JP3739265B2 - エポキシド製造用触媒及びその調製方法並びにエポキシドの製造方法 - Google Patents

エポキシド製造用触媒及びその調製方法並びにエポキシドの製造方法 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は炭素数4〜20の鎖長を有しかつアリル水素を有さない不飽和炭化水素を分子状酸素含有ガスにより接触気相酸化するエポキシド製造用触媒に関し、これにより高収率でエポキシドを選択的に製造することができる。
【0002】
【従来の技術】
エポキシドは高い反応性を有するため広範囲の種々の反応に応用することができる化合物である。例えば炭素数4〜20の鎖長を有し、かつアリル水素を有さない不飽和炭化水素のエポキシドの一つである3,4−エポキシ−1−ブテンは、テトラヒドロフランを製造するための中間体である(米国特許第5,034,545号)。また、該中間体は1,2−ブチレンオキシドの製造のためにも使用されている(米国特許第5,034,545号)。従来、3,4−エポキシ−1−ブテンは、銀触媒の存在下に、1,3−ブタジエンを分子状酸素含有ガスにより接触気相酸化して製造することは知られており、その担体としてアルミナ、シリカ等を使用することおよび触媒成分としての銀の他に、カチオン成分としてアルカリ金属やタリウムの酸化物を使用することも知られている(WO89/07101、WO93/03024、米国特許第5,138,077号、米国特許第5,081,096号およびWO94/13653)。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記に示されるような従来開示されている方法では、使用される触媒の活性が低く、かつ3,4−エポキシ−1−ブテンの選択率も低く、さらに触媒の寿命が低いという欠点があった。
【0004】
また、エポキシドの合成触媒においては、多孔性無機質担体に銀を担持させた銀担持触媒として酸化エチレン製造用触媒があるが、これは工業的生産において数年間の寿命を有する触媒が開発されているが、これらの触媒を1,3−ブタジエンの接触気相酸化による3,4−エポキシ−1−ブテンの生成反応に使用しても、殆ど触媒活性を示さず、または触媒活性を有しても触媒寿命が極めて短いことが一般的である。炭素数4〜20の鎖長を有しかつアリル水素を有さない不飽和炭化水素のエポキシ化物には、3,4−エポキシ−1−ブテンなどの大量生産が要求される化合物が含まれ、気相酸化反応に用いる触媒性能の向上および触媒寿命の延長は、工業的生産において極めて重要な要請である。しかしながら、これらの触媒劣化の原因も現在において不明であるため、これを解決する有効な方法は存在しない。
【0005】
【課題を解決するための手段】
したがって、本発明の目的は、炭素数4〜20の鎖長を有しかつアリル水素を有さない不飽和炭化水素の気相酸化によるエポキシド製造用触媒の新規な触媒を提供することにある。
【0006】
本発明の他の目的は、活性ならびにエポキシ化の選択率が高くかつ寿命の長いエポキシド製造用の触媒の製造方法を提供することにある。
【0007】
本発明の更に他の目的は、高収率で3,4−エポキシ−1−ブテンを、1,3−ブタジエンの接触気相酸化により製造する方法を提供することにある。
【0008】
上記諸目的は、下記(1)〜(11)により達成される。
【0009】
(1) 炭素数4〜20の鎖長を有しかつアリル水素を有さない不飽和炭化水素の気相酸化によるエポキシド製造用触媒であって、
α−アルミナ1kg当たりのナトリウム含有量(Na換算)が1〜70mmol/kgのα−アルミナに、アルミニウム化合物、ケイ素化合物およびナトリウム化合物を加えて混合し焼成して得られる担体であって、該担体中のケイ素含有量(SiO換算)が担体質量当たり0.3〜11.5質量%でありナトリウム含有量(NaO換算)が担体質量当たり0.11〜2.5質量%の範囲内である、直径0.5μm以下である細孔の容積率が50%以下であり、かつ直径5μm以下の細孔の容積率が65%を越える担体に、
触媒成分としてアルカリ金属及びタリウムよりなる群から選ばれた少なくとも1種の元素と銀とを含有する触媒成分を担持せしめてなることを特徴とするエポキシド製造用触媒。
【0010】
(2) 該担体が、直径0.5μm以下である細孔の容積率が50%以下であり、かつ直径5μm以下の細孔の容積率が65%を越える上記(1)に記載の触媒。
【0011】
(3) 該担体において担体の比表面積が0.1〜5m2/g、吸水率が20〜50%かつ平均細孔直径が0.3〜3.5μmの範囲内にある上記(1)または(2)記載の触媒。
【0012】
(4) 該担体において担体中のナトリウムの質量に対する該ケイ素の質量比(SiO2/Na2O換算比)が1〜20である上記(1)〜(3)のいずれか一つに記載の触媒。
【0013】
(5) 該担体において担体の比表面積当たりのケイ素含量がSiO2換算で0.1〜20担体当たりの質量%/(m2/g)の範囲内にある上記(1)〜(4)のいずれかに記載の触媒。
【0014】
(6) 触媒全質量に対して触媒成分として銀を触媒質量当たり5〜25質量%かつアルカリ金属およびタリウムよりなる群から選ばれた少なくとも1種の元素を触媒質量当たり0.001〜5質量%担持されてなる上記(1)〜(5)のいずれか一つに記載の触媒。
【0015】
(7) 該担体にアルカリ金属およびタリウムよりなる群から選ばれた少なくとも1種の元素と銀とを含有する触媒成分を担持せしめた後、最終的に実質的に酸素を含まない不活性ガス中で400〜700℃の範囲で高温加熱処理することを特徴とする、上記(1)〜(6)に記載の触媒。
【0016】
(8) アルカリ金属及びタリウムよりなる群から選ばれた少なくとも1種の元素および銀を含む溶液を、α−アルミナ1kg当たりナトリウム含有量(Na換算)が1〜70mmol/kgのα−アルミナにアルミニウム化合物、ケイ素化合物およびナトリウム化合物を加えて焼成して得られ、かつケイ素含有量(SiO換算)が担体質量当たり0.3〜11.5質量%、ナトリウム含有量(NaO換算)が担体質量当たり0.11〜2.5質量%の範囲内であり、直径0.5μm以下である細孔の容積率が50%以下であり、かつ直径5μm以下の細孔の容積率が65%を越える担体に含浸することを特徴とする炭素数4〜20の鎖長を有しかつアリル水素を有さない不飽和炭化水素の気相酸化によるエポキシド製造用触媒の調製方法。
【0017】
(9) 更に、該含浸して銀担持触媒を得た後に、実質的に酸素を含まない不活性ガス中で400〜700℃の範囲で高温加熱処理することを特徴とする、上記(8)に記載の調製方法。
【0018】
(10) 上記(1)〜(7)のいずれか一つに記載の触媒の存在下に、炭素数4〜20の鎖長を有しかつアリル水素を有さない不飽和炭化水素を分子状酸素含有ガスで気相酸化することを特徴とするエポキシドの製造方法。
【0019】
(11) 上記(1)〜(7)のいずれか一つに記載の触媒の存在下に、1,3−ブタジエンを分子状酸素含有ガスで気相酸化することを特徴とする3,4−エポキシ−1−ブテンの製造方法。
【0020】
【発明の実施の形態】
本発明の第一は、炭素数4〜20の鎖長を有しかつアリル水素を有さない不飽和炭化水素の気相酸化によるエポキシド製造用触媒であって、α−アルミナ1kg当たりのナトリウム含有量(Na換算)が1〜70mmol/kgのα−アルミナに、アルミニウム化合物、ケイ素化合物およびナトリウム化合物を加えて混合し焼成して得られる担体であって、該担体中のケイ素含有量(SiO換算)が担体質量当たり0.3〜11.5質量%でありナトリウム含有量(NaO換算)が担体質量当たり0.11〜2.5質量%の範囲内であり、直径0.5μm以下である細孔の容積率が50%以下であり、かつ直径5μm以下の細孔の容積率が65%を越える担体に、触媒成分としてアルカリ金属及びタリウムよりなる群から選ばれた少なくとも1種の元素と銀とを含有する触媒成分を担持せしめてなることを特徴とするエポキシド製造用触媒である。
【0021】
