JP3738246B2 - 脱気・溶解処理用フッ素樹脂製チューブの製造方法 - Google Patents
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Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、例えば半導体素子やLCD用基板の製造時に用いられる薬液中に溶存し種々の欠陥を発生する原因となっているガスを薬液から除去する脱気処理あるいは半導体製造工程における基板の洗浄、エッチング処理後の洗浄等に用いられる超純水に強力な酸化剤として働く微量のオゾン等の溶解性ガスを添加し溶解する溶解処理を行なう場合に用いられる脱気・溶解処理用フッ素樹脂製チューブの製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
上記のごとき脱気処理や溶解処理用フッ素樹脂製チューブとして、従来では、耐薬品性及びオゾン等の溶解性ガスに対する耐性を有するフッ素樹脂材料、例えば、ポリテトラフルオロエチレン(以下、PTFEと称する。)の微粒に石油ナフサ等の液状潤滑剤を適宜重量部の割合で混合した後、チューブ状に予備成形し、次いで、予備成形品を押出機により押出した後、乾燥し、しかる後、加熱した上で一軸延伸させてチューブ周壁に連続気泡を有するように成形されたフッ素樹脂製多孔質チューブが用いられていた(例えば特許文献1参照)。
また、上記PTFE粉末と液状潤滑剤を適宜重量部の割合で混和し、この混和物を押出機によりチューブ状に押し出し、次いで、加熱して液状潤滑剤を除去した後、そのチューブを一軸延伸した多孔質化し、その後、チューブ周壁の内外面のいずれかに水性懸濁液を塗布した上で、チューブの融点以上の温度で焼成することによりチューブ周壁の内外面のいずれかに気泡のない非多孔質層を形成して、全体が非対称構造に形成されたフッ素樹脂製チューブを用いることも知られている(例えば特許文献2参照)。
【0003】
【特許文献1】
特開平3−188988号公報
【特許文献2】
特開平10−337405号公報(図1、図2)
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
上記の特許文献1,2に開示されている従来の脱気・溶解処理用フッ素樹脂製チューブは、いずれもチューブ周壁の全体または一部が連続気泡の多孔質に形成されているものであるから、非多孔質フッ素樹脂製チューブに比べればガス透過性に優れているものの、脱気処理や溶解処理の効率向上が図れるほどの高いガス透過性をもたせるためには、押出成形チューブの延伸倍率を高めて気孔率を大きくする必要がある。しかし、気孔率を大きくすると、孔径が大きくなって、被処理液体が透過しやすくなるとともに、耐圧強度及び耐液圧性の低下は免れ得ず、被処理液体の使用圧力に対して十分な信頼性が得られない。
【0005】
一方、液体非透過性で、かつ、耐圧強度及び耐液圧性を高めんがために、延伸倍率及び孔径を小さくして気孔率を小さくすると、ガス透過性が低下して処理効率を十分に高めることができず、気孔率の小さいものでガス透過性を高くするには、チューブの肉厚、つまり、チューブ周壁の厚さを小さくするか、チューブ長さを長くする必要があり、そうすると、気孔率を小さくしたにもかかわらず結局は耐圧強度及び耐液圧性を十分に高めることができない、あるいは、流路長さの延長によって処理効率が悪化することになりかねないといったように、耐圧強度及び耐液圧性とガス透過性及び処理効率との両方をバランスよく確保することが非常に困難である。
【0006】
また、この種のチューブは、連続成形される長尺チューブを脱気や溶解処理に必要な長さに切断して用いられるが、例えば脱気処理に連続気泡の多孔質チューブを使用する場合、その切断端面から被処理液体が逆流して真空部に液漏れしやすく、その結果、所定の脱気処理が行なえなくなるという問題がある。
【0007】
さらに、連続気泡の多孔質チューブの場合、チューブ周壁の内外面が平滑でなく、細かい凹凸を有しているので、その凹部に死水領域が形成されて被処理液体が滞流ないし滞留したり、淀んだりしやすくなり、その結果、ガスの透過性が損なわれるだけでなく、液体純度が低下するために、所定の脱気処理性能や溶解処理性能の低下は避けられない。
【0008】
加えて、従来のフッ素樹脂チューブの製造方法は、いずれも発泡フッ素樹脂材料を空芯のままで押出し、かつ、一軸延伸して多孔質化するものであるから、真円度を保ちにくいだけでなく、チューブ周壁の厚さにばらつきがある偏肉構造となったり、チューブ周壁の気孔率にばらつきが生じたりして、耐圧強度、ガス透過性及び液体非透過性の面で安定した品質、性能をもつ多孔質チューブを製造することが非常に難しいという問題もあった。
【0009】
本発明は上記のような実情に鑑みてなされたもので、耐圧強度及び耐液圧性を十分に確保しながら、脱気・溶解処理効率及び脱気・溶解処理性能の向上が図れるだけの液体非透過性で高いガス透過性をもつ樹脂チューブを容易かつ均質に製造することができる脱気・溶解処理用フッ素樹脂製チューブの製造方法を提供することを目的としている。
【0010】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、本発明に係る脱気・溶解処理用フッ素樹脂製チューブの製造方法は、被処理液体中に溶存するガスをチューブ周壁の厚み方向に透過させて被処理液体の流路から除去する脱気処理または溶解性ガスを被処理液体の流路外部からチューブ周壁の厚み方向に透過させて被処理液体中に供給し溶解する溶解処理に用いられる脱気・溶解処理用フッ素樹脂製チューブの製造方法であって、
発泡フッ素樹脂材料を押出成形する際、その中心部に内部流路形成用の芯線を配置し、この芯線の外周に沿って発泡フッ素樹脂材料をチューブ状に押出し被覆させて発泡させることにより、チューブ周壁に独立気泡が分散され、かつ、チューブ周壁の内外面のうち少なくとも内面が平滑面とされたチューブを成形し、
しかる後、成形チューブと芯線とを軸線方向に相対移動させて芯線を成形チューブから引き抜くことを特徴とするものである。
【0011】
