JP3738456B2 - 物品の位置検出方法およびその装置 - Google Patents
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Description
【産業上の利用分野】
本発明は、第1および第2の撮像手段を用いて、物品をステレオ視することにより物品の3次元位置を検出する物品の位置検出方法およびその装置に関し、特に、物品の2次元見え方モデルを介して2つの撮像画面の特徴部の対応付けを行なう物品の位置検出方法およびその装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
例えば自動車組立て工場における作業の自動化のためには部品のハンドリングが非常に重要な問題である。特に、組立て領域の自動化において必要とされているようなロボットによる多機能で正確な自動ハンドリングを実現するためには、多種類の部品の3次元位置を計測する技術が必要となる。
【0003】
一般に知られている物品の位置検出方法は、所定の平面上に置かれた計測対象物品の2次元位置を画像により計測するもの(特開平1−305303号公報参照)や、対象物品に認識用のマーカを設置し、このマーカを計測することにより対象物品の3次元位置を計測するもの(特開平3−281130号公報参照)、あるいはスリット光により物品の高さを検出するもの(特開昭62−32582号公報参照)である。
【0004】
また、対象物品の3次元位置を画像で計測する方法として、2台のCCDカメラを用いるステレオ視法が知られている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
従来の画像による計測装置は、個々の物品専用に開発されているため、汎用性がなく、多種類の物品に対応させようとすると、すべての物品についてアルゴリズムを開発しなければならず、開発・投資効率が悪くなる。
【0006】
また、ステレオ視法には、撮像装置が簡単で、高い計測精度が得られる特長がある一方で、左右画像間で特徴部の対応付けに問題がある。とくに、多種類物品の3次元位置をステレオ視法を用いて計測する場合には、下記のような問題がある。
【0007】
すなわち、左右画像間で特徴部を対応付けする際に、物品の構造的情報を用いずに行なおうとすると、処理に長い時間を要する。そこで従来の手法では、対象物品の構造的情報をアルゴリズムに組み込むことにより対応付けを行なっているが、この場合、同じアルゴリズムを用いて他の物品の対応付けを行なうことはできないから、多種類物品に対応できる3次元計測装置には、従来の手法を適用することは不可能である。
【0008】
本発明は、上記問題点を解決するためになされたもので、対象物品が変わっても共通のアルゴリズムで対応できるステレオ視法による物品の位置検出方法およびその装置を提供することを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】
本発明による物品の位置検出方法は、請求項1に記載されているように、第1および第2の撮像手段を用いたステレオ視により物品を撮像した1対の画像から上記物品の3次元位置を検出する方法であって、上記物品の2次元上の特徴部を有し且つ、上記物品を特定の方向から見た2次元見え方モデルを設定し、上記1対の画像のそれぞれから抽出した特徴部を、上記2次元見え方モデルを介して対応付けを行なうことを特徴とする。
【0010】
本発明による物品の位置検出方法の1つの態様によれば、請求項1に記載されているように、上記画像から抽出した特徴点と上記2次元見え方モデル上の特徴点とを用いて、上記画像データと上記2次元見え方モデルとをマッチングさせている。
【0011】
また、上記特徴点によるマッチングを行なう場合には、請求項1に記載されているように、上記画像上および上記2次元見え方モデル上の双方において、多数の特徴点の中から第1候補点と第2候補点とを任意に選定するとともに、該第1候補点と第2候補点とを通る基準線をそれぞれ設定し、該基準線と、上記第1および第2候補点を除く他のすべての特徴点と上記第1候補点とをそれぞれ結ぶ直線とのなす角度の計測に基づいて、上記画像上の特徴点と上記2次元見え方モデル上の特徴点とをマッチングさせる方法を採用することができる。
【0012】
さらに、上記特徴点による対応付けを行なう場合には、請求項2に記載されているように、上記画像上および上記2次元見え方モデル上の双方において、多数の特徴点の中から第1候補点と第2候補点とを任意に選定するとともに、該第1候補点と第2候補点とを通る基準線をそれぞれ設定し、双方の第1候補点が互いに一致するように両基準線を重ね合わせる態様で、上記画像と上記2次元見え方モデルとを重ね合わせ、かつ双方の第2候補点が互いに一致するように、上記画像と上記2次元見え方モデルとのスケール合わせを行なうことにより、上記画像上の特徴点と上記2次元見え方モデル上の特徴点とをマッチングさせる方法を採用することができる。
【0013】
その場合に、請求項3に記載されているように、上記重ね合わせおよびスケール合わせのなされた後の上記画像上の上記第1および第2候補点を除く特徴点と、これにそれぞれ対応する上記2次元見え方モデル上の特徴点との間の距離の計測に基づいて、上記画像上の特徴点と上記2次元見え方モデル上の特徴点とをマッチングさせることができる。
【0014】
さらに、上記物品に見える多角形の頂点を特徴点に選定する場合、請求項4に記載されているように、上記多角形の頂点における内角の2等分線ベクトルと内角度とに基づいて、上記画像上の特徴点と上記2次元見え方モデル上の特徴点とをマッチングさせることができる。
【0015】
その場合に、請求項5に記載されているように、上記2次元見え方モデル上の上記多角形の任意の頂点を原点候補点として選定し、上記画像上の上記多角形の頂点のうちから第1候補点を選定し、該第1候補点が上記原点候補点に重なり合い、かつ双方の内角の2等分線ベクトルが重なり合うように上記2次元見え方モデルを上記画像上に重ね合わせ、次いで、上記画像および上記2次元見え方モデルの上記第1候補点および上記原点候補点を除く他の頂点から第2候補点をそれぞれ選定し、双方の第2候補点が互いに一致するようにスケール合わせを行なうことにより、上記画像上の各頂点と上記2次元見え方モデル上の各頂点とをマッチングさせることができる。
【0016】
本発明による物品の位置検出方法の他の態様によれば、請求項6に記載されているように、上記画像から抽出した線分と上記2次元見え方モデル上の線分とを用いて、上記画像と上記2次元見え方モデルとをマッチングさせることができる。
【0017】
その場合に、請求項7に記載されているように、上記線分によって形成される多角形の各辺の長さと方向に対応する複数のベクトルを作成し、該複数のベクトルから任意に選定した基準ベクトルに対する他のベクトルのなす角度およびスケール情報に基づいて、上記画像データと上記2次元見え方モデルとをマッチングさせることができる。
【0018】
あるいは、請求項8に記載されているように、上記2次元見え方モデル上の複数の線分から代表線分を選定し、かつ上記画像上の複数の線分から候補線分を選定して、両線分間の角度誤差を求め、該角度誤差に基づき上記2次元見え方モデル上の全ての線分の角度を補正し、次いで上記画像の上の全ての線分が所定の基準線に対してなす角度について、該角度の近傍角度に対して当該線分の長さにより重み付けられた角度誤差評価値を与える評価値曲線を設定し、上記2次元見え方モデル上の全ての線分の上記基準線に対する角度の評価値を上記評価値曲線に基づいて算出し、該算出された評価値に基づいて、上記画像データと上記2次元見え方モデルとをマッチングさせることもできる。
【0019】
本発明による物品の位置検出方法では、上記1対の画像からそれぞれ抽出した特徴部と上記2次元見え方モデル上の特徴部とをそれぞれマッチングさせることにより、上記1対の画像間の対応付けを行なって、請求項9に記載されているように、各特徴部の3次元位置を計測し、かつ上記物品の3次元構造モデルを設定して、上記3次元位置が計測された上記画像上の特徴部と上記3次元構造モデル上の特徴部とをマッチングさせることにより、上記物品の3次元位置を算出することができる。
【0020】
また、請求項10に記載されているように、上記物品の設計データを用いて上記3次元構造モデルを設定し、該3次元構造モデルを変換することにより、上記2次元見え方モデルを設定することができる。
【0021】
上記特徴点によるマッチングを行なう場合には、請求項11ないし13に記載されているように、上記物品上に見える穴の中心、多角形の頂点、あるいは、穴の中心と多角形の頂点との双方を特徴点として用いることができる。
【0022】
