033】
図5に基づき速度設定用のサブ画面について説明する。このサブ画面は、符号1160を付けた画面下半部枠内の区域に図示しており、前述したように速度設定スイッチ1126を押すことによりメイン画面上にウインドウ形式で表れる。この速度設定用のサブ画面1160に表示される事項について述べると、このサブ画面1160中、1162は掘削領域を深度で設定して画定する場合の掘削領域の始点となる深度の値を設定する掘削深度設定開始スイッチ、1172はこの掘削深度設定開始スイッチ1162で設定した深度の値が表示される掘削深度設定開始表示部、1164は掘削領域を深度で設定して画定する場合の掘削領域の終点となる深度の値を設定する掘削深度設定終了スイッチ、1174はこの掘削深度設定終了スイッチ1164で設定した深度の値が表示される掘削深度設定終了表示部である。
【0034】
1166は掘削深度設定開始スイッチ1162及び掘削深度設定終了スイッチ1164で設定した掘削領域に対応してケーシングの回転速度の値を設定するケーシング回転速度設定スイッチ、1176はこのケーシング回転速度設定スイッチ1166で設定した回転速度の値が表示されるケーシング回転速度設定表示部、1168は掘削深度設定開始スイッチ1162及び掘削深度設定終了スイッチ1164で設定した掘削領域に対応してスラスタの押し込み速度の値すなわちケーシングの押し込み速度の値を設定するスラスタ押し込み速度設定スイッチ、1178はこのスラスタ押し込み速度設定スイッチ1168で設定したスラスタの押し込み速度の値が表示されるスラスタ押し込み速度設定表示部、1180は掘削領域の深度の値やケーシングの回転速度及び押し込み速度の値を設定する過程でこれらの値を減少させる方向に操作するための減スイッチ、1182は掘削領域の深度の値やケーシングの回転速度及び押し込み速度の値を設定する過程でこれらの値を増加させる方向に操作するための増スイッチ、1184は掘削領域の深度の値やケーシングの回転速度及び押し込み速度の値を設定する操作をした後その設定したそれぞれの値を確定するための確定スイッチ、1186はこの確定スイッチ1184で確定したそれぞれの値のうちの任意のものを取り消すための取消スイッチである。
【0035】
以上述べた速度設定用のサブ画面1160に表示されるスイッチの操作方法について説明する。いま、例えば、ケーシングドライバで掘削する地山のうち掘削深度0.0mから10.0mの間、地盤の性状が一定である場合、この区間の掘削領域を掘削するには、ケーシングの回転速度をケーシングの最高回転速度の70%に設定し、ケーシングの押し込み速度をケーシングの最高押し込み速度の60%に設定するのが最適であるものとする。掘削深度0mから10mの間をこうした条件で掘削しようとする場合、掘削領域の始点となる深度の値を設定するには、掘削深度設定開始スイッチ1162を押した後、通常は減スイッチ1180や増スイッチ1182を操作するが、この場合、掘削領域の始点は0.0mであるので、こうした操作をしないで初期値のままでよい。次いで、掘削深度設定終了スイッチ1164を押した後、減スイッチ1180や増スイッチ1182を適宜操作して掘削領域の終点となる深度の値を10.0mに設定する。こうして掘削深度設定開始スイッチ1162や掘削深度設定終了スイッチ1164で設定された深度の値は、掘削深度設定開始表示部1172や掘削深度設定終了表示部1174に表示される。
【0036】
次に、ケーシングの回転速度や押し込み速度の値を設定するが、その場合、回転速度設定スイッチ1166を押した後、減スイッチ1180や増スイッチ1182を適宜操作してケーシングの回転速度をケーシングの最高回転速度の70%に設定するとともに、スラスタ押し込み速度設定スイッチ1168を押した後、同様にしてケーシングの押し込み速度をケーシングの最高押し込み速度の60%に設定する。こうしてケーシング回転速度設定スイッチ1166やスラスタ押し込み速度設定スイッチ1168で設定された回転速度の値やスラスタの押し込み速度の値は、ケーシング回転速度設定表示部1176やスラスタ押し込み速度設定表示部1178に表示される。この例では、ケーシングの回転速度や押し込み速度をケーシングの最高回転速度や最高押し込み速度との相対速度で設定するようにしているが、絶対速度で設定するように構成してもよい。
【0037】
以上のスイッチ操作で設定した掘削領域の深度の値やケーシングの回転速度及び押し込み速度の値は、確定スイッチ1184で確定する。そうすると、掘削領域の掘削深度に関する0.0m及び10.0mの値やケーシングの回転速度に関する70%及び押し込み速度に関する60%の値は、CPU1200に入力されて電気信号に変換され、指令信号としてCPU100に出力される。その結果、CPU100は、この指令信号に基づいて可変容量形の油圧ポンプ120,130の各傾転を制御して各油圧ポンプ120,130の吐出容量を可変制御するため、掘削する地山のうち掘削深度0.0mから10.0mの間は、設定したケーシングの回転速度及び押し込み速度で自動的に掘削することができる。また、設定した掘削領域の深度の値やケーシングの回転速度及び押し込み速度の値を確定した直後にその何れかの値を修正したいときには、当該値を取消スイッチ1186で一旦取消してから、再入力する。なお、以上述べたメイン画面やサブ画面上の種々のスイッチや表示部のうち、操作したスイッチやこれに関連する表示部については、点灯又は表示する色の変更等により、他と視覚的に区別できるようにするのが望ましい。
