以下添付の図面に基づき本発明の好適な実施形態を説明する。図1は本発明の基板収納ケースの取付構造によって基板収納ケースが取付けられた遊技機について遊技盤の釘を省略して示す正面図、図2は同遊技機の裏面図、図3は同遊技機の遊技盤に取付板を介して音声・ランプ制御基板収納ケースと主制御基板収納ケースが取付けられた状態を示す遊技盤の裏面図である。
図1に示す遊技機1は、遊技媒体として遊技球を用いるパチンコ遊技機であって、遊技店において上下方向に沿う略垂直に設置される。前記遊技機1は、前枠F2の背面に遊技盤2を備える。遊技盤2の前面には、縁に遊技球の外側ガイドレール3及び内側ガイドレール4が略円形に立設され、前記内側ガイドレール4によって囲まれた遊技領域5の中心線上にその上部から下部に向かって順に表示装置6、始動口7、特別電動役物である大入賞口8、アウト口9が配設され、また上方両側にはランプ風車10a,10b、その下方に普通図柄変動開始用左ゲート11a及び普通図柄変動開始用右ゲート11b、その下方に左袖入賞口12aと右袖入賞口12b、さらには前記大入賞口8の両側に左落とし入賞口13aと右落とし入賞口13bが配設されている。前記種々の入賞口に遊技球が入賞すると所定数の遊技球が賞品球として払い出される。なお、大当たりになると大入賞口8が開放され、遊技球が入賞し易い大当たり遊技が実行される。符号14a,14bは風車、F1は外枠、Gは前枠F2に開閉可能にヒンジで取付けられたガラス枠、15はプリペイドカードユニットである。
また、前記遊技機1の前面側には、枠飾り右ランプ16a、枠飾り上ランプ16b及び枠飾り左ランプ16cからなるランプ装置16、払い出された遊技球を受けるための上側球受け皿17、該上側球受け皿17の飽和時に遊技球を受けるための下側球受け皿18、効果音等を発するスピーカ19、遊技者の発射操作に応じて遊技球を遊技領域5に向けて弾発発射する発射装置20等がそれぞれ組み付けられている。符号21は、遊技球の発射強度を調節するための回動可能な操作ハンドルである。
前記発射装置20により遊技領域5に発射された遊技球が、前記始動口7に入球したことに起因して、前記表示装置6の特別図柄表示部6aで特別図柄が変動表示され、所定時間変動後に停止表示される。停止表示された特別図柄が大当たり特別図柄の場合、大当たり遊技が実行される。大当たり遊技では、前記大入賞口8の開閉板8aが開放されて遊技球が入球し易くなり、大入賞口8へ遊技球が入球すると所定数の遊技球が賞品球として払い出される。なお、前記普通図柄変動開始用左ゲート11a又は普通図柄変動開始用右ゲート11bに遊技球が入球すると、前記表示装置6の左下部に組み込まれている普通図柄表示部6bで小当たり判定用の普通図柄が変動開始し、所定時間変動後に停止表示する。停止表示された普通図柄が小当たり普通図柄の場合、前記始動口7における2つの可動片7a,7bが、略垂直で入賞し難い狭小開放状態(通常状態)から略V字形(逆ハの字形)の入賞し易い拡開開放状態に変化し、可動片7a,7b間に遊技球が入球すると所定数の遊技球が賞品球として払い出されると共に、前記のように特別図柄表示部6aで特別図柄が変動開始する。
前記遊技機1の背面には、図2に示すように、遊技機1の制御のための各種の基板や装置が取付けられている。前記基板はそれぞれ単独で、あるいは複数種類まとめて基板収納ケースに収納され、基板収納ケースごと基板収納ケース取付位置に取り外し可能に取付けられている。装置や基板収納ケースの主なものを挙げると、符号22はタンク、23は誘導樋、24は電源基板収納ケース、25は発射制御基板収納ケース、26は払出制御基板収納ケース、27はカードインターフェース接続部、28は払出装置である。また、前記遊技盤2における前記遊技領域5の形成された面とは反対の裏面側2aには、図3にも示すように、表示制御基板収納ケース29が取付けられていると共に、取付板30を介して音声・ランプ制御基板収納ケース60と主制御基板収納ケース70が重なって取付けられている。本実施例では、前記取付板30に対する前記音声・ランプ制御基板収納ケース60及び前記主制御基板収納ケース70の取付構造に、本発明が適用されている。以下、本実施例における前記取付板30に対する前記音声・ランプ制御基板収納ケース60及び前記主制御基板収納ケース70の取付について、詳細に説明する。
図4は前記取付板30に前記音声・ランプ制御基板収納ケース60及び前記主制御基板収納ケース70を取付けた状態において取付板を一側から眺めた斜視図、図5は同取付状態において他側から眺めた斜視図、図6は前記主制御基板収納ケース70を設定保持角度に保持固定した状態の斜視図、図7は前記取付板30に前記音声・ランプ制御基板収納ケース60を着脱する際の斜視図、図8は前記取付板30に前記音声・ランプ制御基板収納ケース60を取付けた状態の斜視図、図9は前記音声・ランプ制御基板収納ケースの収納状態の下側側面図及びA部拡大断面図、図10は前記音声・ランプ制御基板収納ケースの切り欠き部の作用を示す図である。
まず、前記取付板30に対する前記音声・ランプ制御基板収納ケース60の取付構造について説明する。前記取付板30は、前記遊技盤2の裏面側2aにビス等の固定手段によって、上下方向に沿う略垂直に固定される。図示の取付板30は、略均一な厚みの長方形板状体からなるが、部分的に凹凸のあるものであっても、あるいは長方形とは異なるものでもよい。前記取付板30には、図7及び図8に示すように、開口部31,32が形成されている。本実施例における前記開口部31,32は、図8のように前記音声ランプ制御基板収納ケース60を回動させた際に、あるいは図7のように前記音声・ランプ制御基板収納ケース60を前記取付板30から取外した際に、前記開口部31,32を介して前記遊技盤2の裏面側2aを露出させて、前記遊技盤2の裏面側2aの装置類を点検あるいは交換可能にする。本実施例では、前記取付板30の開口部31,32は、前記遊技盤2の裏面側2aに設けられる前記始動口7の駆動装置と前記大入賞口8の駆動装置の位置に対応する。なお、前記始動口7や大入賞口8の駆動装置に限らず、その他の装置類などでもよい。
