JP3738039B2 - 粘着剤組成物及びマスキングテープ - Google Patents

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Description

【0001】
【産業上の利用分野】
本発明は、粘着特性の温度依存性が改善されたゴム系の粘着組成物、及びそれを用いたマスキングテープに関する。
【0002】
【従来の技術】
マスキングテープ(塗装用粘着テープ)は、自動車、航空機、家具、建築など多くの分野で塗装の際に使用されているが、その構成としては、紙やプラスチックフィルム、布などの支持体(テープ基材)上にゴム系粘着剤を塗工したものが主流である。
【0003】
一方、ゴム系粘着剤は、一般に、エラストマーと粘着付与樹脂を基本成分としている。マスキングテープのゴム系粘着剤としては、天然ゴムに、石油系樹脂、ロジン系樹脂、テルペン系樹脂のような粘着付与樹脂を加え、さらに、軟化剤、老化防止剤、紫外線吸収剤を加えて、これを架橋剤で架橋したものが汎用されている。ゴム系粘着剤は、これら各成分を適宜組み合わせることにより、粘着性、凝集性、耐熱性、耐溶剤性などの各種粘着物性のバランスを取っている。
【0004】
ところで、一般に、マスキングテープには、(1)巻き戻しが容易で、作業性の良いこと、(2)適度の粘着性を有し、特に、初期接着性や手切れ性が良いこと、(3)耐溶剤性や耐水性があること、(4)塗装作業終了後の剥離性が良好で、被着体への粘着剤の残留や被着体の変色などの影響がないこと、(5)自動車塗装などの焼付け工程を経る用途には、耐熱性があり、しかも、焼付け後に粘着剤の残留がなく容易に剥がせること、(6)耐候性が良いこと、などの厳しい特性が求められている。しかしながら、従来、これらの要求特性を十分に満足させることは、非常に困難であった。
【0005】
しかも、従来のゴム系粘着剤は、温度依存性が大きいという問題がある。マスキングテープは、様々な環境条件下及び作業条件下で使用されるため、前記諸特性を有するとともに、四季を通じて安定して使用できること、特に、冬場における粘着性や作業性等が良好であることが要求されるが、従来のゴム系粘着剤は、これらの要求特性に応える点では、不十分である。
【0006】
すなわち、近年、マスキングテープに対する要求特性がさらに厳しくなり、マスキングテープには、(1)冬場における作業性の観点から、通常、0℃〜10℃といった低温における初期接着性が良いこと、(2)塗料乾燥中にテープが浮かないために、通常、70℃〜100℃といった高温における粘着性・擬集性が良いこと、(3)冬場における作業終了時、テープを剥がす時の切断防止の観点から、高温で加熱後、低温に冷却された場合の粘着力の上昇が少ないこと、等が特に求められている。
【0007】
従来、ゴム系粘着剤において、粘着付与樹脂を添加することにより粘着力を付与しているが、それだけでは初期接着力が低く、しかも、多量に添加すると、高温での凝集力が低下し、高温で加熱後、常温に戻された場合の粘着力の上昇が大きくなる。粘着力の上昇傾向は、冬場などにおいて、高温で加熱後、低温に冷却された場合に、著しく大きくなる。そして、マスキングテープを被着体から剥がす際に、被着体への粘着力が高いため、途中で切断したり、被着体に粘着剤が残るなどの問題を生じる。特に、和紙などの紙を基材とするマスキングテープの場合には、紙切れを発生し易い。軟化剤を添加すると、初期接着力を付与することができるが、高温では粘着剤が軟化し凝集破壊を起こす。架橋剤の添加量を増大させると、高温での凝集力を高めることができるが、粘着力が低下して、浮きを生じる。逆に、架橋剤の添加量を少なくすると、高温での粘着力を高めることができるが、凝集力が低下して粘着剤が残留する。
【0008】
このように、前記各種成分の組み合わせにより、ゴム系粘着剤の温度依存性を改善し、低温での初期接着性、常温での粘着力、高温での粘着力と凝集性、高温に加熱後、低温に冷却された場合の粘着力等の諸特性のバランスを取ることは、極めて困難であった。
【0009】