上記のような特徴を有する本発明によれば、発泡フッ素樹脂材料を芯線の外周に沿ってチューブ状に押出し被覆して発泡成形するものであるから、真円度の高い、また、チューブ周壁の厚さが一定で独立気泡が均一に分散され、かつ、少なくとも内面が平滑性に優れた樹脂チューブを容易かつ均質に製造することが可能である。このようにして製造された発泡フッ素樹脂製チューブは、チューブ周壁の厚みが同一の従来の連続気泡多孔質チューブに比べて耐圧強度及び耐液圧性を大きく確保して被処理液体の使用圧力に対する信頼性向上が図れるとともに、高圧条件下でも被処理液体がチューブ周壁の厚み方向に浸透したり、チューブ切断端面から逆流したりする、いわゆる、液漏れの発生を確実に防止しつつ、ガスのみをチューブ周壁の厚み方向に効率よく透過させて所定の脱気処理や溶解処理効率及び処理性能の向上を図ることが可能である。その上、被処理液体が接触するチューブ周壁面は平滑で被処理液体の滞流ないし滞留や淀みの原因となる死水領域が形成されないので、ガス透過性を良好に維持することが可能であるとともに、液体純度の低下も防止して高純度水や超純水にオゾン等のガスを添加し溶解する溶解処理に使用する場合でも、その処理性能の向上を図ることが可能である。
【0012】
本発明に係る脱気・溶解処理用フッ素樹脂製チューブの製造方法において、請求項2に記載のように、芯線の外周に沿って発泡フッ素樹脂材料をチューブ状に押出し被覆する際、独立気泡が分散されるチューブ周壁の内外面のうち少なくとも内面側に、チューブ成形用発泡フッ素樹脂材料よりも発泡度の低いもしくは非発泡性のフッ素樹脂材料を同時にチューブ状に押出し被覆させて少なくともチューブ周壁の内面にスキン層を形成することにより、チューブ周壁の発泡度を高くしガス透過性を一段と高いものとしつつも、スキン層によって被処理液体の透過を防いで処理性能の低下を避けることができる。
【0013】
また、本発明に係る脱気・溶解処理用フッ素樹脂製チューブの製造方法において、請求項3に記載のように、芯線の外周に沿って発泡フッ素樹脂材料または発泡フッ素樹脂材料とスキン層形成用フッ素樹脂材料をチューブ状に押出し被覆する際、その押出し空間内部を真空引きにより減圧することにより、溶融状態にある発泡フッ素樹脂中の溶解ガス及び独立気泡中のガスを抜くことができるとともに、溶融フッ素樹脂の芯線に対する抱き付き強度を上げてチューブ真円度及びチューブ周壁厚みの一定化を確実にしてチューブの性能、品質を一段と高めることができる。
【0014】
さらに、本発明に係る脱気・溶解処理用フッ素樹脂製チューブの製造方法において、発泡フッ素樹脂材料の押出し発泡により成形されるチューブ周壁は、請求項4に記載のように、このチューブ周壁に分散された独立気泡がチューブ周壁の全体積に対して3〜90%、好ましくは、5〜80%の体積を占有するように発泡成形することが望ましい。
【0015】
なお、本発明の発泡フッ素樹脂材料としては、PTFE、テトラフルオロエチレンーヘキサフルオロプロピレン共重合体(FEP)、テトラフルオロエチレンーパーフルオロアルキルビニルエーテル共重合体(PFA)、テトラフルオロエチレンーヘキサフルオロプロピレンーパーフルオロアルキルビニルエーテル共重合体(EPE)、テトラフルオロエチレンーエチレン共重合体(ETFE)等に発泡剤を添加混合したものが使用される。発泡剤としては、窒素、ヘリウム、ネオン、アルゴン、二酸化炭素のような不活性気体、メタン、プロパン、ブタン、ペンタン、ヘキサン等の炭化水素、フルオロトノクロロメタン、ジフルオロジクロロメタン、トリフルオロクロロメタン、テトラフルオロメタン、ジフルオロクロロエタン、テトラフルオロジクロロエタン等の低分子フロオロカーボン類から選ばれた一種又は二種以上を使用する。気泡径の調整、均一化のために、発泡核剤として、窒化硼素、二酸化珪素、二酸化チタン、アルミナ、酸化ジルコニウム等の無機物微粉末を加えてもよい。
【0016】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を図面にもとづいて説明する。
図1は本発明に係る脱気・溶解処理用フッ素樹脂製チューブのうち、単層構造のチューブの製造に用いられる装置の断面図である。この装置は、クロスヘッド21の上方に押出機22を配置している。クロスヘッド21は、ダイス23とニップル24とからなる。押出機22には、図示しないホッパーから発泡剤を含むフッ素樹脂材料Fが供給され、この発泡フッ素樹脂材料Fをガス注入口25から注入されるフロン等のガスにより均一に溶融混練しながら、クロスヘッド21のニップル24の外面に導くように構成されている。
【0017】
また、ニップル24の中心孔24aには図の左方から芯線26が挿通され、この芯線26はダイス23の中心孔23aを通って図の右方へ移動可能とされており、この芯線26を移動させながらニップル24の外面に沿って溶融発泡フッ素樹脂材料Fをチューブ状に押出すことにより、芯線26が溶融発泡フッ素樹脂材料Fにより被覆される。この押出し被覆の直後に、発泡フッ素樹脂材料Fを大気発泡させることによって所定の発泡フッ素樹脂製チューブ1が連続成形される。
【0018】
上記のような溶融発泡フッ素樹脂材料Fの押出し被覆の際、その押出し空間27の内部は、ダイス23の中心孔23a及びニップル24の中心孔24aを通じて矢印x方向に真空引きして減圧される。これによって、溶融状態にある発泡フッ素樹脂材料F中の溶解ガス及び後述する独立気泡中のガスを抜くことができるとともに、溶融フッ素樹脂材料Fの芯線26に対する抱き付き強度を高くして真円度及び周壁厚みが一定化された発泡フッ素樹脂製チューブ1を確実に成形することができる。
【0019】
しかる後、芯線26を成形された発泡フッ素樹脂製チューブ1に対して軸線方向に移動させて引き抜き、かつ、チューブ1を所定長さに切断することにより、図2及び図3に示すように、その中心部にチューブ周壁3で囲まれた流路2を有する脱気・溶解処理用フッ素樹脂製チューブ1Aが製造される。
【0020】