本発明に係る不飽和炭化水素は炭素数4〜20の鎖長を有しかつアリル水素を有さない化合物であればよい。なお、本発明においては、「アリル水素」とは、CH2=CH−CH2−で示されるアリル基の二重結合の隣の炭素に結合する2つの水素を意味し、「アリル水素を有しない」とは、該2つの水素の少なくとも1つを有しないものとする。
【0022】
具体的には、下記式で示される化合物である。
【0023】
【化1】
CH2=C(R1)(R2
(式中、R1は水素原子またはアルキル基であり、R2はアリール基または第三アルキル基または −C(R3)=CH2であり、R3は、水素原子またはアルキル基である。)
また、「鎖長」とは、必ずしも直鎖もしくは分岐を有していてもよい鎖状に限らず環状のものも含むものとする。ここに、R1、R3で示されるアルキル基としては、各々独立にメチル基、エチル基、ブチル基、ヘプチル基,オクチル基等である。また、R2としては、t−ブチル基、フェニル基などがある。
【0024】
本発明で対象となる炭素数4〜20の鎖長を有しかつアリル水素を有さない不飽和炭化水素としては、好ましくは炭素数4〜12、より好ましくは4〜8の鎖長を有しかつアリル水素を有さない不飽和炭化水素である。具体的には、1,3−ブタジエン、第3ブチルエチレン、スチレンなどの化合物がある。本発明では、特に1,3−ブタジエンや第3ブチルエチレンに用いることが好ましい。以下、説明の便宜を考慮して、1,3−ブタジエンの接触気相酸化による3,4−エポキシ−1−ブテンの製造を代表として説明する。
【0025】
前記のように、本発明のエポキシド製造用触媒は、触媒成分であるアルカリ金属及びタリウムよりなる群から選ばれた少なくとも1種の元素と銀とこれを担持するための担体とからなる。触媒成分を担持させるための担体は、主としてα−アルミナよりなる。本発明で使用するα−アルミナは、α−アルミナ1kg当たりのナトリウム含有量(Na換算)が1〜70mmol/kgであれば特に制限はなく、一般にα−アルミナとして市販されているものを使用することができる。1mmol/kgを下回ると選択率が劣るため好ましくない。その一方、70mmol/kgを越えても、触媒活性が十分発現されず転化率および選択率の双方が劣るため好ましくない。即ち、本発明では、ナトリウム含有量が1〜70mmol/kgの範囲のα−アルミナを使用することで、α−アルミナの担体としての安定性を確保すると共に、特定範囲のナトリウムを含有させることで極めて優れた選択率および転化率を得ることができるのである。このような担体に含ませるナトリウムの含有量の相違によって、炭素数4〜20の鎖長を有しかつアリル水素を有さない炭化水素化合物を酸化するための触媒として優れた選択率や転化率が得られることは、従前には全く知られていないことであった。特に、本発明のエポキシド製造用触媒においては、後記するようにα−アルミナにナトリウム化合物を混合して焼成などするため、担体中にはα−アルミナに混在するナトリウム以外にも必ずナトリウム成分が配合される。しかしながら、完全担体中のナトリウム含量が同じであっても、α−アルミナ自体に含まれるナトリウム含有量(Na換算)が1〜70mmol/kgの範囲外であると、選択率や転化率のいずれかが劣ることが判明したのである。この理由については不明であるが、特定量のナトリウムまたはナトリウム化合物が中に存在した場合に、優れた触媒活性が発揮されるものと考えられる。
【0026】
本発明で使用する担体としては、上記α−アルミナに、少なくともアルミニウム化合物、ケイ素化合物およびナトリウム化合物に、更に有機バインダーおよび気孔形成剤を加えて焼成して得られたものであり、該担体中のケイ素含有量(SiO2換算)が担体質量当たり0.3〜11.5質量%である。また、好ましくは担体質量当たり0.5〜11質量%、最も好ましくは0.5〜10質量%である。すなわち、ケイ素含量がこの範囲未満では担体表面の酸量が少なくなり、表面酸性質による効果が現れ難くなるからであり、一方、この範囲を越えると担体の表面積の制御が難しくなるからである。該担体中のアルミニウム化合物(添加するアルミニウム化合物であり、α−アルミナを含まない)含有量(Al23換算)は、特に制限はないが、担体質量当たり0.1〜20質量%の範囲内であり、好ましくは0.5〜15質量%、最も好ましくは1〜10質量%である。即ち、アルミニウム含量がこの範囲を越えると、エポキシドの選択率の低下がおこるからである。
【0027】
一方、該担体中のナトリウム化合物含有量(Na2O換算)は、担体質量当たり0.11〜2.5質量%の範囲内であり、好ましくは担体質量当たり0.11〜2.3質量%、最も好ましくは0.11〜2.0質量%である。ナトリウム化合物の含有量が0.11質量%を下回ると、炭素数4〜20の鎖長を有しかつアリル水素を有さない不飽和炭化水素の酸化反応においては担体の強度が劣化し、かつ選択率および転化率が劣化するために不利である。その一方、2.5質量%を超えても、選択率と転化率の双方が劣化し、好ましくない。本発明では、炭素数4〜20の鎖長を有しかつアリル水素を有さない不飽和炭化水素の酸化反応においてナトリウム化合物の担体中の含有量を上記範囲に制限することで、寿命の長い触媒となり、かつ選択率と転化率の双方に優れる触媒が得られるという効果が得られるのである。
【0028】
さらに、該担体の表面積当たりのケイ素(SiO2換算)含量は0.1〜20担体質量当たりの質量%/(m2/g)、好ましくは0.15〜18質量%/(m2/g)、最も好ましくは0.2〜15質量%/(m2/g)である。ケイ素の含有量が0.1質量%を下回ると、炭素数4〜20の鎖長を有しかつアリル水素を有さない炭化水素化合物の酸化反応においては、触媒の初期性能とともに触媒強度も低い触媒になり不利である。その一方、20質量%を超えると触媒の選択率の低下が大きく、有効でない。発明では、炭素数4〜20の鎖長を有しかつアリル水素を有さない不飽和炭化水素の酸化反応においてケイ素の担体中の含有量を上記範囲に制限することで、担体の物理的強度を確保し、かつ触媒寿命を長くすることができることを見出したのである。
【0029】
また、該担体中のナトリウムに対するケイ素化合物の質量比(SiO2/Na2O換算)は1〜20、好ましくは2〜20、最も好ましくは3〜18である。
【0030】
上記のように、該担体におけるナトリウム(Na2O換算)含有量、表面積当たりのケイ素(SiO2換算)含有量およびナトリウム(Na2O換算)に対するケイ素(SiO2換算)の質量比は、表面の化学的性質(酸・塩基性)や担体の物理的性質に影響を及ぼす重要な因子である。ナトリウム含有量が少なすぎると担体の強度が低下する。一方、ナトリウム含有量はケイ素含有量にも左右されるが、多すぎると、触媒の初期性能とともに触媒寿命も劣った触媒になる。炭素数4〜20の鎖長を有しかつアリル水素を有さない炭化水素化合物の酸化反応においては、触媒の初期性能は反応開始後の特定反応温度における炭化水素化合物の転化率およびエポキシドの選択率を反映する。転化率で表される触媒性能の低下は、転化率もしくは選択率の一方、あるいは双方が低下するという形で現れ障害となる。
【0031】
なお、該担体は,X線回折測定により、α−Al23以外にシリカ成分に起因するAl6Si213の生成が確認された。このAl6Si213の存在は、得られた担体表面の酸性の発現に影響すると考えられる。該担体の酸性を測定したところpKa+4.8の指示薬(メチルレッド)によって検知しうる酸性を示した。このことは、本発明で使用する担体は、特定範囲のアルミニウム化合物、ケイ素およびナトリウム化合物と混合し焼成することによって、結果的にpKa+4.8の指示薬で検知し得る酸性を発現することができ、さらに触媒成分として添加されるアルカリ金属及びタリウムよりなる群から選ばれた少なくとも1種の元素などのカチオン成分との相乗効果によって極めて高い触媒性能が発現されるものと推定される。
【0032】