前記取付板30は、裏面(遊技機後方側の面)30aにおける前記開口部31,32を覆う所要範囲が、基板収納ケース取付位置とされている。前記基板収納ケース取付位置には、前記開口部31,32を略中央として左右方向の一側に第2の基板収納ケース取付部33が設けられ、他側に第2の基板収納ケース係止部38が設けられている。前記第2の基板収納ケース取付部33と前記第2の基板収納ケース係止部38間の距離は、前記音声・ランプ制御基板収納ケース60の横方向の幅と略等しい値とされている。
前記第2の基板収納ケース取付部33は、中空ブロック状の基部34と、前記基部34に形成された2つの回動支持筒部35,35よりなる。前記2つの回動支持筒部35,35は、前記第2の基板収納ケース取付部33の基部34において、前記取付板30の裏面30aから遠い側の面34aに、前記取付板30と略平行に、かつ上下方向に離して略垂直に形成されている。
前記第2の基板収納ケース係止部38は、中空ブロック状の基部39と、前記第2の基板収納ケース係止部38の基部39において、前記取付板30の裏面30aから遠い側の面39aに立設された係止孔枠部40と、前記係止孔枠部40によって包囲形成された係止孔40aとよりなる。前記係止孔40aは取付板30と平行な水平方向に貫通している。
それに対して、前記音声・ランプ制御基板収納ケース60は、第2の基板収納ケースに相当し、横長な長方形の半透明な箱状からなり、内部に収納された音声・ランプ制御基板を外部から確認可能となっている。前記音声・ランプ制御基板収納ケース60は、横幅方向の一端側の側部に前記第2の基板収納ケース取付部33における回動支持筒部35,35に挿入及び抜き取り可能な、2つの支持回動ピン61,61が上下に所要距離離れて下向きに、かつ前記音声・ランプ制御基板収納ケース60と略平行に形成されている。前記支持回動ピン61,61は、前記回動支持筒部35,35に挿入可能でかつ回動可能な径とされる。
また、前記音声・ランプ制御基板収納ケース60における横幅方向の他端側の側部には、前記取付板30の前記第2の基板収納ケース係止部38における係止孔40aと解除可能に係合する係止爪62が形成されている。なお、前記係止爪62は、図9に示すように弾性片の外面に係止突部63が形成されたものからなり、前記係止突部63の位置で前記係止孔40aの周縁と係合する。
前記音声・ランプ制御基板収納ケース60は、図7に示すように、略垂直に立てた状態の前記取付板30に対して所要角度開いた状態で、前記取付板30の上方から前記音声・ランプ制御基板収納ケース60の支持回動ピン61,61を、前記取付板30における前記第2の基板収納ケース取付部33の回動支持筒部35,35に挿入して、図8のように取付けられる。そして、前記音声・ランプ制御基板収納ケース60を前記支持回動ピン61,61を回動中心として前記取付板30側へ回動させ、図9に示すように、前記音声・ランプ制御基板収納ケース60の係止爪62を前記取付板30の係止孔40aに係合させることにより、前記音声・ランプ制御基板収納ケース60が収納された状態で固定される。前記係止爪62と前記係止孔40aとの係合は、前記音声・ランプ制御基板収納ケース60が前記取付板30と略平行になった際に係合可能に構成される。また前記係止状態、すなわち前記音声・ランプ制御基板収納ケース60が前記取付板30に対して略平行状態になった際には、図9のように、前記取付板30の基板収納ケース係止部38における前記基部39の前記面39aに、前記音声・ランプ制御基板収納ケース60の係止爪62側の端部が接触して、前記音声・ランプ制御基板収納ケース60が前記取付板30側から支持されるように構成されている。なお、前記音声・ランプ制御基板収納ケース60を前記取付板30から取り外す場合は、前記取付時と逆の作業によって行われる。
また、図10の10−A図に示す本実施例のように、前記音声・ランプ制御基板収納ケース60の着脱時に、後述する第1の基板収納ケース支持部41とコーナー部60bが干渉するのを回避して、前記音声・ランプ制御基板収納ケース60の着脱が妨げられないようにするため、前記音声・ランプ制御基板収納ケース60の遊技機後方側の面60aは、前記支持回動ピン61,61側のコーナー部60bに切り欠き部からなる窪み部63が形成されている。なお、同10図における10−B図の参考例に示す音声・ランプ制御基板収納ケース60Aは、前記コーナー部60bに切り欠き部からなる窪み部を設けなかった場合であり、その場合には、前記音声・ランプ制御基板収納ケース60を回動させた状態で着脱しようとすると、前記音声・ランプ制御基板収納ケース60Aのコーナー部60bが第1の基板収納ケース支持部41と干渉して前記着脱が妨げられる。以上の構成により、音声・ランプ制御基板収納ケース60を一旦取り外さなくても、遊技盤2の裏面側2aの装置類に対して点検あるいは交換などを容易にかつスムーズに行うことが可能である。また、音声・ランプ制御基板収納ケース60を着脱する際においても、容易かつスムーズに行うことが可能である。すなわち、作業の手間がかかる虞を低減することが可能である。
次に前記取付板30に対する前記主制御基板収納ケース70の取付構造について説明する。図7に示すように、前記取付板30の前記基板収納ケース取付位置には、前記第2の基板収納ケース取付部33と前記第2の基板収納ケース係止部38の上方位置に、一組の第1の基板収納ケース支持部41,41が前記主制御基板収納ケース70の横方向の幅と略等しい距離離れて形成されている。