最近、マスキングテープの耐熱性を改善するために、天然ゴムに、熱反応性樹脂とその架橋剤、及び反応性フェノール樹脂を配合した粘着剤(特開平2−34680号)、天然ゴムに、アクリルゴム、熱反応性樹脂とその架橋剤、及び反応性フェノール樹脂を配合した粘着剤(特開平2−206671号)、テープ基材に、天然ゴムを主成分とし、これに、熱反応性樹脂とその架橋剤、及び(メタ)アクリロイル基を持つモノマーを配合した粘着剤組成物を塗工し、乾燥及び放射線照射したマスキングテープ(特開平4−61947号)、天然ゴムに、熱反応性樹脂とその架橋剤、重量平均分子量が2,500以上の粘着付与剤を配合した粘着剤(特開平4−173888号)などが提案されている。しかしながら、天然ゴムを主成分とするこれらの粘着剤は、温度依存性を改善する点では、未だ十分ではない。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の目的は、常温、高温における粘着性と凝集性、低温での初期接着性に優れ、かつ、高温に加熱後、低温に冷却した時の粘着力が抑制された粘着剤組成物を提供することにある。
本発明の他の目的は、このような温度依存性の改善された粘着剤を用いたマスキングテープを提供することにある。
【0011】
本発明者らは、前記従来技術の問題点を克服するために鋭意研究した結果、エラストマーとして、天然ゴムとスチレン−ブタジエン共重合体ゴム(SBR)を用い、これに、イオウ系架橋剤、及び官能基を有する液状ゴムとその架橋剤を必須成分として配合した粘着剤組成物により、前記目的を達成できることを見出した。
【0012】
エラストマー成分として、天然ゴムとSBRを併用することにより、少ない粘着付与樹脂の配合で所定の粘着力を得ることができ、高温に加熱後、冷却した時の粘着力を低く抑えることができる。さらに、エラストマー成分とイオウ系架橋剤、及び官能基を有する液状ゴムとその架橋剤とを使用して、エラストマー成分と液状ゴムを複合架橋することにより、常温での粘着力、高温での粘着力、低温での初期接着性、高温で加熱後、低温に冷却した時の粘着力、低温剥離性などのバランスに優れた粘着剤組成物を得ることができる。
本発明は、これらの知見に基づいて完成するに至ったものである。
【0013】
【課題を解決するための手段】
かくして、本発明によれば、天然ゴム40〜95重量%とスチレン−ブタジエン共重合体ゴム5〜60重量%よりなるエラストマー成分(A)100重量部、イオウ系架橋剤(B)、官能基を有する液状ゴム(C)5〜100重量部、及び該液状ゴムの官能基と反応性を有する架橋剤(D)を含有することを特徴とする粘着剤組成物が提供される。
また、本発明によれば、該粘着剤組成物をテープ基材に塗工してなるマスキングテープが提供される。テープ基材としては、和紙が好適である。
【0014】
以下、本発明について詳述する。
(天然ゴムとSBR)
天然ゴムとしては、ペールクレープ、スモークドシートなどの汎用のゴム、改質天然ゴムなどが使用できる。
SBRとしては、スチレン含有量が3〜60重量%、好ましくは30〜60重量%の高スチレン含量のSBRが使用できる。
【0015】
天然ゴムとSBRとを併用すると、粘着付与樹脂の配合量が天然ゴム単独の場合よりも少ない量で高い粘着力を発現することができる。したがって、SBRを配合することにより、少ない粘着付与樹脂で所定の粘着力を得ることができ、かつ、高温に加熱後、低温に冷却した時の粘着力の上昇を抑制することができる。ただし、本発明が目的とする温度依存性の改善のためには、天然ゴムとSBRとの併用だけでは足りず、イオウ系架橋剤、及び官能基を有する液状ゴムとその架橋剤の使用が必要である。
【0016】
天然ゴムとSBRの比率(重量比)は、天然ゴム:SBR=95:5〜40:60、好ましくは天然ゴム:SBR=90:10〜50:50である。SBRの使用比率が低すぎると、SBRの添加効果が小さく、高すぎると、粘着力が低下する。
【0017】
(イオウ系架橋剤)
本発明で使用するイオウ系架橋剤としては、イオウ単体、チアゾール系、スルフェンアミド系、チオ尿素系、チウラム系、ジチオカルバメート系、ザンテート系等の化合物があり、これらを単独あるいは二種以上を組み合わせて用いる。なかでもチアゾール系、チウラム系、ジチオカルバメート系の化合物が好ましく用いられる。また、架橋促進剤として、アミン系、グアニジン系、アルデヒド−アミン系、アルデヒド−アンモニア系の化合物を使用することができる。
【0018】
チアゾール系化合物としては、例えば、2−メルカプトベンゾチアゾール、ジベンゾチアジルジスルフィド、2−メルカプトベンゾチアゾール亜鉛塩、2−(2′、4′−ジニトロフェニルチオ)ベンゾチアゾール、2−メルカプトベンゾチアゾールシクロヘキシルアミン塩等が挙げられる。
【0019】
