JP3738444B2 - シートレールカバー - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、運転席等のシートをスライド移動させるシートレールに装着されるシートレールカバーに関するものである。
【0002】
【従来の技術】
一般に、自動車には、運転席等のシートを前後方向にスライド移動させるためのシートスライド装置が設けられている。このシートスライド装置は、例えば、特許文献1(特開平10−315817号公報)に記載されているように、車両の床面に前後方向に延びる長尺なシートレール(ロアレール)を固定し、シートの下面側に固定されたスライダー(アッパーレール)を、シートレールに上向きに開口するように形成されたスライド溝に沿ってスライド移動させることで、シートを前後方向にスライド移動できるようにしている。
【0003】
このようなシートスライド装置においては、特許文献1に記載されているように、シートレールの両側(スライダーのステムを挟んだ両側)に、それぞれ長尺なシートレールカバーを装着して、各シートレールカバーに弾性変形可能に形成された遮蔽リップ部をスライダーのステム(支柱)に当接させることで、スライダーのスライド移動を許容しながらスライド溝の隙間を覆って、外観性を向上させると共に、スライド溝にゴミ等の異物が侵入することを防止するようにしている。
【0004】
【特許文献1】
特開平10−315817号公報(第2頁等)
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
シートレールのスライド溝の隙間を覆うシートレールカバーの遮蔽リップ部は、スライダーのスライド移動に応じて柔軟に弾性変形することが要求されるため、ゴムや軟質塩化ビニル系樹脂で成形されている。しかし、ゴム製のものは、内部に混練されているカーボンがゴムの摩耗によって周囲に飛び散ってフロアカーペットを汚してしまうという欠点があり、一方、塩化ビニル系樹脂製のものは、廃棄物を焼却処分する時に環境を汚染するガスが発生するという欠点がある。
【0006】
これらの対策として、本発明者らは、シートレールカバーを非塩化ビニル系の熱可塑性エラストマーにより形成することを研究している。しかし、シートレールカバーの遮蔽リップ部を非塩化ビニル系の熱可塑性エラストマーで従来同様の形状に形成すると、図4に点線で示すように、シートレールカバーの遮蔽リップ部がスライダーのステムのエッジ部で急激に折れ曲がるように変形してしまい、見栄えが悪くなってしまう。
【0007】
しかも、非塩化ビニル系の熱可塑性エラストマーは、急激な折れ曲がりに対して永久ひずみ(塑性変形)が生じ易いという特性があるため、シートレールカバーの遮蔽リップ部がスライダーのステムのエッジ部で急激に折れ曲がった状態でスライダーが長期間移動されないと、その後、スライダーが移動された後も、シートレールカバーの遮蔽リップ部に永久ひずみ(塑性変形)が残って、シートレールカバーの遮蔽リップ部が元の形状に戻らなくなってしまう。このような遮蔽リップ部の永久ひずみ(塑性変形)は、見栄えを悪くするばかりか、シートレールのスライド溝を十分に覆うことができなくなって、異物侵入防止機能が損なわれる原因にもなる。
【0008】
本発明はこのような事情を考慮してなされたものであり、従って、本発明の目的は、環境配慮を維持しながら、シートレールカバーの遮蔽リップ部の永久ひずみ(塑性変形)を防止できて、遮蔽リップ部の外観性及び異物侵入防止機能を長期間にわたって良好に維持できるシートレールカバーを提供することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段、作用及び効果】
上記目的を達成するために、請求項1に係る発明は、シートを支持するスライダーがスライド移動するためのスライド溝が上向きに開口するように形成された長尺なシートレールをその上側から覆うように装着される長尺なシートレールカバーにおいて、シートレールの上面を覆うように装着可能なカバー本体部と、装着されたときにカバー本体部からスライダーのステムに向けて突出して該ステムに当接してスライド溝の隙間を覆った状態で該スライダーの長手方向のスライド移動を許容する弾性変形可能な遮蔽リップ部とを備え、カバー本体部は、遮蔽リップ部よりも硬度及び剛性の高いオレフィン系熱可塑性樹脂及び/又は非塩化ビニル系熱可塑性エラストマーにより形成し、遮蔽リップ部は、非塩化ビニル系熱可塑性エラストマーにより形成し、且つ該遮蔽リップ部のうちの先端側部分の機械的強度がカバー本体部側の部分(以下「根元側部分」という)の機械的強度よりも大きくなるように構成したものである。
【0010】
本発明の特徴の1つは、シートレールカバーの遮蔽リップ部を非塩化ビニル系熱可塑性エラストマーで形成して環境性を配慮することであるが、前述したように、シートレールカバーの遮蔽リップ部を非塩化ビニル系の熱可塑性エラストマーで従来同様の形状に形成すると、図4に点線で示すように、シートレールカバーの遮蔽リップ部がスライダーのステムのエッジ部で急激に折れ曲がるように変形してしまい、見栄えが悪くなったり、遮蔽リップ部に永久ひずみ(塑性変形)が生じてしまうことがある。
【0011】