本発明による物品の位置検出装置は、請求項14に記載されているように、ステレオ視法により物品を撮像する第1および第2の撮像手段と、上記ステレオ視法により撮像された1対の画像から特徴部をそれぞれ抽出する特徴抽出手段と、上記1対の画像からそれぞれ抽出された特徴部と上記物品の2次元上の特徴部を有し且つ、上記物品を特定の方向から見た2次元見え方モデルの特徴部とをそれぞれマッチングさせることにより、上記1対の画像間の対応付けを行なう2次元見え方モデルマッチング手段と、該2次元見え方モデルマッチング手段による対応付け結果を用いて、上記画像上の各特徴部の3次元位置を計測する3次元位置計測手段と、上記3次元位置が計測された上記画像上の特徴部と上記物品の3次元構造モデルの特徴点とをマッチングさせることにより、上記物品の3次元位置を算出する3次元構造モデルマッチング手段と、を備えているものとする。
【0023】
そして、上記特徴抽出手段は、上記物品上の特徴点を特徴部として選定し、上記2次元見え方モデルマッチング手段は、上記画像上および上記2次元見え方モデル上の双方において、多数の特徴点の中から第1候補点と第2候補点とを任意に選定するとともに、該第1候補点と第2候補点とを通る基準線をそれぞれ設定し、該基準線と、上記第1および第2候補点を除く他のすべての特徴点と上記第1候補点とをそれぞれ結ぶ直線とのなす角度の計測に基づいて、上記画像上の特徴部と上記2次元見え方モデル上の特徴部とをマッチングさせることを特徴とする。
【0024】
また、本発明による物品の位置検出装置は、請求項15に記載されているように、ステレオ視法により物品を撮像する第1および第2の撮像手段と、上記ステレオ視法により撮像された1対の画像から特徴部をそれぞれ抽出する特徴抽出手段と、上記1対の画像からそれぞれ抽出された特徴部と上記物品の2次元上の特徴部を有し且つ、上記物品を特定の方向から見た2次元見え方モデルの特徴部とをそれぞれマッチングさせることにより、上記1対の画像間の対応付けを行なう2次元見え方モデルマッチング手段と、該2次元見え方モデルマッチング手段による対応付け結果を用いて、上記画像上の各特徴部の3次元位置を計測する3次元位置計測手段と、上記3次元位置が計測された上記画像上の特徴部と上記物品の3次元構造モデルの特徴部とをマッチングさせることにより、上記物品の3次元位置を算出する3次元構造モデルマッチング手段と、を備え、上記特徴抽出手段は、上記物品上の特徴点を特徴部として選定し、上記2次元見え方モデルマッチング手段は、上記画像上および上記2次元見え方モデル上の双方において、多数の特徴点の中から第1候補点と第2候補点とを任意に選定するとともに、該第1候補点と第2候補点とを通る基準線をそれぞれ設定し、双方の第1候補点が互いに一致するように両基準線を重ね合わせる態様で、上記画像と上記2次元見え方モデルとを重ね合わせ、かつ双方の第2候補点が互いに一致するように、上記画像と上記2次元見え方モデルとのスケール合わせを行なうことにより、上記画像上の特徴部と上記2次元見え方モデル上の特徴部とをマッチングさせることを特徴とする。
【0025】
その場合に、請求項16に記載されているように、上記2次元見え方モデルマッチング手段は、上記重ね合わせおよびスケール合わせのなされた後の上記画像上の上記第1および第2候補点を除く特徴点と、これにそれぞれ対応する上記2次元見え方モデル上の特徴 点との間の距離の計測に基づいて、上記画像上の特徴点と上記2次元見え方モデル上の特徴点とをマッチングさせることもできる。
【0026】
また、本発明による物品の位置検出装置は、請求項17に記載されているように、ステレオ視法により物品を撮像する第1および第2の撮像手段と、上記ステレオ視法により撮像された1対の画像から特徴部をそれぞれ抽出する特徴抽出手段と、上記1対の画像からそれぞれ抽出された特徴部と上記物品の2次元上の特徴部を有し且つ、上記物品を特定の方向から見た2次元見え方モデルの特徴部とをそれぞれマッチングさせることにより、上記1対の画像間の対応付けを行なう2次元見え方モデルマッチング手段と、該2次元見え方モデルマッチング手段による対応付け結果を用いて、上記画像上の各特徴部の3次元位置を計測する3次元位置計測手段と、上記3次元位置が計測された上記画像上の特徴部と上記物品の3次元構造モデルの特徴部とをマッチングさせることにより、上記物品の3次元位置を算出する3次元構造モデルマッチング手段と、を備え、上記特徴抽出手段は、上記物品上に見える多角形の頂点を特徴部として選定し、上記2次元見え方モデルマッチング手段は、上記多角形の頂点における内角の2等分線ベクトルと内角度とに基づいて、上記画像上の特徴部と上記2次元見え方モデル上の特徴部とをマッチングさせることを特徴とする。
【0027】
その場合に、請求項18に記載されているように、上記2次元見え方モデルマッチング手段は、上記2次元見え方モデル上の上記多角形の任意の頂点を原点候補点として選定し、上記画像上の上記多角形の頂点から第1候補点を選定し、該第1候補点が上記原点候補点に重なり合い、かつ双方の内角の2等分線ベクトルが重なり合うように上記2次元見え方モデルを上記画像上に重ね合わせ、次いで、上記画像および上記2次元見え方モデルの上記第1候補点および上記原点候補点を除く他の頂点から、第2候補点をそれぞれ選定し、双方の第2候補点が互いに一致するようにスケール合わせを行なうことにより、上記画像上の各頂点と上記2次元見え方モデル上の各頂点とをマッチングさせることもできる。
【0028】
また、本発明による物品の位置検出装置は、請求項19に記載されているように、ステレオ視法により物品を撮像する第1および第2の撮像手段と、上記ステレオ視法により撮像された1対の画像から特徴部をそれぞれ抽出する特徴抽出手段と、上記1対の画像からそれぞれ抽出された特徴部と上記物品の2次元上の特徴部を有し且つ、上記物品を特定の方向から見た2次元見え方モデルの特徴部とをそれぞれマッチングさせることにより、上記1対の画像間の対応付けを行なう2次元見え方モデルマッチング手段と、該2次元見え方モデルマッチング手段による対応付け結果を用いて、上記画像上の各特徴部の3次元位置を計測する3次元位置計測手段と、上記3次元位置が計測された上記画像上の特徴部と上記物品の3次元構造モデルの特徴部とをマッチングさせることにより、上記物品の3次元位置を算出する3次元構造モデルマッチング手段と、を備え、上記特徴抽出手段は、上記物品上に見える線分を特徴部として選定し、上記2次元見え方モデルマッチング手段は、上記画像から抽出した特徴部と上記2次元見え方モデル上の特徴部とを用いて、上記画像と上記2次元見え方モデルとをマッチングさせることを特徴とする。
【0029】
その場合、請求項20に記載されているように、上記2次元見え方モデルマッチング手段は、上記線分によって形成される多角形の各辺の長さと方向に対応する複数のベクトルを作成し、該複数のベクトルから任意に選定した基準ベクトルに対する他のベクトルのなす角度およびスケール情報に基づいて、上記画像データと上記2次元見え方モデルとをマッチングさせることもできる。
【0030】
または、請求項21に記載されているように、上記2次元見え方モデルマッチング手段は、上記2次元見え方モデル上の複数の線分から代表線分を選定し、かつ上記画像の上の複数の線分から候補線分を選定して、両線分間の角度誤差を求め、該角度誤差に基づき上 記2次元見え方モデル上の全ての線分の角度を補正し、次いで上記画像上の全ての線分が所定の基準線に対してなす角度について、該角度の近傍角度に対して当該線分の長さにより重み付けられた角度誤差評価値を与える評価値曲線を設定し、上記2次元見え方モデル上の全ての線分の上記基準線に対する角度の評価値を上記評価値曲線に基づいて算出し、該算出された評価値に基づいて、上記画像データと上記2次元見え方モデルとをマッチングさせることもできる。
【0031】
さらに、本発明による物品の位置検出装置は、請求項22に記載されているように、上記物品の設計データを用いて上記3次元構造モデルを設定し、かつ該3次元構造モデルを変換することにより、上記2次元見え方モデルを設定するモデル生成手段を備えることができる。
【0032】
上記2次元見え方モデルマッチング手段は、請求項23に記載されているように、上記2次元見え方モデルと、相対的配置算出部と、対応付け部と、データ統合部とによって構成することができる。
【0033】
【作用および発明の効果】
請求項1の発明によれば、ステレオ視法によって物品を撮像した1対の画像にの特徴部に対して、上記物品の2次元上の特徴部を有する「2次元見え方モデル」を用いて対応付けを行なっていることにより、左画像と右画像とを「2次元見え方モデル」を介して対応付けることができ、ステレオ視法における左右画像間の対応付けが可能になる。
【0034】
また、計測対象物品が変わっても、アルゴリズムを変更することなく、その物品に応じた2次元見え方モデルを用意するだけでステレオ視の対応付けができるから、多種類の物品の3次元位置の検出に適用できる利点がある。
【0035】
また、特徴点の角度のみに注目した場合、候補点を通る同一直線状の点を区別してマッチングさせることは不可能であるが、請求項2の発明のように、スケール合わせを行なうことにより、物品の画像データと2次元見え方モデルとのマッチング確度が高くなり、さらに請求項3の発明のように、距離情報を用いることにより、適用範囲が広がり、マッチング確度をより高めることができる。
