JP3739120B2 - 遊技球整列樋および遊技球の整列方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、パチンコ遊技球などの遊技球を2条から1条に整列させて流下させる遊技球整列樋および遊技球の整列方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来の遊技球整列樋は、遊技球が二列で流下可能な流路の幅を次第に絞り込んで一列にするものが一般的であり、流路の側壁面を三次元的に彎曲させながら絞り込むものもある。また、遊技球が二列(2条)になって流下する流路内にスプロケットを臨ませ、スプロケットの外周部には位相を異ならせて球嵌合凹溝を形成し、この球嵌合凹溝の位相の相違によって流下する遊技球に前後差を付けて、これにより一列に整列する遊技球整列樋も提案されている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、流路の幅を次第に絞り込むことにより一列に整列する遊技球整列樋は、単に流路の幅を減少させただけなので、並んで流下してきた遊技球を確実に前後にずらせて円滑に合流させることが困難であり、時には競り合っても前後にずれなかった遊技球が詰まってしまうトラブルが発生することもある。
【0004】
また、三次元的に彎曲させた側壁面を有する整列樋は、形状が複雑なので製造および組み付けが面倒であり、部品点数も多くなってしまう。
【0005】
さらに、スプロケットの回転により遊技球に前後差を付ける整列樋は、2条の流路の長さが少なくともスプロケット分だけは長くなってしまうので、嵩張るし広い取付スペースを必要とする。また、スプロケットが回転しないと球止まりしてしまう。
【0006】
そこで、本発明は、構造が簡単で確実に整列させることができる遊技球整列樋および遊技球の整列方法を提供しようとするものである。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本発明は上記目的を達成するために提案されたもので、請求項1に記載のものは、遊技球が一列で流下する第1流下路と第2流下路を同じ方向に下り傾斜した状態で並設し、第2流下路の下流端部を第1流下路に合流させて遊技球を一列に整列せしめる遊技球整列樋において、
第1流下路の底面の下り傾斜角度を上流側よりも下流側を大きく設定し、この傾斜角度が変化する傾斜変化点の下流側で第2流下路を第1流下路に合流せしめたことを特徴とする遊技球整列樋である。
【0008】
傾斜変化点を通過した遊技球の流下速度は、それまでの流下速度よりも高まり、これにより傾斜変化点を通過した遊技球と次の遊技球との間の隙間が増大する。また、流下する遊技球の間に隙間が生じると、これら前後の遊技球は前後方向の動きを規制されない自由状態となる。そして、上記隙間が増大した部分で第2流下路から遊技球が合流するので、隙間の存在と第1流下路の遊技球の動き易さとが相俟って、確実に合流する。
【0011】
請求項2に記載のものは、請求項1に記載の構成に加えて、第2流下路の底面の下り傾斜角度を、第1流下路の傾斜変化点の上流側の傾斜角度よりも緩やかな角度に設定して第1流下路の底面と第2流下路の底面との間に高低差を設け、第1流下路への合流部分で第2流下路から第1流下路へ斜め上方から第1流下路内に遊技球が流下するようにしたことを特徴とする遊技球整列樋である。
【0012】
第2流下路からの遊技球が第1流下路に斜め上方から流下して合流すると、第1流下路の遊技球と接触した時に、単に水平方向から接触した場合に比較して容易に入り込む。したがって、前記隙間と相俟って、ブリッジになることなく確実に合流させることができる。
【0013】
請求項3に記載のものは、請求項1または2の構成に加えて、第1流下路と第2流下路との間に区画壁を立設し、該区画壁の下流側の端部を傾斜変化点の直前に位置させたことを特徴とする遊技球整列樋である。