前記第1の基板収納ケース支持部41は、本発明における基板収納ケース支持部に相当し、本実施例では、腕部材42と弾性片50とで構成される。前記腕部材42は、前記取付板30の裏面30aに固定される基部が直角に屈曲した断面略L字形の金属板からなり、前記取付板30に対して垂直に立設される。前記腕部材42の先端部と該先端部に取付けられた前記弾性片50とで、前記主制御基板収納ケース70に対する被係合部43が形成される。図11及び図12に示すように、前記被係合部43には、前記腕部材42の先端に軸受け部44が形成されている。前記軸受け部44には、前記取付板30と平行に且つ水平方向に貫通した軸受け孔45が形成され、さらには前記軸受け孔45の周縁の一部には軸受け孔45の内外を通じる軸部着脱用開口からなる抜け部46が切り欠き形成されている。前記抜け部46は、前記主制御基板収納ケース70の着脱方向に合致させた設定解除角度m1で切り欠き形成されている。本実施例では、上下方向に沿って垂直状態とされる前記取付板30に対して下方から上方へ135度の角度が設定解除角度m1とされている。前記抜け部46と後述の主制御基板収納ケース70における軸部76の挿入部77の構成が本実施例では前記基板収納ケース70に対する係合解除手段及び抜け防止手段を構成している。また、前記腕部材42の先端と基部の中間付近には、前記弾性片50を固定するための切り起こし爪47とビス用孔48が形成されている。
前記弾性片50は、本実施例ではプラスチックで形成され、図12に示すように、前記腕部材42の外面へ固定するための固定部57が一体に形成されている。前記弾性片50は、前記腕部材42の前記抜け部46を構成する軸部着脱用開口より大きく先端50aが開いた弾性変形可能な略C字形からなり、前記開いた先端50a間に前記抜け部46が位置するようにして前記腕部材42の軸受け孔45の周縁に配置される。前記弾性片50の先端付近の内周面には、一組の軸受け部側係合爪51,51が略対向するように上下に形成されている。なお、前記軸受け部側係合爪51,51は、前記主制御基板収納ケース70を、後述のように設定保持角度回動した際に軸部側係合爪81,81と略対向する前記弾性片50の位置に形成されている。また、前記固定部57には切り起こし爪挿入用孔58と、ビス挿通孔59が形成されている。前記腕部材42の切り起こし爪47を前記切り起こし爪挿入用孔58に挿入し、前記腕部材42のビス用孔48に前記ビス挿通孔59を位置合わせして前記ビス挿通孔59及び前記ビス用孔48にビスを挿入してねじ止めすることにより前記弾性片50が前記腕部材42の外面所定位置に固定される。更に後述するように、主制御基板収納ケース70を回動した際に弾性片50に外方向の力が加わった場合においても、外方向に撓むことにより生じる弾性片50の破損や膨張の虞を、切り起し爪47により低減することが可能である。なお、図7及び図9に示すように、前記取付板30の下端には、後述の主制御基板収納ケース70を取付収納状態(取付板に対して平行状態)にした際に主制御基板収納ケース70を係止する第1の基板収納ケース係止爪49が形成されている。
前記主制御基板収納ケース70は、第1の基板収納ケースに相当し、本実施例では、図13及び図14に示すように、横長な長方形の半透明な箱状のケース本体71と、前記ケース本体71における前記取付板30を向く面に積層され、ビスや係合爪等により前記ケース本体71に固定された金属製遮蔽板73とよりなる。前記ケース本体71には主制御基板が収納される。なお、金属製遮蔽板73を設けることにより、機械の様々な部分から生じるノイズ等の発生による主制御基板収納ケース70や音声・ランプ制御基板収納ケース60内の各制御基板の誤作動などを防止することが可能である。
前記遮蔽板73は、図14及び図15に示すように、横方向の側部の少なくとも上部が遊技機後方側へ起立して側壁74,74を構成し、前記遮蔽板73の上部における前記側壁74,74の外面に係合部75,75がそれぞれ形成されている。前記係合部75は、前記遮蔽板73と平行な水平方向の軸部76を備える。前記軸部76は、前記軸受け孔45に挿入される挿入部77と前記軸受け孔35に挿入されない非挿入部80が前記軸部76の長さ方向に隣接して設けられている。本実施例における前記軸部76は、前記遮蔽板73の側壁74,74に固定される軸部76の基部側が前記挿入部77、それに対して軸部76の先端側が前記非挿入部80とされ、前記非挿入部80から前記挿入部77に挿通したビスBにより前記側壁74の外面に固定されている。符号78は前記軸部76に形成されたビス挿通用孔であり、前記挿入部77から前記非挿入部80の外面まで一連に貫通形成されている。なお、前記遮蔽板73の下端には、前記主制御基板収納ケース70を取付収納状態(前記取付板30と略平行状態)とした際に、前記取付板30の第1の基板収納ケース係止爪49と係合する係止部73aが形成されている。この第1の基板収納ケース係止爪49と係止部73aにより、主制御基板収納ケース70が取付収納状態にある場合に主制御基板収納ケース70を取付板30に対して固定することが可能である。
前記挿入部77は、直径方向の厚み寸法が、直交する二方向T1,T2のうち一方向T1の寸法n1が、他方向T2の寸法n2よりも小とされている。図示の例における前記挿入部77は、断面円形の柱状体における一直径方向の外周側面を平面79で構成し、前記平面79と直交する方向を前記T1とすると共に同方向T1の厚み寸法を前記n1、前記平面79と平行な方向を前記T2とすると共に同方向T2の厚み寸法を前記n2とした。