本発明で使用する担体は、本発明のエポキシド製造用触媒による炭素数4〜20の鎖長を有しかつアリル水素を有さない不飽和炭化水素を酸化して得た生成物質(例えば、3,4−エポキシ−1−ブテン)の触媒細孔内の滞留による逐次酸化等を抑制し高選択性を有する触媒を得るために、小さい細孔の量が重要な因子であり、特に0.5μm以下の細孔直径の容積率が50%以下、より好ましくは45%以下、最も好ましくは40%以下、かつ直径5μm以下の細孔の容積率が65%を越え、より好ましくは70%を越えるように制御させることが重要である。特に、原料化合物が炭素数4〜20の鎖長を有しかつアリル水素を有さない炭化水素化合物の場合には、担体の細孔径が0.5〜5μmのものが多く存在することが好ましい。即ち、細孔径が0.5μm以下の容積率が50%を上回わると逐次反応による副生物が発生し、選択率が低下する。その一方、担体の細孔直径が5μmを越えるものが35%以上の場合には、触媒細孔内の原料化合物の滞留が行われないために選択率や転化率が低下し、かつ触媒寿命を延長することもできず、好ましくない。
【0033】
該担体の比表面積は0.1〜5m2/g、好ましくは0.3〜3m2/g、最も好ましくは0.5〜3m2/gである。担体比表面積が5m2/gを越えるものは強度面で満足のいくものを作るのが難しく、性能面も選択性の低下が大きい。一方、触媒寿命の面では十分な銀含有量および微細な銀を担体上に担持させることが重要であるが、0.1m2/g未満の低い比表面積の担体はこの両方の因子を満足させることは難しい。
【0034】
また、該担体の吸水率は20〜50%、好ましくは25〜50%、最も好ましくは30〜45%である。吸水率が20%を下回ると触媒を製造する際に所定量の銀を担持させることが困難になるため好ましくない。逆に50%を越えると強度面で十分なものが得られにくい。
【0035】
本発明の第二は、アルカリ金属及びタリウムよりなる群から選ばれた少なくとも1種の元素および銀を含む溶液を、α−アルミナ1kg当たりナトリウム含有量(Na換算)が1〜70mmol/kgのα−アルミナにアルミニウム化合物、ケイ素化合物およびナトリウム化合物を加えて焼成して得られ、かつケイ素含有量(SiO換算)が担体質量当たり0.3〜11.5質量%、ナトリウム含有量(NaO換算)が担体質量当たり0.11〜2.5質量%の範囲内であり、直径0.5μm以下である細孔の容積率が50%以下であり、かつ直径5μm以下の細孔の容積率が65%を越える担体に含浸することを特徴とする炭素数4〜20の鎖長を有しかつアリル水素を有さない不飽和炭化水素の気相酸化によるエポキシド製造用触媒の調製方法である。
【0036】
本発明で使用する担体は、例えばつぎのような方法で調製することができる。まず上記に規定するα−アルミナを水、アルミニウム化合物、ケイ素化合物およびナトリウム化合物と混合したのち、有機バインダーを添加、混合し、ついで所定の形状および寸法に成形する。ついで、乾燥したのち、1,100〜1,700℃、好ましくは1,150〜1,600℃の温度で焼成する。
【0037】
本発明において使用するα−アルミナとしては、上記ナトリウム含有量の条件に加え、例えば粒径0.1〜10μm、好ましくは1〜7μmの一次粒子で構成される粒子径20〜200μm、好ましくは25〜100μmの二次粒子よりなるもので、比表面積が0.1〜20m2/g、好ましくは0.3〜15m2/gのものを使用することが好ましい。原料α−アルミナ粉体の一次粒子や二次粒子のサイズは、完成担体の細孔分布に影響を及ぼす。特に担体の細孔分布は、直径0.5μm以下である細孔の容積率が50%以下であり、かつ直径5μm以下の細孔の容積率が65%を越えることが好ましいのであるが、上記する二次粒子からなるα−アルミナを使用すると簡便にこの範囲の細孔分布を有する担体を得ることができる。
【0038】
本発明において、α−アルミナに混合するアルミニウム化合物としては、α−アルミナを含まず、かつβ−アルミナ、γ−アルミナなどの酸化アルミニウム、ギブサイトやベーマイトなどの水酸化アルミニウム、硝酸アルミニウム、硫酸アルミニウムなどのアルミニウム塩等の他、焼成することで酸化物となるアルミニウム化合物を用いることができる。特にアルミナゾルなど、コロイド状のアルミナが好適に用いられる。
【0039】
同様に、ケイ素化合物としては、コロイド状シリカの他、酸化ケイ素、窒化ケイ素、炭化ケイ素、シラン、硫化ケイ素などの共有結合化合物:ケイ酸ナトリウム、ケイ酸アンモニウム、アルミノケイ酸ナトリウム、アルミノケイ酸アンモニウム、リンケイ酸ナトリウム、リンケイ酸アンモニウム等のケイ酸塩類、長石等のケイ素を含有するシリカの複塩:およびシリカ混合物を使用することができる。
【0040】
上記以外に、シリカ−アルミナ、さらにムライト、ゼオライトなどの粘土鉱物をアルミニウム化合物、ケイ素化合物として使用することができる。
【0041】
また、ナトリウム化合物としては、硝酸ナトリウム、炭酸ナトリウム、炭酸水素ナトリウム、塩化ナトリウム、フッ化ナトリウム、亜硝酸ナトリウム、硫酸ナトリウム等の無機塩類;蟻酸ナトリウム、酢酸ナトリウム等のカルボン酸塩;および水酸化ナトリウムなどを使用することができる。
【0042】
上記以外に、担体調製時にα−アルミナと混合するナトリウム成分の添加方法としては、アルミニウム化合物、ケイ素化合物、粘土鉱物および有機バインダーの一成分として含まれるナトリウム化合物がそのままナトリウム成分となるような添加方法や、ナトリウム塩をアルミナ化合物と混合し焼成したナトリウムリッチなアルミナの使用による添加の方法などがあり、どれをとっても有効である。
【0043】
有機バインダーとしては、メチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、カルボキシルメチルセルロース、コーンスターチなどがある。
【0044】
なお、有機バインダーと共に、クルミ粒子、桃種粒子などを均一粒径に揃えたもの、あるいは粒子径が均一な高分子粒子など、焼成により消失する物質を気孔形成剤として用いてもよい。
【0045】
本発明で使用する担体は、従来公知の方法で調製することができる。例えば、α−アルミナ粉末に、有機バインダーとしてメチルセルロースを添加して混練し、これに粒状のアルミナゾルやコロイドシリカ、更に水酸化ナトリウムを加え、更に、水を投入して混合する方法である。この混合物を押し出し成形した後に造粒、乾燥し、次いで焼成する。焼成温度については特に制限はないが、1000〜1700℃、より好ましくは1300〜1500℃で焼成する。焼成時間は、0.5〜5時間、より好ましくは1〜3時間である。得られた粒状物を沸騰水で数回煮沸洗浄すれば、目的とする担体を得ることができる。
【0046】
本発明の触媒の触媒成分である銀を形成するために使用される銀化合物は、アミンと水性溶媒中で可溶な錯体を形成し、500℃以下、好ましくは300℃以下、より好ましくは260℃以下の温度で分解して銀を析出するものであればよい。その例は、例えば酸化銀、硝酸銀、炭酸銀及び酢酸銀、蓚酸銀などの各種カルボン酸銀である。中でも蓚酸銀が好ましい。錯体形成剤としてのアミンは、上記銀化合物を水性溶媒中で可溶化し得るものであれば如何なるものでもよい。ピリジン、アセトニトリル、アンモニア、1〜6個の炭素よりなるアミン類などがその例で、中でもアンモニア、ピリジンやブチルアミンなどのモノアミン、エタノールアミンなどのアルカノールアミン、2〜4個の炭素原子を持つアルキレンジアミン、ポリアミンが好ましい。特に、エチレンジアミンとエタノールアミンの単独あるいは混合使用が好ましい。この際、銀化合物とアミンとの混合量比は、銀化合物1モルに対してアミン1〜2モルであることが好ましく、より好ましくは1〜1.5モルである。この場合、銀化合物やアミンを複数使用する場合には、それらの合計量を上記モル数とする。
【0047】
担体に銀を担持させる為には銀化合物とアミンの水溶液の形を用いることが最も現実的であるが、アルコールなどを加えた水性溶液も用い得る。最終的には触媒全量に対して触媒成分として5〜25質量%、より好ましくは5〜20質量%の銀が担持されるように水溶液中の銀濃度を選定する。
【0048】