この対策として、遮蔽リップ部全体の肉厚を一様に厚くして遮蔽リップ部全体の機械的強度を一様に大きくすることで、遮蔽リップ部の曲がり形状をある程度緩やかにすることが考えられる。しかし、シートをスライド移動させる際にスライダーに対して遮蔽リップ部の曲げ弾性反発力がスライド抵抗力として作用するため、遮蔽リップ部全体の肉厚を一様に厚くして遮蔽リップ部全体の機械的強度(曲げに対する弾性強度)を一様に大きくすると、スライド抵抗力が大きくなって、シートのスライド操作性が悪くなってしまう。
【0012】
そこで、本発明は、遮蔽リップ部の先端側部分の機械的強度が根元側部分の機械的強度よりも大きくなるように構成したものである。このようにすれば、遮蔽リップ部の根元側部分が曲がり易くなるため、遮蔽リップ部の曲げ弾性反発力によるスライド抵抗力が大きくならず、シートのスライド操作性が悪くならずに済む。しかも、遮蔽リップ部の先端側部分は、曲げに対する反発力を大きくすることができるため、遮蔽リップ部がスライダーのステムのエッジ部で急激に折れ曲がることを防止できて、遮蔽リップ部を緩やかに湾曲させることができ、見栄えを良くすることができると共に、遮蔽リップ部の先端部がスライダーに巻き込まれてしまうことも防止することができる。しかも、遮蔽リップ部の曲げ変形量が少なくなるため、遮蔽リップ部の同じ部分がスライダーのステムに当接した状態でスライダーが長期間移動されない場合でも、遮蔽リップ部の先端側部分に永久ひずみ(塑性変形)が生じることを防止できて、スライダーが移動されたときに、遮蔽リップ部の先端側部分の弾性復元力で遮蔽リップ部を速やかに元の形状に復元することができて、シートレールのスライド溝を遮蔽リップ部で確実に覆うことができる。
【0013】
従って、本発明のシートレールカバーは、カバー本体部をオレフィン系熱可塑性樹脂及び/又は非塩化ビニル系熱可塑性エラストマーにより形成し、遮蔽リップ部を非塩化ビニル系熱可塑性エラストマーで形成して環境配慮を維持しながら、遮蔽リップ部の永久ひずみ(塑性変形)を防止できて、遮蔽リップ部の外観性及び異物侵入防止機能を長期間にわたって良好に維持することができる。しかも、遮蔽リップ部よりも硬度及び剛性が高い材料でカバー本体部を形成するので、シートレールに対するカバー本体部の装着強度を十分に確保できる。
【0014】
本発明のように、遮蔽リップ部の先端側部分の機械的強度を根元側部分の機械的強度よりも大きくする構成は、遮蔽リップ部の先端側部分と根元側部分との間で形状(例えば肉厚)や材料物性(例えば引張り強度)を異ならせることで実現できる。
【0015】
具体的には、請求項2のように、遮蔽リップ部の根元側部分に凹溝を遮蔽リップ部の長手方向に沿って連続して形成して、遮蔽リップ部の根元側部分(凹溝の部分)の肉厚を先端側部分よりも薄くすることで、遮蔽リップ部のうちの先端側部分の機械的強度が根元側部分の機械的強度よりも大きくなるようにしても良い。この方法は、遮蔽リップ部の先端側部分と根元側部分との間で材料の物性を異ならせる必要がないため、遮蔽リップ部を単一の材料で成形できると共に、遮蔽リップ部を押出成形する際に凹溝を同時に形成することができ、遮蔽リップ部の製造が容易であるという利点がある。
【0016】
また、請求項3のように、遮蔽リップ部の形状を、根元側から先端側に向かって肉厚が徐々に増大する形状に形成することで、先端側部分の機械的強度が根元側部分の機械的強度よりも大きくなるようにしても良い。このようにしても、遮蔽リップ部を単一の材料で押出成形することができ、遮蔽リップ部の製造が容易である。しかも、遮蔽リップ部の根元側部分の弾性変形を前記請求項2の凹溝よりも広い範囲に分散させて生じさせることができ、遮蔽リップ部の根元側部分の永久ひずみ(塑性変形)をより確実に防止できる利点がある。
【0017】
また、請求項4のように、遮蔽リップ部の先端側部分に、該遮蔽リップ部を形成する非塩化ビニル系熱可塑性エラストマーよりも引張り強度の大きい材料からなる補強部材を該遮蔽リップ部の長手方向に沿って一体化することで、遮蔽リップ部の先端側部分の機械的強度が根元側部分の機械的強度よりも大きくなるようにしても良い。ここで、補強部材としては、弾性変形可能な金属、熱可塑性エラストマー、樹脂等のいずれであっても良く、要は、遮蔽リップ部を形成する非塩化ビニル系熱可塑性エラストマーよりも引張り強度の大きい弾性変形可能な材料であれば、どの様な材料を用いても良い。この方法は、遮蔽リップ部の先端側部分の少なくとも一部の材料物性を変更することで、遮蔽リップ部の先端側部分の機械的強度を大きくできるので、例えば、遮蔽リップ部の先端側部分の肉厚を厚くできない等の制約がある場合でも、本発明を実施することができる。
【0018】
また、請求項5のように、遮蔽リップ部の先端側部分の下面に、下側に突出する補強凸部を該遮蔽リップ部の長手方向に沿って一体成形するようにしても良い。このようにすれば、補強凸部によって遮蔽リップ部の先端側部分の機械的強度を更に大きくすることができる。しかも、補強凸部をスライダーのステムと接触させることで、遮蔽リップ部の耐摩耗性を向上させることができ、遮蔽リップ部の耐久性・寿命を向上させることができる。更に、補強凸部は、遮蔽リップ部の下面側に形成されているため、遮蔽リップ部の上面に補強凸部が露出せず、遮蔽リップ部の外観を損なうことがない。また、補強凸部の特性(例えば滑り特性)を向上させる物質を補強凸部に混入することもできる。
【0019】