チウラム系化合物としては、例えば、テトラメチルチウラムジスルフィド、テトラメチルチウラムモノスルフィド、テトラエチルチウラムジスルフィド、テトラブチルチウラムジスルフィド、ジペンタメチレンチウラムテトラスルフィド等が挙げられる。また、チウラム系化合物と類似構造のモルホリンジスルフィドも好適に使用でき、ここにチウラム系の1種として例示する。
【0020】
ジチオカルバメート系化合物としては、例えば、ペンタメチレンジチオカルバミン酸ピペリジン塩、ピペコリルジチオカルバミン酸ピペコリン塩、N−ペンタメチレンジチオカルバミン酸亜鉛、ジメチルペンタメチレンジチオカルバミン酸亜鉛、ジメチルジチオカルバミン酸セレン、ジエチルジチオカルバミン酸セレン、ジメチルジチオカルバミン酸亜鉛、ジエチルジチオカルバミン酸亜鉛、ジブチルジチオカルバミン酸亜鉛、N−エチル−N−フェニルジチオカルバミン酸亜鉛、N−ペンタメチレンジチオカルバミン酸亜鉛、ジベンジルジチオカルバミン酸亜鉛、ジメチルジチオカルバミン酸銅、ジメチルジチオカルバミン酸第二鉄、ジエチルジチオカルバミン酸テルル等が挙げられる。
【0021】
キサントゲン酸塩系化合物としては、例えば、ブチルキサントゲン酸亜鉛、イソプロピルキサントゲン酸亜鉛、エチルキサントゲン酸亜鉛、ジブチルキサントゲンジスルフィド等が挙げられる。
グアニジン系化合物としては、例えば、ジフェニル・グアニジン、ジ・オルトトリル・グアニジン、オルト・トリル・ビグアニド等が挙げられる。
【0022】
アルデヒド−アミン系化合物としては、例えば、n−ブチルアルデヒド−アニリン縮合物、ブチルアルデヒド−アセトアルデヒド−ブチリデンアニリン反応物、ブチルアルデヒド−ブチリデンアニリン反応物、ヘプトアルデヒド−アニリン反応物、アルデヒド−アミン縮合物等が挙げられる。
アミン化合物としては、例えば、ブチルアミン、N,N−ジメチルベンジルアミン、エチレンジアミン、ジエチレントリアミン、トリエチルアミン、テトラエチレンペンタミン、m−フェニレン・ジアミン等が挙げられる。
【0023】
前記各種化合物には、明確に分類することはできないが、架橋に関与するものと、架橋促進剤として作用するものがある。そこで、これらの化合物は、それぞれの作用に応じて、一般に、2種以上を適宜組み合わせて使用することが好ましい。イオウ系架橋剤の配合割合は、常温及び高温での粘着力や耐溶剤性など所望の粘着物性、あるいは使用する化合物の種類や組み合わせ等によって異なり、特に限定されないが、天然ゴムとSBRよりなるエラストマー成分100重量部に対して、通常、0.05〜15重量部、好ましくは0.1〜10重量部の範囲内である。
【0024】
なお、チウラム系化合物は、架橋に関与し、その配合割合は、天然ゴムとSBRとよりなるエラストマー100重量部に対して、通常、0.05〜5重量部である。この配合割合が0.05重量部未満では高温での凝集力が低下し、5重量部超過では架橋が過多になり粘着力が低下するが、この傾向は、特に高温において顕著である。
【0025】
(官能基を有する液状ゴム)
官能基を有する液状ゴムは、その官能基と反応性を有する架橋剤により架橋されてエラストマーとなり、粘着剤組成物の凝集力を増大させる。天然ゴムとSBRとを含むエラストマー成分に、さらに、液状ゴムを配合し、複合架橋することにより、常温粘着力、高温粘着力、加熱冷却後粘着力、低温での初期接着性、低温剥離性などのバランスに優れた粘着剤組成物を得ることができる。
【0026】
官能基を有する液状ゴムの具体例としては、官能基として、例えば、カルボキシル基、酸無水物基、アミノ基、イソシアネート基、エポキシ基、水酸基等を末端及び/または側鎖に有し、常温で液状のポリブタジエン、ポリイソプレン、スチレン−ブタジエンゴム、アクリロニトリル−ブタジエンゴムなどを挙げることができる。官能基は、これらの液状ゴムに変性反応により導入してもよいし、あるいは官能基を有するモノマーとブタジエンなどとの共重合により導入してもよい。
【0027】
官能基を有する液状ゴムとしては、市販品を使用することができ、例えば、LIR403(カルボキシル基)、LIR410(酸無水物基)、LIR506、LIR503(水酸基)〔以上、(株)クラレ製〕、NISSO−PB・Gシリーズ(α、ω−ポリブタジエングリコール)、NISSO−PB・C1000(α、ω−ポリブタジエンカルボン酸)〔以上、日本曹達(株)製〕、HYCARCTポリマー(カルボキシル基)、HYCAR ATポリマー(アミノ基)〔以上、宇部興産(株)製〕、PolybdR−45HT誘導品(官能基;イソシアネート基、酸無水物基、エポキシ基、水酸基等)〔以上、出光石油(株)製〕、日石ポリブタジエンMシリーズ(酸無水物)、Eシリーズ(エポキシ基)〔以上、日本石油化学(株)製〕等が挙げられる。