【0036】
請求項4の発明によれば、多角形の頂点の内角情報を利用するため、多角形の頂点の位置情報のみを用いる場合に比較して組合わせ可能な数を大幅に削減することができ、処理の高速化が達成できる。その場合にも、請求項5の発明のように、スケール合わせを行なうことにより、確実性が向上する。
【0037】
請求項6の発明によれば、線分で構成されるモデルと計測画像から検出した線分とを比較し、最適なマッチングを判定することにより、モデルと計測画像との高速で確実なマッチングを行なうことができる。
【0038】
その場合に、請求項7の発明によれば、多角形をマッチングの対象とし、見え方モデルおよび画像の特徴として各辺の線分の長さと方向とを表すベクトルを用いることにより、回転対称性のないモデルに関して、回転移動量と線分の対応とを同時に検出できるとともに、請求項1の発明ような点集合のマッチング手法を用いて線分のマッチングを容易に行なうことができる。また、回転の中心が固定されているので、マッチング評価の回数が少なくて済む利点がある。
【0039】
また、請求項8の発明のように、画像上の全ての線分が所定の基準線に対してなす角度について、該角度の近傍角度に対して当該線分の長さにより重み付けられた角度誤差評価値を与える評価値曲線を設定し、上記2次元見え方モデル上の全ての線分の上記基準線に対する角度の評価値を上記評価値曲線に基づいて算出し、該算出された評価値に基づいて、上記画像データと上記2次元見え方モデルとをマッチングさせていることにより、マッチングのための角度パラメータ、位置補正パラメータおよびスケールパラメータの決定を高速かつ高精度をもって行なうことができる。すなわち、線分に関する少ない情報でマッチング判定を行なうことができるため、高速処理が可能である。
【0040】
請求項9の発明によれば、3次元位置が計測された上記画像上の特徴部と上記3次元構造モデル上の特徴部とをマッチングさせることにより、上記物品の3次元位置を算出しているから、該物品の3次元位置の検出が容易になる。
【0041】
また、請求項10の発明によれば、上記物品の設計データを用いて、「2次元見え方モデル」と「3次元構造モデル」とを生成してマッチングを行なっているから、高速な処理が可能になる。
【0042】
請求項11ないし13の発明によれば、穴を有する物品や、輪郭が直線で構成されている物品に関して、物品の画像データと2次元見え方モデルとのマッチングを行ない、対象物の画像中での位置および回転角度を求めることができる。
【0043】
本発明による物品の位置検出装置は、請求項14〜21に記載されているように、ステレオ視法により撮影された画像からそれぞれ抽出された特徴部と上記物品の2次元見え方モデルの特徴部とをそれぞれマッチングさせることにより、上記1対の画像間の対応付けを行なう2次元見え方モデルマッチング手段と、該2次元見え方モデルマッチング手段による対応付け結果を用いて、上記画像上の各特徴部の3次元位置を計測する3次元位置計測手段と、上記3次元位置が計測された上記画像上の特徴部と上記物品の3次元構造モデルとをマッチングさせることにより、上記物品の3次元位置を算出する3次元構造モデルマッチング手段とを備えていることにより、ステレオ視法における左右画像間の対応付けが可能になり、また、計測対象物品が変わっても、アルゴリズムを変更することなく、その物品に応じた2次元見え方モデルを用意するだけでステレオ視の対応付けができるから、多種類の物品の3次元位置の検出が容易になる。
【0044】
また、請求項22に記載されているように、上記構成に加え、上記物品の設計データを用いて、「2次元見え方モデル」と「3次元構造モデル」とを生成するモデル生成手段を備えている場合、高速な処理が可能になる。
【0045】
さらに、本発明による物品の位置検出装置の2次元見え方モデルマッチング手段置が、請求項23に記載されているように、2次元見え方モデルと、相対的配置算出部と、対応付け部と、データ統合部とによって構成されている場合、上記1対の画像間の対応付けを極めて容易に行なうことができる。
【0046】
【実施例】
以下、本発明の実施例について図面に基づいて説明する。
【0047】
(装置の全体構成)
図1は、本発明による物品の位置検出装置の全体構成図である。この物品の位置検出装置は、対象部品のステレオ画像を撮像する2台のCCDカメラから構成された撮像装置1と、この撮像装置1により撮像された画像に対して前処理(微分、2値化、ノイズ除去、細線化、ラベル付け)を施すとともに、前処理された画像から、線分、円弧あるいは点等の特徴部を抽出する特徴抽出装置2と、画像から抽出された線分、円弧あるいは点等の特徴部と該特徴部に対応する2次元見え方モデル上の特徴部とをマッチングさせることにより、ステレオ視法における左右画像間の対応付けを行なう2次元見え方モデルマッチング装置3と、この対応付けの結果を用いて各特徴部の3次元位置を計測する3次元位置計測装置4と、3次元位置が計測された特徴部と3次元構造モデルとをマッチングさせることにより、物品の3次元位置を算出し、物品の把持位置をロボット制御装置6に出力する3次元構造モデルマッチング装置5と、物品の設計データとセンサデータとより、物品の3次元構造モデルと2次元見え方モデルとを生成するモデル生成装置7とによって構成されている。
【0048】
(処理の流れ)
図2に、処理の流れを表すフローチャートを示す。
【0049】
A.オンライン処理
(1) 画像入力
2台のCCDカメラから左右の原画像を入力する。
【0050】
(2) 特徴抽出
入力された左右の原画像を前処理(微分、2値化、ノイズ除去、細線化、ラベル付け)し、前処理された画像から線分、円弧あるいは点等の特徴部を抽出する。
【0051】
(3) 2次元見え方モデルマッチング画像から抽出された線分、円弧あるいは点等の特徴部と、オフラインで生成された2次元見え方モデルの特徴部とをマッチングさせる。2次元見え方モデルは、線分と円弧とで記述されており、各線分および円弧にはそれぞれ識別番号が付されている(図3参照)。また、特徴抽出装置2によって抽出された線分、円弧等の特徴部にもそれぞれ識別番号が付されている。2次元見え方モデルマッチング装置3では、左(右)画像のどの特徴部が2次元見え方モデルのどの特徴部とマッチングするかを求める。その結果として、下記の表1に示すような対応付け結果を出力する。すなわち、2次元見え方モデル上の線分S12に対して左画像の線分Ls2が対応し、右画像の線分Rs8が対応するから、左画像の線分Ls2と右画像の線分Rs8が対応することになる。このようにして、2次元見え方モデルを介して左右画像間の特徴部の対応付けがなされている。
【0052】
【表1】
【0053】
(4) 特徴部の3次元位置の計測
左右画像間で対応付けがなされた特徴部について、ステレオ視法により3次元位置を計測する(図4参照)。
【0054】
(5) 3次元構造モデルマッチング
3次元位置が計測された特徴部に3次元構造モデルを当てはめることにより部品の3次元位置を求め、ハンドリングのための部品の把持位置を出力する。
【0055】
B.オフライン処理
(6) モデル生成
モデル生成装置7において、3次元構造モデルと2次元見え方モデルとがオフラインで生成される。3次元構造モデルは、部品の設計データを用いて生成され、線分と円弧とで記述されている。2次元見え方モデルは、既知であるセンサデータ(カメラパラメータ)を用いて3次元構造モデルを変換させることにより生成され、線分と円弧とで記述されている。
【0056】
(2次元見え方モデルマッチング装置3の構成)
図5は、2次元見え方モデルマッチング装置3の基本的構成図である。
【0057】
1つの物品に対して種々の方向から見た2次元見え方モデルが用意されているが、カメラに対する物品の置かれ方が予め特定されていることにより、物品の見え方も特定されており、これに対応した見え方を表す2次元見え方モデル31がオフラインで用意される。相対配置算出部32L,32Rは、画像データ座標系と見え方モデル座標系との間の回転・平行移動量およびスケール係数を算出する。対応付け部33L,33Rは、算出された回転・平行移動量およびスケール係数を用いて、画像より抽出された線分、円弧あるいは点等の特徴部と2次元見え方モデル31における線分、円弧あるいは点等の特徴部とを対応付ける。データ統合部34は、左右画像の各対応付け結果を統合して、左右画像データ間の対応付け結果を出力する。
【0058】
(2次元見え方モデルマッチング装置3における処理の流れ)
図6に、処理の流れを表すフローチャートを示す。
【0059】
(1) 左画像から抽出された線分、円弧等の特徴部の画像中での位置を読み込み、
(2) 2次元見え方モデルデータを読み込み、
(3) 相対配置算出部32Lにおいて、画像座標系とモデル座標系との回転・移動およびスケールを算出し、
(4) 左画像中の特徴部とモデルに記述されている特徴部とを対応付け、
(5) 右画像について、上記処理(1)〜(4)を同様に行ない、
