JP3739095B2 - クロック信号デスキューシステム - Google Patents

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Description

発明の背景
発明の技術分野
本発明は、デジタルシステムの分散された各モジュール間に送られるクロック信号やその他の信号をデスキュー(deskew)するためのシステムに関する。
関連技術の説明
相互に接続された一連の操作モジュールによって構成されたデジタルシステムにおいて、各モジュールに配信される信号のうちの一つは、各モジュール間のデータ転送操作のタイミングを制御するためのクロック信号である。例えば、コンピューターは、いくつかの回路ボード、則ち、基板に装着された中央制御機構とクロック信号ソースを含むモジュールにバックプレーン(backplane)の配線によって相互接続された分散型処理機構を内蔵することができる。バックプレーンの導体のうちのあるものは、上記システムの他のモジュールのそれぞれにクロック信号を送る。回路を適切に操作するためには、クロック信号パルスが各モジュールに実質的に同時に到達すべきである。さもなければ、信頼性のあるデータ伝送が保証されない。しかし、各モジュールは、クロック信号ソースからバックプレーンに沿って色々な距離にあるので、クロック信号パルスは、各回路ボードに同時に到達することはない。そのようなクロック信号のスキュー(skew)は、それがクロック信号の周期と比較して小さな場合である低周波数のクロック信号においては許容される。しかし、クロック信号のスキューがクロック信号周期の重要な部分となる高クロック周波数においては、バックプレーンのデータ伝送の信頼性が無くなる。
信号のスキューは、相互に同期して一緒に動作しなくてはならない分散型構成部材を有する電子機器においても問題となる。例えば、集積回路(IC)テスターは、ホストユニットと、空間的に分散され前記ホストユニットと通信するために相互接続された多重操作モジュールを内蔵することができる。各操作モジュールは、テストのときにICのセパレートピンに対してインタフェースを提供することができる。ときには、操作モジュールは、ICピンに対してテスト信号を伝達することもできるし、または、前記ピンにおいてICによって生み出された出力データを取り込むことができる。ホストユニットの機能の一つは、各操作モジュールの作動を調整することである。例えば、テストの開始を合図するためにホストユニットは各モジュールに対して「開始」信号を伝達することができる。ホストユニットは、また、テスト期間中に操作モジュールの各機能を同期させるために、および、テスト期間中にホストと各モジュール間のデータ伝送の同期をとるために、各操作モジュールにグローバルクロック信号(global clock signal)を伝達することもできる。クロック信号や他の制御信号やデータ信号がいろいろの距離を移動して各モジュールに達した場合、それぞれの信号は異なる時間に各モジュールに達する。そのような制御及びクロック信号のスキューが充分大きな場合、スキューは結果的に各モジュール操作のタイミングの食い違いを引き起こし、各モジュールとホストユニット間の同期のとれた通信に悪い影響を及ぼすこととなる。
1994年11月29日付でWatson等に特許付与された米国特許第5,369,640号は、ソースから各操作モジュールにセパレート式の伝達線を配することにより、更に、それらの伝達線の全てが同じ長さを有するように伝達線を調節することによって、操作モジュールを遠隔操作するために送られるクロック信号のスキューを少なくするシステムを記載している。しかし、この信号のスキューの問題に対する「スター式のバス」による解決策は、非常に多くの操作モジュールを有するシステムにおいては多少実用的ではない。なぜならば、非常に多くの伝達線が信号ソースから出て行かなくてはならないからである。
クロック信号のスキューを無くするための他の方法が、1984年5月8日付でTague等に特許付与された米国特許第4,447,870号に記載されている。ここでは、クロック信号が各操作モジュールに到達した後にクロック信号を更に遅延するために、調節可能な遅延回路が各操作モジュールに設けられている。各操作モジュールの遅延回路は、クロック信号伝達線の遅延と調節可能な遅延回路によってもたらされた遅延の総和が基準の遅延と同等になるように調節される。この方法は、バックプレーンにおけるように、全ての操作モジュールに接続された単一の伝達線を介して各操作モジュールにクロック信号を出力させる。しかし、この方法は、各操作モジュールの遅延回路を手動で調節する時間のかかる困難なプロセスを必要とする。更に、操作モジュールが伝達線に沿って新たな位置に移動したときにはいつでもそのクロック遅延回路が再調整されなければならない。