このように芯線26の外周に沿ってチューブ状に押出し被覆された溶融発泡フッ素樹脂材料Fを発泡成形して製造された脱気・溶解処理用フッ素樹脂製チューブ1Aは、真円度が高く、また、チューブ周壁3の厚さも一定である。具体的には、図2及び図3に明示するように、流路2外周のチューブ周壁3の厚みTが5〜300μm、外径Dが50〜500μmの範囲で全周に亘り均一に形成されているとともに、そのチューブ周壁3には、10〜1000μmの大きさSを持つ多数の独立気泡4…がチューブ周壁3の全体積に対して3〜90%、好ましくは5〜80%の体積を占有する状態で均一に分散され、かつ、チューブ周壁3の内外面3a,3bが平滑面に形成されている。また、独立気泡4…のうち隣接する独立気泡4,4…同士の距離d1及び流路周壁3の最内径側、最外径側に位置する独立気泡4…とチューブ周壁3の内外面3a,3bとの距離d2は、5〜500μmの範囲に設定されている。
【0021】
上述のようにして製造された脱気・溶解処理用フッ素樹脂製チューブ1Aは、図4に示すように、中心部の流路2に、例えば半導体素子やLCD用基板の製造時に用いられる薬液等の被処理液体Aを流通させるとともに、チューブ1A外周を真空ポンプ等によって減圧させることにより、該被処理液体A中に溶存するガスg1をチューブ周壁3の厚み方向、すなわち、内径側から外径側に向け透過させて液体流路2から除去する脱気処理、あるいは、図5に示すように、例えば半導体製造工程における基板の洗浄、エッチング処理後の洗浄等に用いられる高純度水や超純水等の被処理液体A’を中心部の流路2に流通させるとともに、チューブ1A外部に配置した容器(図示省略する)内にオゾン等の溶解性ガスg2を加圧供給することにより、溶解性ガスg2をチューブ周壁3の外径側から内径側に向けて透過させその溶解性ガスg2を流路2に供給し被処理液体A’に溶解させる溶解処理に用いられる。
【0022】
上記の脱気処理あるいは溶解処理に用いた場合、チューブ周壁3には多数の独立気泡4…が均一に分散されているので、チューブ周壁3の厚みTが同一の従来の連続気泡多孔質チューブに比べて耐圧強度及び耐液圧性を大きく確保することが可能で、被処理液体A,A’の使用圧力に対する信頼性が高いとともに、流路2に被処理液体Aを高圧で流通させる脱気処理の場合でも、チューブ1A外部の容器(図示省略する)内にオゾン等の溶解性ガスg2を高圧に加圧供給する溶解処理の場合でも、被処理液体A,A’がチューブ周壁3の厚み方向に浸透したり、チューブ切断端面から逆流する、いわゆる、液漏れが発生したりすることを確実に防止しつつ、ガスのみをチューブ周壁3の厚み方向に透過させて所定の脱気処理あるいは溶解処理を確実に、効率よく、かつ、非常に高性能に行なうことができる。
【0023】
図6は本発明に係る脱気・溶解処理用フッ素樹脂製チューブのうち、チューブ内面にスキン層が形成された二層構造の脱気・溶解処理用フッ素樹脂製チューブの製造に用いられる装置の断面図である。この装置は、クロスヘッド21の上方に押出機22を配置しているとともに、クロスヘッド21の下方に他の押出機28が配置されている。クロスヘッド21は、ダイス23と内外二重のニップル24A,24Bとからなる。押出機22には、図示しないホッパーから発泡剤を含むフッ素樹脂材料Fが供給され、この発泡フッ素樹脂材料Fをガス注入口25から注入されるフロン等のガスにより均一に溶融混練しながら、クロスヘッド21の外側ニップル24Bの外面に導くように構成され、また、押出機28には、図示しないホッパーから発泡剤を含まない非発泡フッ素樹脂材料F1が供給され、この非発泡フッ素樹脂材料F1を溶融してクロスヘッド21の内側ニップル24Aの外面に導くように構成されている。
【0024】
また、内側ニップル24Aの中心孔24aには図1の装置と同様に、図の左方から芯線26が挿通され、この芯線26はダイス23の中心孔23aを通って図の右方へ移動可能とされており、この芯線26を移動させながら、外側ニップル24Bの外面に沿って溶融発泡フッ素樹脂材料Fを、かつ、内側ニップル24Aの外面に沿って溶融非発泡フッ素樹脂材料F1を同時にチューブ状に押出すことにより、芯線26が溶融非発泡フッ素樹脂材料F1及び溶融発泡フッ素樹脂材料Fにより内外二層に被覆される。この押出し被覆の直後に、外層側の発泡フッ素樹脂材料Fを大気発泡させることによって、内面にスキン層29が形成された二層構造のフッ素樹脂製チューブ1が連続成形される。
【0025】
しかる後、芯線26を成形されたフッ素樹脂製チューブ1に対して軸線方向に移動させて引き抜き、かつ、チューブ1を所定長さに切断することにより、その中心部にチューブ周壁3及びスキン層29で囲まれた流路2を有する脱気・溶解処理用フッ素樹脂製チューブ1Aが製造される。
【0026】
なお、二層構造のフッ素樹脂製チューブ1の押出し成形時にも、その押出し空間27の内部を、ダイス23の中心孔23a及び内側ニップル24Aの中心孔24aを通じて矢印x方向に真空引きして減圧することによって、溶融状態にある発泡フッ素樹脂材料F及びスキン層形成用の非発泡フッ素樹脂材料F1中の溶解ガス及び後述する独立気泡中のガスを抜くことができるとともに、溶融発泡フッ素樹脂材料F及び溶融非発泡フッ素樹脂材料F1の芯線26に対する抱き付き強度を高くして真円度及び周壁厚みが一定化された発泡フッ素樹脂製チューブ1を確実に成形することができる。
【0027】
このようにして製造された二層構造の脱気・溶解処理用フッ素樹脂製チューブ1Aは、図7に明示するように、真円度が高く、かつ、チューブ周壁3の厚さも一定であり、その一定厚さのチューブ周壁3には、10〜1000μmの大きさSを持つ多数の独立気泡4…がチューブ周壁3の全体積に対して3〜90%、好ましくは5〜80%の体積を占有する状態で均一に分散され、また、チューブ周壁3の内面にはスキン層29が形成されていて、その内面3Aは平滑面に形成されている。
【0028】