また、請求項6のように、カバー本体部の上面に、遮蔽リップ部を形成する非塩化ビニル系熱可塑性エラストマーよりも硬度の高い非塩化ビニル系熱可塑性エラストマーにより形成された化粧面部を融着一体化するようにしても良い。このようにすれば、カバー本体部の上面を、遮蔽リップ部と同種の材料で形成した化粧面部で覆うことができるので、遮蔽リップ部とカバー本体部の上面(化粧面部)に一体感を持たせて外観性を向上させることができる。しかも、化粧面部は、遮蔽リップ部よりも硬度の高い材料で形成されているので、カバー本体部の上面(化粧面部)の耐傷付性や耐摩耗性を向上させることができる。
【0020】
また、請求項7のように、カバー本体部の下面に、下向きに延びてシートレールの側面に係合手段により固定される取付脚部を設けるようにしても良い。このようにすれば、シートレールの側面を利用してシートレールカバーを簡単な作業で確実に固定することができる。
【0021】
ところで、シートスライド装置の中には、2本のスライド溝を隣接して設け、これらの隣接する2本のスライド溝に跨がるようにスライダーを取り付けるものがある。
【0022】
そこで、請求項8のように、カバー本体部の幅方向の両側に、それぞれ遮蔽リップ部を設けるようにしても良い。このようにカバー本体部の幅方向の両側に遮蔽リップ部を設けたシートレールカバーを、隣接する2本のスライド溝の中間部に装着すれば、1本のシートレールカバーで隣接する2本のスライド溝を覆うことができる。
【0023】
また、請求項9のように、カバー本体部のうちの遮蔽リップ部側の部分に、下向きに延びてシートレールのスライド溝の開口縁部に係止される係止片部を設けるようにしても良い。このようにすれば、シートレールに対するシートレールカバーの取付強度を更に大きくすることができる。
【0024】
また、請求項10のように、遮蔽リップ部を、オレフィン系熱可塑性エラストマーにより形成し、カバー本体部を、オレフィン系熱可塑性エラストマーと相溶性を有する硬質のオレフィン系熱可塑性樹脂により形成し、遮蔽リップ部とカバー本体部とを共押出成形により融着一体化するようにしても良い。このようにすれば、遮蔽リップ部をオレフィン系熱可塑性エラストマーにより弾性変形可能に形成しながら、カバー本体部をオレフィン系熱可塑性樹脂により形成してカバー本体部の機械的強度を大きくすることができ、シートレールに対するカバー本体部の取付強度を十分に確保できる。しかも、オレフィン系熱可塑性エラストマーやオレフィン系熱可塑性樹脂は比重が比較的小さいため、シートレールカバーを軽量化することができる。また、遮蔽リップ部とカバー本体部を共押出成形により同時に成形しながら融着一体化することができるので、シートレールカバーを能率良く生産することができ、生産コストを低減できる利点もある。
【0025】
【発明の実施の形態】
《実施形態(1)》
以下、本発明の実施形態(1)を図1乃至図4に基づいて説明する。まず、図1及び図2に基づいてシートスライド装置全体の概略構成を説明する。自動車の床面に、前後方向に延びる長尺な第1のシートレール11及び第2のシートレール12が隣接して固定されている。第1のシートレール11は、底壁11aと左右の側壁11b、11b’と左右の上面壁11c、11c’とを有する形状に形成され、これらの壁11a〜11c、11c’によってスライド溝13が上向きに開口するように形成されている。一方、第2のシートレール12は、底壁12aの片側のみに側壁12bと上面壁12cを有する形状に形成され、これらの壁12a〜12cと第1のシートレール11の側壁11bとによってスライド溝14が上向きに開口するように形成されている。
【0026】
また、第1及び第2のシートレール11、12の長手方向(前後方向)に沿ってスライド移動するスライダー15には、シート(図示せず)の下面側にその上面壁が固定される取付座部16が設けられ、この取付座部16の左右両側壁部に、それぞれ第1のステム17と第2のステム18が下方に延びるように設けられ、各ステム17、18の下部側が各シートレール11、12のスライド溝13、14内に長手方向(前後方向)にスライド可能に配置されている。一方のスライド溝13はステム17によって2つの溝13a,13bに分割され、他方のスライド溝14はステム18によって2つの溝14c,14dに分割されている。
【0027】
第1のステム17の下端部には、複数のローラ19が回動軸20を介して回動自在に設けられ、このローラ19が第1のシートレール11内を前後方向に転動することで、スライダー15が前後方向にスライド移動するようになっている。一方、第2のステム18は、ロック機構(図示せず)によってスライダー15のスライド位置を固定するために用いられる。
【0028】
更に、第1のシートレール11の左右両側(スライダー15の第1のステム17を挟んだ両側)には、それぞれ長尺なセンターシートレールカバー21と第1のサイドシートレールカバー22が装着され、第2のシートレール12には、長尺な第2のサイドシートレールカバー23が装着されている。
【0029】
以下、これら各シートレールカバー21〜23の構成について説明する。図2に示すように、センターシートレールカバー21には、第1のシートレール11の左側の上面壁11cを覆いながら水平に延びるように装着されるカバー本体部24が設けられ、このカバー本体部24の一方の端末から、取付脚部25が下向きに延びるように一体成形されている。この取付脚部25の下端部に一体成形により係合金具27の方へ突設された係合爪26が、弾性変形可能な係合金具27(係合手段)と第1のシートレール11の左側壁11bとの間に挟み込まれて係合保持されることで、センターシートレールカバー21が第1のシートレール11に固定されるようになっている。