1994年11月1日付でGroverに特許付与された米国特許第5,361,277号は、いくつかの分散された回路モジュールのそれぞれに位相同期のとれたクロック信号を送るシステムを記載している。このシステムは、各モジュールに配線された、並行する「送出」伝達線と「復帰」伝達線を採用している。クロックソースは、送出伝達線に送出クロック信号を順次各モジュールに向かって伝達し、その後最後のモジュールを越えて送出伝達線と復帰伝達線が一緒に結着された遠隔分岐点へと伝達する。その後、クロック信号は、前記遠隔分岐点から帰り、復帰伝達線を通って前記とは逆の順序で各モジュールを通過する。各モジュールのデスキュー(deskew)回路(時間軸補正回路)は、伝達線がモジュールを通過するように、各伝達線と接続する。デスキュー回路は、送出クロック信号と復帰クロック信号のそれぞれの位相を監視し、送出クロック信号の位相と復帰クロック信号の位相の間の中間の位相を有するローカルクロック信号を生み出す。すべてのデスキュー回路によって発生されたローカルクロック信号は、クロックソースからのモジュールの距離がいかようであっても、全て同位相である。Groverは、送出クロック信号と復帰クロック信号の中間の位相を有するローカルクロック信号を発生するための比較的に複雑な各種の回路を記載している。これらの回路は、カウンター、発振器、ランプジェネレーター及び/又は分周回路に依存しているが、それらは実現することが難しいか、ジッタを起こすことがあるか、それ自体がデジタルIC技術に向いていないか、又は、モジュールを実現するICに組み込んだときには相当な集積回路空間を必要とするようなものである。Groverによって教示された、時間間隔を半分にして位相同期をとる技術は、ローカルクロック回路レイアウトにとって位相誤差の原因となるパスのばらつきを修正するものではない。更に、大規模に分散されたプロセッサシステムや複雑な集積回路設計のために用いられたときには、クロックファンアウト、則ち、分散数は重要な問題となる。そのようなシステムにおいては、クロック信号は幾百若しくは幾千のモジュールに配信させねばならない。非常に多くの回路モジュールをドライブすることのできる単一のクロックソースは実現が難しい。
必要なものは、同期のとれたクロック信号とデータ信号を同期式のデジタル回路モジュールの空間的に分散されたモジュールに送出するためのシステムである。このシステムは、デジタル集積回路製造技術に向いているし、各モジュール又は回路クラスタにおいてハルビング(halving)回路又は電圧制御式発振器若しくは複雑な回路を必要としない。このシステムは、また、比較的にノイズ又は温度変化の影響を受けないし、レファレンスクロック信号のファンアウトを最小にする。
発明の開示
信号デスキューシステムは、同期式電子システムの分散された各回路モジュールに連続的に配線された「送出」伝達線と「復帰」伝達線を採用している。前記送出伝達線の一端に接続したクロック信号ソースは、送出伝達線から下流に順次各モジュールに送出クロック信号を送る。送出伝達線と復帰伝達線は、送出クロック信号が送出伝達線の一端に達したときに復帰伝達線を介して逆の順序で各モジュールに復帰するように、遠隔端で相互接続される。
本発明の一の態様に関して、各モジュール近傍のデスキュー回路は、送出伝達線と復帰伝達線に接続して、送出クロック信号と復帰クロック信号を受信する。各デスキュー回路は、第一の調節可能な遅延回路に送出クロック信号を送信しモジュールのためのローカルクロック信号を発生する。ローカルクロック信号は、同様の第二の調節可能な遅延回路に送られて、レファレンスクロック信号を発生する。デスキュー回路は、レファレンスクロック信号が復帰クロック信号と同位相になるように前記第一と第二の回路の遅延を制御する位相同期コントローラーを内蔵する。第一と第二の遅延回路によって生み出された遅延が同一なので、ローカルクロック信号はデスキュー回路に達した、送出クロック信号の位相と復帰クロック信号の位相の中間の位相を有する。全てのモジュールの近傍のデスキュー回路によって、この方法により発生されたローカルクロック信号は、クロックソースからの送出伝達線と復帰伝達線に沿ったモジュールの距離がどのようなものであっても、同じ位相となる。
本発明の他の態様に関しては、一組の第三の遅延回路が各デスキュー回路に内蔵されている。第三の遅延回路は、それぞれ、第一と第二の遅延回路と同じものであり、回路モジュールのうちの一つのデータ入力端子を全てのデスキュー回路に配線されたデータバスのラインに接続する。データバスの各ラインは、第一と第二の伝達線と同様に、各モジュール間で同じ長さと同じ伝送速度を有する。各デスキュー回路の位相同期コントローラーは、第三の遅延回路の遅延が第一と第二の遅延回路の遅延と整合するように第三の遅延回路を調節する。クロックソース近傍に配置された「ホスト」回路モジュールがバスライン上にデータ信号を伝達したときには、データ信号は該ライン上を全てのデスキュー回路に向かって移動する。該信号は、デスキュー回路とホストの間の距離のばらつきによって、異なる時間にデスキュー回路に到達する。しかし、前記ラインを対応する回路モジュールの入力端子に接続する全てのデスキュー回路の第三の遅延回路は、それが各ローカル回路モジュールに同時に到達するように、適切にデータ信号を遅延する。更に、ホストモジュールがクロックソースの近傍にあり実質的な遅延をすることなく送出クロック信号を受信し、更に、ホストモジュールが若干の時間送出クロック信号のサイクルに関連してデータ信号を伝達する場合には、該信号はローカルクロック信号のサイクルに関連して同様の時間で他のモジュールに到達する。
よって、本発明の信号デスキューシステムは、空間的に分散された回路モジュールに伝達されたクロック信号をデスキューするだけでなく、ホスト回路モジュールと遠隔の回路モジュールとの間でデータ信号伝送の同期も取るものである。提案されたシステムがクロックリカバリーシステムの不可欠な部分である同一の遅延構成部品を組み込んでいて、ローカル回路パスのばらつきとモジュールの遅延がデレイ・ロック・ループの重要部分であるので、ローカル回路パスのばらつきとモジュールの遅延は本来的に補償される。