(6) 左画像の特徴部と右画像の特徴部とを対応付け、
(7) 対応付け結果を出力する。
【0060】
(3次元構造モデルマッチング装置5の構成)
3次元構造モデルマッチング装置5では、計測された画像の特徴部の3次元座標値から、把持のための部品の位置姿勢データを算出する。このため、画像の特徴部の計測データを移動回転させ、対応する3次元構造モデルに合わせる。
【0061】
3次元構造モデルの座標系(O−X,Y,Z)は図7に示すように定義する。すなわち、座標系原点Oは把持中心に、X軸は把持軸(ロボットハンド座標系のXh軸)に沿うように、Z軸はロボットハンドの進入方向(ロボットハンド座標系のZh軸)に沿うように定義する。このように定義することにより、計測データをモデルに合わせる手順を逆方向にたどることで、把持の位置姿勢を合わせることができる。
【0062】
(3次元構造モデルマッチング装置5における処理の流れ)
3次元構造モデルマッチング装置3の処理の手順を図8に示す。
【0063】
(1) 3次元構造モデルにおいて、3点以上の特徴点(円弧中心または多角形の頂点)を含む平面を選び、これを基準平面とする。
【0064】
(2) 上記基準平面に含まれる特徴点に対して、これら特徴点に対応する画像上の特徴点の3次元座標値に基づいて、これら画像上の特徴点を平面を最小二乗法を適用することにより算出する。
【0065】
(3) モデルの基準平面と上記(2) の平面のそれぞれの法線ベクトルを一致させることにより、計測データ座標系のZ軸を3次元構造モデルの座標系のZ軸に合わせる。
【0066】
(4) 2次元見え方モデルマッチングの特徴点の対応付け(後述)と同様な手法に基づいて、基準平面に沿った平行移動量とZ軸まわりの回転量とを決定する。ただし、2次元見え方モデルマッチングで既に特徴点の対応が判明しているので、本ステップでは対応点の探索を行なう必要はない。
【0067】
(5) 以上の処理により物品の3次元位置を算出することができ、計測データを3次元構造モデルに合わせる上記手順を逆方向にたどることで、ロボットハンドの位置姿勢を物品位置姿勢に合わせることができる。
【0068】
(3次元位置計測装置4)
図9に示すように、左カメラの座標系(OL−XL,YL,ZL)を定義する。ただし、原点OLは左カメラの焦点にあり、x軸は水平右向き、y軸は垂直上向き、z軸はカメラの視線方向とする。同様に、右カメラの座標系(OR−XR,YR,ZR)を定義する。左カメラ座標系と右カメラ座標系の間の回転行列をR、平行移動ベクトルをhとすると、同座標系の関係式は式(1)で表すことができる。
【0069】
【数1】
【0070】
特徴点(円弧中心または線分の端点)の3次元位置(XC,YC,ZC)は左カメラ座標系を用いて表す。左画像の特徴点をcL、右画像の特徴点をcRとし、点cLの座標を(cxL,cyL,fL)(左カメラ座標系)、点cRの座標を(cxR,cyR,fR)(右カメラ座標系)とする。ここで、fL,fRはそれぞれ左カメラ、右カメラの焦点距離を表す。
【0071】
特徴点の3次元位置は、左カメラで特徴点を見たときの視線と、右カメラで特徴点を見たときの視線との交点である。原点oLと特徴点cLとを通る直線の方程式は式(2)となる。
【0072】
【数2】
【0073】
また、原点原点oRと特徴点cRとを通る直線の方程式は式(3)となる。
【0074】
【数3】
【0075】
式(3)を左カメラ座標系に変換すると、式(3)′となる。
【0076】
【数4】
【0077】
したがって、円弧の3次元位置は式(2)と式(3)′の連立方程式を解くことによって式(4)のようになる。
【0078】
【数5】
【0079】
(2次元見え方モデルマッチング装置3の実施例の説明)
次に2次元見え方モデルマッチング装置3の実施例について説明する。これら実施例は、図5に示す相対配置算出部32L,32Rにおける処理手法の差異に応じて下記のように分類される。
【0080】
(1) 点によるマッチング
(1-1) 任意の点と原点とを結ぶ線のなす角を求め、所定の評価式を用いて算出した評価値が最小となったとき対応がついたものとするもの
(1-2) 任意の点と原点とを結ぶ線のなす角を用いて、回転角とスケールとを求めるもの
(2) 内角2等分線ベクトルによるマッチング
(2-1) 各頂点の内角2等分線ベクトルを求め、第1、第2候補点による一致度評価によりマッチングを行なうもの
(3) 線分によるマッチング
(3-1) モデル各辺に角度情報と長さ情報とを持たせたベクトルを設け、撮像画像データの各辺にも上記ベクトルを設けた後、両ベクトル群の中心を一致させるとともにスケールを合わせ、回転角とスケール情報とを求めるもの
(3-2) モデルに評価線分を設定し、基準点合わせ処理(2線の交点合わせ)とスケール合わせ処理(モデルと画像との一致)とによりマッチングを行なうもの。
【0081】
実施例1(点によるマッチング(1-1))
本実施例は、画像より抽出された特徴点と、2次元見え方モデルに記述されている特徴点とを用いて、画像データと見え方モデルとのマッチングをとるようにしたものである。画像中の特徴点とモデルの特徴点との対応付けは、原点を通るように適当に選んだ基準線と、任意の点と原点とを結ぶ直線とがなす角度を比較することにより行なう。特徴点の生成の方法は、(1)穴の中心を用いる、(2)多角形の頂点を用いる、(3)円の中心と多角形の頂点とを用いる、等があるが、本実施例では特徴点として、穴の中心を用いる。
【0082】
図10は、本実施例の装置の概略構成図、図11はその機能ブロック図、図12は処理の流れを表すフローチャートをそれぞれ示す。
【0083】
画像より抽出された特徴点を{Ii:i=1,2,…,m}、モデルに記述された特徴点を{Mj:j=1,2,…,n}とする。
【0084】
処理(0):図10に示すように、画像から穴の中心を抽出する「円中心抽出装置」を本装置に接続することにより、特徴点の位置を本装置に入力する。また、穴の中心位置情報を有するモデルをオフラインで用意する。
【0085】
処理(1):特徴点Iiの中から任意の1点を選び、画像データの第1候補点IC1とする。また、特徴点Mjの中から任意の1点を選び、モデルの第1候補点MC1とする。
【0086】
処理(2):第1候補点IC1を除く(m−1)個の画像中の点の中から任意の1点を選び、第2候補点IC2とし、第1候補点IC1と第2候補点IC2とを結ぶ直線を基準線LIとする。同様に、第1候補点MC1を除く(n−1)個のモデルの点の中から任意の1点を選び、第2候補点MC2とし、第1候補点MC1と第2候補点MC2とを結ぶ直線を基準線LMとする(図13参照)。
【0087】
処理(3):点IC1と点MC1、点IC2と点MC2とがそれぞれ対応すると仮定し、残りの点{Ik:k=1,2,…,m−2}と{Mh:h=1,2,…,n−2}との対応付けを以下の処理(4)〜(5)で行なう。
【0088】
処理(4):残りの画像中の点{Ik:k=1,2,…,m−2}について、点Ikと第1候補点IC1とを結ぶ直線と基準線LIとのなす角度を求め、{θk:k=1,2,…,m−2}とする。同様に、残りのモデルの点{Mh:h=1,2,…,n−2}について、点Mhと第1候補点MC1とを結ぶ直線と基準線LMとのなす角度を求め、{φh:h=1,2,…,n−2}とする(図14参照)。
【0089】
処理(5):{φh:h=1,2,…,n−2}の中からθ1に最も近い値φθ1を探し、I1とMθ1とが対応するものとする。以下同様にして、Ikに対応するMhを見つけ出す。例えば、図15の場合、φθ1=φ2,φθ2=φ3,φθ3=φ5であるので、点I1と点M2、点I2と点M3、点I3と点M5がそれぞれ対応する。
【0090】
処理(6):下記に示す評価式を用いて評価値を計算する。
【0091】
【数6】
【0092】
図12の場合、Et=|θ1−φ2|+|θ2−φ3|+|θ3−φ5|となる。
【0093】
処理(7):IC1,IC2,MC1,MC2の選び方のすべての組み合わせについて(m(m-1)n(n-1)通り)、上記処理(1)〜(6)を行ない、評価値Etを計算する。
【0094】
処理(8):評価値Etが最小になったときが最適なIiとMjの対応であると判断し、このときの回転・平行移動のパラメータを出力する。画面座標系における基準線LIの傾きαI、モデル座標系における基準線LMの傾きをαMとし、また、最適な対応結果を得るときの第1候補点の位置ベクトルをTI,TMとすると、回転・平行移動のパラメータはそれぞれα=αI−αM,T=TI−TMとなる。
【0095】
実施例2(点によるマッチング(1-1))
輪郭が直線で構成されている物体の場合、物体の輪郭は多角形となる。この多角形の頂点を抽出すれば、特徴点として利用できる。この場合の装置の概略構成図および機能ブロック図は、それぞれ図16および図17に示すようになる。ここで、図16、図17は、実施例1における図10、図11にそれぞれ対応する。そして、処理(0)は次のようになる。
【0096】