【0030】
センターシートレールカバー21のカバー本体部24の幅方向の両側には、それぞれ、フリー状態で斜め上方に延びる弾性変形可能な遮蔽リップ部28a、28bが融着(溶着)され、図2の紙面右側の遮蔽リップ部28aがスライダー15の第1のステム17に向けて突出して第1のステム17の側面に当接することで、第1のステム17の長手方向(前後方向)のスライド移動を許容しながら第1のシートレール11のスライド溝13の隙間を覆うようになっている。また、図2の紙面左側の遮蔽リップ部28bがスライダー15の第2のステム18の側面に当接することで、第2のステム18の長手方向(前後方向)のスライド移動を許容しながら第2のシートレール12のスライド溝14cの隙間を覆うようになっている。
【0031】
図3に示すように、センターシートレールカバー21の各遮蔽リップ部28a、28bには、根元側部分(カバー本体部24側の部分)の下面に凹溝29a、29bが遮蔽リップ部28a、28bの長手方向(前後方向)に沿って連続して形成されている。これにより、各遮蔽リップ部28a、28bの根元側部分(凹溝29a、29bの部分)の肉厚が先端側部分よりも薄くなるため、各遮蔽リップ部28a、28bの先端側部分の機械的強度が根元側部分の機械的強度よりも大きくなって、各遮蔽リップ部28a、28bの先端側が根元側よりも曲がりにくくなっている(換言すれば各遮蔽リップ部28a、28bの根元側が先端側よりも曲がり易くなっている)。また、カバー本体部24の上面には、薄肉の化粧面部31が融着されている。
【0032】
次に、センターシートレールカバー21の各部の成形材料について説明する。各遮蔽リップ部28a、28bは、軟質のTPO(オレフィン系熱可塑性エラストマー)を主成分とする材料により形成されている。このTPOは、例えば、ハードセグメントがPP(ポリプロピレン)でソフトセグメントがEPDM(エチレン−プロピレン−ジエンゴム)のTPOであり、JISK7215によるデュロメータ硬さがHDA30〜60のものを用いるのが好ましい。
【0033】
カバー本体部24と取付脚部25は、遮蔽リップ部28a、28bよりも硬度及び剛性が高く、遮蔽リップ部28a、28bを形成するTPOと相溶性を有する硬質のオレフィン系熱可塑性樹脂を主成分とする材料により形成されている。このオレフィン系熱可塑性樹脂は、例えば、PPに充填材としてタルクを20〜40wt%含有したPP系樹脂であり、JISK7215によるデュロメータ硬さがHDD40〜60のものが用いられている。
【0034】
化粧面部31は、遮蔽リップ部28a、28bを形成するTPOよりも硬度の高いTPOを主成分とする材料により形成されている。このTPOは、例えば、ハードセグメントがPPでソフトセグメントがEPDMのTPOであり、JISK7215によるデュロメータ硬さがHDA60〜90のものを用いるのが好ましい。
【0035】
センターシートレールカバー21のカバー本体部24と取付脚部25と遮蔽リップ部28a、28bと化粧面部31は、共押出成形により同時に押出成形しながら融着して一体化されている。
【0036】
次に、第1及び第2のサイドシートレールカバー22、23の構成について説明する。但し、センターシートレールカバー21と実質的に同一部分には同一符号を付して説明を簡略化し、主としてセンターシートレールカバー21と異なる点について説明する。
【0037】
図2に示すように、第1のサイドレールカバー22には、第1のシートレール11の右側の上面壁11cを覆うカバー本体部24が設けられ、このカバー本体部24の図2の紙面左側のみに遮蔽リップ部28が設けられている。この遮蔽リップ部28がスライダー15の右側側壁の側面に当接することで、第1のシートレール11のスライド溝13の隙間を覆うようになっている。第1のサイドレールカバー22のカバー本体部24は、第1のシートレール11よりも右側にひさし状に突出する形状に形成され、乗員側から第1のシートレール11が見えないようにしている。
【0038】
一方、第2のサイドレールカバー23には、第2のシートレール12の上面壁12cを覆うカバー本体部24が設けられ、このカバー本体部24の右側のみに遮蔽リップ部28が設けられている。この遮蔽リップ部28がスライダー15の第2のステム18の側面に当接することで、第2のシートレール12のスライド溝14dの隙間を覆うようになっている。第2のサイドレールカバー23のカバー本体部24は、第2のシートレール12よりも左側にひさし状に突出する形状に形成され、運転者側から第2のシートレール12が見えないようにしている。
【0039】
第1及び第2のサイドシートレールカバー22、23の各遮蔽リップ部28にも、それぞれ根元側部分の下面に凹溝29が形成されている。また、第1及び第2のサイドシートレールカバー22、23の各カバー本体部24の上面には、化粧面部31が融着されている。
【0040】
第1及び第2のサイドレールカバー22、23のカバー本体部24、取付脚部25、遮蔽リップ部28及び化粧面部31は、前述したセンターシートレールカバー21と同じ材料により形成され、共押出成形により同時に押出成形しながら融着して一体化されている。
【0041】