本発明の別の態様に関しては、信号デスキューシステムは、拡張されて、回路モジュールのM×Nアレイに同期のとれたクロック及びデータ信号伝送を提供する。N個のデスキュー回路のそれぞれによって発生されたローカルクロック信号は、クロック信号として、整合した送出伝達線と復帰伝達線を介してM個のデスキュー回路の各行に供給される。各N行のM個のデスキュー回路は、それぞれ、対応するローカル回路モジュールに供給されるローカルクロック信号を発生する。この本発明の別の態様は、蓄積された位相のジッタを最小限にすると共に、クロック信号が非常に多くの数の回路モジュールに供給されねばならないときのクロック信号のファンアウトを減少する。
よって、デジタル論理システムの空間的に分散したモジュールに、同期のとれたクロック信号を送出するためのシステムを提供することが本発明の目的である。
更に、回路モジュールのホストモジュールと各ローカルモジュールの間に同期をとってデータ信号の送出を行うためのシステムを提供することも本発明の他の目的である。
この明細書の最終部分は、本発明の主題を特に指摘すると共に明確にその権利を請求している。しかし、当業者は、同じ参照符号が同じ部材を指し示している添付の図面に鑑み、明細書の残りの部分を読むことによって、本発明の構成と実施方法の双方を、その効果と目的と共に、最もよく理解する。
【図面の簡単な説明】
図1は、本発明の信号デスキューシステムを示すブロック図である。
図1Aは、図1の回路に挿入しうる任意の増幅器を示す略図である。
図2は、図1の代表的なローカルデスキュー回路をより詳細に示した略図である。
図3は、図1のクロック信号間の位相の関係を示したタイミング図である。
図4は、図1の調節可能な遅延回路をより詳細に示した回路図である。
図5は、図1の位相同期コントローラーをより詳細に示した回路図である。
図6は、本発明の別の実施の態様の信号デスキューシステムを示したブロック図である。
好適実施例の説明
図1は、ブロック図形式により、本発明の信号デスキューシステム10を示している。そのデスキューシステム10は、一組のN個のローカルクロック信号CLKL(1)−CLKL(N)を、分散された電子システムの対応する一組のローカル回路モジュール12(1)−12(N)(宛先サイト)に送出する。各ローカル回路モジュールは、ホストモジュール12(0)からのデータ信号、又は、制御信号に応答して論理操作を実行すると共に、それらの操作は、ローカルモジュールの入力ローカルクロック信号と同期が取られている。デスキューシステム10は、ローカル回路モジュール12(1)−12(N)の操作が厳密に同期がとれるように、全てのローカルクロック信号CLKL(1)−CLKL(N)が互いに同期がとれるようにすることを確実にする。
ローカルクロック信号CLKL(1)−CLKL(N)は、クロック信号ソース14によって発生された矩形波クロック信号CLKAに由来する。クロック信号CLKAは、信号導線(「送出」伝達線16)に沿って往路において、ソース14から遠隔のノード24に移動する。送出伝達線16と同じ伝搬速度を有する他の導線(「復帰」伝達線18)は、ノード24で伝達線16に結合される。伝達線16と18は、クロックソース14(第一のサイト)と遠隔ノード24(第2のサイト)の間で実質的に同じ経路をたどる。しかし、クロック14に最も近い伝達線18の端部は、その特性インピーダンス17によって、ターミネートされるが、クロックソース14とは接続しない。よって、ソース14によって発生した各クロック信号パルスは、往路においてソース14から伝達線16をノード24まで移動し、その後、伝達線18に沿って、ソース14に向かって復帰し、無反射でインピーダンス17においてターミネートする。
ここにおいて、伝達線16上をノード24に向かって移動するクロック信号パルスは、「CLKA」信号パルスと呼ばれ、伝達線18上をノード24から復帰するクロック信号パルスは、「CLKB」信号パルスと呼ばれる。伝達線16と18の固有の遅延により、「CLKA/CLKB」信号の見かけの位相は、伝達線16と18に沿って信号が調べられる箇所に依存する。以下に検討するように、デスキュー回路は、ノード24に現われたときのCLKA/CLKB信号に同期する一組のローカルクロック信号CLKL(1)−CLKL(N)を発生する。以下において、ノード24に現われたCLKA/CLKB信号は、CLKREF信号と呼ばれる。
図1Aは、図1の伝達線16と18のノード24の接点に挿入される任意の増幅器25を図示する。この増幅器は、伝達線16と18が比較的に長い場合に信号の減衰を減ずるものであって、他の点では以下に記載する回路操作に影響をあたえるものではない。
再び図1に言及すると、各ローカル回路モジュール12(1)−12(N)のためのデスキューシステム10は、対応するデスキュー回路15(1)−15(N)を含んでいる。K番目(ここでKは0からNまでの間の何れかの数字)のデスキュー回路15(K)の一つの目的は、ノード24でレファレンス信号CLKREFに同期するローカルクロック信号CLKL(K)を発生することである。デスキュー回路15(1)−15(N)は、ノード24から様々な距離において伝達線16と18に接続するが、ノード24に現れるレファレンス信号CLKREFの位相を直接的に観測するものではない。しかし、K番目のデスキュー回路15(K)は、間接的に、信号CLKAとCLKBが伝達線16と18に到達したときの両信号の各位相から信号CLKREFの位相を確認する。K番目のデスキュー回路15(K)は、タップ20(K)と22(K)における伝達線16と18を監視する。タップ20(K)と22(K)は、それぞれ伝達線16と18に沿ってノード24から実質的に同じ距離にある。以下の検討のために、何れかのタップ20(K)に到達した送出CLKAクロック信号CLKAを「CLKA(K)」と表記し、タップ22(K)に到達した復帰クロック信号CLKBを「CLKB(K)」と表記する。