【0014】
区画壁が第2流下路内の遊技球の横方向に位置を合流位置まで規制する。したがって、各流下路の遊技球の流下に余分な力が作用することを防止することができるとともに、合流位置で第2流下路の遊技球を第1流下路側に確実に近付けることができる。
【0015】
請求項4に記載のものは、請求項1から3のいずれかに記載の構成に加えて、傾斜変化点の上流側の底面に段差を形成したことを特徴とする遊技球整列樋である。
【0016】
段差により、上流側に位置する遊技球の流下圧力を分散させることができ、これにより下流側の遊技球の流下速度を流下路の底面の傾斜の大きさで制御することができる。したがって、傾斜変化点の前後による流下速度の差により前後の遊技球の間に確実に隙間を生じさせることができる。このため、合流を円滑且つ確実に行うことができる。
【0017】
請求項5に記載のものは、遊技球が一列で流下する流下路の底面の下り傾斜角度を傾斜変化点から下流側を大きくして傾斜変化点を通過した遊技球の流下速度を高めて当該流下路を流下する遊技球間隔を増大せしめ、増大した遊技球間隔内に斜め上方から他の流路を流下してきた遊技球を合流させて2条を1条に整列させることを特徴とする遊技球の整列方法である。
【0018】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。
図1は遊技球整列樋1の一部欠截斜視図、図2(a)はその平面図、図2(b)は正面図である。これらの図面に示す遊技球整列樋1の実施形態は、代表的な遊技球であるパチンコ球を循環する球循環機構において、パチンコ球を一列に整列した状態で補給機に供給するための遊技球整列樋である。
【0019】
この遊技球整列樋は、遊技球が一列で流下する第1流下路2と第2流下路3を同じ方向に下り傾斜した状態で並設し、第2流下路3の下流端部を第1流下路2に合流させて遊技球を一列に整列せしめる整列樋であり、第1流下路2の流下下端部分にスプロケット収納部4を整列樋と一体成型し、この収納部4内に、補給機の主要部材であるスプロケット5を設けるように構成してある。
【0020】
第1流下路2は、遊技球の直径Dよりも僅かに幅広な底面を全長に有し、該底面の傾斜上端から端面壁6を立設し、底面の一側縁からは取付ベースを兼ねた側壁7を立設し、傾斜下端部分はスプロケット5の外径に応じた円弧状曲面に成形した収納部4を形成して端部を起立させてある。また、この第1流下路2の底面は、傾斜角度を上流側よりも下流側を大きく設定し、この傾斜角度が変化する傾斜変化点10の下流側で第2流下路3を第1流下路2に合流するように構成し、傾斜変化点10の上流側の底面に1mm程度の小さな段差11を形成してある。なお、図面の実施形態では、傾斜上端から傾斜変化点10までの角度はほぼ一定であり、この傾斜変化点10の上流側の傾斜角度を4°に設定し、傾斜変化点10からほぼ一定の下流側の傾斜角度を12°に設定してある。したがって、第1流下路2内を流下してきた遊技球は、傾斜変化点10を通過すると、それまでよりも流下速度を増大して流下することとなり、流下する遊技球の前後の間隔が傾斜変化点10を通過すると増大される。
【0021】
一方、第2流下路3は、遊技球の直径Dよりも僅かに幅広な底面を有し、該底面の傾斜上端から第1流下路2の端面壁6と共通の端面壁6を立設し、第1流下路2とは反対側の底面の一側縁から側壁12を立設し、該側壁12の上流側の上部は外側に傾斜させてある。この第2流下路3の底面は、傾斜上端については第1流下路2の底面と上端と同じ位置、同じ高さから始まるが、傾斜角度が第1流下路2の底面の傾斜変化点10の上流側の角度に比較して小さいので、下流になるにしたがって第1流下路2の底面との間に高低差が生じ、第1流下路2との合流部分で高低差が最大になるように設定してある。
【0022】