以上説明した本実施形態(1)の特徴の1つは、各シートレールカバー21〜23の遮蔽リップ部28a、28b、28を非塩化ビニル系熱可塑性エラストマーの一種であるTPOで形成して環境性能を向上させることであるが、各シートレールカバー21〜23の遮蔽リップ部28a、28b、28をTPOにより従来同様の形状に形成すると、図4に点線で示すように、遮蔽リップ部28a、28b、28がスライダー15のステム17、18のエッジ部で急激に折れ曲がるように変形してしまい、見栄えが悪くなったり、遮蔽リップ部28a、28b、28に永久ひずみ(塑性変形)が生じてしまうことがある。
【0042】
そこで、本実施形態(1)では、遮蔽リップ部28a、28b、28の根元側部分に凹溝29a、29b、29を長手方向に沿って連続して形成して、遮蔽リップ部28a、28b、28の根元側部分(凹溝29a、29b、29の部分)の肉厚を先端側部分よりも薄くすることで、遮蔽リップ部28a、28b、28のうちの先端側部分の機械的強度が根元側部分の機械的強度よりも大きくなるように構成している。この構成では、遮蔽リップ部28a、28b、28の根元側部分が曲がり易くなるため、遮蔽リップ部28a、28b、28の曲げ弾性反発力によるスライド抵抗力が大きくならず、シートのスライド操作性が悪くならずに済む。しかも、遮蔽リップ部28a、28b、28の先端側部分は、曲げに対する弾性強度を大きくすることができるため、遮蔽リップ部28a、28b、28がスライダー15のステム17、18のエッジ部で急激に折れ曲がることを防止できて、遮蔽リップ部28a、28b、28を緩やかに湾曲させることができ、見栄えを良くすることができると共に、遮蔽リップ部28a、28b、28の先端部がスライダー15のステム17、18に巻き込まれてしまうことも防止することができる。
【0043】
しかも、遮蔽リップ部28a、28b、28の曲げ変形量が少なくなるため、遮蔽リップ部28a、28b、28の同じ部分がスライダー15のステム17、18に当接した状態でスライダー15が長期間移動されない場合でも、遮蔽リップ部28a、28b、28の先端側部分に永久ひずみ(塑性変形)が生じることを防止できて、スライダー15が移動されたときに、遮蔽リップ部28a、28b、28の先端側部分の弾性復元力で遮蔽リップ部28a、28b、28を速やかに元の形状に復元することができて、シートレール11、12のスライド溝13、14を遮蔽リップ部28a、28b、28で確実に覆うことができる。
【0044】
従って、本実施形態(1)のシートレールカバー21〜23は、遮蔽リップ部28a、28b、28をTPOで形成して環境性能を向上させながら、遮蔽リップ部28a、28b、28の永久ひずみ(塑性変形)を防止できて、遮蔽リップ部28a、28b、28の外観性及び異物侵入防止機能を長期間にわたって良好に維持することができる。しかも、遮蔽リップ部28a、28b、28よりも硬度及び剛性が高い材料でカバー本体部24を形成するので、シートレール11、12に対するカバー本体部24の装着強度を十分に確保できる。
【0045】
また、本実施形態(1)では、遮蔽リップ部28a、28b、28の先端側部分の機械的強度を根元側部分の機械的強度よりも大きくする(換言すれば遮蔽リップ部28a、28b、28の根元側部分の機械的強度を先端側部分の機械的強度よりも小さくする)ための手段として、遮蔽リップ部28a、28b、28の根元側部分に凹溝29a、29b、29を長手方向に沿って連続して形成するようにしたので、遮蔽リップ部28a、28b、28の先端側とカバー本体部24側との間で材料の物性を異ならせる必要がなく、遮蔽リップ部28a、28b、28を単一の材料で成形できると共に、遮蔽リップ部28a、28b、28を押出成形する際に凹溝29a、29b、29を同時に形成することができ、遮蔽リップ部28a、28b、28の製造が容易であるという利点がある。
【0046】
しかも、実施形態(1)では、凹溝29a、29b、29を遮蔽リップ部28a、28b、28の下面側に形成しているため、遮蔽リップ部28a、28b、28の上面に凹溝29a、29b、29が露出せず、遮蔽リップ部28a、28b、28の外観を損なうことがない。
【0047】
また、本実施形態(1)では、カバー本体部24の上面に、遮蔽リップ部28a、28b、28を形成するTPOよりも硬度の高いTPOにより形成された化粧面部31を融着一体化するようにしたので、カバー本体部24の上面を、遮蔽リップ部28a、28b、28と同種の材料で形成した化粧面部31で覆うことができ、遮蔽リップ部28a、28b、28とカバー本体部24の上面(化粧面部31)に一体感を持たせて外観性(意匠性)を向上させることができる。しかも、硬度の高いTPOにより形成された化粧面部31によってカバー本体部24の上面(化粧面部31)の耐傷付性や耐摩耗性を向上させることができる。
【0048】
また、本実施形態(1)では、遮蔽リップ部28a、28b、28をTPOにより形成して、カバー本体部24をTPOと相溶性を有する硬質のPP系樹脂により形成し、両者を融着して一体化するようにしたので、遮蔽リップ部28a、28b、28をTPOにより弾性変形可能に形成しながら、カバー本体部24を硬質のPP系樹脂により形成することによってカバー本体部24の機械的強度を大きくして、シートレール11、12に対するカバー本体部24の取付強度を十分に確保できると共に、遮蔽リップ部28a、28b、28を安定支持することができる。しかも、TPOやPP系樹脂は比重が比較的小さいため、シートレールカバー21〜23を軽量化することができる。