図2は、図1の代表的なローカルデスキュー回路15(K)(K>0)を図示している。図2に示されているように、ローカルデスキュー回路15(K)は、タップ20(K)に到達したCLKAパルスがまず第一の遅延回路26を通過し、そして、第2の遅延回路28も通過するように、接続される同一対の遅延回路26と28を内蔵する。デスキュー回路15(K)の遅延回路26と28は、同じ遅延時間DELAY(K)だけ、CLKA(K)信号を連続的に遅延して、遅延回路26の出力にローカルクロック信号CLKL(K)を発生すると共に、遅延回路28の出力にローカルレファレンスクロック信号CLKC(K)を発生する。遅延時間DELAY(K)の大きさは、位相同期コントローラー30によって発生されて各遅延回路26と28の制御入力に供給されるアナログ信号VPLLにより制御される。位相同期コントローラー30は、ノード22(K)のCLKB(K)信号の位相をローカルレファレンスクロック信号CLKC(K)の位相と比較するための位相比較器32を内蔵している。比較器32は、信号CLKC(K)がCLKB(K)よりも遅れているときにはその出力信号をハイにドライブし、信号CLKC(K)がCLKA(K)よりも進んでいるときにはその出力信号をローにドライブする。コントローラー30は、また、比較器32の出力をローパスフィルタしてコントロール信号VPLLを発生するループフィルタ回路34を内蔵する。コントローラー30は、信号CLKC(K)を信号CLKB(K)と同期がとれるように、出力VPLLの大きさを調節する。全てのデスキュー回路15(K)において、信号CLKC(K)が信号CLKB(K)と同期がとれることにより、全てのローカルクロック信号CLKL(1)−CLKL(N)は、互いに同期がとれ、更に、ノード24においてレファレンスクロック信号CLKREFとも同期がとれる。
図3は、デスキュー回路15(K)の信号CLKA(K)、CLKB(K)、CLKC(K)、CLKREF、CLKL(K)間のタイミングの関係を図示している(A−Eは、それぞれ波形である)。図1と図2に関連して、遅延回路26と28が同じ遅延D(K)を発生するので、信号CLKL(K)はD(K)分だけ信号CLKA(K)よりも遅れ、D(K)分だけ信号CLKC(K)よりも進んでいる。従って、ローカルクロックCLKL(K)は、CLKA(K)とCLKC(K)の中間の位相を有する。ノード22(K)において信号CLKC(K)が信号CLKB(K)と同期がとれるので、ローカル信号CLKL(K)もCLKA(K)とCLKB(K)の中間の位相を有する。伝達線16と18は、ノード24とタップ20(K)の間と、ノード24とタップ22(K)の間では長さが同じであり、また、伝達線16と18は同じ伝搬速度を有するので、CLKAクロック信号パルスは、タップ20(K)からノード24に移動するのに、CLKBパルスがノード24からタップ22(K)に復帰移動するのに必要な時間と同じ時間を要する。よって、ノード24におけるレファレンスクロック信号CLKREFは、ローカル信号CLKA(K)とCLKBの中間の位相にある。クロック信号CLKREFとローカルクロック信号CLKL(K)は、クロック信号CLKA(K)とCLKB(K)の中間の位相にあるので、各ローカルクロック信号CLKL(K)は、レファレンスクロック信号CLKREFと同期がとれる。従って、全てのローカルクロック信号CLKL(1)−CLKL(N)は互いに同位相である。
図4は、図2の調節可能な遅延回路26と28の適切な具体例を図示している。この調節可能な遅延回路は、直列に接続された一連のCMOSインバータ40を含む。インバータ40は、入力信号INを連続的にインバートして出力信号OUTを発生する。信号VPLLは、インバータに電力を供給するものである。信号VPLLの大きさでインバータのスイチング速度を制御し、従って、回路遅延の全体を制御する。遅延回路によって発生された遅延の範囲は、インバータの段数を調節することによって調節される。
図5は、図1の位相同期コントローラー30の適切な具体例を図示している。この回路は、信号CLKB(K)によってクロックされ、CLKC(K)信号を受信するD入力を有するフリップ−フロップ44を含む。信号CLKC(K)が信号CLKB(K)よりも進んでいるときは、フリップ−フロップ44の出力Qはハイ状態にあり、信号CLKC(K)が信号CLKB(K)よりも遅れているときは、フリップ−フロップ44の出力Qは、ロー状態にある。Q出力は、入力として、電源電圧VDDに接続されたCMOSインバータ回路46に供給され、抵抗48と50を通して接地する。インバータ46の出力は、Q出力がハイ状態にあるときは容量52を放電し、Q出力がロー状態にあるときには容量52を充電する。ユニティ・ゲイン増幅器54は、容量52の両端の電圧を増幅して図1の遅延回路26−28に供給される制御信号VPLLを発生する。