前記軸部76における挿入部77の直径方向の厚み寸法と、前記取付板30の前記第1の基板収納ケース支持部41における前記軸受け孔45及び前記軸部着脱用開口からなる抜け部46の寸法的な関係を、図11、図12及び図15〜図18を用いて次に示す。前記軸部76における挿入部77と前記軸受け孔45については、前記挿入部77が前記軸受け孔45内に保持されて回動可能なように、前記挿入部77における厚みが大方向T2の寸法n2が前記軸受け孔45の直径d1と等しいあるいは僅かに大とされる。また、前記軸部76における挿入部77と前記軸部着脱用開口からなる抜け部46のとの関係については、前記軸部着脱用開口からなる抜け部46を、前記挿入部77が前記T1方向の厚み寸法の小の部分77a,77aで通過可能であり、前記T2方向の厚み寸法大の部分77b,77bで通過不可となるように、前記抜け部46を構成する前記軸部着脱用開口の開口寸法e1と、前記挿入部77におけるT1方向の厚み寸法n1及びT2方向の厚み寸法n2が、n1≦e1<n2、とされる。e1とd1の関係は、e1<d1、である。なお、前記抜け部46及び前記軸部76の挿入部77における厚み寸法大の方向T2が前記基板収納ケース70に対して平行(前記基板収納ケース70の上下幅方向と平行)とされ、前記厚み寸法小の方向T1が前記基板収納ケース70に対して垂直(前記厚み寸法小の方向T1が前記基板収納ケース70厚み方向)とされる。なお、以上の構成が本請求項の係合解除手段及び抜け防止手段に相当する。すなわち、主制御基板収納ケース70を取付け収納状態と着脱状態時(本実施例では135度の設定解除角度状態時)の間を回動した場合においても、主制御基板収納ケース70を取付板30から取り外すことが不可能であり、着脱状態時(本実施例では135度の設定解除角度状態時)に主制御基板収納ケース70を取付板30において着脱することが可能な構成である。
前記軸部76における前記非挿入部80は、本実施例では前記軸部76の外側端部に設けられた略円盤状からなり、外周に軸部側係合爪81,81と、仮保持爪85,85が所定間隔で形成されている。
前記軸部側係合爪81は、図6及び図20の20−A図に示すように、前記主制御基板収納ケース70を設定保持角度m2の固定保持位置、本実施例では前記垂直の取付板30に対して90度となる水平状態に保持可能にするものであり、図16〜図17の17−A図に示すように、前記主制御基板収納ケース70が前記設定保持角度(本実施例では90°)より大の角度位置から小の角度位置へ向けて角度減少方向に回動する際、前記設定保持角度(本実施例では90°)に至った時に、前記取付板30における前記第1の基板収納ケース支持部41に設けられている前記弾性片50の軸受け部側係合爪51と係合して、前記主制御基板収納ケース70がさらに下方へ回動するのを阻止して保持固定する。また、逆方向への回動、すなわち、前記設定保持角度(本実施例では90°)より小の角度位置から大の角度位置へ向けて角度増加方向に前記主制御基板収納ケース70を回動させる際には、前記設定保持角度(本実施例では90°)位置で前記軸部側係合爪81が前記弾性片50の軸受け部側係合爪51と係合を生じず、前記主制御基板収納ケース70を更に角度増加方向へ回動可能にする。なお、前記軸部側係合爪81、前記弾性片50、前記軸受け部側係合爪51によって回動規制手段を以下のように構成する。なお、ここで角度増加方向とは、主制御基板収納ケース70を取付収納状態から着脱状態(本実施例では135度の設定解除角度状態)まで開く方向であり、角度減少方向とは、角度増加方向と逆、すなわち、主制御基板収納ケース70を着脱状態(本実施例では135度の設定解除角度状態)から取付収納状態へ閉じる方向を意味する。
前記主制御基板ケース70の回動及び前記設定保持角度m2(本実施例では90°)での保持固定を可能とするため、前記軸部側係合爪81と前記軸受け部側係合爪51は次の構成からなる。
前記軸部側係合爪81と前記軸受け部側係合爪51は、前記主制御基板収納ケース70が前記設定保持角度m2より小の角度から大の角度へ回動して前記設定保持角度m2を超える際に互いに衝突する回動角度増加時衝突面82,52と、前記主制御基板収納ケース70が前記設定保持角度m2より大の角度から小の角度へ回動して前記設定保持角度m2に至った際に互いに衝突する回動角度減少時衝突面83,53を有する。
前記回動角度増加時衝突面82,52は、前記主制御基板収納ケース70が角度増加方向へ回動して前記設定保持角度m2の位置で衝突した際に、前記軸部側係合爪81が前記軸受け部側係合爪51を容易に乗り越えて前記主制御基板収納ケース70が更に回動可能な緩い傾斜(緩い円弧を含む)で構成されている。なお、前記緩やかな傾斜の程度は、前記角度増加方向へ前記主制御基板収納ケース70が回動して前記設定保持角度m2を超える際に、前記弾性片50の弾性変形によって前記軸部側係合爪81が前記軸受け部側係合爪51を容易に乗り越え可能な範囲で傾斜角度(円弧状態を含む)が、例えば60°以下等の範囲で決定される。以上の緩やかな傾斜と弾性片50の材質の特徴(例えば撓みなどの利用)により、比較的大きな力を加えることなくスムーズに角度増加方向へ主制御基板収納ケース70を前記設定保持角度まで回動することが可能であり、弾性片50等に大きな力が加わることにより破損する虞を低減することが可能である。
それに対して、前記回動角度減少時衝突面83,53は、前記主制御基板収納ケース70が前記設定保持角度m2より大の角度から小の角度へ回動して前記設定保持角度m2に至った際に、前記軸部側回動角度減少時衝突面83が前記軸受け部側回動角度減少時衝突面53と係合して、前記軸部側係合爪81が前記軸受け部側係合爪51を乗り越え難いように、急な傾斜(円弧を含む)で構成されている。具体的には、前記回動角度減少時衝突面83,53は、前記制御基板収納ケース70が自重で前記設定保持角度m2(本実施例では90度)から下方(角度減少方向)へ自由回動するのを阻止可能な程度の急な傾斜とされ、さらには前記設定保持角度m2で保持固定されている前記主制御基板収納ケース70に、下方への回動力を作業者が加えることにより、前記主制御基板収納ケース70に自重による回動力よりも更なる大きな回動力が加わった際に、前記弾性片50の弾性変形によって前記軸部側係合爪81が前記軸受け部側係合爪51を乗り越え可能な傾斜、例えば約70〜90度の範囲で決定される。なお、前記弾性片50の剛性については、前記設定保持角度での前記主制御基板収納ケース70の保持固定や、前記回動角度増加方向への前記主制御基板収納ケース70の回動時における前記設定保持角度を超える回動を可能にする剛性とされる。