処理(0):画像から線分特徴を抽出する「線分抽出装置」を本装置に接続することにより、線分の位置を本装置に入力する。入力された線分の位置から多角形を抽出し、多角形の頂点を求める。また、多角形の頂点情報を有するモデルをオフラインで用意する。
【0097】
そして、多角形の頂点を特徴点として、実施例1における処理(1)〜(8)と同様の処理を実行する。
【0098】
実施例3(点によるマッチング(1-1))
特徴点として、穴の中心と多角形の頂点との双方を利用する。この場合、実施例1の処理(5)において穴の中心と多角形の頂点とが対応付けられないように、穴の中心と頂点とを区別して処理を行なう。画像より抽出された穴の中心と角度を{Ici:i=1,2,…,m},{θci:i=1,2,…,m}、頂点と角度を{Iνj:j=1,2,…,n},{θνj:j=1,2,…,n}、モデルに記述されている穴の中心と角度を{Mck:k=1,2,…,p},{φck:k=1,2,…,p}、頂点と角度を{Mνh:h=1,2,…,q},{φνh:h=1,2,…,q}とする。θciとφckとを用いてIciとMckとの対応付けを行ない、θνjとφνhとを用いてIνjとMνhとの対応付けを行なう。評価式は下記のようになる。
【0099】
【数7】
【0100】
以上の第1〜第3実施例によれば、穴を有する物品や、輪郭が直線で構成されている物品に関して、物品の画像データと2次元見え方モデルとのマッチングを行ない、対象物の画像中での位置および回転角度を求めることができる。
【0101】
また、左画像データと見え方モデルとのマッチング、および右画像データと見え方モデルとのマッチングを行なうことにより、見え方モデルを仲介して左画像と右画像とを対応付けることができる。
【0102】
実施例4(点によるマッチング(1-2))
本実施例は、上述の実施例1〜3で用いた角度情報に加えて、スケール合わせを行なって距離情報を用いることで、適用範囲を広げ、さらにマッチングの確度を高めたものである。
【0103】
すなわち、特徴点の角度のみに注目した場合、候補点を通る同一直線状の点を区別してマッチングさせることは不可能であるが、本実施例のように、スケール合わせを行なって距離情報を用いることにより、適用範囲が広がり、さらにマッチング確度が高くなる。
【0104】
図18は、本実施例の機能ブロック図、図19は処理の流れを表すフローチャートをそれぞれ示す。
【0105】
画像より抽出された特徴点を{Ii:i=1,2,…,m}、モデルに記述された特徴点を{Mj:j=1,2,…,n}とする。特徴点として、例えば穴の中心を用いる。
【0106】
処理(0):実施例1の図10と同様に、画像から穴の中心を抽出する「円中心抽出装置」を本装置に接続することにより、特徴点の位置を入力する。また、穴の中心位置情報を有するモデルをオフラインで準備する。
【0107】
処理(1):特徴点Iiの中から任意の1点を選び、画像データの第1候補点IC1とする。また、特徴点Mjの中から任意の1点を選び、モデルの第1候補点MC1とする。
【0108】
処理(2):第1候補点IC1を除く(m−1)個の画像中の点の中から任意の1点を選び、第2候補点IC2とし、第1候補点IC1と第2候補点IC2とを結ぶ直線を基準線LIとする。同様に、第1候補点MC1を除く(n−1)個のモデルの点の中から任意の1点を選び、第2候補点MC2とし、第1候補点MC1と第2候補点MC2とを結ぶ直線を基準線LMとする(図20参照)。
【0109】
処理(3):点IC1とMC1とが一致するようにモデルを平行移動させる。このときの移動ベクトルをTとする(図21参照)。
【0110】
処理(4):基準線LIとLMとが一致するように、点MC1(IC1)を中心にモデルを回転させる。このときの回転角をθとする(図22参照)。
【0111】
処理(5):点IC2とMC2とが一致するように、点MC1(IC1)を中心にモデルを拡大・縮小する。このときのスケールをSとする(図23参照)。
【0112】
処理(6):点IC1と点MC1、点IC2と点MC2とが対応すると仮定し、残りの点{Ik:k=1,2,…,m−2}および{Mh:h=1,2,…,n−2}について以下の処理(7)〜(8)を実行する。
【0113】
処理(7):点Ikに距離が最も近いモデルの点Mhを見つけ、2点間の距離d=d(Ik)を記憶する。
【0114】
処理(8):全ての点Ikにについて距離d(Ik)が求まれば、評価値Etを下記に示す評価式を用いてを計算し記憶する。
【0115】
【数8】
【0116】
処理(9):点IC1,IC2,MC1、MC2の選び方のすべての組み合わせについて(m(m-1)n(n-1)通り)、上記の処理(1)〜(8)を行ない、評価値Eを計算する。
【0117】
処理(10):評価値Eが最小となったときの点IkとMhが最適の対応であるとし、このときの回転角度θ、移動ベクトルT、スケールSのパラメータと、画像データ点Ikとモデル点Mhの対応付けとを出力する。
【0118】
実施例5(内角2等分線方向ベクトルによるモデルマッチング(2-1))
計測画像とモデルデータとの比較により対象物品の2次元位置を決定する場合、一般に行なわれているように、モデルデータをイメージ画像として持つ場合には2次元のパターンマッチングが必要になり、計算コストが増大する。そこで、2次元のモデルデータを直線や円弧で構成し、計測画像から得られた直線や円弧とのマッチングにより対象物品の2次元位置を推定できれば、高速なモデルマッチングが可能となるが、特徴の選択とマッチング判断とを適切に行なわなければ誤マッチングが発生する可能性がある。
【0119】
本実施例では、線分で構成されるモデルが、2つの直線の交点情報として内角の2等分線方向ベクトルと内角度に関する情報を有し(図27参照)、また、計測画像から同様の情報を生成し、これらを比較することにより、高速かつ確実なマッチングを行なうものである。
【0120】
図24は本実施例の全体構成図、図25および図26は処理のフローチャートをそれぞれ示す。
【0121】
本実施例では、図24から明らかなように、対象物品の計測入力画像に対する画像処理により線分検出を行ない、その線分の交点情報をを求めている。また、対象物品と比較するために、モデルデータベースを備えており、このモデルデータと計測画像の交点情報との比較を行なって、最終的に対象物品の確度、位置およびスケール情報を得るものである。
【0122】
次に、図25および図26のフローチャートに基づいて、本実施例の全体処理を説明する。
【0123】
処理(1):先ず、モデルデータとしては、直線の各交点M1〜M5について、その位置座標と2直線の内角2等分線の方向ベクトルと内角の角度値とを情報として準備しておく(図27参照)。
【0124】
対象物品の計測画像については、例えば単色階調画像のエッジ抽出処理と線分セグメント抽出処理等により、画像から線分抽出を行なう。一般に計測画像から検出される線分は端点まで検出されずに短めの線分として抽出されるため、検出された線分については延長処理を行ない、その結果について交点を求めることができる。この交点については、モデルと同様に、その位置座標と2直線の内角2等分線の方向ベクトルと内角の角度値とを決定することができる(図28参照)。
【0125】
処理(2):次に、これらモデルと計測画像から得られた交点のマッチングを行なう。
【0126】
先ず、図25のフローチャートに示すように、モデルから原点候補点Mn(例えばM1)を1点選択し、これに適合する計測画像の候補点In(例えばI1)を選定する。この選定には内角度情報を用い、予め設定した一定角度誤差以内で同じ内角度を有する点を原点用の第1候補点として選定する。
【0127】
処理(3):次に、モデルの原点候補点M1と計測画像の原点候補点I1との位置誤差を補正するための平行移動量Tqを求める。さらに、内角の2等分線の方向ベクトル情報を用いて、2点の内角方向が一致するような回転移動量Rqを求める(図29参照)。
【0128】
処理(4):得られた変換量Tq,Rqを用いて、モデルの全交点を平行移動および回転移動させる。この変換により、モデルの原点候補点M1は計測画像の原点候補点I1に位置と方向を一致させることができる。その他の点について角度の補正とスケーリングの補正とを行うために第2候補点を選択する。
【0129】
第2候補点はモデル点のうち原点以外の点で、計測画像の中である一定位置誤差以内に位置し、内角度がある一定角度誤差以内の点、例えばM2,I2を選択する(図30参照)。
【0130】
処理(5):このようにして決定したモデルと計測画像の第2候補点M2,I2と原点候補点M1,I1とを用いて、2点同士の位置が一致するような平行移動、回転移動、拡大縮小の各係数を求め、再度全モデル点に対してこの変換を行なう。
【0131】
処理(6):変換されたモデルの各点と計測画像の各点とを比較して一致度を計算し、一致度評価得点を求める。このとき、点の一致判定には、点位置の誤差と併せて内角2等分線の方向ベクトルの方向誤差を用いることにより確実な一致判定ができる。一致度評価得点には一致点の個数と位置誤差の累積量とを用いることができる。