上述のようにして製造された二層構造の脱気・溶解処理用フッ素樹脂製チューブ1Aは、図4に示した同様に、被処理液体A中に溶存するガスg1をチューブ周壁3の内径側から外径側に向け透過させて液体流路2から除去する脱気処理、あるいは、図5に示したと同様に、オゾン等の溶解性ガスg2をチューブ周壁3の外径側から内径側に向け透過させて中心部の流路2に供給し被処理液体A’に溶解させる溶解処理に用いられるが、このときも、耐圧強度及び耐液圧性を大きく確保して被処理液体A,A’の使用圧力に対する信頼性の向上及び被処理液体A,A’のチューブ周壁3に対する浸透や液漏れの発生を確実に防止しつつ、ガスのみをチューブ周壁3の厚み方向に透過させて所定の脱気処理あるいは溶解処理を確実に、効率よく、かつ、非常に高性能に行なうことができる。特に、被処理液体A,A’が接触するチューブ周壁3の内面はスキン層29の存在により平滑面に保たれ、被処理液体A,A’の滞流ないし滞留や淀みの原因となる死水領域の形成もなく、ガス透過性を良好に維持することができるとともに、被処理液体A,A’の流れを層流にして流体損失抵抗を非常に少なくし、処理効率の一層の向上を図ることができる。。
【0029】
なお、上記実施の形態では、チューブ周壁3の内面側にのみにスキン層29が形成された二層構造の脱気・溶解処理用フッ素樹脂製チューブ1A及びその製造方法について説明したが、図8に示すように、チューブ周壁3の内外両面にそれぞれスキン層29,30が形成された三層構造の脱気・溶解処理用フッ素樹脂製チューブ1Aであってもよく、この三層構造の脱気・溶解処理用フッ素樹脂製チューブ1Aの製造には、クロスヘッド21の外方周囲に3つの押出機を配置するとともに、ダイス23と内外三重構造のニップルを持ったダイスを備えた装置を用いて上記各実施の形態の場合と同様に、押出し被覆及び大気発泡することにより製造可能である。
【0030】
また、二層構造または三層構造の脱気・溶解処理用フッ素樹脂製チューブ1Aにおけるスキン層29,30の形成材料としては、発泡剤を含まない非発泡フッ素樹脂を用いる以外に、発泡剤の含有量を少なくして発泡度を低く設定した発泡フッ素樹脂材料を用いてもよい。
【0031】
【発明の効果】
以上要するに、本発明によれば、発泡フッ素樹脂材料を芯線の外周に沿ってチューブ状に押出し被覆して発泡成形するものであるから、真円度が高く、また、偏肉なく、厚さが全周に亘り均一でその均一厚さのチューブ周壁に独立気泡が均一に分散された均質な樹脂製チューブを容易に製造することができる。そして、このように製造された発泡フッ素樹脂製チューブは、チューブ周壁の厚みが同一の従来の連続気泡多孔質チューブに比べて、耐圧強度及び耐液圧性が大きくて被処理液体の使用圧力に対する信頼性向上並びに高圧条件下でも被処理液体がチューブ周壁の厚み方向に浸透したり、チューブ切断端面から逆流したりする、いわゆる、液漏れの発生を確実に防止しつつ、ガス透過性を数倍〜数百倍にも高めて所定の脱気・溶解処理効率及び処理性能の著しい向上を図ることができる。しかも、被処理液体が接触するチューブ周壁面は平滑面であるため、被処理液体の滞流ないし滞留や淀みの原因となる死水領域が形成されず、優れたガス透過性を良好に維持することができるとともに、液体純度の低下も防止して高純度水や超純水にオゾン等のガスを添加し溶解する溶解処理時の処理性能の向上を図ることができる。また、被処理液体が接するチューブ周壁面が平滑であるために、液体の流れが層流で流体損失抵抗も非常に少なく、その面からも脱気・溶解処理効率を一段と向上することができるという効果を奏する。
【0032】
特に、請求項2に記載のように、チューブ周壁の内外面のうち少なくとも内面側にチューブ成形用発泡フッ素樹脂材料よりも発泡度の低いもしくは非発泡性のフッ素樹脂材料を同時にチューブ状に押出し被覆させてスキン層を形成することにより、チューブ周壁の発泡度を高くしてガス透過性を一段と高いものとしつつも、スキン層の存在により被処理液体の透過を防いで処理性能の低下を避けることができる。
【0033】
また、請求項3に記載のように、フッ素樹脂材料をチューブ状に押出し被覆する際、その押出し空間内部を真空引きにより減圧することにより、溶融状態にある発泡フッ素樹脂中の溶解ガス及び独立気泡中のガスを抜くことができるとともに、溶融フッ素樹脂の芯線に対する抱き付き強度を上げてチューブ真円度及びチューブ周壁厚みの一定化を確実にしてチューブの性能、品質を一段と高めることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る脱気・溶解処理用フッ素樹脂製チューブのうち、単層構造のチューブの製造に用いられる装置の断面図である。
【図2】同上装置により製造された脱気・溶解処理用フッ素樹脂製チューブの要部の拡大縦断側面図である。
【図3】同上チューブの要部の拡大縦断正面図である。
【図4】同上チューブを脱気処理に使用している場合の作用状態を説明するモデル図である。
【図5】同上チューブを溶解処理に使用している場合の作用状態を説明するモデル図である。
【図6】本発明に係る脱気・溶解処理用フッ素樹脂製チューブのうち、二層構造のチューブの製造に用いられる装置の断面図である。
【図7】同上装置により製造された脱気・溶解処理用フッ素樹脂製チューブの要部の拡大縦断正面図である。
【図8】本発明に係る脱気・溶解処理用フッ素樹脂製チューブのうち、三層構造のチューブの要部の拡大縦断正面図である。
【符号の説明】
1 発泡フッ素樹脂製チューブ
1A 脱気・溶解処理用フッ素樹脂製チューブ
2 液体流路
3 チューブ周壁
3a,3b チューブ周壁の内外面
4 独立気泡
26 芯線
29,30 スキン層
A、A’ 被処理液体
F 発泡フッ素樹脂材料
F1 スキン層形成用フッ素樹脂材料
g1 溶存ガス
g2 溶解性ガス
【発明の属する技術分野】
本発明は、例えば半導体素子やLCD用基板の製造時に用いられる薬液中に溶存し種々の欠陥を発生する原因となっているガスを薬液から除去する脱気処理あるいは半導体製造工程における基板の洗浄、エッチング処理後の洗浄等に用いられる超純水に強力な酸化剤として働く微量のオゾン等の溶解性ガスを添加し溶解する溶解処理を行なう場合に用いられる脱気・溶解処理用フッ素樹脂製チューブの製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