図1にまた関連して、ホスト回路モジュール12(0)は、クロックソース14の近傍に配置され、クロックソース14から信号CLKAを実質的に遅れることなく受信する。ホストモジュール12(0)は、一組の伝達線60によって構成される並行バスを介して、データ信号、又は、制御信号を送ることによってローカル回路モジュール12(1)−12(N)と通信する。伝達線60は、クロックソース14の近傍に発して、伝達線16と18の経路に接近してノード24近傍の遠隔点24′にまでたどるが、伝達線16と18と同じ信号伝搬速度を有する。図1及び図2に示すように、K番目のローカルデスキュー回路15(K)は、別の遅延回路27を含んでいる。ローカルデスキュー回路15(K)の遅延回路27は、伝達線60のうちの一つに対応し、K番目のローカル回路モジュール12(K)の入力端子を対応する伝達線60に連結する。K番目のローカルデスキュー回路15(K)は、ポイント23(K)で伝達線60と接続し、それによって、ホストモジュール12(0)からデータ信号を受信する。ここで、K番目のタップ23(K)に到達したデータ信号(DATA)を、「DATA(K)」信号と呼ぶ。K番目のローカルデスキュー回路15(K)にとって、伝達線60上のタップ23(K)の遠隔ノード24′からの距離は、伝達線14と16上でタップ20(K)と22(K)のノード24からの距離と同じ距離にある。
図2に関連して、デスキュー回路15(K)の各遅延回路27は、データ線60に到達した入力データ信号DATA(K)を遅延し、そして、それをローカル回路モジュール12(K)にローカルデータ信号DATL(K)として送る。各デスキュー回路15(K)の遅延回路27は、遅延回路26と28と同じものであり、同じ信号VPLLによって制御される。よって、デスキュー回路15(K)の各遅延回路27によって生み出される遅延は、遅延回路26と28によって生み出される遅延DELAY(K)と実質的に同じである。ホスト回路モジュール12(0)が伝達線60のうちの一つにおいて下流側にデータ信号パルスDATAを伝達したときには、信号パルスはパルスデータDATA(K)として、各デスキュー回路15(K)に異なる時間に到達する。しかし、遅延回路27は、ホスト回路モジュール12(0)からのデータ信号パルスDATAが、ローカルデータ信号DATL(K)として、全てのローカル回路モジュール12(K)に同時に到達するように、送出データパルスDATA(K)を遅延してホスト回路モジュール12(0)と何れかのタップ23(K)との間の信号移動時間差を補正する。特に、ホストモジュールが、CLKA信号の入力パルスの立ち上がり縁に続いて多少の時間間隔をあけてデータ線60にデータ信号パルスを伝達したときには、データ信号パルスは、そのローカルクロック信号のパルスの立ち上がり縁に引き続いて同様の時間間隔の後に各ローカル回路モジュールに到達する。従って、システム10は、ホストモジュールに全てのローカルモジュールに対して同時にデータ信号パルスDATAを伝達することを許容するばかりでなく、データ信号パルスDATAがローカルモジュールに到達するCLKAサイクル中のタイミングを、ホストモジュールが検知できるようにする。
このように、図1のデスキューシステム10は、全てのローカル回路モジュール12にローカルクロック信号を供給する。ローカルクロック信号は、各回路モジュールとレファレンスクロックソース14の間の距離が異なるにもかかわらず、互いに位相が同じである。デスキューシステム10は、また、バスライン60上で、ホスト回路モジュール12(0)からローカル回路モジュール12(1)−12(N)へのデータ信号を同時に到達させると共に、前記の信号が各ローカルクロック信号サイクル期間中において回路モジュールにいつ到着するのかをホスト回路モジュールが検知することを可能にする。このクロック信号とデータ信号のタイミングの厳密な同期は、分散されたホスト回路モジュールとローカル回路モジュールとレファレンスクロックソース14の間の信号経路距離が不均一であるにもかかわらず、ホストモジュールのコントロールの下に、分散された回路モジュール12(1)−12(N)が高周波数で同期動作をすることを可能にする。
図6は、ローカル回路モジュールL(1、1)−L(N、M)(宛先サイト)の大規模なN×Mアレイに、同期のとれたクロック信号とデータ信号を提供するのに適している本発明の別の実施の態様の信号デスキューシステムを図示している。この別のデスキューシステム100は、クロックソース114と、一対の伝達線116と118と、データバス160と、一組のデスキュー回路D(1)−D(N)を含んでいる。伝達線116は、クロックソース114から伝達線116と118が相互接続されている遠隔ノード124に信号CLKAを伝える。伝達線118は、更に、ノード124からクロックソース114近傍の特性インピーダンス終端117に向かって信号CLKBを伝える。デスキュー回路はD(1)−D(N)は、伝達線116と118に接続して信号CLKAとCLKBを取り込み、図1のデスキュー回路15(1)−15(N)と同様の方法で動作して同様の出力ローカルクロック信号CLKL(1)−CLKL(N)を発生する。デスキュー回路D(1)−D(N)は、また、データバス160にも接続し、図1のデスキュー回路15(1)−15(N)のそれと同様な方法で入力データ信号DATAを取り込んで遅延する。