【0038】
こうしたケーシングドライバを用いて自動掘削を行う場合には、作業モード切替スイッチ1102を操作して作業モードを掘削モードし、しかる後、図示しないサブ画面上の操作手段を操作して下降モードの中から自動設定掘削モードを選択する。次いで、速度設定スイッチ1126を押して、前記の掘削深度設定開始スイッチ1162、掘削深度設定終了スイッチ1164、回転速度設定スイッチ1166、スラスタ押し込み速度設定スイッチ1168等の操作手段や関連する表示手段をサブ画面に表示した後、これら操作手段を前記の方法で操作して、地中の掘削領域を、類似する地盤ごとに深度で設定して画定するとともに、その画定した各掘削領域に対応してケーシングの回転速度や押し込み速度が当該掘削領域の地盤の性状に最適な値になるように設定する。すなわち、図1を用いてすでに説明したように、硬質地盤を掘削する場合は、ケーシングの回転速度を相対的に増加させるとともにケーシングの押し込み速度を相対的に減少させるように設定し、これにより、先端ケーシング10の掘削刃12の食い込み量を少なくするようにして掘削トルクを軽減できるようにする。また、軟質地盤を掘削する場合は、ケーシングの押し込み速度を相対的に増加させるようにするとともにケーシングの回転速度をある程度押さえた値に設定し、これにより、食い込み量を大きくするとともに掘削刃12の摩耗が進まないようにして作業時間を短縮できるようにする。なお、この例では、前記の作業モード切替スイッチ1102、下降モードの選択手段、速度設定スイッチ1126の順序でこれらを操作するようにしているが、その何れを先に操作してもよい。
【0039】
こうして地中の各掘削領域の深度、ケーシングの回転速度及び押し込み速度の値を設定した後、自動掘削スイッチ1128を押すと、これらの値が設定された地山の掘削領域については、掘削深度ごとに設定されたケーシングの回転速度や押し込み速度に従ってオペレータの手動操作を要することなく自動的に地山を掘削することができる。したがって、地盤の性状が予め判明している領域の地山を掘削する場合、〔発明が解決しようとする課題〕で述べたような地盤の性状の変化が激しい地山であっても、効率よく簡便に掘削することができる
図6は、以上のようにして自動掘削するときの操作や制御の過程をフローチャートで概括的に示したもので、図中、「回転速度、押込速度設定」の項の動作は、操作ユニット1000で行う操作であり、その他の項の動作は、パワーユニット100で行う制御動作である。図6に示すように、各掘削領域の深度すなわち各掘削領域の始点及び終点となるそれぞれの深度の値やケーシングの回転速度及び押し込み速度の値を設定してから、自動掘削を開始すると、これらの設定値に基づいて、指令信号が操作ユニット1000のCPU1200からパワーユニット100のCPU160に対して出力される。このCPU160においては、CPU1200からの指令信号に基づいて地山を自動掘削するとともに、図示しない昇降フレームのストローク検出用のストローク計での検出信号すなわち「掘削深度」に関する情報が入力され、この検出信号に基づいて掘削深度が演算により求められて「掘削深度読み込み」が行われる。その結果、掘削深度が「所定掘削深度」すなわち当該掘削領域の終点となる深度にまで達していないときは、ケーシングの回転速度及び押し込み速度の設定値がパワーユニット100のCPU160に入力されて「設定値読み込み」が行われ、CPU1200は、ケーシングの回転速度及び押し込み速度がその設定値になるように、可変容量形の各油圧ポンプ120,130に電気信号を出力してその各傾転を制御し、各油圧ポンプ120,130の吐出容量を可変制御する。こうした制御は、類似する地盤ごとに画定された各掘削領域に対応して行われ、掘削深度が「所定掘削深度」に達するまで続行される。図7には、こうして「所定掘削深度」に達するまでケーシングドライバで自動掘削したときの掘削深度に応じたケーシングの回転速度及び押し込み速度の変化の過程をグラフで例示している。こうして自動掘削する過程において、設定したケーシングの回転速度や押し込み速度を修正する必要が生じたときに、速度調整スイッチ1124を押してケーシングの回転速度や押し込み速度の設定値の一方又は双方を適宜修正すると、地山を一層効率よく掘削することができる。
【0040】
【発明の効果】