さらに本実施例では、前記取付板30と平行な取付収納状態で前記主制御基板収納ケース70を仮保持する仮保持爪85が前記軸部76における前記非挿入部80の軸部側係合爪81,81間に形成されている。前記仮保持爪85は、前記主制御基板収納ケース70が前記平行な取付収納状態時に、前記弾性片50の軸受け部側係合爪51と衝突して前記主制御基板収納ケース70を保持し、前記主制御基板収納ケース70に角度増加方向へ回動させる力を加えることにより、前記弾性片50の軸受け部側係合爪51を乗り越え、前記主制御基板収納ケース70の回動を可能にする。なお、前記仮保持爪85は緩やかな傾斜に構成されていることと弾性片50の材質の特徴(例えば、撓みなどの利用)により、比較的大きな力を加えることなくスムーズに角度増加方向あるいは角度減少方向へ主制御基板収納ケース70を前記平行な取付収納状態あるいは前記設定保持角度まで回動することが可能であり、弾性片50等に大きな力が加わることにより破損する虞を低減することが可能である。また、前記仮保持爪85と第1の基板収納ケース係止爪49と係止部73aにより、主制御基板収納ケース70を取付板30に対して確実に固定して取付収納することが可能となる。なお、本実施例における、前記設定保持角度m2において主制御基板収納ケース70を固定するための軸部側係合爪81と前記平行の取付収納状態時に主制御基板収納ケース70を仮保持するための仮保持爪85を設けた構成以外に、軸部側係合爪81と仮保持爪85間に中間保持爪を設けて、中間保持爪と軸受け部側係合爪51を衝突させることにより、平行の取付収納状態時と前記設定保持角度m2間の任意の角度(例えば30度)の位置において主制御基板収納ケース70を仮固定するようにしてもよい。
前記主制御基板収納ケース70の取付は、まず、前記音声・ランプ制御基板収納ケース60を前記取付板30に取付けた後に、図19の19−A及び19−Bのように、前記主制御基板収納ケース70を前記取付板30に対して設定解除角度m1(本実施例では135度)の係合解除位置として、前記取付板30の軸受け部44の抜け部46から軸受け穴45に、前記主制御基板収納ケース70の軸部76における挿入部77を挿入する(図16の16−A)。そして、前記主制御基板収納ケース70を下方へ回動させる(図16の16−B)。その際、図20の20−Aに示す前記設定保持角度m2(本実施例では90度)位置に至ると、図17の17−Aに示すように、前記軸受け部側係合爪51と軸部側係合爪81が係合して前記主制御基板収納ケース70が保持固定される。前記設定保持固定状態における前記主制御基板収納ケース70の先端側を下方へ押して、前記主制御基板収納ケース70を下方へ回動させる(図17の17−B)。そして、図20の20−Bのように前記仮保持爪85が軸部受け部側係合爪51を乗り越えて仮保持される状態となり、それにより前記主制御基板収納ケース70は前記取付板30と平行の取付収納位置に配置され、取付収納状態とされる(図18)。前記取付収納状態の位置では、前記第1の基板収納ケース係止爪49に前記主制御基板収納ケース70の係止部73aを係合させ、前記主制御基板収納ケース70を固定する。これによって、前記州制御基板収納ケース(第1の基板収納ケース)70が前記音声・ランプ制御基板収納ケース(第2の基板収納ケース)に重ねて配置される。
それに対して、前記主制御基板収納ケース70を取り外す際には、図20の20−Bに示す前記取付収納状態において、前記第1の基板収納ケース係止爪49と前記主制御基板収納ケース70の係止部73aの係合を解除し、前記主制御基板収納ケース70を前記取付収納位置から上方へ回動させる。そして、前記設定保持角度m2(本実施例では90度)を超えて、図19の19−Bに示す設定解除角度m1(本実施例では135度)の係合解除位置まで回動させる(図16の16−A)。これによって、前記軸受け部44の前記抜け部46と、前記主制御基板収納ケース70の軸部76における挿入部77が合致する。そして、前記設定解除角度m1(本実施例では135度)の係合解除位置にある前記主制御基板収納ケース70を、図19の19−Aのように前記取付板30から離す方向へ引き、前記軸受け部44の軸受け穴45から、前記主制御基板収納ケース70の軸部76における挿入部77を抜き取る。
また、前記音声・ランプ制御基板収納ケース60の検査を行う際には、前記主制御基板収納ケース70を、図20の20−Aに示すように、前記取付収納状態から前記設定保持角度m1(本実施例では90度)まで回動して、前記設定保持角度m1で前記主制御基板収納ケース70を保持固定する。これによって、前記音声・ランプ制御基板収納ケース60が露出し、その状態で前記音声・ランプ制御基板収納ケース60の検査が可能となる。なお、前記主制御基板70を設定保持角度m2に保持固定した状態で、あるいは前記設定保持角度m2より大の方向へ回動させた状態で、または前記主制御基板70を前記取付板30から外した状態で、図8に示すように、前記音声・ランプ制御基板収納ケース60を回動させれば、前記取付板30の前記開口部31,32から、遊技盤2の裏面側が露出し、遊技盤裏側の装置等を検査することができる。以上まとめると、基板収納ケース(本実施例では主制御基板収納ケース70)が、予め定められた取付収納位置に配置されて(本実施例では平行な取付収納状態にされて)、前記取付収納位置から角度増加方向(本実施例では平行な取付収納状態から着脱状態へ開く方向)へ回動し、設定保持角度(本実施例ではm2、詳しくは90度)を有する固定保持位置で基板収納ケースを固定保持することが可能であり、更に固定保持位置から角度増加方向へ回動し、設置解除角度(本実施例ではm1、詳しくは135度)を有する係合解除位置で基板収納ケースを着脱することが可能であり、基板収納ケースが係合解除位置の設定解除角度とは異なる角度(詳しくは135度以外)の位置においては抜け防止手段により基板収納ケースの抜けを防止している。