上記のごとき脱気処理や溶解処理用フッ素樹脂製チューブとして、従来では、耐薬品性及びオゾン等の溶解性ガスに対する耐性を有するフッ素樹脂材料、例えば、ポリテトラフルオロエチレン(以下、PTFEと称する。)の微粒に石油ナフサ等の液状潤滑剤を適宜重量部の割合で混合した後、チューブ状に予備成形し、次いで、予備成形品を押出機により押出した後、乾燥し、しかる後、加熱した上で一軸延伸させてチューブ周壁に連続気泡を有するように成形されたフッ素樹脂製多孔質チューブが用いられていた(例えば特許文献1参照)。
また、上記PTFE粉末と液状潤滑剤を適宜重量部の割合で混和し、この混和物を押出機によりチューブ状に押し出し、次いで、加熱して液状潤滑剤を除去した後、そのチューブを一軸延伸した多孔質化し、その後、チューブ周壁の内外面のいずれかに水性懸濁液を塗布した上で、チューブの融点以上の温度で焼成することによりチューブ周壁の内外面のいずれかに気泡のない非多孔質層を形成して、全体が非対称構造に形成されたフッ素樹脂製チューブを用いることも知られている(例えば特許文献2参照)。
【0003】
【特許文献1】
特開平3−188988号公報
【特許文献2】
特開平10−337405号公報(図1、図2)
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
上記の特許文献1,2に開示されている従来の脱気・溶解処理用フッ素樹脂製チューブは、いずれもチューブ周壁の全体または一部が連続気泡の多孔質に形成されているものであるから、非多孔質フッ素樹脂製チューブに比べればガス透過性に優れているものの、脱気処理や溶解処理の効率向上が図れるほどの高いガス透過性をもたせるためには、押出成形チューブの延伸倍率を高めて気孔率を大きくする必要がある。しかし、気孔率を大きくすると、孔径が大きくなって、被処理液体が透過しやすくなるとともに、耐圧強度及び耐液圧性の低下は免れ得ず、被処理液体の使用圧力に対して十分な信頼性が得られない。
【0005】
一方、液体非透過性で、かつ、耐圧強度及び耐液圧性を高めんがために、延伸倍率及び孔径を小さくして気孔率を小さくすると、ガス透過性が低下して処理効率を十分に高めることができず、気孔率の小さいものでガス透過性を高くするには、チューブの肉厚、つまり、チューブ周壁の厚さを小さくするか、チューブ長さを長くする必要があり、そうすると、気孔率を小さくしたにもかかわらず結局は耐圧強度及び耐液圧性を十分に高めることができない、あるいは、流路長さの延長によって処理効率が悪化することになりかねないといったように、耐圧強度及び耐液圧性とガス透過性及び処理効率との両方をバランスよく確保することが非常に困難である。
【0006】
また、この種のチューブは、連続成形される長尺チューブを脱気や溶解処理に必要な長さに切断して用いられるが、例えば脱気処理に連続気泡の多孔質チューブを使用する場合、その切断端面から被処理液体が逆流して真空部に液漏れしやすく、その結果、所定の脱気処理が行なえなくなるという問題がある。
【0007】
さらに、連続気泡の多孔質チューブの場合、チューブ周壁の内外面が平滑でなく、細かい凹凸を有しているので、その凹部に死水領域が形成されて被処理液体が滞流ないし滞留したり、淀んだりしやすくなり、その結果、ガスの透過性が損なわれるだけでなく、液体純度が低下するために、所定の脱気処理性能や溶解処理性能の低下は避けられない。
【0008】
加えて、従来のフッ素樹脂チューブの製造方法は、いずれも発泡フッ素樹脂材料を空芯のままで押出し、かつ、一軸延伸して多孔質化するものであるから、真円度を保ちにくいだけでなく、チューブ周壁の厚さにばらつきがある偏肉構造となったり、チューブ周壁の気孔率にばらつきが生じたりして、耐圧強度、ガス透過性及び液体非透過性の面で安定した品質、性能をもつ多孔質チューブを製造することが非常に難しいという問題もあった。
【0009】
本発明は上記のような実情に鑑みてなされたもので、耐圧強度及び耐液圧性を十分に確保しながら、脱気・溶解処理効率及び脱気・溶解処理性能の向上が図れるだけの液体非透過性で高いガス透過性をもつ樹脂チューブを容易かつ均質に製造することができる脱気・溶解処理用フッ素樹脂製チューブの製造方法を提供することを目的としている。
【0010】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、本発明に係る脱気・溶解処理用フッ素樹脂製チューブの製造方法は、被処理液体中に溶存するガスをチューブ周壁の厚み方向に透過させて被処理液体の流路から除去する脱気処理または溶解性ガスを被処理液体の流路外部からチューブ周壁の厚み方向に透過させて被処理液体中に供給し溶解する溶解処理に用いられる脱気・溶解処理用フッ素樹脂製チューブの製造方法であって、
発泡フッ素樹脂材料を押出成形する際、その中心部に内部流路形成用の芯線を配置し、この芯線の外周に沿って発泡フッ素樹脂材料をチューブ状に押出し被覆させて発泡させることにより、チューブ周壁に独立気泡が分散され、かつ、チューブ周壁の内外面のうち少なくとも内面が平滑面とされたチューブを成形し、
しかる後、成形チューブと芯線とを軸線方向に相対移動させて芯線を成形チューブから引き抜くことを特徴とするものである。
【0011】
上記のような特徴を有する本発明によれば、発泡フッ素樹脂材料を芯線の外周に沿ってチューブ状に押出し被覆して発泡成形するものであるから、真円度の高い、また、チューブ周壁の厚さが一定で独立気泡が均一に分散され、かつ、少なくとも内面が平滑性に優れた樹脂チューブを容易かつ均質に製造することが可能である。このようにして製造された発泡フッ素樹脂製チューブは、チューブ周壁の厚みが同一の従来の連続気泡多孔質チューブに比べて耐圧強度及び耐液圧性を大きく確保して被処理液体の使用圧力に対する信頼性向上が図れるとともに、高圧条件下でも被処理液体がチューブ周壁の厚み方向に浸透したり、チューブ切断端面から逆流したりする、いわゆる、液漏れの発生を確実に防止しつつ、ガスのみをチューブ周壁の厚み方向に効率よく透過させて所定の脱気処理や溶解処理効率及び処理性能の向上を図ることが可能である。その上、被処理液体が接触するチューブ周壁面は平滑で被処理液体の滞流ないし滞留や淀みの原因となる死水領域が形成されないので、ガス透過性を良好に維持することが可能であるとともに、液体純度の低下も防止して高純度水や超純水にオゾン等のガスを添加し溶解する溶解処理に使用する場合でも、その処理性能の向上を図ることが可能である。