【0028】
官能基を有する液状ゴムとしては、反応性や粘着物性等の観点から、分子鎖末端にのみ官能基が存在するものよりも、側鎖あるいは分子鎖末端と側鎖の両方に官能基が存在するものが好ましい。また、官能基を有する液状ゴムは、それぞれ単独で、あるいは二種以上を組み合わせて使用することができる。
【0029】
官能基を有する液状ゴムの配合割合は、天然ゴムとSBRよりなるエラストマー成分100重量部に対して、5〜100重量部、好ましくは10〜60重量部である。この配合割合が5重量部未満では、粘着物性改善の効果が小さく、逆に、100重量部を越えると高温での粘着力が低下する。
【0030】
(官能基含有液状ゴムの架橋剤)
官能基を有する液状ゴムの架橋剤としては、例えば、亜鉛華などの金属化合物;メチロールメラミン、メチル化メチロールメラミン、メチロールベンゾグアナミン、メチロール尿素などのアミノ化合物;ビスフェノールAグリシジルエーテル、エポキシ樹脂などのエポキシ化合物;トリレンジイソシアネート、ジフェニルメタンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネートなどのイソシアネート化合物;アジリジン化合物;等が挙げられる。
【0031】
これらの架橋剤は、官能基を有する液状ゴムの官能基に対して、通常、ほぼ当量使用されるが、架橋剤の種類によっては、それに限定されない。例えば、亜鉛華などの金属酸化物は、官能基がカルボキシル基や酸無水物基などの場合に架橋剤として使用できるが、粘着剤組成物の充填剤として使用することもでき、さらに、イオウ系架橋剤の架橋促進触媒としても作用するため、液状ゴムの官能基と当量以上の充填量で使用することができる。また、架橋剤は、それぞれ単独で、あるいは2種以上を組み合わせて使用してもよい。
【0032】
(その他の成分)
本発明の粘着剤組成物には、粘着付与樹脂、充填剤、軟化剤、老化防止剤、紫外線吸収剤、架橋触媒等を適宜配合することができる。本発明の粘着剤組成物には、一般に、粘着力を付与するために粘着付与樹脂を添加し、初期接着性を高めるために軟化剤を添加する。
【0033】
粘着付与樹脂
粘着付与樹脂としては、ロジン系樹脂、テルペン系樹脂等の天然物、及びその誘導体や、脂肪族系石油樹脂、脂環族系石油樹脂、芳香族系石油樹脂、クマロンインデン樹脂、スチレン系樹脂、フェノール系樹脂、キシレン樹脂等の合成樹脂の公知のものを、単独あるいは二種以上を混合して用いることができる。 ロジン系樹脂としては、例えば、ポリペールレジン、ステベライトレジン、フォーラルAX、ペンタリンA、ペンタリンH(以上、理化ハーキュレス社製)、エステルガムA、エステルガムH(以上、荒川化学社製)、ハリエスターT(播磨化成社製)等が挙げられる。ロジンフェノール樹脂としては、例えば、スミライトレジンPR12603(住友デュレズ社製)、タマノル803(荒川化学社製)等が挙げられる。
【0034】
テルペン系樹脂としては、例えば、YSレジンPx、YSレジンTO、YSポリスターT〔以上、ヤスハラケミカル(株)製〕、Piccolyte A(Hercules社製)、Schenectady SP566(Schenectady社製−米国)等が挙げられる。
【0035】
脂肪族系石油樹脂としては、例えば、Piccopale(Hercules社製−米国)、エスコレッツ(エッソ化学社製)、Wing Tack(Goodyear社製−米国)、ハイレッツ(三井石油化学社製)、クイントン(日本ゼオン社製)、マルカレッツ(丸善石油化学社製)、コーポレックス(東邦石油樹脂社製)等が挙げられる。
【0036】
脂環族系石油樹脂としては、例えば、アルコンP、アルコンM(以上、荒川化学社製)等が挙げられる。
芳香族系石油樹脂としては、例えば、ペトロジン(三井石油化学社製)、ハイレジン(東邦石油樹脂社製)等が挙げられる。クマロンインデン樹脂としては、例えば、クマロンNG〔新日鉄化学(株)製〕等が挙げられる。
【0037】
スチレン系樹脂としては、例えば、Piccolastic A(Hercules社製)等が挙げられる。