【0132】
以上の処理により、選択された第1候補点(原点候補点)と第2候補点とによる一致度評価得点が得られる。この処理を全ての、第1候補点と第2候補点の組み合わせについて実行し、最も一致度評価得点の高い組み合わせを選べば、最適なマッチングを行なうことができる。
【0133】
これらの処理のうち、第1候補点と第2候補点の選定については、点の内角情報を利用するため、点の位置情報のみで選定する場合に比較して組合わせ可能な数を大幅に削減することができ、処理の高速化と確実性の向上とを達成できる。なお、対象物品が長方形で構成されている場合には、隣接しない対角の内角2等分線は互いに向きが逆になっている。また、一般的にある特徴的な角度関係を持った複数の点を特徴点として前もってモデル情報に含ませることは容易である。これら複数の点の内角情報の特徴を用いれば、前述の第1候補点(原点候補点)と第2候補点の選定を1点ずつ全ての組合わせを判定する必要がなくなる(図31参照)。
【0134】
例えば、長方形を有するモデルの場合に特徴点として対角上の2点を選ぶと、計測画像から互いに反対方向の内角2等分線の方向ベクトルを有する2点の組合わせについてのみを評価対象として選択すれば良い。同様に、三角形の3頂点を特徴点として選べば、計測画像の各点の角度情報から、モデルと同じ角度構成を有する3点の組を選択し、その組についてのみ一致評価を実行すれば良い。そして、これらの処理は点の位置情報が不要であるため、角度のリストから処理を行なうことができ、処理の簡単化、高速化が可能である。
【0135】
実施例6(線分によるモデルマッチング(3-1))
本実施例は、多角形をマッチングの対象とし、見え方モデルおよび画像の特徴として各辺の線分の長さと方向とを用いる。各線分の長さと方向とをベクトルで表し、ベクトルの始点を合わせた図形を、モデルと画像双方で構成する。これらを、ベクトルの始点を中心にして、ベクトル終点の点集合のマッチングで回転とスケール合わせとを行なう。最後に、対応付けられたいずれかの線分を基準に平行移動することで、線分特徴のマッチングを行なう。
【0136】
マッチングに用いるベクトルとして、図32(a)に示すように、多角形の線分集合に対して、各線分に垂直で多角形の外に向かう、線分の長さに比例したベクトルを設定し、始点を合わせる。あるいは、図32(b)に示すように、一定方向回りに(例えば左回りに)、各辺の方向をとってベクトルとし、始点を合わせる。
【0137】
モデルと計測画像の双方で、同じように特徴を抽出し、これを中心を含めて点集合マッチングを行なうことにより、前述の第1実施例の図15に示した手法と同様の手法で回転角情報を求めて、式(5)に示す評価式を用いて評価値を計算する。これによって、各辺の対応と回転角とが検出できるので、対応付けされたいずれかの辺で平行移動することで、モデルを計測画像に合わせるための、平行移動情報および回転移動情報を得ることができる。そして評価値が最小となった最適な線分の対応についてスケール情報を求める。したがって、本実施例で用いる評価式は下記の式に示すようになる。
【0138】
【数9】
【0139】
なお、上記評価式において、w1,w2は定数、gθk,gφθkは、基準線に対してそれぞれ角度θk,φθkをなす線分の長さである。
【0140】
本実施例によれば、回転対称性のないモデルに関して、回転移動量と線分の対応とを同時に検出できるとともに、点集合のマッチング手法(図15参照)を用いて線分のマッチングを容易に行なうことができる。また、回転の中心が固定されているので、マッチング評価の回数が少なくて済む利点がある。
【0141】
実施例7(線分によるモデルマッチング(3-2))
本実施例では、線分で構成されるモデルと計測画像から検出した線分とを比較し、最適なマッチングを判定することにより、モデルと計測画像との高速で確実なマッチングを行なうものである。
【0142】
図33に全体構成図を示し、対象物品の計測入力画像に対して画像処理により線分検出を行ない、線分で構成されたモデルデータと計測画像の線分情報との比較により回転角度を決定し、次いで位置とスケールを決定し、最終的に対象物品の角度情報、位置情報およびスケール情報を得るものである。
【0143】
線分情報の比較により、マッチングの角度情報、位置情報およびスケール情報を得る処理のフローチャートを図34および図35に示す。
【0144】
本実施例では、2次元見え方モデル上の複数の線分から代表線分を選定し、かつ上記画像の上の複数の線分から候補線分を選定して、両線分間の角度誤差を求め、該角度誤差に基づき上記2次元見え方モデル上の全ての線分の角度を補正し、次いで上記画像上の全ての線分が所定の基準線に対してなす角度について、該角度の近傍角度に対して当該線分の長さにより重み付けられた角度誤差評価値を与える評価値曲線を設定し、上記2次元見え方モデル上の全ての線分の上記基準線に対する角度の評価値を上記評価値曲線に基づいて算出し、該算出された評価値に基づいて、上記画像データと上記2次元見え方モデルとをマッチングさせている。
【0145】
処理(1):先ず、線分で構成されたモデルデータを準備する。また、物品の計測画像については、例えば単色階調画像のエッジ抽出処理と線分セグメント抽出処理等により、画像から線分抽出を行なう(図36参照)。
【0146】
処理(2):次に、これらモデルと計測画像とから得られた線分の角度のマッチングを行なう。
【0147】
先ず、図34のフローチャートに示すように、モデルから代表線分Lmを1本選択する。これは、最も特徴的な線分として、最も長い線分、もしくは最も計測が確実な線分を選ぶ。次に計測画像からこれに適合する線分Liを選定する。
【0148】
処理(3):モデル線分Lmと計測線分Liとの角度誤差Rq、すなわち、例えば図36ではモデル線分Lm2と計測線分Li2との角度誤差を計算し、この補正角度Rqに基づきモデルの全ての線分Lm1〜Lm5の角度を補正する。
【0149】
処理(4):次に補正された2次元見え方モデル上の全ての線分Lm1〜Lm5について、計測線分Li1〜Li5の角度分布との一致度評価を行ない、評価値の総和を線分Lmと線分Liとの角度補正により得られた評価値とする(図37参照)。
【0150】
この手法についてさらに詳細に説明すると、図36に示す画像の上の全ての線分Li1〜Li5が所定の基準線、例えばX軸に対してなす角度θi1〜θi5を図37に示す所定の直交座標軸の横軸上にプロットし、各プロット点からの当該線分Li1〜Li5の長さに応じた縦軸方向の高さをそれぞれ有する点Pi1〜Pi5を求め、次いで各点Pi1〜Pi5をそれぞれ頂点とするガウス分布(正規分布)曲線を作成する。そして、上記処理(3)で角度補正された2次元見え方モデル上の各線分Lm1〜Lm5の上記基準線(例えば図36のX軸)に対してなす角度θm1〜θm5をガウス分布曲線上にプロットして、各プロット点Pm1〜Pm5の横軸からの高さ(「線分一致の確からしさ」を表している)をそれぞれ求め、各プロット点Pm1〜Pm5の横軸からの高さの総和を求める。
【0151】
なお、図37の右端に示すように、2つの線分Li1とLi3の角度θi1,θi3が近接していることにより、これら線分Li1,Li3にそれぞれ対応する2つのガウス分布曲線が互いに交わっている場合は、これら2つのガウス分布曲線の高さの和の値を高さとする新たな曲線kを作成し、線分Li1,Li3にそれぞれ対応する2次元見え方モデル上の線分Lm1,Lm3の角度θm1,θm3を上記曲線k上にプロットして、各プロット点Pm1,Pm3の横軸からの高さをそれぞれ求める。
【0152】
処理(5):角度補正の評価作業を全ての線分の組合わせに対して行ない、最も評価の高い角度Rqをモデルと計測画像のとのマッチング角度として採用する。
【0153】
処理(6):次に平行移動とスケール係数Sqの決定を行なう。先ず、位置を決定するために角度と同様にモデルの中で最も代表的な線分Lm1,Lm2を選定し、計測画像線分Li1,Li2との位置補正量Tqを求め、2次元見え方モデルを平行移動させ、線分Lm1とLm2との交点を線分Li1とLi2との交点に一致させる。このように、2本の線分を用いることで、不正確な端点情報を使用せずにエッジ方向誤差v1,v2のみを用いて、その合成ベクトルとしての位置補正量Tqを求めることができる(図38参照)。
【0154】
処理(7):次にスケール係数を決定するためにモデルから線分Lm4を選定し、計測画像の線分Li4とのスケール係数Sqを求める。基準点として、線分Lm1とLm2との交点を選ぶが、この点は線分Li1とLi2との交点に等しいので、これを原点として線分Lm4とLi4とを一致させる拡大縮小率Sqを決定する。これも線分Lm4とLi4のエッジ方向移動量Sm,Siで決定できる(図39参照)。
【0155】
Sq=|Sm|/|Si|
以上の処理のうち、Lm1,Lm2,Lm4の各候補線分は、最も特徴的な組合わせを1組か2組程度用意しておけば十分である。また計測データの角度は補正済みであるため、計測データから選定する候補線分Li1,Li2,Li4も角度情報を基準に選定することで候補の絞り込みは容易に行える。