また、この第2流路の底面は、第1流下路2の底面とは異なり全長に亘って傾斜角度がほぼ一定(本実施形態では2°)であり、後述する第1流下路2との間の分列ガイドが途切れる合流部分手前から徐々に幅が減少し、傾斜下端で幅がなくなり第1流下路2と合流する。そして、第2流下路3の側壁12は、底面の幅が下流になるにしたがって次第に減少することに伴って第1流下路2側に彎曲しながら近付き、この彎曲部分が遊技球を第1流下路2側に案内する合流ガイド13となる。なお、第2流下路3の底面の途中には、第1流下路2の底面と同様に、小さな段差14を形成する。
【0023】
分列ガイド15は、第1流下路2と第2流下路3との間を区画する区画壁でもあり、第1流下路2の底面と第2流下路3の底面とがほぼ同じ高さに位置する傾斜上端部分が終了する位置から下流側に向けて延在し、傾斜変化点10の直前(上流側に遊技球の直径よりも短い距離、実施形態では傾斜変化点10から上流側へ約3mmの位置)で止めてある。また、この分列ガイド15は、傾斜上端部分では遊技球が次第に第1流下路2または第2流下路3に円滑に分列するように底面から上端までの高さを次第に増し、傾斜下端部分では第2流下路3内の遊技球が徐々に第1流下路2側に近付いて円滑に合流できるように高さを徐々に減少させてある(図3)。
【0024】
図3により、分列ガイド15、第1,第2流下路2,3の底面、合流ガイド13を含む側壁の位置関係について、さらに詳細に説明すると、図3(c)Aで示すように、分列ガイド15の高さがまだ減少していない位置においては、分列ガイド15が第1,第2流下路2,3内の球を完全に区画しており、この位置から少し下流側に進むと分列ガイド15の高さが減少し始めるとともに、分列ガイド15の上端縁が第2流下路3から第1流下路2側に倒れた断面鋭角になる。また、分列ガイド15が高さを減少し始めた位置の下流から第2流下路3の底面の幅が減少し始めるとともに側壁が第1流下路2側に近付き始めて合流ガイド13が始まる。
【0025】
そして、傾斜変化点10から球径Dの約1.5倍(1.5D)上流側では、図3(c)Bに示すように、第2流下路3の底面の幅が球径Dよりも狭くなっており、また、分列ガイド15が低くなってもまだ区画機能を十分に果たしているので、第2流下路3内の球が第1流下路2側に近付いて分列ガイド15上端縁に接触するが第1流下路2内に突出することはない。
【0026】
傾斜変化点10から球径Dの約半分上流側では、図3(c)Cに示すように、第2流下路3の底面の幅が球径Dよりも更に狭くなり、加えて分列ガイド15が更に低くなって僅かな高さでしか残っていないので、合流ガイド13に案内された第2流下路3内の球の一部が第1流下路2内に突出し始める。したがって、この位置で合流部分が始まる。
【0027】
傾斜変化点10で各部材の位置関係を略幅方向に説明すると、斜めに近付いてきた合流ガイド13までの最短寸法が既に球径Dよりも小さな寸法(本実施形態では9.06mm)であり、分列ガイド15が約3mm上流側の位置で途切れている。
【0028】
傾斜変化点10から球径Dよりも少し短い下流側では、図3(c)Dに示すように、第2流下路3の底面の幅が球径Dの半分よりも少し大きい幅、換言すれば第2流下路3の底面と第1流下路2の底面との段差から合流ガイド13までの寸法が球径Dの半分よりも少し大きいので、合流ガイド13に案内されて第1流下路2側に近付きつつある球の重心(中心)は、未だ第2流下路3の底面上に位置している。
【0029】