フェノール樹脂としては、例えば、ヒタノール(日立化成社製)、タッキロール(住友化学社製)、レジトップ(群栄化学工業社製)等が挙げられる。キシレン樹脂としては、例えば、ニカノール(三菱瓦斯化学社製)等が挙げられる。
【0038】
粘着付与樹脂の配合割合は、天然ゴムとSBRとの配合割合、粘着付与樹脂の種類にもよるが、天然ゴムとSBRよりなるエラストマー100重量部に対し、通常、5〜150重量部、好ましくは10〜100重量部、より好ましくは15〜60重量部である。
【0039】
充填剤
充填剤としては、例えば、炭酸カルシウム、けい酸アルミニウム、タルク、シリカ、けい藻土、けい砂、軽石粉、スレート粉、雲母粉、アスベスト、アルミニウムゾル、アルミナホワイト、硫酸アルミニウム、硫酸バリウム、リトポン、硫酸カルシウム、二流化モリブデン、グラファイト、ガラス繊維、ガラス球、単結晶チタン酸カリ、カーボン繊維、亜鉛華、活性亜鉛華、炭酸亜鉛、酸化マグネシウム、塩基性炭酸マグネシウム、リサージ、鉛丹、鉛白、水酸化カルシウム、活性化水酸化カルシウム、二酸化チタン等が挙げられる。
【0040】
これらの充填剤の中でも、イオウ系架橋剤による架橋の触媒作用を示し、官能基含有液状ゴムの架橋剤ともなる亜鉛華、活性亜鉛華、酸化マグネシウム等の金属酸化物が好ましい。
充填剤の配合割合は、天然ゴムとSBRよりなるエラストマー成分100重量部に対して、通常、0.1〜250重量部、好ましくは1〜100重量部、より好ましくは3〜50重量部である。0.1重量部未満では、その効果がなく、250重量部を越えると、添加が困難になったり、物性が低下したりする。
【0041】
軟化剤
軟化剤は、粘着剤組成物のガラス転移温度(Tg)を低下させて、低温時における流動性を高め、タックを付与する役割を果たす。軟化剤は、大別すると石油系軟化剤、植物油系軟化剤、液状ゴム、液状粘着付与樹脂、合成可塑剤に分類される。
【0042】
石油系軟化剤としては、例えば、パラフィン系プロセスオイル、ナフテン系プロセスオイル、芳香族系プロセスオイル、エキステンダーオイル等が挙げられる。
植物油系軟化剤としては、例えば、ひまし油、綿実油、あまに油、菜種油、大豆油、パーム油、椰子油、落花生油、トール油等が挙げられる。
【0043】
液状ゴムは、無官能性で、常温で流動性を有する粘稠体であり、例えば、ポリブテン、液状ポリイソブチレン、液状ポリイソプレン、液状ポリブタジエン、液状1,2−ポリブタジエン、液状スチレン−ブタジエンゴム、液状アクリロニトリル−ブタジエンゴム、液状ポリクロロプレンゴム、液状ポリ(オキシプロピレン)、液状ポリ(オキシテトラメチレン)グリコール、液状ポリオレフィングリコール、液状ポリ−ε−カプロラクトン、液状ポリスルフィドゴム、液状エチレン−プロピレンゴム等が例示される。
液状粘着付与樹脂としては、例えば、液状テルペン樹脂、液状水添テルペン樹脂、液状スチレン系樹脂、液状ロジン系樹脂等が挙げられる。
【0044】
合成可塑剤としては、例えば、ジエチルフタレート、ジブチルフタレート等のフタル酸誘導体、ジメチルイソフタレート、ジイソオクチルフタレート等のイソフタル酸誘導体、ジ−(2−エチルヘキシル)テトラヒドロフタレート等のテトラヒドロフタル酸誘導体、ジ−n−ブチルアジペート、ジ−(2−エチルヘキシル)アジペート等のアジピン酸誘導体、ジイソオクチルアゼレート等のアゼライン誘導体、ジ−n−ブチルセバケート等のセバシン酸誘導体、ジメチルマレート等のマレイン酸誘導体、ジ−n−ブチルフマレート等のフマル酸誘導体、トリイソオクチル・トリメリテート等のトリメリット酸誘導体、トリエチル・シトレート等のクエン酸誘導体、ジエチル・イタコネート等のイタコン酸誘導体、グリセリル・モノオレート等のオレイン酸誘導体、ブチル・アセチル・リシノレート等のリシノール誘導体、n−ブチル・ステアレート等のステアリン酸誘導体、ジエチレングリコール・モノウラレート等の脂肪酸誘導体、ベンゼンスルホン・ブチルアミド等のスルホン酸誘導体、トリメチル・ホスフェート等のリン酸誘導体、テトラ−2−エチルヘキシル・ピロメリテ−ト等のモノエステル系可塑剤、ジエチレングリコール・ジベンゾエート等のグリコール誘導体、グリセロール・モノアセテート等のグリセリン誘導体、塩素化パラフィン等のパラフィン誘導体、エポキシ誘導体、ポリエステル系可塑剤、ポリエーテル系可塑剤等、種々のものが挙げられる。
【0045】