【0012】
本発明に係る脱気・溶解処理用フッ素樹脂製チューブの製造方法において、請求項2に記載のように、芯線の外周に沿って発泡フッ素樹脂材料をチューブ状に押出し被覆する際、独立気泡が分散されるチューブ周壁の内外面のうち少なくとも内面側に、チューブ成形用発泡フッ素樹脂材料よりも発泡度の低いもしくは非発泡性のフッ素樹脂材料を同時にチューブ状に押出し被覆させて少なくともチューブ周壁の内面にスキン層を形成することにより、チューブ周壁の発泡度を高くしガス透過性を一段と高いものとしつつも、スキン層によって被処理液体の透過を防いで処理性能の低下を避けることができる。
【0013】
また、本発明に係る脱気・溶解処理用フッ素樹脂製チューブの製造方法において、請求項3に記載のように、芯線の外周に沿って発泡フッ素樹脂材料または発泡フッ素樹脂材料とスキン層形成用フッ素樹脂材料をチューブ状に押出し被覆する際、その押出し空間内部を真空引きにより減圧することにより、溶融状態にある発泡フッ素樹脂中の溶解ガス及び独立気泡中のガスを抜くことができるとともに、溶融フッ素樹脂の芯線に対する抱き付き強度を上げてチューブ真円度及びチューブ周壁厚みの一定化を確実にしてチューブの性能、品質を一段と高めることができる。
【0014】
さらに、本発明に係る脱気・溶解処理用フッ素樹脂製チューブの製造方法において、発泡フッ素樹脂材料の押出し発泡により成形されるチューブ周壁は、請求項4に記載のように、このチューブ周壁に分散された独立気泡がチューブ周壁の全体積に対して3〜90%、好ましくは、5〜80%の体積を占有するように発泡成形することが望ましい。
【0015】
なお、本発明の発泡フッ素樹脂材料としては、PTFE、テトラフルオロエチレンーヘキサフルオロプロピレン共重合体(FEP)、テトラフルオロエチレンーパーフルオロアルキルビニルエーテル共重合体(PFA)、テトラフルオロエチレンーヘキサフルオロプロピレンーパーフルオロアルキルビニルエーテル共重合体(EPE)、テトラフルオロエチレンーエチレン共重合体(ETFE)等に発泡剤を添加混合したものが使用される。発泡剤としては、窒素、ヘリウム、ネオン、アルゴン、二酸化炭素のような不活性気体、メタン、プロパン、ブタン、ペンタン、ヘキサン等の炭化水素、フルオロトノクロロメタン、ジフルオロジクロロメタン、トリフルオロクロロメタン、テトラフルオロメタン、ジフルオロクロロエタン、テトラフルオロジクロロエタン等の低分子フロオロカーボン類から選ばれた一種又は二種以上を使用する。気泡径の調整、均一化のために、発泡核剤として、窒化硼素、二酸化珪素、二酸化チタン、アルミナ、酸化ジルコニウム等の無機物微粉末を加えてもよい。
【0016】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を図面にもとづいて説明する。
図1は本発明に係る脱気・溶解処理用フッ素樹脂製チューブのうち、単層構造のチューブの製造に用いられる装置の断面図である。この装置は、クロスヘッド21の上方に押出機22を配置している。クロスヘッド21は、ダイス23とニップル24とからなる。押出機22には、図示しないホッパーから発泡剤を含むフッ素樹脂材料Fが供給され、この発泡フッ素樹脂材料Fをガス注入口25から注入されるフロン等のガスにより均一に溶融混練しながら、クロスヘッド21のニップル24の外面に導くように構成されている。
【0017】
また、ニップル24の中心孔24aには図の左方から芯線26が挿通され、この芯線26はダイス23の中心孔23aを通って図の右方へ移動可能とされており、この芯線26を移動させながらニップル24の外面に沿って溶融発泡フッ素樹脂材料Fをチューブ状に押出すことにより、芯線26が溶融発泡フッ素樹脂材料Fにより被覆される。この押出し被覆の直後に、発泡フッ素樹脂材料Fを大気発泡させることによって所定の発泡フッ素樹脂製チューブ1が連続成形される。
【0018】
上記のような溶融発泡フッ素樹脂材料Fの押出し被覆の際、その押出し空間27の内部は、ダイス23の中心孔23a及びニップル24の中心孔24aを通じて矢印x方向に真空引きして減圧される。これによって、溶融状態にある発泡フッ素樹脂材料F中の溶解ガス及び後述する独立気泡中のガスを抜くことができるとともに、溶融フッ素樹脂材料Fの芯線26に対する抱き付き強度を高くして真円度及び周壁厚みが一定化された発泡フッ素樹脂製チューブ1を確実に成形することができる。
【0019】
しかる後、芯線26を成形された発泡フッ素樹脂製チューブ1に対して軸線方向に移動させて引き抜き、かつ、チューブ1を所定長さに切断することにより、図2及び図3に示すように、その中心部にチューブ周壁3で囲まれた流路2を有する脱気・溶解処理用フッ素樹脂製チューブ1Aが製造される。
【0020】
このように芯線26の外周に沿ってチューブ状に押出し被覆された溶融発泡フッ素樹脂材料Fを発泡成形して製造された脱気・溶解処理用フッ素樹脂製チューブ1Aは、真円度が高く、また、チューブ周壁3の厚さも一定である。具体的には、図2及び図3に明示するように、流路2外周のチューブ周壁3の厚みTが5〜300μm、外径Dが50〜500μmの範囲で全周に亘り均一に形成されているとともに、そのチューブ周壁3には、10〜1000μmの大きさSを持つ多数の独立気泡4…がチューブ周壁3の全体積に対して3〜90%、好ましくは5〜80%の体積を占有する状態で均一に分散され、かつ、チューブ周壁3の内外面3a,3bが平滑面に形成されている。また、独立気泡4…のうち隣接する独立気泡4,4…同士の距離d1及び流路周壁3の最内径側、最外径側に位置する独立気泡4…とチューブ周壁3の内外面3a,3bとの距離d2は、5〜500μmの範囲に設定されている。
【0021】