銀を担体に担持させる為の含浸操作は公知の方法で実施できる。必要により、減圧、加熱、スプレー吹付けなどを併せ行なう。アミンは上記のように銀化合物を錯化するに必要な量加える。通常当量より5〜30%過剰に加えると触媒調製の再現性が向上する。銀担持後の熱処理は、銀が担体上に析出するに必要な温度と時間を選定して実施するが、担体上に銀ができるだけ均一に、微少な粒子で存在するような条件を選ぶことが最も好ましい。例えば、一般的に高温あるいは長時間の熱処理は、析出した銀粒子の凝集を促進するので好ましくない。従って、120℃〜450℃に加熱した空気(または窒素などの不活性ガス)または過熱スチームを使用して5分から60分の短時間で処理するのが好ましい方法である。上記の短時間の熱処理は、触媒調製工程の時間短縮という観点からも好ましい。
【0049】
触媒成分として担持されるアルカリ金属及びタリウムよりなる群から選ばれた少なくとも1種の元素は、水性溶媒中に可溶な化合物の形態で、全量が溶解した状態であることが好ましいが、一部不溶の状態になっていても構わない。そのような化合物の例として、リチウム、ナトリウム、カリウム、ルビジウム、セシウム、フランシウムなどのアルカリ金属またはタリウムの、硝酸塩、炭酸塩、重炭酸塩、ハロゲン塩、亜硝酸塩、硫酸塩などの無機塩類、例えばギ酸塩などのカルボン酸塩および水酸化物が挙げられる。より具体的には、硝酸セシウム、水酸化セシウム、塩化セシウム、炭酸セシウム、硫酸セシウム、硝酸リチウム、水酸化リチウム、塩化リチウム、炭酸リチウム、蓚酸リチウム、硫酸リチウム、ほう酸リチウム、硝酸ナトリウム、炭酸ナトリウム、重炭酸ナトリウム、酢酸ナトリウム、ほう酸ナトリウム、ナトリウムエトキシド、硝酸カリウム、硝酸ルビジウム、塩化タリウム、硝酸第一タリウム、硫酸タリウム、炭酸タリウム、蓚酸タリウム等が例示できる。
【0050】
その一方、本発明のエポキシド製造用触媒には、その他の金属としてマグネシウム、カルシウム,ストロンチウムまたはバリウムなどのアルカリ土類金属、スカンジウム、イットリウム、セリウム、ランタン,ネオジウム、プラセオジウムまたはユーロピウムなどの希土類金属、銅、金,鉛、カドミウム、チタン、ジルコニウム、ハフニウム、ゲルマニウム、スズ、バナジウム、ニオブ、タンタル、リン、ヒ素、アンチモン、ビスマス、クロム、モリブデンなどの金属その他の元素の1種または2種以上を配合することもできる。これら任意に配合することのできる具体的な化合物としては、硝酸マグネシウム、炭酸マグネシウム、蓚酸マグネシウム、マグネシウムエトキシド、硝酸カルシウム、水酸化カルシウム、塩化カルシウム、酢酸カルシウム、硫酸カルシウム、モリブデン酸カルシウム、硝酸バリウム、硝酸ストロンチウム、水酸化ストロンチウム、塩化ストロンチウム、硝酸イットリウム、塩化イットリウム、炭酸イットリウム、蓚酸イットリウム、酢酸イットリウム、硝酸セリウム、水酸化セリウム、炭酸セリウム、硫酸セリウム、硝酸ランタン、硝酸ネオジウム、硝酸プラセオジウム、硝酸ユーロビウム、硝酸銅、水酸化銅、炭酸銅、蓚酸銅、酢酸銅、硫酸銅、ほう酸銅、モリブデン酸銅、テトラクロロ金酸リチウム、テトラクロロ金属ナトリウム、硝酸亜鉛、塩化亜鉛、炭酸亜鉛、硝酸亜鉛、酢酸亜鉛、ほう酸亜鉛、クロロ酸亜鉛、モリブデン酸亜鉛、硝酸カドミウム、水酸化カドミウム、硝酸第一水銀、硫酸第一水銀、ホウ酸アンモニウム、ホウ酸カリウム、水酸化ガリウム、塩化ガリウム、硝酸インジウム、塩化インジウム、硫酸インジウム、テトライソプロポキシチタン、硝酸ジルコニウム、水酸化ジルコニウム、塩酸ジルコニウム、硫酸ジルコニウム、塩化ハフニウム、ジルコン酸リチウム、ジルコン酸ナトリウム、ケイ酸エチル、ゲルマニウム酸リチウム、ゲルマニウム酸ナトリウム、ゲルマニウム酸カリウム、塩化スズ、酢酸スズ、スズ酸リチウム、スズ酸カリウム、硝酸鉛、水酸化鉛、塩化バナジウム、バナジン酸ナトリウム、バナジン酸カリウム、蓚酸ニオブ、ニオブ酸カリウム、水酸化タンタル、塩化タンタル、タンタルイソプロポキシド、タンタル酸ナトリウム、タンタル酸カリウム、リン酸アンモニウム、リン酸ナトリウム、リン酸カリウム、リン酸水素ナトリウム、リン酸水素カリウム、リン酸水素ストロンチウム、塩化ヒ素、塩化アンチモン、酒石酸アンチモン、硫酸アンチモン、硝酸ビスマス、塩化ビスマス、硫酸ビスマス、塩化テルル、テルル酸アンモニウム、テルル酸ナトリウム、亜テルル酸リチウム、亜テルル酸ナトリウム、クロム酸ナトリウム、クロム酸リチウム、モリブデン酸リチウム等がある。
【0051】
これらの元素は、銀水溶液中に添加して担持(同時含浸)しても良く、また銀担持の前に担持すること(前含浸と略す)も銀担持の後に担持すること(後含浸と略す)もできる。後含浸としては水溶液が用いられるが、アルコールなどにこれらの元素を溶解した液に銀を担持した担体を浸漬後、余剰の液を取り除き、ついで乾燥し担持することもできる。
【0052】
本発明の銀触媒において、触媒全質量に対して、銀を触媒質量当たり5〜25質量%含むようにすると共に、アルカリ金属およびタリウムよりなる群から選ばれる少なくとも1種の元素を触媒質量当たり0.001〜5質量%、より好ましくは0.005〜3質量%、特には、0.01〜0.2質量%を担持していることが好ましい。本発明の触媒に担持されるアルカリ金属としては、上記記載の中でも、特にナトリウム、カリウム、ルビジウムおよび/またはセシウムを含有することが好ましい。なお、アルカリ金属の担持量が0.001〜5質量%であれば、本発明の触媒において、タリウムは含有されなくてもよい。しかしながら、アルカリ金属と共にタリウムも含有されれもよい。これらの担持量としては、カリウムについては0.01〜0.8質量%、ルビジウムについては0.02〜1.0質量%、セシウムについては0.01〜2質量%、タリウムについては0.001〜2質量%が特に好ましい。触媒中のアルカリ金属またはタリウムの担持量が0.001質量%を下回ると、上記する担体その他の要件を満たしていても選択率の低下が顕著となり、しかも触媒寿命が短期化して長期使用時には触媒活性が喪失する場合があるからである。その一方、5質量%を超えると特に転化率が大きく、好ましくない。なお、これらの触媒成分の添加時期は、銀と同時に担持することが最も好ましい。これらのものの一部または全部が塩化物、臭化物または弗化物等のハロゲン化物、あるいは硝酸塩、硫酸塩等の形で加えられるのが良い。
【0053】
前記カチオン成分を前含浸または後含浸で担持する方法において、カチオン成分の水溶液で添加する場合には、110〜200℃に加熱した空気で5分〜60分間乾燥して担持するのが好ましい。空気以外には過熱スチームを使用することもできる。エチルアルコール等のアルコールを溶媒として添加する場合は100℃以下、好ましくは50℃以下の空気や窒素などの不活性ガスで乾燥して担持するのが好ましい。これによりカチオン成分は担体上に均一に分散される。
【0054】
本発明における空気または窒素などの不活性ガスまたは過熱スチームによる加熱の方法として、固定床または移動床の形で、単層または多層に積まれ、上方または下方、または側方から空気または窒素などの不活性ガスまたは過熱スチームを流通することができる。処理時間は、空気または窒素などの不活性ガスまたは過熱スチームの温度や流速により適宜選択できる。流速は、メッシュベルト乾燥機のように、触媒を単層から数層で処理する場合は、0.3〜1m/秒、多管式反応器のように層長の長い管で処理する場合には、0.7〜3m/秒の流速での処理が、触媒の銀分布の不均一性がなく、実用的見地からも経済的である。過熱スチームの場合は、窒素、空気などをある程度混入させることも可能である。
【0055】
本発明では、該担体にアルカリ金属およびタリウムよりなる群から選ばれた少なくとも1種の元素と銀とを含有する触媒成分を担持せしめた後、最終的に実質的に酸素を含まない不活性ガス中で400〜700℃の範囲で高温加熱処理することが好ましい。本発明の銀触媒は、炭素数4〜20の鎖長を有しかつアリル水素を有さない不飽和炭化水素を気相酸化するものであるが、触媒寿命が短く、装置を停止させて新たに触媒を充填するなどの操作を必要とし、このため、エポキシドの生産性を低下させる原因ともなっていた。本発明では、その理由は明確ではないが、予め不活性ガス中で高温加熱処理を行うことによって、担体に担持させた銀、アルカリ金属、タリウムなどが安定化すると考えられる。特に、長期使用時における反応温度の上昇を抑える結果、選択率の維持がなされるものと考えられる。実際に、上記処理によって触媒の使用開始時から安定した選択率および転化率を確保でき、しかも触媒寿命が延長されるのである。