これらの軟化剤は、エラストマー成分などとの相溶性等を考慮した上で選択使用される。軟化剤は、天然ゴムとSBRよりなるエラストマー成分100重量部に対して、通常、0.1〜200重量部、好ましくは1〜100重量部、より好ましくは3〜80重量部である。
【0046】
紫外線吸収剤
紫外線吸収剤としては、サリチル酸誘導体、ベンゾフェノン系化合物、ベンゾトリアゾール系化合物、シアノアクリレート系化合物等がある。
サリチル酸誘導体としては、例えば、フェニル・サリシレート、p−オクチルフェニル・サリシレート、p−第三ブチルフェニル・サリシレート等が挙げられる。
【0047】
ベンゾフェノン系化合物としては、例えば、2,4−ジヒドロキシ・ベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−メトキシ・ベンゾフェノン、2,2′−ジヒドロキシ−4−メトキシ・ベンゾフェノン、2,2′−ジヒドロキシ−4,4′−ジメトキシ・ベンゾフェノン、2,2′−ジヒドロキシ−4,4′−ジメトキシ−5−スルホベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−メトキシ−2′−カルボキシ・ベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−メトキシ−5−スルホベンゾフェノン・トリヒドレート、2−ヒドロキシ−4−n−オクトキシ・ベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−オクタデシロキシ・ベンゾフェノン、2,2′,4,4′−テトラヒドロキシ・ベンゾフェノン、4−ドデシロキシ−2−ヒドロキシ・ベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−(2−ヒドロキシ−3−メタクリロキシ)プロポキシベンゾフェノン、ビス(2−メトキシ−4−ヒドロキシ−5−ベンゾイルフェニル)メタン等が挙げられる。
【0048】
ベンゾトリアゾール系化合物としては、例えば、2−(2′−ヒドロキシ−5′−メチル−フェニル)ベンゾトリアゾール、2−(2′−ヒドロキシ−3′,5′−ジ−第三ブチル−フェニル)ベンゾトリアゾール、2−(2′−ヒドロキシ−3′−第三ブチル−5′−メチル−フェニル)−5−クロロ・ベンゾトリアゾール、2−(2′−ヒドロキシ−3′,5′−ジ−第三ブチル−フェニル)−5−クロロ・ベンゾトリアゾール、2−(2′−ヒドロキシ−4′−n−オクトキシ・フェニル)ベンゾトリアゾール、2−(2’−ヒドロキシ−5′−第三ブチルフェニル)ベンゾトリアゾール、2−(2’−ヒドロキシ−3′,5′−ジ・第三アミルフェニル)ベンゾトリアゾール、2−{2′−ヒドロキシ−3′−(3″,4″,5″,6″−テトラヒドロフタルイミドメチル)−5′−メチルフェニル}ベンゾトリアゾール、2,2−メチレンビス{4−(1,1,3,3−テトラメチルブチル)−6−(2H−ベンゾトリアゾール−2−イル)フェノール}等が挙げられる。
【0049】
シアノアクリレート系化合物としては、例えば、2−エチルヘキシル−2−シアノ−3,3′−ジフェニルアクリレート、エチル−2−シアノ−3,3′−ジフェニルアクリレートが挙げられる。
【0050】
紫外線吸収剤の配合割合は、特に限定されないが、天然ゴムとSBRよりなるエラストマー成分100重量部に対して、通常、0.1〜5重量部の割合で添加される。0.1重量部未満では添加の効果が小さく、多量に添加すると、その効果は大きくなるが、コストも高くなるので、5重量部までの添加に留めるべきである。
【0051】
老化防止剤
老化防止剤としては、ナフチルアミン系化合物、ジフェニルアミン系化合物、p−フェニレンジアミン系化合物、その他のアミン系化合物、アミン化合物混合物、キノリン系化合物、ヒドロキノン誘導体、モノフェノール系化合物、ビスフェノール系化合物、トリスフェノール系化合物、ポリフェノール系化合物、チオビスフェノール系化合物等が挙げられる。
老化防止剤の配合割合は、特に限定されないが、天然ゴムとSBRよりなるエラストマー成分100重量部に対して、通常、0.1〜5重量部、好ましくは0.5〜2重量部である。
【0052】
(粘着テープ)
本発明の粘着剤組成物は、例えば、トルエン、ヘキサン、シクロヘキサン、ヘプタン、酢酸エチル、酢酸ブチル、メチルエチルケトン、アセトン、イソプロパノール、メタノール等の一種もしくは二種以上の有機溶剤に溶解して、和紙などの紙基材あるいはポリエステル、ポリプロピレン、ポリエチレン、ポリ塩化ビニル等のプラスチックフィルムの少なくとも片面にコーティング(塗工)して、粘着テープとして使用される。乾燥条件は、通常、80〜150℃で2〜5分である。