上述のようにして製造された脱気・溶解処理用フッ素樹脂製チューブ1Aは、図4に示すように、中心部の流路2に、例えば半導体素子やLCD用基板の製造時に用いられる薬液等の被処理液体Aを流通させるとともに、チューブ1A外周を真空ポンプ等によって減圧させることにより、該被処理液体A中に溶存するガスg1をチューブ周壁3の厚み方向、すなわち、内径側から外径側に向け透過させて液体流路2から除去する脱気処理、あるいは、図5に示すように、例えば半導体製造工程における基板の洗浄、エッチング処理後の洗浄等に用いられる高純度水や超純水等の被処理液体A’を中心部の流路2に流通させるとともに、チューブ1A外部に配置した容器(図示省略する)内にオゾン等の溶解性ガスg2を加圧供給することにより、溶解性ガスg2をチューブ周壁3の外径側から内径側に向けて透過させその溶解性ガスg2を流路2に供給し被処理液体A’に溶解させる溶解処理に用いられる。
【0022】
上記の脱気処理あるいは溶解処理に用いた場合、チューブ周壁3には多数の独立気泡4…が均一に分散されているので、チューブ周壁3の厚みTが同一の従来の連続気泡多孔質チューブに比べて耐圧強度及び耐液圧性を大きく確保することが可能で、被処理液体A,A’の使用圧力に対する信頼性が高いとともに、流路2に被処理液体Aを高圧で流通させる脱気処理の場合でも、チューブ1A外部の容器(図示省略する)内にオゾン等の溶解性ガスg2を高圧に加圧供給する溶解処理の場合でも、被処理液体A,A’がチューブ周壁3の厚み方向に浸透したり、チューブ切断端面から逆流する、いわゆる、液漏れが発生したりすることを確実に防止しつつ、ガスのみをチューブ周壁3の厚み方向に透過させて所定の脱気処理あるいは溶解処理を確実に、効率よく、かつ、非常に高性能に行なうことができる。
【0023】
図6は本発明に係る脱気・溶解処理用フッ素樹脂製チューブのうち、チューブ内面にスキン層が形成された二層構造の脱気・溶解処理用フッ素樹脂製チューブの製造に用いられる装置の断面図である。この装置は、クロスヘッド21の上方に押出機22を配置しているとともに、クロスヘッド21の下方に他の押出機28が配置されている。クロスヘッド21は、ダイス23と内外二重のニップル24A,24Bとからなる。押出機22には、図示しないホッパーから発泡剤を含むフッ素樹脂材料Fが供給され、この発泡フッ素樹脂材料Fをガス注入口25から注入されるフロン等のガスにより均一に溶融混練しながら、クロスヘッド21の外側ニップル24Bの外面に導くように構成され、また、押出機28には、図示しないホッパーから発泡剤を含まない非発泡フッ素樹脂材料F1が供給され、この非発泡フッ素樹脂材料F1を溶融してクロスヘッド21の内側ニップル24Aの外面に導くように構成されている。
【0024】
また、内側ニップル24Aの中心孔24aには図1の装置と同様に、図の左方から芯線26が挿通され、この芯線26はダイス23の中心孔23aを通って図の右方へ移動可能とされており、この芯線26を移動させながら、外側ニップル24Bの外面に沿って溶融発泡フッ素樹脂材料Fを、かつ、内側ニップル24Aの外面に沿って溶融非発泡フッ素樹脂材料F1を同時にチューブ状に押出すことにより、芯線26が溶融非発泡フッ素樹脂材料F1及び溶融発泡フッ素樹脂材料Fにより内外二層に被覆される。この押出し被覆の直後に、外層側の発泡フッ素樹脂材料Fを大気発泡させることによって、内面にスキン層29が形成された二層構造のフッ素樹脂製チューブ1が連続成形される。
【0025】
しかる後、芯線26を成形されたフッ素樹脂製チューブ1に対して軸線方向に移動させて引き抜き、かつ、チューブ1を所定長さに切断することにより、その中心部にチューブ周壁3及びスキン層29で囲まれた流路2を有する脱気・溶解処理用フッ素樹脂製チューブ1Aが製造される。
【0026】
なお、二層構造のフッ素樹脂製チューブ1の押出し成形時にも、その押出し空間27の内部を、ダイス23の中心孔23a及び内側ニップル24Aの中心孔24aを通じて矢印x方向に真空引きして減圧することによって、溶融状態にある発泡フッ素樹脂材料F及びスキン層形成用の非発泡フッ素樹脂材料F1中の溶解ガス及び後述する独立気泡中のガスを抜くことができるとともに、溶融発泡フッ素樹脂材料F及び溶融非発泡フッ素樹脂材料F1の芯線26に対する抱き付き強度を高くして真円度及び周壁厚みが一定化された発泡フッ素樹脂製チューブ1を確実に成形することができる。
【0027】
このようにして製造された二層構造の脱気・溶解処理用フッ素樹脂製チューブ1Aは、図7に明示するように、真円度が高く、かつ、チューブ周壁3の厚さも一定であり、その一定厚さのチューブ周壁3には、10〜1000μmの大きさSを持つ多数の独立気泡4…がチューブ周壁3の全体積に対して3〜90%、好ましくは5〜80%の体積を占有する状態で均一に分散され、また、チューブ周壁3の内面にはスキン層29が形成されていて、その内面3Aは平滑面に形成されている。
【0028】
上述のようにして製造された二層構造の脱気・溶解処理用フッ素樹脂製チューブ1Aは、図4に示した同様に、被処理液体A中に溶存するガスg1をチューブ周壁3の内径側から外径側に向け透過させて液体流路2から除去する脱気処理、あるいは、図5に示したと同様に、オゾン等の溶解性ガスg2をチューブ周壁3の外径側から内径側に向け透過させて中心部の流路2に供給し被処理液体A’に溶解させる溶解処理に用いられるが、このときも、耐圧強度及び耐液圧性を大きく確保して被処理液体A,A’の使用圧力に対する信頼性の向上及び被処理液体A,A’のチューブ周壁3に対する浸透や液漏れの発生を確実に防止しつつ、ガスのみをチューブ周壁3の厚み方向に透過させて所定の脱気処理あるいは溶解処理を確実に、効率よく、かつ、非常に高性能に行なうことができる。特に、被処理液体A,A’が接触するチューブ周壁3の内面はスキン層29の存在により平滑面に保たれ、被処理液体A,A’の滞流ないし滞留や淀みの原因となる死水領域の形成もなく、ガス透過性を良好に維持することができるとともに、被処理液体A,A’の流れを層流にして流体損失抵抗を非常に少なくし、処理効率の一層の向上を図ることができる。。
【0029】
なお、上記実施の形態では、チューブ周壁3の内面側にのみにスキン層29が形成された二層構造の脱気・溶解処理用フッ素樹脂製チューブ1A及びその製造方法について説明したが、図8に示すように、チューブ周壁3の内外両面にそれぞれスキン層29,30が形成された三層構造の脱気・溶解処理用フッ素樹脂製チューブ1Aであってもよく、この三層構造の脱気・溶解処理用フッ素樹脂製チューブ1Aの製造には、クロスヘッド21の外方周囲に3つの押出機を配置するとともに、ダイス23と内外三重構造のニップルを持ったダイスを備えた装置を用いて上記各実施の形態の場合と同様に、押出し被覆及び大気発泡することにより製造可能である。