傾斜変化点10から球径Dとほぼ同じ長さ下流側では、図3(c)Eに示すように、第2流下路3の底面の幅が球径Dの約半分、換言すれば第2流下路3の底面と第1流下路2の底面との段差から合流ガイド13までの寸法が球径Dの約半分に設定してあるので、合流ガイド13に案内されて第1流下路2側に近付きつつある球の重心(中心)は、第2流下路3の底面と第1流下路2の底面との境界線(段差)上に位置しており、第2流下路3内を流下してきた球の片半が第1流下路2内に入る。したがって、この時点で流下勢或は振動により第2流下路3内の球は第1流下路2内に入ってしまい、第1流下路2内の球に合流する。換言すれば、この時点が合流位置(合流点)となる。なお、この合流位置は、傾斜変化点10から下流側で球径Dの0.5〜2Dの範囲内に配置し、傾斜角度により前後するが、好ましくは0.8〜1.2Dの範囲である。0.5D以下であると傾斜変化点10を通過した球と後の球との間に十分な隙間ができないし、2D以上になると、できた隙間に毎回球が安定して入り難くなるからである。
【0030】
次に、上記した構成からなる遊技球整列樋1の作用について説明する。
球回収樋などから遊技球が遊技球整列樋1内の傾斜上部に供給されると、これらの遊技球は分列ガイド15により振り分けられて第1流下路2または第2流下路3内に入り込む。なお、本実施形態では第2流下路3の側壁の上端部分が外側に傾斜しているので、球回収樋等から流下する遊技球が円滑に2条に絞られて第1,第2流下路2,3内に入り込むことができ、また、第1,第2流下路2,3の途中に上方から揺動可能な状態で臨ませた球均し16により確実に一段に均される。
【0031】
第2流下路3内に入り込んだ遊技球は、該流下路3の底面の下り傾斜によって流下し、第1流下路2内に入り込んだ遊技球は、該流下路2の底面の下り傾斜によって流下し、両流路2,3内の遊技球は並んで流下するが、第2流下路3内の遊技球は、該流下路3の底面の傾斜角度が第1流下路2の底面の傾斜角度に比較して緩やかなので、次第に第1流下路2内を流下する遊技球よりも高い位置で流下することになり、この高い位置で流下しながら合流部分に向かって流下する(図3(c)A,B)。そして、第2流下路3内を流下する遊技球が合流部分に近付くと、この部分では分列ガイド15が既に僅かな高さが残されているだけであり、また、底面の幅が徐々に減少するとともに側壁12が第1流下路2側に徐々に近付くので、遊技球は合流ガイド13として機能する側壁12に案内されながら第1流下路2側に接近して行く(図3(c)C)。
【0032】
一方、第1流下路2内に入り込んだ遊技球は、該流下路2の底面の下り傾斜角度が第2流下路3の底面に比較して大きいので、次第に第2流下路3内を流下する遊技球よりも低い位置で流下し、傾斜変化点10を通過すると、該傾斜変化点10の下流側の底面の傾斜角度が上流側よりも大きいので(即ち急角度なので)、流下速度が増加する。この様に、第1流下路2内を流下する遊技球が傾斜変化点10を通過した時点で流下速度が増加すると、該流路内を後から流下してくる遊技球との間隔が増える。
【0033】
合流部分は傾斜変化点10の直後(下流)に位置しているので、急速に流下速度を増して後から流下してくる遊技球との間隔を開いた遊技球(図3(a)(b)中の最先に示す遊技球)は、この間隔が十分に空いた頃に合流部分の終端に近付いている。換言すると、第1流下路2内を流下してきた遊技球が傾斜変化点10を通過して後続の遊技球との間隔が開いた状態で合流部分の合流位置を通過することになる。
【0034】
合流部分では、前記した様に、第2流下路3内を流下してきた遊技球が接近してきており、この第2流下路3からの遊技球は第1流下路2内の遊技球に対して斜め上方から接近してくる。しかも、第2流下路3の側壁12(合流ガイド13)に寄せられて(案内されて)遊技球が第2流下路3から第1流下路2側に入り込む合流位置は、傾斜変化点10を通過して前後間隔が開く位置(傾斜変化点10から下流側2Dの範囲内)に設定してある。そして、第1流下路2内を前後間隔を空けて流下する遊技球に対して、第2流下路3から合流部分に到達した遊技球が互い違いの配置(所謂千鳥配置)となる位置関係にある。このため、第1流下路2に対して斜め上方から接近してきた第2流下路3内からの遊技球は、図3(a),(b),(c)Eに示すように、第1流下路2内を流下している遊技球の前後間隔内に無理なく入り込んで第1流下路2内に合流することができる。