以上、前記実施例を概念的にまとめると以下の通りである。
(1)機械の基板収納ケース取付位置に形成された基板収納ケース支持部に、基板収納ケースを取り外し可能に取付ける基板収納ケースの取付構造において、
前記基板収納ケース支持部には被係合部が形成されると共に前記基板収納ケースには前記基板収納ケース支持部の被係合部に解除可能に係合する係合部が形成され、
前記被係合部又は係合部の何れか一方には軸部が形成され、他方には前記軸部が挿入されて回動可能に保持すると共に前記軸部を抜くことが可能な抜け部を有する軸受け部が形成され、
前記軸部及び前記軸受け部には、前記基板収納ケースが設定保持角度回動した位置で互いに係合して前記基板収納ケースを前記設定保持角度で保持する回動規制手段と、前記基板収納ケースが設定解除角度回動した位置で前記軸部が前記抜け部に合致して前記基板収納ケースを取り外すことが可能な係合解除手段とが設けられていることを特徴とする基板収納ケースの取付構造である。
(2)前記(1)に係る基板収納ケースの取付構造であり、前記回動規制手段は、前記基板収納ケースが前記設定保持角度より小の角度位置から角度増加方向への回動に対して前記設定保持角度の位置で前記係合を生じず、前記設定保持角度より大の回動位置から回動角度減少方向への回動に対して前記設定保持角度の位置で前記係合を生じることを特徴とする基板収納ケースの取付構造である。
(3)前記(1)又は(2)に係る基板収納ケースの取付構造であり、前記軸受け部には、前記軸部を回動可能に保持する軸受け孔を備えると共に、前記軸受け孔の周縁の一部に、前記軸部の通過可能な軸部着脱用開口からなる前記抜け部が前記軸受け孔の内外と通じるように切り欠き形成されており、前記基板収納ケースは前記切り欠き方向に沿って着脱することを特徴とする基板収納ケースの取付構造である。
(4)前記(3)に係る基板収納ケースの取付構造であり、前記軸部において前記軸受け孔に挿入される挿入部の直径方向の厚み寸法は、直交する二方向のうち一方向が他方向より小とされ、
前記係合解除手段は、前記軸受け部の軸部着脱用開口が、前記軸部を前記厚み寸法の小の部分で通過可能とする一方、前記厚み寸法の大部分で通過不可とする大きさからなることを特徴とする基板収納ケースの取付構造。
(5)前記(4)に係る基板収納ケースの取付構造であり、前記基板収納ケース支持部の前記被係合部に前記軸受け部が形成され、前記基板収納ケースの前記係合部に前記軸部が形成されると共に前記軸部の厚み寸法大の方向が、前記基板収納ケースに対して略平行とされ、前記軸部の厚み寸法小の方向が前記基板収納ケースに対して略垂直であることを特徴とする基板収納ケースの取付構造。
(6)前記(5)に係る基板収納ケースの取付構造であり、前記軸受け部における前記軸部着脱用開口が、前記基板収納ケースの設定保持角度より大の前記設定解除角度の位置に形成されていることを特徴とする基板収納ケースの取付構造。
(7)前記(3)から(6)の何れか一に係る基板収納ケースの取付構造であり、前記軸部には前記軸受け孔に挿入される挿入部と前記軸受け部に挿入されない非挿入部が前記軸部の長さ方向に隣接して設けられ、
前記回動規制手段は、前記軸部の非挿入部の外周に設けられた軸部側係合爪と、前記軸部の非挿入部の外周に対向するようにして前記軸受け部に形成された弾性片と、前記基板収納ケースを前記設定保持角度回動した際に前記軸部側係合爪と略対向する前記弾性片の位置に形成された軸受け部側係合爪とを備え、
前記軸部側係合爪及び前記軸受け部側係合爪は、前記基板収納ケースが前記設定保持角度より小の角度から大の角度へ回動して前記設定保持角度を超える際に互いに衝突する回動角度増加時衝突面と、前記基板収納ケースが前記設定保持角度より大の角度から小の角度へ回動して前記設定保持角度に至った際に互いに衝突する回動角度減少時衝突面をそれぞれ備え、
前記回動角度増加時衝突面は、前記基板収納ケースが前記設定保持角度より小の角度から大の角度への回動によって前記設定保持角度より小の側から衝突する係合爪が他方の係合爪を乗り越え易いように緩い傾斜で構成され、
前記回動角度減少時衝突面は、前記基板収納ケースが前記設定保持角度より大の角度から小の角度への回動によって前記設定保持角度より大の側から衝突する係合爪が他方の係合爪を乗り越え難いように急な傾斜で構成され、
前記基板収納ケースが前記設定保持角度より大の角度から小の角度方向への回動により前記両係合爪が衝突した後に、前記基板収納ケースに同方向へ更なる大きな回動力が加わった際に、前記弾性片が弾性変形して前記設定保持角度より大の側から衝突する係合爪が他方の係合爪を乗り越えるのを可能に構成されたことを特徴とする基板収納ケースの取付構造。
(8)前記(1)から(7)の何れか一に係る基板収納ケースの取付構造であり、前記基板収納ケースの取付収納状態が上下方向に沿う垂直状態とされ、前記基板収納ケースの設定保持角度が前記取付収納状態に対して略90度の水平状態であることを特徴とする基板収納ケースの取付構造。
(9)前記(1)から(8)の何れか一に係る基板収納ケースの取付構造であり、前記基板収納ケース取付位置に取付けられる取付板に、前記基板収納ケース支持部が前記基板収納ケースの幅と略等しい距離離れて一組立設され、