【0030】
また、二層構造または三層構造の脱気・溶解処理用フッ素樹脂製チューブ1Aにおけるスキン層29,30の形成材料としては、発泡剤を含まない非発泡フッ素樹脂を用いる以外に、発泡剤の含有量を少なくして発泡度を低く設定した発泡フッ素樹脂材料を用いてもよい。
【0031】
【発明の効果】
以上要するに、本発明によれば、発泡フッ素樹脂材料を芯線の外周に沿ってチューブ状に押出し被覆して発泡成形するものであるから、真円度が高く、また、偏肉なく、厚さが全周に亘り均一でその均一厚さのチューブ周壁に独立気泡が均一に分散された均質な樹脂製チューブを容易に製造することができる。そして、このように製造された発泡フッ素樹脂製チューブは、チューブ周壁の厚みが同一の従来の連続気泡多孔質チューブに比べて、耐圧強度及び耐液圧性が大きくて被処理液体の使用圧力に対する信頼性向上並びに高圧条件下でも被処理液体がチューブ周壁の厚み方向に浸透したり、チューブ切断端面から逆流したりする、いわゆる、液漏れの発生を確実に防止しつつ、ガス透過性を数倍〜数百倍にも高めて所定の脱気・溶解処理効率及び処理性能の著しい向上を図ることができる。しかも、被処理液体が接触するチューブ周壁面は平滑面であるため、被処理液体の滞流ないし滞留や淀みの原因となる死水領域が形成されず、優れたガス透過性を良好に維持することができるとともに、液体純度の低下も防止して高純度水や超純水にオゾン等のガスを添加し溶解する溶解処理時の処理性能の向上を図ることができる。また、被処理液体が接するチューブ周壁面が平滑であるために、液体の流れが層流で流体損失抵抗も非常に少なく、その面からも脱気・溶解処理効率を一段と向上することができるという効果を奏する。
【0032】
特に、請求項2に記載のように、チューブ周壁の内外面のうち少なくとも内面側にチューブ成形用発泡フッ素樹脂材料よりも発泡度の低いもしくは非発泡性のフッ素樹脂材料を同時にチューブ状に押出し被覆させてスキン層を形成することにより、チューブ周壁の発泡度を高くしてガス透過性を一段と高いものとしつつも、スキン層の存在により被処理液体の透過を防いで処理性能の低下を避けることができる。
【0033】
また、請求項3に記載のように、フッ素樹脂材料をチューブ状に押出し被覆する際、その押出し空間内部を真空引きにより減圧することにより、溶融状態にある発泡フッ素樹脂中の溶解ガス及び独立気泡中のガスを抜くことができるとともに、溶融フッ素樹脂の芯線に対する抱き付き強度を上げてチューブ真円度及びチューブ周壁厚みの一定化を確実にしてチューブの性能、品質を一段と高めることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る脱気・溶解処理用フッ素樹脂製チューブのうち、単層構造のチューブの製造に用いられる装置の断面図である。
【図2】同上装置により製造された脱気・溶解処理用フッ素樹脂製チューブの要部の拡大縦断側面図である。
【図3】同上チューブの要部の拡大縦断正面図である。
【図4】同上チューブを脱気処理に使用している場合の作用状態を説明するモデル図である。
【図5】同上チューブを溶解処理に使用している場合の作用状態を説明するモデル図である。
【図6】本発明に係る脱気・溶解処理用フッ素樹脂製チューブのうち、二層構造のチューブの製造に用いられる装置の断面図である。
【図7】同上装置により製造された脱気・溶解処理用フッ素樹脂製チューブの要部の拡大縦断正面図である。
【図8】本発明に係る脱気・溶解処理用フッ素樹脂製チューブのうち、三層構造のチューブの要部の拡大縦断正面図である。
【符号の説明】
1 発泡フッ素樹脂製チューブ
1A 脱気・溶解処理用フッ素樹脂製チューブ
2 液体流路
3 チューブ周壁
3a,3b チューブ周壁の内外面
4 独立気泡
26 芯線
29,30 スキン層
A、A’ 被処理液体
F 発泡フッ素樹脂材料
F1 スキン層形成用フッ素樹脂材料
g1 溶存ガス
g2 溶解性ガス
Claims (4)
- 被処理液体中に溶存するガスをチューブ周壁の厚み方向に透過させて被処理液体の流路から除去する脱気処理または溶解性ガスを被処理液体の流路外部からチューブ周壁の厚み方向に透過させて被処理液体中に供給し溶解する溶解処理に用いられる脱気・溶解処理用フッ素樹脂製チューブの製造方法であって、
発泡フッ素樹脂材料を押出成形する際、その中心部に内部流路形成用の芯線を配置し、この芯線の外周に沿って発泡フッ素樹脂材料をチューブ状に押出し被覆させて発泡させることにより、チューブ周壁に独立気泡が分散され、かつ、チューブ周壁の内外面のうち少なくとも内面が平滑面とされたチューブを成形し、
しかる後、成形チューブと芯線とを軸線方向に相対移動させて芯線を成形チューブから引き抜くことを特徴とする脱気・溶解処理用フッ素樹脂製チューブの製造方法。 - 上記芯線の外周に沿って発泡フッ素樹脂材料をチューブ状に押出し被覆する際、独立気泡が分散されるチューブ周壁の内外面のうち少なくとも内面側に、チューブ成形用発泡フッ素樹脂材料よりも発泡度の低いもしくは非発泡性のフッ素樹脂材料を同時にチューブ状に押出し被覆させて少なくともチューブ周壁の内面にスキン層を形成する請求項1に記載の脱気・溶解処理用フッ素樹脂製チューブの製造方法。
- 上記芯線の外周に沿って発泡フッ素樹脂材料または発泡フッ素樹脂材料とスキン層形成用フッ素樹脂材料をチューブ状に押出し被覆する際、その押出し空間内部を真空引きにより減圧する請求項1または2に記載の脱気・溶解処理用フッ素樹脂製チューブの製造方法。
- 上記発泡フッ素樹脂材料の押出し発泡により成形されるチューブ周壁に分散された独立気泡がチューブ周壁の全体積に対して3〜90%の体積を占有するように発泡成形する請求項1ないし3のいすれかに記載の脱気・溶解処理用フッ素樹脂製チューブの製造方法。
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