【0035】
この様にして第2流下路3から合流した遊技球および第1流下路2内を流下していた遊技球は、そのまま第1流下路2内を流下してスプロケット5に到達する。そして、スプロケット5の外周に形成してある凹部20内に1個ずつ嵌合し、スプロケット5の回転により揚送される。なお、スプロケット5は、流下してきた遊技球を滞留させることなく揚送する回転数で回転させることができる。したがって、第1流下路2の傾斜変化点10の下流側に遊技球が長い間停止することはない。このため、傾斜変化点10を通過した第1遊技球の前後には確実に前後間隔が広がり、この間隔内に第2流下路3内を流下してきた遊技球が円滑に入り込んで合流することができる。
【0036】
また、遊技球整列樋1に流下してくる遊技球の量が一時的に増大するなど何等かの原因で第1流下路2内の遊技球が一旦停滞しても、スプロケット5の回転により第1流下路2の傾斜変化点10よりも下流側の遊技球が揚送されて第1流下路2内の遊技球が流下すると、第1流下路2の傾斜変化点10を遊技球が通過した時点で当該遊技球の流下速度が増大して前後間隔が広がるので、この間隔内に第2流下路3内からの遊技球が斜め上方から合流することができる。
【0037】
【実施例】
以下、本発明の一実施例を図面にもとづいて説明する。
本実施例における遊技球整列樋1は、図4に示すように、第1流下路2の傾斜変化点10の上流側の傾斜角度を4°、傾斜変化点10の下流側の傾斜角度を12°、第2流下路3の傾斜角度を2°に設定し、合流部分の第1流下路2の底面と第2流下路3の底面との高低差を球径の約半分である6mmに設定する。又、スプロケット5の軸5′の中心を起点にして、第2流下路3の傾斜下端までの距離を55.5mm、分列ガイド15の傾斜下端までの距離を90.5mm、第1流下路2の傾斜変化点10までの距離を87mmにそれぞれ設定してある。したがって、第2流下路3が第1流下路2に合流する合流部分の長さは35mmであり、この合流部分の範囲の中に傾斜変化点10が存在し、その傾斜変化点10の下流側に合流位置が存在する。
【0038】
また、スプロケット5は、遊技球を嵌合する凹部20を12個等間隔(30°ずつの等ピッチ)に形成し、毎分30回転するように構成してある。そして、凹部20の深さは、直径D=11mmのパチンコ球を嵌合した状態でパチンコ球の中心が描く仮想円の直径が55mmになる深さに設定し、この仮想円上の凹部20の弧の長さ(凹部20ピッチ)を14.4mmに設定してある。
【0039】
まず、傾斜変化点10の下流側傾斜角度が適正であることを説明する。即ち、第1流下路2の傾斜によりパチンコ球を不足なく供給できることを説明する。
スプロケット5が30°回転する時間(凹部20がパチンコ球を1個取り込む時間)Tsを求めると、このTs=30/360×60/30=0.1666秒である。
【0040】
傾斜角度が12°の底面上をパチンコ球が1個分(11mm)移動する時間Teを求める。この時間Teは、転がり摩擦係数μ=0.03と仮定すると、次の式▲1▼により求められる。なお、Lは距離(長さ)、Gは重力加速度、αは底面の角度、μは摩擦係数である。
【0041】
L=1/2×G×Te×Te×(sinα−μcosα)…▲1▼
【0042】
この式▲1▼にL=1.1,G=980,α=12°,μ=0.03を代入してTeを求めると、Te=0.112124秒となる。
この様に、本実施例では、Ts>Teの関係が成立するので、スプロケット5へのパチンコ球の供給のための底面の傾斜角度は十分である。
【0043】
傾斜角度4°の底面上をパチンコ球が1個分(11mm)移動する時間、即ち傾斜変化点10の上流側を球1個分移動する時間Ts′を、式▲1▼のTeに代えてTs′として求めると、Ts′=0.23741秒となる。