前記基板収納ケースの幅方向両側の上部に前記係合部が一組設けられていることを特徴とする基板収納ケースの取付構造。
(10)前記(1)から(9)の何れか一に係る基板収納ケースの取付構造であり、前記基板収納ケース取付位置には第2の基板収納ケースが取付けられ、前記第2の基板収納ケース上に前記基板収納ケースが第1の基板収納ケースとして重なるように配置されることを特徴とする。
(11)前記(10)に係る基板収納ケースの取付構造であり、前記機械は遊技領域が形成された遊技盤を備え、前記遊技盤において遊技領域が形成された面とは反対の裏面側に前記第2の基板収納ケースが配置され、少なくとも前記第1の基板収納ケースが前記設定保持角度と等しい位置にあるいは前記設定保持角度より大の側に回動した場合に前記第2の基板収納ケースが一部を軸にして回動可能な構成とされ、前記第2の基板収納ケースが回動された場合に前記遊技盤の裏面側の少なくとも一部が露出することを特徴とする基板収納ケースの取付構造。
(12)前記(1)から(11)の何れか一に係る基板収納ケースの取付構造であり、前記基板収納ケースは基板を収納する箱状のケース本体と、前記ケース本体に積層された遮蔽板からなり、前記遮蔽板に前記係合部が形成されていることを特徴とする基板収納ケースの取付構造。
(13)前記(1)に係る基板収納ケースの取付構造であり、前記基板収納ケースが予め定められた取付収納位置に配置され、前記取付収納位置から角度増加方向へ回動し、前記設定保持角度を有する固定保持位置で前記基板収納ケースを固定保持することが可能であり、更に前記固定保持位置から角度増加方向へ回動し、前記設定解除角度を有する係合解除位置で前記基板収納ケースを着脱することが可能であり、前記基板収納ケースが前記係合解除位置の前記設定解除角度とは異なる角度の位置においては前記基板収納ケースの抜けを防止する抜け防止手段が設けられていることを特徴とする基板収納ケースの取付構造。
前記(1)〜(13)の構成の効果をまとめると以下の通りである。
(1)の構成によると、基板収納ケース支持部には被係合部が形成されると共に前記基板収納ケースには前記基板収納ケース支持部の被係合部に解除可能に係合する係合部が形成され、前記被係合部又は係合部の何れか一方には軸部が形成され、他方には前記軸部が挿入されて回動可能に保持すると共に前記軸部を抜くことが可能な抜け部を有する軸受け部が形成され、前記軸部及び前記軸受け部には、前記基板収納ケースが設定保持角度回動した位置で互いに係合して前記基板収納ケースを前記設定保持角度で保持する回動規制手段と、前記基板収納ケースが設定解除角度回動した位置で前記軸部が前記抜け部に合致して前記基板収納ケースを取り外すことが可能な係合解除手段とが設けられていることにより、機械の検査や部品交換等の際に基板収納ケースが邪魔になる場合には、基板収納ケースを設定保持角度まで回動すれば、その設定保持角度で保持固定することができるため、機械の検査や部品交換時の作業を容易にすることが可能となる。さらに、基板収納ケースの取り外しが必要な場合には、基板収納ケースを設定解除角度まで回動すれば基板収納ケースの取り外しが可能なため、基板収納ケースの取り外しも容易である。
(2)の構成によると、前記回動規制手段は、前記基板収納ケースが前記設定保持角度より小の角度位置から角度増加方向への回動に対して前記設定保持角度の位置で前記係合を生じず、前記設定保持角度より大の回動位置から回動角度減少方向への回動に対して前記設定保持角度の位置で前記係合を生じることにより、基板収納ケースを保持固定する際の回動と、基板収納ケースを収納する際の回動を区別することができ、確実な保持固定が可能となる。
(3)の構成によると、前記軸受け部には、前記軸部を回動可能に保持する軸受け孔を備えると共に、前記軸受け孔の周縁の一部に、前記軸部の通過可能な軸部着脱用開口からなる前記抜け部が前記軸受け孔の内外と通じるように切り欠き形成されており、前記基板収納ケースは前記切り欠き方向に沿って着脱するように構成したことにより、前記基板収納ケースの着脱を容易に行うことが可能であり、更に、基板収納ケースの着脱の確認を容易に行うことが可能となる。
(4)の構成によると、前記軸部において前記軸受け孔に挿入される挿入部の直径方向の厚み寸法は、直交する二方向のうち一方向が他方向より小とされ、前記係合解除手段は、前記軸受け部の軸部着脱用開口が、前記軸部を前記厚み寸法の小の部分で通過可能とする一方、前記厚み寸法の大部分で通過不可とすることにより、前記基板収納ケースが不用意に基板収納ケース支持部から外れるのを防ぐことが可能となる。
(5)の構成によると、前記基板収納ケース支持部の前記被係合部に前記軸受け部が形成され、前記基板収納ケースの前記係合部に前記軸部が形成されると共に前記軸部の厚み寸法大の方向が、前記基板収納ケースに対して略平行とされ、前記軸部の厚み寸法小の方向が前記基板収納ケースに対して略垂直とされたことにより、前記基板収納ケースを前記軸部着脱用開口と平行位置まで回動させれば前記基板収納ケースを取り外すことができるので、基板収納ケースの取り外し時の回動位置がわかりやすく、また基板収納ケース取付け時における基板収納ケースの角度及び軸部の厚み寸法小の位置もわかりやすく、基板収納ケースの着脱作業が容易になる。
(6)の構成によると、前記軸受け部における前記軸部着脱用開口が、前記基板収納ケースの設定保持角度より大の前記設定解除角度の位置に形成されていることにより、基板収納ケースを設定保持角度まで回動させて保持固定しようとする際の回動途中に基板収納ケースが外れるのを防止することが可能となる。