【0056】
ここに、実質的に酸素を含まない不活性ガスとしては、窒素、ヘリウム、アルゴン、二酸化炭素およびネオンよりなる群から選択される1種または2種以上の混合ガスである。これらの中でも窒素は、安価で入手が容易であることから、特に好ましい。また、「実質的」とは、酸化性能に影響を与えない程度の酸素を含んでもよいとの意味であり、好ましくは3容量%以下の濃度である。実質的に酸素を含まないことが必要とされる理由については明確ではないが、この高温加熱処理において酸素が含まれていると、担持した銀の粒径が高温加熱処理後に大きくなり、これによって触媒活性が低下し、触媒寿命を短くすると考えられるからである。このため「実質的に」酸素を含まない状態で熱処理を行うと、処理の前後で銀の粒径が殆ど変化せず、熱安定性が向上し、これによって安定した触媒活性と共に触媒寿命の延命が達成できるのである。
【0057】
また、高温加熱処理とは、温度400〜700℃、より好ましくは450〜650℃に加熱することをいう。温度が400℃を下回ると、上記触媒寿命の延長効果が現れずしかも高温加熱処理に長時間を必要とするからである。その一方、700℃を越えると選択率が低下する場合があるからである。この際の圧力は、特に規定はなく、熱処理温度,処理時間,酸素濃度が重要なる因子である。
【0058】
該高温加熱処理時間は、5分〜30時間であり、より好ましくは30分〜20時間、特に好ましくは30分〜10時間である。
【0059】
このような高温加熱処理は、担体に銀化合物やその他の金属成分に活性を与えるために、触媒成分を担体に担持した後に行う。
【0060】
また、このようにして高温加熱処理を行った触媒も、得られた触媒の触媒成分の担持量は、触媒全質量に対して、銀を触媒質量当たり5〜25質量%含むようにすると共に、アルカリ金属およびタリウムよりなる群から選ばれる少なくとも1種の元素を触媒質量当たり0.001〜5質量%、より好ましくは0.005〜3質量%、特には、0.01〜2質量%を担持していることが好ましい。本発明の触媒に担持されるアルカリ金属としては、上記記載の中でも、特にナトリウム、カリウム、ルビジウムおよび/またはセシウムを含有することが好ましい。なお、アルカリ金属の担持量が0.001〜5質量%であれば、本発明の触媒において、タリウムは含有されなくてもよい。しかしながら、アルカリ金属と共にタリウムも含有されれもよい。これらの担持量としては、カリウムについては0.01〜0.8質量%、ルビジウムについては0.02〜1.0質量%、セシウムについては0.01〜2質量%、タリウムについては0.01〜2質量%が特に好ましい。触媒中のアルカリ金属またはタリウムの担持量が0.001質量%を下回ると、上記する担体その他の要件を満たしていても選択率の低下が顕著となり、しかも触媒寿命が短期化して長期使用時には触媒活性が喪失する場合があるからである。その一方、5質量%を超えると特に転化率が大きく低下し、好ましくない。
【0061】
該触媒および担体の形状は、例えば球状、ペレット状、リング状等に成型された、3〜12mm程度、特に4〜10mmの大きさのものが好ましい。
【0062】
本発明の第三は、上記した本発明の触媒の存在下に、炭素数4〜20の鎖長を有しかつアリル水素を有さない不飽和炭化水素を分子状酸素含有ガスで気相酸化することを特徴とするエポキシドの製造方法である。
【0063】
原料となる炭素数4〜20の鎖長を有しかつアリル水素を有さない化合物としては、上記のごとく、好ましくは炭素数4〜12、より好ましくは4〜8の鎖長を有しかつアリル水素を有さない不飽和炭化水素である。具体的には、1,3−ブタジエン、第3ブチルエチレン、スチレンなどの化合物がある。本発明では、特に1,3−ブタジエンや第3ブチルエチレンに用いることが好ましい。本発明のエポキシド製造用触媒は、気相酸化触媒であり、触媒表面において気相で酸化反応を生じさせるには、沸点の低い化合物を対象することが触媒寿命の観点から好ましいからである。
【0064】
酸化反応は、従来公知の炭素数4〜20の鎖長を有しかつアリル水素を有さない不飽和炭化水素の気相酸化反応に使用できる反応器を使用することができる。
【0065】
具体的には、炭素数4〜20の鎖長を有しかつアリル水素を有さない不飽和炭化水素と分子状酸素含有ガス、後記する希釈ガスや反応調節剤を含む供給原料の全圧は、0.01〜10MPa,好ましくは0.01〜4MPa、更に好ましくは0.02〜3MPaである。酸素1モルに対する炭素数4〜20の鎖長を有しかつアリル水素を有さない不飽和炭化水素のモル比は、0.001〜100の範囲であり、より好ましくは0.01〜50である。
【0066】
本発明の触媒を充填した反応器には、分子状酸素含有ガスと炭素数4〜20の鎖長を有しかつアリル水素を有さない不飽和炭化水素とに加え、希釈ガスとして、窒素,ヘリウム、アルゴン、二酸化炭素、アルカンなどの1種または2種以上を混合して共に供給することができる。これらのガス分圧は爆発限界外のガス組成で反応器内に供給することが必要である。
【0067】
原料ガスには、反応調節剤を配合することもできる。このような反応調節剤としては、ハロゲンを含む化合物であって、例えば、塩素化エチレン、塩化ビニル、塩化メチル、塩化t−ブチルなどの炭素数1〜6の塩素化アルケン、ジクロロメタン、ジクロロエチレン、トリクロロエチレン、クロロホルム、塩素化ビフェニル、モノクロロベンゼンなどの塩素化ベンゼン、ジクロロプロパン、ジブロモプロパン、ジクロロプロペン、ジブロモプロペン、クロロブタン、ブロモブタン、ジクロロブタン、ジブロモブタン、クロロブテン、ジブロモエチレン、トリブロモエチレン,臭素化エチレン、臭化ビニル、臭化メチル、臭化t−ブチルなどの炭素数1〜6の臭素化アルケン、ジブロモメタン、テトラブロモメタン、臭素化ビフェニル、モノブロモベンゼンなどの臭素化ベンゼン等が例示でき、これらの1種または2種以上を併用して使用することができる。これらの中でも、塩化ビニル、塩素化エチレンを使用することが好ましい。これらの反応調節剤の濃度は、原料ガスの容積基準で、0〜1000容積ppm、より好ましくは1〜100容積ppm、特には1〜50容量ppmである。このような濃度の反応調節剤、特に塩化ビニルによって選択率が向上することが判明したからである。
【0068】
反応器温度は、原料ガスとして供給する炭素数4〜20の鎖長を有しかつアリル水素を有さない不飽和炭化水素の種類によって適宜選択することができるが、稼動時の反応器温度としては150〜300℃、好ましくは170〜250℃である。
【0069】
反応器内に供給する原料ガスの空間速度は、100〜30000hr-1、より好ましくは200〜20000hr-1である。反応は、原料の炭素数4〜20の鎖長を有しかつアリル水素を有さない不飽和炭化水素の0.1〜75モル%、より好ましくは1〜60モル%、特に好ましくは1〜50モル%が転化すればよく、非転化の炭素数4〜20の鎖長を有しかつアリル水素を有さない不飽和炭化水素は、適当に再循環させればよい。即ち、原料供給速度が、100hr-1を下回ると生産効率が低下し、その一方30000hr-1を越えると転化率が低下するため好ましくない。なお、所望の転化レベルを達成するために必要な実際の接触時間は、供給する原料ガスの種類や対酸素比、触媒への助触媒あるいは反応促進剤の担持量、触媒の銀の担持量、反応ガス中に存在する反応調節剤の量、反応温度及び反応圧力などの要因に依存して広い範囲内で変えることができる。
【0070】
つぎに、より具体的に、本発明の触媒を用いて1,3−ブタジエンを分子状酸素含有ガスにより接触気相酸化して3,4−エポキシ−1−ブテンを得る方法について説明する。
【0071】
反応は1,3−ブタジエン、酸素、及び任意的な有機ハロゲン化物を、1,3−ブタジエンの酸素に対するモル比を約0.01〜20の範囲内にせしめ、さらに全供給物の体積基準で0〜約1,000ppm、好ましくは約1〜100ppmの範囲内の有機ハロゲン化物の存在下で行う。所望の場合には該気相酸化反応において不活性のガス状希釈剤、例えばヘリウム、窒素、アルゴン及び/又はアルカン類の1種又は2種以上の混合物を使用することができる。