【0053】
基材上に塗工する粘着剤層の厚さは、乾燥膜厚で、通常、1〜200μm程度である。和紙の場合には、粘着剤層の厚さは、5〜100μm、好ましくは10〜50μm程度である。
【0054】
本発明の粘着剤組成物をマスキングテープに適用する場合には、和紙などの紙基材を使用することが好ましい。具体的には、紙基材の一方の面に、本発明の粘着剤組成物を、他方の面に、背面処理剤を塗布してマスキングテープとする。紙基材の材質としては、公知のものが好適に使用することができ、例えば、木材パルプ、クラフトパルプ、マニラ麻、ビニロン、レーヨン、ナイロン、テトロン等を挙げることができる。また、紙基材としては、前記材質の抄紙原紙に、ブチルゴム、ブタジエンゴム、ポリイソブチレンゴム、天然ゴム、ヘベアプラスゴム、SBR,NBR等を含浸せしめたものも好適に使用することができる。紙基材の厚さは、通常、20〜200μm,好ましくは30〜100μmである。
【0055】
背面処理剤としては、例えば、シェラック等の天然物、ポリビニルアルコール、ポリ酢酸ビニル、酢酸ビニル−アクリル酸エステル共重合体、水酸基含有脂肪族不飽和炭化水素−(メタ)アクリロニトリル共重合体、ヒドロキシ(メタ)アクリレート、(メタ)アクリロニトリル、(メタ)アクリル酸よりなる群から選ばれる一種以上と(メタ)アクリル酸エステルとスチレンとの共重合体等が挙げられる。背面処理剤の厚さは、乾燥膜厚で、通常、0.1〜20μm、好ましくは1〜10μmである。
【0056】
背面処理剤上には、ロール状に巻回した粘着テープの巻き戻しをスムーズにするために、非シリコーン系などの剥離剤を塗布することができる。塗布量としては、通常、0.01〜10g/m2、好ましくは0.1〜1g/m2である。
このようにして得られたマスキングテープは、本来のマスキングテープとしてだけでなく、例えば、梱包用のいわゆる紙粘着テープとしても好適に用いることができる。
【0057】
【実施例】
以下に、実施例及び比較例を挙げて、本発明についてさらに具体的に説明するが、本発明は、これらの実施例のみに限定されるものではない。
【0058】
[実施例1〜7、比較例1〜7]
紙基材として、木材パルプ、ビニロン、ポリビニルアルコールからなる和紙(厚さ55μm)を用い、メチルメタクリレートグラフト天然ゴムのトルエン溶液をディッピングにより含浸させ乾燥した(乾燥後塗布量:7g/m2)。得られた処理原紙の一方の面に、背面処理剤層として、メチルアクリレート−スチレン−2ヒドロキシエチルメタクリレート−アクリロニトリルよりなる共重合体層を形成し(厚さ:5μm)、さらに、その上にロール状に巻回した場合に巻き戻しをスムーズにするために非シリコン系の剥離剤を塗布した。
【0059】
上記紙基材の他方の面には、表1に示す各種粘着剤組成物のトルエン−ヘキサン混合溶媒溶液を塗布し、100℃で3分間乾燥して(乾燥後の粘着剤層厚さ:35μm)、粘着テープのサンプルを作成した。得られたサンプルは、40℃で4日間保温した後に、23℃と80℃における粘着力、5℃におけるボールタック、80℃で30分加熱後、5℃まで冷却後の粘着力を評価した。評価は、JIS Z−O237に準じて行った。表1に、粘着剤組成物の配合処方及び粘着特性評価結果を示す。
(1)粘着力:JIS Z−O237(g/24mm)
(2)加熱冷却後粘着力:サンプルを貼付し80℃で3分間加熱後に5℃に冷却して粘着力を測定した。
<凝破>凝集破壊
<貼着試験>アクリル・メラミン塗装板にサンプルを貼付し80℃30分間加熱した後、5℃にて剥離性試験を行った。評価基準は、次のとおりである。
×・・・基材切断、
△・・・80℃にてテ−プの浮き発生、
×△・・80℃にてテープの浮が発生し、なおかつ冷却後は基材切断。
○・・・浮きや基材切断なし、
【0060】
【表1】
Figure 0003738039
【0061】
(脚注)
(1)SBR:ニポール1052(日本ゼオン社製)
(2)官能基含有液状ゴムI:LIR410〔(株)クラレ製〕
(3)官能基含有液状ゴムII:LIR506〔(株)クラレ製〕
(4)官能基含有液状ゴムIII:HYCAR CTポリマー〔登録商標、宇部興産(株)製〕
(5)無官能液状ゴム(軟化剤)I:LIR30〔(株)クラレ製〕