(7)の構成によると、前記回動角度増加時衝突面は、前記基板収納ケースが前記設定保持角度より小の角度から大の角度への回動によって前記設定保持角度より小の側から衝突する係合爪が他方の係合爪を乗り越え易いように緩い傾斜で構成され、前記回動角度減少時衝突面は、前記基板収納ケースが前記設定保持角度より大の角度から小の角度への回動によって前記設定保持角度より大の側から衝突する係合爪が他方の係合爪を乗り越え難いように急な傾斜で構成され、前記基板収納ケースが前記設定保持角度より大の角度から小の角度方向への回動により前記両係合爪が衝突した後に、前記基板収納ケースに同方向へ更なる大きな回動力が加わった際に、前記弾性片が弾性変形して前記設定保持角度より大の側から衝突する係合爪が他方の係合爪を乗り越えるのを可能に構成されたことにより、基板収納ケースを設定保持角度で保持固定したり、保持固定を解除して収納したりするのが容易に行えるようになる。
(8)の構成によると、前記基板収納ケースの取付収納状態が上下方向に沿う垂直状態とされ、前記基板収納ケースの設定保持角度が前記取付収納状態に対して略90度の水平状態としたことにより、基板収納ケースの取付収納状態時に収納スペースを取る虞が減少し、機械を略垂直に設置した場合における機械の検査や部品交換等の作業を容易に行うことが可能となる。
(9)の構成によると、基板収納ケース支持部を取付板に形成すればよいため、機械の構造に対する自由度が高まり、また基板収納ケース支持部が前記基板収納ケースの幅と略等しい距離離れて一組立設され、前記基板収納ケースの幅方向両側の上部に前記係合部が一組設けられていることにより、基板収納ケースの回動時に基板収納ケースが捻れたりする不具合を防止すると共に、基板収納ケースに対する保持固定強度を高くすることが可能となる。
(10)の構成によると、前記基板収納ケース取付位置には第2の基板収納ケースが取付けられ、前記第2の基板収納ケース上に前記基板収納ケースが第1の基板収納ケースとして重なるように配置されることにより、限られたスペースに効率よく2つの基板収納ケースを配置することができるのみならず、第1の基板収納ケースを設定保持角度まで回動させて保持固定することにより、第2の基板収納ケースに対して基板を確認したりその他の作業をしたりすることが可能となる。
(11)の構成によると、機械は遊技領域が形成された遊技盤を備え、前記遊技盤において遊技領域が形成された面とは反対の裏面側に前記第2の基板収納ケースが配置され、少なくとも前記第1の基板収納ケースが前記設定保持角度と等しい位置あるいは前記設定保持角度より大の側に回動した場合に前記第2の基板収納ケースが一部を軸にして回動可能な構成とされ、前記第2の基板収納ケースが回動された場合に前記遊技盤の裏面側の少なくとも一部が露出する構成としたことにより、遊技盤の検査を容易に行うことが可能となる。
(12)の構成によると、前記基板収納ケースは基板を収納する箱状のケース本体と、前記ケース本体に積層された遮蔽板からなり、前記遮蔽板に前記係合部が形成されていることにより、ケース本体の交換時に遮蔽板については交換しなくてもよいため経済的であり、また、ケース本体については前記係合部を形成しなくてもよいため、種々のケース本体を遮蔽盤と組み合わせることが可能となる。
(13)の構成によると、前記基板収納ケースが予め定められた取付収納位置に配置され、前記取付収納位置から角度増加方向へ回動し、前記設定保持角度を有する固定保持位置で前記基板収納ケースを固定保持することが可能であり、更に前記固定保持位置から角度増加方向へ回動し、前記設定解除角度を有する係合解除位置で前記基板収納ケースを着脱することが可能であり、前記基板収納ケースが前記係合解除位置の前記設定解除角度とは異なる角度の位置においては前記基板収納ケースの抜けを防止する抜け防止手段が設けられていることにより、基板収納ケースを設定保持角度で保持することができると共に設定解除角度で基板収納ケースを外すことができ、また設定解除角度以外では基板収納ケースを外せないようにすることができる。
本発明は、このように構成したことによって、前記基板収納ケースの着脱を容易に行うことができると共に、前記基板収納ケースを設定保持角度に保持固定して機械の検査等を容易に行うことができる。また、基板収納ケースを設定解除角度まで回動すれば、基板収納ケースの取り外しが可能なため、基板収納ケースの取り外しも容易である。逆に基板収納ケースを設定解除角度まで回動しなければ、基板収納ケースの着脱ができないため、基板収納ケースが着脱されているかの確認を確実に行うことも可能であると共に機械に対して不正行為を行おうとする者が基板収納ケースを外そうとしても、余裕を持って着脱することができないため、不正行為を防止したり、不正行為の気持ちを低下させたりすることが可能である。
なお、本発明は、前記の実施例に限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で変更可能である。例えば、前記設定保持角度及び設定解除角度は前記の値に限定されず、前記設定保持角度と設定解除角度が異なる値であればよい。特に、前記設定保持角度よりも前記設定解除角度を大にするのが好ましく、その場合、基板収納ケースを設定保持角度で保持するための回動途中に基板収納ケースが外れるおそれを無くすことができる。また、基板収納ケース(第1の基板収納ケース)は主制御基板を収納するものに限られず、さらに第2の基板収納ケースは音声・ランプ制御基板を収納するものに限られるものではない。
また、本実施例では遮蔽板に軸部を形成したが、ケース本体に形成してもよい。さらに、本実施例では、取付板に基板収納ケース支持部を設けたが、直接に機械本体の裏面や遊技盤の裏面、あるいは遊技領域に設けられた各入賞口から入賞した遊技球やアウト口から排出された遊技球を一旦遊技盤の裏面側に集合させる集合板に基板収納ケース支持部を設けてもよい。また、機械は遊技機に限定されず、他の機械であってもよい。