以上の説明から明らかなように、本発明は、ケーシングを把持手段で把持し回転駆動手段で回転駆動しながら押し込み手段で地中に押し込んで掘削するケーシングドライバにおいて、特に、「回転駆動手段によるケーシングの回転速度を変えることができる回転速度の変速手段と、押し込み手段によるケーシングの押し込み速度を変えることができる押し込み速度の変速手段と、地中の掘削領域を深度で設定して画定する場合の掘削領域の始点となる深度の値及び掘削領域の終点となる深度の値を設定して地中の掘削領域を深度で設定できる深度設定手段と、この深度設定手段で設定した地中の掘削領域に対応して、回転駆動手段で回転駆動するケーシングの回転速度及び押し込み手段で押し込むケーシングの押し込み速度を予め設定できる速度設定手段と、掘削している地中の深度を計測できる深度計測手段と、深度計測手段での計測結果に基づいて、深度設定手段で設定した地中の掘削領域を、速度設定手段で設定したケーシングの回転速度及び押し込み速度により掘削できるように回転速度の変速手段及び押し込み速度の変速手段を制御する速度制御機構とを設けた」ので、本発明によれば、地盤の性状が予め判明している領域の地山を効率よく簡便に掘削できるケーシングドライバが得られる。その結果、地盤の性状が予め判明している領域の地山を掘削する場合、地盤の性状の変化が激しい地山であっても、このケーシングドライバを用いれば、ベテランオペレータでなくても容易に操作することができる。
【0041】
本発明を具体化する場合、特に、特許請求の範囲の請求項2に記載のように具体化すれば、ケーシングの回転速度や押し込み速度の設定値を必要に応じて適宜修正して地山を一層効率よく掘削することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】左側に先端ケーシングによる掘削時の状態を縦断面で示し右側にその要部を拡大して示したケーシングドライバの掘削原理を説明する図である。
【図2】本発明の具体化例のケーシングドライバにおける制御機構を示すブロック図である。
【図3】図2の制御機構における操作盤の拡大正面図である。
【図4】図3の操作盤におけるタッチパネルのメイン画面配置を示す拡大正面図である。
【図5】図3の操作盤におけるタッチパネルのサブ画面配置を示す拡大正面図である。
【図6】本発明の具体化例のケーシングドライバで自動掘削するときの操作や制御の過程を示す流れ図である。
【図7】図6の流れ図に従ってケーシングドライバで自動掘削したときの掘削深度に応じた自動掘削の過程をグラフで例示した図である。
【符号の説明】
10 先端ケーシング
12 先端ケーシングの掘削刃
20A,20B ケーシング回転用の油圧モータ
30A〜20D スラストシリンダ
100 パワーユニット
110 エンジン
120,130 可変容量形の油圧ポンプ
140,150 電磁式の方向切換弁
160 パワーユニットのCPU
1000 操作ユニット
1100 操作盤
1100T タッチパネル
1102 作業モード切替スイッチ
1124 速度調整スイッチ
1126 速度設定スイッチ
1128 自動掘削スイッチ
1132 スラスタ下降モード表示部
1152 掘削深度表示部
1154 ケーシングの回転速度表示部
1156 ケーシングの押し込み速度表示部
1160 速度設定用のサブ画面
1162 掘削深度設定開始スイッチ
1164 掘削深度設定終了スイッチ
1166 ケーシング回転速度設定スイッチ
1168 スラスタ押し込み速度設定スイッチ
1180 減スイッチ
1182 増スイッチ
1200 操作ユニットのCPU

Claims (2)

  1. ケーシングを把持する把持手段とこの把持手段で把持したケーシングを回転駆動する回転駆動手段と把持手段で把持したケーシングを押し込む押し込み手段とを有し、ケーシングを把持手段で把持し回転駆動手段で回転駆動しながら押し込み手段で地中に押し込んで掘削するケーシングドライバにおいて、回転駆動手段によるケーシングの回転速度を変えることができる回転速度の変速手段と、押し込み手段によるケーシングの押し込み速度を変えることができる押し込み速度の変速手段と、地中の掘削領域を深度で設定して画定する場合の掘削領域の始点となる深度の値及び掘削領域の終点となる深度の値を設定して地中の掘削領域を深度で設定できる深度設定手段と、この深度設定手段で設定した地中の掘削領域に対応して、回転駆動手段で回転駆動するケーシングの回転速度及び押し込み手段で押し込むケーシングの押し込み速度を予め設定できる速度設定手段と、掘削している地中の深度を計測できる深度計測手段と、深度計測手段での計測結果に基づいて、深度設定手段で設定した地中の掘削領域を、速度設定手段で設定したケーシングの回転速度及び押し込み速度により掘削できるように回転速度の変速手段及び押し込み速度の変速手段を制御する速度制御機構とを設けたことを特徴とするケーシングドライバ。
  2. 速度設定手段で設定したケーシングの回転速度及び押し込み速度を、地中の掘削開始後に修正できるようにする設定速度の修正手段を設けたことを特徴とする請求項1記載のケーシングドライバ。
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