【0049】
更に、本実施形態(1)では、カバー本体部24と遮蔽リップ部28a、28b、28と化粧面部31を共押出成形により同時に成形しながら融着して一体化するようにしたので、シートレールカバー21〜23効率良く生産することができる。
【0050】
また、本実施形態(1)では、センターシートレールカバー21のカバー本体部24の幅方向の両側に、それぞれ遮蔽リップ部28a、28bを設けて、センターシートレールカバー21の右側の遮蔽リップ部28aで第1のシートレール11のスライド溝13aの隙間を覆うと共に、左側の遮蔽リップ部28bで第2のシートレール11のスライド溝14cの隙間を覆うようにしたので、1本のセンターシートレールカバー21で隣接する2本のスライド溝13a、14cを覆うことができ、シートスライド装置の部品点数を削減することができる。
【0051】
《実施形態(2)》
図5に示す本発明の実施形態(2)では、センターシートレールカバー21の各遮蔽リップ部28a、28bの先端側部分の下面に、下側に突出する玉縁30(補強凸部)が遮蔽リップ部28a、28bの長手方向(前後方向)に沿って一体成形されている。第1及び第2のシートレールカバー22、23についても、遮蔽リップ部28の先端側部分の下面に、下側に突出する玉縁(補強凸部)を長手方向(前後方向)に沿って一体成形するようにしても良い。この場合、玉縁30には、滑り特性を向上させる物質(例えばシリコーンオイル、シリコーン樹脂粒子、フッ素樹脂粒子等)を混入するようにしても良い。その方法としては、玉縁30の部分だけ遮蔽リップ部28a、28b、28とは異なる滑り性のよい材料を共押出したり、又は、玉縁30を遮蔽リップ部28a、28b、28と同じ材料で押出し、この玉縁30の表面を滑り性のよい塗料で塗装する等が考えられる。その他の構成は、前記実施形態(1)と同じである。
【0052】
本実施形態(2)のように、遮蔽リップ部28a、28bの先端側部分の下面に、下側に突出する玉縁30を一体成形すれば、玉縁30によって遮蔽リップ部28a、28bの先端側部分の機械的強度を更に大きくすることができる。しかも、玉縁30をスライダー15のステム17(又は18)と接触させることで、遮蔽リップ部28a、28bの耐摩耗性を向上させることができ、遮蔽リップ部28a、28bの耐久性・寿命を向上させることができる。更に、玉縁30は、遮蔽リップ部28a、28bの下面側に形成されているため、遮蔽リップ部28a、28bの上面に玉縁30が露出せず、遮蔽リップ部28a、28bの外観を損なうことがない。また、玉縁30に滑り特性を向上させる物質(シリコーンオイル等)を混入することによって、遮蔽リップ部28a、28bの摺動性、耐摩耗性、異音防止性を向上させることができる。
【0053】
《実施形態(3)》
前記実施形態(1)、(2)では、シートレールカバー21〜23の遮蔽リップ部28a、28b、28の根元側部分に凹溝29a、29b、29を形成することで、遮蔽リップ部28a、28b、28の先端側部分の機械的強度を根元側部分の機械的強度よりも大きくするようにしたが、図6に示す本発明の実施形態(2)では、センターシートレールカバー33の左側の遮蔽リップ部34を、根元側から先端側に向かって肉厚が徐々に増大する形状に形成することで、先端側部分の機械的強度を根元側部分の機械的強度よりも大きくするようにしている。尚、センターシートレールカバー33の右側の遮蔽リップ部35は、根元側部分に凹溝29aを形成することで、遮蔽リップ部35の先端側部分の機械的強度を根元側部分の機械的強度よりも大きくするようにしている。
【0054】
尚、センターシートレールカバー33の右側の遮蔽リップ部35についても、左側の遮蔽リップ部34と同様に、根元側から先端側に向かって肉厚が徐々に増大する形状に形成するようにしても良い。第1及び第2のシートレールカバー22、23の遮蔽リップ部28についても、根元側から先端側に向かって肉厚が徐々に増大する形状に形成するようにしても良いことは言うまでもない。
【0055】
以上説明した本実施形態(3)では、遮蔽リップ部34を、根元側から先端側に向かって肉厚が徐々に増大する形状に形成することで、先端側部分の機械的強度を根元側部分の機械的強度よりも大きくするようにしている。このようにしても、遮蔽リップ部34を単一の材料で押出成形することができ、遮蔽リップ部34の製造が容易である。しかも、遮蔽リップ部34がスライダー15のステム18に当接して変形する際に、遮蔽リップ部34の根元側部分の弾性変形を凹溝29bの場合よりも広い範囲に分散させて生じさせることができ、遮蔽リップ部34の根元側部分の永久ひずみ(塑性変形)をより確実に防止できる利点がある。
《実施形態(4)》
図7に示す本発明の実施形態(4)では、センターシートレールカバー36の遮蔽リップ部37a、37bの先端側部分に、弾性変形可能な線状の補強部材38a、38bをインサート成形により埋設して補強部材38a、38bを遮蔽リップ部37a、37bの長手方向に沿って一体化するようにしている。この補強部材35は、遮蔽リップ部37a、37bを形成するTPOよりも材料本来の特性としての引張り強度の大きい弾性変形可能な金属線、樹脂線、ガラス繊維糸等で形成されている。これにより、遮蔽リップ部37a、37bの先端側部分の機械的強度を根元側部分の機械的強度よりも大きくするようにしている。尚、第1及び第2のシートレールカバー22、23についても、遮蔽リップ部28a、28bの先端側部分に、弾性変形可能な線状の補強部材を長手方向に沿って一体化するようにしても良いことは言うまでもない。