【0072】
有機ハロゲン化物としては、反応ガス中でガス状であればいずれも使用できるが、一例を挙げると、例えば塩化メチル、臭化メチル、ジクロロメタン、ジブロモメタン、塩化エチル、臭化エチル、ジクロロエタン、ジブロモエタン、塩化ビニル、ジクロロエチレン、ジブロモエチレン、トリクロロエチレン、ジクロロプロパン、ジブロモプロパン、ジクロロプロペン、ジブロモプロペン、クロロブタン、ブロモブタン、ジクロロプタン、ジブロモブタン、クロロブテン等がある。
【0073】
反応圧力は、取り扱い、装置及びその他の実際的な機能として基本的に選択される。約0.01〜10MPaの制限のもとに、広い範囲内で変えることができる。好ましくは、約0.01〜4MPa、さらに好ましくは約0.02〜3MPaの範囲で維持される。
【0074】
本発明の実施のために適当である反応時間は、広い範囲内で変えることができる。反応はシングルパス(1回通過)だけでなく、反応後のガスをリサイクルし、再度反応することもできる。なお、便宜上、シングルパスについて説明する。一般的に、1,3−ブタジエン、酸素、有機ハロゲン化物、及び触媒を、シングルパス当たりのブタジエン転化が約0.1〜75モル%の範囲内で得られるのに十分な時間接触状態に維持する。反応器容量の効率的な利用のために、シングルパス当たりの好ましいブタジエン転化率は約1〜50モル%の範囲内が好ましい。
【0075】
所望の転化レベルを達成するために必要な実際の接触時間は、1,3−ブタジエン対酸素比、触媒への助触媒あるいは反応促進剤の担持量、触媒への銀の担持量、反応ガス中に存在する有機ハロゲン化物の量、反応温度及び反応圧力などの要因に依存して広い範囲内で変えることができる。
【0076】
反応ガスの空間速度は、約100〜30,000hr-1の範囲内、好ましくは約200〜20,000hr-1、最も好ましくは約300〜10,000hr-1の範囲内である。それは、この条件下で供給ブタジエン転化と生成物の選択性との最も好ましい組み合わせが得られるためである。
【0077】
【実施例】
つぎに、実施例を挙げて本発明をさらに詳細に説明する。なお、下記実施例1〜11および比較例1〜9においては、簡便にその評価をするために、触媒粒を破砕して小内径の試験用反応管を用いて試験を行なった。実施例の結果、各実施例および比較例で使用した担体および触媒の特性を表1〜3に示す。
【0078】
なお、本明細書を通じて、各数値は、つぎの方法により測定したものである。
【0079】
(1)SiO2,Na2O及びカチオン成分の定量:蛍光X線分析法により測定した。
【0080】
(2)比表面積:担体を破砕したのち、0.85〜1.2mmの粒径に分級したもの0.2g程度を正確に秤量した。200℃で少なくとも30分脱気したサンプルをB.E.T.(Brunauer-Emmett-Teller)法により測定した。
【0081】
(3)平均細孔直径:水銀圧入法により測定した。
【0082】
(4)吸水率:日本工業規格(JIS R 2205−(1998年度))の方法を参考にして、つぎの方法で行なった。
a)破砕していない担体(リング状、球状等)を、温度120℃に保った乾燥器に入れ、恒量に達したときの質量を秤量した(乾燥質量:W1(g))。
b)秤量した担体を水面下に沈めて30分間以上煮沸したのち、室温の水中で冷却した。これを飽水試料とした。
c)飽水試料を水中から取り出し、湿布で素早く表面を拭い、水滴を除去したのち秤量した(飽水試料質量:W2(g))。
d)吸水率は、以下の式にて算出した。
【0083】
【数1】
吸水率(%)=[(W2−W1)/W1]×100
[実施例1]
α−アルミナ粉体(アルミナ結晶径:1μm、平均粒子径:40μm、BET比表面積:2m2/g、ナトリウム含有量:16mmol/kg)を93質量部とメチルセルロース5質量部をニーダーに投入し、十分に混合した。次いで、粒径2〜20nmのアルミナゾル4質量部(Al23換算)と粒径2〜20nmのコロイド状シリカ3質量部(SiO2換算)と、水酸化ナトリウム0.15(Na2O換算)質量部を加え、これに水40質量部を投入し、充分に混合した。この混合物を押出成形した後に造粒、乾燥し、1450℃で2時間焼成した。次いでこれを蒸留水で30分間3回煮沸洗浄し、乾燥して担体(担体A)を得た。
【0084】
蓚酸銀30gを含んだ水スラリーをビーカーに取り、これを水浴中で冷却しながらエチレンジアミン16mlを加え、銀化合物を完全に溶解した。この溶液に塩化セシウムを0.138g溶解した。予め100℃に加熱した前記担体100gを沸騰した水浴上に設置した蒸発皿に置き、次いで銀含有溶液を注ぎ、含浸した後、加熱処理を施した。加熱処理は熱風乾燥機を用いて空気気流中200℃で10分、さらに400℃で10分行なった。得られた触媒の銀含有量は16.2質量%、セシウム含有量はセシウム原子として0.083質量%であった。
【0085】
得られた銀含有触媒(触媒A1)を破砕した後、0.85〜1.2mmの粒径に分級し、円筒状シングルパスフロー反応器にて評価を行なった。反応管は長さが40cmで外径が10mm、内径8mmのステンレス製管を用い、石英ウールを用いて反応器の中央に触媒を保持できるようにした。反応ガスはヘリウム:1,3−ブタジエン:酸素を容量比4:1:1になるようにマスフローコントローラーを用いて制御した。さらに、エチレンジクロライドを反応ガス中に2〜5ppmの範囲内で添加した。ブタジエン酸化反応は空間速度6,000hr-1、反応器温度195℃にて行なった。反応圧は、ゲージ圧で50kPaの範囲内で行なった。反応供給物質および反応生成物は、熱伝導率検出器(TCD)を有するガスクロマトグラフにキャピラリーカラム(PoraPLOTQ:0.53mmI.D.長さ50m)を取り付けて分析した。
【0086】
ガスクロマトグラフ分析は115℃の初期温度を4分保持した後、230℃まで7℃/分の速度で昇温する。GCキャリアーはヘリウムを使用した。
【0087】
[実施例2]
実施例1において、塩化セシウムの代わりに硝酸セシウムを0.159g用いて実施例1と同様の方法を行ない触媒(触媒A1)を得た。得られた触媒の銀含有量は15.9質量%、セシウム含有量はセシウム原子として0.082質量%であった。
【0088】
[実施例3]
実施例1において、塩化セシウムの代わりに硝酸タリウムを0.217g用いて実施例1と同様の方法を行い触媒(触媒A3)を得た。得られた触媒の銀含有量は15.9質量%、タリウム含有量は0.128質量%であった。
【0089】
[実施例4]
α−アルミナ粉体(アルミナ結晶径:1μm、平均粒子径:65μm、BET比表面積:3m2/g、ナトリウム含有量:16mmol/kg(Na換算))を93質量部とカルボキシメチルセルロースNa塩5質量部をニーダーに投入し、十分に混合した。次いで、アルミナゾル4質量部とコロイド状シリカ3質量部(SiO2換算)と水酸化ナトリウム0.15質量部(Na2O換算)を加え、これに水40質量部を投入し、充分に混合した。この混合物を押出成形した後に造粒、乾燥し、1450℃で2時間焼成した。次いでこれを蒸留水で30分間3回煮沸洗浄し、乾燥して担体(担体B)を得た。
【0090】
以下、実施例1において担体Aに代えてこの担体を用い、硝酸セシウムを0.244g使用した以外は実施例1の方法で触媒(触媒B1)を得た。得られた触媒の銀含有量は16.3質量%、セシウム含有量はセシウム原子として0.130質量%であった。
【0091】
[実施例5]
実施例4において担体Bを使用し硝酸セシウムの代わりに硫酸セシウムを0.325g使用した以外は実施例4の方法で触媒(触媒B2)を得た。得られた触媒の銀含有量は16.1質量%、セシウム含有量はセシウム原子として0.198質量%であった。
【0092】
[実施例6]