【0156】
これらの処理により、マッチングのための角度パラメータRq、位置補正パラメータTqおよびスケールパラメータSqの決定を高速かつ高精度をもって行なうことができる。
【0157】
すなわち、本実施例によれば、線分に関する少ない情報でマッチング判定を行なうため、イメージ画像でのマッチングに比較して、高速処理が可能である。また、計測画像からの線分抽出では一般に端点を正確に検出することは困難であるが、本実施例では、角度と併せて、最も計測精度が高い線分のエッジ方向(線分に直交する方向)の位置を用いてマッチングを行うため、高精度の処理が可能になる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明による物品の位置検出装置の全体構成図
【図2】 同 処理の流れを表すフローチャート
【図3】 2次元見え方モデルの1例を示す説明図
【図4】 3次元構造モデルマッチング手法の説明図
【図5】 2次元見え方モデルマッチング装置の基本的構成図
【図6】 2次元見え方モデルマッチング装置における処理の流れを表すフローチャート
【図7】 3次元構造モデル座標系の説明図
【図8】 3次元構造モデルマッチング装置における処理の流れを表すフローチャート
【図9】 左右のカメラ座標系に対する特徴点の3次元位置の説明図
【図10】 2次元見え方モデルマッチング装置の第1実施例の概略構成図
【図11】 同 機能ブロック図
【図12】 同 処理の流れを表すフローチャート
【図13】 同 基準線の作成手法の説明図
【図14】 同 基準線に対する角度を求める手法の説明図
【図15】 同 角度によるマッチング手法の説明図
【図16】 2次元見え方モデルマッチング装置の第2実施例の概略構成図
【図17】 同 機能ブロック図
【図18】 2次元見え方モデルマッチング装置の第4実施例の機能ブロック図
【図19】 同 処理の流れを表すフローチャート
【図20】 同 基準線の作成手法の説明図
【図21】 同 モデルを平行移動させる手法の説明図
【図22】 同 モデルを回転させる手法の説明図
【図23】 同 モデルの拡大・縮小手法の説明図
【図24】 2次元見え方モデルマッチング装置の第5実施例の全体構成図
【図25】 同 処理の流れを表すフローチャートの前半部分
【図26】 同 処理の流れを表すフローチャートの後半部分
【図27】 同 モデルデータの説明図
【図28】 同 計測画像の説明図
【図29】 同 第1候補点による平行移動・回転手法の説明図
【図30】 同 第2候補点によるマッチング手法の説明図
【図31】 長方形モデルの反対方向ベクトルを有する特徴点の組を示す説明図
【図32】 2次元見え方モデルマッチング装置の第6実施例における多角形の線分集合に対するベクトルの設定手法の説明図
【図33】 2次元見え方モデルマッチング装置の第7実施例の全体構成図
【図34】 同 処理の流れを表すフローチャートの前半部分
【図35】 同 処理の流れを表すフローチャートの後半部分
【図36】 同 モデル線分および計測線分の説明図
【図37】 同 角度分布評価手法の説明図
【図38】 同 2等分線による位置補正手法の説明図
【図39】 同 スケール補正手法の説明図
【符号の説明】
1 撮像装置
2 特徴抽出装置
3 2次元見え方モデルマッチング装置
4 3次元位置計測装置
5 3次元構造モデルマッチング装置
6 ロボット制御装置
7 モデル生成装置
31 2次元見え方モデル
32L,32R 相対配置算出部
33L,33R 対応付け部
34 データ統合部
Claims (23)
- 第1および第2の撮像手段を用いたステレオ視により物品を撮像した1対の画像から上記物品の3次元位置を検出する方法であって、上記物品上の特徴点を特徴部として選定し、上記物品の2次元上の特徴部を有し且つ、上記物品を特定の方向から見た2次元見え方モデルを設定し、上記1対の画像から特徴部をそれぞれ抽出し、上記画像上および上記2次元見え方モデル上の双方において、多数の特徴点の中から第1候補点と第2候補点とを任意に選定するとともに、該第1候補点と第2候補点とを通る基準線をそれぞれ設定し、該基準線と、上記第1および第2候補点を除く他のすべての特徴点と上記第1候補点とをそれぞれ結ぶ直線とのなす角度の計測に基づいて、上記画像上の特徴部と上記2次元見え方モデル上の特徴部とをマッチングさせることにより、上記1対の画像のそれぞれから抽出した特徴部の対応付けを行なうことを特徴とする物品の位置検出方法。
- 第1および第2の撮像手段を用いたステレオ視により物品を撮像した1対の画像から上記物品の3次元位置を検出する方法であって、上記物品上の特徴点を特徴部として選定し、上記物品の2次元上の特徴部を有し且つ、上記物品を特定の方向から見た2次元見え方モデルを設定し、上記1対の画像から特徴部をそれぞれ抽出し、上記画像上および上記2次元見え方モデル上の双方において、多数の特徴点の中から第1候補点と第2候補点とを任意に選定するとともに、該第1候補点と第2候補点とを通る基準線をそれぞれ設定し、双方の第1候補点が互いに一致するように両基準線を重ね合わせる態様で、上記画像と上記2次元見え方モデルとを重ね合わせ、かつ双方の第2候補点が互いに一致するように、上記画像と上記2次元見え方モデルとのスケール合わせを行なうことにより、上記画像上の特徴部と上記2次元見え方モデル上の特徴部とをマッチングさせることにより、上記1対の画像のそれぞれから抽出した特徴部の対応付けを行なうことを特徴とする物品の位置検出方法。
- 上記重ね合わせおよびスケール合わせのなされた後の上記画像上の上記第1および第2候補点を除く特徴点と、これにそれぞれ対応する上記2次元見え方モデル上の特徴点との間の距離の計測に基づいて、上記画像上の特徴点と上記2次元見え方モデル上の特徴点とをマッチングさせることを特徴とする請求項2に記載の物品の位置検出方法。
- 第1および第2の撮像手段を用いたステレオ視により物品を撮像した1対の画像から上記物品の3次元位置を検出する方法であって、上記物品上に見える多角形の頂点を特徴部として選定し、上記物品の2次元上の特徴部を有し且つ、上記物品を特定の方向から見た2次元見え方モデルを設定し、上記1対の画像から特徴部をそれぞれ抽出し、上記多角形の頂点における内角の2等分線ベクトルと内角度とに基づいて、上記画像上の特徴部と上記2次元見え方モデル上の特徴部とをマッチングさせることにより、上記1対の画像のそれぞれから抽出した特徴部の対応付けを行なうことを特徴とする物品の位置検出方法。
- 上記2次元見え方モデル上の上記多角形の任意の頂点を原点候補点として選定し、上記画像上の上記多角形の頂点から第1候補点を選定し、該第1候補点が上記原点候補点に重なり合い、かつ双方の内角の2等分線ベクトルが重なり合うように上記2次元見え方モデルを上記画像上に重ね合わせ、次いで、上記画像および上記2次元見え方モデルの上記第1候補点および上記原点候補点を除く他の頂点から、第2候補点をそれぞれ選定し、双方の第2候補点が互いに一致するようにスケール合わせを行なうことにより、上記画像上の各頂点と上記2次元見え方モデル上の各頂点とをマッチングさせることを特徴とする請求項4に記載の物品の位置検出方法。
- 第1および第2の撮像手段を用いたステレオ視により物品を撮像した1対の画像から上記物品の3次元位置を検出する方法であって、上記物品上に見える線分を特徴部として選定し、上記物品の2次元上の特徴部を有し且つ、上記物品を特定の方向 から見た2次元見え方モデルを設定し、上記1対の画像から特徴部をそれぞれ抽出し、上記画像から抽出した特徴部と上記2次元見え方モデル上の特徴部とを用いて、上記画像と上記2次元見え方モデルとをマッチングさせることにより、上記1対の画像のそれぞれから抽出した特徴部の対応付けを行なうことを特徴とする物品の位置検出方法。
- 上記線分によって形成される多角形の各辺の長さと方向に対応する複数のベクトルを作成し、該複数のベクトルから任意に選定した基準ベクトルに対する他のベクトルのなす角度およびスケール情報に基づいて、上記画像データと上記2次元見え方モデルとをマッチングさせることを特徴とする請求項6に記載の物品の位置検出方法。
- 上記2次元見え方モデル上の複数の線分から代表線分を選定し、かつ上記画像の上の複数の線分から候補線分を選定して、両線分間の角度誤差を求め、該角度誤差に基づき上記2次元見え方モデル上の全ての線分の角度を補正し、次いで上記画像上の全ての線分が所定の基準線に対してなす角度について、該角度の近傍角度に対して当該線分の長さにより重み付けられた角度誤差評価値を与える評価値曲線を設定し、上記2次元見え方モデル上の全ての線分の上記基準線に対する角度の評価値を上記評価値曲線に基づいて算出し、該算出された評価値に基づいて、上記画像データと上記2次元見え方モデルとをマッチングさせることを特徴とする請求項6に記載の物品の位置検出方法。