しかし、K番目のデスキュー回路D(K)(Kは1からNまで)の出力ローカルクロック及びデータ信号CLKL(K)は、図1のシステム10におけるように、ローカル論理回路に直接供給されるものではない。その代わり、各ローカルクロック信号CLKL(K)は、送出伝達線116(K)を介して、遠隔ノード124(K)に送られ、ノード124(K)から復帰伝達線118(K)を介してデスキュー回路D(K)近傍の終端インピーダンス117(K)に復帰する。デスキュー回路D(K)のローカルデータ出力DATL(K)は、伝達線116(K)と118(K)の経路に接近して通ると共に、それらと同じ伝搬速度を有するデータバス160(K)上を往路上において伝達される。一組のM個のデスキュー回路D(K、1)−D(K、M)は、伝達線116(K)と118(K)とデータバス160(K)と接続し、送出パルス及び復帰パルスCLKL(K)を取り込むと共に、ローカルデータ信号DATL(K)も取り込む。
デスキュー回路D(1、1)−D(N,M)は、それぞれ、図2のデスキュー回路15(1)又は15(K)と同じものであり、同じように働いて伝達線116(K)と118(K)の接点に現れた送出ローカルクロック信号と復帰ローカルクロック信号の中間の位相にある出力ローカルクロック信号を発生する。従って、デスキュー回路D(K、1)−D(K、M)によって生み出された出力クロック信号は、レファレンス信号CLKREF(K)として遠隔ノード124(K)に現れたデスキュー回路D(K)のローカルクロック信号出力と同位相である。
全てのローカルクロック信号CLKL(1)−CLKL(N)が互いに同位相であり、そして、同じ長さで同じ伝搬特性を有する伝達線116(1)−116(N)と118(1)−118(N)を使用しているので、ノード124(1)−124(N)の全てのレファレンスクロック信号CLKREF(1)−CLKREF(N)は、互いに同位相となる。従って、全てのデスキュー回路D(K、P)(Kは1からNまで、Pは1からMまで)によって生み出されたローカルクロック出力信号は、互いに同位相となる。
この実施の態様においては、クロックソース114近傍に配置されたホストモジュール112は、伝達線116と118の経路と同じ経路を取り同じ信号伝搬特性を有するデータバスライン160上を往路において他のモジュールに向かってデータを伝達するように働く。ホストモジュール112がバス160を介してデータ信号パルスDATAを伝達したとき、種々のデスキュー回路の遅延回路は、データパルスDATAが全てのローカル回路モジュールL(K、P)に同時に到達することを確実にする。その上、もし、ホストモジュールが信号CLKAの立ち上がり縁の受信後に既知の多少の時間間隔をあけてデータ信号DATAを伝達する場合には、前記パルスは入力ローカルクロック信号パルスの立ち上がり縁に続いて同じ時間間隔の後に各ローカル回路モジュールに到達する。
図6の二次元アレイシステム100は、それがクロック信号CLKA、CLKBのファンアウトを減少するという点で、図1の一次元アレイシステム10に比べて有利である。例えば、システムが400個のローカル回路モジュールを有する場合には、図1のクロックソース14はそのクロック信号を400個のモジュール全てに供給しなければならない。一方、ローカル回路モジュールの20×20アレイに役立つように、図6のシステムを使用すると、クロックソース114はたった20個のデスキュー回路を駆動する必要があるだけである。また、所定数のローカル回路モジュールにとって、図6の二次元アレイシステムは、より少ないクロック信号のジッタ(jitter)を示す。
図6はデスキュー回路とモジュールの普通のアレイを図示しているが、このアレイは論理的にのみ描かれていて必ずしも空間的ではないことを意図していることが理解されるべきである。則ち、デスキュー回路若しくは論理モジュールが図示されたように縦横に物理的に配設される必要はない。データ信号線とクロック信号線が図示された順序で各モジュールに配線されることだけを意図するものである。
図6の二次元システムが、直接的にローカル回路モジュールをクロックするためにデスキュー回路の他のアレイを使用する代わりに、デスキュー回路D(1、1)−D(N、M)のローカルクロック出力を送出伝達線/復帰伝達線を介してデスキュー回路の他のアレイに供給することによって、三次元(若しくはそれ以上の次元)に拡張されうることも理解されるべきである。従って、本発明のデスキューシステムは、発展されて、比較的に低クロック信号ファンアウトを有するローカル回路モジュールの非常に大規模の多次元アレイの同期を取ることができる。
本明細書の上記の記述は本発明の好適な実施の形態を記載したものであるが、当業者は、本発明から逸脱することなくその様々な面において該好適な実施の形態に対し多くの修正を加えることができる。例えば、信号導線16と18を光ファイバー線とし、それらが送るクロック信号を変調された光信号とするようにしてもよい。そのような場合には、デスキュー回路15は、変調された光信号を電気信号CLKAとCLKBに変換するための周知の回路を含む。従って、以下に記載される請求の範囲は、本発明の真の範囲と精神の範囲内にある全ての修正を保護することを意図するものである。

Claims (14)

  1. 電子回路の空間的に分散されたモジュールに対し同期のとれたローカルクロック信号を発生するための装置であって、該装置が、
    第1のサイトで第1のクロック信号を発生する手段と、
    前記第1のクロック信号を前記第1のサイトから第2のサイトに伝え、そして、第2のサイトから第1のサイトに向かって第2のクロック信号を復帰させる第1の信号伝達手段であって、該第2のクロック信号が前記第1のクロック信号に応じて前記第2のサイトで発生されるものと、