【0044】
上記したように、傾斜角度12°の底面上をパチンコ球が1個分の距離を流下するために要する時間Teは0.112124秒であり、この時間Te内に傾斜角度4°の底面上を流下するパチンコ球の移動距離L′を式▲1▼によって求めると、L′=0.24536cmとなる。
したがって、図6に示すように、傾斜変化点10上に位置していた遊技球が球1個分(11mm)移動する時間Teに傾斜変化点10に向かって流下してくる次の遊技球の移動距離L′との差が隙間寸法となる。
【0045】
上記したように、スプロケット5がパチンコ球を1個取り込む時間(凹部20内に1個嵌合して送る時間)Ts=0.1666秒であり、この時間Tsに傾斜角度4°の底面上を流下するパチンコ球の移動距離L″を式▲1▼によって求めると、L″=0.542124cm(約5.4mm)となる。
【0046】
次に、上記した隙間に第2流下路3からの遊技球を入り込ませるので、この点について説明する。
【0047】
第2流下路3を流下してきたパチンコ球が第1流下路2を流下しているパチンコ球に合流しようとして、第2流下路3と第1流下路2との高低差h(6mm)を落下する時間tを次の式▲2▼によって求める。
【0048】
h=1/2×G×t×t…▲2▼
【0049】
この式▲2▼により、h=0.6なので、t=0.034993秒となる。
そして、スプロケット5が球を1個取り込む時間Tsが経過する間に、第2流下路3内のパチンコ球が第1流下路2に合流しようとして移動できる距離Lを、式▲1▼を用いて求める。
この場合、第2流下路3から第1流下路2に流下する際の角度を45°、摩擦係数μ=0.03と仮定すると、式▲1▼により、L=9.3357cmとなる。
【0050】
したがって、第1流下路2内を流下して、傾斜変化点10を通過することにより前後に生じたパチンコ球の隙間内に、その隙間ができる時間内に第2流下路3からパチンコ球が入り込む流下速度を有している。
【0051】
そして、第2流下路3からのパチンコ球が第1流下路2内を間隔を空けて流下するパチンコ球の隙間内に入り込む際の角度を検討すると、図8に示すように、第2流下路3からのパチンコ球が第1流下路2のパチンコ球に接触した時の重心のなす角度θは鈍角であり、ブリッジ状になって滞留することはない。
【0052】
したがって、第1流下路2の底面に傾斜変化点10を設けて流下速度をその傾斜変化点10から増大させれば、この時に生じる隙間に第2流下路3からのパチンコ球を合流させることができ、これにより2条の球を1条に整列せしめることができる。
【0053】
次に、第2流下路3の底面の傾斜角度とパチンコ球の動きを、図9に基づいて説明する。
第2流下路3からのパチンコ球が第1流下路2に1個合流して、第1流下路2内の次のパチンコ球が、合流した第2流下路3からのパチンコ球の後を追って合流位置まで移動する間、第2流下路3のパチンコ球は第1流下路2のパチンコ球を乗り越えてはならず、むしろ遅れる方が望ましい。
【0054】
第1流下路2の傾斜変化点10の上流側4°の部分をパチンコ球の半個に相当する5.5mm流下する時間Tを式▲1▼を用いて求めると、T=0.16788秒となる。
【0055】
第2流下路3の下り傾斜角度が2°なので、ここを5.5mm流下する時間を同様にして算出すると、t=0.47775秒となる。
【0056】
傾斜角度4°の第1流下路2をパチンコ球が1個分(11mm)移動する時間Ts′=0.23741秒間に、傾斜角度2°の第2流下路3をパチンコ球が移動する距離Lを、式▲1▼を用いて算出すると、L=0.13582cm(約1.36mm)である。
【0057】