(6)無官能液状ゴム(軟化剤)II:ポリブテンHV300〔日本石油(株)製〕
(7)粘着付与樹脂I:アルコンP100〔荒川化学(株)製〕
(8)粘着付与樹脂II:YSレジン Px1000〔ヤスハラケミカル(株)製〕
(9)紫外線吸収剤:2−(2′−ヒドロキシ−4′−n−オクトキシ・フェニル)ベンゾトリアゾール〔住友化学(株)製〕
(10)架橋剤:コロネートL〔日本ポリウレタン工業(株)製〕
(11)イオウ系架橋剤:ブチルキサントゲン酸亜鉛、2−メルカプトベンゾチアゾール、テトラブチルチウラムジスルフィド、モルホリンジスルフィド、ジメチルベンジルアミン。
(12)亜鉛華:充填剤であるが、架橋触媒または官能基含有液状ゴムの架橋剤としても働く。
(13)凝破:凝集破壊
(14)*:一部凝集破壊
【0062】
表1の結果から、次のことが言える。
比較例1は、天然ゴムとSBRよりなるエラストマーに、粘着付与剤を添加したのみでは、低温におけるタックが低く、しかも高温での凝集力が低下することを示している。
比較例2は、比較例1の組成物に軟化剤を添加したため、低温におけるタックは向上したが、高温における凝集力は改善されていないことを示している。
【0063】
比較例3は、粘着付与樹脂の配合量を減らしたため、加熱冷却後の粘着力は低く押えられたが、23℃の粘着力が低く、貼付作業に支障をきたすことを示している。
比較例4は、イオウ系加硫剤を添加したが、テトラブチルチウラムジスルフィドの配合量が少なく、高温での凝集力は改善されたが不十分であることを示している。
【0064】
比較例5は、イオウ系加硫剤を添加したが、テトラブチルチウラムジスルフィドの配合量が多く、架橋密度が高くなり、高温での凝集力は高いが粘着力が低下することを示している。
実施例1は、イオウ系架橋剤が適量で、しかも、官能基含有液状ゴムを配合して、複合架橋構造を生成しているので、高温での凝集力と粘着力のバランスが良くなっていることを示している。
【0065】
実施例2は、実施例1よりも亜鉛華を増量したが大きな影響はなく、粘着物性は良好であることを示している。
実施例3は、天然ゴムとSBRの比率を変えたが、粘着物性は良好であることを示している。ただし、SBRが多いと23℃の粘着力が若干高くなったが、高温での凝集力・粘着力、低温のタック等は良好であった。
【0066】
実施例4〜5及び比較例6〜7は、官能基含有液状ゴムの配合割合の影響をみたものである。官能基含有液状ゴムが添加されていないと(比較例7)、高温での粘着力が低下し好ましくない。官能基含有液状ゴムの配合割合が多すぎても(比較例6)、高温での粘着力が低下し、特定の範囲(実施例4〜5)が好ましいことが分かる。
実施例6〜7は、官能基含有液状ゴムの種類を変え、それに対応した架橋剤を用いた例である。何れの場合も、高温の粘着力・凝集力、低温のタック等が高く良好であった。
【0067】
【発明の効果】
ゴム系粘着剤に軟化剤(液状ゴム)を添加すると、低温のボールタックは向上するが、高温では粘着剤が軟化し凝集破壊を起こす。また、ゴム系粘着剤において、粘着付与樹脂の配合割合を減らすと、加熱後に冷えた場合(特に冬季)の粘着力は低くすることができるが、常温での粘着力が低く被着体に貼るのが困難となる。
【0068】
本発明の粘着剤組成物は、常温での粘着性に問題のない粘着付与樹脂量で、かつ、低温でのタックに問題のない軟化剤量でありながら、天然ゴムとSBRよりなるエラストマーをイオウ系架橋剤で架橋し、官能基含有液状ゴムをその架橋剤で架橋しているため、架橋状態が複合化できて、高温における粘着力、凝集力をともに向上でき、温度依存性の小さい粘着テープを提供することができる。特に、本発明の粘着剤組成物は、和紙を基材とするマスキングテープの粘着剤として好適である。

Claims (3)

  1. 天然ゴム40〜95重量%とスチレン−ブタジエン共重合体ゴム5〜60重量%よりなるエラストマー成分(A)100重量部、イオウ系架橋剤(B)、官能基を有する液状ゴム(C)5〜100重量部、及び該液状ゴムの官能基と反応性を有する架橋剤(D)を含有することを特徴とする粘着剤組成物。
  2. 官能基を有する液状ゴム(C)が、官能基を側鎖に有するものである請求項1記載の粘着剤組成物。
  3. 請求項1または2記載の粘着剤組成物をテープ基材に塗工してなるマスキングテープ。
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