【0056】
本実施形態(4)の方法では、遮蔽リップ部37a、37bの先端側部分と根元側部分との間で形状(例えば肉厚)を必ずしも大きく異ならせる必要がなく、遮蔽リップ部37a、37bの先端側部分に補強部材38a、38bをインサート成形し、補強部材38a、38b自体の強度を利用して先端側部分の材料物性を異ならせることで機械的強度を大きくすることができるので、例えば、遮蔽リップ部37a、37bの先端側部分の肉厚を厚くできない等の制約がある場合でも、本発明を実施することができる。
【0057】
《実施形態(5)》
図8に示す本発明の実施形態(5)では、センターシートレールカバー39の遮蔽リップ部40a、40bの先端側の下側部分に、遮蔽リップ部40a、40bを形成するTPOよりも引張り強度の大きい硬質のTPOで形成した補強部材41a、41bを共押出成形により遮蔽リップ部40a、40bの長手方向に沿って一体化することで、遮蔽リップ部40a、40bの先端側部分の機械的強度を根元側部分の機械的強度よりも大きくするようにしている。
【0058】
ここで、補強部材41a、41bを形成するTPOは、遮蔽リップ部40a、40bを形成するTPOよりもPP成分の配合比を多くすることで、遮蔽リップ部40a、40bを形成するTPOよりも引張り強度を大きくしている。例えば、遮蔽リップ部40a、40bを形成するTPOは、EPDMとPPの配合比が70:30に設定され、補強部材41a、41bを形成するTPOは、EPDMとPPの配合比が30:70に設定されている。また、補強部材41a、41bに、滑り特性を向上させる物質(シリコーンオイル、シリコーン樹脂粒子、フッ素樹脂粒子等)を混入するようにしても良い。尚、第1及び第2のシートレールカバー22、23についても、遮蔽リップ部28a、28bの先端側の下面部分に、遮蔽リップ部28a、28bを形成するTPOよりも引張り強度の大きいTPOで形成した補強部材を共押出成形により長手方向に沿って一体化するようにしても良いことは言うまでもない。
【0059】
この場合、補強部材41a、41bは遮蔽リップ部40a、40bの下面側に一体化されているため、遮蔽リップ部40a、40bの上面に補強部材41a、41bが露出せず、遮蔽リップ部41a、41bの外観を損なうことがない。
【0060】
以上説明した本実施形態(5)においても、前記実施形態(4)と同様の効果を得ることができる。
尚、上記各実施形態(1)〜(5)のうちの2以上の実施形態を適宜組み合わせて実施しても良い。
【0061】
《実施形態(6)》
図9に示す本発明の実施形態(6)では、第1のサイドシートレールカバー42のカバー本体部24のうちの遮蔽リップ部28a、28b側の端末部分に、下向きに延びる係止片部43を一体成形し、この係止片部43を第1のシートレール11のスライド溝13aの開口縁部に係止させるようにしている。このようにすれば、第1のサイドシートレールカバー42を第1のシートレール11に更に確実に固定することができる。尚、センターシートレールカバー21や第2のサイドシートレールカバー23についても、係止片部を設けるようにしても良い。
【0062】
以上説明した各実施形態(1)〜(6)では、シートレールカバーの遮蔽リップ部をPP−EPDM系のTPO(ハードセグメントがPPでソフトセグメントがEPDMのTPO)により形成したが、これに限定されず、例えば、TPOのハードセグメントをPE(ポリエチレン)に変更したり、ソフトセグメントをEPM(エチレン−プロピレンゴム)に変更しても良い等、PP−EPDM系以外のTPOにより遮蔽リップ部を形成しても良い。また、TPO以外の非塩化ビニル系熱可塑性エラストマーにより遮蔽リップ部を形成しても良く、例えば、SBC(スチレン系熱可塑性エラストマー)、TPU(ウレタン系熱可塑性エラストマー)等により遮蔽リップ部を形成するようにしても良い。
【0063】
更に、化粧面部31を形成する非塩化ビニル系熱可塑性エラストマーを適宜変更しても良い。
また、上記各実施形態(1)〜(6)では、カバー本体部24と取付脚部25をPP系樹脂により形成したが、これに限定されず、PP系樹脂以外の熱可塑性樹脂(PE、ABS等)や硬質の熱可塑性エラストマー(TPO、SBC、TPU等)によりカバー本体部24と取付脚部25を形成しても良い。
【0064】
また、上記各実施形態(1)〜(6)では、遮蔽リップ部、カバー本体部24(取付脚部25を含む)及び化粧面部31を共押出成形により融着一体化するようにしたが、遮蔽リップ部とカバー本体部24(取付脚部25を含む)と化粧面部31を共押出成形以外の成形方法で別々に成形し、成形後に遮蔽リップ部とカバー本体部24(取付脚部25を含む)と化粧面部31とを熱融着、接着等により一体化するようにしても良い。
【0065】
また、化粧面部31とカバー本体部24と取付脚部25を非塩化ビニル系熱可塑性エラストマーにより一体成形するようにしても良い。