α−アルミナ粉体(アルミナ結晶径:0.5μm、平均粒子径:80μm、BET比表面積:3m2/g、ナトリウム含有量:40mmol/kg(Na換算))を93質量部とメチルセルロース5質量部をニーダーに投入し、十分に混合した。次いで、アルミナゾル4質量部とコロイド状シリカ3質量部(SiO2換算)と水酸化ナトリウム0.15質量部(Na2O換算)を加え、これに水40質量部を投入し、充分に混合した。この混合物を押出成形した後に造粒、乾燥し、1450℃で2時間焼成した。次いでこれを蒸留水で30分間3回煮沸洗浄し、乾燥して担体(担体C)を得た。
【0093】
以下、実施例1において担体Aに代えてこの担体を用い、硝酸セシウムを0.353g使用した以外は実施例1の方法で触媒(触媒C)を得た。得られた触媒の銀含有量は15.7質量%、セシウム含有量はセシウム原子として0.196質量%であった。
【0094】
[実施例7]
α−アルミナ粉体(アルミナ結晶径:4μm、平均粒子径:40μm、BET比表面積:1m2/g、ナトリウム含有量:8mmol/kg(Na換算))を93質量部とカルボキシメチルセルロースNa塩5質量部をニーダーに投入し、十分に混合した。次いで、アルミナゾル4質量部とコロイド状シリカ3質量部(SiO2換算)と水酸化ナトリウム0.15質量部(Na2O換算)を加え、これに水40質量部を投入し、充分に混合した。この混合物を押出成形した後に造粒、乾燥し、1450℃で2時間焼成した。次いでこれを蒸留水で30分間3回煮沸洗浄し、乾燥して担体(担体D)を得た。
【0095】
以下、実施例1において担体Aに代えてこの担体を用い、硝酸セシウムを0.121g使用した以外は実施例1の方法で触媒(触媒D)を得た。得られた触媒の銀含有量は16.0質量%、セシウム含有量はセシウム原子として0.064質量%であった。
【0096】
[実施例8]
α−アルミナ粉体(アルミナ結晶径:3μm、平均粒子径:40μm、BET比表面積:1m2/g、ナトリウム含有量:8mmol/kg(Na換算))を84質量部とメチルセルロース10質量部をニーダーに投入し、十分に混合した。次いで、アルミナゾル4質量部とコロイド状シリカ7質量部(SiO2換算)と水酸化ナトリウム(Na2O換算)2.4質量部を加え、これに水40質量部を投入し、充分に混合した。この混合物を押出成形した後に造粒、乾燥し、1450℃で2時間焼成した。次いでこれを蒸留水で30分間3回煮沸洗浄し、乾燥して担体(担体E)を得た。
【0097】
以下、実施例1において担体Aに代えてこの担体を用い、硝酸セシウムを0.091g使用した以外は実施例1の方法で触媒(触媒E)を得た。得られた触媒の銀含有量は15.8質量%、セシウム含有量はセシウム原子として0.053質量%であった。
【0098】
[実施例9]
実施例1において含浸した触媒の加熱処理を200℃の過熱スチームで15分間行なった以外は実施例1と同様な方法で触媒(触媒A4)を得た。得られた触媒の銀含有量は16.1質量%、セシウム含有量はセシウム原子として0.085質量%であった。
【0099】
[実施例10]
蓚酸銀30gを含んだ水スラリーをビーカーに取り、これを水浴中で冷却しながらエチレンジアミン16mlを加え、銀化合物を完全に溶解した。この溶液に硝酸セシウムを0.81g溶解した。予め100℃に加熱した実施例4で調製した担体B100gを沸騰した水浴上に設置した蒸発皿に置き、次いで銀含有溶液を注ぎ含浸した後、加熱処理を施した。加熱処理は熱風乾燥機を用いて空気気流中200℃で10分、さらに400℃で10分行なった。
【0100】
得られた触媒の銀含有量は15.8質量%、セシウム含有量はセシウム原子として0.440質量%であった。
【0101】
次いで、得られた銀含有触媒を外部から不活性ガスを導入できるようになっているステンレス製密封容器に充填し、窒素ガスを送り込みながら管状炉中で触媒層温度565℃で3時間加熱処理した。
【0102】
この触媒(触媒B3)を破砕した後、0.85〜1.2mmの粒径に分級し、円筒状シングルパスフロー反応器にて評価を行なった。反応管は長さが40cmで外径が9.53mm、内径7.53mmのステンレス製管を用い、石英ウールを用いて反応器の中央に触媒を保持できるようにした。反応ガスはn−ブタン:1,3−ブタジエン:酸素を容量比4:1:1になるようにマスフローコントローラーを用いて制御した。さらに、エチレンジクロライドを反応ガス中に2〜5ppmの範囲内で添加した。ブタジエン酸化反応は空間速度6,000hr-1、反応器温度195℃にて行なった。反応圧は、ゲージ圧で50kPaの範囲内で行なった。反応供給物質および反応生成物の分析およびガスクロマトグラフ分析は、実施例1と同じ方法で行った。
【0103】
[実施例11]
硝酸セシウム添加量を0.88g、高温加熱処理を590℃で3時間行った以外は、実施例10と同様の方法で触媒(触媒B4)を得て、実施例10と同様にして1,3−ブタジエンを酸化した。得られた触媒の銀含有量は、15.8質量%、セシウム含有量は、セシウム原子として0.482質量%であった。
【0104】
[比較例1]
実施例1において、アルカリ金属を使用しない以外は実施例1と同様の方法を行なった触媒(触媒A5)を得た。得られた触媒の銀含有量は15.9質量%であった。
【0105】
[比較例2]
α−アルミナ粉体(アルミナ結晶径:0.5μm、平均粒子径:40μm、BET比表面積:3m2/g、ナトリウム含有量:8mmol/kg(Na換算))を93質量部とメチルセルロース5質量部をニーダーに投入し、十分に混合した。次いで、アルミナゾル4質量部とコロイド状シリカ3質量部(SiO2換算)を加え、これに水40質量部を投入し、充分に混合した。この混合物を押出成形した後に造粒、乾燥し、1450℃で2時間焼成した。次いでこれを蒸留水で30分間3回煮沸洗浄し、乾燥して担体(担体F)を得た。
【0106】
以下、実施例1において担体Aに代えてこの担体を用い、硝酸セシウムを0.338gを使用した以外は実施例1の方法で触媒(触媒F)を得た。得られた触媒の銀含有量は16.3質量%、セシウム含有量はセシウム原子として0.195質量%であった。
【0107】
[比較例3]
α−アルミナ粉体(アルミナ結晶径:0.3μm、平均粒子径:5μm、BET比表面積:10m2/g、ナトリウム含有量:16mmol/kg(Na換算))を82質量部とメチルセルロース10質量部をニーダーに投入し、十分に混合した。次いで、アルミナゾル4質量部とコロイド状シリカ14質量部(SiO2換算)と水酸化ナトリウム(Na2O換算)0.6質量部を加え、これに水40質量部を投入し、充分に混合した。この混合物を押出成形した後に造粒、乾燥し、1450℃で2時間焼成した。次いでこれを蒸留水で30分間3回煮沸洗浄し、乾燥して担体(担体G)を得た。
【0108】
以下、実施例1において担体Aに代えてこの担体を用い、硝酸セシウムを0.694g使用した以外は実施例1の方法で触媒(触媒G)を得た。得られた触媒の銀含有量は15.7質量%、セシウム含有量はセシウム原子として0.393質量%であった。
【0109】
[比較例4]
α−アルミナ粉体(アルミナ結晶径:0.5μm、平均粒子径:10μm、BET比表面積:5m2/g、ナトリウム含有量:96mmol/kg(Na換算))を93質量部とメチルセルロース5質量部をニーダーに投入し、十分に混合した。次いで、アルミナゾル4質量部とコロイド状シリカ3質量部(SiO2換算)と水酸化ナトリウム(Na2O換算)3.5質量部を加え、これに水40質量部を投入し、充分に混合した。この混合物を押出成形した後に造粒、乾燥し、1450℃で2時間焼成した。次いでこれを蒸留水で30分間3回煮沸洗浄し、乾燥して担体(担体H)を得た。
【0110】
以下、実施例1において担体Aに代えてこの担体を用い、硝酸セシウムを0.148g使用した以外は実施例1の方法で触媒(触媒H)を得た。得られた触媒の銀含有量は15.9質量%、セシウム含有量はセシウム原子として0.080質量%であった。
【0111】
[比較例5]
α−アルミナ粉体(アルミナ結晶径:0.5μm、平均粒子径:30μm、BET比表面積:2m2/g、ナトリウム含有量:0mmol/kg(Na換算))を96質量部とメチルセルロース5質量部をニーダーに投入し、十分に混合した。次いで、アルミナゾル4質量部を加え、これに水40質量部を投入し、充分に混合した。この混合物を押出成形した後に造粒、乾燥し、1450℃で2時間焼成した。次いでこれを蒸留水で30分間3回煮沸洗浄し、乾燥して担体(担体I)を得た。