    データ信号を伝える第2の信号伝達手段と、
    それぞれのデスキュー回路がモジュールの各個に対応している複数のデスキュー回路であって、各デスキュー回路が接続されていて前記第1の信号伝達手段から第1と第2のクロック信号を受信し、第1と第2のクロック信号の間の位相的な関係に比例してデスキューした遅延状態で第1のクロック信号を遅延し、それによって対応するモジュールに対してローカルクロック信号を発生するものとから成り、
    前記各デスキュー回路が、更に、前記第2の信号伝達手段とそれに対応する回路モジュールとの間に前記データ信号を前記デスキューした状態の遅延と同等の遅延を有して送る手段を具備している装置
  2. 前記各デスキュー回路が、
    前記第1の信号伝達手段から前記第1のクロック信号を受信して、調節可能な第1の遅延時間だけ前記第1のクロック信号を遅延し、対応するモジュールに対してローカルクロック信号を発生する第1の遅延手段と、
    前記第1の遅延手段から前記ローカルクロック信号を受信して、調節可能な第2の遅延時間だけ前記ローカルクロック信号を遅延し、ローカルレファレンス信号を発生する第2の遅延手段と、
    前記ローカルクロック信号と前記第2のクロック信号を受信して、前記ローカルレファレンス信号が該第2のクロック信号と同位相になるように、前記第1と第2の遅延時間を同じ値にするように調節する位相同期手段とから成ることを特徴とする前記請求の範囲第1項に記載の装置
  3. 前記各デスキュー回路が、調節可能な第3の遅延時間を有して、前記第2の信号伝達手段とそれに対応するモジュールとの間にデータ信号を送る第3の遅延手段を具備しており、前記位相同期手段が前記第1と第2の遅延時間を同じになるように第3の遅延時間を調節することを特徴とする前記請求の範囲第2項に記載の装置
  4. 前記第1の信号伝達手段が、前記第1のサイトから順次前記各デスキュー回路に配線され、更に、第2のサイトにも配線される第1の導体と、前記第2のサイトにおいて、前記第1の導体に接続し、該第2のサイトから逆順で前記各デスキュー回路に配線される第2の導体とから成り、
    前記第2の信号伝達手段が、前記各デスキュー回路に順次配線された第3の導体とから成り、
    更に、第1と第2と第3の導体が同じ信号伝搬速度を有し、各デスキュー回路間で同じ長さを有することを特徴とする前記請求の範囲第1項乃至第3項のうちのいずれか一項に記載の装置
  5. 前記第1の信号伝達手段が、
    前記第1のクロック信号を伝える第1の導体であって、前記第1のサイトから順次前記各デスキュー回路に配線され、更に、第2のサイトにも配線されるものと、
    前記第2のクロック信号を伝える第2の導体であって、前記第2のサイトにおいて前記第1の導体に接続され、該第2のサイトから逆順で前記各デスキュー回路に配線される第2の導体とから成ることを特徴とする前記請求の範囲第1項に記載の装置
  6. 前記第1の信号伝達手段が、
    前記第1のサイトから順次前記各デスキュー回路に配線され、更に、第2のサイトにも配線される第1の導体と、
    前記第2のサイトから逆順で前記各デスキュー回路に配線される第2の導体と、前記第1の導体から前記第1のクロック信号を受信して、該第1のクロック信号を増幅して、前記第2のクロック信号を生成し、更に、前記第2の導体を介して前記第2のクロック信号を伝達する前記第2のサイトの増幅手段とから成ることを特徴とする前記請求の範囲第1項に記載の装置。
  7. 前記第1と第2の導体が同じ信号伝搬速度を有し、各デスキュー回路と前記第2のサイトの間で同じ長さを有することを特徴とする前記請求の範囲第5項又は第6項に記載の装置。
  8. 電子回路の行列アレイモジュールの各モジュールに個別にローカル信号を提供する装置であって、該装置が、
    第1のサイトで第1のクロック信号を発生する手段と、
    それぞれがモジュールの個々の行に対応している複数の第1のデスキュー回路であって、該各第1のデスキュー回路が、出力ローカルクロック信号を対応するモジュール行の個々のモジュールに供給するものと、
    複数行の第2のデスキュー回路であって、それぞれの行が前記第1のデスキュー回路の各個に対応しているものと、
    前記第1のサイトから順次前記第1のデスキュー回路のそれぞれに第1のクロック信号を伝え、更に、第2のサイトにも伝え、更に、前記第2のサイトから前記第1のデスキュー回路のそれぞれに逆順で第2のクロック信号を復帰する第1の信号伝達手段であって、該第2のクロック信号が前記第1のクロック信号に応じて前記第2のサイトにおいて発生され、各第1のデスキュー回路が前記第1の伝達手段から第1と第2のクロック信号を受信して、第1と第2のクロック信号の間の位相的な関係に比例してデスキューした遅延状態で第1のクロック信号を遅延し、それによって、各第1のデスキュー回路が前記第2のデスキュー回路の対応する行に対して個別に第1のローカルクロック信号を発生するものと、
    それぞれが前記第1のデスキュー回路のうちの一つに対応すると共に、第2のデスキュー回路の行にも対応する複数の第2の信号伝達手段であって、対応する第1のデスキュー回路によって生み出された第1の送出ローカルクロック信号を第2のデスキュー回路の対応する行に順次送り、更に、遠隔サイトにも送り、そして、該遠隔サイトから第1のローカルクロック信号を対応する行の第2のデスキュー回路のそれぞれに逆順で復帰するものとから成り、