その他、本発明は、シートレールカバーの形状を適宜変更しても良く、例えば、取付脚部25を省略して、接着、ねじ止め、係合手段等によりカバー本体部をシートレールに固定するようにしても良い。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の実施形態(1)におけるシートスライド装置の外観斜視図
【図2】 実施形態(1)のシートスライド装置の断面図
【図3】 実施形態(1)のセンターシートレールカバーの断面図
【図4】 実施形態(1)のセンターシートレールカバー及びサイドシートレールカバーの平面図
【図5】 実施形態(2)のセンターシートレールカバーの断面図
【図6】 実施形態(3)のセンターシートレールカバーの断面図
【図7】 実施形態(4)のセンターシートレールカバーの断面図
【図8】 実施形態(5)のセンターシートレールカバーの断面図
【図9】 実施形態(6)の第1のシートレールカバー及びその周辺部の断面図
【符号の説明】
11…第1のシートレール、12…第2のシートレール、13,14…スライド溝、15…スライダー、17…第1のステム、18…第2のステム、21…センターシートレールカバー、22…第1のサイドシートレールカバー、23…第2のサイドシートレールカバー、24…カバー本体部、25…取付脚部、26…係合爪、27…係合金具(係合手段)、28、28a、28b…遮蔽リップ部、29、29a、29b…凹溝、30…玉縁(補強凸部)、31…化粧面部、33…センターシートレールカバー、34…遮蔽リップ部、35…遮蔽リップ部、36…センターシートレールカバー、37a、37b…遮蔽リップ部、38a、38b…補強部材、39…センターシートレールカバー、40a、40b…遮蔽リップ部、41a、41b…補強部材、42…第1のサイドシートレールカバー、43…係止片部。

Claims (10)

  1. シートを支持するスライダーがスライド移動するためのスライド溝が上向きに開口するように形成された長尺なシートレールをその上側から覆うように装着される長尺なシートレールカバーにおいて、
    前記シートレールカバーは、前記シートレールの上面を覆うように装着可能なカバー本体部と、装着されたときに前記カバー本体部から前記スライダーのステムに向けて突出して該ステムに当接して前記スライド溝の隙間を覆った状態で該スライダーの長手方向のスライド移動を許容する弾性変形可能な遮蔽リップ部とを備え、
    前記カバー本体部は、前記遮蔽リップ部よりも硬度及び剛性の高いオレフィン系熱可塑性樹脂及び/又は非塩化ビニル系熱可塑性エラストマーにより形成され、
    前記遮蔽リップ部は、非塩化ビニル系熱可塑性エラストマーにより形成され、且つ該遮蔽リップ部のうちの先端側部分の機械的強度が前記カバー本体部側の部分(以下「根元側部分」という)の機械的強度よりも大きくなるように構成されていることを特徴とするシートレールカバー。
  2. 前記遮蔽リップ部は、前記根元側部分に凹溝が該遮蔽リップ部の長手方向に沿って連続して形成されることで、前記先端側部分の機械的強度が前記根元側部分の機械的強度よりも大きくなっていることを特徴とする請求項1に記載のシートレールカバー。
  3. 前記遮蔽リップ部は、根元側から先端側に向かって肉厚が徐々に増大する形状に形成されることで、前記先端側部分の機械的強度が前記根元側部分の機械的強度よりも大きくなっていることを特徴とする請求項1又は2に記載のシートレールカバー。
  4. 前記遮蔽リップ部の先端側部分に、該遮蔽リップ部を形成する非塩化ビニル系熱可塑性エラストマーよりも引張り強度の大きい材料からなる補強部材が該遮蔽リップ部の長手方向に沿って一体化されていることを特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載のシートレールカバー。
  5. 前記遮蔽リップ部の先端側部分の下面に、下側に突出する補強凸部が該遮蔽リップ部の長手方向に沿って一体成形されていることを特徴とする請求項1乃至4のいずれかに記載のシートレールカバー。
  6. 前記カバー本体部の上面に、前記遮蔽リップ部を形成する非塩化ビニル系熱可塑性エラストマーよりも硬度の高い非塩化ビニル系熱可塑性エラストマーにより形成された化粧面部が融着一体化されていることを特徴とする請求項1乃至5のいずれかに記載のシートレールカバー。
  7. 前記カバー本体部の下面に、下向きに延びて前記シートレールの側面に係合手段により固定される取付脚部が設けられていることを特徴とする請求項1乃至6のいずれかに記載のシートレールカバー。
  8. 前記カバー本体部の幅方向の両側に、それぞれ前記遮蔽リップ部が設けられていることを特徴とする請求項1乃至7のいずれかに記載のシートレールカバー。
  9. 前記カバー本体部のうちの前記遮蔽リップ部側の部分に、下向きに延びて前記シートレールの前記スライド溝の開口縁部に係止される係止片部が設けられていることを特徴とする請求項1乃至8のいずれかに記載のシートレールカバー。
  10. 前記遮蔽リップ部は、オレフィン系熱可塑性エラストマーにより形成され、
    前記カバー本体部は、前記オレフィン系熱可塑性エラストマーと相溶性を有する硬質のオレフィン系熱可塑性樹脂により形成され、
    前記遮蔽リップ部と前記カバー本体部とが共押出成形により融着一体化されていることを特徴とする請求項1乃至9のいずれかに記載のシートレールカバー。
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