【0112】
以下、実施例1において担体Aに代えてこの担体を用い、硝酸セシウムを0.200g使用した以外は実施例1の方法で触媒(触媒I)を得た。得られた触媒の銀含有量は15.7質量%、セシウム含有量はセシウム原子として0.123質量%であった。
【0113】
[比較例6]
α−アルミナ粉体(アルミナ結晶径:10μm、平均粒子径:60μm、BET比表面積:1m2/g、ナトリウム含有量:8mmol/kg(Na換算))を84質量部とメチルセルロース5質量部をニーダーに投入し、十分に混合した。次いで、アルミナゾル4質量部とコロイド状シリカ12質量部(SiO2換算)と水酸化ナトリウム0.30質量部(Na2O換算)を加え、これに水40質量部を投入し、充分に混合した。この混合物を押出成形した後に造粒、乾燥し、1450℃で2時間焼成した。次いでこれを蒸留水で30分間3回煮沸洗浄し、乾燥して担体(担体J)を得た。
【0114】
以下、実施例1において担体Aに代えてこの担体を用い、硝酸セシウムを0.093g使用した以外は実施例1の方法で触媒(触媒J)を得た。得られた触媒の銀含有量は10.6質量%、セシウム含有量はセシウム原子として0.055質量%であった。
【0115】
[比較例7]
α−アルミナ粉体(アルミナ結晶径:20μm、平均粒子径:80μm、BET比表面積:0.3m2/g、ナトリウム含有量:10mmol/kg(Na換算))を87質量部とメチルセルロース5質量部をニーダーに投入し、十分に混合した。次いで、アルミナゾル4質量部とコロイド状シリカ9質量部(SiO2換算)と水酸化ナトリウム0.30質量部(Na2O換算)を加え、これに水40質量部を投入し、充分に混合した。この混合物を押出成形した後に造粒、乾燥し、1450℃で2時間焼成した。次いでこれを蒸留水で30分間3回煮沸洗浄し、乾燥して担体(担体K)を得た。
【0116】
以下、実施例1において担体Aに代えてこの担体を用い、硝酸セシウムを0.014g使用した以外は実施例1の方法で触媒(触媒K)を得た。得られた触媒の銀含有量は15.3質量%、セシウム含有量はセシウム原子として0.010質量%であった。
【0117】
[比較例8]
α−アルミナ粉体(アルミナ結晶径:0.3μm、平均粒子径:5μm、BET比表面積:10m2/g、ナトリウム含有量:16mmol/kg(Na換算))を87質量部とメチルセルロース5質量部をニーダーに投入し、十分に混合した。次いで、アルミナゾル4質量部とコロイド状シリカ7質量部(SiO2換算)と水酸化ナトリウム0.30質量部(Na2O換算)を加え、これに水40質量部を投入し、充分に混合した。この混合物を押出成形した後に造粒、乾燥し、1350℃で2時間焼成した。次いでこれを蒸留水で30分間3回煮沸洗浄し、乾燥して担体(担体L)を得た。
【0118】
以下、実施例1において担体Aに代えてこの担体を用い、硝酸セシウムを1.173g使用した以外は実施例1の方法で触媒(触媒L)を得た。得られた触媒の銀含有量は15.9質量%、セシウム含有量はセシウム原子として0.622質量%であった。
【0119】
[比較例9]
α−アルミナ粉体(アルミナ結晶径:0.8μm、平均粒子径:55μm、BET比表面積:3m2/g、ナトリウム含有量:90mmol/kg(Na換算))を84質量部とメチルセルロース5質量部をニーダーに投入し、十分に混合した。次いで、アルミナゾル4質量部とコロイド状シリカ3質量部(SiO2換算)を加え、これに水40質量部を投入し、充分に混合した。この混合物を押出成形した後に造粒、乾燥し、1350℃で2時間焼成した。次いでこれを蒸留水で30分間3回煮沸洗浄し、乾燥して担体(担体M)を得た。
【0120】
以下、実施例1において担体Aに代えてこの担体を用い、硝酸セシウムを0.267g使用した以外は実施例1の方法で触媒(触媒M)を得た。得られた触媒の銀含有量は15.8質量%、セシウム含有量はセシウム原子として0.090質量%であった。
【0121】
【表1】
Figure 0003739265
【0122】
【表2】
Figure 0003739265
【0123】
【表3】
Figure 0003739265
【0124】
【発明の効果】
本発明による触媒は、以上のごとき構成を有してなるものであるから、活性ならびにエポキシ化の選択率が高くかつ寿命の長い触媒であり、これを用いることにより不飽和炭化水素の接触気相酸化により高い生成性を持ってエポキシ化合物を得ることができる。

Claims (10)

  1. 炭素数4〜20の鎖長を有しかつアリル水素を有さない不飽和炭化水素の気相酸化によるエポキシド製造用触媒であって、
    α−アルミナ1kg当たりのナトリウム含有量(Na換算)が1〜70mmol/kgのα−アルミナに、アルミニウム化合物、ケイ素化合物およびナトリウム化合物を加えて混合し焼成して得られる担体であって、該担体中のケイ素含有量(SiO換算)が担体質量当たり0.3〜11.5質量%でありナトリウム含有量(NaO換算)が担体質量当たり0.11〜2.5質量%の範囲内であり、直径0.5μm以下である細孔の容積率が50%以下であり、かつ直径5μm以下の細孔の容積率が65%を越える担体に、
    触媒成分としてアルカリ金属及びタリウムよりなる群から選ばれた少なくとも1種の元素と銀とを含有する触媒成分を担持せしめてなることを特徴とするエポキシド製造用触媒。
  2. 該担体において担体の比表面積が0.1〜5m/g、吸水率が20〜50%かつ平均細孔直径が0.3〜3.5μmの範囲内にある請求項に記載の触媒。
  3. 該担体において担体中のナトリウムの質量に対する該ケイ素の質量比(SiO/NaO換算比)が1〜20である請求項1または2に記載の触媒。
  4. 該担体において担体の比表面積当たりのケイ素含量がSiO換算で0.1〜20担体当たりの質量%/(m/g)の範囲内にある請求項1〜3のいずれかに記載の触媒。
  5. 触媒全質量に対して触媒成分として銀を触媒質量当たり5〜25質量%かつアルカリ金属およびタリウムよりなる群から選ばれた少なくとも1種の元素を触媒質量当たり0.001〜5質量%担持されてなる請求項1〜4のいずれか一つに記載の触媒。
  6. 該担体にアルカリ金属およびタリウムよりなる群から選ばれた少なくとも1種の元素と銀とを含有する触媒成分を担持せしめた後、最終的に実質的に酸素を含まない不活性ガス中で400〜700℃の範囲で高温加熱処理することを特徴とする、請求項1〜5のいずれかに記載の触媒。
  7. アルカリ金属及びタリウムよりなる群から選ばれた少なくとも1種の元素および銀を含む溶液を、α−アルミナ1kg当たりナトリウム含有量(Na換算)が1〜70mmol/kgのα−アルミナにアルミニウム化合物、ケイ素化合物およびナトリウム化合物を加えて焼成して得られ、かつケイ素含有量(SiO換算)が担体質量当たり0.3〜11.5質量%、ナトリウム含有量(NaO換算)が担体質量当たり0.11〜2.5質量%の範囲内であり、直径0.5μm以下である細孔の容積率が50%以下であり、かつ直径5μm以下の細孔の容積率が65%を越える担体に含浸することを特徴とする炭素数4〜20の鎖長を有しかつアリル水素を有さない不飽和炭化水素の気相酸化によるエポキシド製造用触媒の調製方法。
  8. 更に、該含浸して銀担持触媒を得た後に、実質的に酸素を含まない不活性ガス中で400〜700℃の範囲で高温加熱処理することを特徴とする、請求項に記載の調製方法。
  9. 請求項1〜6のいずれか一つに記載の触媒の存在下に、炭素数4〜20の鎖長を有しかつアリル水素を有さない不飽和炭化水素を分子状酸素含有ガスで気相酸化することを特徴とするエポキシドの製造方法。
  10. 請求項1〜6のいずれか一つに記載の触媒の存在下に、1,3−ブタジエンを分子状酸素含有ガスで気相酸化することを特徴とする3,4−エポキシ−1−ブテンの製造方法。
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