上記した算出値から合流部分のパチンコ球の動きを考えると、第1流下路2の途中に、下流側の下り傾斜角度を大きく設定した傾斜変化点10を設け、この傾斜変化点10の近傍(僅か下流側の位置)を合流位置とすると、合流位置で第2流下路3からのパチンコ球Aが第1流下路2に合流すると、次の第1流下路2のパチンコ球Bが合流部分に向かう。この時、第1流下路2のパチンコ球Bは、次の第2流下路3のパチンコ球Cよりも早く合流位置に流下し、第2流下路3のパチンコ球Cは第1流下路2のパチンコ球Dに押されるようにして合流位置に向かう。この様なパチンコ球の動きは、第2流下路3のパチンコ球の運動エネルギーよりも第1流下路2のパチンコ球の運動エネルギーを大きくして、これにより、ブリッジになりそうな状態で入り込んでくる第2流下路3のパチンコ球を押し出すことができるという球の流れである。したがって、合流位置でのブリッジの発生を防止できる。
【0058】
なお、これまでの説明は、遊技球整列樋を球循環機構の補給機に使用する場合であるが、本発明はこれに限定されるものではない。例えば、弾球遊技機において、球タンクから導出した遊技球を2条から1条に円滑に整列し、この一列に整列した状態で球流下装置に供給し、所定数の遊技球を流下させて排出する場合に使用してもよいし、球流下装置が流下した球を上皿に整列した状態で排出する排出流路に使用してもよいし、球抜き流路に使用してもよいし、或は封入球パチンコ機の封入球循環経路に使用してもよい。そして、第1,第2流下路2,3の底面の傾斜角度は、前記角度に限定されるものではなく、用途などに応じて適宜設計変更することができる。
【0059】
この様に、遊技球整列樋1の下流側に球流下装置を接続して使用する場合には、遊技球整列樋1の第1流下路2の傾斜下端に前記スプロケット収納部4を形成するのではなく、これに代えて球出口を有する接続部を形成し、この接続部を球流下装置などの下流側部材に接続し、遊技球整列樋1によって遊技球を一列に整列した状態で次の球流下装置等に供給する。なお、遊技球整列樋1の接続部は、下流側部材に対して着脱可能な構成にすることが望ましい。
【0060】
球流下装置のシュート、球排出流路や球抜き流路の整列樋などいずれの用途に使用しても、遊技球整列樋1によって遊技球を2条から1条に確実に整列することができるし、嵩張らないので、狭いスペースであっても取り付けることができ、装置全体の小型化に寄与できる。また、従来2条で流下させていた球流下装置を1条で済ませることができれば、球流下装置自体の構造の簡素化を図ることができ、製造も容易になるし、故障も減少し、さらには大きなコストダウンになる。
【0061】
また、本発明は、2条を1条に整列するばかりでなく、複数連続して設ければ順次列を減少させることができ、例えば4条の内の2条を1条に、他の2条も1条にしてから、合流した各条(2条)を再度本発明により1条に整列させることができる。
【0062】
【発明の効果】
以上説明したように本発明によれば、傾斜変化点の下流側で第2流下路を第1流下路に合流させたので、傾斜変化点を通過して後続の遊技球との間に隙間ができたところで第2流下路からの遊技球を合流させることができる。したがって、単に流下路の幅を減少させて合流させる従来の遊技球整列樋に比較して、合流の際の球の動きに無理がなく、円滑且つ確実に合流させることができる。このため、合流部分における球の滞留を確実に防止することができる。
【0063】
また、構造が簡単なので製造が容易であり、全長も短くて嵩張らないので装置全体の小型化を容易ならしめることができるし、可動部材もないので故障の発生も殆どない。
【0065】
請求項2の発明は、合流位置で第1流下路と第2流下路との高低差によって、第2流下路から第1流下路に斜め上方から合流させることができるので、水平方向に合流させる場合に比較して、合流時の遊技球の流下速度を高めて迅速に合流させることができ、合流の確実性を高めることができる。
【0066】