    第2のデスキュー回路のそれぞれが、前記第2の伝達手段から送出及び復帰する第1のローカルクロック信号を受信し、受信した第1の送出ローカルクロック信号と第1の復帰ローカルクロック信号と間の位相的な関係に比例してデスキューした遅延状態で第1の送出ローカルクロック信号を遅延し、それによって、前記モジュールのうちの対応するものに対して第2の出力ローカルクロック信号を発生する手段とから成ることを特徴とする装置。
  9. 前記第1のデスキュー回路のそれぞれが、
    前記第1の伝達手段から前記第1のクロック信号を受信して、調節可能な第1の遅延時間だけ前記第1のクロック信号を遅延し、その出力ローカルクロック信号を発生する第1の遅延手段と、
    前記第1の遅延手段から前記ローカルクロック信号を受信して、調節可能な第2の遅延時間だけローカルクロック信号を遅延し、ローカルレファレンス信号を発生する第2の遅延手段と、
    前記ローカルレファレンス信号と前記第2のクロック信号を受信して、該ローカルレファレンス信号が該第2のクロック信号と同位相になるように、前記第1と第2の遅延時間を調節する位相同期手段とから成ることを特徴とする請求の範囲第8項に記載の装置。
  10. 複数の空間的に分散された回路モジュールのそれぞれに対し同期のとれたローカルクロック信号を提供し、該各モジュールを接続するデータ線からモジュールに伝達されるデータ信号の伝達を制御する方法であって、該方法が、
    第1の伝達線を介して、前記回路モジュールのそれぞれに第1のクロック信号を順次送出し、そして前記第1の伝達線の遠隔端にまで送る工程と、
    前記第1のクロック信号に応じて、前記遠隔端において第2のクロック信号を発生する工程と、
    前記第1の伝達線と前記遠隔端において接続した第2の伝達線を介して、前記第1の伝達線の遠隔端から逆順で前記回路モジュールのそれぞれに前記第2のクロック信号を送出する工程と、
    前記第1のクロック信号が各回路モジュールに到達したときに、前記第1と第2のクロック信号の間の位相関係に比例して調節可能な第1の遅延時間だけ前記第1のクロック信号を遅延し、それによって、前記各回路モジュールにおける個別のローカルクロック信号を発生する工程と、
    調節可能な第1の遅延時間に相当する遅延を有して、各モジュールとデータ線の間のデータ信号の伝達を遅延する工程とから成る方法
  11. 各回路モジュールにおいて調節可能な第2の遅延時間だけローカルクロック信号を遅延し、それによって、前記回路モジュールのそれぞれにおいて個別のレファレンスクロックを発生する工程と、前記第2のクロック信号が前記第2の伝達線上で前記モジュールに到達したときに前記モジュールにおいて前記第2のクロック信号に対して基準クロックを位相同期するように前記第1と第2の遅延時間を調節することを特徴とする前記請求の範囲第10項に記載の方法。
  12. の遅延時間を前記第1の遅延時間と同等になるように調節する工程を具備することを特徴とする前記請求の範囲第11項に記載の方法。
  13. 空間的に分散された宛先サイトのM行とN列のアレイ(NとMはそれぞれ1以上の整数)のために同期のとれたローカルクロック信号を発生する方法であって、該方法が、
    (a)第1のサイトから一組のN個の第2のサイトのそれぞれに第1のクロック信号を順次伝達し、更に、第3のサイトに送り、そして、第3のサイトから前記N個の第2のサイトのそれぞれに逆順で復帰させる工程と、
    (b)前記第1のサイトから前記N個の第2のサイトのそれぞれに到達した第1のクロック信号を、第1のサイトから第2のサイトに到達したときの第1のクロック信号と、第3のサイトから第2のサイトに到達したときの第1のクロック信号の間の位相的な関係に比例した遅延時間を有して遅延し、それによって、前記N個の第2のサイトのそれぞれにおいて、M個の宛先サイトの各行に対応した個別の第2のクロック信号を発生する工程と、
    (c)前記N個の第2のサイトのそれぞれにおいて発生した第2のクロック信号を、宛先サイトの対応する行に順次伝達し、更に、第4のサイトに送り、そして、第4のサイトから宛先サイトの対応する行へ逆順で復帰させる工程と、
    (d)前記第2のサイトから各宛先サイトに到達したときの第2のクロック信号と、第4のサイトから宛先サイトに到達したときの第2のクロック信号の間の位相的な関係に比例した遅延時間を有して、前記第2のサイトから各宛先サイトに到達した第2のクロック信号を遅延し、それによって、宛先サイトのそれぞれにおいて、個別の第3のクロック信号を発生する工程とから成る方法
  14. 前記(b)工程が、
    調節可能な第1の遅延を有して、前記第1のサイトから各第2のサイトに到達した第1のクロック信号を遅延し、それによって、第2の信号を発生する工程と、
    調節可能な第2の遅延時間だけ第2のクロック信号を遅延し、それによって、各第2のサイトにおいて遅延した第2のクロック信号を発生する工程と、
    各第2のサイトにおいて前記遅延した第2のクロック信号が前記第3のサイトから各第2のサイトに到達した第1のクロック信号と同位相になるように、各第2のサイトにおいて第1と第2の遅延を調整する工程とから成ることを特徴とする請求の範囲第13項に記載の方法
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