- 上記1対の画像間の対応付けを行なって、上記1対の画像からそれぞれ抽出した特徴部の3次元位置を計測し、かつ上記物品の3次元構造モデルを設定して、上記3次元位置が計測された上記画像上の特徴部と上記3次元構造モデル上の特徴部とをマッチングさせることにより、上記物品の3次元位置を算出することを特徴とする請求項1乃至8の1つに記載の物品の位置検出方法。
- 上記物品の設計データを用いて上記3次元構造モデルを設定し、該3次元構造モデルを変換することにより、上記2次元見え方モデルを設定することを特徴とする請求項9に記載の物品の位置検出方法。
- 上記物品上に見える穴の中心を上記特徴点として選定することを特徴とする請求項1乃至3の1つに記載の物品の位置検出方法。
- 上記物品上に見える多角形の頂点を上記特徴点として選定することを特徴とする請求項1乃至3の1つに記載の物品の位置検出方法。
- 上記物品上に見える穴の中心と多角形の頂点との双方を上記特徴点として選定することを特徴とする請求項1乃至3の1つに記載の物品の位置検出方法。
- ステレオ視法により物品を撮像する第1および第2の撮像手段と、
上記ステレオ視法により撮像された1対の画像から特徴部をそれぞれ抽出する特徴抽出手段と、
上記1対の画像からそれぞれ抽出された特徴部と上記物品の2次元上の特徴部を有し且つ、上記物品を特定の方向から見た2次元見え方モデルの特徴部とをそれぞれマッチングさせることにより、上記1対の画像間の対応付けを行なう2次元見え方モデルマッチング手段と、
該2次元見え方モデルマッチング手段による対応付け結果を用いて、上記画像上の各特徴部の3次元位置を計測する3次元位置計測手段と、
上記3次元位置が計測された上記画像上の特徴部と上記物品の3次元構造モデルの特徴点とをマッチングさせることにより、上記物品の3次元位置を算出する3次元構造モデルマッチング手段と、を備え、
上記特徴抽出手段は、上記物品上の特徴点を特徴部として選定し、
上記2次元見え方モデルマッチング手段は、上記画像上および上記2次元見え方モデル上の双方において、多数の特徴点の中から第1候補点と第2候補点とを任意に選定するとともに、該第1候補点と第2候補点とを通る基準線をそれぞれ設定し、該基準線と、上記第1および第2候補点を除く他のすべての特徴点と上記第1候補点とをそれぞれ結ぶ直線とのなす角度の計測に基づいて、上記画像上の特徴部と上記2次元見え方モデル上の特徴部とをマッチングさせることを特徴とする物品の位置検出装置。 - ステレオ視法により物品を撮像する第1および第2の撮像手段と、
上記ステレオ視法により撮像された1対の画像から特徴部をそれぞれ抽出する特徴抽出手段と、
上記1対の画像からそれぞれ抽出された特徴部と上記物品の2次元上の特徴部を有し且つ、上記物品を特定の方向から見た2次元見え方モデルの特徴部とをそれぞれマッチングさせることにより、上記1対の画像間の対応付けを行なう2次元見え方モデルマッチング手段と、
該2次元見え方モデルマッチング手段による対応付け結果を用いて、上記画像上の各特徴部の3次元位置を計測する3次元位置計測手段と、
上記3次元位置が計測された上記画像上の特徴部と上記物品の3次元構造モデルの特徴部とをマッチングさせることにより、上記物品の3次元位置を算出する3次元構造モデルマッチング手段と、を備え、
上記特徴抽出手段は、上記物品上の特徴点を特徴部として選定し、
上記2次元見え方モデルマッチング手段は、上記画像上および上記2次元見え方モデル上の双方において、多数の特徴点の中から第1候補点と第2候補点とを任意に選定するとともに、該第1候補点と第2候補点とを通る基準線をそれぞれ設定し、双方の第1候補点が互いに一致するように両基準線を重ね合わせる態様で、上記画像と上記2次元見え方モデルとを重ね合わせ、かつ双方の第2候補点が互いに一致するように、上記画像と上記2次元見え方モデルとのスケール合わせを行なうことにより、上記画像上の特徴部と上記2次元見え方モデル上の特徴部とをマッチングさせることを特徴とする物品の位置検出装置。 - 上記2次元見え方モデルマッチング手段は、上記重ね合わせおよびスケール合わせのなされた後の上記画像上の上記第1および第2候補点を除く特徴点と、これにそれぞれ対応する上記2次元見え方モデル上の特徴点との間の距離の計測に基づいて、上記画像上の特徴点と上記2次元見え方モデル上の特徴点とをマッチングさせることを特徴とする請求項15に記載の物品の位置検出装置。
- ステレオ視法により物品を撮像する第1および第2の撮像手段と、
上記ステレオ視法により撮像された1対の画像から特徴部をそれぞれ抽出する特徴抽出手段と、
上記1対の画像からそれぞれ抽出された特徴部と上記物品の2次元上の特徴部を有し且つ、上記物品を特定の方向から見た2次元見え方モデルの特徴部とをそれぞれマッチングさせることにより、上記1対の画像間の対応付けを行なう2次元見え方モデルマッチング手段と、
該2次元見え方モデルマッチング手段による対応付け結果を用いて、上記画像上の各特徴部の3次元位置を計測する3次元位置計測手段と、
上記3次元位置が計測された上記画像上の特徴部と上記物品の3次元構造モデルの特徴部とをマッチングさせることにより、上記物品の3次元位置を算出する3次元構造モデルマッチング手段と、を備え、
上記特徴抽出手段は、上記物品上に見える多角形の頂点を特徴部として選定し、
上記2次元見え方モデルマッチング手段は、上記多角形の頂点における内角の2等分線ベクトルと内角度とに基づいて、上記画像上の特徴部と上記2次元見え方モデル上の特徴部とをマッチングさせることを特徴とする物品の位置検出装置。 - 上記2次元見え方モデルマッチング手段は、上記2次元見え方モデル上の上記多角形の任意の頂点を原点候補点として選定し、上記画像上の上記多角形の頂点から第1候補点を選定し、該第1候補点が上記原点候補点に重なり合い、かつ双方の内角の2等分線ベクトルが重なり合うように上記2次元見え方モデルを上記画像上に重ね合わせ、次いで、上記画像および上記2次元見え方モデルの上記第1候補点および上記原点候補点を除く他の頂点から、第2候補点をそれぞれ選定し、双方の第2候補点が互いに一致するようにスケール合わせを行なうことにより、上記画像上の各頂点と上記2次元見え方モデル上の各頂点とをマッチングさせることを特徴とする請求項17に記載の物品の位置検出装置。
- ステレオ視法により物品を撮像する第1および第2の撮像手段と、
上記ステレオ視法により撮像された1対の画像から特徴部をそれぞれ抽出する特徴抽出手段と、
上記1対の画像からそれぞれ抽出された特徴部と上記物品の2次元上の特徴部を有し且つ、上記物品を特定の方向から見た2次元見え方モデルの特徴部とをそれぞれマッチングさせることにより、上記1対の画像間の対応付けを行なう2次元見え方モデルマッチング手段と、
該2次元見え方モデルマッチング手段による対応付け結果を用いて、上記画像上の各特徴部の3次元位置を計測する3次元位置計測手段と、
上記3次元位置が計測された上記画像上の特徴部と上記物品の3次元構造モデルの特徴部とをマッチングさせることにより、上記物品の3次元位置を算出する3次元構造モデルマッチング手段と、を備え、
上記特徴抽出手段は、上記物品上に見える線分を特徴部として選定し、
上記2次元見え方モデルマッチング手段は、上記画像から抽出した特徴部と上記2次元見え方モデル上の特徴部とを用いて、上記画像と上記2次元見え方モデルとをマッチングさせることを特徴とする物品の位置検出装置。 - 上記2次元見え方モデルマッチング手段は、上記線分によって形成される多角形の各辺の長さと方向に対応する複数のベクトルを作成し、該複数のベクトルから任意に選定した基準ベクトルに対する他のベクトルのなす角度およびスケール情報に基づいて、上記画像データと上記2次元見え方モデルとをマッチングさせることを特徴とする請求項19に記載の物品の位置検出装置。
- 上記2次元見え方モデルマッチング手段は、上記2次元見え方モデル上の複数の線分から代表線分を選定し、かつ上記画像の上の複数の線分から候補線分を選定して、両線分間の角度誤差を求め、該角度誤差に基づき上記2次元見え方モデル上の全ての線分の角度を補正し、次いで上記画像上の全ての線分が所定の基準線に対してなす角度について、該角度の近傍角度に対して当該線分の長さにより重み付けられた角度誤差評価値を与える評価値曲線を設定し、上記2次元見え方モデル上の全ての線分の上記基準線に対する角度の評価値を上記評価値曲線に基づいて算出し、該算出された評価値に基づいて、上記画像データと上記2次元見え方モデルとをマッチングさせることを特徴とする請求項19に記載の物品の位置検出装置。
- 上記物品の設計データを用いて上記3次元構造モデルを設定し、かつ該3次元構造モデルを変換することにより、上記2次元見え方モデルを設定するモデル生成手段を備えていることを特徴とする請求項14乃至21の1つに記載の物品の位置検出装置。
- 上記2次元見え方モデルマッチング手段が、上記2次元見え方モデルと、相対的配置算出部と、対応付け部と、データ統合部とを備えていることを特徴とする請求項14乃至21の1つにに記載の物品の位置検出装置。
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