請求項3の発明は、合流部分までは区画壁が第1流下路と第2流下路との間を区画して、両流下路の遊技球が接触することを防止し、合流部分で始めて触れ合うように規制することができる。したがって、合流の時機を確実に採ることができ、一層円滑な合流を行わせることができる。
【0067】
請求項4の発明は、段差の上下で遊技球の接触位置をずらせて、上流側の遊技球の流下圧を分散させることができる。したがって、下流側の遊技球に余分な球流下圧が作用することを防止することができ、流下路の底面の傾斜に応じた球の動きを確実に行わせることができる。このため、傾斜変化点の前後や異なる底面傾斜角度により、遊技球の動きを設計通りに動かすことができ、一層確実に合流させることができる。
【0068】
請求項5の発明は、傾斜変化点の前後で遊技球の流下速度を変えて、これにより前後の遊技球の間に隙間を増大させて、この隙間に遊技球を合流させるので、遊技球の動きに無理が掛からない。したがって、円滑で確実な合流を行わせることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】(a)は遊技球整列樋の一部欠截斜視図、(b)は(a)の遊技球整列樋の上流側から見た端面図、(c)および(d)は(a)の遊技球整列樋の途中の断面図である。
【図2】(a)は遊技球整列樋の平面図、(b)は遊技球整列樋の正面図である。
【図3】(a)は遊技球整列樋の合流部分の拡大平面図、(b)は(a)の遊技球整列樋の拡大側面図、(c)は(a)の遊技球整列樋のA,B,C,D,Eの各部位における断面図である。
【図4】スプロケットの正面図である。
【図5】傾斜角度が12°である底面上を流下するパチンコ球の側面図である。
【図6】傾斜変化点を通過したパチンコ球と後続のパチンコ球との間に隙間ができる状態を示す側面図である。
【図7】合流部分における第1流下路と第2流下路との高低差を示す断面図である。
【図8】合流部分で第2流下路から第1流下路へ合流したパチンコ球を示す正面図である。
【図9】合流部分における第2流下路のパチンコ球の動きを示す正面図である。
【符号の説明】
1 遊技球整列樋
2 第1流下路
3 第2流下路
4 スプロケット収納部
5 スプロケット
6 端面壁
7 第1流下路の側壁
10 傾斜変化点
11 段差
12 第2流下路の側壁
13 合流ガイド
14 段差
15 分列ガイド
16 球均し
20 スプロケットの凹部
Claims (5)
- 遊技球が一列で流下する第1流下路と第2流下路を同じ方向に下り傾斜した状態で並設し、第2流下路の下流端部を第1流下路に合流させて遊技球を一列に整列せしめる遊技球整列樋において、
第1流下路の底面の下り傾斜角度を上流側よりも下流側を大きく設定し、この傾斜角度が変化する傾斜変化点の下流側で第2流下路を第1流下路に合流せしめたことを特徴とする遊技球整列樋。 - 第2流下路の底面の下り傾斜角度を、第1流下路の傾斜変化点の上流側の傾斜角度よりも緩やかな角度に設定して第1流下路の底面と第2流下路の底面との間に高低差を設け、第1流下路への合流部分で第2流下路から第1流下路へ斜め上方から第1流下路内に遊技球が流下するようにしたことを特徴とする請求項1に記載の遊技球整列樋。
- 第1流下路と第2流下路との間に区画壁を立設し、該区画壁の下流側の端部を傾斜変化点の直前に位置させたことを特徴とする請求項1または2に記載の遊技球整列樋。
- 傾斜変化点の上流側の底面に、下流側が低い段差を形成したことを特徴とする請求項1から3のいずれかに記載の遊技球整列樋。
- 遊技球が一列で流下する流下路の底面の下り傾斜角度を傾斜変化点から下流側を大きくして、傾斜変化点を通過した遊技球の流下速度を高めて当該流下路を流下する遊技球間隔を増大せしめ、増大した遊技球間隔内に斜め上方から他の流路を流下してきた遊技球を合流させて2条を1条に整列させることを特徴とする遊技球の整列方法。
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